中小企業等貸し渋り対策大綱

平成10年8月28日
閣 議 決 定


 政府としては、昨年秋以来、累次の貸し渋り対策を講じてきたところであるが、依然として貸し渋りは解消しておらず、中小企業等を取り巻く資金調達環境は一層厳しいものとなっている。

 今後、民間金融機関の不良債権処理が進む過程で発生する可能性のある中小企業等への信用収縮に備え、信用保証協会及び中小企業信用保険公庫による信用保証について特に20兆円の保証規模を確保することを始めとする以下の対策を早期に講ずる。

 なお、以下の対策を講ずるに当たり、景気対策臨時緊急特別枠の活用も含め、予算編成過程において必要となる財源を確保する。

 また、政府系金融機関においては、本年度は13兆円の資金量を確保しているところであるが、来年度においても所要の資金量を確保する。

 これらの対策により、資金規模において総額40兆円を超える対応が可能となる。

 信用補完制度の拡充
 (1) 民間金融機関から貸し渋りを受けた中小企業者に対し積極的な保証を実行すべく、保証要件を緩和し、かつ、保証料率が引き下げられた特別の保証制度を10月1日を目途に創設する。
 当該特別保証制度の運用に当たっては、臨時異例の措置として、各信用保証協会に経理を区分した特別の会計を設け、基本財産として新たに必要となる所要資金については、国から全額補助する。
 併せて、保険料率の引き下げを図り、また、中小企業信用保険公庫の財務基盤の強化を図る。
 (2) 今臨時国会に中小企業信用保険法の改正法案を提出し、無担保保険及び特別小口保険の保険限度額を引き上げる。
 無担保保険  現行3500万円→5000万円
 特別小口保険 現行 750万円→1000万円
 (3) 保険限度額が倍額となる特定業種を追加する。
 
 政府系金融機関の融資制度の拡充
 (1) 以下に掲げる中小企業貸し渋り関連等の特別融資制度の拡充等を図るため、財政投融資の適切な活用を含め、必要な資金量の確保に努める。また、引き続き、返済猶予の弾力化等既往債務に対する適切な措置を図る。
  1. 金融機関の破綻・貸し渋りで資金調達に支障を来すおそれのある中小企業の事業活動を支援するための金融環境変化対応融資制度
  2. 売上減少等で資金繰りが困難な中小企業に対する融資額の50%まで担保徴求を免除する運転資金融資制度
  3. 無担保・無保証人融資(マル経)制度
  4. 雇用増により事業拡大を図る中小企業に対する低利融資制度
 (2) 金融機関の破綻・貸し渋りにより資金調達に支障を来すおそれのある中堅企業等の事業活動を支援するために創設している日本開発銀行及び北海道東北開発公庫の金融環境変化対応融資制度の拡充等を図るため、財政投融資の適切な活用を含め、必要な資金量の確保に努めるとともに、併せて相談窓口の拡充を図る。
 
 政府系金融機関の金利減免措置の延長
  政府系中小企業金融機関に対して中小企業者が有する5%超の債務について、5%超の部分について金利を減免する措置の期限が本年10月18日に到来するところ、本措置を更に1年間延長する。