聖域なき構造改革の加速
「金融システム改革」については、「金融再生プログラム」を作業工程表に従って、着実に検討及び実施していくことにより、不良債権処理を加速し、平成16年度には不良債権問題を終結させることを目指す。これにより、金融仲介機能の回復を図り、資源の新たな成長分野への円滑な移行を可能にする。また、産業・金融一体となった対応を強力に進めるため、産業再生・雇用対策戦略本部の策定する「企業・産業再生に関する基本指針」に従い、産業再生機構(仮称)を創設するとともに、産業活力再生特別措置法(産業再生法)を抜本的に改正するなど、産業再編や事業の早期再生に向けた取組を一層積極的に推進する。
「税制改革」については、平成15年度税制改正において、現下の経済・財政状況を踏まえつつ、持続的な経済社会の活性化を実現するための「あるべき税制」の構築に向け、次の改革を一体として行う。
具体的には、我が国産業の競争力強化のための研究開発・設備投資減税の集中・重点化、次世代への資産移転の円滑化に資する相続税・贈与税の一体化、「貯蓄から投資へ」の改革に資する金融・証券税制の軽減・簡素化、土地の有効利用の促進に資する登録免許税等の軽減、人的控除の簡素化等の観点からの配偶者特別控除(上乗せ分)の廃止、消費税に対する信頼性・透明性を向上させるための免税点制度等の改革、法人事業税への外形標準課税の導入、酒税及びたばこ税の見直し等を行う。
なお、この改革の実施により、平成15年度において1.8兆円程度の減税となり、多年度においては税収中立となる。
「規制改革」については、総合規制改革会議の第2次答申(平成14年12月12日)に示された具体的施策を最大限尊重し、「規制改革推進3か年計画」を改定するとともに、その着実な実施を図る。全国規模の改革と併せて、構造改革特区制度を推進することにより、地域レベルの改革を先行的に進めるとともに、同制度の対象となる規制の特例措置を拡充する。また、公的関与の強い分野や、国・地方公共団体の提供する公的サービス分野について、民間委託の手法の活用、民間参入の解禁等により、潜在需要を喚起する規制改革を積極的に進める。併せて、競争政策、司法制度等の環境を整備する。
「歳出改革」については、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」、「平成15年度予算編成の基本方針」(平成14年11月29日閣議決定)等を踏まえ、昨年度に引き続き、平成15年度予算を「改革断行予算」と位置付け、「官から民へ」、「国から地方へ」の観点に立ち、制度・政策の抜本的な見直しの検討を踏まえ、歳出全体にわたる徹底した見直しを行う。その際、政策評価の結果を活用する。平成15年度予算の歳出規模は、一般歳出及び一般会計歳出全体について、実質的に平成14年度の水準以下に抑制するとともに、平成14年度の「国債発行30兆円以下」の基本精神を受け継ぎ、国債発行額を極力抑制する。また、活力ある経済社会の実現に向けた将来の発展につながる4分野(「人間力の向上・発揮―教育・文化、科学技術、IT」、「個性と工夫に満ちた魅力ある都市と地方」、「公平で安心な高齢化社会・少子化対策」及び「循環型社会の構築・地球環境問題への対応」)に予算の重点的な配分を行う。
以上の取組に加え、国民の潜在需要に応えることにより新たな需要を創出すること等を目指す、「基本方針2002」における経済活性化戦略にも積極的に取り組む。具体的には、産業としての裾野が広く、経済への波及効果が大きい生活産業の活性化など、6つの戦略(人間力戦略、技術力戦略、経営力戦略、産業発掘戦略、地域力戦略及びグローバル戦略)及びアクションプログラムを引き続き推進するとともに、フォローアップを行う。
また、行政組織等の減量・効率化、特殊法人等改革等の行政改革に引き続き積極的に取り組む。
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