資料1添付 参考4
| 1999年7月27日 (社)経済団体連合会 |
1.電子商取引推進の必要性
2.わが国の電子商取引推進上の課題
3.電子商取引の推進のあり方
1.電子認証に関する制度的課題への対応
2.個人情報の適切な取扱いの確保
3.消費者保護
4.電子商取引に対応した諸制度の見直し
5.課税に関する枠組みづくり
6.国際的な関税ルールの策定
7.デジタル化・ネットワーク化に対応した知的財産権制度の整備
8.暗号技術・暗号製品の開発、利用促進
9.官民あげての国際的枠組みづくりへの参画
10.多様で低廉な通信サービスの実現
11.情報リテラシーの向上
12.雇用の円滑なシフトの支援
いまや世界のインターネット人口は1億6,000万人を数え、情報通信分野の急速な技術革新と相俟って、本格的なネットワーク社会の到来を誰もが予想する時代に突入している。
こうした中で、電子商取引への取組みが最も進んでいる米国では、高度な企業間電子商取引モデルを実行する企業群が強力な国際競争力を身につけ、好調な米国経済の牽引役となっている。また、消費者対企業間の取引についても昨年のクリスマス商戦において完全に市場として離陸を果たしたと言われている。
翻ってわが国においては、米国に比べて企業間取引については2〜3年、消費者対企業間の取引については5〜6年遅れていると言われている。米国経済の活況の要因全てを電子商取引の先進性に求めることはできないかもしれないが、電子商取引への取組みが、効率的かつ合理的なビジネスモデルを実現する上で有効な手だてであることは疑いない。
そこで、経団連では、情報通信委員会(委員長 藤井義弘日立造船会長)情報化部会(部会長 礒山隆夫東京海上火災保険顧問)のもとに「電子商取引の推進に関するWG」(座長 島田精一三井物産専務取締役)を設置し、わが国における電子商取引について、本分野で先進的な企業からのヒアリングや主要会員企業への実態調査、学識経験者や関係省庁との懇談、各種資料の分析等を通じて、問題点の整理とその解決の方向性を示すことにした。
提言では、まず総論において、わが国が電子商取引に取り組むことの重要性と、推進のための課題について整理し、わが国産業界・政府それぞれに対し、電子商取引拡大に向けた方策を提示している。また各論では、主要会員企業を対象とした実態調査結果やワーキング・グループの下に設けられた各チームの議論の成果等をもとに、電子商取引に関する個別の課題についての考え方を述べている。
(はじめに)
経団連は、1997年7月とりまとめの「情報化の推進に関する提言−構造改革のツールとして−」において、産業の競争力向上や国民生活の質的向上のために、情報化を推進する必要があることを指摘した。今、電子商取引に真剣に取り組むことこそが、高コスト構造からの脱却や新たなビジネスの開拓を促すことにつながり、国全体としての国際競争力を高めるための一つの具体的なアクションになる。
| 電子商取引とは:政府、企業、消費者それぞれがコンピュータ・ネットワークを活用してモノ、カネ、情報をシームレスにやり取りすることにより、経済活動を行なっていくこと。 |
1.基本的な考え方
−電子商取引は、わが国が活力を取り戻すためのツールである−
【電子商取引推進の基本的考え方】
政府、企業が電子商取引を推進するに当たっては、以下の基本的考え方を踏まえる必要がある。
| (1)企業の自主的取組みと技術革新の成果の活用 (2)電子政府の実現 (3)政府による戦略的・集中的な環境整備 |
(1)企業の自主的取組みと技術革新の成果の活用
@経営者のリーダーシップの発揮
電子商取引を推進するには、これまでの事業運営を革新することが不可欠であり、経営者自身が電子商取引の意義と効果を正しく認識し、リーダーシップを発揮して、トップダウンによって推進すべき。
A新たなビジネスに挑戦しやすい環境づくり
大企業、ベンチャー企業がともに新たなビジネスに挑戦しやすい環境を整備すべき。具体的には、人材の育成・活用、機動的な経営システムへの変革と、挑戦を評価できる風土改革・意識改革が必要。
B既存の枠組みを越えた企業間電子商取引の推進
今後は、インターネット等のオープンなネットワークを活用することにより、既存のグループや業界の枠組みを越えた企業間電子商取引の推進が必要。中小企業をはじめとする利用者のコストや利便性を重視し、グループや業界の枠組みを越えた標準化や相互運用性向上のための取組みを加速すべき。
Cグローバルな電子商取引の枠組みづくりへの参画
民間企業がグローバルな電子商取引の枠組みづくりに積極的に参画し、主導的な役割を果たすべき。
(2)電子政府の実現
政府や地方公共団体も重要な電子商取引の主体であり、簡素で効率的な政府を実現するため、率先して政府自ら電子商取引(公共調達や歳入・歳出事務、行政手続の電子化等)に取り組むべき。
(3)政府による戦略的・集中的な環境整備〜プログラムの策定と実施〜
民間分野の電子商取引の推進は基本的には企業の自主的取組みに委ねるべきであり、政府は企業が創意工夫を活かして自由なビジネスを展開できるような環境整備を行なうべき。そのため、向こう2年間に電子商取引普及のために効果の高い施策を省庁横断的かつ集中的に実施するためのプログラムを策定すべき。
@多様で低廉な通信サービスの実現(情報通信法制の見直し−電気通信事業法等)
A情報リテラシーの向上(基本戦略の策定、教育機関の情報化と情報教育の拡充)
B電子署名が手書きの署名や押印と同等に通用する基盤づくり(技術中立性や民間の自由な事業活動を阻害しないよう配慮が必要)
C個人情報の適切な取扱い確保のための必要最低限の公的基盤の整備
(必要最低限の法的枠組み、救済のための仕組み、消費者教育等)
D書面や対面を前提とした法制度の見直し(訪問販売法、旅行業法等)、サービス面、価格面の競争促進に向けた規制改革(酒類販売の需給調整要件廃止の早期繰上げ、書籍等の再販制度の見直しなど)
E契約ルールの明確化(契約の成立時期等に関する既存民商法の適用の是非の明示)
F円滑な雇用シフトへの支援(人材育成、職種転換のための教育・訓練制度の充実)
G官民挙げての国際的枠組みづくりへの参画
(1)グローバルな電子商取引の展開
欧米や一部のアジア諸国においては、自国の国際競争力を強化すべく、国を挙げて情報化に取り組んでいる。その結果、例えばインターネットの活用という面において、わが国は先進国の中でも米国やカナダ、北欧などに大きく水をあけられているのが実態である(表1参照)。

(99年6月米国商務省「The EMERGING DIGITAL ECONOMY U」より)
インターネットの利用が最も進んでいる米国は、現在のわが国と同様、80年代に深刻な不況に見舞われたが、苦境を脱出するためのツールとして情報通信技術を活用することによって、企業の競争力の回復が図られた。特に、電子商取引については、優れたベンチャー企業が牽引役となって従来の産業構造に風穴をあけている。このため既存の有力企業もこれに追随するという好循環ができており、電子商取引のビジネスモデルが確立されつつある。例えば、顧客管理やサポートの充実によってサービスの付加価値化を図ったり、マーケティング技術の活用によって、多様な顧客ニーズに個別に対応したサービスの提供を行なっているところもある。また、ホームページを通じたコミュニティ・ネットづくりによって集客を図っている企業もあり、これらが電子商取引による収益の源泉となっている。
米国が電子商取引の分野でわが国を大きく引き離している原因として、下記のような状況が大きく寄与していると考えられる。
@消費者をめぐる環境
・米国には日本のような所得税の源泉徴収制度がないため、一般消費者が確定申告のためパソコンを利用する土壌があり、パソコンの家庭への普及率は50%を超えている(電子ファイルによって納税を行なった個人は98年で2,460万人)。
・米国における通常の決済は小切手で行なわれるが、小切手は決済コストが高いため、コストの低いネットワークを利用した決済方法が選好される。
・電子商取引によって購入した方が価格面のメリットが大きな商品が多い。
A企業をめぐる環境
・国土が広いため、従来から通信販売が発達していた。
・わが国に比べて事業上の規制が少なく、新規参入および撤退が容易に行なわれやすい。
・雇用が流動化しており、電子商取引ビジネスに必要な労働力が確保されやすい。
・起業家精神豊富な風土に加えて、ベンチャー・キャピタルやナスダックのようなベンチャー企業のための資本調達の場が整備されている。
B電子商取引を支えるインフラ
・情報通信分野の規制緩和が進み、通信事業者間の激しい競争が行なわれた結果、通信コストが安く、多様なサービスメニューが提供されている。
C政府の取組み
・クリントン大統領やゴア副大統領自らが国策として電子商取引の推進を掲げている。
・政府調達や確定申告など、政府部門の電子化を促進している。
・パソコン導入やインターネット利用に対する税制上の優遇措置が講じられている。
(2)電子商取引推進の必要性
@わが国経済の再活性化のためのツールとしての活用
わが国においては、何よりもわが国経済が再び活力を取り戻し、新たな飛躍に向けて弾みを付けるために電子商取引を活用することが求められる。また、電子商取引は民間経済のみならず、公的サービス部門の効率化を図る上でも有効である。その意味で電子商取引は、まさにわが国全体が贅肉を削ぎ落とし、スリムで効率的な国家に生まれ変わるために、まさに打ってつけのツールと言える。
【電子商取引導入によって期待される効果】
〔消費者・生活者〕
電子商取引の導入により、店舗の立地コストや流通コストの削減、消費者ニーズの商品・サービス開発への迅速な反映が可能になるため、利用者ニーズに対応した安価で多様な商品・サービスがスピーディーに提供され、消費者の利便性が向上する。高齢化社会への対応等の面でも、物理的障壁を取り去ることのできる電子商取引は、社会参加を可能とするための有効な手段となりうる。また、消費者・生活者の選択肢が拡大することによって、これまで以上に消費者・生活者の主体性が重視されるようになり、消費者・生活者本意にたった企業活動、行政運営をより一層促すとともに、自立、自助、自己責任の精神に立脚した自立型社会が実現される。
〔企業〕
企業が電子商取引を推進することによって、開発、設計、生産、流通、販売といった全てのプロセスを通じた効率化が図られるため、高コスト構造の改革が促され、既存産業の競争力向上が可能になる。また、情報通信技術や顧客重視型のネットワークの活用により、新規参入コストが少なくてすむ上、コンテンツの充実やマーケティング手法との組合せによって高付加価値化が可能になるため、新たなビジネスが生まれる可能性が飛躍的に高まる。企業の情報化投資の拡大に伴う情報通信市場の拡大と情報通信技術を活用した新産業の出現によって、新たな雇用の受け皿が形成される。
〔政府・地方公共団体〕
政府や地方公共団体もまた、コストが税金というかたちで国全体に賦課されているという違いこそあれ、公的サービスを対価と引換えに提供する経済主体であることに変わりはない。社会システム全体としての効率化が求められる中、政府や地方公共団体もまた、コスト削減や合理化を図るとともに、新たなニーズに機動的に対応できるようにすることが求められる。とくに、公共調達、歳入・歳出や行政手続など、企業や国民とのインターフェイスの情報化を進めることによって、公的サービスの質的向上と、国民や企業の負担軽減が可能となる。また、業務プロセスの改革とあわせて進めることによって、簡素で効率的な政府が実現する。政府や地方公共団体と国民・企業とのインターフェイスの情報化が進むと、それに対応して企業や国民の側の情報化が促進されるとともに、国全体としての情報リテラシーの向上が図られる。
Aグローバル化する経済への迅速な対応
インターネットは本質的にグローバルであるため、わが国が電子商取引を進めるかどうかにかかわらず、必然的に電子商取引も国境を越えて進展する。米国をはじめとする諸外国の政府首脳が自国の発展の拠り所として電子商取引の推進を掲げている中で、わが国だけが競争に参加しなければ、世界市場はおろか、自国市場を維持することも困難になりかねない。
米国における電子商取引の世界で繰り広げられる優勝劣敗の構図は、わが国にとって、もはや対岸の火事ではない。現在のところ特殊な言語である「日本語」という障壁等によって日本市場は守られているが、バイタリティ溢れる欧米やその他の国々の新しい電子商取引プレイヤーは日本進出と市場制覇を虎視眈々と狙っている。おそらく早晩、日本仕様にカスタマイズしたビジネスモデルを確立し、日本市場に参入するや、瞬く間にわが国の市場を奪う懸念が現実のものとなりかねない。すでに銀行・保険・証券といった金融業やパソコン販売などの分野では橋頭堡ができつつある。
いまわが国に求められるのは、企業、政府(並びに地方公共団体)ともに電子商取引を積極的に導入し、従来型のビジネスモデルを改革して全く新しいビジネスモデルを作ることである。わが国が電子商取引への取組みを早急に本格化しなければ、わが国経済を担ってきた企業の国際競争力は著しく低下し、ひいては将来、わが国経済社会はさらに地盤沈下していく惧れもある。
わが国において、電子商取引の活用が進まない要因として、以下のものが考えられる。これらを克服し、電子商取引への取組みを加速させることが望まれる。
(1)企業経営上の課題
@電子商取引の重要性の認識
わが国においても、一部のベンチャー企業や先進的な大企業では、電子商取引を利益の源泉として積極的に活用している。しかし、多くの企業においては、依然として電子商取引を一種のブームとしてしか捉えられていないのが実態である。
本提言をまとめるにあたって経団連では、主要会員企業に電子商取引への取組みについての実態調査を実施したが、その回答状況を見ると、企業間取引こそ全体の75%程度が「現在、積極的に行なっている」「1〜2年以内に行なう予定」あるいは「実験中」と回答しているが、対消費者取引については全体の約40%が「まったく行なっていない」と回答している。
さらに、対消費者電子商取引で目指す売上高比率については、回答のあった企業すべてが10%以下と回答しており、電子商取引の位置づけはまだ試行的・消極的なものにとどまっている。
電子商取引に取り組むことを躊躇させる要因として、前述の調査で最も回答が多かったのは、「セキュリティ」「法制面の整備」「認証/決済の標準化」「インフラ環境」といった外部要因である。これらの阻害要因の克服がわが国の電子商取引の推進上の課題であり、個別の企業の努力では克服することは困難である。しかしながら、米国でもこれらの問題が完全に解決されていないにもかかわらず、企業の試行錯誤や創造性の発揮によって実際に多くの取引が電子的に行なわれており、必ずしも外部要因が電子商取引に取り組む上で致命的な障害であるとは言えない。
A既存の流通網、商慣行との調整
電子商取引の導入によって、既存の流通網、販売チャネルとの競合や従来型の業界構造・商慣行(いわゆる代理店・特約店制度やリベート制度)との摩擦が生じることは避けられず、痛みを伴う。しかしながら、電子商取引については、既存の業界構造や商慣行に縛られない企業の新規参入を完全におさえることは不可能であり、企業が合理化を先送りすると、競争力が低下し、市場を失う可能性がある。企業や業界として、電子商取引がもたらす機会とその影響とを正しく見極め、自らの付加価値を高めていくことが課題となる。
B個別の企業や業界の枠組みを越えた取組み
企業間商取引については、特定企業間やグループ内のEDI等の取組みが進んでいるが、既存のグループや業界の枠組みを越えた、よりオープンなかたちでの電子商取引は進んでいないのが実態である。開発、生産、物流、販売を通じた一貫したSCM(サプライチェーンマネージメント)やCALSの導入は、国際的競争力を確保するために必須であるが、個別の企業だけでは成立せず、取引に参加する企業すべての対応が必要になる。特に資金力が乏しく情報リテラシーの不充分な中小企業が多い業界においては、個別の企業だけで一貫したシステムを作り上げることは困難である。
C新たなビジネスへの挑戦を評価する気風・風土の醸成
電子商取引においては、物理的な参入障壁が低くなるため、企業規模よりも、機動的な意思決定やサービスのきめ細かさ、独自性といったことが重視されるようになる。米国等においても、電子商取引を使った新しいビジネスモデルを提案しているのは従来型の発想や事業手法にとらわれずに、柔軟かつ機動的に事業を展開できるベンチャー企業であることが多い。これに対し、わが国においてはリスクをとって創意工夫を発揮することが必ずしも評価されず、受け入れられにくいのが実態である。
(2)情報リテラシーの向上
国民に情報通信技術を使いこなし、情報を利活用する情報リテラシーが不足していては、電子商取引の普及は期待できない。国を挙げての情報リテラシーの底上げを図ることが重要な課題である。
情報リテラシーに加えて、わが国におけるパソコン普及率やインターネット接続率の低さが電子商取引の普及を妨げている点は否めない。パソコンの操作性も急速に向上しているが、まだまだ電子商取引に利用するにはハードルが高いと思われる。ただし、すでに、携帯電話にブラウザ機能を搭載したサービスや家庭用ゲーム機のネットワーク端末化等、パソコンレベルの知識を必要としない、操作が容易でかつ安価なインターネット利用端末が普及する兆しが現れている。今後も、広く国民が手軽に利用できる情報端末の開発が期待される。
(3)通信料金の低廉化
電子商取引は長時間接続状態で行なわれることが多いため、電子商取引普及のためには、低廉な料金体系が実現されることが不可欠である。米国では、規制緩和や公正競争ルールの策定等によって、競争が活発化し、多様で低廉な情報通信サービスが実現されている。わが国においても、インターネット利用に適した料金体系が実現するよう、事業者の努力と政府による環境整備が強く求められている。
(4)セキュリティや利用者の信頼の確保
十分なセキュリティが確保されないと、利用者が安心して電子商取引に参加することができない。セキュリティ上の問題として、主に不正アクセスや成りすまし犯罪の防止、個人情報の適切な取扱いの確保と、暗号技術や暗号製品の貿易管理上の問題、電子署名・電子認証に関する制度的課題への対応等があげられる。不正アクセスについては、既に政府において法制面の整備が進められているところである。また、電子商取引において、消費者保護の面でもリアルの世界と同等の水準を確保できるようにすることも課題となる。
わが国の場合、情報化の遅れもあって、一般にセキュリティに対する認識が低いと言われている。また、セキュリティレベルに対する合理的な判断基準がないため、必要以上に高いレベルを追求すると、そのためのコストが高くなり、かえって電子商取引が進まなくなる可能性もある。国全体としてセキュリティに対する正しい認識を深めることと、全体としてのセキュリティコストを引き下げるための取組みが不可欠である。
(5)法制面の整備
@電子商取引に対応した契約ルールの確立
電子商取引において、契約の成立時点など既存の契約ルールをそのまま解釈・適用するのか、新たなルールを設けるのかについて、政府としての方向が明らかになっていないため、事業者、利用者に不安を感じさせている。
A電子署名が手書きの署名・押印と同等に通用する基盤の整備
取引の安定性を確保するための技術として、電子署名や電子認証が注目されており、電子商取引の利用を促進する観点から、電子署名が、手書きの署名や押印と同等に通用する基盤を整備することが期待されている。
B電子商取引に対応した業法等の見直し
書面や対面による販売、店舗における販売を前提とした法規制の存在が、企業の電子商取引への取組みを阻害している。また、事業者の自由な参入や価格競争を抑制する規制によって、事業者、消費者双方から見て電子商取引の魅力が減殺されている。
わが国が活力を取り戻し、グローバルな競争に参加し生き残って行くためには、政府、企業、国民が電子商取引を積極的に活用することが求められる。具体的な推進に当たっては、以下の3つの基本的考え方を踏まえる必要がある。
(1)企業の自主的取組みと技術革新の成果の活用
電子商取引は未だ揺籃期にあり、技術開発のスピードも速いため、市場において商品・サービスを提供し、技術開発を担う企業の自助努力と創意工夫に委ねることが電子商取引の健全かつ迅速な発展を促す上で最も望ましい。公的分野においても、その企業のノウハウを最大限に活用することが望まれる。その際、民間が自主的に取り組むべきこととして、特に以下の3点が重要である。
@経営者のリーダーシップの発揮
電子商取引によって企業経営面で大きな効果をあげるためには、企業組織の再編、業務の変更、人員再配置が必要である。また、既存の取引チャネルとの競合等の痛みが伴うため、企業が電子商取引を推進するには、企業経営者の決断が不可欠になる。今後、経営者自身が電子商取引の意義と効果を正しく認識し、リーダーシップを発揮し、組織改革、業務改革も含めてトップダウンで推進していくことが何よりも重要である。
A新たなビジネスに挑戦しやすい環境づくり
今後は、大企業優位の構造が変化し、ベンチャー的な発想をもった社員や、ベンチャー企業が電子商取引の主要な担い手となることが期待されている。そこで、大企業の新規事業担当者やベンチャー企業が活動しやすい環境を整備することが求められる。特に、人材の育成・活用、権限の現場への委譲、機動的な経営システムへの変革、さらには風土改革・意識改革(挑戦を評価、敗者復活を容認、成功者を賞賛等)を図る必要がある。また、ベンチャー企業が参入しやすいよう、排他的な商慣行を改め、オープンで公正な事業環境を整備することも重要である。
B既存の枠組みを越えた企業間電子商取引の推進
従来より、EDI普及の際の問題点として、メーカーごとに異なる端末を導入しなければならない多端末現象や回線コストの高さ等が指摘されていたが、インターネットをはじめとするオープンなネットワークを共通で利用することによって、中小企業が安価なコストで電子商取引を導入することが可能になる。今後、EDIやSCM、CALS等の取組みを本格化させるため、中小企業をはじめとする利用者のコストや利便性を重視し、グループや業界の枠組みを越えた標準化や相互運用性のための取組みを加速することが不可欠である。
(2)電子政府の実現
政府(並びに地方公共団体)の果たすべき最も重要な役割は、企業や国民の負担を軽減しつつ、サービスの質的向上を図るため、自ら電子商取引に取り組み、簡素で効率的な電子政府を確立することである。また、日本最大の電子商取引の潜在的ユーザーでもある政府や地方公共団体が、率先して電子商取引に取り組むことで、公的部門と民間部門のインターフェイスの情報化が進み、民間部門の情報化投資の促進と、国民の情報リテラシー向上も期待できる。公共投資、公共調達については手続の不透明さや高コスト体質に対する批判の多いところであり、電子商取引を導入することにはこれらの批判に応えるという意義もある。
政府や地方公共団体においても、コスト・ベネフィットを勘案しつつ、計画的に情報化投資を行ない、定期的にその評価や見直しを行なうことが求められる。
また、簡素で効率的な電子政府の実現に当たっては、行政改革とセットで進めることが不可欠であり、業務プロセスや行政組織の見直し、人員の再配置等を併せて行なうことが不可欠である。
政府自らが電子商取引を進めるためには、印紙の貼付というプロセスを電子化する必要があり、手数料前納主義を見直す必要がある。
さらに、公的サービスと言えども、原則として民間に委ねられる部分は民間が担うべきであり、民間へのアウトソーシングを最大限活用すべきである。例えば、公的サービスで利用される認証システムの運用、各種データベースの整備や更新等が挙げられる。
[電子政府の実現に伴うコスト削減の事例−歳入・歳出事務を電子化した場合]
経団連の試算によれば、年間約2億6,500万件の歳入・歳出事務処理のうち、歳入金については、約90%近くが、歳出金については約30%近くが紙ベースで処理が行なわれている。これらが電子化されれば、手作業でのデータ入力や書類運搬のコストの削減に加えて、窓口納付から口座振替への切り替えに伴う国民負担の軽減などが図られ、政府、国民、金融機関全体で1,000億円以上のコスト削減効果が期待できる。
政府(年間400億円以上)−事務経費の節減、歳入金の徴収率向上、財政資金の効率運用
国民(年間300億円以上)−支払の際の利便性向上、給付(受取り)の迅速化
金融機関(年間300億円以上)−事務処理の効率化、経費の削減
*労働省の統計資料(毎月勤労統計等)や日銀資料等をもとに経団連で試算
(3)政府による戦略的・集中的な環境整備〜プログラムの策定と実施〜
民間分野の電子商取引の推進は基本的には企業の自主的取組みに委ねるべきであり、国の過度な規制や介入は、電子商取引に取り組もうとする個別企業の生産性向上努力や創意工夫のインセンティブを弱め、技術革新が阻害されたり、新規参入や事業拡大の意欲を損なうなど弊害が多い。政府は、自ら電子商取引に取り組むとともに、企業が創意工夫を凝らして自由に競争できるような環境整備を行なうべきである。
世界的に見て立ち遅れている電子商取引をわが国全体として普及・促進させていくためには、目指すべき経済社会を実現するための電子商取引の役割を明示するとともに、向こう2年間で、短期間で効果が目にみえる施策を戦略的・集中的に実施していくことが求められる。そこで、必要な制度、政策の整備を省庁横断的かつ集中的に行なうためのプログラムを早急に策定すべきである。
[電子商取引促進プログラムの概要]
| 優先課題 | 具体的施策 |
|---|---|
| 1.多様で低廉な通信サービスの実現 | ・情報通信法制の見直し(電気通信事業法等) ・回線設備整備に関する環境整備 |
| 2.情報リテラシーの向上 | ・2000年3月までに教育情報化の基本戦略(情報リテラシー憲章)の策定 ・世界最高レベルの教育情報化の実現 |
| 3.電子認証に関する制度的課題への対応 | ・電子署名が手書きの署名や押印と同等に通用する基盤づくりに向けての課題の官民協調による解決 ・電子政府実現に向けた電子認証制度の確立 |
| 4.個人情報の適切な取扱いの確保 | ・民間の自主的取組みや技術的対応を補完するセーフティネットの整備(必要最小限の法的枠組み、救済体制の整備、消費者教育) |
| 5.電子商取引に対応した諸制度の見直し | ・書面や対面によることを前提とした各種業法等の見直し(旅行業法、訪問販売法、証券取引法等) ・サービス面、価格面の競争促進に向けた規制改革の促進(酒類販売業の需給調整要件廃止の早期繰上げ、書籍等の再販制度の見直し等) ・契約ルールの明確化 |
| 6.雇用の円滑なシフトの支援 | ・人材育成、職種転換のための教育/訓練制度の充実等 |
| 7.官民挙げての国際的枠組みづくりへの参画 | ・OECD、WTO、国連等への積極的発言 ・官民の意見/情報交換の場の設置 |
(1)問題認識
電子の世界は、リアルの世界に比較して成りすましや改ざんが容易であることから、リアルの世界と同等の安心感を利用者に与えるためには、データの帰属、相手方の同一性や情報の非改ざん性を確保するための新たな仕組みが必要になる場合がある。
このような要請に応えて、暗号技術やバイオメトリクス(個人の虹彩、指紋等の生物学的特徴をデジタル化したもの)などを活用した電子署名や電子認証といわれる新たな技術が開発されている。これらが活用されることによって、電子の社会におけるセキュリティや取引の安定性を高めるとともに、電子認証サービスという新たな事業分野がビジネスとして発展することが期待されている。そのためには、企業や個人が、多様で低廉な電子署名・電子認証を安心して利用できるようにすることが望ましい。
(2)基本的考え方
@電子署名について、手書きの署名や押印と同等に通用する基盤が整備されることが妥当である。多様で低廉な電子署名や電子認証の開発・利用を可能とし、電子商取引の発展を促す観点から、そのような基盤を整備するに当たって、現時点における課題として、多様なビジネスモデルの発展や技術動向と法制度との間に乖離が生じないようにすること、多様な事業者の自由なビジネス展開を妨げず、技術革新のスピードやユーザーニーズの変化への柔軟な対応を可能とすること、が挙げられる。官民が協調して検討を進め、これらの課題を解決していく必要がある。
A国際的な電子商取引における利用者利便を高める観点から、自国の電子署名が他国でも通用するような仕組みづくりが必要である。政府間、あるいは地域間で、相手国・地域の電子署名が自国の電子署名と同等の法的取扱いを受けることを認める、いわゆる相互承認の枠組みづくりにおいては、民間認証機関同士の合意を最大限尊重するとともに、わが国として、各国政府、地域に対して、外国の認証機関について排他的な制度を採用したり、相互承認の条件として、自国と同程度以上の水準の認定制度の存在を強制することのないよう働きかけることが重要である。
B電子署名や電子認証の制度整備の必要性は、民間部門より公的部門の方が強い。公的部門のサービス効率化、迅速化や国民・企業負担の軽減の観点から、政府は、申請・申告手続や調達等の電子化を進め、電子政府を実現する必要があるが、そのためには公的部門において電子認証制度を早急に確立することが急務である。公的部門が採用する認証の基準については、多様なニーズに対応できるメニューがあり、各省庁が共通して利用可能であることが重要であり、実際の認証業務は原則として民間にアウトソーシングすべきである。
(3)民事ルールの見直しについて
@手書きの署名や押印については、文書にその作成名義人の署名または押印があるとき、成立の真正性について民事訴訟法上に推定規定が設けられている。また、ある者の印鑑による押印はその者の意思に基づくものであると推定するという判例が存在している。さらに、ある押印がある者の印鑑によるものであることは印鑑証明書によって証明されることが多いため、印鑑証明書によって証明された印鑑による押印のある文書については、その成立を立証することが比較的容易になっている。
電子署名や電子認証という新しい技術が、手書きの署名または押印と同等の機能を果たすことが可能になっており、電子署名に対して同様の推定を認めることが妥当である。多様で低廉な電子署名や電子認証の開発・利用を可能とし、電子商取引の発展を促す観点から、電子署名が手書きの署名や押印と同等に通用する基盤を整備するに当たって、取引の実態や技術の発展動向と法制度との間に乖離を来たさないよう、産業界と政府とが、密接な意思疎通を図りながら、以下のイ)〜ニ)の懸念を解消する必要がある。
イ)わが国の場合、現時点で、取引成立のために、電子認証に支えられた電子署名があるときの推定について法律に明文規定を設けることのニーズは現実にはまだあまり顕在化されていないのが実態である。将来的に電子認証が必要とされる完全にオープンな電子商取引が出現する可能性はあるが、それがどのような姿になり、どのような認証機能が必要とされるのか、現時点で予測することは難しい。
ロ)電子署名や電子認証に関する制度は特定の技術を利することなく、技術中立的であることが望まれる。しかし、電子署名に関する技術は発展途上であるため、現時点で技術進歩の動向を見越して完全に技術中立的な立法を行なうことは困難である。にもかかわらず、一定の技術を前提とした立法を行なうと、技術に致命的な問題が生じたり、革新的な技術が登場した場合、電子署名の法律上の取扱いやそのための認証のあり方も見直さざるを得なくなる可能性がある。認証のあり方や想定されている機能が異なる電子署名が主流になった場合、法律そのものが機能しなくなる惧れもある。
ハ)手書きの署名や押印については、推定規定の適用を受ける「署名」あるいは「押印」を定義したり、その範囲を限定する規定は設けられておらず、電子署名についても同様の取扱いがなされることが望ましい。しかし、手書きの署名や押印については、明文の規定がなくても、社会的な慣行に照らして、これに当たるものと当たらないものとの区別が明確になっているのに対して、電子署名・電子認証の範囲については社会的なコンセンサスが得られているとは言えないため、わが国の場合、現時点で推定規定を設けようとすると、社会一般のコンセンサスに替えて、その規定の適用を受ける電子署名や、それを保証する認証機関について、国が一定の基準を定め、それ以外の電子署名や認証機関と区別することが考えられる。しかし、その場合、制度そのものは任意的なものであっても、基準を満たしているという証明を受けていない認証機関が不適切な認証機関であるとの認識が広がるおそれがあり、その結果、利用者から信頼されず、実質的な参入規制となる懸念がある。
ニ)ハ)のように、推定規定の適用を受ける電子署名や認証機関に一定の基準が設けられた場合、技術的基準や資格要件について、機動的、弾力的な見直しを行なえる仕組みをどうやって構築するか、という問題を解決しなければならない。より柔軟な対応を可能にするため、法律そのものではなく政省令や告示で規定することとしても、技術革新のスピードやユーザーニーズの変化に完全に対応することは困難である。また、行政裁量に委ねられる範囲が大きくなる場合、事業者からみて制度の透明性や予見可能性が低下する。さらに、国の基準を満たすために、認証機関の負担が重くなると、認証サービスのコストが上昇するおそれもある。
Aいずれにしても、民間部門において電子認証ビジネスが発展するためには、何よりも認証機関が、セキュリティ対策の重要性と、認証サービスの有効性に関する利用者の認知度を高めていくことが基本である。併せて、電子認証に対する利便性と信頼性を高める観点から、認証機関間による相互認証の確立と、認証機関に関する格付けや保険等の関連ビジネスの展開が期待される。
(4)電子署名・電子認証の国際的な有効性の確保
国際的な電子商取引において、自国の電子署名が他国においても通用するような仕組みが必要になってくる。したがって、諸外国の認証機関が発行した証明書を自国の認証機関が発行したものと同等の取扱いを認める国際的な相互認証を進める必要がある。国際的な相互認証を進める方法として、民間ベースで進める方法と、国家間、あるいは地域間で協定を結び、相手国または地域の電子署名に対して自国の電子署名と同等の法律効果を与える、いわゆる相互承認が考えられる。民間ベースで進める場合、基本的には双方の認証局運用規程を受け入れることによって成立する。
政府ベースで相互承認を進める場合には、民間事業者間の相互認証に関する合意を尊重し、他国の証明書について、他国の認証機関である、あるいは自国と同様の法制度が存在しないという理由だけで法的取扱いを異にするといった排他的な取扱いを行なわないよう、わが国としても働きかけを強めていくことが肝要である。証明書の発出国で有効な証明書を受け取った国でも有効とみなす協定を締結することも一案である。また、国際間の取引においては、予め契約で裁判管轄と準拠法について合意しておくことによって、他国の電子署名や証明書の有効性についての問題も解決可能になる。
(5)電子政府推進に向けた認証制度の確立
電子署名や電子認証の制度整備の必要性は民間部門より公的部門の方が強い。現在、公的部門のサービス効率化、迅速化や国民・企業負担の軽減の観点から、政府は、申請・申告手続や調達等をはじめ、行政手続を情報ネットワークを通じて行なうことが期待されている。政府自らが電子署名・電子認証を利用することは、電子署名・電子認証に対する国民・企業の認知度を向上させるとともに、政府と民間とのインターフェイスの部分において、民間側も電子署名・電子認証を利用するため、結果として民間分野における電子署名・電子認証の普及にもつながる。
したがって、早急に、政府が電子署名・電子認証を利用することを可能にするための条件を整備するとともに、政府側、民間側双方の負担を極力抑える観点から、各省庁が共通して利用可能な基準を策定すべきである。公的分野における認証のニーズは多様であるため、基準については、本人確認や原本性の確認の厳格性、セキュリティの強度など、用途に応じて多様なメニューから公的サービスの事業主体が選択できるようする。また、透明性が高く、内外無差別なものとすべきであることは言うまでもない。公的サービスへの公平なアクセスが重視される分野においては、あらゆる利用者が使いやすいシステムを用意することにも留意すべきである。
実際の認証サービスについては、専門的なノウハウを有する民間事業者に原則としてアウトソーシングすべきである。
(1)問題認識
電子商取引に伴って収集される個人情報について、適切な取扱いが確保され、消費者が安心して電子商取引に参加できるようにするとともに、電子商取引を利用した様々な事業がより一層発展するよう、個人情報の適切な取扱いを担保することが必要である。
(2)個人情報の適切な取扱いのあり方に関する基本的考え方
消費者の電子商取引に対する不安感を払拭し、電子商取引の利用を拡大するためには、企業(事業者)が自主的・主体的に個人情報の適切な取扱いを確保するための対策を講ずるとともに、技術的な対応を進めることが基本である。
企業の自主的取組みとしては、1980年の「プライバシー保護と個人データの国際流通についてのガイドラインに関するOECD理事会勧告(OECDプライバシー8原則)」(*)の遵守を旨として、その具体化を図ることが求められる。
政府においては、個人情報の取扱いに対する社会全体の認識を深め、消費者の自主的取組みを促していくとともに、消費者の不安感を払拭する目的の範囲内で、必要最低限の公的基盤を整備することが求められる。その際、政府による規制の内容が具体的で判断が容易でないと、企業の負担が過重になる可能性があり、結果として、電子商取引の利用が抑制的になる懸念があることに留意する必要がある。
*[参考 「プライバシー保護と個人データの国際流通についてのガイドラインに関するOECD理事会勧告」 8原則]
・収集制限の原則
・データ内容の原則
・目的明確化の原則
・利用制限の原則
・安全保護の原則
・公開の原則
・個人参加の原則
・責任の原則
(3)企業の役割
@個人情報取扱方針の策定と公表
企業は、OECDプライバシー8原則を踏まえた個人情報取扱方針を確立し、ウェブサイト等で公表するとともに、それを遵守すべきである。消費者の自主的対応を喚起する観点からも、企業が個人情報取扱方針の策定・公表や個人情報の取扱方法に関する情報提供等を継続的に行なっていくことが求められる。消費者の選択のための判断材料として、現在実施されている個人情報保護に関するマーク、シールの取得や、個人情報保護のための遵守プログラムの管理システムとしての要求事項を定めたJIS規格への適合等も、事業のニーズやコストに応じて選択が行なわれるであろう。
さらに、個人情報取扱方針を実行するための遵守プログラムを定め、それが確実に履行されるよう、管理主体を明らかにするとともに、遵守状況を把握し、点検・改善を行なっていくことが求められる。その際、第三者による評価を求めることも選択肢の一つである。
A個人情報の利用目的の開示と本人の同意
企業が個人情報を収集、利用、提供する際には、直接個人に対して、その目的を明確に伝え、同意を得ることが原則である。その際、個人情報の利用目的に加えて、提供しない場合の結果等を開示する必要がある。電子商取引においては、様々な技術により情報収集を自動的に行なうことが可能であるが、その際にも、個人を識別できる形態で個人情報を収集する場合には、収集時に、予め個人に対し、その内容や目的を明確に伝え、同意を得るようにすべきである。また、第三者に移転する場合についても、収集時あるいは提供前に同意を得ておくことが必要である。
ただし、契約の履行や履行の準備行為については、契約締結そのものに対する同意が、自動的にそれらに対する同意となるため、改めて合意を得る必要はないと思われる。
B本人からの開示・修正・削除要求への対応
原則として、電子商取引に関連して個人が提供した情報自体について、本人から開示・修正・削除要求があった場合には、企業としても、合理的な範囲内で応じる必要があり、そのための手続、体制を整備することが求められる。
Cクレーム処理窓口の整備
消費者からの意見や要望を受け付け、改善のための措置を迅速に行なえる体制を整備することが消費者の信頼醸成のために必要である。個別企業が個別に対応することは当然であるが、個人の私生活への影響度合い、消費者の便宜、ノウハウの蓄積、体制整備に要するコスト等から、さらに、業界ごと、あるいは業界横断的に体制を整備することが望ましい場合もある。
(4)政府の役割
企業の自主的取組みによって個人情報の適切な取扱いの確保を図っても、悪意の者によって個人情報が不適切に取り扱われる可能性は否定できず、その場合、個別の企業や業界ごとの自主的取組みによる実効性や、アウトサイダーに対して適切な取扱いを求めることには限界がある。現時点では、個人情報の不適切な取扱いに関する法的な救済・回復に関しては、名誉毀損等の場合を除けば、不法行為の一般論等に拠っているのが実態である。このような状況で、悪意の者によって個人情報の不正な取扱いが行なわれ、個人に被害が生じると、電子商取引全体に対する消費者の信頼が失われかねない。消費者が安心して電子商取引に参加できるようにするためには、悪意の者を排除するとともに、被害を救済するためのセーフティネットとして、電子商取引の利用促進に資するような公的基盤を設ける必要がある。
@必要最低限の法的枠組みの構築
企業が所有している個人情報については、営業秘密としての性格を有することが多いと思われるため、不正競争防止法による保護が可能な場合も考えられるが、営業秘密に該当しない場合、個人の権利が保護されない可能性がある。また、不正競争防止法では、事業者にしか差止請求権等が認められていないという面もある。
ただし、どのような行為が個人に不利益をもたらすかが曖昧なままで規制が行なわれると、企業の負担が必要以上に過重となる可能性があり、電子商取引への取組みそのものが萎縮しかねない。また、明らかに機密性の高い情報を取り扱う一部の業種を除けば、企業の行動を事前規制的に拘束することは、悪意の者に対する実効性を持たないのみならず、徒に善意の事業者の負担を重くし、機動的、弾力的な企業活動を阻害しかねない。
そのような観点から、当面は、企業の自主的取組みを第一義として、補完的に現時点で個人の利益侵害に直接結びつくおそれの強い行為について規制を行なうことが考えられる。
個人情報の取扱いについて、現在、消費者が最も懸念しているのが、消費者が知らないうちに、転々と個人情報が移転し、その結果、トラブルが発生する危険性が高まっている点である。そこで、現時点での規制対象としては、イ)個人情報の盗取あるいは詐欺的・欺瞞的方法による取得およびその利用、開示、並びに第三者への移転、ロ)盗取あるいは詐欺的・欺瞞的手段の介在を知った上での個人情報の取得、利用、開示など、明らかに悪質と思われる行為が考えられる。
その際、法的なアプローチのあり方として、刑事的規制、民事的規制、行政的規制によることが考えられるが、差止めや損害賠償等によって民事的に解決しうる場合には、民事的規制に比べて行政の関与が強い行政的規制を用いる必要はないと思われる。また刑罰を導入する場合でも、極めて悪性が高い行為(例えば、意図的に特定個人に著しい不利益をもたらすことを目的とした行為、継続的または組織的な違法行為等)について限定的に行なわれるべきである。
A救済体制の整備
個人が被った不利益について企業と個人の間で合意を得ることが困難であったり、第三者が介在している場合など当事者間で解決することが適当でない問題について、政府において、個人の権利が迅速かつ効果的に保護されるような仕組みを整備する必要がある。
B個人情報の取扱いに関する認識の強化
利便性の高いサービスの享受と個人情報の保護を両立させるためには、消費者が自らの個人情報を守るための知識やノウハウ(例えば、事前に個人情報の利用目的を確認する等)を身につけるとともに、実践することが最も効果的である。政府においては、消費者が自らの個人情報は自ら守るという感覚を身につけ、自己防衛のための知識やノウハウを習得するよう、適切な消費者教育を積極的に行なうべきである。また、児童・生徒や学生等に対する情報教育の一環として、企業の個人情報取扱方針を判断指標として活用する訓練も必要である。さらに、個人情報の提供に関する判断能力が十分でないこどもや高齢者などについては、本人やその家族の個人情報が危険にさらされる可能性があるため、その対策について検討する必要がある。
電子商取引を行なうに当たっても、リアルの取引と同等の保護が与えられるべきである。特に、ネットワーク犯罪や詐欺等の違法行為は厳しく取り締まるべきである。ただし、電子商取引の持つ利便性やサービスの多様性を殺がないようにするためには、基本的には企業がトラブルを回避するため工夫を凝らすことを基本とすべきである。
トラブルを回避するためには、何より、予め消費者がどの程度のリスクがあるかを確認できるよう、企業が情報開示を行なうことが求められる。開示すべき情報の内容は業種・業態や取り扱う商品により異なるが、少なくとも、消費者が問い合わせや確認のために容易にアクセスできる手段を確保すべきである。また、販売の誘引、申し出に関しては、消費者が十分な情報を得た上で購入に関する判断を下せるよう、正確な情報が判断しやすいかたちで消費者に提供されなければならない。具体的には、消費者が負担する全ての金額(関税や税金を含む)、通貨の種類、申込みの有効期間、納品までの期間、支払方法、サービス提供やアフターサービスに関する条件、クーリングオフや返品・交換・取消等に関する条件、準拠法や裁判管轄に関する条件、適用される具体的な法律などが考えられる。
さらに、消費者が合意を与えるにあたっては、消費者自身が合意内容について理解し、熟慮した上で合意の意思表示を示すためのプロセスを消費者に対して提供すべきである。
企業の努力と併せて、トラブルを回避するためには、消費者が自己責任原則にのっとって利便性やコスト、リスクを勘案した上で購入するかどうかを選択することが重要である。例えば、十分な情報開示が行なわれていない場合には事前に確認する等の対応が望まれる。政府や企業が消費者に注意喚起を促すことはもちろんのこと、学校教育において、そのような取引におけるリスク感覚を身につけることが重要である。
さらに、電子商取引に伴う消費者のリスクを軽減するため、第三者による事業者の信頼度の評価・格付けや不測の損害に対する保険といったシステムが、支援ビジネスとして確立することが望まれる。
(1)各種業法の見直し等
現行の商取引においては、主として消費者保護や取引の安定性確保の観点から、契約条件等を記した書面の交付を義務づけたり、対面による説明を義務づけるなど、書面や対面による取引を想定した規制が行なわれているものがある(旅行業法、訪問販売法、割賦販売法、証券取引法等)。利用者の利便性向上の観点から、電子的手段による契約内容や説明書等の提供も可能とすべきである。
また、利用者にとって利便性の高さと価格の安さが電子商取引の大きな魅力となることに鑑み、多様な事業者の参入を可能とし、自由な競争を可能とするための規制改革の促進が望まれる(酒類販売の需給調整要件廃止の早期繰上げ、酒類通信販売の品目制限の廃止、書籍等の再販制度の見直しなど)。
(2)契約ルールの明確化
契約成立時(意思表示の効力発生時期)、契約・意思表示の有効性、成りすまし等無権限者による契約による場合の取引相手の保護、データ伝送過程におけるエラー(データ化け等)への対応、等について現行民法ルールをそのまま解釈・適用するのか、新たなルールを策定すべきかについて議論がある。この点が明らかにならないと、契約の締結・履行に際して当事者の予見可能性が損なわれる可能性があるため、政府としての見解を早急に明らかにすることが求められる。
電子商取引のグローバルな拡大により、各国の課税主権が衝突する場面が増える可能性がある。国際課税のあり方に関して、OECDをはじめとする国際的なルールづくりにわが国としても積極的に参画すべきである。
また、いわゆるインターネット課税のような、電子商取引に対する差別的な課税は行なうべきでなく、リアルの世界で課税されていない商品・サービス等について、電子商取引であることを理由とした新規の課税は行なうべきではない。電子商取引が未だ揺籃期であることにも配慮が必要である。
リアルの取引と同様、公平、透明、中立の原則にのっとり、国際的にも整合のとれた課税ルールを構築する必要がある。
電子商取引の健全な発展を促す観点から、現在、非関税措置が採られている情報財(デジタルコンテンツ)のインターネット取引について、WTOの次期ラウンド交渉において、非関税措置の継続に関する国際的合意が得られることを強く希望する。
なお、電子商取引について、サービス取引かモノの取引かの分類の明確化を図る必要があるが、全ての電子商取引を一括してモノかサービスかに分類すべきではない。個々の取引を従来形態の取引に照らし合わせ、当該取引がモノの取引かサービス取引か、更にサービス取引であればどのようなサービス取引に分類されるかを判断した上で、それぞれGATT及びGATSの枠組み内で関税交渉や自由化交渉を進めるべきである。また、こうした分類が困難な取引についてのみ新たなルールを検討していくべきである。
電子商取引によって、デジタルコンテンツがネットワークを介して国際的に流通する状況では、基本的に有体物の形での国内流通を想定した既存の知的財産権の法的枠組みでは対応できない問題が発生し始めており、このままではデジタルコンテンツの利用を阻害しかねない。
新たに生じている問題としては、第一に、デジタル化・ネットワーク化に伴い、質的に劣化しない複製物が、短期間に大量に拡散する可能性が高まるため、複製権を中核とする著作権制度の有効性が減衰しているとの指摘がある。このような状況下では、デジタルコンテンツの制作者は違法複製を怖れて、ネットワークに自己のコンテンツを安心して流せず、また、利用者もネットワークから入手したコンテンツが真正なものであるか判断出来ず、安全に利用できない等の問題が生じている。第二に、ネットワークを通じて著作物の国境を越えた流通可能性が高まったことから、国境を前提とした法的規整が形骸化している。
これらの問題を解決し、安定的なコンテンツ流通を確保するため、時代の流れに応じた著作権法をはじめとする法制度の変更が不可避となっている。
(1)安定的・効率的な法制度の整備
電子商取引の主要な担い手となる産業の健全な発展を図るとともに、安定的・効率的な著作物の流通取引を可能にし、広く国民全体による著作物の活用を図るという観点から、著作権法による保護のあり方を根本的に見直す必要性が高まっている。以下の方向で早急に検討を開始すべきである。
@競争的・効率的な権利処理機構の整備等も視野に入れ、円滑な流通システムを作り上げることが必要である。
A技術進歩に伴い、新たな問題が発生する都度、権利を新設・付与したり、支分権を細分化していくという対応は、徒に法を複雑にし、法的不安定性をもたらすのみならず、権利者と利用者の利害調整にも時間を要し、円滑な利用には必ずしも適さない。例えば、新たな利用形態に対応して報酬請求権を柱とする新たな法的枠組みを検討することも考えられる。あるいは、行為規制による対応も検討していくべきである。
B新たな法制度においては、ネットワークとその端末である情報関連機器に対して、技術的に過度な義務を課してはならない。また、通信事業者、インターネット接続業者等が、権利者と利用者間の争訟等に巻き込まれることがないよう、法的に配慮すべきである。
C国境を越えた流通を前提とした、国際的に調和可能な制度を構築する必要がある。
(2)国際的ハーモナイゼーションへ向けたイニシアティブの発揮
電子商取引が国際的に行なわれることに鑑み、以下の方向で、WIPO、WTO等の国際機関の場におけるイニシアティブや国際的な制度への積極的な関与等を強めていく必要がある。
@技術の国際流通を促進するためには、途上国等での知的財産権保護の仕組みの整備が不可欠である。知的財産権保護が不十分な国に対しては、引き続き、関連法制の整備、適切な権利設定・執行を積極的に働きかけるとともに、制度設計、人材育成に関し必要な協力を行なうべきである。
B知的財産権の活用は国境を越えて広がっており、属地主義を前提とした法的枠組みは限界に直面している。当面、例えば、外国での侵害行為からの救済を円滑に受けられるようにするために、準拠法や裁判管轄の決定の問題等につき、産官学が連携して必要な検討を行ない、働きかけを開始すべきである。
ネットワークを利用した電子商取引においては、利便性の向上と表裏一体の問題として、セキュリティを確保するための対策が必要になる。わが国は諸外国に比較して電子商取引の利用も、それを利用したネットワーク犯罪等も多いとは言えず、一般にセキュリティに対する関心が薄いと言われており、ひとたび犯罪や事故が起こった場合、被害が甚大になる可能性があり、また、セキュリティに対する正しい理解がないために、必要以上に電子商取引の利用を躊躇する惧れがある。セキュリティに対する正しい認識を広めることは、個別企業の取組みでは限界があり、政府による周知・啓蒙が図られるべきである。
セキュリティを確保するための技術として、暗号技術が注目されている。目的とコストに応じて暗号技術が選択されることが望ましいが、安全保障に関する国際的枠組みのうち、ワッセナー・アレンジメント(WA)に基づき、暗号技術および暗号製品については各国ごとに輸出規制が行なわれており、わが国でも許可制が採られている。昨年12月のWAの見直しを受けて、政府においても規制対象範囲の限定(規制の強度に応じた規制対象範囲の限定、認証及び署名の暗号化目的の製品の除外、個別除外品目の拡大、64ビット以下の強度の共通鍵を用いた暗号製品の市販品の規制除外、個人の使用のための携行輸出の規制除外等)、輸出手続の簡素化(包括許可制度の適用、再輸出の審査簡素化等)が行なわれたところである。今後も、技術進歩の急激な進歩や普及動向を踏まえ、弾力的な見直しを行なうことが求められる。
電子商取引はグローバルな拡がりをもっており、国際的な枠組みづくりが活発に進められている。わが国においても、貿易や金融分野において、グローバルな電子商取引の枠組みを民間主導で構築する動きが活発になっている。これらの取組みを一層強化するとともに、他の分野においても、企業が率先してグローバルな枠組みづくりに参画することが求められる。
また、OECDやWTO、国連等において、電子商取引に関する国際的な枠組みづくりの作業が行なわれている。市場ニーズに基づいて電子商取引を行なう企業が主体的に枠組みづくりに参画していくことが望ましいが、企業がグローバルな活動を展開していくためには、制度面で国際的な整合性を確保することも重要であり、政府が果たす役割も大きい。そこで、政府と産業界が密接な意見・情報交換を行ないつつ、両者が国際的な議論に機動的に対応していく必要がある。例えば、次期WTO交渉に向けて、政府と産業界との常設の意見・情報交換の場として官民の連絡協議会を設置し、この中で、電子商取引も取り上げていくことが考えられる。
電子商取引が広く利用されるようになるには、多様で低廉な通信サービスが提供されることが不可欠であり、利用者の利益の確保と自由かつ公正な競争の確保の観点から、情報通信法制の見直し(電気通信事業法等)が求められる。また、サービス、設備の両面から、地域通信市場における公正な競争を確保するため、公共的なケーブル収容スペースの整備や道路等の占用規制の緩和、管路の合理的かつ非差別的な条件による開放など、回線設備の整備に関する環境を整備するとともに、不可欠設備の公正な利用、接続ルールのより一層の充実等を図るべきである。
今後の経済社会においては、主体的に行動し、自己責任の観念に富んだ創造力あふれる人材が求められている。このような人材に求められる能力の一つが情報リテラシーである。情報ネットワークを使いこなし、生活や企業活動、行政等に活用できる情報リテラシーは、一人一人の生産性を高めるとともに、多様なライフスタイルを実現するための基礎的な能力であり、国の活力の原動力となる。しかしながら、現実には、企業によって情報リテラシー向上への取組みにはばらつきがあり、公的部門においては、市場原理が働かないため、そもそも情報化や情報リテラシー向上に対するインセンティブが働きにくいという問題がある。
今後、電子商取引の進展に伴って、民間部門、公的部門を通じて情報通信技術を活用できる人材が逼迫し、雇用のミスマッチが生じることも懸念されることから、雇用シフトの支援策の一環としても、国全体の情報リテラシーの底上げを急ぐ必要がある。政府はまず、教育機関における情報化(職員室の情報化、全教室へのインターネット接続)促進や情報教育の拡充を急ぐべきである。また、情報リテラシーの向上のためには、公的分野の情報化をはじめインターネットを日常的に利用できる環境の整備が重要である。さらに、中小企業の情報リテラシー向上を図る観点から、中小企業の情報化や情報リテラシー向上のための支援体制を充実することが求められる。
さらに、適切な情報の評価および選別が健全なマーケットを育てることにも留意する必要がある。今後、電子商取引に伴う保険や訴訟等によるコストが高くなると利用が進まなくなる惧れがある。そこで、電子署名・電子認証をはじめとする技術的対応や消費者保護策を講じていく必要があるが、情報リテラシーの一環として、消費者・生活者が自らリスクを回避するための能力を身につけていくことによって、商品やサービスの低廉化と利便性のメリットを最大限に享受することが可能になる。特に、電子商取引は消費者にとってもグローバル社会への窓口となるため、他国の文化を含めて、取引に関する様々な情報を適切に理解・評価し対応する能力の向上が求められる。
企業自らも情報リテラシーのための取組みを強化することが求められる。従来のメインフレーム中心の情報システムでは、情報リテラシーはごく一部の担当者のものでしかなかったが、今後は、例外なく社員全員の基礎知識となり、さらには取引先にも情報リテラシーが求められることになる。企業においては、特に経営層、責任者自らが情報リテラシーを身につけ、その重要性を理解し、社内や取引先に浸透させることが肝要である。
電子商取引が進展すれば、機能なき中間媒体が淘汰され、従来の産業構造が変質し、それに伴ない雇用構造が変化することは避けられない。米国においても、2006年頃までには、企業の雇用労働力の半分は情報通信関係の製造業や情報通信技術を活用したサービス業に置き換わると予測している。このような情報通信技術を活用できる人材の育成が急務であり、そのための教育・訓練制度の充実や企業の雇用流動化の支援策が求められる。
以 上