| T. | 総論 |
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| (1) | 経済全体の大きな飛躍のために、産業の活性化と産業金融の機能強化、両面での対応が必要である。 |
| (2) | 産業の資金需要に高まりの兆しが見られるこの機を捉え、経済活性化に資する観点から、中小企業や地域産業をはじめ、経済の隅々にまで、幅広く、効果的に資金が供給されるよう、産業金融機能の強化を行う。 |
| (3) | 「骨太方針2003」で掲げられた項目を一層深化させ、政府の各施策を有機的に連携させつつ、日本銀行等関係機関と一体となって、取り組む。 |
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| (1) | 産業金融の機能強化の前提として、資金の取り手である産業サイドにおいて、収益力・財務基盤の強化に取り組み、中小企業や地域産業の活力を増進する施策に万全を尽くす。 |
| (2) | 産業金融の機能強化に向けて、上記と併せて、以下の多様化を基本的な方向とする。 |
| 1)産業金融の担い手の多様化 |
| 2)産業金融の手法の多様化 |
| 3)リスクへの対応の多様化 |
| 4)政策支援対象の多様化 |
| (3) | 市場の公正性、透明性を確保し、資金の出し手である投資家に対する適切な保護を行うことにより、その信認を得る。 |
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| II. | 各論 |
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| −産業金融の担い手・手法の多様化− |
| (1) | 信託制度の整備を通じた金融の活性化 |
| ・ | 信託業法を改正し、信託業の担い手や受託可能財産の範囲を拡 大し、企業の資金調達の経路や手法の多様化を図る。 |
| ・ | 信託会社について、証券化支援や公的信用補完制度の対象とするなど、信託会社を活用して資金調達する枠組みを支援する。 |
| (2) | ファンドによる資金仲介機能の拡充 |
| ・ | 中小企業等投資事業有限責任組合法を改正し、ファンドの投資対象の拡大や機能の追加を行うとともに、所要の投資家保護ルールを整備し、資金仲介の枠組みを整備する。 |
| ・ | 中小企業総合事業団の出資をはじめ、創業・再生等を支援するファンドの組成を促進する。 |
| (3) | 中小企業金融の手法の多様化の促進 |
| ・ | 中小企業金融公庫法を改正し、証券化支援業務を加え、中小企 業の資金調達における新しい金融手法を支援する。 |
| ・ | その際、金融機関のみならず信託会社の中小企業向け貸付債権 も支援対象とするほか、一定の事業会社も対象とする前提で具体的基準を検討する。 |
| (4) | 中小企業金融のセーフティネットの拡充 |
| 中小企業金融のセーフティネット制度について積極的な活用・充実を図る。 |
| (5) | 中堅企業への支援の拡充 |
| 中堅企業に対する資金調達を円滑化するため、新たな担い手や金融手法の活用を促進する。 |
| (6) | 日本銀行による中小・中堅企業金融の円滑化支援 |
| 日本銀行においては、中小・中堅企業金融等を一層円滑化するため、資産担保証券の買入れについて必要な見直しを行いつつ、これらを通じて証券化市場を活用しやすい環境を整える等、適切な対応を行うことを期待する。 |
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| −担保や保証に過度に依存しない資金調達− |
| (1) | 信用リスクデータベースの充実と活用 |
| 企業を財務状況で評価する「信用リスクデータベース」について、金融機関のニーズ等を踏まえ、信用リスクの評価・管理のための基盤インフラとして機能強化し、一層の活用を促進する。 |
| (2) | 中小企業の会計の質の向上による資金調達の円滑化 |
| 中小企業の決算書類の信用力強化と財務情報の開示を促進し、担保や保証に過度に依存しない、リスクに見合った融資条件の下での資金調達を円滑化する。 |
| (3) | 不動産担保によらない担保制度の整備と人的保証の適正化 |
| ・ | 不動産担保によらない担保制度(在庫等の動産譲渡の公示制度 等)について、早期の実現や活用の促進を図る。 |
| ・ | 個人保証、特に、保証債務額の上限を定めていない根保証の適 正化のため、法的措置も含め必要な見直しを行う。 |
| ・ | 売掛債権を活用した資金調達を進めるため、譲渡禁止特約解除 について経営者団体・産業界へ再度の協力要請を行う。 |
| (4) | リレーションシップバンキングにおける新しい中小企業金融への取組 |
| 金融機関による貸出後の業況把握の徹底、財務制限条項や信用格付けモデルの活用等により、不動産担保・保証に過度に依存しない融資の促進を図る。 |
| (5) | 中小企業向け政策金融における適切な対応 |
| 中小企業向けの融資については、民間金融機関の機能回復・強化の状況を見つつ政策金融の活用を図りながら、リスクに見合った金利設定の導入など、融資条件を適切に見直す。 |
| (6) | 知的財産権の活用の促進 |
| 知的財産を活用した資金調達を進めるため、評価手法の確立等、基盤整備を図る。 |
| (7) | 企業経営者の再起の促進 |
| 破産法を改正し、破産者の手元に残る自由財産を増やすとともに、民事再生法を改正し、個人向けの簡便な再生手続の対象者の範囲を拡大することで、経営者の再起を促進する。 |
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| −産業の活性化と企業の活力増進− |
| (1) | 事業再生・産業再編や企業の活性化の促進 |
| 産業活力再生法に基づく事業再生・産業再編や中小企業経営革新支援法などに基づく企業の活性化について的確にフォローアップを行う。 |
| (2) | 企業による自らの経営・財務状況やリスクの的確な把握 |
| 決算書類の精度向上や信用リスクデータベースの活用等により、企業自らの経営・財務状況やリスクの的確な把握を促す。 |
| (3) | リレーションシップバンキングにおける中小企業に対する経営支援機能の強化 |
| 経営情報等を提供する仕組みの整備、ベンチャー企業向け業務についての関係機関との連携強化、中小企業再生支援協議会の機能活用などにより、各金融機関が中小企業に対する経営支援を着実に実施するように促す。 |
| (4) | 産業金融を担う人材の充実 |
| 事業再生、地域金融、財務管理サービスなどの分野における人材の育成を加速する。 |