- 1 目的
- 我が国では、危機的な財政事情の下、少子・高齢化、高度情報化、環境問題への対応等の新たな行政需要が増大しているとともに、行政機関が、これまで以上に、多様な意見、情報、専門的知識等を把握し、また、公正かつ透明性の高い方法で意思決定し、さらに、その過程で及び結果として得られた行政情報を利便性の高い方法で瞬時に提供するといった行政サービスの質的向上が求められている。
このような行政を取り巻く環境の変化に対応し、行政改革を真に意味があるものとするためには、業務量、定員等の政府の規模面でのダウンサイジングを目指すとともに、引き続き維持することが必要な行政サービスについても、限られた定員・財源を有効に活用し、より効率的に執行することにより、行政の生産性を向上させ、国民に提供していく必要がある。すなわち、「行政の減量化」と「行政の効率化」という両輪によって、行政コスト削減のための不断の努力を行っていく必要がある。
このため、本取組方針により、平成11年度から10年間にわたり、積極的かつ計画的に、全省庁が一体となって行政コストの30%削減に取り組んでいくこととする。
- 2 取組方針
(1)「行政の減量化」に関する取組
- 「行政の減量化」については、当面、中央省庁等改革の推進により、取り組むこととし、事務・事業合理化、独立行政法人化、組織整理等及び定員削減を内容とする「国の行政組織等の減量、効率化等に関する基本的計画」、「審議会等の整理合理化に関する基本的計画」等に基づき、作業を進めていくこととする。
中央省庁等改革の結果引き続き維持することとなった業務や新たに行うこととなった業務についても、適宜、中央省庁が行うことの必要性、有効性、効率性等の観点から評価し、廃止、民営化、民間委託、規制緩和、地方分権等の手法により、「行政の減量化」に関する努力を継続していくこととする。
-
(2)「行政の効率化」に関する取組
-
「行政の効率化」については、中央省庁が所掌する行政全般を対象とするが、各々行政目的や手法を異にしており、その効率化のための手法も様々であることから、各省庁が所管する行政分野ごとに、時間、人員、経費等の様々な指標により計測される行政コストを10年間に30%削減することを目標として、全力を挙げて取り組むこととする。
具体的には、各省庁は、それぞれ所掌する業務全般を総点検し、様々な工夫を行うことにより、当面、本取組方針に挙げられた取組を中心として、一定の行政サービスを提供するために必要な行政コストを削減し、行政の生産性の向上に努めるとともに、その後も引き続き、上記目標の実現に向けた取組を継続していくこととする。
-
3 各省庁共通的取組事項
(1) 広報
-
- テレビ広告、新聞広告等については、その広報形式を標準・統一化すること等により、従来の単発契約を年間契約に移行するなどの効率化の工夫をし、これにより、広告単価の削減を図る。
- 各種行政情報の提供については、従来、紙により印刷・配布していた各種広報誌、白書、パンフレット等を、インターネット、CD−ROM等の電子的な手段・媒体を活用することにより、印刷経費の削減を図る。
- 件数の多い問い合わせに対する回答等のデータベース化、インターネット、クリアリングシステム等による公開・案内を行うことにより、閲覧、各種問い合わせ等に係る応対時間の削減を図る。
- 定期的に発行している広報資料については、真に必要と認められるものに厳選し、統廃合を行うことにより、印刷経費の削減を図る。
-
(2) 調査
-
- 統計調査を始めとする各種調査等に関する業務については、客体数及び調査事項の見直し、各調査のデータの共有化等による調査事項等の重複是正、類似調査の一元化や同時実施等の調査の全体的見直しを行い、経費の削減を図る。
- 統計データの収集・提供の電子化・オンライン化等事務の一層のOA化、民間委託の推進等により、経費の削減を図る。
-
(3)連絡・調整
-
- 省庁内、省庁間、関係機関等の間で行われる連絡、調整、報告等に関する業務については、各省庁LAN及び霞が関WANを利用した省庁間電子文書交換システムや電子メールシステム、電子掲示板、省庁間共同のデーターベースを構築し、その機能を積極的に活用するとともに、テレビ会議システムの導入を促進することにより、ペーパーレス化、電話やFAX通信料金等の削減を図る。
- 地方支分部局、地方公共団体からの中央省庁への各種報告の必要性、方法等の見直しにより、経費の削減を図る。
-
(4)人事・会計
-
- 国の予算の執行、職員の給与等の計算・支払等に関する業務については、統一的な計算ソフト、オンライン処理システムの開発・導入、給与振込の一層の推進等を行うとともに、将来的には、集中処理を目指しこれらの事務に係る経費の削減を図る。
- 政府調達に関する業務については、バーチャル・エージェンシーにおける検討も踏まえ、調達手続の電子化を推進し、行政事務の簡素化・効率化を図るとともに、調達品のライフサイクル全般にわたる総合的な見直しを行い、調達経費の削減を図る。
- 契約に関する業務については、一括購入や割引制度の利用等により、契約単価の削減を図る。
- 人事管理に係る業務について、各種情報の電子化・共有化を図り、業務の効率化・簡素化を図る。
-
(5)庶務・管理
-
- バーチャル・エージェンシーにおける検討も踏まえ、「行政情報化推進基本計画」期間内に内部事務の過半について、電子化(ペーパーレス化)を目指す。
- パソコン一人一台体制の早期達成、各種行政文書の電子化・共有化の促進等により、業務の効率化・簡素化、文書保存等に要するスペースの確保等を図る。
- 電子決裁等の文書事務システムの開発・導入を行うことにより、決裁事務に要する時間を削減する。
- 大型汎用電子計算機からサーバー機への切替等、業務形態に応じた情報システムの最適化による電子計算機利用経費の削減を図る。
- 事務用品の再利用化、室温の適温管理、昼休み等の消灯の励行、電子機器更新に当たっての省エネ機種の導入の促進、官用車更新に当たっての省エネ車種の導入促進、ノーカーデイの実施、乗用定員の多いワゴン車の導入等を行い、経費の削減を図る。
- 自動翻訳システムの活用により、翻訳に要する外注費、仮訳に係る時間等の削減を図る。
- 国会関係業務、法令協議、予算折衝等を原因とする長時間にわたる超過勤務については、公務員制度改革の基本方向に関する答申(平成11年3月16日公務員制度調査会)も踏まえ、削減方策を検討する。
-
(6)検査・検定
-
- 各種ガイドライン、マニュアル等の整備により、基準の明確化、事務の合理化を図る。
- 検査申請手続の電子化、ペーパーレス化、ネットワーク化を図るとともに、ワンストップサービスの導入等の促進により、事務の簡素化・合理化を図る。
- 実施対象、実施頻度等の見直し、手続きの簡素化等により処理期間の短縮及び処理単価の削減を図る。
-
(7)徴収・支払
-
- 租税等の国民からの徴収に関する事務について、インターネットによる情報提供等を通じた相談の拡充、効率化を図る。
- 各種保険料等の徴収に係る業務について、OCR(光学式文字読取装置)化、オンライン化等を促進することにより、事務の簡素化・効率化を図る。
- 年金等の支払に係る通知書類の発行回数の削減等により、事務の簡素化・効率化を図る。
-
(8)公共工事
- 公共工事については、「公共工事のコスト縮減対策に関する行動指針」(平成9年4月4日関係閣僚会議決定)に基づき、公共工事所管省庁のみならず、関連する省庁の施策全体を取り込んだ総合的なコスト縮減を推進しているところであり、所要の施策を3年間で実施し、その効果により公共工事のコストを、少なくとも10%以上縮減することを目指す。
-
(9)許認可等
-
- 「申請負担軽減対策」(平成9年2月10日閣議決定)、「行政情報化推進基本計画」(平成9年12月20日閣議決定)、「高度情報通信社会推進に向けた基本方針」(高度情報通信社会推進本部決定。平成10年11月9日改定)、「規制緩和推進3か年計画」(平成10年3月31日閣議決定。平成11年3月30日閣議決定により改定)を踏まえつつ、許認可等の審査・処理期間の半減・短期化に関する取組、行政手続の簡素化、許認可等の審査基準の見直し、電子化、ペーパーレス化、ネットワーク化を図るとともに、ワンストップサービスの導入等の促進により、事務の簡素化・合理化を図る。
-
4 各省庁の主要取組事項
-
各省庁の主要取組事項については、別紙のとおり。
-
5 推進方法
-
各省庁は、本取組方針に従い、行政コスト削減に積極的かつ計画的に取り組む。また、本取組方針は、実施状況に関する定期的なフォローアップの結果等を踏まえ、必要に応じて見直す。
-
(注)人事院に対しても、本取組方針に沿って行政コスト削減に取り組むよう要請する。
各省庁の主要取組事項