(構造改革への更なる取組)
デフレの克服と民間需要主導の持続的な経済成長の実現、国・地方を合わせた基礎的財政収支の黒字化を実現するため、構造改革への更なる取組を推進する。
具体的には、郵政民営化、規制改革、三位一体の改革等、「官から民へ」、「国から地方へ」との方針に基づく改革について、より本格的な取組を行う。
予算制度の改革、行政改革等、政府部門の本格的改革を進め、効率的でスリムな政府をつくる。また、包括的かつ抜本的な税制改革について検討を進める。
企業組織再編の促進、市場ルールの整備、活力ある金融システムの構築を進めるとともに、地域の基幹産業やそれを担う中小企業の再生・強化、農林水産業の競争力強化、都市再生などを推進し、民間部門や地域の活力を最大限に引き出す。新産業創造戦略の推進、知的財産戦略の推進等を通じて起業、新事業創出の促進、研究開発や人材育成の強化を図り、成長分野を拡大する。また、IT戦略を推進し、その成果を広く国民が実感できるようにするとともに、科学技術基本計画に基づき、科学技術創造立国を実現する。さらに、グローバル化の下で、経済連携を推進する。また、対日直接投資を促進するとともに、観光立国を推進する。
あらゆる世代の人間力を抜本的に強化するため、雇用面、教育面からの構造改革を進めるとともに、我が国の文化力を高める。
社会保障の一体的見直しを進めるほか、少子化対策の充実、健康・介護予防の推進、治安・安全の確保、京都議定書の目標達成に向けた取組等による循環型社会の構築・地球環境の保全、司法制度改革の推進等、安心して暮らせる社会の構築に向け、制度整備・基盤整備を進める。
上記の構造改革に関し、以下の項目については、「基本方針2004」以降の経済財政諮問会議における議論を踏まえ、下記の観点からこれを推進する。
なお、構造改革の先に実現される経済社会の姿については、経済財政諮問会議において、「日本21世紀ビジョン」をとりまとめることとしている。
(規制改革・構造改革特区)
規制改革については、規制改革・民間開放推進会議が掲げる重点検討事項を中心に検討を進める。特に、国等自らがサービスを提供している分野の民間開放を横断的に推進する観点から、市場化テスト(官民競争入札制度)について、2005年度(平成17年度)にモデル事業を実施し、本格的導入に向けて「市場化テスト法」(仮称)も含めた制度の整備を検討する。
構造改革特区制度については、新規提案の増加策を講じ、引き続き可能な限り多くの規制改革を実現するとともに、特区の評価を行い全国規模での規制改革を実現し、あわせて、実現できなかった案件についての構造的な要因等の問題点を明らかにした総点検結果を受けた取組等により、実効性を向上させる。
(金融システムの重点強化)
重点強化期間を対象とした「金融改革プログラム」に基づく諸施策の実施を通じて、金融サービス利用者の満足度が高く、国際的にも高い評価が得られ、地域経済にも貢献できるような金融システムを「官」の主導ではなく、「民」の力によって実現することを目指す。
(包括的かつ抜本的な税制改革)
「基本方針2004」に沿って、「平成16年度与党税制改正大綱」(平成15年12月17日)及び「平成17年度与党税制改正大綱」(平成16年12月15日)も踏まえ、相互に関連する税制改革案を包括的かつ抜本的に検討し、重点強化期間内を目途に結論を得る。
(予算制度改革の本格化)
予算の質の向上を図るため、予算制度改革に取り組むこととし、成果目標の明示や事後評価の徹底をさらに進め、予算の効率的配分を目指す。このため、政策評価に関する見直しに着手するとともに、評価と予算の連携を強化する。
また、特別会計については、関係府省の策定した改革案に基づき、その成果目標等に関する経済財政諮問会議の議論や、個別の特別会計についての財政制度等審議会の提言を踏まえて、改革をさらに進める。
(「国から地方へ」の改革推進)
三位一体の改革の全体像に係る政府・与党協議会の合意(平成16年11月26日)を踏まえ、国庫補助負担金改革、税源移譲、地方交付税改革に取り組むとともに、国による関与・規制の見直しを進める。また、その進捗状況について、経済財政諮問会議において、適切にフォローアップを行う。
(地域再生)
地域の提案する権限移譲や補助金改革、民間資金誘導のための措置等、各種制度改革を一括して活用できるよう、早期に本格的な枠組みを構築するとともに、地域再生への様々な主体の参加を促進し、あわせて、成果主義に基づく評価の仕組みを導入するなどにより、知恵と工夫の競争による地域経済の活性化を促進する。
(社会保障の一体的見直し)
少子高齢化が進展する中で、経済・財政と均衡がとれ、将来にわたり持続可能な制度を構築するため、年金、医療、介護、生活保護等社会保障制度全般の一体的見直しを進め、「基本方針2004」に掲げられた課題について重点強化期間内を目途に結論を得る。
生活習慣病対策及び介護予防の推進や、各制度の分担・連携を進めること等により、給付を効率化・重点化し、国民の安心を確保しながら、社会保障給付費の伸びの抑制を図ることが必要である。
こうした観点からも、中期的観点からの社会保障給付費の目標、税・保険料の負担や給付の在り方等、横断的な課題について、できる限り早期に検討を進める。