閣議決定・施策の解説等

「歩いて暮らせる街づくり」モデルプロジェクト地区の選定について

平成12年3月 

「歩いて暮らせる街づくり」関係省庁連絡会議 

1.地区選定の概要

 経済新生対策(平成11年11月11日経済対策閣僚会議決定)において位置づけられた「歩いて暮らせる街づくり」構想について、モデルプロジェクトを実施する地区の募集を行ったところ、全国から86地区の応募があった。 

 これらの応募地区について、地域や地区の特性のバランスに配慮しつつ、「歩いて暮らせる街づくり」構想の基本的考え方を踏まえ、独自性、先進性、熟度等の観点から総体として優れた20地区を関係省庁連絡会議において選定した。

2.今後の予定

 今後、「歩いて暮らせる街づくり」構想の全国への速やかな普及を図るため、モデルプロジェクトの結果をとりまとめ、一般に公表、情報提供する。

 地方公共団体において、歩いて暮らせる街づくり構想が具体化された段階で、関係省庁は、優れた取組みが行われる地区で実施される事業等に対して重点的な支援を行うこととしている。

「歩いて暮らせる街づくり」モデルプロジェクト地区

都道府県 市町村

地区

選定理由
北海道 岩見沢市

岩見沢駅周辺地区

 冬期でも歩いて暮らせる街づくりを目指す取り組みは、積雪寒冷地の街づくりのモデルとなることが期待される。水と緑と文化のプロムナードを基本的な考え方として、駅前通りを軸に公共空間のバリアフリー化や情報基盤整備等の施策がまとめられている。これまでに住民参加の街づくりについて多くの表彰歴があり、住民主体の街づくりの取り組みが期待される。
北海道 大樹町

川南地区

 地方小都市における少子・高齢化に対応した取り組みのモデルとなることが期待される。特に住んでいる人たちが母のようなやさしさを持ち心が通い合うまちを実現しようとする「マザーステーション構想」は、地方小都市における街づくりの取り組みとして評価でき、今後の展開が期待される。
宮城県 古川市

古川中心地区

 市の中心部に市民ギャラリー、公共施設、商業施設等の諸機能を併せ、地区内で生活に必要なサービスが提供される「ワンストップサービス型タウン」の形成が進められており、コンパクトで利便性の高い街づくりのモデルとなることが期待される。地域イントラネットの構築や在宅雇用を支援するSOHOセンターの整備など先進的な取り組みが提案されており、さらなる展開が期待される。
秋田県 鷹巣町

鷹巣町中心市街地地区

 地方小都市の中心市街地の空洞化に対応した取り組みのモデルとなることが期待される。タウンモビリティ導入の社会実験やコンパクトシティの構築に向けたシンポジウムの開催など先進的な取り組みの実績がある。また、福祉分野では誰もが安心して暮らすことができる福祉の街づくりを推進するため、住民参加のワーキンググループによる取り組みの実績があるなど、今後の展開が期待される。
山形県 鶴岡市

鶴岡市中心市街地区

 城下町の基盤をもとにした街において、中心部への都市機能の集積、回遊性の向上、居住環境整備等を図る取り組みのモデルとなることが期待される。各種のワークショップ、TMO、NPO活動において、住民参加による街づくり活動が行われている。大学の誘致が予定されており、交流人口の増大による新たな街づくりの展開が期待される。
群馬県 沼田市

中心市街地地区

 河岸段丘により駅と中心市街地との間に高低差があるなど、移動の負担が大きい地区における歩いて暮らせる街づくりの取り組みのモデルとなることが期待される。駅前と中心市街地の間に高齢者等に配慮した動線の確保、中心市街地での核施設の整備等が計画されている。住民主体の街づくりを進めるための協議会が設立されており、イベントをはじめとした各種の取り組みが行われており、今後の展開が期待される。
東京都 墨田区

隅田川・向島地区

 隅田川東岸に位置する当地区は戦災を免れたことから古い町並みが残っており、住商工混在の典型的な大都市の下町における取り組みのモデルとなることが期待される。住民、企業、専門家、NPO等により、イベント等を通じて地区内に埋もれた資源を発掘するなど巾広い取り組みが行われており、さらなる展開が期待される。
新潟県 上越市

高田地区

 雁木を活用した街づくり等、雪国における歩いて暮らせる街づくりのモデルとなることが期待される。公共空間のバリアフリー化、子育て支援施設やケアハウスの集積等、バリアフリーでコンパクトな街づくりの取り組みが行われている。市のまちづくり公社が設立される予定であり、今後TMO、NPO、各協議会の取り組みが総合的に企画運営されることが期待される。
富山県 富山市

とやま中心地区

 広域商業の中心地における中心市街地の空洞化問題に対応した取り組みのモデルとなることが期待される。空き店舗対策としてのミニチャレンジショップ運営事業は、地域の起業家を育成する試みとして独自性がある。今後、路面電車やコミュニティバスを活用した車に頼らないモビリティの確保など、環境にも配慮した取り組みとしての展開が期待される。
石川県 加賀市

片山津温泉地区

 地域住民のみでなく、観光、行楽による来訪者も対象にした歩いて暮らせる街づくりを目指す取り組みとしてモデルとなることが期待される。温泉地の特性を活かしつつ歩きたくなる街づくりを健康づくり運動につなげるというコンセプトには独自性がある。街づくり推進協議会を中心に住民が主体となった街づくりの取り組みの実績があり、今後の展開が期待される。
愛知県 春日井市

鳥居松地区

 町村の合併、編入により形成され、都市機能の集積度の低い市街地が分散する市において、多様な機能の集積を図り、景観、環境、文化、福祉等全てに先駆的なまちづくりを図る取り組みとしてモデルとなることが期待される。人が集まる、歩いて楽しい鳥居松という考え方のもとに、都市景観の形成、緑の回遊路の創出、バリアフリー化等の施策が総合的に提案されている。区・町内会のコミュニティ活動、安全な街づくり協議会による安全・安心まちづくりなど市民との協働によるまちづくりが活発かつ多様であり、構想に関して積極的な取り組みが期待される。
愛知県 碧南市

大浜地区

 港、寺、蔵、商店など生活と伝統的な生産が混在する港町において、地域の文化的、歴史的な遺を活用しつつ、少子・高齢化等の課題に対応する取り組みとしてモデルとなることが期待される。まちづくり推進協議会により市のまちづくり整備基本構想の提言がなされるなど、市民参加による街づくりの意識が高まっており、今後の展開が期待される。
京都府 京都市

職住共存地区

 大都市において、歴史的街並みを保全しつつ、新しいニーズとの融合を通じて、古都の再生を図る取り組みとしてモデルとなることが期待される。小学校跡地における地域拠点施設整備、地域共生型マンション計画、循環バスの運行等、まちなみの保全、地域コミュニティの確保等の方策が職住近接というテーマのもと体系的、総合的に提案されている。住民とのワークショップなど市民参加のまちづくりの実績とともに、自治連合会やまちづくり協議会の発足、市役所内に庁内連絡会議を設けるなど企画推進体制が充実しており、構想に関して積極的な取り組みが期待される。
大阪府 豊中市

千里ニュータウン地区

 我が国を代表する大規模ニュータウンにおいて、急激な少子・高齢化、小売店舗の撤退、施設の朽化の進行等の課題に対し、新たなまちづくりを検討する上でのモデルとなることが期待される。既存の都市基盤を活かしつつ、高齢化への対応、環境への配慮、新たな雇用の場の創出、コミュニティ形成の支援等、複合的、総合的な提案がなされており、今後の展開が期待される。
島根県 松江市

殿町・白潟地区

 川によって分けられた市街地において、回遊性の向上や住環境の整備を図る取り組みのモデルとなることが期待される。まちづくり塾による地域のリーダーの育成、まちづくりを考える会によるまちづくり協定の締結、道路や公園の計画への提案等まちづくりへの市民の取り組みが活発であり、さらなる展開が期待される。
山口県 山口市

“アートふる”山口大殿地区

 日常の暮らしに地区の持つ歴史、伝統、資源、風俗等を取り込み、それらを有機的につないで徒歩圏コミュニティを形成する日常生活完結型の街づくりのモデルとなることが期待される。各種施策が「住まう」「育てる」「つなぐ」「楽しむ」というキーワードにより、総合的、一体的に位置づけられている。山口住まい・まちづくりセンター等、市民が中心となったまちづくり活動が活発であり、それらが連携し構想が推進されることが期待される。
香川県 善通寺市

善通寺市快適居住空間創造重点(仮称)地区

 碁盤目状の道路網に囲まれた区域の内部の生活道路の整備等、まちとしての歴史性に根ざした新たなまちづくりのモデルとなることが期待される。中心市街地活性化基本計画においてコンパクトなまちづくりを方針として掲げているとともに、地元商店、商工会議所、市の出資によりまちづくり組織が設立されている。さらに、地域住民と行政、団体、学生等が一体となったまちづくりシステムが提案されており、さらなる展開が期待される。
愛媛県 松山市

松山都心地区

 大型店舗の郊外立地が進み、空洞化が著しい中心地区の活性化の取り組みのモデルとなることが期待される。都市基盤整備、路面電車を活かしたまちづくり、バリアフリー化等のハード面の整備とともに、道しるべマップ事業等のソフト面の取り組みが総合的に提案されている。中心市街地活性化、障害者や高齢者等の生活環境改善など多くの重点整備地区に指定されている地区であり、それらを総合的に捉え、歩いて暮らせるまちづくりを推進するものとなっており、今後の展開が期待される。
熊本県 水俣市

水俣中央地区

 環境モデル都市の実現という考え方のもとに、安全・快適で歩いて楽しいバリアフリーの都市生活環境の整備、歩いて暮らすライフスタイルへの転換の推進等の取り組みが提案されており、環境にやさしい歩いて暮らせる街づくりのモデルとなることが期待される。市の総合計画の策定に際しての公募市民による会議の独自の計画づくりの実施、多くの公共施設における市民共同での構想段階からの整備、家庭版ISO制度等まちづくりへの市民参加が進んでおり、さらなる展開が期待される。
沖縄県 沖縄市

沖縄市中心市街地地区

 市庁舎を含む中心市街地において、都市機能を再構築するための取り組みのモデルとなることが期待される。若い人たちで構成するまちづくり組織により、まちの活性化のための計画から運営管理まで一貫した試みが進められているなど、今後の市民による積極的な取り組みのさらなる展開が期待される。