基本方針

更新日:令和5年9月13日 閣議決定

 私たちは、何十年に一度という難しい課題が次々と複合的に生じる、歴史の転換点ともいえる状況を迎えている。こうした難局を乗り越え、新しい時代を切り拓(ひら)いていくために、新たな時代にふさわしい、経済、社会、外交を創り上げていかなければならない。
 「信頼と共感」の政治姿勢を大切に、一人一人の国民の声に寄り添い、先送りできない課題に一つ一つ正面から取り組み、結果を出していく。その強い覚悟の下、内閣の総力を挙げて、以下の政策を推し進める。

1.物価高対策と新しい資本主義の加速
 エネルギー・食糧を始めとした物価高に直面する国民生活を守るため、スピード感をもって対応する。
 人への投資を強化し、労働市場改革を進めることにより、構造的な賃上げ、消費拡大を実現し、持続的な成長と分配の好循環を成し遂げる。また、GX(グリーン・トランスフォーメーション)、DX(デジタル・トランスフォーメーション)、科学技術・イノベーション、スタートアップといった重点分野に官民の投資を集め、新たな産業構造への転換を進める。これによって、社会課題の解決と持続的な経済成長を同時に実現する。
 あわせて、交通・物流インフラなど地方を支える基盤づくりへの積極的な投資や、農業、観光、中小企業など地方を支える産業の支援に万全を期す。

2.人口減少に打ち勝つデジタル社会への変革
 少子化対策とデジタル社会への変革の2つを車の両輪として、人口減少という国家的な課題に取り組む。
 デジタル田園都市国家構想の下、デジタルの技術を活用し、地方創生の取組を加速する。加えて、デジタル基盤と政府の仕組みの改革を推進し、地域の自治体が国民一人一人へのきめ細かな行政サービスを効率的に実現する、デジタル行財政改革に取り組む。
 少子化のトレンドを反転させるべく、若い世代の所得を増やす、社会全体の構造や意識を変える、全てのこども・子育て世帯を切れ目なく支援するという3つの基本理念を踏まえ、こども・子育て政策の抜本的な強化を図る。

3.国民を守り抜く、外交・安全保障
 国民生活の安全と繁栄の確保、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化のための外交を積極的に展開する。あわせて、エネルギー、食料問題などグローバルな課題に各国と連携して対応する。また「ヒロシマ・アクション・プラン」に基づき、「核兵器のない世界」に向けた国際的な取組を主導する。「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、日米同盟を基軸に、米豪印や韓国を始め各国・地域との協力連携を進める。
 戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に対応すべく、国家安全保障戦略等に基づき、防衛力を抜本的に強化する。
 「すべての拉致被害者を必ず取り戻す」との決意の下、拉致問題の完全解決に向けて、政府全体で取り組む。

4.危機管理の徹底
 万一、大規模な自然災害やテロなど、国家的な危機が生じた場合、国民の生命と財産を守ることを第一に、政府一体となって、機動的かつ柔軟に全力で対処する。
 そのために、「常に最悪を想定し」次なる感染症危機への対応も含め、平素から準備に万全を期す。

5.東日本大震災からの復興・国土強靱(きょうじん)化
 東北の復興なくして日本の再生なしとの強い思いの下、被災者に寄り添い、被災者支援、農業・生業の再生、福島の復興・再生に全力を尽くすとともに、災害に強い地域づくり・国土強靱化を一層推進する。
 廃炉に不可欠なALPS(多核種除去設備)処理水の放出に係る風評影響への対応に全力を挙げて取り組む。