第2次地方分権推進計画概要

公共事業の在り方の見直し
1 公共事業の在り方の見直しの基本的考え方
 中央省庁等改革基本法(以下、「基本法」という。)を踏まえ、国と地方の役割分担の明確化、国の役割の重点化の観点から、国の事務事業のうち、地方公共団体にゆだねることが可能なものはできる限りゆだねる。

2 直轄事業等の見直し
(1) 直轄事業等の見直しの基本的考え方
○ 国の直轄事業及び直轄公物は、全国的な見地から必要とされる基礎的又は広域的事業に限定し、それ以外は地方公共団体にゆだねる。
○ 直轄事業等の範囲について、客観的な基準などにより明確化を図るとともに、当該基準に基づき、中央省庁等のスリム化の観点からも、その範囲の見直しを行う。
○ 北海道及び沖縄県の区域については、その特殊事情にかんがみ、直轄事業の在り方については、別途検討する。

(2) 個別の直轄事業等の基準の明確化、範囲の見直し等
○ 今回の基準及びそれを具体化したものに基づき、直轄事業等の一層の縮減を図る。
○ 直轄事業等の範囲の見直しの具体的内容については、本計画を踏まえ、関係審議会等において早急に検討し、結論を得る。直轄事業等の範囲の基準の基本的事項等については、法令に明示する措置を講ずる。
ア 河川
@ 一級水系の指定の基準
 一級水系を、下記a又はbに限定することを基本的方針とし、できる限り客観的な基準を具体化するよう検討する。
a 洪水等により氾濫した場合の被害の程度、安定的な水利用の確保、河川環境の保全、都府県間の利害調整等の観点から特に重要な水系
b 激甚な洪水、頻発する渇水等による被害を契機としてこれらを早急に解消することが必要とされており、技術的又は財政的な観点から国が管理を行うことが適当な水系
A 直轄管理区間の基準
 一級河川のうち特に重要な区間に限定して直轄管理を行うことを基本的方針とし、できる限り客観的な基準を具体化するよう検討する。
B @及びAにより具体化された基準に照らし、個々に現在の一級水系及び直轄管理区間を点検し、廃止又は新たな指定などの見直しを実施する。

【平成11年度に点検を行った上で、平成12年度中を目途に関係地方公共団体との調整を進める。】

イ 道路
@ 直轄管理区間の基準
 高規格幹線道路の整備・管理を国の責務とするほか、一般国道については、今後は原則として下記a又はbの区間に限って直轄管理することとし、できる限り客観的な基準を具体化するよう検討する。
a 国土の骨格を成し、国土を縦断・横断・循環する都道府県庁所在地等の拠点を連絡する枢要な区間(大都市圏における広域にわたる環状道路を形成している区間を含む。)
b 重要な空港、港湾等と高規格幹線道路あるいは上記の路線を連絡する区間
A @により具体化された基準に照らし、個々に現在の直轄管理区間を点検し、廃止又は新たな指定などの見直しを実施する。

【平成11年度に点検を行った上で、平成12年度中を目途に関係地方公共団体との調整を進める。】

ウ 砂防
@ 採択基準の引き上げを行い、直轄事業の重点化を進める。(5億円以上→100億円以上)
A @により引き上げられた採択基準に照らし、個々の直轄事業を点検し、廃止又は新たな直轄化などの見直しを実施する。

【平成12年度措置予定】

エ 海岸
@ 採択基準の引き上げを行い、直轄事業の重点化を進める。(10億円以上→50億円以上)
A @により引き上げられた採択基準に照らし、個々の直轄事業を点検し、廃止又は新たな直轄化などの見直しを行う。

【平成12年度措置予定】

オ 港湾
@ 港湾法第52条の国と港湾管理者との協議が調い実施される直轄事業は、下記a又はbの事業に限定することを基本とし、できる限り客観的な基準を具体化するよう検討する。
a 国際・国内の基幹的海上交通ネットワーク形成のために必要な根幹的な港湾施設(港湾の骨格を形成する防波堤、主航路、大型外貿ターミナル、複合一貫輸送に対応した内貿ターミナル、幹線臨港道路等)の整備
b 全国的な視点に立って配置整備する必要性が高い避難港及び当該施設の効用が一の港湾管理者の範囲を超えて広域に及ぶ港湾公害防止施設・廃棄物埋立護岸等の整備並びに技術的観点等から港湾管理者が自ら実施することが困難な事業
A @により具体化された基準に照らし、個々に現在の直轄事業の点検・見直しを行う。

【平成12年度措置予定】

カ 農業農村整備
○ 社会経済情勢の変化等に応じ、次のとおり必要な見直しを実施する。
a 国営農地再編整備事業の一般型について、平成11年度において地区調査を実施している地区についての新規地区採択を最後に、事業制度を廃止する。
b 国営農地開発事業について、現在の事業計画に定められている造成農地面積の拡大を行わず、平成15年度までの5年間で継続中の事業をすべて完了させる。

キ 治山
@ 民有林直轄治山事業の範囲について客観的な基準を明確にするとともに、採択基準の引き上げを行い、直轄事業の重点化を進める。(20億円以上→50億円以上)
A @により引き上げられた採択基準に照らし、個々に現在の直轄事業を点検し、廃止又は新たな直轄化などの見直しを行う。

【平成12年度措置予定】

(3) 直轄事業負担金の見直し
 維持管理費に係る直轄事業負担金については、段階的縮減を含め見直しを行う。

(4) 直轄事業等の見直しに伴う財源の確保
 直轄事業等の見直しに伴い、地方公共団体が担う事務事業が増大する場合、地方財政計画の策定等を通じて所要財源を明確にし、これに必要な地方税・地方交付税等の地方一般財源を確保する。

3 補助事業の見直し
(1) 補助事業の見直しの基本的考え方
国庫負担金と国庫補助金の区分に応じて、積極的に整理合理化を進めるとともに、基本法の趣旨を踏まえ、中央省庁等のスリム化にも資するよう、一層の見直しを行う。

(2) 統合補助金の創設
○ 「国が箇所付けをしない」ことを基本とする。
○ 具体の事業箇所・内容について地方公共団体が主体的に定められるよう、次のような基本的な仕組みとする。
a 国が策定する公共事業に係る長期計画に対応して地方公共団体が策定する中期の事業計画等を基に、国がその年度における地方公共団体毎の配分枠(金額等のみ。具体の事業箇所・内容は示さない。)を定める。
b aの配分枠の範囲内で、地方公共団体が当該年度において実施すべき具体の事業箇所・内容等を定めた上で、補助金を申請する(国は、申請に基づき、補助金を交付決定)。
c 交付決定後の事業箇所・内容等の変更は、事業計画等に適合している限り、国の関与を極力要しないものとする。
○ 以下の事業を対象として創設する。
また、今後さらに対象事業の拡充を図る。

【平成12年度措置予定】

○ 一定の政策目的を実現するために複数の事業を一体的かつ主体的に実施することができるような類型の統合補助金を別に創設する。 

【平成12年度措置予定】

(3) 地方道路整備臨時交付金の運用改善
○ 「国が箇所付けをしない」ことを基本とし、運用の改善を図る。

【平成11年度(一部事項は平成12年度)措置予定】

(4) 補助金の廃止
 公共事業に係る国庫補助負担金のうち、以下に掲げるものについて、廃止する。これに伴い地方公共団体において引き続き実施が必要であり、そのために増加する負担については、地方財政計画の策定等を通じて所要財源を明確にし、必要な地方税・地方交付税等の地方一般財源を確保する。
 また、地方分権推進計画に基づく国庫補助金及び国庫負担金の区分に応じた整理合理化の方策に沿って、今後さらに積極的に補助事業の見直しを図る。
○河川、道路、砂防、海岸、港湾、治山及び漁港漁村整備に係る小規模な補修・修繕・局部改良等に係る補助金

【原則平成11年度措置予定】


○港湾における小規模な緑地整備に係る補助金(防災上等重要なものを除く。)

【平成11年度措置予定】


○市町村道に対する個別補助金(以下のものを除く。)
a幹線道路ネットワーク形成上枢要な直轄等関連事業及び地域高規格道路に係るもの
b橋梁、トンネル、立体交差等大規模なもの
c電線類地中化等特別の観点から行われるもの

【平成12年度措置予定】


○二級河川に対する個別補助金(以下のものを除く。)
a甚大な水害の発生が想定されるなど、一級水系に準じて整備・管理する必要がある水系における基幹的河川事業
bダム、放水路等大規模又は技術的困難性を有するもの
c激甚な災害の再発防止対策等緊急かつ確実に実施すべきもの

【平成12年度措置予定】

(5) 地方財政法第16条の補助金の見直し
 負担金としての性格を有するものについては、地方財政法第10条等への位置づけを図ることとし、そのための検討を速やかに行う。


非公共事業等の在り方の見直し

 基本法等を踏まえ、以下国庫補助負担金等について、国と地方の役割分担の明確化、国の役割の重点化の観点から、見直しを行う。

1 農業構造改善事業等に関する国庫補助負担金等の見直し
 地域農業基盤確立農業構造改善事業費補助金の一部廃止等を行う。

【ウルグアイラウンド農業合意関連対策期間の終了する平成12年度限りで廃止】

2 文教予算に関する国庫補助負担金等の見直し
 地方生涯学習振興費補助金を廃止するなど、国庫補助負担金の廃止、統合・メニュー化、補助対象の重点化等を図る。

【平成11年度措置予定】

3 中小企業対策に関する国庫補助負担金等の見直し
 技術指導支援設備費補助金(技術指導施設費補助金)の補助対象の重点化等を図る。

【平成11年度措置予定】

4 農林水産統計調査関係事務の見直し
 基本法の趣旨を踏まえ、農林水産統計調査については、調査項目の整理を進め、民間委託の対象を拡大することにより、業務の効率化を図る。
 当面、畜産基本調査(乳用牛、肉用牛)等について、平成11年度以降14年度までに、調査員調査化を順次実施するなど、事務の見直しを進める。


国が策定又は関与する各種開発・整備計画の見直し

 以下の事項について、国土審議会等において、速やかに検討を行い、結論を得て、その結論に基づいて必要な措置を講ずる。
 なお、北海道総合開発計画及び沖縄振興開発計画の在り方については、その特殊事情にかんがみ、別途検討する。

1 国土総合開発計画及び国土利用計画の見直し
○ 全国総合開発計画の内容を国が本来果たすべき役割に係る事項に重点化する。
○ 地方公共団体との関係では、その指針を示すものであるとの位置付けを法制上明確にする。
○ これらについては、国土審議会において今後概ね2年を目途に検討し、その結果を踏まえ、結論を得ることとする。

2 大都市圏整備計画及び地方開発促進計画の見直し
○ 関係都府県が、その協議により計画に盛り込む内容の案を作成し、内閣総理大臣がこの案に基づいて必要な追加及び修正を行い、決定する仕組みとする。

3 条件不利地域振興計画の見直し
○ 順次できる限り市町村が計画の作成を行う仕組みを基本とする方向に改めていく。

【各計画(法)の終期に際し検討予定】

4 モデル型地域振興計画の見直し
○ 施策の開始後一定の期間を経過した後に当該施策の在り方を再検討し、特に継続する必要があるものを除き、地域独自の振興策にゆだねることとして廃止する。
  このうち新産業都市建設促進法及び工業整備特別地域整備促進法については、平成12年度末の現行計画終了後の在り方について、廃止を含めた抜本的見直しを行う。

【平成12年末を目途に結論予定】


○ 計画対象、計画目的等が類似している計画(法)の一本化(テクノポリス法と頭脳立地法の新事業創出促進法への統合)

【平成11年2月措置済】