官報資料版 平成12年5月10日




                  ▽労働力調査 平成十一年平均結果の概要………………………総 務 庁

                  ▽単身世帯収支調査の概況 平成十一年平均速報の結果………総 務 庁

                  ▽労働力調査(一月)………………………………………………総 務 庁

                  ▽家計収支(一月分)………………………………………………総 務 庁

                  ▽家計調査(平成十一年平均)結果から…………………………総 務 庁

                  ▽消費者物価指数の動向(東京都区部二月中旬速報値)………総 務 庁











平成十一年の雇用・失業の動向


―労働力調査 平成十一年平均結果の概要―


総 務 庁


◇労働力人口(労働力人口比率)

 就業者と完全失業者を合わせた労働力人口は平成十一年平均で六千七百七十九万人(男性四千二十四万人、女性二千七百五十五万人)で、前年に比べ十四万人減と、第一次石油危機後の昭和四十九年以来二十五年ぶりの減少となっている。内訳は就業者が五十二万人減、完全失業者が三十八万人増となっている。
○労働力人口比率
 労働力人口比率(十五歳以上人口に占める労働力人口の割合)は、平成十一年平均で六二・九%となり、前年に比べ〇・四ポイントの低下と、二年連続で低下した。
 男女別にみると、男性は七六・九%で、前年に比べ〇・四ポイントの低下となっている。これを年齢十歳階級別にみると、五十五〜六十四歳で上昇し、四十五〜五十四歳では横ばい、その他の年齢階級では低下している。特に、十五〜二十四歳での低下が著しい。女性は四九・六%で、前年に比べ〇・五ポイントの低下となっている。年齢十歳階級別にみると、二十五〜三十四歳及び五十五〜六十四歳では上昇、その他の年齢階級では低下している。

◇就業者

 平成十一年平均の就業者数は六千四百六十二万人となり、前年に比べ五十二万人減となっている。二十三年ぶりに前年比で減少した平成十年(四十三万人減)に続く減少で、減少幅は過去最大となっている。月別に就業者数の対前年同月増減数をみると、平成十一年の前半は大幅な減少が続き、六月には八十九万人減となったが、八月以降減少幅は縮小傾向を示している。
 男女別にみると、男性は三千八百三十一万人で、前年に比べ二十七万人減、女性は二千六百三十二万人で、前年に比べ二十四万人減となっている(第1図参照)。

(1) 従業上の地位別就業者

 就業者を従業上の地位別にみると、平成十一年平均の雇用者数は五千三百三十一万人で、前年に比べ三十七万人減と、二年連続の減少となっている。減少幅は平成十年を上回り過去最大となった。
 雇用者のうち非農林業雇用者は五千二百九十八万人で、前年に比べ三十六万人の減少となった。
 このうち、
  ・常雇は四千六百六十六万人で、前年に比べ六十万人減と二年連続の減少
  ・臨時雇は五百十万人で、前年に比べ二十二万人増と昭和五十一年以降増加が継続
  ・日雇は百二十一万人で、前年と同数
となっている。この結果、非農林業雇用者に占める常雇の割合は八八・一%となり、前年に比べ〇・五ポイントの低下となった。常雇の割合は平成七年から五年連続の低下となっている(第2図参照)。
 また、自営業主・家族従業者は一千百十万人で、前年に比べ十八万人の減少となっている。

(2) 産業別就業者

 平成十一年平均の主な産業別就業者数の対前年増減数をみると、これまで堅調に増加してきたサービス業が一万人の増加にとどまり、運輸・通信業も一万人の増加となっている。卸売・小売業、飲食店は前年と同数。また、建設業、製造業はそれぞれ五万人減、三十七万人減となった(第3図参照)。

(3) 職業別就業者

 平成十一年平均の主な職業別就業者数の対前年増減数をみると、専門的・技術的職業従事者及び保安職業、サービス職業従事者は増加、その他の職業は減少となっている。管理的職業従事者は三年連続の減少である(第4図参照)。

(4) 企業の従業者階級別雇用者

 平成十一年平均の非農林業の雇用者を企業の従業者階級別(官公を除く)にみると、一〜二十九人規模、三十〜四百九十九人規模、五百人以上規模のすべてで前年よりも減少した。三つの従業者階級すべてで減少したのは比較可能な昭和四十四年以降で初めてとなっている(第5図参照)。

◇完全失業者

 平成十一年平均の完全失業者数は三百十七万人となり、前年に比べ三十八万人増加し、比較可能な昭和二十八年以降初めて三百万人を超えた。ただし、増加幅は平成十年(四十九万人)より縮小している。男女別にみると、男性は百九十四万人、女性は百二十三万人で、男女ともに過去最多となっている。月別にみると、男性は八月以降増加幅が縮小傾向にある。女性は四月以降増加幅が縮小傾向にあり、十一月は前年同月を下回っている。
 完全失業率(労働力人口に占める完全失業者の割合)は、平成十一年平均で四・七%と、比較可能な昭和二十八年以降で最高となっている。男女別では、男性は四・八%、女性は四・五%で、男女ともに過去最高である(第6図参照)。
 平成十一年の月別の動きを季節調整値でみると、六月、七月に四・九%まで上昇し、その後は年末にかけて低下しているが、年間を通してこれまでにない高い水準で推移した。
 (注) 季節調整値は、毎年一月結果公表時に、前年十二か月分の結果を追加して再計算される。このため、本速報に掲載した季節調整値は、平成十二年一月結果公表時に一部改訂されることがある。

(1) 年齢階級別完全失業率

 平成十一年平均の男女別の完全失業率を年齢十歳階級別にみると、男性は十五〜二十四歳が最も高く、次いで五十五〜六十四歳が高い。また、二十五〜三十四歳及び四十五〜五十四歳も上昇幅が大きくなっている。女性は、十五〜二十四歳が男性と同じく最も高く、次いで二十五〜三十四歳となっている。
 なお、男性はすべての年齢階級で、女性は六十五歳以上を除くすべての年齢階級で比較可能な昭和四十三年以降最高となっている(第7図参照)。

(2) 世帯主との続き柄別完全失業率

 完全失業率を世帯主との続き柄別にみると、一般世帯(二人以上の世帯)は、平成十一年平均で世帯主が三%を超えたほか、その他の家族、単身世帯も大きく上昇し、すべての続き柄で、比較可能な昭和四十三年以降最高となっている(第8図参照)。

(3) 求職理由別完全失業者

 完全失業者を求職理由別にみると、
  ・「非自発的な離職による者」(勤め先や事業の都合(人員整理・事業不振・定年等)により前職を離職)が百二万人
  ・「自発的な離職による者」(自分又は家族の都合により前職を離職)が百九万人
  ・「学卒未就職者」(学校を卒業して新たに仕事を探し始めた者)が十七万人
  ・「その他の者」(収入を得たい、時間に余裕ができた等の理由で新たに仕事を探し始めた者)が七十七万人
となっている。
 「非自発的な離職による者」は前年に比べ十七万人増加したが、平成十年(三十一万人増)よりも増加幅は縮小した。平成十一年の月別の動きをみると、「非自発的な離職による者」は十月以降は前年とほぼ同じ水準となっている(第9図参照)。
○年齢階級、求職理由別完全失業者
 完全失業者について、年齢階級と求職理由との関連でみると、十五〜三十四歳では「自発的な離職による者」が最も多いが、「非自発的な離職による者」及び「その他の者」も増加幅が大きくなっている。
 三十五〜五十四歳では「非自発的な離職による者」が「自発的な離職による者」を上回った(第10図参照)。

◇平均週間就業時間

 非農林業の従業者(就業者から休業者を除いた者)一人当たり月末一週間の平均就業時間は、平成十一年平均で四二・五時間と、前年と同時間となった。これは、短時間就業者(一〜三十五時間未満)が増加する一方で、六十時間以上の長時間就業者も増加したためと考えられる(第11図参照)。

◇転職希望者及び追加就業希望者

(1) 転職希望者

 就業者(六千四百六十二万人)のうち、転職を希望している者(転職希望者)は六百二十三万人で、このうち実際に求職活動を行っている者は二百四十六万人となっており、前年に比べそれぞれ十七万人、十一万人の増加である。また、就業者に占める転職希望者の割合(転職希望者比率)は九・六%で、比較可能な昭和四十三年以降で最も高くなっている。

(2) 追加就業希望者

 就業者のうち、現在の仕事を継続しながら別の仕事もしたいと希望している者(追加就業希望者)は二百九十万人で、このうち実際に求職活動を行っている者は百三十八万人となっており、前年に比べそれぞれ十四万人、九万人の増加である。また、就業者に占める追加就業希望者の割合(追加就業希望者比率)は四・五%で、昭和四十三年以降で最も高くなっている(第12図参照)。

◇地域別

 全国十地域別の平成十一年平均の就業者数及び完全失業率は、次のとおりとなっている。

(1) 就業者数

 就業者数の対前年増減は次のとおりとなっている。
 北海道…二百七十一万人(一万人減)
 東 北…四百九十六万人(一万人減)
 南関東…一千七百三十七万人(十一万人減)
 北関東・甲信…五百三十九万人(二万人減)
 北 陸…三百一万人(四万人減)
 東 海…七百九十四万人(五万人減)
 近 畿…一千十八万人(十九万人減)
 中 国…三百九十一万人(八万人減)
 四 国…二百十一万人(一万人増)
 九 州…七百四万人(三万人減)

(2) 完全失業率

 完全失業率及び対前年増減は次のとおりとなっている(第13図参照)。
 北海道…四・九%(同率)
 東 北…四・二%(〇・三ポイント上昇)
 南関東…五・一%(〇・六ポイント上昇)
 北関東・甲信…三・六%(〇・六ポイント上昇)
 北 陸…三・五%(〇・六ポイント上昇)
 東 海…三・九%(〇・六ポイント上昇)
 近 畿…五・六%(〇・七ポイント上昇)
 中 国…三・九%(〇・五ポイント上昇)
 四 国…四・一%(〇・四ポイント上昇)
 九 州…五・〇%(〇・四ポイント上昇)




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単身世帯収支調査の概況


―平成十一年平均速報の結果―


総 務 庁


一 単身全世帯の家計

▽消費支出は調査開始以来、初の増加
 平成十一年の単身全世帯(平均年齢四九・五歳)の一か月平均消費支出は十八万九千円で、前年に比べ名目二・六%の増加となった。また、消費者物価(〇・四%減)が下落したことから、実質で三・〇%の増加となった。
 消費支出の実質増加率は、平成八年が二・四%減、九年が二・五%減、十年が〇・九%減と、三年連続の減少となった後、十一年は三・〇%の増加と、調査開始以来、初の増加となった(第1図参照)。
 平成十一年の消費支出を主要費目別にみると、交通・通信(実質一五・五%増)、教養娯楽(同一〇・〇%増)、保健医療(同九・二%増)、家具・家事用品(同八・五%増)が大幅な実質増加となったほか、光熱・水道(同二・九%増)、住居(同二・八%増)も実質増加となった。
 一方、被服及び履物(実質八・九%減)が大幅な実質減少となったほか、食料(同一・五%減)も実質減少となった(第2図参照)。
 平成十一年の消費支出を半期別に対前年同期実質増加率でみると、一〜六月期は、自動車等購入などの耐久財への支出が大幅に増加したほか、パック旅行費などのサービスへの支出も増加したことから、実質四・〇%の増加となった。七〜十二月期は、被服及び履物などの半耐久財への支出が大幅に減少したものの、パック旅行費などのサービスへの支出が大幅に増加したことから、実質二・二%の増加となった。
 消費支出の実質増加率は、平成八年一〜六月期には〇・四%の増加となったものの、同年七〜十二月期から四期連続で減少となった。その後、十年七〜十二月期に一・八%の増加と、五期ぶりに増加に転じ、十一年一〜六月期が四・〇%の増加、同年七〜十二月期が二・二%の増加と、三期連続の実質増加となった(第3図参照)。

▽単身世帯の消費支出は、二人以上の世帯の〇・五九倍
 平成十一年の単身世帯の一か月平均消費支出(十八万九千円)は、十一年の二人以上の世帯(全国・全世帯。家計調査結果(十一年平均)による。)(世帯主の平均年齢五二・一歳)の一世帯当たり一か月平均消費支出(三十二万三千円)の〇・五九倍となっている(第4図参照)。

▽基礎的支出、選択的支出ともに実質増加
 平成十一年の単身全世帯の消費支出を基礎的支出と選択的支出とに区分してみると、家賃地代、保健医療サービスなどの基礎的支出は、一世帯当たり一か月平均十一万三千円で前年に比べ実質三・一%の増加となった。
 また、パソコン・ワープロなどの教養娯楽用耐久財、国内・海外パック旅行費などの教養娯楽サービス、仕送り金などの選択的支出は七万六千円で実質二・九%の増加となった。
 平成八年からの対前年実質増加率の推移をみると、基礎的支出は、八年に〇・三%の増加、九年に二・〇%の減少となった後、十年に〇・三%増、十一年に三・一%増と二年連続の増加となった。
 一方、選択的支出は、平成八年に六・一%の大幅な減少となったものの、続く九年は三・三%減、十年は二・六%減と減少幅は縮小し、十一年は二・九%増と増加に転じた(第5図参照)。

二 単身勤労者世帯の家計

▽消費支出は調査開始以来、初の増加
 平成十一年の単身勤労者世帯(平均年齢三七・一歳)の一か月平均実収入は三十五万円で、前年に比べ名目四・四%、実質四・八%の増加となった。実収入の内訳をみると、臨時収入・賞与(実質一五・四%増)が大幅な実質増加となったほか、定期収入(同一・六%増)も実質増加となった。
 非消費支出は五万三千円で、名目一・三%の増加となった。
 可処分所得は二十九万七千円で、名目四・九%、実質五・三%の増加となった。
 消費支出は二十一万二千円で、名目四・八%、実質五・二%の増加と、調査開始以来、初の増加となった。
 平均消費性向は七一・三%で、前年(七一・四%)の水準を〇・一ポイント下回った(第6図参照)。

三 財・サービス区分でみた家計

▽耐久財及びサービスへの支出が大幅な実質増加
 平成十一年の単身全世帯の一か月平均消費支出十七万一千円(使途不明金、贈与金、他の交際費及び仕送り金を除く。)を、財(商品)への支出とサービスへの支出とに区分すると、財への支出は八万円で、前年に比べ名目一・八%、実質二・五%の増加となった。
 財の種類別にみると、耐久財は自動車購入、パソコン・ワープロなどが大幅な実質増加となったため、実質二四・六%の大幅な増加となった。半耐久財は、洋服などが実質減少となったため、実質二・六%の減少となった。非耐久財は、電気代などが実質増加となったため、実質〇・九%の増加となった。
 また、サービスへの支出は九万一千円で、名目五・二%、実質五・二%の大幅な増加となった。サービスへの支出は、パック旅行費、電話通信料などが大幅な実質増加となったため、大幅な実質増加となった。

四 男女・年齢階級別の家計

▽消費支出は三十五歳未満が大幅な実質増加
 平成十一年の単身全世帯の一か月平均消費支出を男女別にみると、男性は二十万二千円、女性は十七万六千円となり、実質増加率は、男性が三・四%の増加、女性が二・七%の増加となった。男女別に消費支出の内訳をみると、男性は、住居、被服及び履物が大幅な実質減少となったものの、家具・家事用品、交通・通信、教養娯楽、保健医療が大幅な実質増加となったほか、光熱・水道も実質増加となったため、全体として実質増加となった。女性は、被服及び履物、家具・家事用品が大幅な実質減少となったものの、住居、保健医療、交通・通信が大幅な実質増加となったほか、教養娯楽、光熱・水道も実質増加となったため、全体として実質増加となった。
 年齢階級別にみると、三十五歳未満は二十万三千円、三十五〜五十九歳は二十一万七千円、六十歳以上は十五万二千円となり、年齢階級別に消費支出の内訳をみると、三十五歳未満は被服及び履物、食料を除く他の費目で大幅な実質増加となった。三十五〜五十九歳は被服及び履物、住居が大幅な実質減少、家具・家事用品、教養娯楽、交通・通信が大幅な実質増加となった。六十歳以上は住居、交通・通信、教養娯楽が大幅な実質増加、家具・家事用品、被服及び履物が大幅な実質減少となった(第7図参照)。

▽「通信」は三十五歳未満及び三十五〜五十九歳で高い伸び
 通信を男女別にみると、男性は六千円で実質八・三%増、女性は六千円で同一〇・八%増と男女ともに大幅な実質増加となった。
 年齢階級別にみると、六十歳以上は四千円で実質一・六%の減少となったものの、三十五歳未満は八千円で同一四・〇%増、三十五〜五十九歳は六千円で同一五・六%増と大幅な増加となった(第8図参照)。
 平成七年からの「通信」の支出額の推移をみると、携帯電話やPHSの急速な普及などにより、四年連続の実質増加となり、六十歳以上に比べ、三十五歳未満及び三十五〜五十九歳の支出金額が際立って多くなった(第9図参照)。

五 単身高齢無職世帯の家計

▽消費支出は三年連続の実質増加
 平成十一年の単身高齢無職世帯(六十歳以上の無職世帯。全世帯の二八・八%、六十歳以上の世帯の八〇・九%を占める。)(平均年齢七二・二歳)の一か月平均実収入は十二万八千円で、前年に比べ実質三・〇%の増加となった。また、可処分所得は十二万円で実質二・六%の増加となった。
 実収入の内訳をみると、社会保障給付は十一万四千円で、名目三・三%、実質三・七%の増加となった。社会保障給付の実収入に占める割合は八九・二%となり前年(八八・六%)に比べ〇・六ポイント高くなった。
 消費支出は十四万五千円で、実質二・〇%の増加となり、平成九年以降、三年連続の実質増加となった。
 平均消費性向は一二〇・五%となり、前年(一二一・二%)の水準を〇・七ポイント下回った。また、消費支出に対する可処分所得の不足分(二万五千円)は、前年に比べて縮小した(第10図参照)。



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一月の雇用・失業の動向


―労働力調査 平成十二年一月結果の概要―


総 務 庁


◇就業状態別の人口

 平成十二年一月末の十五歳以上人口は一億八百十五万人で、前年同月に比べ四十七万人(〇・四%)の増加となっている。これを就業状態別にみると、就業者は六千三百五十五万人、完全失業者は三百九万人、非労働力人口は四千百三十七万人で、前年同月に比べそれぞれ二十五万人(〇・四%)減、十一万人(三・七%)増、六十二万人(一・五%)増となっている。

◇労働力人口(労働力人口比率)

 労働力人口(就業者と完全失業者の合計)は六千六百六十四万人で、前年同月に比べ十三万人(〇・二%)の減少となっている。男女別にみると、男性は三千九百八十二万人、女性は二千六百八十二万人で、前年同月に比べると、男性は二十一万人(〇・五%)の減少、女性は八万人(〇・三%)の増加となっている。
 また、労働力人口比率(十五歳以上人口に占める労働力人口の割合)は六一・六%で、前年同月に比べ〇・四ポイントの低下と、二十四か月連続の低下となっている。

◇就業者

(1) 就業者

 就業者数は六千三百五十五万人で、前年同月に比べ二十五万人(〇・四%)の減少となっている。男女別にみると、男性は三千七百九十万人、女性は二千五百六十五万人で、前年同月に比べると、男性は二十九万人(〇・八%)減となっており、女性は四万人(〇・二%)増となっている。

(2) 従業上の地位

 就業者数を従業上の地位別にみると、雇用者は五千三百五万人、自営業主・家族従業者は一千二十四万人となっている。前年同月と比べると、雇用者は四十万人(〇・七%)減となっており、自営業主・家族従業者は十五万人(一・五%)増となっている。
 雇用者のうち、非農林業雇用者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○非農林業雇用者…五千二百七十一万人で、四十六万人(〇・九%)減
 ○常 雇…四千六百三十六万人で、五十二万人(一・一%)減、二十五か月連続の減少
 ○臨時雇・日雇…六百三十四万人で、五万人(〇・八%)増、六か月連続の増加

(3) 産 業

 主な産業別就業者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○農林業…二百三十六万人で、二万人(〇・九%)増
○建設業…六百二十八万人で、三十八万人(五・七%)減、二か月連続で減少
○製造業…一千三百二十九万人で、三十三万人(二・四%)減、三十二か月連続で減少
○運輸・通信業…四百二十四万人で、十三万人(三・二%)増
○卸売・小売業、飲食店…一千四百八十三万人で、九万人(〇・六%)増、三か月連続で増加
○サービス業…一千六百七十五万人で、二十四万人(一・五%)増、三か月連続の増加
 また、主な産業別雇用者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○建設業…五百二十二万人で、三十六万人(六・五%)減
○製造業…一千二百六万人で、四十万人(三・二%)減
○運輸・通信業…四百二万人で、十一万人(二・八%)増
○卸売・小売業、飲食店…一千百九十五万人で、一万人(〇・一%)増
○サービス業…一千四百三十八万人で、二十九万人(二・一%)増

(4) 従業者階級

 企業の従業者階級別非農林業雇用者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○一〜二十九人規模…一千七百二十六万人で、三十二万人(一・八%)減、四か月連続で減少
○三十〜四百九十九人規模…一千六百九十九万人で、三十六万人(二・一%)減、八か月連続で減少
○五百人以上規模…一千二百八十八万人で、二十三万人(一・八%)増、四か月連続で増加

(5) 就業時間

 一月末一週間の就業時間階級別の従業者数(就業者から休業者を除いた者)及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○一〜三十五時間未満…一千四百四十六万人で、十六万人(一・一%)増加
 ・一〜三十時間未満…一千一万人で、十二万人(一・二%)増加
○三十五時間以上…四千七百四十九万人で、四十八万人(一・〇%)減少
 また、非農林業の従業者一人当たりの平均週間就業時間は四三・〇時間で、前年同月に比べ〇・二時間の増加となっている。

◇完全失業者

(1) 完全失業者数

 完全失業者数は、三百九万人で、前年同月に比べ十一万人(三・七%)の増加となっている。男女別にみると、男性は八万人(四・三%)の増加、女性は四万人(三・五%)の増加となっている。
 また、求職理由別完全失業者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○非自発的な離職による者…百一万人で、一万人増加
○自発的な離職による者…百十七万人で、十万人増加
○学卒未就職者…十二万人で、二万人減少
○その他の者…六十九万人で、一万人増加

(2) 完全失業率(原数値)

 完全失業率(労働力人口に占める完全失業者の割合)は四・六%で、前年同月に比べ〇・一ポイントの上昇となっている。男女別にみると、男性は四・八%、女性は四・四%で、男女ともに〇・二ポイントの上昇となっている。

(3) 年齢階級別完全失業者数及び完全失業率(原数値)

 年齢階級別完全失業者数、完全失業率及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
 [男]
○十五〜二十四歳…三十三万人(三万人減)、八・七%(〇・二ポイント低下)
○二十五〜三十四歳…四十六万人(八万人増)、五・〇%(〇・八ポイント上昇)
○三十五〜四十四歳…二十三万人(二万人減)、三・〇%(〇・二ポイント低下)
○四十五〜五十四歳…三十四万人(三万人増)、三・六%(〇・三ポイント上昇)
○五十五〜六十四歳…四十六万人(一万人増)、六・八%(〇・二ポイント上昇)
 ・五十五〜五十九歳…二十万人(五万人増)、四・九%(一・二ポイント上昇)
 ・六十〜六十四歳…二十六万人(四万人減)、九・六%(一・〇ポイント低下)
○六十五歳以上…九万人(同数)、三・〇%(〇・一ポイント低下)
 [女]
○十五〜二十四歳…二十三万人(三万人減)、六・五%(〇・五ポイント低下)
○二十五〜三十四歳…四十一万人(六万人増)、七・〇%(〇・七ポイント上昇)
○三十五〜四十四歳…十七万人(同数)、三・四%(〇・一ポイント上昇)
○四十五〜五十四歳…十九万人(同数)、二・九%(〇・一ポイント上昇)
○五十五〜六十四歳…十四万人(一万人増)、三・四%(〇・一ポイント上昇)
○六十五歳以上…二万人(同数)、一・二%(同率)

(4) 世帯主との続き柄別完全失業者数及び完全失業率(原数値)

 世帯主との続き柄別完全失業者数、完全失業率及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○世帯主…九十五万人(五万人増)、三・五%(〇・二ポイント上昇)
○世帯主の配偶者…三十九万人(二万人増)、二・八%(〇・二ポイント上昇)
○その他の家族…百三十一万人(四万人増)、七・三%(〇・一ポイント上昇)
○単身世帯…四十四万人(一万人増)、五・九%(〇・一ポイント上昇)

(5) 完全失業率(季節調整値)

 季節調整値でみた完全失業率は四・七%で、前月と同率となっている。男女別にみると、男性は四・八%で、前月に比べ〇・一ポイントの低下、女性は四・五%で、前月に比べ〇・一ポイントの上昇となっている。
 (注) 季節調整値は、平成十一年一〜十二月の結果を加えて、過去に遡って再計算しており、平成十一年十二月までの速報の数値についても一部改訂されている。












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消費支出(全世帯)は実質三・二%の減少


―平成十二年一月分家計収支―


総 務 庁


◇全世帯の家計

 全世帯の消費支出は、平成十一年二月以降三か月連続の実質減少となった後、五月は実質増加、六月は実質減少、七月、八月は実質増加となり、九月以降五か月連続の実質減少となった。

◇勤労者世帯の家計

 勤労者世帯の実収入は、平成十一年三月以降三か月連続の実質減少となった後、六月は実質増加となり、七月以降七か月連続の実質減少となった。
 消費支出は、平成十一年二月以降三か月連続の実質減少となった後、五月は実質増加、六月は実質減少、七月は実質増加となり、八月以降六か月連続の実質減少となった。

◇勤労者以外の世帯の家計

 勤労者以外の世帯の消費支出は、一世帯当たり二十七万一千二百十八円。
 前年同月に比べ、名目四・五%の減少、実質三・四%の減少。










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世帯属性別にみた家計収支の概況


―家計調査(平成十一年平均)結果から―


総 務 庁


T 家計収支の概要

1 全世帯の家計

(1) 平成十一年の全国・全世帯の消費支出は、一世帯当たり一か月平均三十二万三千八円で、前年に比べ名目一・六%の減少となった。また、消費者物価(マイナス〇・四%)が低下したことから、実質では一・二%の減少となった。
 なお、全世帯の消費支出は、現行の調査開始(昭和三十八年)以来初めて七年連続して実質減少となった(第1図参照)。
(2) 消費支出の費目別構成比をみると、食料の占める割合(エンゲル係数)は、前年に比べ〇・一ポイント低下して二三・七%となった。また、交際費などの「その他の消費支出」(二五・六%)、教育(四・二%)、被服及び履物(五・四%)は前年に比べ低下したが、教養娯楽(一〇・三%)、住居(六・五%)、光熱・水道(六・五%)、保健医療(三・五%)、交通・通信(一〇・七%)は上昇し、家具・家事用品(三・六%)は前年と同水準となった。

2 勤労者世帯の家計

(1) 勤労者世帯の実収入は、一世帯当たり一か月平均五十七万四千六百七十六円で、前年に比べ名目二・四%、実質二・〇%の減少と、名目、実質とも二年連続の減少となった。なお、実収入の減少幅(実質マイナス二・〇%)は、現行の調査開始(昭和三十八年)以来最大となった。
 内訳をみると、「世帯主の配偶者の収入」の中の「うち女」(実質プラス〇・二%)はわずかな実質増加となったものの、「他の世帯員収入」(実質マイナス一〇・九%)、世帯主の臨時収入・賞与(実質マイナス七・四%)が大幅な実質減少となったほか、世帯主の定期収入(実質マイナス〇・八%)も実質減少となった。なお、世帯主の臨時収入・賞与は前年(実質マイナス五・七%)に続き大幅な実質減少となっている。
(2) 非消費支出は九万七百六十六円で、名目二・四%の減少となった。
 内訳をみると、定率減税の実施もあって勤労所得税(名目マイナス八・七%)が前年に続き大幅な減少となったのを始め、実収入の減少もあって厚生年金などの社会保険料(名目マイナス一・六%)も減少となった。個人住民税は前年と同水準となった。
 実収入に対する非消費支出の割合は、一五・八%と前年と同水準となった。
(3) 可処分所得は四十八万三千九百十円で、名目二・四%の減少、実質二・〇%の減少となった。
(4) 消費支出は三十四万六千百七十七円で、名目二・一%の減少、実質一・七%の減少と、名目、実質とも二年連続の減少となった。
(5) 平均消費性向(可処分所得に対する消費支出の割合)は前年を〇・二ポイント上回る七一・五%となり、九年ぶりに上昇した。
(6) 黒字率(可処分所得に対する黒字の割合)は二八・五%と前年を〇・二ポイント下回った。金融資産純増の可処分所得に対する割合は前年を〇・四ポイント下回る一九・八%となり、六年ぶりに低下した。
 土地家屋借金純減(土地や住宅などの購入に係る借入金返済額から借入額を控除した額)の可処分所得に対する割合は五・四%と前年を〇・五ポイント下回った。

3 勤労者以外の世帯の家計

 勤労者以外の世帯の消費支出は、一世帯当たり一か月平均二十八万五千八百八十九円で、前年に比べ名目〇・五%の減少、実質〇・一%の減少となり、七年連続の実質減少となった。

4 財・サービス区分でみた消費支出の特徴

(1) 全世帯の消費支出(こづかい、贈与金、他の交際費及び仕送り金を除く。)を財(商品)への支出とサービスへの支出に分けてみると、財への支出は前年に比べ名目二・〇%の減少、実質一・三%の減少となり、三年連続の実質減少となった。
 財への支出の内訳をみると、自動車購入などの耐久財は大幅な実質減少、被服及び履物などの半耐久財は実質減少、食料などの非耐久財も実質減少となった。
 なお、半耐久財は八年連続の実質減少となった。
 また、サービスへの支出は前年に比べ名目〇・六%の増加、実質〇・六%の増加となった。
(2) 消費支出に占めるサービスへの支出割合は〇・六ポイント拡大し、四〇・九%となった。

U 世帯属性別の家計収支

1 世帯主の年齢階級別

 全世帯の消費支出の対前年実質増加率を世帯主の年齢階級別にみると、四十〜四十九歳の世帯は〇・三%の増加、三十〜三十九歳の世帯は〇・二%の増加となったが、三十歳未満の世帯は三・一%の減少、五十〜五十九歳の世帯は二・七%の減少、六十歳以上の世帯は〇・一%の減少となった。
 減少率が最も高かった三十歳未満の世帯では、教育、被服及び履物、家庭用耐久財などの家具・家事用品、パック旅行費などの教養娯楽、外食などの食料が大幅な実質減少となっている。

2 年間収入五分位階級別

(1) 勤労者世帯の実収入の対前年実質増加率を年間収入五分位階級別にみると、所得の最も低い第T階級から最も高い第X階級までそれぞれ一・八%の減少、〇・三%の減少、一・〇%の減少、二・六%の減少、三・一%の減少とすべての年収階級で減少となった。
(2) 実収入に対する非消費支出の割合は、第T階級から順に一一・七%、一三・三%、一四・七%、一六・五%、一八・六%となり、前年に比べ、第W階級は同水準、第X階級は低下したが、第T階級、第U階級及び第V階級は上昇した。
(3) 可処分所得の対前年実質増加率をみると、第T階級から順に二・二%の減少、〇・九%の減少、一・四%の減少、二・六%の減少、二・四%の減少とすべての年収階級で減少となった。
(4) 消費支出の対前年実質増加率をみると、第T階級から順に〇・七%の減少、二・二%の減少、〇・九%の減少、一・一%の減少、二・八%の減少とすべての年収階級で減少となった。
(5) 平均消費性向の前年とのポイント差をみると、第U階級及び第X階級は低下となったが、第T階級、第V階級及び第W階級は上昇した。

3 世帯主の職業別

(1) 勤労者世帯の実収入の対前年実質増加率を世帯主の職業別にみると、官公職員の世帯が一・一%の増加となったが、労務作業者の世帯が五・六%の大幅な減少、民間職員の世帯が二・八%の減少となった。
 可処分所得の対前年実質増加率をみると、官公職員の世帯が一・二%の増加となったが、労務作業者の世帯が五・七%の大幅な減少、民間職員の世帯が二・六%の減少となった。
 消費支出の対前年実質増加率をみると、官公職員の世帯が二・二%の増加となったが、労務作業者の世帯が五・六%の大幅な減少、民間職員の世帯が二・二%の減少となった。
 なお、労務作業者の世帯の消費支出は三年連続の実質減少となった。
 平均消費性向は、労務作業者の世帯が七三・五%、民間職員の世帯が七二・〇%、官公職員の世帯が六七・八%となり、すべての世帯において前年の水準を上回った。
(2) 勤労者以外の世帯の消費支出の対前年実質増加率を世帯主の職業別にみると、自由業者の世帯が五・三%の大幅な増加となったほか、無職の世帯が一・〇%の増加となったが、個人営業の世帯が〇・八%の減少、法人経営者の世帯が〇・四%の減少となった。
 なお、無職世帯は二年連続の実質増加となったが、個人営業の世帯は六年連続の実質減少、法人経営者の世帯も二年連続の実質減少となった。

4 高齢無職世帯

(1) 高齢無職世帯(世帯主が六十歳以上の無職世帯)の実収入は、一世帯当たり一か月平均二十五万五千八百三円で、前年に比べ実質〇・八%の減少となった。また、可処分所得は二十二万九千三百十二円で実質一・五%の減少となった。
(2) 消費支出は二十六万二千八百四十二円で、実質一・四%と、二年連続して増加となった。
 内訳をみると、設備修繕・維持などの住居が大幅な実質増加となったほか、食料、保健医療、光熱・水道、家具・家事用品、交通・通信、教養娯楽、被服及び履物、その他の消費支出のうち交際費も実質増加となった。一方、その他の消費支出のうち諸雑費は実質減少となった。
 消費支出の費目別構成比をみると、住居の割合が拡大し、光熱・水道、被服及び履物、教養娯楽の割合が縮小した。また、エンゲル係数をみると、二五・四%と前年に比べ〇・三ポイント上昇した(第2図参照)。
(3) 平均消費性向は一一四・六%と、前年(一一一・三%)の水準を三・三ポイント上回り、二年連続して上昇した。また、消費支出に対する可処分所得の不足分(三万三千五百三十円)は、前年(二万六千四百五十九円)に比べ拡大した。

5 核家族共働き世帯

(1) 夫婦が共に勤労者の核家族共働き世帯における実収入は、一世帯当たり一か月平均六十四万九千三百七十五円で、前年に比べ実質一・五%の減少となった。また、可処分所得(五十四万八千六百九十三円)も実質一・四%の減少となった。
 内訳をみると、世帯主(夫)の勤め先収入は臨時収入・賞与が大幅に減少したことなどから実質二・八%の減少となった。一方、世帯主の配偶者(妻)の勤め先収入は実質二・一%の増加となった。
 なお、世帯主の配偶者(妻)の勤め先収入は一か月平均十六万一千二百八十円(年間約百九十四万円)で、実収入に占める割合は二四・八%となり、前年(二三・九%)に比べ〇・九ポイント上昇した。
(2) 消費支出は三十五万七千五百七十四円で、実質五・五%の大幅な減少となった。
 内訳をみると、教育、交通・通信が大幅な実質減少となったほか、食料、被服及び履物、家具・家事用品、住居、保健医療も実質減少となった。
(3) 黒字は十九万一千百二十円で、名目七・一%の増加となった。また、黒字率は三四・八%となり、前年を二・九ポイント上回った。

6 住宅ローン返済世帯

(1) 勤労者世帯のうち住宅ローン返済世帯の実収入は、一世帯当たり一か月平均六十六万六千八百九十円で、前年に比べ実質四・〇%の減少となった。また、可処分所得(五十五万五千八百九十六円)は実質三・八%の減少となった。
(2) 住宅ローン返済額は、一世帯当たり一か月平均九万九千百七十二円(年間約百十九万円)で、前年に比べ名目二・四%の増加となった。可処分所得に占める割合は、一七・八%となり、前年を一・一ポイント上回った。

V 最近の家計収支の特徴

1 基礎的・選択的支出の動向

(1) 全世帯の消費支出を基礎的支出と選択的支出に区分してみると、家賃地代、保健医療サービスなどの基礎的支出は、一世帯当たり一か月平均十八万一千七百七十六円で、前年に比べ実質〇・一%の増加となった。また、教育、洋服、パソコン・ワープロなどの教養娯楽用耐久財、国内・外国パック旅行費などの教養娯楽サービス、仕送り金などの選択的支出は十四万一千二百三十二円で、実質二・八%の減少となった。
   (注) 支出弾力性(消費支出総額の変化率に対する費目支出の変化率の比)が一・〇〇未満の費目を基礎的支出、一・〇〇以上の費目を選択的支出という。
(2) 基礎的支出の対前年実質増加率を世帯主の年齢階級別にみると、三十〜三十九歳の世帯は〇・九%の増加、四十〜四十九歳の世帯は一・一%の増加、六十歳以上の世帯は〇・六%の増加となったのに対し、三十歳未満の世帯は二・〇%の減少、五十〜五十九歳の世帯は一・三%の減少となった。
 一方、選択的支出の対前年実質増加率を世帯主の年齢階級別にみると、三十歳未満の世帯から六十歳以上の世帯までそれぞれ五・〇%の減少、一・〇%の減少、〇・六%の減少、四・二%の減少、一・〇%の減少とすべての年齢階級で減少となった。
(3) 基礎的支出の対前年実質増加率を年間収入五分位階級別にみると、第V階級は二・五%の減少となったが、第T階級は〇・三%の増加、第U階級は一・八%の増加、第W階級は〇・五%の増加、第X階級は〇・四%の増加となった。
 一方、選択的支出の対前年実質増加率を年間収入五分位階級別にみると、第U階級は〇・七%の増加となったが、第T階級は四・七%の減少、第V階級は五・一%の減少、第X階級は四・三%の減少となった。また、第W階級は前年と同水準となった。
(4) 基礎的支出の第T階級に対する第X階級の格差をみると、平成七年は一・五三倍、八年は一・五二倍、九年は一・五四倍、十年は一・五二倍、十一年は一・五二倍となっており、ほぼ一定している。
 一方、選択的支出の第T階級に対する第X階級の格差をみると、平成七年は三・八三倍、八年は四・一〇倍、九年は四・一二倍と格差が拡大したが、十年は四・〇五倍と縮小した。平成十一年は四・〇七倍とわずかながら拡大した。

2 情報通信関連支出の動向

(1) 情報通信関連支出のうち、電話通信料は九万六百七十六円で、十年前の一・四倍、放送受信料は一万九千二十五円で、十年前の二・〇倍、通信機器は三千五百六十一円で、十年前の二・三倍、パソコン・ワープロは一万五千四百七十九円で、十年前の二・六倍となっており、パソコン・ワープロの増加率が最も高くなっている。また、年間支出金額の増加幅をみると、十年前に比べて電話通信料が二万七千六百六十七円と最も大きくなっている。
(2) 電話通信料について世帯主の年齢階級別にみると、平成元年及び六年は、五十〜五十九歳の世帯の年間支出金額が最も多かったが、十一年は三十歳未満の世帯の年間支出金額が最も多くなり、五十〜五十九歳の世帯の一・二倍となっている(第3図参照)。
(3) 放送受信料について世帯主の年齢階級別にみると、平成元年から十一年までに年齢階級が高くなるほど年間支出金額が多くなる傾向が強まっており、元年には三十歳未満の世帯に対して五十〜五十九歳及び六十歳以上の世帯の年間支出金額はそれぞれ一・二倍、一・三倍であったが、十一年はともに一・九倍に拡大している。
(4) パソコン・ワープロについて世帯主の年齢階級別にみると、年齢階級が低くなるほど年間支出金額が多くなる傾向がみられる。平成元年から十一年までにすべての年齢階級で二・五倍以上の大幅な増加となっており、六十歳以上の世帯に対して三十歳未満の世帯の年間支出金額は三・三倍となっている。
(5) 通信機器について世帯主の年齢階級別にみると、平成十一年では、六十歳以上の世帯に対して三十歳未満及び五十〜五十九歳の世帯の年間支出金額はそれぞれ二・三倍、一・九倍となっている。

3 世帯主の年齢階級別消費構造

(1) 世帯主の年齢階級別に一世帯当たり年間支出金額を財・サービス区分別でみると、耐久財、半耐久財、非耐久財、サービスへの支出は、いずれも四十〜四十九歳の世帯で最も多くなっている。一方、最も支出金額が少ない年齢階級は、耐久財及びサービスが六十歳以上の世帯、半耐久財及び非耐久財は三十歳未満の世帯となっている。
(2) 最も支出金額の少ない年齢階級に対する最も支出金額の多い年齢階級の比率は、耐久財が一・四一倍、半耐久財が一・四四倍、非耐久財が一・六六倍、サービスが一・四四倍となっており、年齢階級間の格差は非耐久財が最も大きくなっている。
 また、約二十年前の昭和五十五年について、同じ比率でみると、耐久財が一・五七倍、半耐久財が一・六三倍、非耐久財が一・三七倍、サービスが一・三五倍となっており、最近二十年間に非耐久財に年齢階級間格差の拡大が目立っている。
 なお、世帯員当たり年間支出金額で最も支出金額の少ない年齢階級に対する最も支出金額の多い年齢階級の比率は、耐久財、半耐久財及びサービスについては最近二十年間に格差が縮小しているのに対し、非耐久財は、世帯員当たり支出金額でみても格差が拡大している。

4 日別の消費支出

(1) 平成十一年の一世帯当たり一日分の消費支出(月極めで支払われる品目を除く(注))は、八千三十五円となっている。日々の動きをみると、年間を通して月末から翌月初めにかけて支出が多くなる傾向がみられる。特に年末は、食料などの支出が増え、他の月よりも支出が多くなっている(第4図参照)。
   (注) 月極め払いの多い以下の品目を除いている。
       学校給食、民営家賃、公営家賃、給与住宅家賃、地代、他の家賃地代、火災保険料、電気代、都市ガス、プロパンガス、上下水道料、家事使用人給料、清掃代、鉄道通学定期代、鉄道通勤定期代、バス通学定期代、バス通勤定期代、駐車場借料、自動車保険料(自賠責)、自動車保険料(任意)、自動車保険料以外の輸送機器保険料、電話通信料、授業料等(国公立小学校、私立小学校、国公立中学校、私立中学校、国公立高校、私立高校、国公立大学、私立大学、幼稚園、専修学校)、補習教育、新聞、語学月謝、他の教育的月謝、音楽月謝、他の教養的月謝、スポーツ月謝、自動車教習料、家事月謝、他の月謝類、放送受信料、保育所費用
 ふだんの家計支出について日別の支出パターンをみるため、高額支出等(比較的高額な支出が含まれる設備修繕・維持、入院料、自動車購入、祭具・墓石、婚礼関係費、葬儀関係費、他の冠婚葬祭費や、給料日など特定の日に支出が集中するこづかい、交際費、仕送り金)を除き、高額支出等を含めた場合と比較してみると、月末に支出が多くなる傾向が弱まり、八月は夏季休暇の取得が多い前半の方が後半よりも支出が多くなっている。また、五月は月初めの連休に支出が多くなっている(第5図参照)。
(2) 曜日別に一日当たりの支出(高額支出等を除く)をみると、消費支出は土曜日の支出が最も多く、次いで日曜・祝日の支出が多くなっている。内訳については、食料、家具・家事用品、被服及び履物、教養娯楽は日曜・祝日、交通・通信は土曜日、保健医療は月曜日、その他の消費支出は金曜日の支出が最も多くなっている。
 曜日別の一日当たり消費支出(高額支出等を除く)について月別にみると、五月は月初の連休に支出が多くなり、六月は賞与受給後の週末に支出が多くなるため、曜日間の差が大きくなっている。これに対し、八月は夏休みの影響で平日の支出が多くなっている。
 なお、十二月は年末の支出が多く、特に食料では三十日、三十一日に当たる木曜日、金曜日の支出が他の曜日に比べて多くなっている。


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消費者物価指数の動向


―東京都区部(二月中旬速報値)・全国(一月)―


総 務 庁


◇二月の東京都区部消費者物価指数の動向

一 概 況

(1) 総合指数は平成七年を一〇〇として一〇〇・七となり、前月比は〇・二%の下落。前年同月比は十一月一・三%の下落、十二月一・四%の下落、一月一・〇%の下落と推移した後、二月は〇・八%の下落となった。
(2) 生鮮食品を除く総合指数は一〇一・〇となり、前月比は〇・一%の下落。前年同月比は十一月〇・三%の下落、十二月〇・四%の下落、一月〇・五%の下落と推移した後、二月は〇・四%の下落となった。

二 前月からの動き

(1) 食料は一〇〇・四となり、前月に比べ〇・三%の下落。
  生鮮魚介は二・二%の下落。
   <値上がり> えび、あさりなど
   <値下がり> まぐろ、かきなど
  生鮮野菜は五・四%の下落。
   <値上がり> ピーマン、生しいたけなど
   <値下がり> ねぎ、トマトなど
  生鮮果物は六・四%の上昇。
   <値上がり> みかん、いちごなど
   <値下がり> りんご(ふじ)、グレープフルーツなど
(2) 家具・家事用品は九一・四となり、前月に比べ〇・四%の下落。
  家庭用耐久財は〇・六%の下落。
   <値下がり> ルームエアコンなど
(3) 被服及び履物は九七・七となり、前月に比べ一・二%の下落。
  衣料は二・七%の下落。
   <値下がり> 婦人オーバーなど

三 前年同月との比較

 ○上昇した主な項目
  家賃(〇・五%上昇)、授業料等(二・〇%上昇)
 ○下落した主な項目
  生鮮野菜(一二・八%下落)、生鮮果物(一三・二%下落)、穀類(二・五%下落)、教養娯楽サービス(〇・九%下落)
 (注) 上昇又は下落している主な項目は、総合指数の上昇率に対する影響度(寄与度)の大きいものから順に配列した。

四 季節調整済指数

 季節調整済指数をみると、総合指数は一〇一・二となり、前月と変わらなかった。
 また、生鮮食品を除く総合指数は一〇一・五となり、前月と変わらなかった。

◇一月の全国消費者物価指数の動向

一 概 況

(1) 総合指数は平成七年を一〇〇として一〇一・四となり、前月比は〇・三%の下落。前年同月比は十月〇・七%の下落、十一月一・二%の下落、十二月一・一%の下落と推移した後、一月は〇・九%の下落となった。
(2) 生鮮食品を除く総合指数は一〇一・七となり、前月比は〇・六%の下落。前年同月比は十月〇・一%の下落、十一月〇・二%の下落、十二月〇・一%の下落と推移した後、一月は〇・三%の下落となった。

二 前月からの動き

(1) 食料は一〇一・一となり、前月に比べ〇・八%の上昇。
  生鮮魚介は〇・九%の上昇。
   <値上がり> いか、あじなど
   <値下がり> かき、まぐろなど
  生鮮野菜は九・二%の上昇。
   <値上がり> レタス、ねぎなど
   <値下がり> トマト、ブロッコリーなど
  生鮮果物は一二・八%の上昇。
   <値上がり> りんご(ふじ)、りんご(王林)
   <値下がり> みかん、バナナなど
(2) 光熱・水道は一〇二・一となり、前月に比べ〇・五%の上昇。
  電気・ガス代は〇・六%の上昇。
   <値上がり> 電気代など
(3) 家具・家事用品は九三・〇となり、前月に比べ〇・五%の下落。
  家庭用耐久財は一・二%の下落。
   <値下がり> ルームエアコンなど
(4) 被服及び履物は一〇〇・六となり、前月に比べ六・二%の下落。
  衣料は八・六%の下落。
   <値下がり> 婦人スラックス(冬物)など
(5) 教養娯楽は九九・一となり、前月に比べ〇・二%の下落。
  教養娯楽サービスは〇・二%の下落。
   <値下がり> ゴルフプレー料金など

三 前年同月との比較

 ○上昇した主な項目
  自動車等関係費(一・三%上昇)、授業料等(一・七%上昇)
 ○下落した主な項目
  生鮮野菜(一七・七%下落)、生鮮果物(一九・七%下落)、教養娯楽用品(二・二%下落)、穀類(二・二%下落)
 (注) 上昇又は下落している主な項目は、総合指数の上昇率に対する影響度(寄与度)の大きいものから順に配列した。

四 季節調整済指数

 季節調整済指数をみると、総合指数は一〇一・八となり、前月と変わらなかった。
 また、生鮮食品を除く総合指数は一〇二・二となり、前月に比べ〇・一%の上昇となった。

























    <5月17日号の主な予定>

 ▽我が国の人口(推計)………………総 務 庁 

 ▽毎月勤労統計調査(一月分)………労 働 省 

 ▽月例経済報告(四月報告)…………経済企画庁 


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