閣議決定・施策の解説等

今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針概要

経済財政諮問会議
「骨太の方針」

 新しい成長産業・商品が不断に登場する経済の絶え間ない動きを「創造的破壊」と呼びます。創造的破壊を通して、効率性の低い部門から効率性や社会的ニーズの高い成長部門へヒトと資源を移動します。これが経済成長の源泉です。

 創造的破壊としての聖域なき構造改革は、その過程で痛みを伴うこともありますが、構造改革なくして真の景気回復、すなわち持続的成長はありません。

おそれず、ひるまず、とらわれず

 まず、不良債権問題を2〜3年内に解決することを目指します。それと同時に、構造改革のための7つの改革プログラムをパッケージで進めます。したがって、今後2〜3年は日本経済の集中調整期間です。短期的には低い経済成長を甘受しなければなりませんが、その後は経済の脆弱性を克服し、民需主導の経済成長が実現されるでしょう。

 そこでは、国民が自信と誇りに満ち、努力した者が夢と希望をもって活躍し、市場のルールと社会正義が重視されます。また、それは誰もが豊かな自然と共生し、安全で安心に暮らせるとともに、世界に開かれ、外国人にとっても魅力を感じる社会でなければなりません。新世紀維新が目指すのは、このような社会です。

経済の重荷を除く

I 経済再生の第一歩〜不良債権問題の抜本的解決

○不良債権の処理を急ぎます。

○不良債権処理の影響に備えた雇用対策を行います。

○安定した金融システムを構築します。


II 聖域なき構造改革〜7つの改革プログラム

経済社会の活性化のために

努力した人が夢と希望をもてる社会

1.民営化・規制改革プログラム〜民間が自由に経済活動を行える社会

○国民の利益の観点に立った特殊法人等の見直し、民営化を強力に推進し、補助金等を削減します。

○郵政事業の民営化問題を含めた具体的な検討、公的金融機能の抜本的見直しなどにより民間部門の活動の場と収益機会を拡大します。

○社会の複雑化、多様化、国際化、事前規制型から事後チェック型行政への移行に対応し、司法制度を見直します。

○医療、介護、福祉、教育などの分野に競争原理を導入します。

○民間の自由な経済活動を阻害する規制を撤廃します。


2.チャレンジャー支援プログラム〜「頑張りがいのある社会システム」

○頑張れ投資家!頑張れ起業家!!税制を含めた諸制度のあり方を検討します。(預貯金中心から、株式などへの投資優遇、創意工夫に基づいた起業・創業の重要性)

○IT革命を推進します。

豊かな生活とセーフティーネットを充実するために

3.保険機能強化プログラム〜 国民の「安心」と生活の「安定」

○社会保障制度を分かり易く、信頼されるものにします。(個人レベルで社会保障の給付と負担が分かるようなしくみを目指します。)

○将来にわたり信頼できる年金制度を作ります。(就労形態・個人のライフサイクルの多様化等への対応)

○国民皆保険と医療機関へのフリーアクセスの下、医療について質を落とさずコストを下げます。(「医療サービス効率化プログラム(仮称)」を策定します。:医療サービスの標準化と診療報酬体系の見直し等)

○医療費、特に高齢化の進展にともなう老人医療費について、その伸びを経済の動向と大きく乖離しないよう抑えます。 

4.知的資産倍増プログラム〜「個人の選択の自由の下での人材育成」

○人材大国と科学技術創造立国を実現するために、知的資産を倍増します。(ライフサイエンス、IT、環境、ナノテクノロジー・材料の4分野への戦略的重点化)

○やる気のある個人を支援します。(奨学金の充実、教育を受ける個人に対する自助努力を支援する施策、社会人に対する自己啓発の支援)

○民間からの教育研究資金の流入を活発化します。

5.生活維新プログラム〜「のびのびと働き、生活できる基盤整備」

○職場と住まいが近くにある街づくりをします。(多機能高層都市プログラムの推進)

○働く女性にやさしい社会を構築します。(税や社会保障制度の個人単位化、保育所待機児童をゼロに)

○高齢者などが年齢等にかかわりなく働きやすく暮らしやすい環境を整備します。(バリアフリー化の推進)

○ごみゼロと脱温暖化、自然との共生を通じ、地球と共生する「環の国」を目指します。

○国民の安全(人の生命、健康に関わる良質な環境や水と食料などの確保を図るヒューマン・セキュリティ、安全な国土)と治安を確保します。

政府機能を強化し、役割分担を抜本的に見直すために

6.地方自立・活性化プログラム〜地方ができることは地方に

○個性ある地方の発展を!(すみやかな市町村の再編、地方財政の立て直し)

○ストップ、国の手出し、口出し!(国庫補助負担金の整理合理化、地方交付税制度の見直し、地方税の充実確保により地方行政の基本的な財源を地方が自ら賄える形に)

○地方の活性化を図ります。

○「美しい日本」を維持、創造します。(都市と農山漁村の共生と対流、観光交流、おいしい水、きれいな空気に囲まれた豊かな生活空間の確保)

○農林水産業の構造改革を推進します。(食料自給率の向上等に向けた意欲と能力のある経営体への施策の集中)

7.財政改革プログラム〜21世紀にふさわしい簡素で効率的な政府の実現

○予算の硬直性を打ち破れ!ハードからソフトへ

特定財源の見直し、「公共事業」と「非公共事業」の区分にとらわれない予算配分、公共事業関係の長期計画の見直し

III 信頼の政治を実現するために〜

政策プロセスの改革〜分かりやすい政治を

○政治により多くの国民の声を!(首相公選制の検討、オープン・ソース方式の採用やタウン・ミーティングなどによる国民対話)

○政策がどのようにつくれられるか、透かして見えるようにします〜財政システムと予算編成プロセスの刷新
 (ア)国・地方の一般会計(普通会計)、特別会計、財政投融資、国・地方間の財政移転、特殊法人との間の資金移転などについて説明責任を果たし、透明性を高めます。
 (イ)実施事業を客観的に評価し、決算や評価結果を予算・計画などに反映させます。
 (ウ)特殊法人について、「行政コスト計算書」を導入します。 

○まず政策、そして重点分野を絞り込んだ予算編成

@循環型経済社会の構築など環境問題への対応、A少子・高齢化への対応、B地方の個性ある活性化、まちづくり、C都市の再生―都市の魅力と国際競争力、D科学技術の振興(ライフサイエンス等の4分野への重点化等)、E人材育成、教育、F世界最先端のIT国家の実現

IV 中長期の経済財政運営と平成14年度経済財政運営〜

「躍動の10年」へ  まず国債発行30兆円以下を目標として

○民間経済、金融、財政の構造改革を強力に実施することによって、日本経済は、「停滞の10年」を抜け出し、「躍動の10年」を展望します。

○平成14年度予算では、財政健全化の第一歩として、国債発行を30兆円以下に抑えることを目標とします。その後、今年必要な国債費以外の歳出は税収で賄えるようにすることを目指します。(プライマリーバランスの黒字化)

○金融政策については、機動的な量的緩和政策をとることが期待されます。