官報資料版 平成12年10月4日




                  ▽通信白書のあらまし……………………………………………………郵 政 省

                  ▽普通世帯の消費動向調査(平成十二年六月実施調査結果)………経済企画庁

                  ▽消費者物価指数の動向(東京都区部七月中旬速報値)……………総 務 庁











通信白書のあらまし


郵 政 省


 郵政省は、「平成十二年通信に関する現状報告」(通信白書)を、平成十二年六月二十日の閣議に報告後、公表した。
 今回の白書では、二十一世紀において我が国が直面する諸課題の克服に向けて、IT革命の中心的な担い手であるインターネットとモバイル通信がいかに貢献できるかに焦点を当て、「ITがひらく二十一世紀〜インターネットとモバイル通信が拡げるフロンティア〜」を特集している。
 通信白書のあらましは、次のとおりである。

第1章 「特集 ITがひらく二十一世紀〜インターネットとモバイル通信が拡げるフロンティア〜」

序節 二十一世紀の情報通信

1 情報通信のトレンド
 インターネット及びモバイル通信は、我が国の情報通信分野において急速にその重要性を増してきている。自宅からのパソコンのネットワーク接続についてみると、現在インターネット等に接続しているか、今後接続する意向のある人の合計は九割近くとなっている。平成十一年度におけるパソコンの国内出荷台数は、対前年度比三一・九%増の九百九十四万一千台、また、東西NTT加入電話契約数は、十一年度末には、五千五百四十五万件となったが、モバイル通信(携帯・自動車電話及びPHS)の契約数の合計は五千六百八十五万件となっている。
 さらに、十一(一九九九)年から開始された、携帯電話端末単体でのインターネットアクセスサービスは、インターネットへのアクセスを身近なものとし、例えば、NTTドコモグループのiモードは、サービス開始のおよそ一年後の十二(二〇〇〇)年二月末現在で、四百四十七万契約に達した。これによりNTTドコモグループは、我が国の主要ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)と比較して、最も契約数の多いISPとなった。今やインターネット接続サービスですら、モバイル通信が大きなウエイトを占めており、「ネットのモバイル化」の流れが始まっている。

2 インターネットの普及
 十一(一九九九)年末における我が国の十五〜六十九歳までのインターネット利用者数は二千七百六万人(対前年比五九・七%増)と推計され、十七(二〇〇五)年には七千六百七十万人に達するものと推計される。また、インターネット普及率は、世帯が一九・一%、事業所が三一・八%、企業が八八・六%となっており、様々な場所におけるインターネットの利用が拡大を続けている(第1図参照)。

3 モバイル通信の普及
 電気通信技術審議会「次世代移動通信方式委員会報告」(十一(一九九九)年九月)においては、IMT―二〇〇〇だけでなく、携帯・自動車電話及びPHSを含めた将来の公衆陸上移動通信サービス全体に対する需要を予測しており、十二(二〇〇〇)年度末には六千四百五十万契約、二十二(二〇一〇)年度末には八千百万契約に達するとしている。この数値を参考に十七(二〇〇五)年度末の総契約数を試算すると、七千九百三万契約に達するものと推計される(第2図参照)。

第1節 世界の動向

1 世界のインターネットの普及
 NUA社が公表している推計によれば、世界のインターネット利用者数は、十二(二〇〇〇)年二月現在、約二億七千五百五十万人(前年同期比七九・五%増)に達している。また、国別の利用人口でみると、米国が一億六百三十万人、ついで我が国の二千七百六万人となっている。各国・地域における人口に対するインターネット利用者の割合をみると、一〇%を超えているのは二十五の国・地域となっており、全体的に、北欧と北米における普及率が非常に高い。なお、我が国のインターネット普及率は二一・四%で、世界第十三位となっている。

2 世界のモバイル通信の普及
 バスカービル・コミュニケーションズ社の調査から、十一(一九九九)年九月現在の主要国・地域におけるモバイル通信普及状況をみると、対人口普及率では、フィンランド、ノールウェー、アイスランド、スウェーデン及び香港が五〇%を超えており、我が国は四一・〇%で世界第十四位である。米国は二七・六%であった。契約数では、米国、日本、中国の順となっている。

第2節 利用者の動向

1 概況
 「インターネットユーザー調査」及び「生活の情報化調査」により、インターネット及びモバイル通信の利用者の動向を比較すると、利用者の男女比では、インターネットと携帯電話利用者に占める男性の比率が女性の比率をやや上回っているのに対し、PHSの利用者はその逆となっている。
 利用者の年齢層についてみると、インターネットは二十代、三十代の年齢層が全体の七割以上を占めている。携帯電話は二十代から四十代までの割合がそれぞれ二割を超えている。PHSは十代から四十代までの割合がそれぞれ二割前後である。

2 モバイルインターネットアクセス
 現在、インターネットが急速に普及している中、パソコンによらず携帯電話やPHS単体でのインターネット利用の需要が高まりつつある。携帯電話等単体では、従来、電子メールサービスがインターネット経由で利用されていたが、十一(一九九九)年二月に、多彩な携帯電話専用のウェブサイトにアクセスできる文字情報サービスであるiモードの提供が、NTTドコモグループによって開始された。また、その他の事業者からも、携帯電話専用のウェブ上での文字情報サービスが提供されており、平成十一年度末現在、iモード、EZweb/EZaccess、J―スカイの合計は、七百四十九万九千契約となっている。

第3節 二十一世紀のビジネス

1 インターネットビジネス
(1) 概況
 インターネットビジネスには大きく分けて、「インターネットコマース」と「インターネット関連ビジネス」がある。本白書では、インターネットビジネスを「TCP/IPを用いたネットワーク上の商取引及びそのネットワーク構築や商取引に関わる事業」と定義した。このうち、特に十一(一九九九)年から新たに開始されたマイクロブラウザ内蔵の携帯電話端末等を接続端末とするビジネスについてはモバイルビジネスと定義し、内数として計上した。十一(一九九九)年における、これらの市場規模は、合計で二十一兆一千七百五十六億円となっている(第3図参照)。
(2) インターネットコマース最終消費財市場
 インターネットコマース調査によれば、我が国における十一(一九九九)年のインターネットコマース最終消費財市場の市場規模は、三千五百億円(対前年比約二・一倍)となっている。これは全産業の最終需要の〇・〇六%に相当し、インターネット人口一人当たりに換算すると約一万二千九百三十四円に相当する。また、同市場は、十七(二〇〇五)年には七兆一千二百八十九億円に達するものと予想される。
(3) インターネットコマース中間財市場
 インターネットコマース調査によれば、十一(一九九九)年の我が国におけるインターネットコマース中間財市場の市場規模は、十四兆四千二百九十八億円と推計される。これは、全産業の中間需要の三・三%に相当する。今後は、インターネット技術が急速に普及したことに伴い、現在中間財の取引を電子化していない企業や、EDIで行っている企業がTCP/IPを用いたインターネットやエクストラネットにおける取引に移行していくことが予想される。そのため、インターネット中間財市場規模については、十七(二〇〇五)年には百三兆四千二百十九億円に達するものと推計される。
(4) インターネット関連ビジネス
 インターネット関連ビジネスは、@インターネット接続ビジネス市場、Aインターネット接続端末市場、Bインターネット構築関連市場、Cインターネット周辺ビジネス市場、の四つに分類される。十一(一九九九)年におけるこうしたビジネスの市場規模の総額は、六兆三千九百五十八億円(対前年比六〇・三%増)となっている。また、今後もインターネットの普及に伴い、十七(二〇〇五)年には三十一兆二千五百億円まで拡大するものと予想される。
(5) モバイルビジネス
 モバイルビジネスの市場は、@マイクロブラウザ内蔵の携帯電話・PHS又は携帯情報端末(単体)から、C―HTML等の言語で記述されたインターネット上のコンテンツにアクセスして有料情報の提供を受けたり、商取引を行う「モバイルコマース市場」、Aモバイルコマースに関連して発生する端末、通信料金、移動通信事業者が提供するインターネット接続サービスの利用料等の「モバイルコマース関連ビジネス市場」の二つに分類される。郵政省が実施した事業者に対するヒアリング等の調査から推計した、我が国における十一(一九九九)年のモバイルビジネスの市場規模は一千七百二十九億円であり、十七(二〇〇五)年には四兆五千二百六億円まで拡大すると予想される。

2 テレワーク・SOHO
(1) 概況
 二十一世紀に我が国が直面する社会経済の課題を考えると、テレワーク・SOHOが果たす役割は大きい。経済活動の面に着目すると、少子高齢化が進み、生産年齢人口が減少していく中、これまで就労しにくかった人々の就業を可能にし、社会全体の労働参加率を高めるとともに、就労しつつ子供を産み育てていくための環境の整備、出生率の向上に寄与すると考えられる。
(2) 高齢者・障害者
 テレワークは、通勤負担等、高齢者・障害者が就労する上で乗り越えなければならないバリア(障壁)を軽減するために有効である。近年の急速な情報通信技術の進展等により、国、地方公共団体、企業等が、テレワークの有効性を確認するための取組を展開しており、この中には、高齢者・障害者の就業機会の拡大を意図したものもある。

第4節 二十一世紀の暮らし

1 概況
 インターネット利用の増加は、テレビや雑誌等の既存のメディアに接する時間に影響を与えている。特に、「テレビを観る時間」が減ったとするユーザーが半数近くに達している。一方、携帯電話・PHSは、従来、情報通信が難しかった移動中や待ち時間を利用するため、生活時間の変化というよりは生活時間に対する考え方を変化させている。

2 福祉
 インターネットは、これまで意欲があっても社会参加の機会が実質的に制限されてきた高齢者や障害者の社会参加を促進し、生活に変革をもたらすと考えられる。
 さらに、インターネットやモバイル通信を有効に活用することにより、障害者はコミュニケーションを拡大し、必要な情報をより容易に入手することが可能になる。このため、障害者の自立・社会参加が促進され、生活の質的向上につながっていくと考えられる。「障害者アンケート」によれば、インターネットの利用により生活が向上した理由として、「情報収集がしやすくなった」(六四・四%)、「趣味・娯楽が増えた」(六一・一%)を挙げる人が多くなっている。また、聴覚障害者にとって、文字情報を送受信できる情報通信メディアは貴重である。聴覚障害者は、携帯電話・PHSを使いはじめて生活がよい方向に変わった理由として、「安心して外出できるようになった」(六〇・六%)、「文字情報を送受信できることで通話がしやすくなった」(五五・八%)、「障害のハンディを補うことができるようになった」(四八・一%)点を挙げていた。

第5節 二十一世紀に向けた情報通信政策の指針

1 二十一世紀における高度情報通信社会の在り方と行政が果たすべき役割
 郵政省は、十二(二〇〇〇)年三月、電気通信審議会から答申「二十一世紀の情報通信ビジョン」を受けた。本ビジョンは、二十二(二〇一〇)年ごろの社会を展望し、今後はITによる社会変革の成否が、国の盛衰を大きく左右するとしている。また、二十一世紀の日本の将来像として、「世界と共鳴し合う魅力ある日本」(IT JAPAN for ALL)の創造を提起し、日本を世界のIT革命の創造拠点・最良の実験場として、日本の特性や得意分野を活かした成功モデルを他国に先駆けて提示するため、総合的な政策を展開する必要性を提言している。

2 ミレニアム・プロジェクト
 新しいミレニアム(千年紀)の始まりを控え、人類の直面する課題に応え、新しい産業を生み出す大胆な技術革新に取り組むために、政府は十一(一九九九)年十二月、「ミレニアム・プロジェクト」を決定した。具体的には、今後の我が国経済社会にとって、重要性や緊要性の高い情報化、高齢化、環境対応の三分野について技術革新を中心とした産学官共同プロジェクトを構築し、明るい未来を切り開く核を作り上げるものである。

第6節 情報通信の課題

1 グローバルな情報通信の基盤整備
 我が国にIMT―二〇〇〇(次世代携帯電話)を導入する際の無線設備の技術的条件については、十一(一九九九)年九月に電気通信技術審議会から、「次世代移動通信方式の技術的条件」のうちの「符号分割多元接続方式で周波数分割複信方式を使用する無線設備の技術的条件」について答申を受け、郵政省は、無線設備規則等関連規則の改正を行い、改正省令が十二(二〇〇〇)年三月に公布、四月に施行された。
 また、IMT―二〇〇〇の円滑な導入に資するため、事業化方針、無線局免許に関する方針を十二(二〇〇〇)年三月に公表した。これを受けて、十二(二〇〇〇)年四月から、申請受付を開始し、十三(二〇〇一)年中の導入に向け、事業者の早期決定を目指すこととしている。
 なお、本答申では、IMT―二〇〇〇の十二年度から二十二年度末までの市場規模が、四十二兆二百億円になると予測している。

2 次世代ネットワークインフラの構築
(1) インターネットに関する総合的な研究開発の推進
 インターネット利用者の増加やマルチメディア化の進展に伴い、インターネットの超高速化・大容量化の実現とともに、パソコンに加え、デジタル・テレビから携帯端末等の情報家電まで、更にはメモリやCPU等、電子機器に埋め込まれたデバイスまで、あらゆる機器にインターネットに対応させるための技術開発の重要性が高まってきている。
 郵政省においては、インターネットの総合的な研究開発を図るため、ミレニアム・プロジェクトにより、@次世代インターネットに関する研究開発等、A情報家電を活用したインターネット技術の研究開発、Bスーパーインターネットに関する研究開発を実施することとしている。
(2) 電子署名・電子認証制度
 「高度情報通信社会推進に向けた基本方針―アクションプラン」(十一(一九九九)年四月高度情報通信社会推進本部決定)において、我が国における早急な制度整備の必要性が盛り込まれたことを受け、郵政省、通商産業省、法務省の三省により法制度の検討を行い、基本的な論点を三省共同で検討、公表してパブリックコメントを募集した後、これらを踏まえつつ法案の検討を進め、十二(二〇〇〇)年四月、「電子署名及び認証業務に関する法律案」を第百四十七回国会に提出した。

3 利用環境の整備
(1) 情報セキュリティ対策
 近年、「不正アクセス」行為が社会問題化しており、こうした不正アクセス行為に対応するため、政府においても、@法制度の検討、Aハッカー対策等の基盤整備、Bサイバーテロ対策を課題として十一(一九九九)年九月、内閣に内閣官房副長官を議長とする「情報セキュリティ関係省庁局長等会議」を設置し、情報セキュリティ政策について政府全体としての総合的な対策の推進を図っており、郵政省としても、その検討に積極的に貢献してきた。同会議では十二(二〇〇〇)年一月に「ハッカー対策等の基盤整備に係る行動計画」を取りまとめており、具体的な措置として、政府部内における取組の強化、民間等における取組の推進のほか、十二(二〇〇〇)年十二月を目途に実施状況についてフォローアップを行うこととしている。(十二(二〇〇〇)年二月二十九日、「高度情報通信社会推進本部」の下に「情報セキュリティ対策推進会議」が設置されたことにより、同会議は廃止。)
(2) 個人情報保護に関する取組
 我が国では、高度情報通信社会推進本部(本部長:内閣総理大臣)の下に十一(一九九九)年七月設置された個人情報保護検討部会において、民間部門も対象とした個人情報保護に関する法整備を含めたシステムを速やかに整えるという観点から、政府全体として、個人情報の保護・利用の在り方に関する総合的な検討が行われ、同年十一月に中間報告が取りまとめられた。
 郵政省においても、十一(一九九九)年九月から「電気通信分野における個人情報保護法制の在り方に関する研究会」を開催し、同年十一月にその中間報告書を取りまとめた。本報告書においては、電気通信分野における個人情報保護に関する法制化について、その必要性及び違反行為に対する罰則等の在り方を中心に、基本的な検討の方向性が示されている。

4 デジタル・ディバイド
 世界の地域別インターネット普及率をみると、利用者数と同様に米国・カナダの普及率(四五・七%)が非常に高く、次いでヨーロッパ(九・九%)、中東(二・二%)となっており、米国・カナダとその他の地域における普及率の格差は非常に大きい(第4図参照)。
 「通信利用動向調査(世帯調査)」により、インターネットを利用している世帯の属性に基づいて分析すると、居住する都市の規模が大きいほど、世帯主の年齢が若いほど、世帯年収が高いほど、インターネットの普及率は高くなっており、地域、年齢、所得によって格差が生じていると考えられる。

第2章 「情報通信の現況」

第1節 情報通信産業

1 国内生産額
 我が国の情報通信産業の実質国内生産額は、十(一九九八)年には百十二兆九千億円となり、全産業に占めるシェアは一二・五%と、我が国の経済活動が低迷を続けた近年においても、順調に成長を続けている。実質国内生産額を情報通信産業と主な産業について比較すると、情報通信産業は昭和六十(一九八五)年に卸売を、平成七(一九九五)年には建設を上回った。

2 粗付加価値額
 我が国の情報通信産業の名目粗付加価値額は、十(一九九八)年には四十七兆八千億円となり、全産業に占めるシェアは九・四%となった。全産業に占めるシェアは、二(一九九〇)年から七(一九九五)年にかけて一時下落したものの、十(一九九八)年には増加に転じた。

第2節 通信・放送事業

1 電気通信事業
 平成十一年度に新規参入を行った電気通信事業者は一千二百十八社(十年度は九百三社)であり、ケーブルテレビ事業者による第一種電気通信事業への参入、インターネットサービスプロバイダ事業者による第二種電気通信事業への参入は、引き続き増加傾向にある。
 十一年度に新たに許可された第一種電気通信事業者は九十四社であり、十一年度末累計は二百四十九社である。
 また、第一種電気通信事業者の、十年度の電気通信事業による営業収益(附帯事業収益を除く)は、十一兆五千七百十億円(対前年度比一・七%増)で、その内訳は、国内第一種電気通信事業者が十一兆一千八百六十六億円(同二・六%増)、国際第一種電気通信事業者が三千八百四十四億円(同一八・九%減)であった。

2 放送事業
 平成十一年度末現在の放送事業者数は、地上系放送事業者が三百三十五社、衛星系放送事業者が百四十六社である。このうち、衛星系放送事業者については、十一年度において、新たにBSデジタル・データ放送事業者八社が業務認定を受けた。
 民間放送事業者の十年度末現在の営業収益は、二兆七千七百億円(対前年度比一・二%減)であり、その内訳は、地上系放送事業者が二兆四千四百十四億円(対前年度比四・一%減)、衛星系放送事業者が一千三百二十七億円(対前年度比四五・四%増)、ケーブルテレビ事業者が一千九百三十一億円(対前年度比一七・五%増)である。

3 設備投資
 「通信産業実態調査」(郵政省)によると、平成十年度における通信・放送産業の設備投資額は四兆二千八百二十九億円(対前年度比四・〇%減)で、二年連続の前年度比減となった。十一年度における通信・放送産業の設備投資計画額も、四兆百六十二億円(同六・二%減)で、十年度実績から更に減少する見込みとなっている。
 元年度以降の設備投資額を主な産業と比較すると、通信・放送産業は、リース業、電力・ガス業に次いで高い水準となっている。

4 郵便事業
 郵便事業の財政状況についてみると、平成九年度に、戦後初めて収益が前年度実績を下回り、十年度も引き続き収益が対前年度マイナスとなったことから、五年度以来五年ぶりに六百二十五億円の単年度赤字となった。十一年度においては、予算上(補正後)六百八十九億円の赤字を計上し、また、十二年度予算においても四百三億円の赤字を見込んでいるが、十一年度の郵便営業収入は、二兆五百二十八億円(対前年度比〇・三%増、速報値)と三年ぶりに増加した。

第3節 情報通信ネットワーク

1 基幹網
 国内の電気通信網は、十一(一九九九)年四月にKDDによる百Gbpsの光海底ケーブルJIH(Japan Information Highway)の運用が開始されたことで、高速の国際網との相互乗り入れが容易となり、本格的な高速ネットワーク時代を迎えようとしている。
 また、我が国周辺の国際海外ケーブルについても、DWDM技術により、APCN2の構築が十一(一九九九)年六月に始まり、完成後は現在建設中のChina―USケーブルネットワークやJapan―USケーブルネットワーク等と接続されることになっており、今後ますます増加が見込まれるアジアから米国への通信需要への対応が可能となる。

2 移動体
 平成十年度末現在、携帯・自動車電話の普及率は東京都が最も高く、百人当たり五十台を超えている。また、人口百人当たりの普及台数が二十台未満の県は、九年度末には十五県あったが、十年度末にはなくなり、地域における普及率の底上げが図られた。一方、PHSについては、宮城県が最も普及しており、約十人に一台の割合となっている。

3 衛星
 第一種電気通信事業者が国内サービスに使用中の静止衛星は、平成十一年度末現在九機であり、総トランスポンダ(電波中継器)数は二百七十五本である。十二(二〇〇〇)年二月には、宇宙通信がスーパーバードB号機の後継機であるスーパーバードB2号機の打ち上げに成功している。一方、放送衛星は、十一年度末現在三機である。
 また、第一種電気通信事業者が国際サービスに使用中の静止衛星は、十一年度末現在二十四機であり、総トランスポンダ(電波中継器)数は七百九十七本である。

4 無線局
 平成十年度末現在の無線局数(PHS端末やコードレス電話等の免許を要しない無線局を除く。)は、四千六百九十七万一千五百四十二局(対前年度比一九・〇%増)となった。これは携帯電話の利用増加に伴い、陸上移動局が四千三百八十万九千三百三十四局(二一・〇%増)と大幅に増えたほか、基地局の増加も続き、七十八万四千六百十六局(七・七%増)となったことによるものである。

5 地上系放送
 四(一九九二)年一月に制度化されて以降、増加を続けているコミュニティ放送の開局数は、平成十一年度末現在で百三十一局となり、着実に増加している。

6 ケーブルテレビ
 平成十年度末現在、ケーブルテレビの施設総数は、六万九千五百四十二(対前年度比一・九%増)である。これを規模別にみると、許可施設数は一千九百二(同一・〇%増)、届出施設数は三万六千百十三(同一・八%増)、小規模施設数は三万一千五百二十七(同二・一%増)となっている。また、業務別にみると、自主放送を行う施設数は一千三十(同五・九%増)、再送信のみを行う共聴施設数は六万八千五百十二(同一・九%増)となっており、自主放送を行う施設の伸びが顕著である。

7 郵便局ネットワーク
 郵便局は、すべての市区町村に設置されており、全国にあまねく公平なサービスを提供している。郵便を取り扱う施設数については、平成十一年度末現在、郵便局は二万四千七百六十八局、郵便ポスト設置数は十七万五千五百六十三本(速報値)、郵便切手類販売所・印紙売りさばき所は十五万一千四百八十二か所(速報値)、ゆうパック取次所は八万三千六百六十七か所(速報値)となり、いずれも増加している。

第4節 電気通信サービス

1 概況
 我が国の主要な電気通信サービスの現況についてみると、固定通信については、携帯電話の急速な普及等により、東西NTTの加入電話契約数及び公衆電話の施設数が、減少を続けている。
 移動通信については、携帯・自動車電話の契約数が爆発的に増加している一方で、無線呼出しの契約数が前年同期よりほぼ半減している。

2 通話メディアの利用状況
 平成十年度の加入電話等、携帯・自動車電話及びPHSの相互通話状況についてみると、加入電話等相互間の全通話に占める割合は六七・四%で、対前年度比七・八ポイント減少している。
 一方、加入電話等と携帯・自動車電話又はPHS相互間の全通話に占める割合は、一八・九%で、対前年度比一・八ポイント増加している。また、携帯・自動車電話又はPHS相互間の全通話に占める割合についても、一三・七%と、対前年度比六・〇ポイント増となっている。

3 加入電話
 東西NTT加入電話契約数は、十一(一九九九)年九月末現在、五千七百二十九万契約(対前年度同期比三・九%減)となっており、前年に引き続き減少し、減少幅も拡大しつつある。
 また、加入電話契約を事務用と住宅用に分けると、十一(一九九九)年九月末現在、事務用は一千五百九十八万契約(対前年同期比八・六%減)、住宅用は四千百三十万契約(同二・〇%減)となっている。
 長距離系NCC及び地域系NCCの契約(回線)数の推移についてみると、長距離系NCCの電話サービスの契約数は、十一(一九九九)年九月末現在、四千三百三十四万契約(対前年同期比一一・〇%増)、一方、地域系NCCの回線数は、十一(一九九九)年九月末現在、五万二千回線となっている。

4 ISDN
 十一(一九九九)年九月末現在、基本インターフェースが五百十四万一千百七十五回線(対前年同期比六四・九%増)、一次群速度インターフェースが六万二千八百二十二回線(同五九・五%増)と、平成七年度以降、急激な伸びを示している。

5 国際電話
 通話時間数を発着信別にみると、我が国からの発信時間数は、十八億一千六百十七万分(対前年度比二・五%増)であり、我が国への着信時間数は、十四億九千五百八十九万分(同八・五%減)となっている。このように、我が国においては発信が着信を上回る発信超過の状態にあり、ここ数年縮小傾向にあった両者の差は、拡大に転じた。

6 携帯・自動車電話、PHS
 携帯・自動車電話サービスの総契約数(NTTドコモグループ及びNCC二十一社の合計)は、平成十一年度末現在、五千百十三万九千契約であり、対前年同期比二三・一%増と、八年度から十一年度までは年間約一千万契約のペースで増加している。
 一方、PHSサービスの総契約数(二十社の合計)は、十一年度末現在、五百七十万七千契約(対前年同期比一・二%減)である。総契約数は九年度をピークに減少が続いているが、減少幅には歯止めがかかっている。

7 衛星移動通信
 衛星を利用した移動通信システムには、赤道上空約三万六千キロメートルの軌道上にある静止衛星を利用したシステムと、周回衛星を利用したシステムがあり、両者とも衛星を介して船舶、航空機、車等に移動通信サービスを提供している。
 我が国の静止衛星を利用した移動通信サービスは、インマルサット及びN―STARの通信衛星を介して提供されている。周回衛星を利用した移動通信サービスは、十一(一九九九)年一月に日本イリジウムが開始したが、十二(二〇〇〇)年二月、日本イリジウムは清算されることになり、三月にサービスを廃止した。

第5節 放送サービス

1 概況
 我が国の放送は、地上放送、衛星放送、ケーブルテレビの三つのメディアに大別される。地上放送については、四(一九九二)年にコミュニティ放送が、七(一九九五)年に外国語放送が、それぞれ導入された。また、衛星放送については四(一九九二)年にCSアナログ放送が、八(一九九六)年にはCSデジタル放送が開始され、十二(二〇〇〇)年十二月からはBSデジタル放送が開始されることとなっている。ケーブルテレビについては、比較的規模の大きな施設及び自主放送を行う施設の普及が進んでいる。

2 衛星放送
 BS放送では、現在、BSAT―1a(BS―4先発機)を用いたアナログ放送のみが提供されている。BSテレビジョン放送については、NHKによる二チャンネル、日本衛星放送(wowwow)による一チャンネル及びハイビジョン実用化試験放送の一チャンネルの計四チャンネルとなっている。また、CS放送については、現在、スカイパーフェクTVがJCSAT―3及びJCSAT―4を用いて、ディレクTVがスーパーバード―Cを用いて、それぞれ、デジタル放送により番組を提供している。アナログ放送については、現在、JCSAT―2を利用した一社がPCM音声放送を提供しているのみである。

3 ケーブルテレビ
 近年、衛星放送の番組の再送信や自主制作番組の放送を行う大規模な施設が増加しており、ケーブルテレビのサービスは多様化してきている。また、平成十年度末現在、加入契約総数は一千五百八十一万七千契約(対前年度比九・二%増)、このうち自主放送を行うものの加入契約数は七百九十三万六千契約(同一八・一%増)となっており、どちらも着実に増加している。

4 放送の国際展開
 十一(一九九九)年十月、NHKが、映像国際放送の一日の放送時間を二十四時間に延長(月曜日の零時から六時は休止)したほか、十二(二〇〇〇)年二月、ラジオ日本のニュースをインターネットで音声配信するサービスを試行的に開始した。民間放送事業者については、十一(一九九九)年七月から、TBSが台湾に向けて、一日約十分のニュース素材の配信を開始した。

第6節 郵便サービス

1 取扱数
 総引受郵便物数(内国郵便物数と国際引受郵便物数の合計)の推移についてみると、平成十一年度は二百六十一億通(対前年度比〇・九%増)と過去最高である。内国郵便物数の推移についてみると、十一年度は通常が二百五十七億通(同〇・九%増)で五年連続の増加、小包が三百十九万個(同一・〇%増)で四年ぶりに増加となった。また、十一年度の国際郵便物数の推移については、引受物数は減少しているが、到着物数は増加している。

2 サービス
 郵便物の送達日数を表示した「郵便日数表」を全面改訂し、それを十一(一九九九)年六月から全国の郵便局窓口に掲出した。さらに十二(二〇〇〇)年二月から、利用者が希望する日・時間帯までに郵便物が届くようにするには、いつまでに郵便物を出せばよいかをインターネットで簡単に調べることができるようにした。十二(二〇〇〇)年の年賀は、西暦が千年紀から二千年紀に移行する時期となることから、千年に一度のサービスとして、十一(一九九九)年十二月二十日までに出された年賀郵便物に「2000.1.1年賀」の押印サービスを行った。

第7節 料 金

1 電気通信料金
 七(一九九五)年の企業向けサービス価格指数(日本銀行調査)を一〇〇とすると、十一(一九九九)年第4四半期時点の総平均は九七・〇と、三・〇ポイント低下している。一方、国内・国際電気通信の価格指数は八八・八と、一一・二ポイント低下しており、国内・国際電気通信の価格指数は企業向けサービス価格指数の総平均に比べて、低下が進んでいることが分かる。
 また、七(一九九五)年の企業向けサービス価格指数(日本銀行調査)を一〇〇とすると、十一(一九九九)年第4四半期時点の移動通信の価格指数は五八・九と、四一・一ポイント低下している。このように、移動通信の価格指数は企業向けサービス価格指数の総平均に比べて、過去数年間にわたり大幅に低下していることが分かる。

2 放送料金
 公共放送について、十一(一九九九)年四月現在の地上系テレビジョン放送受信料(カラー)の一世帯当たりの年額を英国、フランス及びドイツと比較すると、我が国の受信料は平均的な料金水準といえる。なお、米国には公共放送の受信料制度は存在しない。

3 郵便料金
 手紙とはがきの料金については、日本では八十円と五十円、米国では三十三セントと二十セントで格差が大きいが、ドイツでは一・一マルクと一マルクで格差はほとんどなく、英国、フランスでは同一料金となっている。十一(一九九九)年における我が国の郵便料金は、英国、フランス及びドイツとの比較では、手紙については割高、はがきについてはおおむね割安となっている。米国との比較では、手紙、はがきとも割高となっているが、我が国では原則一〜二日後の配達であり、配達速度が異なっている。

第8節 技 術

1 研究開発投資
 平成十年度の我が国における情報通信分野(通信・電子・電気計測器工業、ソフトウェア業及び通信産業)の研究開発費は、三兆二千九百八十億円(対前年度比六・三%増)となり、六年度より増加傾向にある。また、全産業に占める割合も六年度以降増加を続け、十年度は、三〇・五%とシェアを拡大している。

2 研究水準
 「情報通信分野の研究開発環境に関する調査」によれば、日米欧における情報通信分野の技術水準については、総合評価及び端末系技術を除く個別分野での評価ともに、米国が優位との回答結果となった。特に、ネットワーキング技術、コンテンツ支援技術及び衛星ネットワーク技術では、我が国は米国に大きく水を空けられている。一方、欧州との比較においては、いずれの設問に関しても日本が上回っている回答結果となった。

第9節 情報化
1 企業の情報化
 平成十一年度においては、企業の情報化が一層進展し、インターネットの利用率(八八・六%)、電子メールの利用率(八六・〇%)が向上し、LANの利用率は初めて九〇%を超えた(九〇・三%)。

2 家庭の情報化
 携帯電話の世帯普及率が六四・二%、インターネットの世帯普及率は一九・一%と、家庭における情報化がさらに進んでいる。
 また、二(一九九〇)年以降、消費支出はおおむね横ばいの傾向にあるが、情報通信支出は七(一九九五)年以降、一貫して増加している。

3 公共分野の情報化
 「平成十一年度行政情報化基本調査」(総務庁)によれば、内部部局での職員一人当たりのパソコン配備台数は〇・九八台と、ほぼ一人に一台、LAN接続率は九三・二%となっている。また、霞が関WANでは、十二(二〇〇〇)年三月から省庁間電子文書交換システムの運用を開始した。
 一方、「行政情報化(OA化)の状況調査」(自治省)によれば、パソコンの設置台数は五十万七千五百四台となっており、前年度と比較して三六・八%増加している。そのうちの半数以上のパソコンがネットワーク化されている。

第10節 情報流通

1 全国の情報流通
 消費情報量の百年間の変化をみると、昭和二十八(一九五三)年のテレビ放送開始以降、急速に増加に転じている。また、一九八〇年代中ごろまでは、マスメディアを中心として生活者が情報消費の主体となっているメディアが、一九八〇年代中ごろ以降は、これに加えて専用サービスによるデータ伝送等、主として企業が情報消費の主体となるようなメディアが消費情報量を牽引している。
 各メディアの情報発信者が一年間に送り出した情報の総量(複製を行って発信した場合及び同一の情報を繰り返し発信した場合も含む。)を示す発信情報量は、平成十年度において二・四九×一〇一六ワード(対前年度比一七・九%増)となった。
 各メディアの情報受信点において、一年間に情報消費者が選択可能なかたちで提供された情報の総量を示す選択可能情報量は、十年度において五・六九×一〇一七ワード(対前年度比一二・八%)となった。

2 地域の情報流通
 平成十年度における発信情報量の各都道府県別のシェアをみると、東京都が一九・四%と突出しており、上位七都道府県で全体の五〇%を占めている。また、ジニ係数は、前年度と同水準の〇・五〇四となり、発信情報量の地域格差は依然として大きい。
 十年度における、選択可能情報量の各都道府県別のシェアをみると、東京都が一二・九%と最高で、上位七都道府県で全体の五〇%を占めている。また、ジニ係数は、前年度と同水準の〇・五二二となり、選択可能情報量の地域格差も依然として大きい。

第11節 海外の動向

1 海外の情報流通
 米国は世界最大の電気通信市場である。十二(二〇〇〇)年一月にFCC(米国連邦通信委員会)が発表したアジェンダにおいても、(1)Access(接続)、(2)Broad band(広帯域)、(3)Competition(競争)、の三項目を挙げ、今後も情報通信分野の競争促進や国際通信網の拡大など、世界をリードする姿勢をみせている。また、米国政府は情報通信政策についても積極的に展開している。
 九(一九九七)年以降のアジアにおける通貨・経済危機を、十一(一九九九)年に入ってほとんど克服したアジア諸国は、電気通信市場の自由化や通信網の整備計画を一層推し進めている。
 こうした中、中国の電気通信市場は拡大を続け、特に携帯電話の普及は著しく、十一(一九九九)年十二月末における契約者数は四千万人を超えており、我が国の契約者数に迫る勢いである。

2 海外の地上デジタル放送
 世界各国において地上放送のデジタル化が検討されており、英国、米国及びスウェーデンにおいては、既に地上デジタルテレビジョン放送が開始されている。英国においては、十一(一九九九)年末現在で七〇%以上の世帯が地上デジタル放送の受信が可能になっており、十八(二〇〇六)年から二十二(二〇一〇)年までにデジタル放送に全面移行することを目標としている。米国におけるデジタル放送受像器の販売台数は、十一(一九九九)年末までの累計で十三万四千四百二台に達しており、十八(二〇〇六)年のアナログ放送廃止を目標としている。十一(一九九九)年四月に、公共放送であるSVT等がSDTVによる多チャンネル放送を開始したスウェーデンにおいては、デジタル放送開始後、十年を超えない範囲でアナログ放送を終了することとしている。

第3章 「情報通信政策の動向」

第1節 情報通信政策の動向

1 高度情報通信社会推進本部の動き
 十一(一九九九)年四月、「高度情報通信社会推進に向けた基本方針」(十(一九九八)年十一月改定)に示された三つの行動原則(民間主導、政府による環境整備、国際的な合意形成に向けたイニシアティブの発揮)に基づいて、「高度情報通信社会推進に向けた基本方針―アクション・プラン」が策定された。さらに、本アクション・プランに基づいて、十一(一九九九)年七月、高度情報通信社会推進本部の下に、個人情報保護検討部会が設置され、十一(一九九九)年十一月に中間報告書が出された。本報告書を受け、同本部において、十一(一九九九)年十二月、個人情報保護システムの中核となる基本的な法制の確立に向けた具体的検討を進めることが決定された。

2 バーチャル・エージェンシー
 バーチャル・エージェンシーとは、省庁の枠を超える問題の増加に対し、既存の省庁の枠組みにとらわれない新たな推進体制を整備するため、十(一九九八)年十二月に設置された、内閣総理大臣直轄の省庁連携タスクフォースである。バーチャル・エージェンシーでは、@自動車保有関係手続のワンストップサービス化、A政府調達手続の電子化、B行政事務のペーパーレス化、C教育の情報化について各々プロジェクトチームを設置し、一年間にわたり検討を行ってきたが、十一(一九九九)年十二月に各プロジェクトが最終報告書を公表した。

第2節 情報通信改革の推進

1 電気通信市場の改革
 郵政省としては、二十一世紀初頭を視野におき、電気通信分野において新たに取り組むべき政策として、@競争政策の一層の推進、Aインターネットの普及・高度化、B電波利用の一層の促進・高度化、C情報通信利用環境の整備を内容とする「第三次情報通信改革」を推進している。
 また、近年の電気通信市場の実態や競争状況に適合した料金制度として、十(一九九八)年五月、電気通信事業法の一部を改正し、第一種電気通信事業者の電気通信サービスに関する料金について、原則認可制から原則届出制へ変更した。また、競争が十分に進展していないサービスであって、利用者の利益に及ぼす影響が大きいサービスについては、適正な原価や物価等の経済事情を考慮して、適切な料金水準である基準料金指数を設定し、基準料金指数以下の料金は届出対象料金とする一方、基準料金指数を超える料金は認可対象料金とする、上限価格方式(プライスキャップ規制)を導入することとした。

2 放送分野における規制緩和の推進
 郵政省では、デジタル技術等の急速な技術革新に対応するとともに放送の健全な普及・発展を図るため、積極的に規制緩和を実施してきた。平成十一年度においては、ケーブルテレビ事業者の合併等の際の手続の簡素化(六月)、ケーブルテレビ事業への外国企業の参入規制撤廃(六月)、地上放送へのデジタル放送の円滑な導入を図るためのテレビジョン放送等の定義の改正(十一月)等を行った。

第3節 ネットワークインフラの整備

1 ネットワークインフラの整備
 郵政省は、二十一世紀初頭の次世代ネットワーク像及びそのネットワーク上で展開されるアプリケーション、コンテンツ、プロダクツを展望するとともに、高速・低料金の次世代ネットワーク基盤の構築、提供される新サービスの実現のための環境整備及びそれらの推進方策について検討を行うため、「次世代ネットワーク構想に関する懇談会」を開催し、十一(一九九九)年六月に報告書を取りまとめた。
 郵政省では、本報告書を踏まえ、インターネットの常時接続・定額料金制の導入、柔軟なネットワーク接続の実現、電子商取引等のインターネット上のアプリケーションの普及、民間事業者等が次世代ネットワークを円滑に構築するための支援方策等の実現に向けた検討を行っていくこととしている。

2 情報格差是正の推進
 郵政省では、携帯・自動車電話サービスの地域間格差の是正について、電気通信事業者による整備に委ねていてはサービスエリアの整備が進まないと見込まれる過疎地域等を対象に、平成三年度から移動通信用鉄塔施設整備事業を実施し、十年度末までに二百三十七か所で施設整備を行っている。
 また、五年度から十年度まで移動通信用鉄塔施設整備事業により実施していた高速道路等のトンネル及び地下街等閉塞地域における整備については、十一年度から新たに電波遮へい対策事業として実施している。

3 情報通信ネットワークの安全・信頼性向上の推進
 「コンピュータ西暦二〇〇〇年問題」は、社会・経済活動のあらゆる分野において、コンピュータシステムへの依存度が高い今日、極めて重大な問題と認識され、その防止のために、官民一体となって、種々の方策が講じられた。郵政省としても、所管の情報通信分野及び郵政事業分野において種々の対応を事前に完了し、結果として、国民生活に重大な支障を及ぼすような大きな問題は発生しなかった。

4 放送の高度化の推進
 地上放送のデジタル化については、十(一九九八)年十月に出された地上デジタル放送懇談会報告を受けて、関東・中京・近畿の三大広域圏については十五(二〇〇三)年末までに、その他の地域については十八(二〇〇六)年末までに本放送が開始されることを目標に環境整備を進めている。通信・放送機構は、新技術・サービスの開発を推進し、早期の全国的普及を図ることを目的として、全国十か所の地上デジタル放送研究開発用共同利用施設及びこれらを接続する全国ネット中継実験設備を整備し、十一(一九九九)年八月から七か所で、十一(一九九九)年十二月からは全十か所でデジタル放送の実証実験を開始した。

第4節 研究開発の推進

 二十一世紀の高度情報通信社会を人間と親和性のある豊かなものとするため、通信総合研究所では、平成十二年度から五か年計画で、@情報通信のヒューマニゼーション技術、A次世代マルチギガビット通信プラットフォーム技術、Bペタビット級ネットワーク基礎技術の研究開発を一体的に実施している。

第5節 情報通信高度化の環境整備

1 高齢者・障害者対策
 高齢者・障害者を含むだれもが情報通信の利便を享受できる「情報バリアフリー」環境の整備を図ることを目的として、平成十一年度においては、情報バリアフリー型通信・放送システムの研究開発、福祉支援情報通信システムの開発・展開、高齢者・障害者のためのホームページ簡易制作システムの実証実験、高齢者・障害者向け通信・放送サービス充実研究開発助成等の施策を実施した。

第6節 公共分野の情報化の推進

1 公共電気通信システムの共同開発の推進
 「特定公共電気通信システム開発関連技術に関する研究開発の推進に関する法律」(以下システム法という。)に基づき、平成十二年度においては、公共分野の情報化の一層の推進を図るため、新たに農林水産省(水産庁)及び自治省の協力を得て、漁業情報の高度利用に資する電気通信システム及び地方公共団体における申請手続電子化に資する電気通信システムを追加することとし、システム法を一部改正する法律案を第百四十七回国会に提出し、十二(二〇〇〇)年四月に公布された。

2 沖縄振興策の推進
 郵政省では、沖縄をアジア・太平洋地域における情報通信ハブとして形成するため、「沖縄マルチメディア特区構想」を提唱し、情報通信分野における@情報通信基盤の整備、A人材の育成・研究開発の推進、B先進的なアプリケーションの展開、C情報通信産業の集積、D情報発信機能の強化を促進するための施策を実施している。
 また、十二(二〇〇〇)年七月には、九州・沖縄サミット(主要国首脳会議)が名護市で開催されるなど、政府としては北部地域の振興策に積極的に取り組んでいく方針を決定しており、郵政省も名護市を中心に様々な情報通信施策を展開している。

第7節 グローバル化への対応

1 国際政策の推進
 情報通信関連については、六(一九九四)年のナポリ・サミット以来、毎年言及されつづけており、各国首脳の情報通信分野の重要性に対する認識が高まっていることを示している。十二(二〇〇〇)年七月には九州・沖縄サミットが開催される予定であり、主要議題の一つとして「IT革命」が取り上げられる方向である。

2 国際協力の推進
 平成十二年度は、通信・放送分野において四件の円借款、一件の無償資金協力を実施した。十二(二〇〇〇)年一月には、特別円借款の対象分野の拡大に際し、「情報通信」が追加されることとなり、開発途上国の情報通信基盤の整備に大きな役割を果たすことが期待される。

3 国際標準化機関の取組
 ITU―Tでは、勧告の策定に要する時間を短縮するための手続について、検討が進められている。十一(一九九九)年十月には、電気通信標準化アドバイザリーグループ第五回会合において、現行の勧告承認手続を、技術的な内容のものに限り、三か月程度に短縮可能とする手続(代替承認手続)の枠組みを取りまとめ、十二(二〇〇〇)年九月に開催される世界電気通信標準化総会での承認を目指すこととしている。

第8節 郵便局ネットワークの活用とサービスの充実

1 郵便局におけるワンストップ行政サービスの充実
 平成十年度から、郵便局で近隣市町村のサービス申込みを行うことができる実験を全国五地域において実施しており、十一年度からは、その一部(三地域)で、情報端末にテレビ電話機能を付加し、相談サービスを提供する実験を行っている。なお、十一年度からは、埼玉県大宮市、大阪府羽曳野市の二市において、住民票の写し及び印鑑登録証明書を発行する自動交付機を試行的に郵便局に設置し、これらの交付を行っている。

2 郵政事業におけるインターネット利用の推進
 郵政省は、郵便局サービスに関する情報を広く国民・利用者に提供する手段として、インターネットを積極的に活用している。十二(二〇〇〇)年二月、インターネットを活用して、自宅やオフィスなどに居ながらにして二十四時間いつでも郵便物が出せる「ハイブリッドめーる」を開始した。また、郵貯インターネットホームサービスの実証実験を開始した。平成十二年度には、インターネットによる簡保サービスの充実を予定している。


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普通世帯の消費動向調査


―平成十二年六月実施調査結果―


経済企画庁


 消費動向調査は、家計消費の動向を迅速に把握し、景気動向判断の基礎資料とするために、全国の普通世帯(単身世帯及び外国人世帯を除いた約三千万世帯)を対象に、約五千世帯を抽出して、消費者の意識、主要耐久消費財等の購入状況、旅行の実績・予定、サービス等の支出予定について、四半期ごとに調査している。また、年度末にあたる三月調査時には、主要耐久消費財等の保有状況、住宅の総床面積についても併せて調査している。
 今回の報告は、平成十二年六月に実施した調査結果の概要である。

1 調査世帯の特性

 平成十二年六月の調査世帯の世帯主の平均年齢は五二・三歳(全世帯、以下同じ)、平均世帯人員は三・四人、うち就業者数は一・七人、平均持家率は七四・四%となっている。また、有効回答率は九九・九%(有効回答世帯数は五千三十三世帯)となっている。

2 消費者の意識

 (1) 消費者態度指数(季節調整値)の調査結果
 消費者意識指標七項目中五項目を総合した消費者態度指数は、「収入の増え方」に関する意識が横ばいとなったものの、「雇用環境」、「物価の上がり方」、「暮らし向き」及び「耐久消費財の買い時判断」に関する意識が改善したため、四三・一(前期差〇・九ポイント上昇)となり、四期連続で上昇した(第1図参照)。
 (2) 各調査項目ごとの消費者意識指標(季節調整値)の調査結果
 各消費者意識指標について十二年六月の動向を前期差でみると、「収入の増え方」に関する意識が横ばいとなったものの、「雇用環境」に関する意識(三・七ポイント上昇)、「物価の上がり方」に関する意識(〇・五ポイント上昇)、「暮らし向き」に関する意識(〇・一ポイント上昇)及び「耐久消費財の買い時判断」に関する意識(〇・一ポイント上昇)が改善を示した(第1表参照)。

3 サービス等の支出予定(季節調整値)

 十二年七〜九月期のサービス等の支出予定八項目の動きを「今より増やす予定と回答した世帯割合」から「今より減らす予定と回答した世帯割合」を控除した数値(サービス支出DI)でみると、以下のとおりである(第2図参照)。
 (1) 高額のファッション関連支出DIは、このところマイナスとなっているが、前期がマイナス五・二%のところ、今期はマイナス七・〇%となっている。
 (2) 学習塾等補習教育費DIは、他の支出DIと比較して高い水準にあり、前期が六・七%のところ、今期は七・六%となっている。
 (3) けいこ事等の月謝類DIは、他の支出DIと比較して高い水準にあり、前期が二・九%のところ、今期は四・三%となっている。
 (4) スポーツ活動費DIは、このところプラスに転じており、前期が二・〇%のところ、今期は二・二%となっている。
 (5) コンサート等の入場料DIは、このところプラスに転じており、前期が四・八%のところ、今期は三・六%となっている。
 (6) 遊園地等娯楽費DIは、このところマイナスとなっているが、前期がマイナス六・八%の
ところ、今期はマイナス八・五%となっている。
 (7) レストラン等外食費DIは、このところマイナスとなっているが、前期がマイナス一二・九%のところ、今期はマイナス一四・〇%となっている。
 (8) 家事代行サービスDIは、おおむね安定した動きが続いており、前期がマイナス一・七%のところ、今期もマイナス一・七%となっている。

4 旅行の実績・予定(季節調整値)

 (1) 国内旅行
 十二年四〜六月期に国内旅行(日帰り旅行を含む)をした世帯割合は、前期差で一・四ポイント低下し三五・四%となった。旅行をした世帯当たりの平均人数は、前期差で横ばいの二・九人となった。
 十二年七〜九月期に国内旅行をする予定の世帯割合は、十二年四〜六月期計画(以下「前期計画」)差で一・六ポイント低下し三一・九%、その平均人数は、前期計画差で〇・一人減少し二・八人となっている。
 (2) 海外旅行
 十二年四〜六月期に海外旅行をした世帯割合は、前期差で一・一ポイント上昇し五・七%となった。その平均人数は、前期差で横ばいの一・八人となった。
 十二年七〜九月期に海外旅行をする予定の世帯割合は、前期計画差で横ばいの五・四%、その平均人数も、前期計画差で横ばいの一・八人となっている。

<参 考>

1 消費者意識指標(季節調整値)
 (レジャー時間、資産価値)

 十二年六月の「レジャー時間」に関する意識は、前期差で〇・一ポイント上昇し四五・二となった。
 「資産価値」に関する意識は、前期差で一・三ポイント低下し四二・五となった。

2 主要耐久消費財等の購入状況品目別購入世帯割合の動き(原数値)

 十二年四〜六月期実績は、二十八品目中十三品目の購入世帯割合が前年同期に比べて増加し、十二品目が減少した。なお、三品目が横ばいとなった。
 十二年七〜九月期実績見込みは、二十八品目中十五品目の購入世帯割合が前年同期に比べて増加し、七品目が減少している。なお、六品目が横ばいとなっている(第2表参照)。

3 主要耐久消費財の買替え状況

 十二年四〜六月期に買替えをした世帯について、買替え前に使用していたものの平均使用年数をみると、普及率の高い電気冷蔵庫、電気洗たく機などは八〜十二年となっており、その理由については故障が多い。また、「上位品目への移行」による買替えが多いものとしてビデオカメラ、「住居の変更」による買替えが多いものとしては、ルームエアコンがあげられる。

国際協力フェスティバル 2000


国際協力の日 十月六日

 十月六日は「国際協力の日」。この日を記念して、「国際協力フェスティバル 2000」が十月七日(土)、八日(日)の二日間にわたり、東京・日比谷公園にて開催されます。
 国際協力フェスティバルは、政府機関や国際機関、NGOなど国際協力に携わる団体が一堂に会し、イベントを通じて国際協力に対する一般市民の理解と関心を深めることを目的に、一九九〇年から毎年開催されています。
 第十回を迎える今年は、「あなたもわたしも地球家族」をキャッチフレーズに、一般の方々を対象としたシンポジウムやコンサート、各参加団体による出展や民族衣装ファッションショー、各国料理レストランなど、楽しみながら国際協力に親しめるさまざまなイベントが企画されています。また、国際協力活動をもっと詳しく知りたい人のために、国際協力やNGOに関する情報提供の場として、NGOインフォメーションコーナーが設けられます。
〈開催スケジュール〉
●日時 平成十二年十月七日(土)、八日(日)
●場所 日比谷公園(東京都千代田区)〜第二花壇、噴水広場、にれの木広場、小音楽堂ほか
●主なイベント シンポジウム、コンサート、参加団体による各種イベント(国際協力お宝オークション、民族舞踊、民族衣装着付け教室、パネルクイズ、参加者交流会、ミニステージ、エスニックグルメ広場、NGOインフォメーションなど)
●入場料 無料
●主催 国際協力フェスティバル実行委員会
●共催 国際協力事業団、国際協力銀行、(財)国際協力推進協会、NGO活動推進センター、開発教育協議会
●協力 外務省
国際協力フェスティバルに関するお問い合わせ
 国際協力フェスティバル実行委員会事務局(財団法人国際協力推進協会内)
рO3―5423―0561
ホームページ http://www.apic.or.jp/(外務省)


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消費者物価指数の動向


―東京都区部(七月中旬速報値)・全国(六月)―


総 務 庁


◇七月の東京都区部消費者物価指数の動向

一 概 況

(1) 総合指数は平成七年を一〇〇として一〇〇・四となり、前月比は〇・二%の下落。前年同月比は四月〇・九%の下落、五月〇・九%の下落、六月一・二%の下落と推移した後、七月は〇・九%の下落となった。
(2) 生鮮食品を除く総合指数は一〇〇・八となり、前月比は〇・二%の下落。前年同月比は四月〇・五%の下落、五月〇・四%の下落、六月〇・九%の下落と推移した後、七月は〇・七%の下落となった。

二 前月からの動き

(1) 食料は九九・四となり、前月と同水準。
  生鮮魚介は〇・五%の上昇。
   <値上がり> かつお、かれいなど
   <値下がり> いか、いわしなど
  生鮮野菜は三・六%の上昇。
   <値上がり> キャベツ、さやえんどうなど
   <値下がり> ねぎ、かぼちゃなど
  生鮮果物は四・二%の下落。
   <値上がり> グレープフルーツ、レモンなど
   <値下がり> ぶどう(デラウェア)、すいかなど
(2) 光熱・水道は一〇二・四となり、前月に比べ〇・九%の上昇。
  電気・ガス代が一・三%の上昇。
   <値上がり> 電気代など
(3) 被服及び履物は一〇二・〇となり、前月に比べ二・四%の下落。
  衣料が三・三%の下落。
   <値下がり> 背広服(夏物)など
(4) 教養娯楽は九八・〇となり、前月に比べ〇・九%の下落。
  教養娯楽サービスが一・五%の下落。
   <値下がり> ゴルフプレー料金など

三 前年同月との比較

 ○上昇した主な項目
  電気代(三・六%上昇)
 ○下落した主な項目
  家賃(一・五%下落)、教養娯楽サービス(二・二%下落)、外食(一・六%下落)、生鮮野菜(四・四%下落)
 (注) 上昇又は下落している主な項目は、総合指数の上昇率に対する影響度(寄与度)の大きいものから順に配列した。

四 季節調整済指数

 季節調整済指数をみると、総合指数は一〇〇・八となり、前月に比べ〇・四%の上昇となった。
 また、生鮮食品を除く総合指数は一〇一・〇となり、前月に比べ〇・二%の上昇となった。

◇六月の全国消費者物価指数の動向

一 概 況

(1) 総合指数は平成七年を一〇〇として一〇一・五となり、前月比は〇・三%の下落。前年同月比は三月〇・五%の下落、四月〇・八%の下落、五月〇・七%の下落と推移した後、六月は〇・七%の下落となった。
(2) 生鮮食品を除く総合指数は一〇二・〇となり、前月比は〇・二%の下落。前年同月比は三月〇・三%の下落、四月〇・四%の下落、五月〇・二%の下落と推移した後、六月は〇・三%の下落となった。

二 前月からの動き

(1) 食料は一〇〇・一となり、前月に比べ〇・四%の下落。
  生鮮魚介は二・八%の下落。
   <値上がり> ぶり、さんまなど
   <値下がり> いか、かつおなど
  生鮮野菜は〇・一%の上昇。
   <値上がり> ほうれんそう、ねぎなど
   <値下がり> トマト、ばれいしょなど
  生鮮果物は六・一%の下落。
   <値上がり> りんご(ふじ)、キウイフルーツなど
   <値下がり> すいか、メロン(アンデスメロン)など
(2) 家具・家事用品は九一・九となり、前月に比べ〇・二%の下落。
  家庭用耐久財が〇・六%の下落。
   <値下がり> ルームエアコンなど
(3) 被服及び履物は一〇五・九となり、前月に比べ〇・三%の下落。
  衣料が〇・五%の下落。
   <値下がり> スーツ(夏物)など
(4) 教養娯楽は九八・六となり、前月に比べ一・三%の下落。
  教養娯楽サービスが二・〇%の下落。
   <値下がり> 宿泊料など

(5) 諸雑費は一〇三・三となり、前月に比べ〇・二%の下落。
  理美容用品が〇・四%の下落。
   <値下がり> ヘアリンスなど

三 前年同月との比較

 ○上昇した主な項目
  自動車等関係費(二・〇%上昇)、家賃(〇・四%上昇)
 ○下落した主な項目
  生鮮果物(一五・八%下落)、生鮮魚介(四・九%下落)、家庭用耐久財(七・五%下落)、生鮮野菜(四・六%下落)
 (注) 上昇又は下落している主な項目は、総合指数の上昇率に対する影響度(寄与度)の大きいものから順に配列した。

四 季節調整済指数

 季節調整済指数をみると、総合指数は一〇一・三となり、前月と変わらなかった。
 また、生鮮食品を除く総合指数は一〇一・八となり、前月に比べ〇・一%の下落となった。


















十月は仕事と家庭を考える月間です


仕事と家庭が両立できる環境づくりを!

 少子・高齢化が進むなか、仕事と、育児・介護の両立が大きな課題です。労働省では、就業しつつ子どもの養育や家族の介護を行いやすい環境づくりを推し進め、毎年十月を「仕事と家庭を考える月間」として、各種広報活動を行っています。
●国際シンポジウムの開催
 「少子化時代の家族や企業の在り方を考える国際シンポジウム」が開かれます。
◎日時 十月二十六日(木)
    十三時二十分〜十六時三十分
◎会場 イイノホール
    東京都千代田区内幸町二―一―一
◎内容 ◆ファミリー・フレンドリー企業(※)表彰
     ※仕事と、育児・介護とが両立できるさまざまな制度を持ち、多様かつ柔軟な働き方を労働者が選択できるような取り組みを行っている企業
    ◆基調講演
    ◆パネルディスカッション
 シンポジウムはどなたでも参加できます。シンポジウム申込は、国際シンポジウム事務局(電話)03―5324―6660まで。
 「第六回仕事と家庭を考える月間」では「育児・介護雇用安定助成金をはじめとする両立支援事業の周知と活用の促進」を目標の一つとしています。
 「育児・介護雇用安定助成金」には、次のものがあります。@育児・介護費用助成金……労働者が育児・介護サービスを利用する際に要した費用の補助等を行った事業主に対する助成A育児休業代替要員確保等助成金……育児休業取得者の代替要員を確保し、かつ、育児休業取得者を原職等に復帰させた事業主に対する助成B事業所内託児施設助成金C育児・介護雇用環境整備助成金。また、育児・介護休業者がスムーズに職場復帰できるよう職場復帰プログラムを実施した事業主等に対する奨励金もあります。
シンポジウム、助成金、奨励金等の問い合わせ先
労働省女性局女性福祉課
рO3―3502―6586
(『広報通信』平成十二年十月号)







〈薬と健康の週間 十月十七〜二十三日〉


「かかりつけ薬局」を持ちましょう

 病気やけがで、医師の診察を受けた後に、薬の名前や種類などが書かれた処方せんが患者さんに渡され、薬剤師はこれに基づいて調剤します。まちの薬局であれば、どこでも処方せんによる調剤はできますが、かかりつけ薬局を決めておけば、次のようなことが可能になります。



 個人の薬歴(薬の使用の記録等)をつくり、重複する薬や飲み合わせなどをチェックします。



 いつでも、気軽に、安心して、薬について相談できます。



 寝たきりの方などがいる自宅に薬剤師が訪問し、必要なアドバイスをしたり、相談に応じたりします。



薬は使用量や回数などを守って使う

 薬は使用量、回数、時間などを守って正しく使わないと、効果が期待できません。特に高齢になると、記憶力や注意力が低下する恐れがあります。薬の飲み方や使い方などについて、薬剤師から十分な説明を受け、薬に対する注意書きなどもよく読んで、指示のとおり使用することが大切です。
(『広報通信』平成十二年十月号)



    <10月11日号の主な予定>

 ▽科学技術白書のあらまし……………科学技術庁 

 ▽毎月勤労統計調査(六月分)………労 働 省 




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