閣議決定・施策の解説等

生物化学テロへの対処について

平成13年11月15日
内 閣 官 房

 11月8日に決定された生物化学テロ対処政府基本方針の5項目について、政府の対処状況は以下のとおり。

1 感染症対策、ワクチン準備等の保健医療体制の強化

○ 感染症発生動向調査の励行等

  •  平時から行われている感染症発生動向調査に加えて、異常な発生動向の早期の察知を行える体制の確立。
  •  警察、消防と保健・医療機関等との緊密な連携による、不審な発病等に関する連絡体制の強化。

○ 医薬品等の確保

  •  生物化学テロを念頭に、炭疽の治療に用いる抗生物質をはじめ必要となる医薬品等について、国内在庫を確認。
  •  国立大学病院における医薬品の在庫を調査し、十分量が確保されていることを確認。
    ・ 天然痘ワクチンの製造・備蓄を行うこととし、現在準備を進めている。

○ 救急医療体制の点検・整備

  •  救急医療体制の点検・見直し、必要な資機材及び連絡体制の確認、救命救急センター及び災害拠点病院の空床情報の把握。
  •  大規模なテロ等が起きた場合に、医療チームの派遣、医薬品・医療器材等の供給を行うための全国立大学病院間の相互支援ネットワークを構築。
  •  救命救急センターにおける除染設備等の配備を推進することとし、準備を進めている。
  •  全国立大学病院に対して、病院の規模等に応じて防護服30〜60組(全病院で約1,600組)の配備を指示し、所要経費を措置。

○ 医療関係者への情報提供・注意喚起

  •  日本医師会の協力を得て、炭疽などを含む感染症の診断、治療に関し、医療関係者等に対して情報提供。発生に対する注意を喚起。
  •  感染症の治療担当病院に対する研修を実施。
  •  国立大学病院に対して、感染症、生物・化学剤の情報提供、発生時の被害者対応への備えを注意喚起。
2 保健医療他関係機関間の連携、発生時対処等の強化

○ 都道府県における体制の整備

  •  テロ対策本部の設置等により、都道府県が中心となって、市町村、消防、警察、自衛隊及び医療機関などとの情報の共有、連携、薬剤・資機材の保有状況の把握等についての体制整備を図るよう、都道府県に対して要請し、全都道府県政令市において体制が整備された。

○ 不審な郵便物等への対処

  •  炭疽菌等が疑われる郵便物が見つかった場合の対処法を各郵便局に徹底。
  •  不審な郵便物が発見された場合の対応要領の周知と地域における連携体制(警察、衛生部局等)の整備。
  •  悪質な事案を中心に徹底した捜査を実施しており、既に4件の検挙・補導を行っている。
  •  白い粉を郵送する場合は、郵便局の窓口に差し出すよう利用者に協力要請。
  •  炭疽菌等が疑われる宅配便等の貨物について各事業者に注意喚起。
  •  不審物発見時の措置について交通事業者等に対して周知。
  •  保健所等に郵便物等の検査依頼がなされた場合の対応、検査方法等を周知。地方衛生研究所職員を対象とした炭疽菌の検査法に関する講習会を実施。
  •  各都道府県教育委員会、国公私立大学等に対し、不審な郵便物への対処について万全を尽くすよう注意喚起。

○ 国内法整備の推進

  •  NBCテロ対策のための国際的な取組みに対応し、化学剤や生物剤の散布自体の犯罪化及びかかる犯罪行為の防止のための各国間の協力措置につき定める爆弾テロ防止条約を明16日に受諾する運びとなり、また関連国内法も去る9日に成立。

3 生物剤・化学剤の管理とテロ防止のための警戒・警備の強化

○ 生物剤・化学剤の保管管理の徹底

  •  化学兵器禁止法に規定された化学剤の適切な管理を全許可使用者・製造者等に指示。許可使用者・製造者への立入検査を強化。
  •  生物・化学剤の保管管理体制の強化を付属機関、所管業界等に指示。
  •  生物・化学剤の適正管理の徹底を警察から事業者等に要請。
  •  生物剤の保有施設の警備強化。

○ 小型航空機等の警戒の強化等

  •  小型航空機等の飛行計画受理時に不審者の有無等をチェック
  •  他人を搭乗させる際、接触検査等により、危険物の持ち込み防止を徹底。 小型航空機、ヘリコプター、農薬の空中散布装置等の管理の徹底。
  •  農林水産業に利用する無人ヘリコプターの機体、散布装置等の管理の徹底。
  •  小型航空機の所在する空港等の警備強化及び空港管理者・所有者等への適正管理の徹底を要請。
  •  航空機(ヘリコプター、無人機を含む)の製造・販売に際しての保管・管理、販売先の身元確認等の徹底。

○ 水道施設等の警備・管理の徹底

  •  水源施設、浄水場、配水池等の水道施設に対する警備の強化、来訪者等の管理の徹底、緊急時の指揮命令系統と連絡体制の確立。
  •  ダム等の河川管理施設の管理体制の強化。貯水池等水源水域における毒物関知システムの導入。

○ 食品への混入防止対策の徹底等

  •  流通過程や店頭における病因物質混入への対策の徹底。通常の食中毒とは明らかに異なる事件が発生した場合の迅速対処を指示。

4 警察、自衛隊、消防、海保等関係機関の対処能力の強化

○ NBCテロ対応専門部隊の強化

  •  警視庁及び大阪府警におけるNBCテロ対応専門部隊の体制等の強化。

○ 化学防護部隊の24時間待機態勢の確立

  •  化学防護部隊が1時間を基準に初動措置のための出動ができる態勢を確立。また、全国で化学防護部隊を含め、約2,700人の災害派遣待機態勢を実施。

○ 炭疽菌に関する対応の自衛隊医官への徹底

  •  全国の自衛隊医官に対して炭疽菌に関する医療面での対応について通知。

○ 海上警備の即応体制の確保

  •  公衆衛生当局との連絡体制整備。炭疽菌に対する初動措置要領を徹底。

○ 不審な郵便物等への対処

  •  国際郵便交換局(全8局)において炭疽菌に関する定期検査を実施。
  •  X線検査装置100台を緊急配備していく。

○ NBCテロへの対処能力の強化

  •  警察、消防、自衛隊、海上保安庁等の関係機関において、対処部隊の増強、検知器材・事件対応防護機材の増強等を行い、NBCテロへの対処能力をさらに強化していく。

5 国民に対する正確で時宜を得た情報の提供

○ ホームページによる情報提供

  •  官邸、厚生労働省、郵政事業庁その他の関係省庁のホームページにおいて、政府の施策、炭疽・天然痘等についての基礎知識、不審な郵便物が届けられた場合の対処の仕方等の情報を提供。

○ 郵便局を通じた情報提供

  •  各郵便局に、ポスターを掲載し、また、チラシを配布するなどして、郵便物の取扱いその他の情報を直接国民に対して提供。

○ 在外邦人に対する情報提供・注意喚起

  •  全在外公館に対し、生物化学テロの態様等に関する情報提供、現地医療機関等の連絡先の確認、在留邦人との緊急連絡・通報体制の再確認を指示。

○ 政府広報による情報提供

  •  上記に加え、政府広報誌、テレビ番組等各種の政府広報媒体を活用して、生物化学テロ対策について正確でわかりやすい広報を行うこととし、現在準備を進めている。