個人情報保護法制化専門委員会

第5回個人情報保護法制化専門委員会議事録



1 日 時:平成12年2月29日(火)15時〜17時10分

2 場 所:総理府5階特別会議室

3 出席者:

園部逸夫委員長(立命館大学大学院客員教授)、小早川光郎委員長代理(東京大学法学部教授)、上谷清委員(帝京大学法学部教授)、高芝利仁委員(弁護士)、高橋和之委員(東京大学法学部教授)、遠山敦子委員(文化庁顧問)、新美育文委員(明治大学法学部教授)、堀部政男個人情報保護検討部会座長(中央大学法学部教授)が出席
*藤原静雄委員は海外調査中、西谷剛委員は欠席

(事務局)
藤井昭夫内閣審議官、小川登美夫内閣審議官、松田学内閣審議官

(関係団体)
大阪府:企画調整部人権室 人権企画課長 谷野 敏雄
企画調整部人権室人権企画課 人権推進係長 中岡 恭子
自治省:大臣官房情報政策室長 井筒 郁夫 が同席
知る権利ネットワーク関西:事務局長 岡本 隆吉
教育情報の開示を求める市民の会:代表世話人 山口 明子
全国消費生活相談員協会:理事長 藤井 教子
消費科学連合会:事務局次長 原 早苗

4 議 題
(1)関係団体ヒアリング
(2)その他

5 審議経過

【園部委員長】それでは、ただいまから個人情報保護法制化専門委員会第5回会合を開催いたします。本日は藤原委員が海外出張中、西谷委員が所用のためそれぞれ御欠席、それから遠山委員は近くの会合にお出になっていらっしゃるので少し遅れるということでございます。

 さて、本日は次第にございますように関係団体からヒアリングを行います。まず大阪府、次に知る権利ネットワーク関西及び教育情報の開示を求める市民の会、最後に全国消費生活相談員協会及び消費科学連合会からそれぞれ説明を聴取し質疑を行います。時間配分は、1つの分野についておおむね40分程度とし、それぞれ入替え制で進行をすることといたします。

 それでは、まず大阪府からお話を伺います。本日は大阪府の企画調整部人権室人権企画課長の谷野敏雄さん、企画調整部人権室人権企画課人権推進係長の中岡恭子さん、それから関連質疑が地方公共団体一般に関わることもございますので、自治省から大臣官房情報政策室長の井筒郁夫さんにおいでいただいております。本日は御多忙のところ、また谷野課長、中岡係長、いずれも遠方から御出席いただきまして大変ありがとうございます。せっかくいらしていただいたのに説明の時間が短くて申しわけないのですが、御説明は約20分、その後20分程度をこちらからの質疑に当てさせていただきます。よろしく御協力をお願いいたします。

 それでは、谷野課長から御説明をお願いいたします。どうぞ。

【谷野大阪府企画調整部人権室人権企画課長】それでは、お手元の「大阪府個人情報保護条例の概要と今後の課題について」というレジュメに基づきまして説明をさせていただきます。そのほかにパンフレット等がございますので、逐次参照していただくようにいたします。

 それでは「大阪府個人情報保護条例について」ということで(1)の「制定までの経緯」でございますが、大きく分けて2つの段階がございます。最初は昭和56年に大阪府でプライバシー保護研究会というのを設置いたしまして、それからまた専門家懇談会を設置いたしまして58年に報告書が出ております。その報告書の内容でございますが、公的部門、府が行う個人情報の処理を条例化ということで、大阪府公文書公開条例、59年3月制定でございますが、この中の前文で個人のプライバシーに関する情報は最大限に保護する。各論といたしまして9条第1項で、個人情報のうち一般に他人に知られたくないと望むことが正当であるプライバシー情報は非公開、個人情報のうちプライバシー情報は非公開という規定をいたしております。公文書公開制度とは別に本人開示制度を公文書公開条例の中で合わせて設けました。

 それから、昭和50年に部落地名総鑑と申しまして、同和地区の名称、所在地等を記載した書籍を売買することが発覚いたしましたが、民間部門におきましては条例による一律規制は困難であるということで、特にプライバシー侵害が問題となるものを条例で規制することになりました。これにつきましては別添の資料3の小さいパンフレットでございますが、こちらの方の7ページから8ページのところでこの条例の仕組みが書かれております。これは、中身といたしましては部落差別事象を引き起こすおそれのある調査、報告等の行為を規制する。調査業者を規制していくというのが大きなポイントになっております。

 この条例の立て方としましては、調査業者は届出をする必要がある。遵守事項については特定の個人、親族の居住地が同和地区にあるかないかについて調査し、また報告しないこと。それからもう一つは、同和地区の所在地に関わる情報提供をしないこと。帳簿等を備え付けること。それで、この条例の遵守事項に違反したときは指示、行政指導をいたしまして、それに従わないと営業停止命令1か月以内、それに従わないときは罰金ということで3か月以下の懲役または10万円以下の罰金と、こういうようなシステムを設けております。それで、もし条例違反の疑いが明白なときは立入り検査とか、帳簿の提出とか、そういう強制的な権限を付与したものでございます。これをまず特別法として制定をしたわけでございます。

 この後、基本法となる個人情報保護条例につきましては、61年にプライバシー問題研究会を設置しまして、以後、検討を進めたわけでございます。それで平成6年、7年とずっと検討をして報告書なり提言が出てきまして、平成8年2月に個人情報保護条例案を府議会に上呈をいたしまして、3月末に公布され4月1日に審議会関係の一部施行、10月1日から全部施行ということで制定がされております。現在、来る3月議会に情報公開法と合わせた情報公開条例の改正、地方自治法の改正、民法の改正に伴い、規定整備の改正案を上呈をいたす予定でございます。このように、大阪府の場合は基本条例となる個人情報保護条例と、個別法となる部落差別調査規制条例、この2本立てで現在設置運用しているわけでございます。

 まず個人情報保護条例の概要でございますが、パンフレット、2−2に基づいて説明をさせていただきます。これは基本理念といたしましてはそこのレジュメに書いていますように条例前文で、「個人の尊厳と基本的人権の尊重は、私たちの社会の基礎をなすものであり、この見地から個人のプライバシーを最大限に保護することが重要である。とりわけ情報・通信技術の飛躍的発展がもたらす高度情報化社会においては、個人が自己に関する情報を自ら実効的にコントロールできるようにすることが必要である。このような理解のもとに、広く個人情報の保護を図り、個人の尊厳を基調とする高度情報化社会の実現を目指し、この条例を制定する。」としています。

 Aで対象となる個人情報でございますが、パンフレットでは3ページでございます。特定個人が識別され得る情報で、電子計算機によって処理される情報だけでなくて手作業で処理される情報も対象といたします。

 それから、実施機関の責務については6ページに記載をしております。まず個人情報の収集制限、これは7条であらかじめ取り扱う目的を明らかにして必要な範囲内で収集するということで、本人収集の原則、それからセンシティブ情報は、個人の尊厳に深く関わるということで原則収集禁止。それで、この場合、大阪府の特徴といたしましては思想、信仰、信条、心身に関する基本的な個人情報に加え、社会的差別の原因となるおそれのある個人情報が入っております。「心身に関する個人情報」が入っているのが大阪府の特徴的な条項でございます。

 2といたしまして個人情報の利用提供制限、これは8条でございます。これは目的外の利用提供は原則禁止、それからオンライン結合を用いた個人情報の外部提供の原則禁止。 7ページに移りまして個人情報の適正管理、漏洩、滅失等に対する防止措置等をうたっております。

 8ページに移りまして保有する個人情報に対する開示請求等の権利保障ということで、自己情報についての開示請求、それから情報に誤りがあるときの訂正請求、それから条例7条の収集制限に違反して収集したときの削除請求、これは本人法定代理人からの請求を認めております。

 それから、異議申立てがあった場合は9ページにありますように個人情報保護審議会に諮問しましてその答申を尊重して速やかに決定することとなっております。このほかに、制度といたしましては8ページの真ん中にあります口頭開示請求、これは試験結果等あらかじめ一律に開示の判断を行うことができて大量の請求が見込まれるものについては口頭で開示請求ができるという制度を設けております。

 それから、8ページの一番下にございますが、実施機関が保有する自分の情報の取扱いが条例の規定に違反して不適正であると認めるときは是正の申出をすることができるということになっております。

 10ページにまいりまして、事業者の責務に関するものでございます。それから、合わせて事業者につきましては個人情報ガイドブック2−1でございますが、この2つを御参照願います。事業者の責務といたしましては個人情報の取扱いに当たり、個人の権利利益を侵害しないような必要な措置を講じる責務と、個人情報の保護に関する府の施策に協力する責務を事業者に課しております。それから、センシティブ情報は特に慎重に取り扱う責務を課しております。それから、府が出資する法人で実施機関が定めるものについては府の定める準則により民間事業者以上の保護措置を講ずる責務を課しております。

 それから、事業者の自主的措置のための指導助言でございますが、これは知事は審議会の意見を聞いて事業者が個人情報を取り扱う際に準拠すべき指針、ガイドラインを策定して指導、助言を行っております。このガイドラインが先ほどの「事業者の皆さんへ」というパンフレットの中身となっております。また、知事は事業者が個人情報を不適正に取り扱っている疑いがあると認めるときは、説明または資料の提出を要求する。事業者が個人情報を著しく不適正に取り扱っていると認めるときは審議会の意見を聞いた上で勧告を行う。事業者がこの説明要求や資料提出に理由なく応じないとき、それから先ほどの是正勧告に従わないときは審議会の意見を聞いた上でその事実を公表するということになっています。要するに、事業者に対しては自主的な取り組みを促進するとともに、問題が改善されない場合の制裁措置につきましては公表というシステムをとっているわけでございます。

 それから、(3)の「府条例の特色」でございますが、先ほど申し上げましたようにセンシティブ情報の取扱いについて心身に関する規定、病歴とか障害等の状況、これをセンシティブ情報の中に入れたということでございます。これにつきましては、OECD8原則だけではなくてEU指令等、その後の状況も配慮してこういう厳しい規定を設けているわけでございます。

 Aといたしまして請求権の一身専属性を厳格にしております。条例の開示等請求権は条例上、本人、未成年者、禁治産者の法定代理人に限定をしておりまして、受付窓口におきまして運転免許証とか保険証等でもって本人確認を厳格に行っております。今後の課題にも関わってくるわけですが、開示等の請求権を広く求めることと情報の本人の権利保障が必ずしも一致しない場合がございます。過去に問題になったのは、親の子に対する虐待についての相談記録の情報を親から開示請求された場合、その子どもの情報であって親の情報でもある情報についてどちらの利益を優先するかというのが問題になった場合がございます。これは、双方これを調整する必要があるということはあります。

 それからもう一つは、代理請求を認めた方が便宜は図れるわけですが、しかしながら本人の意思に反して第三者に情報開示する危険性も生じてくるということで、この場合は一身専属をかなり厳格に解して運用しているわけでございます。

 3つ目は、事業者に対してもセンシティブ情報の取扱いにより厳しい責務を課しております。府の条例では実施機関に対してセンシティブ情報の慎重な取扱いを定めるとともに、事業者に対しても条例本文でセンシティブ情報の慎重な取扱いを明記をしております。そのため、条例に基づきガイドラインを作成しておりますが、この中でもセンシティブ情報の取扱いについては特に慎重な取扱いを要する情報として別途条項を設けております。

 資料2−1の6のところに「特に慎重な取扱いを要する個人情報」ということでこれを明記いたしております。

 大阪府の審議会につきましては委員7名で構成されておりまして、会長は京都大学の佐藤幸治先生に当初からお願いをして運営してまいっております。そのほかの先生はそこに記載しているとおりでございます。これまでの調査審議で問題になりましたのは、まず実施機関の個人情報の取扱いに関する事案でございます。これは7条、8条関係でございますが、本人収集の原則とか、目的外利用の提供について原則を定めているわけですが、もし例外的な取扱いが必要な事務事業がある場合は、個々に審議会に諮問して答申を得ているというようなシステムとしておりまして、かなり突っ込んだ議論をしていただいております。

 ただし、条例を施行する前につきましては庁内における例外的取扱いが必要な事項について一括的に諮問し、答申をいただいております。条例制定後は本人収集の例外におきましては、例えば府立学校において中学校から高校が情報を収集する場合に、クラス編成に必要な情報に限定して認めた事案とか、センシティブ情報収集の例外では高齢者の介護支援サービス体制を支援するための調査では情報の収集範囲を限定して、基本的には本人の同意を得て情報収集を認めた事案とか、目的外提供の例外といたしましては地域振興券の交付事業のときに乳児院等、施設入所児童等対象となる者の情報を、府から市町村長に提供する例外事案とか、オンラインの外部提供の例外では教育委員会において講師人材情報の提供システムの事案とか、こういうものを審議し、認めてきた経緯がございます。

 それ以外に、非開示決定に対する異議申立てに対する事案がございます。条例では、非開示決定等に対して異議申立てがあった場合は、審議会に諮問して答申して速やかに決定することといたしております。

 (5)の運用状況のところにございますが、平成10年度までに異議申立は3件ございました。平成8年度が生徒指導要録、これは卒業生に係る分でございます。平成9年度は先ほど申しました子ども家庭センターの児童相談記録に関するものでございます。それで、平成10年度は生徒指導要録の在校生に係る分でございます。平成12年度は2件、これは削除請求に係る分でこれから議論をしていくものでございます。

 それから、審議会の機能といたしましては条例の運用に関する事項について調査し、審議した後、建議をすることがございます。これまで建議があったのは2件でございまして、1点がレセプト、診療報酬明細書の情報提供における死者情報の取扱いについて建議がされました。社会保険庁からの通達によりまして、レセプトについては本人だけでなく遺族に対しても条例の目的外提供の例外として取り扱うことが認められ、簡易な情報提供が可能になりましたが、特に死者情報については病名等、遺族であっても知られたくない情報もあるので、本人の権利利益を侵害しないよう、慎重な取扱いに配慮するよう建議文が出されました。

 もう一点は個人情報保護条例の改正に係るもので、情報公開法の制定に伴い情報公開条例が改正されたこと、それから民法改正、地方自治法の改正を受けて個人情報保護条例のあり方についての建議文が出されたものです。

 それから(5)の「条例の運用状況」でございますが、平成8年度は開示請求が28件、異議申立てが1件、試験等の口頭開示が366 件、平成9年度は開示請求23件、異議申立て1件、口頭開示が1,068 件、平成10年度が開示請求は20件、異議申立てが1件、口頭開示が1,231 件、平成11年度1月末現在で開示請求は14件、削除請求が2件、異議申立てが2件、口頭開示が920 件、それから現在個人情報取扱事務登録簿に掲載している事務事業の現在数は1.673 事業でございます。

 開示請求の内訳でございますが、例えば平成8年度におきますと調査書、内申書が15件、生徒指導要録は4件、レセプトが1件、9年度でございますと調査書が10件、生徒指導要録が4件、レセプトが5件、カルテが2件、10年度でございますと調査書が8件、生徒指導要録が4件、カルテが2件、平成11年度におきますと調査書が7件、カルテが3件、このように医療情報と教育情報が主な請求内容となっております。

 現在の運用状況でございますが、調査書と生徒指導要録については当初開示するかどうか、異議申立て等で争われたわけで、個別ケースごとに実施機関が判断している現状でございますが、今のところは全部開示ということで運用しております。相談記録については第三者の情報があるときは非開示決定の例がございます。病院等のカルテも治療上支障がある場合は非開示となりますが、今までのケースは全部開示となっております。なお、文書保有期間の終了など、実施機関が情報を保有していないものは不存在通知ということになっておりますが、今後の改正案では不存在も非開示決定と取り扱うことと予定をいたしております。

 次に、2の「条例運用を通じて生じてきた課題」でございます。まず開示請求権を有する者の範囲でございますが、死者情報の取扱いとして死者情報も個人情報として条例の保護の対象となっております。死者の個人情報は原則として開示請求の対象とはならないわけですが、死者に関する情報であっても相続財産に関する情報のように被相続人である死者の情報であると同時に、相続人の情報である場合は相続人に対して開示請求を認めております。

 それから、死亡したときに未成年であったものの法定代理人からの開示請求については、本人が生きておれば権利行使は可能である。それから、親の監護、養育権者として認識している情報ということで、これについてはまだ例はございませんが認めております。

 また、カルテ等の医療情報を遺族に認めるかどうかにつきましては、基本的には開示請求権は認めておりませんが、医療現場では治療行為と医療行為の目的内の一環として、医者が遺族に対して死者に関わる情報は説明しているのが現状でございます。

 次に、代理請求の取扱いでございますが、現在のところ府の窓口で本人確認を厳格に行っているわけですが、府庁に来庁できない者についてどうするかという問題がございます。例えば障害者の方とか、収監されている者、入院中の者、海外渡航中の者、こういう場合どうするか。過去に視覚障害者の方で保健所の出張相談記録の開示請求があった場合は、例外的に本人のところへ職員が出向いて本人確認をし、請求を受け付けた例がございます。これ以外につきましては、本人の同意を確認して目的外提供という形で対応してきたところでございます。

 最後に未成年者の取扱いの問題でございまして、条例上、未成年者には法定代理人からの開示請求を一律に認めるところでございます。これは幼児とか、小学校低学年の者には該当するわけですが、高校生や大学生など、本人の意思能力が十分であって、かつ法定代理人に対して自分の情報を知られたくない者に対してはかえって問題状況を招く可能性がございます。

 たとえば兵庫県の条例におきましては14条第2項で未成年者または禁治産者の法定代理人は本人に代わって開示請求をすることができる。ただし、本人が反対の意思を表示したときはこの限りではないというように条例で明記をされております。運用上、解釈運用基準におきまして、少なくとも15歳を超える者については意思能力があると見て本人の意思確認が必要という運用をされているようでございます。これは民法797 条の15歳未満の養子縁組は法定代理人が代諾できると、これを根拠に運用をされていると伺っております。

 それからAの「実施機関の範囲」でございますが、これは知事のほか、レジュメに記載したところが実施機関になっております。今回、情報公開法の制定に伴い情報公開条例では公安委員会を実施機関に入れることも検討しておりますが、個人情報保護条例においても個人情報保護法の制定等を見ながら今後検討が必要ではないかと考えております。今のところ、議会についても実施機関には入っておりません。

 それから条例施行後の、インターネット等、情報化の進展との調整がございます。条例の地域的限界といいますか、条例はオンライン結合については原則禁止しているわけですが、オンライン結合は広範なネットワーク化に意味があって府だけで制限を設けるのはなかなか難しいという具合に現実的にはなっております。

 それからもう一つは、インターネット上の個人情報保護に関する統一的な基準が必要になってきているのではないか。インターネットを通じた情報提供のメリットとともに、一方では個人情報の保護の観点からは危険性も増大しており、この辺についての社会の合意形成や一定の基準が今後必要になってくるのではないかという問題意識を持っております。

 それから(2)は「事業者に対する有効な指導・啓発」ということでございます。実効性の確保の問題といたしまして、条例では事業者に対して個人情報保護の責務規定を置いているわけですが、現実問題といたしましては問題が起きたときは報道機関によって社名の公表をされている場合がほとんどであるという実態がございます。それから、調査権限は強制力がなく、地域的制約もあり、実効性の観点から言うと十分とは言い難いと認識しております。

 これまで条例上に基づいて指導なり公表した例はないわけですが、いろいろ新聞等で問題になった百貨店とか通信会社等の場合、我々が知った場合はまず担当者を呼んで事実確認を行って、今後こういう情報に配慮した社内体制の確立についていろいろ指導をした経緯はございます。

 また労働組合等で、非組合員となった人の名簿を選挙事務所に渡して問題になった例とか、そういうこともございます。

 それから、府民からよく相談があるのは、ダイレクトメールが自分の知らないところから送られてくるけれどもどうしてだということでよく問合せがあるのですが、会社の方が否定すると調査権がないので事実確認が難しいという現状にございます。

 京都府の宇治市で住民基本台帳を基に作成されました乳幼児健診システムのデータ流出事件がございました。大阪府の場合、個人情報を含んだ業務を外部に委託する場合は事務委託基準をつくりまして秘密の保持とか再委託の禁止、適正な情報管理等、必要な措置を講ずるよう求めているわけですが、現実に流出した場合、罰則の可否の検討をしていく必要があるのではないか。宇治市の場合は3万円以下の罰金を条例上定めておられまして、それを基に対応されたようですが、委託業務が増えていく中で委託先に対してどのような制裁措置がとれるのか。この辺は今後、検討していく必要があるのではないかという具合に考えております。

 あと、平成10年に、府内の調査会社が規制条例に違反し部落差別調査をやっていた事実が明らかになりました。これにつきましては、資料1−2で今までの経緯と課題を整理させていただいています。1ページの概要参照のところにございますが、平成10年6月に府内の団体から調査業者の条例違反行為についての情報提供を受けた後、条例に基づきまして調査事務所へ立入り検査、関係者の事実確認、取引先企業に対するヒアリング、これは約1,400 社に対して8割以上の企業から回答があったわけですが、そういう調査を行った結果、府内の調査業者2社が企業から依頼された採用調査に際しまして応募者の所在地が同和地区にあるかないかについて調査し、報告していることが判明いたしました。

 そこで、同年11月に当該2調査業者に対して再発防止に向けた研修、社内体制の確立を柱とする条例に基づく行政指導、指示を行うとともに、うち1社を無届け営業で告発をいたしました。これは科料ということで確定をいたしております。現在、1社は廃業いたしまして、1社は個人調査部門から撤退しています。

 しかしながら、この調査業者がこれらの採用調査に関しまして条例違反の部落差別調査だけではなくて思想、信条とか宗教、家族の状況など、本人の適性能力以外の情報も収集し、提供していたことが判明いたしました。また、企業の中にはこのような公正採用選考の観点から問題となる情報の調査を依頼したことがあったことも判明をいたしております。更に企業から調査業者に渡した履歴書の取扱いなど、個人情報保護の観点からの問題があったわけでございます。

 これを受けまして、6ページの3のところに書いておりますように、本事件を踏まえまして企業に対して個人情報保護条例の趣旨を啓発しているところでございますが、学識経験者、調査業界、経済界、労働界の意見を伺いながら企業における公正な採用選考の推進、応募者の基本的人権が守られた採用調査の在り方について検討していく中で、こうした採用調査についても一定の考え方を取りまとめて問題提起をしていきたいと考えております。

 以上、短い時間でございますが、大阪府からの報告でございます。それから、お手元に1枚で別途資料を配布させていただいていますが、3月13日に「インターネット時代の企業と人権」ということで個人情報保護に関する基本的な法制の確立に向けて堀部先生に講演を依頼しております。我々としても国の制定状況は大いに関心を持っておりまして、企業の方々にも個人情報保護の必要性について訴えていく必要があると考えております。以上でございます。

【園部委員長】どうもありがとうございました。大変急がせてしまいましたが、たくさんのことをお話しいただきました。今の段階で井筒室長、何かございませんか。

【井筒室長】特にございません。

【園部委員長】それでは、時間も余りありませんけれども、各委員から御質問をいただきます。どうぞ、御自由に。
 どうぞ、小早川委員。

【小早川委員】今の同じところで4ページの運用状況のところですけれども、開示請求という数字と、それから口頭開示というのとありますが、口頭開示というのは何か条例に基づくものなのでしょうか。

【谷野課長】口頭開示は資料2−2のパンフレットの8ページの下から2段目のところで「本人に限定」ということで「口頭開示請求 実施機関があらかじめ定めた個人情報については、口頭で開示請求できます」。これは19条第1項の規定に基づくものでございます。それで「あらかじめ定めた個人情報とは、試験結果等のように一律に開示の判断を行うことができ、一度に多くの請求が見込まれるものについて、実施機関が定めたものを指します」ということでございます。具体的に申しますと、行政書士試験でございますとか調理師試験とか、毒物劇物取扱者試験など現在、このような20試験について口頭開示をすることをあらかじめ定めており、受験票の提示などを求めまして本人確認をした上で成績等を御本人に開示をするというものでございます。

【小早川委員】これは開示、非開示の判断が微妙な問題が出てくることはないものですか。

【谷野課長】ないです。開示すると決めたものだけをこの制度に乗せるようにしております。

【堀部座長】それに関連して、これは府立高校の入試については実施していないのですか。

【谷野課長】はい。

【堀部座長】数が少ないと思ったのですけれども、東京都は条例に基づくわけではないのですが、実施していますし、神奈川県は条例に基づいて実施しています。それは行っていないということですね。わかりました。

【中岡大阪府企画調整部人権室人権企画課人権推進係長】実務的な問題として府立高校の各窓口で対応できるような体制が整っておらず、まだそこまで至っていないということです。例えば行政書士試験とかでは担当課の窓口で持ってこられたら即お見せするということになっています。
 ちなみに、こういうものを設けていますのは開示請求されますと開示決定後、通知を出して、後日開示となりますが、口頭開示制度ではあらかじめ定めたもの、得点とか順位というものについては窓口で即時お見せできるということです。

【園部委員長】高橋委員、どうぞ。

【高橋委員】2点お伺いしたいと思います。1つはセンシティブ情報は原則として収集禁止ということをおっしゃいましたが、例外的に許可されているような場合があるとすればどういう場合なのか、それが1つです。
 もう一つ、問題が起こった場合について条例に基づく調査業者への事務所の立入り検査があったと書いてあるのですけれども、立入り検査の権限はそうすると条例で書いてあるわけですね。それを拒否したような場合にはサンクションが付いた形で書いてあるのですか。以上、2点をお願いします。

【谷野課長】センシティブ情報収集の例外として、例えば診療行為に伴って病歴等を収集するのは当然でございますので、こういう場合は例外として認めております。それから、例えば職員とか委員の任命を行うときの犯歴照会でございますとか、機関委任事務について国からの指示に基づいてセンシティブ情報を収集するとか、こういった場合は認められております。
 それから、もう一つの立入り検査につきましては資料3の部落差別調査規制条例の11条で「知事は、第7条の規定の実施に必要な限度において、興信所・探偵社業者に対しその営業に関し報告若しくは資料の提出を求め、又はその職員に、興信所・探偵社業者の営業所に立ち入り、帳簿及び書類の検査をさせ、若しくは関係者に質問させることができる」という、この権限に基づいてやっております。それで、もしこの11条に反した場合の罰則は13条から15条のところにあります。
 「第11条第1項の報告若しくは資料の提出をせず、若しくは同項の報告若しくは資料の提出について虚偽の報告若しくは資料の提出をし、又は同項の規定による検査若しくは質問を正当な理由なく拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、3万円以下の罰金に処する」ということで、これで担保されております。

【高橋委員】センシティブ情報について、大阪府の特徴としてさらに身体についての、というのを入れている。今言われた医療情報などはむしろそちらの方ですかね。それで、思想、信仰、信条に関するような例外はいかがでしょうか。

【中岡係長】例えば作文とかコンクールを行ったりして思想とか、その人の信条だとか、そういうものを消極的な形ですけれども入手する場合がございます。また海外から研修生を受け入れる場合とかで、その研修生の信仰に関する情報が収集されるような場合もございます。

【谷野課長】食事とか、食生活に配慮するとか、そういう意味で収集する場合ですね。

【園部委員長】新美委員、どうぞ。

【新美委員】非常に興味深く伺いました。そこで、請求権の一身専属性を厳格にされたということなのですが、細かい解釈論になるかもしれませんが、法定代理人の権限というのは基本的には財産行為に限られるわけで、こういった一身専属権について法定代理人が当然にいけるかどうかというのは議論があるところだと思います。大阪府の方でその辺の議論はありましたでしょうか。

【谷野課長】未成年者と禁治産者に限定して法定代理人を認めており、本人に能力がないという前提でつくっているんです。その場合、問題になるのは未成年者で本人に意思能力がある場合、本来法定代理人として認めるかどうかというのはちょっと課題があるという認識をしております。

【新美委員】と申しますのは、禁治産者であっても、あることについては能力はないけれども、ある場合にはあるというかなり変動性のあるものなんですよね。そういうことについては、禁治産者と未成年者に対象を限定したからその辺は余り議論しないでいいというか、そういう形で進んでいったのでしょうか。

【谷野課長】なるべく本人に限定をするという前提でございます。だから、本人以外であれば代理人であってもやはり本人の利害と対立する場合があるし、そこはかなり慎重に判断すべきだというのが大阪府の条例の考え方になっております。

【園部委員長】どうぞ、高芝委員。

【高芝委員】先ほどのお話の中で、大阪府の特徴としてセンシティブ情報の中で心身ということを説明いただいて、その例として病歴などということを伺ったのですけれども、病歴についてはほかでもセンシティブ情報に入るというのは割と一般的なとろもあるかと思うのですが、その特徴というのは心身という言葉を使ったというところだという趣旨なのでしょうか。

【谷野課長】関東というか、東京、神奈川の方は心身はセンシティブ情報の条文に入っていないと我々は理解をしているのです。それで、こちらの関西、京都、大阪、兵庫の方は後でつくったわけですが、議論をして条例の文言といたしまして心身を入れたということでございます。

【高芝委員】文言という趣旨ですか。わかりました。

【園部委員長】思想、信仰、信条その他の心身ということになっているんですか。

【中岡係長】この資料2−2の一番後ろ側に条例の抜粋が出ていまして、その中の7条の4項で「実施機関は、次に掲げる個人情報を収集してはならない」とし、1号、2号があります。それで、大阪府は条例をつくる前に他府県のところを調べましたときに、思想、信仰、信条、宗教とかはありましたが、心身に関する基本的な個人情報というのは入っていなかったと思います。

【園部委員長】それはわかるのですが、この例を挙げるのに思想、信仰、信条はいずれも心身の心の方ですね。だから、身の方について具体例というものはここに挙げられないのですか。

【谷野課長】病歴、障害等です。

【園部委員長】それはどうしてここに挙げなかったのですか。それはわざわざ挙げなかったのですか。普通は何かそれに当たるものを挙げて、その他とやるわけだけれども、これだと思想、信仰、信条、いずれも心の方の問題だから、具体的に身は何かということがわかりにくいですね。やはりそれは普通は病歴、障害ですか。

【谷野課長】そうですね。

【上谷委員】心身というのはそうすると精神、身体と理解したらいいのですか。

【谷野課長】そういうことでございます。

【園部委員長】そこのところがわかりにくいですね。それで、センシティブ情報というのは私にはわからないのですが、そういう言葉を使っているのですか。

【谷野課長】最近EU指令などで使っています。

【堀部座長】センシティブデータなどの言葉はよく使いますね。

【園部委員長】日本語ではどういう意味なのですか。

【堀部座長】なかなか訳せなくて困る言葉ですが、思想、信条、宗教、労働組合加入などを指します。

【谷野課長】本当は日本語にちゃんと訳すべきなのでしょうけれども。

【園部委員長】いろいろお聞きしたいことも山ほどあるのですが、ちょっと時間が押しておりまして、もし何かありましたらもうお一方ぐらいと思いますが、よろしゅうございますか。
 自治省の方から特にお付け加えいただくことはございませんか。

【井筒室長】 特にございません。

【園部委員長】それでは、大阪府からのヒアリングにつきましてはここまでとさせていただきます。大阪府の谷野課長、中岡係長、自治省の井筒室長、本日はどうもありがとうございました。時間の関係で本日お伺いできなかった質問につきましては、後日事務局を通じて照会させていただくこともありますので、そのときはどうぞよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

【堀部座長】新美さんが言われたことですが、個人情報保護法の13条2項で法定代理人という概念を認めたのです。法定代理人というのは財産権に関することなのでどうするかという議論はしたのですけれども、借用概念としてほかにないので自治体がそれを使い出したのです。この法律に由来しています。

【新美委員】この法律もそのあたりについて、余り議論されていないものですから。

(大阪府関係者退室・知る権利ネットワーク関西及び教育情報の開示を求める市民の会関係者入室)

【園部委員長】どうもお待たせいたしました。引き続きまして、知る権利ネットワーク関西及び教育情報の開示を求める市民の会からヒアリングを行わせていただきます。
 本日は、知る権利ネットワーク関西から事務局長の岡本隆吉さん、教育情報の開示を求める市民の会から代表世話人の山口明子さんのお2人においでいただいております。お2方には御多忙のところ、大阪からおいでいただきましてありがとうございました。非常に短い時間なのですが、両団体合わせて御説明は20分程度、その後20分程度を一括して関連質疑に当てたいと考えておりますので、よろしく御協力をお願いいたします。
 それではまず知る権利ネットワーク関西の岡本事務局長から御説明をお願いいたします。

【岡本知る権利ネットワーク関西事務局長】お手元に今回のヒアリングの口頭陳述書というのを出させていただいております。資料4です。

 実は、せんだって1月17日付で3団体共同で意見書を出しておりますので、それを資料4に一緒にとじさせていただいております。更に新聞記事を資料4の手書きの資料1、2、3、4、5、6と提供させていただいております。資料6につきましては、昨日の国会でも少し討議されたということでございまして、後ほどこれについても御提案させていただこうと思っております。

 私ども知る権利ネットワーク関西というのは、関西市民やいろいろな肩書きをお持ちの方々も含めて運動体としてつくって情報公開の請求をしたり、あるいは行政に対して改善の提言をしたり、この間やってきたわけですが、その一環として今回個人情報保護の法制化委員会でヒアリングさせていただくということに関して非常にうれしく思っております。主として今回の中間報告に対しての基本的な部分については後ほど山口さんの方から述べていただこうと思っておりまして、簡単に私どもの意見というものをまとめておりますので、それを説明させていただきます。

 まず、個人情報保護法をつくるに当たっての理念として、個人の尊厳ということが中間報告の中では書かれておるわけなのですが、どうも文章的に読ませていただくとその後の利用とかという側面がどうしても引っ掛かりまして、果たして利用ということを考えたときに個人の尊厳が本当の意味で守られるのだろうかというようなことも危惧いたします。先ほど大阪府が説明されたと思いますが、大阪府の個人情報などは非常に我々市民が見てすっきりした形でまとまっている。それはなぜかというと、やはり行政の持っている情報をまずきちんと確立していこう。保護という立場で確立していこうという精神で一貫して貫かれておるがために、我々が見ても市民が読んでもすっきりする形になっているのではないかと思うわけです。したがいまして、是非そういった意味でまず国が保有する情報についてきちんと基本的な部分でこの理念を確立していただきたいと思うわけであります。

 Aは、そのためには大阪府の個人情報でも収集の制限だとか、あるいは利用、管理、責任というのがきちんと明確化されている。今回の国に対しても個人情報収集の範囲、収集の在り方あるいは個人情報の開示請求権、削除訂正権がきちんと明確にされていくような形にしていただきたいと思っております。

 3番目に、今回の中間報告は包括的ということに非常に重きが置かれているように私ども拝察するわけでありまして、またそれではかなりの部分で後退したものになるのではないか。現在、各地方自治体で個人情報保護条例が実際に行われております。それで、その制度が利用あるいは包括的ということから後退するようなものにならないかということを特に心配しておりますので、そういうことがないようにしていただくためには、やはり行政が持っている、国が収集する個人情報についてどのようにするかという基本的なところをまずきちんと確立していただきたいと思っております。

 それで、その私どもの主張の裏付けとして、実はその次に3番目に教訓していただきたい過去の事例、特に医療分野について述べさせていただこうと思ってまとめております。

 1つは、1997年から厚生省が進めましたカルテの診療情報に関する活用に関する件とか、ここではカルテの開示についての法制化が答申として出されたわけですけれども、医療審議会でそれが時期尚早ということで法制化の検討会の結論が先送りされてしまったわけです。もちろん、この先送りされた原因の中には、それぞれが自主的にやっていくというマニュアルが示されるためにそうされたわけですが、マニュアルというのはあくまでも努力目標でありまして、きちんと法律で裏づけて個人の情報が開示されるようにしていただきたい。この中間報告では医療情報については例として、個別法でやっていく事例として特に書かれている。そのことに関して、私どもは非常に引っ掛かるわけであります。是非医療情報というのも基本部分できちんと踏まえていただきたいと思います。

 それで、@の内容につきましては資料4の手書きの部分の資料1として「遺族へのカルテ開示要望 欧米は法制化進む」の中にそのいきさつについて書かれておりますので、是非ごらんいただけたらと思っております。

 Aの部分ですが、皆さん方も御存じのように薬害エイズをひとつ例に出させていただきました。血液製剤がその原因であるということで、非加熱製剤が原因であるということで1983年にもアメリカでは警告が出ているにもかかわらず、日本ではずっとそれが後々になって、しかも非加熱製剤から加熱製剤に切り替えた後も実際に非加熱製剤を投与されていた患者さんに対しては一切公表しないということがずっと続いて、被害が出る患者さんが本人が知らないだけで回りは知っているという状態が続いたのです。こういうことは医療の分野では非常に多くあるわけでして、こういうことが解消されるということが一番、特に生き死にの問題でございますので、まず別途考えていく、個別法で考えていくということではなくて、基本部門でこういうことがないようにしていただきたいということでひとつ事例として挙げさせていただきました。

 特に各地方自治体の既にある個人情報の保護条例を使って、あちこちで本人開示請求が行われております。今や本人の開示請求から一歩進んで遺族に開示するという段階にまで進んでいるというのを資料4の手書きの資料1から5まで載せさせていただきました。

 本人開示だけではなくて遺族に対しても請求権があるのだということで、資料2では兵庫県の審議会が認めている。

 更には、その次の資料3では死者の情報開示ということで、遺族にも知る権利を拡大したという毎日新聞の記事を提供させていただいております。

 更に、東京は1997年に遺族に開示ということで条例改正を行う。

 それで、その次の5番が一番早かったわけですが、これは私も一緒に行政と話をさせていただいたわけですが、大阪府の茨木市で遺族に全面開示という事例が出たわけですね。そして、先ほど言いましたように、もう既に今は遺族に開示するというところまで個人情報の保護の在り方というものが進んでいっているのだということをまず認識していただいて、是非この医療について個別法で扱うのではなくてやっていただきたいと思うわけであります。

 更に、実は今日資料として持ってきておりませんけれども、一部皆さん方にお示ししたいのは今、国には医薬品副作用被害救済制度と、これはうんと前からあるものなのですが、つまり薬で被害に遭ったときにはここに申請したら救済ができますよという内容のものです。しかしながら、これを活用しようとすると6種類ぐらいの証明書を書かなければならないのです。つまり診療証明書、その病院に薬を販売した販売証明書、その投与をした投与証明書、そして医療補助の証明書というのを全部医療機関に書いてもらわないと本人が申請できないのです。つまりは、一切情報を明らかにされないで病院に書いてくださいということすらできないという制度なのです。

 カルテが開示されると、この薬を飲んでいたのかと。そうすると、これは私は副作用被害ではないかということがわかって、あなたのところで飲ませていただいた薬で実は被害が出ております、これは救済制度に申し込みたいので証明してくださいと言って初めて成り立つ話なのですが、一切開示されないとそういう申請すらできないというのが実態なのです。そのことを我々は今までもずっと言っていたのですが、いまだカルテが開示されないということで、多くの人たちが被害に遭っても泣き寝入りしているという実態がありますので、是非そういうことを解消していただきたい。

 それから、資料の6の5,000 人の遺伝子の無断解析というのがございます。これは、国立循環器病センターが吹田市の市民にお願いして血液を採取し、それを遺伝子解析をしている事例なのですが、昨年の12月に国立循環器病センターと私どもで話し合いを持つ機会をいただきましてお伺いしましたところ、実はこの遺伝子の血液が普通の人だったら国立循環器病センターがやっているのだから国立循環器病センターが持っているのだろうと思いきや、そうではなくて阪大に全部預けられている。そんなことは、実際提供した側は一切知らされていないのです。しかも、こういう13種類もの遺伝子を分析しているということは一切知らされていない。遺伝子ですから、あとの子どもや孫に対しても影響するような非常に重要なことでも、国がこういう形でやっているということがあるわけです。したがって、まず新しい研究を国がどんどんやっていくわけなのですから、国で医療情報の個人情報保護を是非きちんと確立していただきたいということを重ねてお願いして、雑駁でありますが、私の提案にさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

【園部委員長】どうもありがとうございました。それでは、引き続きまして教育情報の開示を求める市民の会の山口代表世話人から御説明を願います。

【山口教育情報の開示を求める市民の会代表世話人】私もこの前、意見書に書かせていただきましたので、大体それと同じようなことを書いているのです。少し長ったらしくなりましたので、わかりやすくするように最初のタイトルのその次に一つセンテンスを書きまして、それだけを見ていただきましたら大体中身はわかるようになっています。

 個人情報の開示を求める市民の会というのは教育情報の開示ですが、大体が内申書指導要録の開示請求をしている人たちを支援する会として発足をしておりまして、開示は大体日本じゅうのかなりの自治体で広がってきましたけれども、その開示を通じて、そもそも開示というのは自分の情報を自分で見るということなのですが、それを通じて実施機関、教育情報で言えば教育委員会ですけれども、教育委員会の個人情報の収集の仕方とか管理の仕方とか利用の仕方とかというのがすごくいいかげんだということがよくわかってきましたので、もちろん開示は開示なのですけれども、その収集、管理、利用の辺りが大変に重要だということに気が付いてきているところなのです。

 それで、国が今度個人情報保護法というのがつくられるということでしたので、是非とも意見を申し上げたいと思ったのですけれども、どうも国の方は既に民間部門を含めた包括的基本法ということは方針として決まっているような感じを受けますので、今更言っても遅いかなという気はするのですが、でも私たちとしてはそこのところの基本方針についてちょっと疑問がありますので、この機会にそれを述べさせていただきます。

 まず最初に、私たちは情報公開法を制定する過程で自己情報の開示請求権の規定をその中に入れてくださいということは何遍も何遍も意見書を出しました。それで、それにつきましては行政情報公開部会の報告の中でその趣旨は理解できると書いていらっしゃいまして、本人開示の問題というのは個人情報保護制度の中で解決しなければならないとおっしゃっていました。だから、情報公開制度をつくったら次は個人情報保護制度ということで進められるのだなと思っておりました。だからその経緯から言いますと、国の情報公開というのは国の持っている行政情報をまず公開する。それで今、特殊法人とかいろいろなところに広げていかれようとしているという経過に照らせば、やはり国がまず国民から集めているというか、そういう国の持っている個人情報を開示するということの一番基本的なところが先につくられるべきじゃないか。筋から言ってそうなのではないかということがひとつあります。

 ですけれども、今、大急ぎで進められておりますのは、この住民基本台帳法を改正して、それを施行するまでに間に合わせようということのようですので、そこら辺で少し筋が狂ってきてしまったのではないかという気はしているのですけれども、住民基本台帳法の改正を何が何でも通さないといけないというときに個人情報の保護が危ないということで、それで個人情報保護に万全を期するために速やかに措置を講ずるという附則をくっ付けられて、それで通されたという経過がありました。それで、そのためにこの法制化というのが浮上してきたのだろう。今のはそうなのだろうと思うのですけれども、そうしますとそのときに包括的な個人情報保護の制度をつくるという話になったみたいです。

 そのときにそうなったので、今も包括的なというのは前提だと扱われているような印象を受けるのですけれども、しかし住民基本台帳法を改正して、そこで個人情報の保護が問題になるということになれば、それはやはりまず国と、それから地方自治体の問題のはずですから、それに対応するためということで今度個人情報保護法をつくるのだとしても国とか地方自治体、つまり公的機関の持っている個人情報の保護を先につくるということで構わないのではないか。筋としてはそれでも構わないはずなのに、なぜ急に民間部門を含めてということになったのか、そこに少し疑問があるのです。

 そして、国と国民との関係ということでしたら、国は国民に対して個人情報を保護しなければならないということはすっと言えますけれども、民間部門を含めるということになりますと、民間部門というとものすごい広いし、それぞれ関係が違ってくると思うのです。ですので、それを含めてということになりますと、かなりいいかげんなと言ったら悪いですけれども、その規定が緩やかなものになってしまうのではないかという危惧を持っております。

 それで、情報公開の場合だったら、例えば相手があの場合には行政情報でしたからよけいそうなのですけれども、ほかのマスコミとか弁護士会とか全部国に対して情報を公開しろということで一緒に運動を進めることができたのですけれども、個人情報となってしまいますと結局個人情報を集められるものと集めるもの、集めるものを規制するということになるわけです。そうしたら、個人は集められる方でみんなばらばらの個人ですね。何かちょっと強いものというのか、国以外でもいろいろな活動をしていて、そして個人情報を集めているところというのはみんな結束してしまってどうも規制する側に回ってしまって、それで個人情報の規制は余りきつくしない方がいいという意見が強くなっているのではないかという印象を受けます。特にマスコミの場合はそうです。

 ですので、そういう民間部門を最初から含めてしまうということになりますと私たち市民、個人の立場からしますと非常に情報を集める側の規制が緩やかになってしまって、余り効果がないものになってしまうのではないか。こちらから言えば、国であろうと民間であろうとどちらにしても情報を集める方ですから、集められる方から集める方へといったら同じことであるはずなのに、民間を含んでいるからということで何か規制が緩やかになってしまう。国だけだったらもう少しきちんとしたものができるはずなのに、民間が含まれているからそれが緩やかになるというのはどうも納得ができないところです。

 しかも、話題になるのは確かにNTTとか、そういう半ば公的なところもありますが、割ににぎやかに情報を垂れ流しているということで話題になるのは私的な機関というか、民間機関の事例も新聞などにはよく報ぜられておりますけれども、実際には個人情報をたくさん持っているというか、全部持っているのは公的な機関、行政だと思うのです。しかも、その行政が持っている情報がどのように扱われているかということは見えないわけです。民間の方に流出して初めてそれがあのように使われていたということがわかるわけで、何かしてくれないことには全然見えないのです。それで、民間の方はどう使っているかというのは、例えば知らないダイレクトメールが来たとか何とかということで割に目に見えるわけですが、市なり国なりがどのようにして使っているかということは見えないけれども、実際にはそちらの方がたくさん持っている。だから、そちらの方の対策の方が先になるし、また重視されなければならないのではないかと思います。

 それからオムニバス法、つまり包括的な規制をかけるということで、それはヨーロッパでやられているやり方だそうです。それはいいと思うのですけれども、ただヨーロッパの場合と日本の場合では企業の在り方が随分違うのではないかと思います。そういう違いを持った企業をも含めて同じようなテーブルに着かせるというのはなかなか難しいと思うし、その意見を聞かないといけないということになるとそれをまとめるのはもっと難しいのではないかという気がいたしました。

 それから、我々が心配しておりますのは、地方では個人情報保護条例はまだ少ないですけれども、でも300 近く、280 か、そのくらいにはマニュアル情報を含めた本当の個人情報保護条例というのができておりまして、それが活用されております。それで、関西でも例えば高槻とか、たくさんの人が使って、その運用の中でいろいろと改善されているところがあるわけなのですけれども、そのようにして築き上げられてきた個人情報保護制度というのがもしも国が変な法律をつくったら一斉にとはいかないかもしれないけれども、やはり何らかの影響を及ぼしてだんだんと後退していくのではないかという懸念が非常に強くあります。それで、私たちが進めてきた個人情報、地方自治体における個人情報保護制度というのをこの法律によって絶対に後退させてほしくないと思います。だから、そのことだけは是非ともお願いしておきたいと思います。

 そのような理由から、まず公的部門の保有する個人情報保護条例という保護法をつくって、小さくてもいいというのはおかしいですけれども、広く浅くということでなくて、国ならば国の情報だけでいいですから、そこで個人情報の保護というのはどういうことかということがきちんとわかるような法律をつくっていただきたいのです。それがわかって、それにみんなが慣れるようになると、個人情報保護というのはこういうことだと国民の間にわかってきたら、その後で民間部門を含む法律をつくったとしても、それはちょっとおかしいのではないかということがすぐぴんと来るようになると思うのです。今、非常にあいまいな形で大きくつくってしまったら、何か個人情報保護というのはそんなものだという印象を与えられるということも私たちが危惧しているところです。

 そのようなことなのですけれども、しかし、これはちょっと遅過ぎる。もう包括的につくることは決まっているのだと言われるならば、では新たに制定される個人情報保護法には現在あるいわゆる電算機保護法というものの欠点を改めて、次に掲げておりますような内容を必ず盛り込んでいただきたいと思います。

 保護の目的がプライバシーの権利を保護するものであるということをきちんと書いていただきたいのです。何か事業活動というのか、個人情報の活用というか、そういうことと調和をとるなどというあいまいなものであってほしくはありません。

 それから、個人情報保護の対象はマニュアル情報を含むということ。

 それで、収集する者の義務、収集する者に対する規定と、それから収集される者の権利というものをはっきりと書いていただきたいということです。それはそこにずっと挙げておりますし、こんなことはわかり切ったことだと思うのです。どこの個人情報保護条例にもそのようなことは規定されておりますし、一番あいまいなのは国の個人情報保護法です。だから、こういう変なものはちゃんと改めていただきたいと思います。

 そして開示請求権、それから訂正削除請求権を権利としてきちんと認めていただきたいと思います。それも、権利として認めるかどうかいろいろ意見があるというようなことが中間報告に書いてありましたけれども、これは必ず権利として認めていただきたい。

 そして、その請求が拒否されたときにはちゃんと不服申立てをする権利も与えていただきたい。そして、第三者機関もきちんとつくっていただきたいということです。

 それから、特に医療とか教育情報は今の個人情報保護法では別扱いされておりますけれども、このような例外は絶対につくらないでいただきたいということです。

 それと最後に罰則なのですけれども、罰則もなかなか問題だということが中間報告に書いてありました。罰則を適用するのは本当はなかなか難しいとは思うのですけれども、個人情報というのはお金を取られたとかということで取り返しのつくような問題と違いますので、それは厳罰をもって臨んでいただきたいということです。

 それで、実際の規定がありましても、その規定が守られているかどうかというのはよくわからないわけです。開示請求というのは開示請求をしたために、もちろん直接の目的はその人が自分の情報を見たということなのですけれども、その開示請求がきっかけとなって誤った扱いをしていたその構造全体が初めて1人の開示請求で明らかになったという事例もたくさんあるわけです。

 最近は西宮で、これは有名になりましたけれども、せっかく全面開示の判決が出ましたのに、その開示を受けようと思ったら市教委がそれは廃棄していた。しかも、それがなぜなのか最初はよくわからなかったのですが、ずっと調べていくと学校教育施行規則の附則は附則でちゃんと付いていたのだけれども、とにかく改正を誤解して5年間で全部廃棄してもいいと思ってしまって4万人以上の指導要録が全部廃棄されてしまっていたということがわかりました。それはたまたま1人の人、あのときは本当は1人ではなかったのですけれども、個人が開示請求をして、それも裁判にまでなっているのです。とても見せられないような大事なものだということで開示を拒否したから裁判になって、それで全面開示という判決が出たのに、実はもう提訴したすぐ後に廃棄してしまっていたということがわかったのです。それは資料の2とか3とかです。

 それから、神戸でもそのような例がありましたというのが5の4になります。

 それから、高槻の場合にも開示請求をしたら指導要録の評定の規定を実はきちんと担任の先生が書いたものではなくて、校長先生が後で3年生と5年生のを平均して4年生のところに付けたということがわかりました。

【園部委員長】恐縮ですが、時間が大分超過していまして、1人10分ということでございますので、大体資料を出していただいておりますから要点だけお願いします。

【山口世話人】ですから、開示というのはただ開示ということだけではなくて、結局それまでの収集とか管理とか、それが間違いであるということがそのことによってわかることがあるわけなのです。ですので、この開示請求権を例えば教育とか医療とかには認めないという特別扱いは絶対にしていただかないようにということでお願いします。
 3番目に、だからオムニバス方式でということだったら今、言いましたような基本的な条件を必ず守っていただきたいということです。それで、最終的に民間部門を含めた個人情報保護制度を確立するというということは賛成なのですけれども、限られた時間でというのはあいまいなものしかできないではないか。だから、あいまいなものをつくるよりはきちんとした基本を定めていただきたいということです。

【園部委員長】どうもお急がせして恐縮でした。それでは、両団体の御説明に関連して一括して質疑を、余り時間がございませんけれども2、3お聞きしたいと思います。どなたからでも御質疑をどうぞ。

【堀部座長】中間報告を非常に丹念に読んでいただいていろいろ御指摘いただきましてありがとうございました。いろいろお尋ねしたいことはありますが、時間の関係もありますのでとりあえず1点だけ岡本事務局長に伺います。医療情報の保護の重要性、開示請求権の重要性を挙げられましたけれども、民間の病院等が持っている医療情報というのは非常に大きいわけですね。そこを全部含めて、医療情報としてくくるとなると、その医療情報分野ということで法律をつくるという方が何かまとまりがあるのではないかということで個別法の議論をしています。先ほどは公的部門をかなり強調されたと思うのですけれども、民間の医療機関が保有している個人情報についてはどのように考えられるのでしょうか。

【岡本事務局長】ですから、基本的に公立病院、公的な病院がきちんとカルテを開示し出すと民間もその動きがどんどん出てくるわけなのです。これまでのいきさつを見てみますと、ほとんどカルテとかレセプトも個人情報保護条例に基づいて各自治体で明らかにしてきたわけですね。それで国が法制化をせざるを得なくなってきたという状態も一つはあろうかと思います。そうしますと、民間の中にもやはり自主的に開示していこうという動きがどんどん出てくるわけです。当然オープンにしていただく医療機関にみんないくわけですから、ですからまず基本を国が示すとそれが一つのたたき台になって、後々先ほど山口さんもおっしゃっておられましたけれども、民間の医療機関も含めてある程度基本を見据えながらどういう活用の範囲を限定して認めていこうかということがまた出てくる。それはよしとしても、最初はやはり公的機関をきちんと押さえていただきたいと思うわけです。

【堀部座長】時期的にずれてもいいということですか。民間部門については当面は自主的に対応していただけばいいので、法的な措置は講じなくても当面はいいという御意見なのでしょうか。

【岡本事務局長】そうですね。例えば、大阪市で私は個人情報保護条例が出て一番にカルテの開示をしていただいたのですが、ものすごく期間が掛かったのです。なぜかというと、大阪市内の公立の大学も含めて医療機関が全部足並みをそろえなければいかぬわけですね。その議論のために何か月も掛かったのです。それはもういいですよと、時間が掛かってもいいから議論をして、ちゃんと全部が開示できるような状況をつくってくださいということで開示していただいたのです。
 だから、一つの法律ができて、できましたとさっとできるものではないと思います。だから、公立病院でその実績を積み上げていくことで民間がそれにならっていろいろなことを考えて自主的に開示していくような努力が行われてくる。それは後からくっ付いてくるものだと思っておりますので、そういう理解で私は申し上げたのです。

【新美委員】カルテ開示のことが出ましたのでちょっと伺います。カルテ開示を要求されたのは診療が終わってしまってからなのか、診療が進んでいるプロセスの中でなのかというのを伺いたいのです。
 と申しますのは、通常の診療の場面、つまり医師患者関係があれば、その場で診療を受けながらどうなっているのですかという質問をすれば大体答えてくれるとか、カルテを見せてくれると思うのです。ですから、そういう場面で要求したことがないまま終わってから開示請求をされたのかどうか、その辺りのことを伺いたいと思います。

【岡本事務局長】私は自分がぜん息患者ですから、その途中で見せていただきました。

【新美委員】それでは、そのときに御請求なさったけれども見せてくれなかったということなのでしょうか。

【岡本事務局長】そうではなくて、やはり説明の中には都合の悪いことといいこととありまして、そこで医師の方で選択してもらうと困るわけで、すべてのデータを自分としてはもらいたい。そういうつもりでカルテ開示をきちんとする必要があるということでさせてもらったのです。

【新美委員】そうしますと、インフォームドコンセントなり何なりの場面での説明では信用ができないというか、十分でないという御判断ですね。わかりました。

【岡本事務局長】もちろんそうです。医療関係ではこの間、裁判にたくさんなっておりますが、カルテの改ざんをやっているのがものすごく多いのです。それは具体的にいっぱい出てきているのです。ですから、カルテに書いてあることをそのままストレートに患者にきちんと教えて、こうなのですよということはしないのです。
 もちろんそうする場合もあります。我々名もない、金もない、名誉もない、一市民に対してそれが隅々まで行われるかというと、なかなか医療というのは今はそういう状態ではないということを是非認識していただきたい。それを破るためにはやはり個人情報保護をまず公的な機関から実施していただきたい。
 知りたくない人は請求しないわけです。知りたい人が請求するわけですから、よくそういうことをやったらすべての本人にオープンにするのかと。でも、見せてほしいと言わない本人に対してまで見なさい、見なさいとは言わないわけで、病名も本人が、私はがんですかどうですかと言ったときには初めてきちんとその根拠を示したらいいわけで、そうしないで一律的に全部明らかにしなければいかぬという誤解を持たれている面がある。そうではなくて、あくまでも知りたいという意思のある人はたとえ聞いてもそれに対してはちゃんと自分で処理していくという人たちが聞いているわけですから、そういう人たちに対して拒む権利を今まで認めてきたということ自体がおかしいと思っております。

【園部委員長】よろしゅうございますか。大変時間がなくて申しわけないのですが、それでは知る権利ネットワーク関西及び教育情報の開示を求める市民の会からのヒアリングはここまでとさせていただきます。両団体から御出席いただきました岡本事務局長、山口代表世話人、本日はどうもありがとうございました。時間の関係で本日お伺いできなかった質問につきましては後日、事務局を通じて照会させていただくことがございますので、どうぞよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

(知る権利ネットワーク関西及び教育情報の開示を求める市民の会関係者退室全国消費生活相談員協会及び消費科学連合会関係者入室)

【園部委員長】それでは、引き続きまして全国消費生活相談員協会及び消費科学連合会からヒアリングを行います。

 本日は、全国消費生活相談員協会理事長藤井教子さん、消費科学連合会から事務局次長の原早苗さんに御出席をいただいております。御多忙のところ御出席をありがとうございました。御説明ははなはだ短くて恐縮なのですが、両団体合わせて20分ということで、お1人10分程度しか時間がございません。その後20分程度、一括して関連質疑に当てたいと考えておりますので、むしろ質疑の方にも時間をちょうだいしたいものですから要点をおっしゃっていただいてという感じがいたします。よろしく御協力をお願いいたします。
 それでは、まず全国消費生活相談員協会の藤井理事長から御説明をお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

【藤井全国消費生活相談員協会理事長】私ども協会は社団法人に12年を越しておりまして、法人化します前に10年の経歴がありますけれども、その間に毎年消費者月間に何かその時々の問題をとらえまして110 番活動というのをずっとやってまいりまして、今回ヒアリングを受けます個人情報に関係をいたしました110 番活動の中から若干お話をさせていただいて、あとでまとめのお話をさせていただきたいと思っております。

 随分以前にはなりますけれども、平成3年の5月にやりましたクレジット個人情報トラブルというのをテーマにいたしました110 番活動の中で問題点がいろいろ現れてまいりまして、その当時790 件余りの相談を受けておりますけれども、その中で789 件がまさしくテーマに即したような相談でございまして、その中の7割近くが信用情報に関係のあるような御相談の内容でございました。

 第1位は情報の開示に関わる相談でございまして、消費者が信用情報機関にアクセスするのが非常に困難であるというようなことがこの中から読み取れるようなものでございました。それは自己の情報がどこに登録されているのか、信用情報の機関名とか住所とか電話番号とか、そういったものがクレジットの申込書その他契約書などに全く記載がないというようなところから、全然そういうことについて知識も得られず困っている消費者の方が多々あるということがそのときの110 番の中から見出されたことでございました。

 第2位はブラックリスト、異動情報への記載に関わる相談でございまして、クレジットを断られてしまったけれどもブラックリストに掲載されているのかというようなことをまず確かめるような形で聞いてこられるような御相談。

 第3位は個人信用情報の収集・登録に関わる御相談でございまして、信用情報がどういうものかということすらこの当時はなかなか皆さんの理解がないと思われることが多うございました。そして、御自分の情報がどのように扱われるのかということについても、まして何年ぐらいその機関に登録されるのかというようなことも一々その当時はお教えするというような状況でもございました。

 第4位は自分の情報の訂正とか削除に関わる相談でございまして、これも40件ばかりございましたけれども、御自分の情報を開示してみたら片仮名の氏名、生年月日は全く同じ他人がいて、その情報が誤って搭載されていたというようなことがわかったような事例などもございました。

 第5位は情報の管理に関わる相談でございまして、これも信用拒否の通知の扱いとか、販売会社のセールスマンが与信拒否された人の情報を漏らしているというようなことを述べられた相談内容もございました。そしてまた、与信供与をしている担当部署に単にアルバイトとして雇った人が投入されているというようなことは問題ではないかと訴えられた方もございます。

 第6位は情報の目的外利用に係る御相談でございましたけれども、支払わないとブラックリストに載せると脅されているというような御相談とか、あるいは多重債務で困っている家族をブラックリストに逆に載せてほしいというようなことをおっしゃるような相談もございました。

 これらのことから私ども業界として考えましたのは、信用情報機関の登録の事前の説明、そして自己情報の登録についての事前の通知というようなものが非常に問題だと思いました。信用情報機関への登録の同意というのは書面で行うこととされていますけれども、現在約款の末尾にはそういうことが書かれている文言がございますが、事業者としてはそれについて説明義務があるのではないかと相談員の側としては考えますけれども、信用情報の相談者に逐一このときは聞いてみたのですけれども、事前の説明の有無について尋ねて、たった1名の方だけがそのことについて聞いたというように回答なさいましたけれども、その他の方については全くそういうことは説明として受けなかったということでございました。

 もう一つは、ブラックリスト登録の際には消費者がその事実を知り得るものとするように、検討するようにと、その当時大蔵省、通産省の通達がございました。これについても302 名の方に確認をいたしましたけれども、1人の方がそうだと、その通知を受けたという回答をされるというような状況でございました。

 もう一つ、最近のデータの中で私どもの週末電話相談というのをやりました結果の中から個人信用情報に関しての何か事例がないかというのをピックアップしてみました。時間がありませんので要約をして申し上げますと、4ページの問題点のところをごらんいただいたらと思います。

 週末の電話相談が414 件年間にございましたけれども、その中で10%ぐらいが電話勧誘販売の相談でございました。事例は後からごらんいただきますと幸いでございますけれども、そういった事例を見ておりますと、多くの場合、事業者の方が何らかの方法で本人の同意がなく個人名とか電話番号などの個人情報を入手して利用している。そして、いろいろな契約をさせる意図で勧誘を必要に行っているというのが実態であるということがこの場合、言えると思います。

 それから、メールリファランスのこともありますけれども、時間的に急いだ方がいいと思いますので恐れ入ります。

 それからもう一つはここに書いておりませんけれども、昨年の3月に私ども協会といたしましていろいろなシンポジウムを開催いたしまして、中部支部の方で名古屋市内の個人情報に関しますシンポジウムを開きました。その結果、問題として個人情報が消費者に無断で欺瞞的な方法で収集されているというのが相談の実態からも出てくるということと、収集されております情報が不正確なものが非常に多かったり、あるいは古い情報が搭載されたままになっているというようなこと、それから収集された情報が目的外に使われているというようなこと、ところが本人はどこに収集登録されているかということは知らされていないというところに問題がある。それから、消費者信用以外には本人に開示請求ができない状況に置かれているということ。そういうことでございますから、本人が誤った情報などに関しまして訂正とか抹消を求めることができない状況下に消費者側は置かれているということ。それから、それに関して使用差止め請求などもできないというような問題点などがそのときのシンポジウムの中からも出てまいりました。

 時間もありますので最後に6ページをごらんいただきまして、今回個人情報保護の検討部会で中間報告を取りまとめられましたことに関しまして、若干不勉強でございますけれども私、相談員としての意見を申し上げたいと思いまして、4項目挙げさせていただきました。

 個人情報保護システムの在り方といたしまして、中核となる基本原則等を確立するために、全分野を包括する基本法を制定するとお考えいただいた点は全く賛同いたします。個人情報保護に関しまして、自己に関する情報の流れを管理するという積極的、能動的な要素を含むプライバシー概念に立って、今後法制化に向けて御検討いただくようにお願いしたいと思います。

 2番目は保護すべき個人情報の分野なのでございますけれども、個人情報の保護すべき範囲は個人が識別され得るすべての情報としていただきたいと思います。それから、私的な目的で私的に収集され利用されるものであっても、それが事業者に売られたりするというのが相談の現場からも見えてくることでございますので、これにも考慮していただきまして、これらをも対象とするような方向で御検討いただきたいと考えます。

 ただ、もう一つ、個人情報の保護の範囲を考えましたときに、収集の制限ということではプライバシーの固有情報に関しましてはその制約を超えるというような形か、あるいはそういう取扱いについては禁止をするというような方向も必要ではないかということも加えてお願いをしたいと思います。

 それから、個人情報保護のための確立すべき原則ということなのでございますけれども、個人情報の収集に当たりましては本人に収集目的を明確にし、本人承諾の上で公正な方法で収集するということを原則にするということ、それから第三者からの情報収集に関しましては本人に不利益をもたらすことのないように配慮をしていただいて、その実施に関して本人に通知をすることを原則としていただきたいと思います。

 それから、個人情報の利用についてですが、収集目的外の利用とか提供の場合、本人の同意を得ることを原則として検討をしていただきたいと思います。

 それから、個人情報の管理に関してなのですが、特に漏洩等に関しまして、相談の現場から見ますと非常にその点の安全確保は大事ではないかと思いますので、安全確保策を重んじていただきたいと思います。

 それから、本人情報の開示等に関しましては個人情報の保有状況の公開を前提に、本人からの開示とか訂正を可能とする必要があると思います。これに関して適用除外をもし設けられるとすれば、要件を厳格にしていただきたいと思います。

 それから、事業者の個人情報保護の基本原則の遵守と、その責任を負う管理者を設けるということも非常に大事だと思います。

 それから、個人情報のトラブルに適切に対応する苦情処理とか相談窓口の設置というのも義務づけていただく必要があり、そのことによって実効性のある被害救済システムを確立することができるのではないかと思います。

 もう一つは中間報告でいろいろ議論をされたようでございますけれども、最後に個人情報保護に関しまして実効性確保のためには全分野を通じて罰則の担保というのをお考えいただきたいということを最後に申し上げて終わりとしたいと思います。ありがとうございました。

【園部委員長】どうもありがとうございました。それでは、引き続きまして消費科学連合会の原事務局次長から御説明をお願いいたします。

【原消費科学連合会事務局次長】私は検討部会のメンバーに消費者側として主婦連合会の加藤さんと2人で参画をさせていただいておりましたので、その見地からも述べさせていただきたいと思っております。

 今日、資料としてとても簡単なものだけお持ちして大変恐縮なのですが、A4を1枚と、それからその後ろに資料として付けておりますのが日本総合研究所で平成11年度に「消費者の個人情報の保護に関する調査」ということでまとめたものがありまして、この中には私もちょっと書いているところがあるのですけれども、今、全国消費生活相談員協会の方からお話がありましたが、東京都の相談の現場でまとめられたものというのをその後ろに付けさせていただいておりまして、ちょっと使うところがあるかもしれませんので参照していただきたいと思います。

 消費者団体全体で個人情報についてどれほど関心を持っていたかということなのですけれども、お話としては随分前から学習会というようなことをやってきてはいたのですが、特に意識をしてというのは今、相談員協会の方からお話になった個人信用情報辺りからです。1991年に相談員協会の方でおやりになった110 番ですとか、そういった活動を中心に急速に関心が高まってきておりまして、最近は去年の住民基本台帳改正とか通信傍受法ですとか情報公開法ですね。この中での個人情報をどうするかという扱いの中で急速に関心が高まってきていることと、それからインターネットの登場ということも不安感という意味では大きいものとなっています。それで、今日のデータのところでも4枚目になるかと思いますけれども、ページ5と下に打ってあるところの上に表2というのがあります。これは消費者問題に関する世論調査ということで、3年に1回総理府の方でおやりになっていらっしゃるのですが、ここで真ん中辺りに45.5%、(エ)ということで個人情報の保護について非常に消費者問題としても関心が高いということで全体の中で第2位なのですけれども、消費者側としても関心を高めているということがわかっていただければと思っております。

 そういう中で、私どもとしては中間報告が出されましたけれども、それについて余り時間もございませんので、私なりにこの辺りが論点と考えていることを申し上げたいと思います。私自身もメンバーなので、一応合意をして部会に出ているのではないかということにはなるかと思うのですが、論点としてある程度まとまったものもありますけれども、やはりまとまり切れていない点もありますので、そこを中心にお話をします。

 まず最初なのですけれども、利用と保護のバランス論ということです。これはきっと法制化をなさるときにもその法制化のスタンスをどこに置くかということになるかと思いますが、利用と保護、結果としては有用性と保護というのがバランス論で今のところ中間報告は書かれているのですが、私は非常にここには違和感を感じております。そのことは部会の中でも何度も申し上げたのですけれども、ただOECDの8原則のベースになっているものも有用性と保護のバランス論だということで、そのまま十分な議論を深めるということにはならなかったのですが、私の感じとしては、私は法律学者でも何でもありませんけれども、一応個人情報というのは人格権そのもの、私自身だと考えておりますので、やはり人格権があって、だから保護があってその上での流通だとか有用性、それから利用だと思っておりまして、同じバランス、同じてんびんにかけてのバランス論にはどうしてもなり得ないと思っておりますので、そこのバランス論の考え方のところは私としては法制化の第1点としてきちんと整理をして考えていただきたいと思っております。経団連の方や何かからは、行政が集めた情報はみんなの税金で集めた情報なのだから有功に利用させてほしいという発言などもあったりして大変驚かされたのですけれども、そういう形のものであってはならないと思っております。

 それから、2点目は保護されるべき個人情報の範囲ということですが、今、相談員協会の藤井さんの方からもお話になったとおりで、原則はすべて個人が識別される情報と考えております。検討部会では@ABという形で出されて、@が電算機処理をされたもの、Aがマニュアル情報というファイリングされたもの、Bがすべての個人情報という提案のされ方だったのですけれども、私どもは一応Bです。それで、AはOECDなどでとられている考え方なのですが、私の感じとしてはAとBの間の辺りですね。すべての個人情報ということをベースにはしますけれども、本当に私的に集めているものまで対象かというと、私的に集めたものでも例えば流通をさせて対価を得るとかという形のものは私的な情報でもかかると思いますけれども、そこまで乗り出して管理というところまで考えると、どこまで国とかが力を伸ばしていくのかということになるかと思うので、AとBの間の辺りで、Aだと単なるマニュアル情報とか電算機処理されたものという大変技術論のところだけの話にとどまっていますので、AとBの辺りでの工夫がしていただきたいと思っています。

 それから3番目なのですが、これも藤井さんの方から提案なさったとおりですし、それから今日お付けした資料で後ろの方にはなるのですが、東京都の相談の現場からも述べられていることなのですが、収集方法が適切か、それから収集や提供に同意を得ているか、収集の範囲は限定的なものかということです。この収集方法が適切かということは大変大きくて、私たちが知らない間に自分の情報が使われていることが大変多いですので、これは一つのポイントです。それから、同意を得ているかというのも知らない間に自分の情報が流れているということですので、これも大事です。

 それから、収集の範囲は限定的かということなのですが、いろいろなクレジットでも、クレジットは信用情報ですからかなり詳細なことを聞かれますけれども、どうしてこういうことまで必要なのかなというところまでいろいろとくっ付けて聞かれて、それをまたほかの形で利用されたりということがありますので、この範囲は適切なものかということがポイントだと思います。

 それから、4番に書きましたことは開示の求めとか訂正の求めは請求権で構成をしていただきたいということで、恐らく日弁連の方のヒアリングも入っているようですので弁護士会の方からも申し出られるかと思いますけれども、実際に裁判になった場合、請求権で構成をされていないとなかなか訴える権利みたいなところがどこまで確保されるかということでの懸念というものを表明されております。

 それから5番目で、情報管理者を明確にし流出を防いでいくということですが今、個別法とか個別のガイドラインのところでは親会社が子会社のものを勝手に使ってはいけないとか、その逆のこととかというようなガイドラインをかけていらっしゃいますけれども、だれが情報の管理者なのかということをやはり明確にして、そこが責任を持って流出を防ぐ手だてということを考えていただきたいと思います。

 それから6番目ですが、適用除外の話が検討部会の報告の中にも出ているのですが、これは緊急を要する場合ですとかでもちろん冠は付けられているのですが、やはりその適用除外というものはできるだけ限定的に慎重に検討してほしいと思います。

 7番目が罰則規定の話で、検討部会の中でも罰則規定について否定的な意見というのを出されたのはむしろ法律学者の方々で、私たち消費者側ですとか、事業者の方々もかなり大きいところを代表していらっしゃる方々ということもあったかと思うのですが、罰則規定はそれほど否定的ではなかったです。それで、学者の方々というのは、罰則というのは本当に最後の最後の手段ということでしょうか、そういう意味とか、ほかの罰則規定との比較衡量というのがあって慎重論だったという感じがするのですが、私としては社会的制裁という意味もあるのではないかと感じておりまして、個別法だけではなくて基本法の中にも工夫ができないか。その場合は、それを盗んで売買をしたりとか、そのようにしてある程度悪意というのでしょうか、そういう要件はもちろんかかるかとは思うのですけれども、工夫をしていただきたい部分です。

 8番は、子どもの話を書いています。子どもの話はほとんど検討部会では議論ができなかったのですが、子どもへアプローチしての情報収集というのがひどい状況になっていて、私の子どもは今、中学校に通っているのですけれども、中学生の帰宅時間の4時ぐらいをねらって電話をかけてきて、ほかの名簿で友達の住所を全部教えてくれという話をして、教えないと家族がだれも帰ってこれないようにしてやるとか、おまえの弟は小学生だろうけれども、その子が家に帰れなくなるぞとか、非常に脅しをかけて情報収集をしたりしています。ですから、そういう子どもからの情報収集ということには何らかの形で臨んでいただきたいし、それは子どもが被害者みたいな部分ですけれども、インターネットなどで子どもが逆に被害者ではなくて加害者として登場するような場面もあるかと思いますので、ここも何らかの検討をお願いしたいと思います。

 それから9番目ですが、これは検討部会の報告書に書かれているとおりです。この部分の工夫も講じていただきたいと思います。

 これからの進め方についてもそこに書かれているとおりですが、その3番のところだけお話申し上げたいと思います。堀部先生も今日ここにいらっしゃいますけれども、検討部会で議論をしたことで必ずしも論点が詰められていないこと、例えば言論の自由の話ですとか罰則規定の話というのがありまして、これは私としてはできるだけ開かれた議論で、いろいろな各界の意見をもう一度集めて検討していただきたいと思っておりまして、専門委員会で法律的に詰めて検討ができる部分ももちろんその検討部会の中で出てきてはいますけれども、やはり積み残された議論というものはオープンな形で議論をしていただきたいということを要望して、長くなりましたけれども私からの報告とさせていただきたいと思います。

【園部委員長】どうもありがとうございました。それでは、両団体の御説明に関連して一括して質疑を行います。御質問をどうぞ。

【上谷委員】藤井さんに質問なのですけれども、先ほどの御説明の中で信用情報を扱っているところの事前の収集目的の説明が十分でないとか、大蔵、通産省の通達にかかわらずブラックリスト登録の通知をしていないとか、そのようなくだりがございましたね。これは信用情報機関の方では実態としてはどう言っているのですか。要するに、通達があってもやっていないということが実際ですか。つまり、実態はどのように把握しておられるのか、何か把握しておられたらお願いします。

【藤井理事長】その辺で、多分この当時、信用情報機関との話し合いは各地でやったと思いますけれども、その内容を具体的に私は今、申し上げるあれはございませんので。

【上谷委員】ここに苦情が来ているような実態を把握しておられるかどうか……。

【藤井理事長】この700 件以上の相談は寄せられたときに聞取りとしてお一人お一人に聞いたので、そのときの実態はほとんど説明もないし、通知もなかったということではございますが、それに関して信用情報機関の回答で……。

【上谷委員】実際に把握しておられるかどうかがよくわからなかったので。

【藤井理事長】今、申し上げるようなデータは思い出しませんので申しわけございません。 私自身も最近あることで、カードは一切死ぬまで持つまいと主義を通そうと思っていたのですが、あるホテルを利用するについて割引きのシステムを利用しようとしたら絶対カード会員にならないといけない。カードでの支払いはともかく、まずそれが前提条件だということで改めて約款を読みましたら、事前に渡される申込書のところにありますのは、何ポイントと言っていいかわからないくらいの文字で、やはり同意に関してのことは書いてありまして、依然として10年前と今は変わらないなということを実感として感じました。
 そして、またいろいろな情報をあのとき求めますよね。家がどのくらいの広さで、持ち家で、建て坪が幾らでとかいうようなことまで書くのかなと思って、私も一消費者として……。

【原事務局次長】藤井さんに質問なのですけれども、ブラックリスト掲載通知の有無というのは本人確認は302 人中1人しかそれを受けていないというお話だったのですね。それで、さっき何人中の1人かおっしゃらなかったのですけれども、302 人中の1人ですからもう少し数字的なものが、これが300 人のうちの100 人とかだったらあれなのですが、たった1人ということはやはり事業者団体まできちんと確かめたかどうかわからないとおっしゃったのですが、かなりひどい状況であったということは確かではないかと思います。

【藤井理事長】誤った情報のために相談で何とかしてほしいと泣きついてこられる高齢者の御夫妻などを見ますと、本当に何とか現状を変えていただかないとと思います。

【堀部座長】藤井理事長には個人情報保護検討部会でも御説明をいただきましてどうもありがとうございました。また、本日の最後のところに中間報告に対する意見ということで書いていただいて先ほど御説明もありましたが、それぞれかなり重要な論点でありますので、今後検討をしていく上で参考になる点ではないかと思います。
 原次長は前から一緒にいろいろ議論をしてきていまして、個人情報保護検討部会で随分議論をしてまとめた部分とまとめ切れなかった部分も含めて非常に適切に問題を出していただきました。ここに書かれていることは恐らく専門委員会で更に検討をするということになるかと思いますが、1点だけ伺いたいと思います。たしかメディアからのヒアリングのときに欠席されたかと思うのですけれども、あのときメディアの側が適用除外という観点もありましたし、基本法には理念のみを規定すべきだという主張もありました。今そのメディアとの関係なのでもっとオープンに議論すべきだという趣旨のことがあったかと思うのですが、一方で、メディアの場合も個人情報の利用ということはありますね。それと保護の関係というのをどのように考えておられるのか。あのとき伺う機会がなかったように思いますので、是非少し意見を聞かせていただければと思います。

【原事務局次長】メディアからのヒアリングというのはたしか8月に開かれたのですけれども……。

【堀部座長】10月6日です。

【原事務局次長】10月でしたか。ごめんなさい。私は欠席をしたのですが、一応議事録は全部読ませていただきました。ですから、どういった発言をなさったかということも、やりとりも逐一あのときの状況というのは聞いております。
 それで、ひとつ大変大きいのは大きな誤解のようなものもあったかなと思って、例えばNHKの受信者の情報と報道のために取材のために扱っている情報とあって、でも受信者の情報についてはもちろんこういった法律がかかるということで、その辺はやりとりの中ではかなり整理をされていたかと思うのですが、残されている報道の自由の部分なのですが、あの場でのヒアリングでいろいろな懸念を表明された後、今、報道界の方々というのが自分たち自身でいろいろな意見書のようなものを出されていて、新聞もそうですけれども、すごく御自分たちの、あそこも私はもっと開かれた議論をしていただきたいと思っているのです。自分たちだけですごく考えてこうこう考えますということをまた新聞紙上などに出されていらっしゃるので、あちらにも開かれた議論をしていただきたいと思っているのですが、私はやはり適用除外ではないと思うのです。
 もちろん言論の自由とかというのも憲法第21条で掲げられていますけれども、それも尊重されるべきだし、こちらも尊重されるべきだということのそれこそ両論のような感じがしていて、決して適用除外で外される話ではないというのが私の考え方です。それぞれがその場での争いになったときには裁判の場で考えるということではないかと思って、適用除外にはならないと思います。
 文章的な表現は何か工夫はあるのかもしれません。具体的にそれを適用除外とする表現ではなくて、何かあるような気もするのですけれども。

【堀部座長】次回、メディアからのヒアリングもありますので、そこでいろいろ出てくるかと思います。

【園部委員長】よろしゅうございますか。それでは、小早川委員どうぞ。

【小早川委員】お二方とも包括的な基本法をつくるということには御賛成であると。ただ、原さんのペーパーの最後に、行政の持つ個人情報保護について早急にということを割合強くお書きになっていらっしゃるのですが、これはむしろそちらの方が急ぐべきだという線で、プライオリティーとしてはまずそちらの方が上だということでしょうか。そうかどうかということと、それからその前提として何か具体的に今の政府の個人情報保護法でここは問題だという認識がおありの上でこのように言っておられるのかです。

【原事務局次長】まず政府、行政の持つ電算機の情報ですけれども、電算機では範囲が狭いですね。個人情報の定義としてはもっと広げていただきたいというのはありますので、私がさっき飛ばして3の(3)しか説明しなかったのは、こちらの専門委員会の方は今からつくろうとしている法律の検討をしていらっしゃるわけなので、あちらの行政の持つ電算機の方の情報については同時並行的にどこかでしなければいけないと思っていたのでそれを飛ばして(3)だけをお話ししたということで、私としては早急に検討には着手していただきたいと思っています。それがどこの場かというのは何とも言えなかったので、当面ここは今からつくろうとしている法律の話と思ったものですから飛ばさせていただきました。

【園部委員長】よろしゅうございますか。それでは、全国消費生活相談員協会及び消費科学連合会からのヒアリングにつきましてはここまでとさせていただきます。両団体から御出席いただきました藤井理事長、原事務局次長、本日はどうもありがとうございました。時間の関係で、本日お伺いできなかった質問につきましては後日事務局を通じて照会させていただくことがありますので、どうぞよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

(全国消費生活相談員協会及び消費科学連合会関係者退室)

【園部委員長】それでは、以上をもちまして本日の会合は終了させていただきます。次回の会合は3月9日木曜日の15時から18時40分、関係団体のヒアリングを予定しておりますので、よろしくお願いいたします。当初の予定よりも時間を延長いたしておりますので、最後まで御出席いただけない方は、皆さん御退席になると困るのですが、適宜御退席いただいて結構でございます。
 なお、会場は3階の特別会議室で今度は下でございますので御注意願います。本日はどうもありがとうございました。