官報資料版 平成12年10月18日




                  ▽労働白書のあらまし…………………………………………労 働 省

                  ▽法人企業動向調査(六月実施調査結果)…………………経済企画庁

                  ▽労働力調査(六月及び四〜六月平均結果の概要)………総 務 庁











労働白書のあらまし


―平成12年版 労働経済の分析―


労 働 省


 労働省は、「平成十二年版労働経済の分析」(平成十二年版労働白書)を六月二十七日に閣議配布し、公表した。
 本年の白書では、第T部「平成十一年労働経済の推移と特徴」において、依然として厳しい労働経済の動向について、一九九九年(平成十一年)を中心に分析した。また、第U部「高齢社会の下での若年と中高年のベストミックス」では、高齢化のマクロ経済や労働市場に及ぼす影響などについて概観するとともに、若年者の就業意識や高齢化の下での様々な雇用問題について、実態を分析し、若年者、中高年各々がその能力を十分に発揮できる状況、いわば働き方における若年と中高年のベストミックスの道を探った。
 その概要は、以下のとおりである。

第T部 平成十一年労働経済の推移と特徴

第1章 雇用・失業の動向

(平成十一年(一九九九年)の雇用・失業情勢の特徴)
 一九九九年の雇用・失業情勢は、一九九八年の大幅な悪化の後、依然厳しい状況が続いた。有効求人倍率は五月に既往最低を記録し、新規求人数が季節調整値で一九九九年後半に増加に転じたものの、有効求人倍率は低水準で推移した。雇用者数も、一九九九年後半以降、減少幅は縮小したものの、常雇を中心に大幅な減少が続いた。完全失業者は非自発的離職失業者、自発的離職失業者を中心に増加が続いたが、年央以降、増加幅は縮小した。完全失業率は三月、四月、六月、七月にそれまでの既往最高の四・八%となるなど、厳しい状況が続いた。その後、景気の緩やかな改善を受けて、年央以降、有効求人倍率が若干上昇するなどの動きもみられたが、二〇〇〇年に入っても二月、三月に完全失業率が既往最高の四・九%となるなど、雇用・失業情勢は依然として厳しい状況となっている(第1図参照)。
(七〜九月期から前年同期比で増加した新規求人)
 新規求人数(新規学卒者を除く)は一九九九年平均で、前年比〇・七%減と二年連続で減少した。産業別には、一九九九年平均で、製造業、建設業等の減少幅が縮小し、サービス業、卸売・小売業,飲食店が増加に転じた。
(増加幅が縮小した新規求職)
 新規求職者は、一九九九年平均で前年比四・二%増と、一九九八年より増加幅は縮小したものの、依然高水準で推移した。常用新規求職者の増加について寄与度をみると、一九九九年に入って自発的離職求職者は減少に転じ、非自発的離職求職者も四〜六月期を除いて減少し、離職者以外の求職者も増加幅は縮小した。
(有効求人倍率は過去最低水準の後、上昇)
 有効求人倍率は一九九九年平均で〇・四八倍となり、比較可能な一九六三年以降で最低となった。一九九九年四〜六月期、七〜九月期に〇・四七倍と過去最低水準の後、二〇〇〇年一〜三月期に〇・五二倍と上昇し、6四半期ぶりに〇・五倍台となった。新規学卒労働市場は、大卒、高卒とも一九九九年の就職率は過去最低となり、二〇〇〇年も引き続き厳しい状態にある。
(男女とも低下が続く労働力率)
 労働力人口は一九九九年平均で、前年差十四万人減と一九七四年以来の減少となり、男女いずれも減少した。労働力率の動きをみると、年平均で六二・九%と前年より〇・四%ポイント低下し、二年連続の低下となった。男女別では、男性が七六・九%で〇・四%ポイント低下、女性は四九・六%で〇・五%ポイント低下となり、いずれも二年連続で低下となった。
(製造業等で減少が続く雇用者数)
 雇用者数は、一九九九年平均で五千三百三十一万人、前年差三十七万人減と二年連続で減少し、減少幅も拡大した。年前半の大幅減の後、景気の緩やかな改善を受けて、年後半以降は減少幅は縮小した。産業別にみると、製造業は一九九九年は一九九八年に比べて減少幅が縮小した。建設業は経済対策の政策効果等から七〜九月期は増加となったが、十〜十二月期以降、再び減少に転じた。卸売・小売業,飲食店は年を通じて増加が続いた。サービス業は、常雇の減少から一〜三月期に減少に転じた後、増加と減少を繰り返し、十〜十二月期以降は増加した。
(ホワイトカラー職種により厳しい雇用情勢)
 職種別の動きをみると、技能工、単純工で雇用過剰感が大きく低下し、ブルーカラー職種で一九九九年の雇用者の減少幅が縮小した。専門的・技術的職業従事者の増加幅は大幅に縮小した。また、事務従事者は減少に転じ、管理的職業従事者は減少幅が拡大するなど、雇用過剰感が依然として高い状態もみられる。
(依然として高い企業の雇用過剰感)
 雇用人員判断D.I.の動きをみると、一九九九年に入って、生産の持ち直しに合わせて若干過剰感が低下したものの、依然高い水準で推移した。また、雇用調整実施事業所割合の動きをみると、水準は高いものの、一九九九年一〜三月期をピークに低下傾向にあった。製造業における雇用調整実施事業所割合は、他業種に比べて高い水準にあった。
(完全失業率は既往最高水準で推移)
 完全失業率(季節調整値)は一九九八年に引き続き上昇し、三月、四月、六月、七月と四・八%を記録し、その後やや低下したものの、二〇〇〇年二月、三月は四・九%と比較可能な一九五三年以降で最高水準を記録した。一九九九年平均でも四・七%と一九九八年よりさらに〇・六%ポイント上昇し、過去最高となった。男女別にみても、男性四・八%、女性四・五%と、男女ともこれまでにない水準となった。完全失業者数は一九九九年平均で三百十七万人(前年差三十八万人増)、男女別では男性百九十四万人(同二十六万人増)、女性百二十三万人(同十二万人増)と、いずれもこれまでの最高水準となった。
 完全失業率が一九九九年年央まで上昇した背景には、厳しい経営環境下で、一九九八年度末にかけて雇用人員の削減を行う企業があったことや、入職抑制により春先から学卒未就職による失業者が増加したことなどの影響が考えられる。一方、年後半は、生産に持ち直しの動きが出始め、企業の雇用過剰感もやや低下したことから、完全失業率はやや落ち着いた動きとなった。二〇〇〇年一〜三月期は、求人の増加が失業者の再就職に結び付きにくくなっており、男性失業者で滞留傾向が強まっていることから、男性を中心に完全失業率が上昇した。
(高い水準で推移する非自発的離職失業)
 完全失業者数について求職理由別にみると、特に非自発的離職失業者が百二万人(前年差十七万人増)と、増加幅は一九九八年より縮小したものの、初めて百万人台を記録した。
(水準は依然高いものの落ち着いた動きとなった需要不足失業)
 完全失業率を構造的・摩擦的失業率と需要不足失業率とに分けてみると、構造的・摩擦的失業率は一九九八年以降三%台で、需要不足失業率は一九九八年前半に急上昇した後、一%台前半で推移している。二〇〇〇年一〜三月期に完全失業率が上昇するなど、高水準で推移した背景には、構造的・摩擦的失業率の上昇の寄与があったことも考えられる。
(障害者実雇用率は前年と同水準)
 一九九九年六月一日現在における障害者実雇用率は一・四九%、法定雇用率未達成企業の割合は五五・三%となった。同様に、企業規模別にみると、三百人以上規模企業では前年に比べ上昇したが、三百人未満規模企業では一九九四年以降、実雇用率の低下が続いている。また、障害者の解雇届出数は一九九八年に比べれば減少したが、一九九七年以前の水準には回復していない。
(外国人労働者の動向)
 我が国における外国人労働者は、合法・不法を合わせ一九九八年現在、約六十七万人である。就労する日系人はこれまで一貫して増加していたが、一九九八年には初めて減少した。また、一九九九年の外国人雇用状況報告結果によると、直接雇用の事業所数は前年に比べ二・五%増となり、産業別には製造業、サービス業、卸売・小売業,飲食店の三産業で全体の約九割を占めている。

第2章 賃金、労働時間、労働安全衛生の動向

(賃金の動向)
 一九九九年の賃金(事業所規模五人以上)は、所定外給与が微増に転じたものの、所定内給与が比較可能な一九九一年以降で初めて減少し、特別給与も大幅に減少したことから、現金給与総額は前年比一・三%減と、二年連続の減少となった。所定内給与減少の要因としては、賃上げ率の低下、所定内労働時間の減少、パートタイム労働者構成比の上昇、及びパートタイム労働者の給与が初めて減少したことが考えられる。実質賃金も前年比〇・九%減と二年連続の減少となった。
(引き続き減少した総実労働時間)
 一九九九年の総実労働時間(事業所規模五人以上)は、前年比一・一%減(一九九八年も一・一%減)と引き続き減少した。所定内労働時間は出勤日数の減少の影響などにより減少し、事業所規模別にみると、各規模とも減少幅が拡大した。
(製造業の所定外労働時間は二年ぶりに増加)
 一九九九年の所定外労働時間は、生産の持ち直しがみられた製造業、年後半から建設工事が増加を続けた建設業等で増加した。一方、一九九八年から景気や個人消費の低迷を受けた卸売・小売業,飲食店、サービス業では減少となった。
(死傷災害の動向)
 一九九九年における労働災害の発生状況をみると、死傷者数(死亡及び休業四日以上)は十三万七千三百十六人(前年比七・四%減)と、引き続き減少した。また、死亡者数は一千九百九十二人(前年比八・〇%増)となり、二年連続で二千人を下回ったものの、前年比は増加に転じた。

第3章 物価、勤労者家計の動向

(物価の動向)
 一九九九年の国内卸売物価は、前年比一・五%下落と、一九九八年(同一・五%下落)に引き続いて下落したが、七〜九月期以降は下げ止まりの動きがみられた。消費者物価(総合)は、前年比〇・三%下落と四年ぶりに下落し、下落幅は前年との比較が可能な一九七一年以降で最大となった。
(勤労者家計の動向)
 一九九九年の勤労者世帯の家計収入(実収入)は世帯主収入の大幅な減少から、前年比名目二・四%減少、同実質二・〇%減少と、減少幅はいずれも現行の調査開始(一九六三年)以来、最大となった。また、可処分所得も、前年比名目二・四%減少、同実質二・〇%減少と二年続けて減少した。
 一九九九年の勤労者世帯の消費支出は、平均消費性向が現行の調査開始以来最低の水準となった前年から〇・二%ポイント上昇し、一九九〇年以来の上昇となったものの、実収入が大幅な減少寄与となったことから、前年比名目二・一%減少、同実質一・七%減少と、ともに前年に引き続き減少した。可処分所得も引き続き減少したが、消費者マインドにやや持ち直しの動きがみられたことから、平均消費性向が上昇したものと考えられる。

第4章 労使関係の動向

(二〇〇〇年春の労使交渉)
 二〇〇〇年春季労使交渉で、主要単産における大手企業の賃上げ額は、電機五百円(ベア・三十五歳ポイント回答)、鉄鋼が二年間でベア一千円、自動車六千四百九十四円(定昇込・平均賃金方式・十一社単純平均)、造船六千円(定昇込・平均賃金方式)だった。今回の交渉では、雇用延長への取組が特徴としてあげられる。

第U部 高齢社会の下での若年と中高年のベストミックス

第1章 経済構造変化と高齢化の進展

第1節 経済構造及び雇用行動の変化

(今なぜ雇用調整を伴うリストラクチャリングか)
 景気には緩やかな改善の動きがみられるが、一部の企業においては、雇用調整を伴うリストラクチャリングを実施、計画する動きがみられ、その厳しさは、第一次石油危機時に匹敵する。こうした動きが従業員のモラールに及ぼす影響、さらには消費などを通じてマクロ経済に及ぼす影響など、より多面的な影響について十分留意する必要がある。労働分配率、雇用過剰感などは、業況感の改善やこれまでの人件費削減効果により、低下に向かっている。また、情報サービス、福祉などの分野では、新たな雇用創出の動きもみられている。
(非正規雇用拡大の要因)
 もう一つ、最近の雇用の動きで特徴的なのは、パートなどの非正規雇用比率がこれまで以上のテンポで拡大していることであり、多くは産業内変化効果(各産業内のパート比率の上昇による効果)でもたらされている。
 企業は、経済環境の変化に対応するため、組織のフラット化を図ったり、成果主義的な制度の導入などの取組を積極的に行っており、こうした動きは高齢化への対応方向と一致した動きである。

第2節 高齢化とマクロ経済への影響

(高齢化のマクロ経済への影響)
 高齢化や人口減少は、これまでの諸外国の経験も含めた結果によると、むしろ技術進歩の活発化をもたらしている。一方、需要面では、高齢化は、豊かな個人金融資産の活用、介護サービス等の新たな消費需要の創造などを通じて、消費拡大や雇用需要の拡大に大きな役割を果たす可能性が高い。
(高齢化の下での年齢間ミスマッチ拡大のおそれ)
 今後十年程度で、労働力人口は、若年層(十五〜二十九歳)が四百万人減、高年齢層(五十五歳以上)が三百八十万人増と、年齢構成が大きく変化する。こうした中で、労働力需要構造が今後も変わらないとすると、高年齢者の失業問題の深刻化、企業の若年層の急減による大幅な要員不足が懸念される。このため、企業における雇用需要構造を供給構造に見合ったものに大きく変革していく必要がある。
(労働力人口減少への対応)
 中長期的には、より顕著となる労働力人口の減少への対応としては、高年齢者の活用に向けた世代間の働き方の仕組みの構築に加え、就業を希望しながら育児との両立の難しさや能力を活かせる形での雇用機会の不足から、活用に至っていない女性の有効活用をまず考えるべきである。

第2章 若年者の雇用・失業問題

第1節 若年者の就業・失業と学卒労働市場の実態

(厳しい学卒労働市場とミスマッチ)
 企業による採用抑制中心の雇用調整が続く中、学卒労働市場は厳しい状況にあり、求人が大幅に減少している。就職者は進学率の上昇に伴い、高卒の減少、大卒の増加傾向がみられる。
(学卒無業者の増加)
 ここ数年学卒無業者が急増しており、無業者比率は高卒で三割、大卒で四分の一となっている。学卒無業者の増加には需給関係のみならず、若年者の意識変化など供給側の要因も働いているものと考えられる。
(いわゆるフリーターについて)
 近年、いわゆるフリーターが増加しており、その数を推計すると一九九七年には百五十一万人で、八二年に比べ三倍に増加している(第2図参照)。男女別では、男性六十一万人、女性九十万人と女性の方が多い。フリーターの属性をみると、最終学歴別では、高卒が四割弱、大学・大学院卒が二割弱、高専・短大卒が一割強となっている。
(自発的理由が多い若年の離転職率)
 若年者の離転職は多く、離職率が高まっている。その要因としては、フリーターなど離転職の多い非正規労働者のウェイトの上昇で、全体の離職率が高められていることが考えられる。

第2節 若年層の就業意識の変化と就業行動

(変化する若年層の意識)
 ヒアリング調査によると、最近、生徒の就職や職業に対する目的意識の希薄化が指摘されている。自営業比率の低下などで、昔に比べて仕事というものが見えにくくなっており、その内容や目的についての具体的なイメージが持てなくなっていることが、経済的豊かさとともに、その一因と考えられる。
(フリーターの意識)
 近年、増加しているフリーターの意識を類型化すると、@確固とした将来の目標を目指して、それに向けた努力をしているが、日常の生活のための収入を得るためにフリーターをしている「自己実現型」、A正社員になることなど、将来の漠然とした目標はあるが、それに向かっての取組は特に行っておらず、現状に対する不安を抱きつつ、当面はフリーターをしている「将来不安型」、B今後も継続してフリーターをしていくとする「フリーター継続型」、C家庭に入りたい等の「その他」の四つに分類できる。
(フリーターのその後)
 正社員化の希望については、女性の二十歳未満では七割弱が希望しており、また、男性では、より年齢が上がるにつれてそうした希望が高まるが、正規雇用への移行がうまくいかない者もいる。これには、フリーター期間における能力開発機会の乏しさも影響していると考えられる。
(離転職、フリーターとキャリア形成)
 転職回数が多いほど賃金が低下したり、離職期間が長期化する傾向がみられる。離転職に際して、先の見通しを立てた上で失業を経ずに転職をした場合は、そうでない場合に比べて、前の就業経験の活用程度、転職への満足度、賃金増加の点で、利点が大きい。先の見通しの無い離転職の増加は、本人のみならず、社会にとっても技術・技能の蓄積等の面で損失が大きい。

第3節 企業の採用行動と学校等のマッチング機能

(中途採用は増えているか)
 全体として、中途採用のウェイトは高まっていないが、大企業を中心に、新卒採用を基本としつつ、緩やかではあるが、中途採用拡大の動きがみられる。
 今後、新規学卒が減少する中で、産業構造変化への対応としても、転職による産業間労働力調整の必要性が高まることとなる。こうした流れは、今の仕事とは別の形で自己実現を図りたいと考える若年者の再チャレンジの可能性を広げる動きともなる。
 このような観点から、中途採用市場の整備が必要であるが、客観的な能力判定や情報不足など、企業も労働者も中途採用に当たって課題を抱えており、これらの課題への対応が必要不可欠である。
 また、若年者を中心に企業のパートタイム・アルバイト需要が拡大しており、フリーターが増加している一つの要因となっている。ただ、その三分の二が定職に就きたいと考えており、彼らの正規雇用への移行を円滑にする環境作りの必要性が高まると考えられる。
(学校のマッチング機能)
 学卒採用システムについて、仕事を選ぶ際に必要な知識などをできるだけ付与したり、インターンシップなど、生徒自身が様々な職業や職場の実態に直接的に接触したり、体験する機会を提供することが重要である。

第4節 今後の課題

(今後の若年者雇用の課題)
 今後、学卒就職者が二割程度縮小し、需給がひっ迫に向かう中で、意識や産業構造の変化に伴う需給のミスマッチなどの構造的問題への対応が課題であり、学校から職業への円滑な移行、再チャレンジが可能な柔軟なシステムが重要である。
(学校から職業への円滑な移行)
 学校から職業への円滑な移行を図る上では、企業の考え方、若年者の意識、両者のマッチングの三つの要因がある。第一の企業の考え方では、新卒者を企業内で長期にわたって育てるシステムが依然として重要であり、行政としても積極的に支援していく必要がある。第二の若年者の意識では、キャリア形成を真剣に考えた初職選択への取組とその環境作りが重要であり、職場体験の機会を豊富にすることなどが重要である。第三の両者のマッチングでは、学校や公共職業安定機関の役割が大きく、企業とも一体となって取り組む必要がある。企業の具体的な情報を的確に把握、提供するほか、ものづくりの体験・学習の機会の設定、福祉人材の養成等の取組が重要である。特に、高卒者については、応募者の質の向上への取組とともに、広範囲の企業へのアプローチなども必要である。
(再チャレンジ可能な柔軟なシステム)
 再チャレンジ可能な柔軟なシステムに向け、企業外の能力開発機能の充実等とともに、若年者意識の変化を踏まえた企業の定着対策も重要である。

第3章 高齢化と雇用・就業問題

第1節 中高年齢者の就業・失業の実態

(十年後に就業の必要性が増す六十歳台前半層)
 中高年齢者の失業率をみると、六十歳以上の男性で特に高いが、これは定年退職により、失業頻度が特に高いことが影響している。一方、失業継続期間は四十歳台、五十歳台前半の方が長い。
 こうしたことから、現在までのところ、六十歳までの失業の方が深刻となっているが、十年後は団塊の世代が六十歳台前半に差しかかる。この世代は、厚生年金の定額部分の支給開始年齢の六十五歳への引き上げが完了する最初の世代であり、より六十五歳までの就業の必要性が増すものと考えられる。それまでに雇用・就業機会を確保するための環境条件を整備する必要がある。
(多様化する高年齢者の就業形態)
 五十五歳以上の高年齢者男性について、年齢別の就業状態をみると、一般的な定年年齢である六十歳前後を境に不就業者が大きく増加し、普通勤務雇用者が大きく減少している。また、六十歳以降は自営業・家族従業者や短時間勤務雇用者が増えており、高齢期には就業形態が多様化している様子がわかる。

第2節 高齢化に伴う高年齢者の属性と意識の変化

(重みを増す就業という選択)
 六十歳男性の平均余命は二十年であり、六十歳定年が言われ始めた一九七〇年ごろと比べて、ちょうど五年延びている。この期間をいかに充実したものにするか、多様な選択肢があるが、人口の高齢化、減少を考え併せると、社会的にも「就業」という選択が重みを増してくる。
(過去に比較して高まっている高年齢者の体力)
 一般に高年齢者については、健康面や体力面の不安から、社会的弱者のイメージでみられがちであるが、平均余命の伸長に伴い、健康状態の面でも元気な者の割合が高く、体力面でも過去の同年齢の世代に比べ、高まってきていると考えられる。
(年齢とともに上昇していく能力も存在)
 加齢と職務能力の変化をみると、体力等は加齢により低下するが、「専門的知識の蓄積」や「不測の事態への対応」など、加齢により上昇する能力も存在する。企業としては、体力など加齢に伴って低下する能力を補いつつ、高齢になっても落ちない、あるいは上昇し続ける能力を、第一線で有効に活用する仕組みをつくっていくこと、また働く側も長く働こうと思えば、こうした能力を意識的に高め、高齢期に至っても、第一線で存在価値のある人材であり続けられるように努力を怠らないことが重要である。
(勤労観の違いが大きな要因)
 国際的にみても、我が国の高年齢者の就業意欲は高い。経済的理由ばかりでなく、日本人の勤労観がこうした高い就業意欲をもたらしている面もある。また、老齢厚生年金の支給開始年齢の引上げは、さらに高年齢者の就業への動きを強めることが予想され、高年齢者の本格的就業のための環境作りを早急に進めていく必要がある。

第3節 高齢化への企業の対応と課題

(フラット化してきている賃金カーブ)
 賃金カーブはここ二十年で中高年齢者を中心にフラット化しており、その程度は高齢化のスピードの速い業種、規模ほど大きい傾向がある。同一年齢における賃金のばらつきは、大卒四十歳台以上の他は拡大しておらず、全体としては、高齢化の下で、年齢間の賃金配分が徐々に変わってきた可能性が高い。
(拡大が予想される成果主義的賃金制度)
 今後は、成果主義的賃金制度が広まっていくことが予想されるが、労働者の労働意欲が高められるかどうかは、仕事分担の明確化、裁量範囲の見直し、能力開発機会の保証等の施策が講じられるかどうか、また、評価基準の明確化や評価結果の透明性などにかかっている。企業の評価制度はまだまだ課題が多い。
(役職者割合の高まりと昇進の遅れ)
 高齢化の下で、役職者割合が高まっている。この傾向は特に高齢化スピードの速い大規模企業において著しく、年功処遇に苦心する企業の姿がうかがえる。学歴別では、役職への昇進の遅れがみられ、さらに、大卒でも役職に就けない者が増えている。
(珍しくなくなってきた逆転人事とインセンティブを引き出す新たなシステムの形成)
 近頃、いわゆる逆転人事も珍しくなくなってきている。そうしたことがある程度行われている企業では、できるだけ責任を与え、権限委譲を進めたり、専門的な仕事への配置などにより、年長者のモチベーション維持が図られている(第3図参照)。働く側もこうした動きに適応しつつある。このような新たな仕組みの中では、職位によらずに、組織の中で存在価値が認められる確固たる能力を身につけているかどうかが、本人の働きがいに直結することになる。
(専門職制度の実施状況と問題点)
 専門職制度については、その内容が職位の不足を補う処遇ポスト的なものから、各分野のラインの業務の中で、個々の労働者の専門性をいかすことを目的としたものに変化してきている。こうした中で、自己啓発の取組やこれを支援する企業の取組も活発化している。
(六十歳定年制の雇用効果)
 政策や労使の積極的な取組により六十歳定年制が定着した。一九八〇年代以降の五十歳台後半の雇用状況の改善、残存率の高まり、勤続年数の伸張などをみても、六十歳定年の雇用効果は明らかである。なお、一九八〇年代半ばには、定年延長にあわせて新規採用の手控えがあったが、好況期の一九八九年にはほとんどなくなっている。
(六十五歳までの雇用継続の広がり)
 六十五歳までの希望者全員の継続雇用制度がある企業は二割前後で推移しているが、六十五歳まで雇用するなんらかの制度を有する企業割合は、五割以上となっており、また、六十歳定年後の継続雇用制度を有する企業は約七割、定年到達者への勤務延長・再雇用制度の適用者割合の高まりなど、徐々にではあるが、六十歳以上の継続雇用の動きは広まりつつある。
(継続雇用制度導入企業の実態)
 継続雇用制度導入企業の実態をみると、役職、雇用形態は変化するが、仕事の内容や勤務形態は変わらない場合が多い。所属部署も知識・技能・経験や人脈をいかす等の理由で変わらない場合が多い。賃金は約三割低下するが、六十歳台前半で再就職する場合(約五割)に比べ、その低下幅は小さく、職務継続性も継続雇用の方が高い。
(今後の六十歳以降の雇用方針)
 年金支給開始年齢の引上げに伴って、自社内で六十歳以上の継続雇用を「積極的に進めていきたい」、「進めざるをえない」とする企業は八割以上に上っており、電機や繊維産業などの大手企業を中心に六十五歳までの雇用延長について、大枠での労使合意に達している企業も増えてきている。

第4節 中高年齢者の労働移動の実態と課題

(これまでの職種領域をベースとした中高年の再就職)
 中高年齢者の職種別再就職の状況は、いわばこれまでの職種領域をベースとした移動が主体であるが、こうした移動パターンを前提にした時、再就職の際に必要とされるのは、現在持っている能力をベースとして、それが市場で評価されるよう、専門性に磨きをかけたり、幅を広げたりするための能力開発を行うことである。
(中高年の再就職を困難にしている求人年齢要件の設定)
 求人の平均的な上限年齢が四一・一歳と年齢制限がある状況では、中高年齢者の再就職は容易ではない。年齢要件設定の理由としては、体力的な理由や賃金水準の高さが多いが、必ずしも実際に雇用し、問題が生じて年齢要件が設定されているわけではない。
 なお、中高年齢者では、需給調整における公共職業安定所の役割が大きい。
(増加している系列外出向・転籍)
 出向・転籍による企業間移動は、賃金差額補填など移動のショックの緩和、出向元企業の定年後の雇用機会の確保に一定の機能を果たしているが、最近、大企業を中心に系列外出向の広がりが顕著で、出向先の確保にかなり苦心していることもうかがわれるほか、人件費の増大など受入れ側からの問題指摘もあり、多くを求めるのは難しい。
(中高年齢者の割合が高まっている「起業」)
 ここ数年、起業者に占める中高年齢者の割合が上昇している。起業経験者にとっては、開業まで勤務した企業での経験や、そこで形成された人脈が役立っている。また、高齢化の下で、ニーズに近いところにいる高年齢者が新たな市場を創り出す可能性も大きい。

第5節 引退過程における雇用・就業と生活

(引退過程における家計と就労)
 高年齢者においては、必要生計費の減少や年金受給額の増加により、経済面での就業の必要性が低下している。就業理由も健康上の理由や、生きがい、社会参加等のためといった生計目的以外の理由が増加している。
(なだらかな引退と引退過程の都市と地方の違い)
 就業をめぐる状況変化は、働き方にも変化をもたらしている。一つは、自営業やシルバー人材センターのような地域の中での働き方であり、いま一つは短時間勤務の広がりである。また、引退過程における自営・家族従業者割合の高まり方は、大都市圏外の方が高く、大都市では年齢を経ても雇用者割合やフルタイム指向が強い。
(健康、経済面では高い水準にある日本の高年齢者)
 「健康」、「現在の経済的生活」、「将来の経済的生活」、「社会的活動」、「隣人・友人」の五項目からなる「ハッピーリタイアメント指標」を作成し、諸外国の高年齢者と日本の高年齢者を比較してみると、日本の高年齢者は健康面、経済面では水準が高く、他の国よりも恵まれた状況にあるが、人とのつながりや年金や介護などについての将来不安が、満足度を低めている。
(満たされていない人とのつながり)
 諸外国と比較して我が国の高年齢者は人とのつながりが希薄であり、この傾向は特に被用者、大都市及び男性でより顕著である。これは現役時代の生活が仕事に特化しており、地域社会とのつながりが希薄なため、企業から離れた時に孤独な状況に置かれることによるところが大きい。精神的にも豊かな老後生活を送るためには、企業、家庭、地域とバランスのとれた関わり方を考える必要がある。さらに、高年齢期に至ってからも、地域社会と就業やボランティアなどを通じて関わりをもつことで、老後生活をより豊かなものとすることができると考えられる。

第6節 今後の課題

(高年齢者活用のための条件)
 企業の高齢化への対応を整理すると、@年齢による制約の少ない賃金・処遇制度、A第一線でそれまでの経験をいかした業務を遂行すること、B責任、権限の分権化を進めること、が挙げられる。
(六十五歳までの雇用機会を確保のための方向性)
 六十五歳までの雇用機会確保のための方向性は、第一に、労使の自主的な取組を促進することにより、今後十年かけて六十五歳定年制の定着を目指した取組を図ること、第二に、再雇用制度、短時間も含めた柔軟な対応による六十五歳までの本格的就業機会の確保に向けた段階的な取組をすること、第三に、企業の年齢に対する固定観念の払拭を進めるため、行政としても求人者に対し、年齢要件の緩和を積極的に働きかけていくこと、第四に、働く側が職位によることなく、組織の中で存在価値を認められる確固たる能力を確立するための自己啓発を積極的に支援することである。

まとめ

 景気には少し明るさが見えはじめているが、雇用・失業情勢は依然として厳しく、二〇〇〇年二月、三月の完全失業率は四・九%と、既往最高となった。ただ、そのうち雇用需要の不足による失業は約四分の一で、それ以外の四分の三は需給のミスマッチなどによる構造的・摩擦的失業である。そこには若年者の意識の変化や、若年者に偏りがちな企業の雇用需要構造などが影響している。今後、高齢化の進展で、若年者の急減と高年齢者の急増という供給構造の大きな変化が確実に起きることを考えると、ミスマッチが一層拡大し、構造的・摩擦的失業がさらに増加するおそれもある。それを防ぐためには、企業において「より少ない若年とより多い中高年」による仕事の進め方が確立される必要があり、それは同時に企業自身が活力を維持していく上でも重要である。また、若年者の就業意識の変化にどう対応し、どう働きかけていくのかも重要な課題である。
 若年者、中高年齢者各々がその能力を十分に発揮できるための課題として、特に重要なのは次の三点である。
 @ 今後十年間に、若年者の大幅な減少と高年齢者の大幅な増加が見込まれる中で、「より少ない若年とより多い中高年」という組み合わせの下で、お互いの能力が十分に発揮できるような働き方の仕組みを確立するとともに、構造的失業問題を着実に改善していくこと。
 A 若年者のキャリア形成や能力発揮に向けて、若年者の職業意識の啓発や広範な企業への求人の働きかけにより、学校から職場への円滑な移行を図ること。あわせて再チャレンジが可能な仕組み作りを進めること。
 B 高齢化への対応については、今後、年功的処遇が一層困難となる中で、権限の委譲などにより、仕事のやりがいを引き出す新たな人事処遇制度が求められること。これに向けた企業の取組を基礎とし、六十五歳定年制の定着など、高年齢者の雇用・就業機会の確保に資する仕組み作りを推進すること。
 以上、本白書では、若年者、中高年齢者それぞれが社会の中で活躍できる条件を探ったが、それぞれの課題間のトレードオフ、すなわち、高年齢者の就業機会の確保と、若年者の正規就業の促進という二つの課題の同時達成も重要である。この問題についても、現在の失業の四分の三は需給のミスマッチ等による構造的・摩擦的失業であることを想起する必要がある。若年者の職種や企業規模によるミスマッチへの働きかけを一方で行いつつ、他方で「より少ない若年とより多い中高年」による仕事の進め方により、年齢間のミスマッチを軽減していけば、構造的失業問題はかなりの程度、改善されるものと考えられる。さらに、今後、若年労働力人口が急速に減少していくことを考え併せると、六十五歳までの雇用継続などの高年齢者への対応が、必ずしも若年者に悪影響を及ぼすということにはならないと考えられる。




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法人企業動向調査


―平成十二年六月実施調査結果―


経済企画庁


◇調査要領

 本調査は、資本金一億円以上の全営利法人を対象として、設備投資の実績及び計画並びに企業経営者の景気と経営に対する判断及び見通し並びに設備投資に関連する海外直接投資動向を調査したものである。
 調査対象:調査は、原則として国内に本社又は主たる事務所をもって企業活動を営む資本金又は出資額が一億円以上の全営利法人(約三万四千社)から、経済企画庁が定める方法により選定した四千五百四十社を対象とした。
 調査時点:平成十二年六月二十五日
 調査方法:調査は、調査法人の自計申告により行った。
 なお、資本金又は出資額が百億円以上の営利法人については原則として全数調査、百億円未満の営利法人は、層化任意抽出法により選定した法人について調査した。
 有効回答率:調査対象法人四千五百四十社のうち、有効回答法人四千三百七十六社、有効回答率九六・四%
〔利用上の注意〕
(1) 今期三か月の判断とは平成十二年一〜三月期と比較した場合の十二年四〜六月期の判断、来期三か月の見通しとは十二年四〜六月期と比較した場合の十二年七〜九月期の見通し、再来期三か月の見通しとは十二年七〜九月期と比較した場合の十二年十〜十二月期の見通しである。ただし、在庫水準と生産設備については、それぞれの調査期間における判断と見通しである。
(2) 十二年四〜六月以前は今期の判断、十二年七〜九月は来期の見通し、十二年十〜十二月は再来期の見通しである。
(3) 判断指標(BSI)とは「上昇(強くなる・増加・過大)の割合−下降(弱くなる・減少・不足)の割合」である。
(4) 設備投資の公表数値は、母集団推計値である。また、算出基準は工事進捗ベース(建設仮勘定を含む有形固定資産の減価償却前増加額)である。
(5) 季節調整法は、センサス局法U、X―11で算出した。
(6) 集計上の産業分類は、日本標準産業分類を基準とする会社ベースでの主業分類に基づいて行った。
(7) 昭和六十三年三月調査より、日本電信電話(株)、第二電電(株)等七社、JR関係七社及び電源開発(株)を調査対象に加えるとともに、日本電信電話(株)、第二電電(株)等七社については六十年四〜六月期、JR関係七社については六十二年四〜六月期に遡及して集計に加えた。
(8) 平成元年六月調査より消費税を除くベースで調査した。
(9) 平成十年六月調査より以下のとおり産業分類の見直しを行い、昭和五十九年六月調査に遡及して集計を行った。
 @ 「造船」を「その他の輸送用機械」に合併。
 A 「印刷・出版」を「その他の製造業」に合併。
 B 「卸売・小売業,飲食店」の内訳を廃止し、「卸売業」と「小売業,飲食店」に分割。
 C 「運輸・通信業」の内訳を廃止し、「運輸業」と「通信業」に分割。
 D 「電力業」と「ガス業」を合併し、「電力・ガス業」とする。
 E 「サービス業」を「サービス業(除くリース業)」と「リース業」に分割。
 F 製造業を素材型、加工型に分類。

一 景気見通し(全産業:季節調整値)

(一) 国内景気第1表参照

 企業経営者による国内景気に関する判断指標(BSI:「上昇]−「下降」)をみると、平成十二年一〜三月期「四」の後、四〜六月期は「十」と「上昇」超幅が拡大した。
 先行きについては、七〜九月期「二十一」、十〜十二月期「二十八」と「上昇」超幅が引き続き拡大する見通しとなっている。
 産業別にみると、製造業では一〜三月期「五」の後、四〜六月期は「十四」と「上昇」超幅が拡大した。先行きについては、七〜九月期「二十一」、十〜十二月期「二十七」と「上昇」超幅が引き続き拡大する見通しとなっている。
 非製造業では、一〜三月期「一」の後、四〜六月期は「八」と「上昇」超幅が拡大した。先行きについては、七〜九月期「二十」、十〜十二月期「二十九」と「上昇」超幅が引き続き拡大する見通しとなっている。

(二) 業界景気第2表参照

 所属業界の景気に関する判断指標(BSI:「上昇」−「下降」)をみると、一〜三月期「マイナス四」の後、四〜六月期は「二」と「上昇」超に転じた。
 先行きについては、七〜九月期「九」、十〜十二月期「十三」と「上昇」超幅が引き続き拡大する見通しとなっている。
 産業別にみると、製造業では、一〜三月期「一」の後、四〜六月期は「九」と「上昇」超幅が拡大した。先行きについては、七〜九月期「十三」、十〜十二月期「十四」と「上昇」超幅が引き続き拡大する見通しとなっている。
 非製造業では、一〜三月期「マイナス七」の後、四〜六月期は「マイナス五」と「下降」超幅が縮小した。先行きについては、七〜九月期には「七」と「上昇」超に転じ、十〜十二月期は「十」と「上昇」超幅が拡大する見通しとなっている。

二 需要・価格関連見通し(季節調整値)

(一) 内外需要(製造業)(第3表参照

 企業経営者による国内需要に関する判断指標(BSI:「強くなる」−「弱くなる」)をみると、一〜三月期「二」の後、四〜六月期は「十」となり、「強くなる」超幅が拡大した。
 先行きについては、七〜九月期「十六」、十〜十二月期「十七」と「強くなる」超幅が引き続き拡大する見通しとなっている。
 海外需要に関する判断指標(BSI:「強くなる」−「弱くなる」)をみると、一〜三月期「十」の後、四〜六月期は「十一」となり、「強くなる」超幅が拡大した。
 先行きについては、七〜九月期「十三」、十〜十二月期「十二」と「強くなる」超で推移する見通しとなっている。

(二) 在庫水準(製造業)(第4表参照

 自己企業の原材料在庫水準に関する判断指標(BSI:「過大」−「不足」)をみると、三月末「十一」の後、六月末も「十一」と「過大」超幅は同水準となった。
 先行きについては、九月末「六」、十二月末「四」と「過大」超幅が縮小する見通しとなっている。
 完成品在庫水準に関する判断指標をみると、三月末「十九」の後、六月末は「十五」と「過大」超幅が縮小した。
 先行きについては、九月末「九」、十二月末「七」と「過大」超幅は引き続き縮小する見通しとなっている。

(三) 価 格(製造業、農林漁業、鉱業)(第5表参照

 自己企業の原材料価格に関する判断指標(BSI:「上昇」−「下降」)をみると、一〜三月期「マイナス十一」の後、四〜六月期は「十一」と「上昇」超に転じた。
 先行きについては、七〜九月期「七」、十〜十二月期「三」と「上昇」超幅は縮小する見通しとなっている。
 製品価格に関する判断指標(BSI:「上昇」−「下降」)をみると、一〜三月期「十一」の後、四〜六月期は「マイナス十六」と「下降」超に転じた。
 先行きについては、七〜九月期「マイナス九」、十〜十二月期「マイナス七」と「下降」超幅は縮小する見通しとなっている。

三 経営見通し(季節調整値)

(一) 売上高(全産業:金融・保険業、不動産業を除く)(第6表参照

 自己企業の売上高に関する判断指標(BSI:「増加」−「減少」)をみると、一〜三月期「一」の後、四〜六月期は「四」と「増加」超幅が拡大した。
 先行きについては、七〜九月期「八」、十〜十二月期「十二」と「増加」超幅は引き続き拡大する見通しとなっている。
 産業別にみると、製造業では、一〜三月期「五」の後、四〜六月期は「十一」と「増加」超幅が拡大した。先行きについては、七〜九月期「十五」、十〜十二月期「十五」と「増加」超で推移する見通しとなっている。
 非製造業では一〜三月期「マイナス二」の後、四〜六月期は「〇」となった。先行きについては、七〜九月期には「四」と「増加」超に転じ、十〜十二月期は「八」と「増加」超幅が拡大する見通しとなっている。

(二) 経常利益(全産業:金融・保険業、不動産業を除く)(第7表参照

 経常利益に関する判断指標(BSI:「増加」−「減少」)をみると、一〜三月期「マイナス一」の後、四〜六月期は「二」と「増加」超に転じた。
 先行きについては、七〜九月期「八」、十〜十二月期「十」と「増加」超幅が引き続き拡大する見通しとなっている。
 産業別にみると、製造業では、一〜三月期「三」の後、四〜六月期は「八」と「増加」超幅が拡大した。先行きについては、七〜九月期「十四」、十〜十二月期「十三」と「増加」超で推移する見通しとなっている。
 非製造業では一〜三月期「マイナス四」の後、四〜六月期は「マイナス二」と「減少」超幅が縮小した。先行きについては、七〜九月期には「二」と「増加」超に転じ、十〜十二月期は「六」と「増加」超幅が拡大する見通しとなっている。

四 生産設備見通し(製造業:季節調整値)(第8表参照

 自己企業の生産設備に関する判断指標(BSI:「過大」−「不足」)をみると、一〜三月期「二十五」の後、四〜六月期には「二十」と「過大」超幅が縮小した。
 先行きについては、七〜九月期「十八」、十〜十二月期「十七」と「過大」超幅は引き続き縮小する見通しとなっている。

五 設備投資の動向(全産業:原数値)

(一) 半期の動向第9表参照

 半期の動向を前年同期比でみると、平成十一年七〜十二月期(実績)五・四%減の後、十二年一〜六月期(実績見込み)は四・四%増となった。七〜十二月期(計画)については、三・九%減の見通しとなっている。
 産業別にみると、製造業では、十一年七〜十二月期一二・二%減の後、十二年一〜六月期は〇・五%減となった。七〜十二月期については、五・八%減の見通しとなっている。
 非製造業では、十一年七〜十二月期一・六%減の後、十二年一〜六月期は七・〇%増となった。七〜十二月期については、三・〇%減の見通しとなっている。

(二) 資本金規模別動向第10表参照

 資本金規模別に前年同期比でみると、資本金十億円以上の大企業では、平成十一年七〜十二月期(実績)四・七%減の後、十二年一〜六月期(実績見込み)は六・九%減となった。七〜十二月期(計画)については、一三・三%減の見通しとなっている。
 資本金一〜十億円の中堅企業では、十一年七〜十二月期六・八%減の後、十二年一〜六月期は三〇・八%増となった。七〜十二月期については、一七・三%増の見通しとなっている。

(三) 暦年の動向

 暦年の動向を前年比でみると、平成十一年(実績)六・〇%減の後、十二年(計画)は〇・三%増の見通しとなっている。
 産業別にみると、製造業では、十一年一〇・六%減の後、十二年は三・一%減の見通しとなっている。
 非製造業では、十一年三・五%減の後、十二年は二・〇%増の見通しとなっている。

(四) 四半期の動向(季節調整値)

 四半期の動向を前期比でみると、一〜三月期(実績)一・九%増の後、四〜六月期(実績見込み)は二・三%増となった。
 産業別にみると、製造業では、一〜三月期一・八%減の後、四〜六月期は九・五%増となった。
 非製造業では、一〜三月期四・五%増の後、四〜六月期は二・一%減となった。

(五) 四半期の動向(原数値)

 四半期別の動向を前年同期比でみると、一〜三月期(実績)七・〇%増の後、四〜六月期(実績見込み)は一・四%増となった。
 産業別にみると、製造業では、一〜三月期五・四%減の後、四〜六月期は五・一%増となった。
 非製造業では、一〜三月期一三・七%増の後、四〜六月期は〇・五%減となった。

六 海外直接投資の動向(全産業:原数値)(第11表参照

 平成十一年度に百万円以上の海外直接投資を行った企業は、今回の調査に回答した四千三百七十六社中五百二十八社(一二・一%)、総額五兆三百二十九億円(前年度比九七・九%増)となっている。
 産業別にみると、製造業では三兆九千四百十八億円(前年度比一一九・〇%増)、非製造業では一兆九百十一億円(前年度比四六・八%増)となっている。
 平成十二年度(計画)については、四千三百七十六社中三百五十四社(八・一%)、総額一兆五千四百七十五億円の見通しとなっている。
 産業別にみると、製造業では七千五百二十二億円、非製造業では七千九百五十三億円の見通しとなっている。






歳時記


雁渡る

 雁(かり)渡る こゑのあとさき 山河あり
                  鈴木蚊都夫(かづお)

 雁渡る 塩壷(つぼ)に匙(さじ) 深く埋め
                   星野昌彦  

 雁の群れが、秋の空を竿(さお)型になったり鈎(かぎ)型になったりして飛んでいく風景は、秋の風物詩の一つです。
 日本に来て越冬する雁は、ユーラシア大陸や北米で繁殖した真雁(まがん)や、シベリアで繁殖したヒシクイが多く、十月ごろに飛来し、翌年三月ごろ、北に帰ります。
 雁が十羽ぐらいの群れで鳴き交わしながら、長い列をつくったりV字型になったりして秋の空を飛ぶ様は、季節の訪れのシンボルとして親しまれてきました。しかし、最近はあまり見かけなくなりました。これは、日本に飛来する雁の数が減ってきているためのようです。
 春にも雁の北帰行が見られるのですが、俳句の季語である「雁渡る」は、秋を指すものです。
 雁は去来期が比較的正確な渡り鳥とされています。陰暦八月を「雁来月(がんらいづき)」、陰暦九月に吹く風を「雁渡(かりわた)し」などと呼んだのは、雁の渡り鳥としての習性に由来したものでしょう。
 都会では見るチャンスが少なくなりましたが、秋真っ盛りの時期に、自然のなかをハイキングすれば、雁が渡る姿が見られるかもしれません。十月は「全国・自然歩道を歩こう月間」です。自然と触れ合い親しむことを習慣づけるためにも、計画的に各地を歩いてみてはいかがでしょうか。
(『広報通信』平成十二年十月号)


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六月の雇用・失業の動向


―労働力調査 平成十二年六月及び平成十二年四〜六月平均結果の概要―


総 務 庁


◇就業状態別の人口

 平成十二年六月末の就業状態別人口をみると、就業者は六千五百三万人、完全失業者は三百二十一万人、非労働力人口は三千九百九十六万人で、前年同月に比べそれぞれ十六万人(〇・二%)減、八万人(二・四%)減、八十四万人(二・一%)増となっている。

◇就業者

(1) 就業者

 就業者数は六千五百三万人で、前年同月に比べ十六万人(〇・二%)の減少となっている。男女別にみると、男性は三千八百二十九万人、女性は二千六百七十四万人で、前年同月と比べると、男性は十六万人(〇・四%)減、女性は同数となっている。

(2) 従業上の地位

 就業者数を従業上の地位別にみると、雇用者は五千三百七十九万人、自営業主・家族従業者は一千百五万人となっている。前年同月と比べると、雇用者は五十八万人(一・一%)増、自営業主・家族従業者は六十九万人(五・九%)減となっている。
 雇用者のうち、非農林業雇用者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○非農林業雇用者…五千三百四十三万人で、五十八万人(一・一%)増、二か月連続の増加
 ○常 雇…四千七百三万人で、二十九万人(〇・六%)増、二か月連続の増加
 ○臨時雇…五百十九万人で、二十三万人(四・六%)増、平成八年九月以降増加が継続
 ○日 雇…百二十一万人で、六万人(五・二%)増

(3) 産 業

 主な産業別就業者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○農林業…三百三十二万人で、二十一万人(五・九%)減
○建設業…六百四十二万人で、十九万人(二・九%)減
○製造業…一千三百三十五万人で、十万人(〇・七%)減、平成九年六月以降減少が継続
○運輸・通信業…四百十五万人で、二十五万人(六・四%)増、三か月連続で増加
○卸売・小売業、飲食店…一千四百八十四万人で、二万人(〇・一%)減
○サービス業…一千七百三十六万人で、四十二万人(二・五%)増、四か月連続で増加
 また、主な産業別雇用者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○建設業…五百三十一万人で、十万人(一・八%)減
○製造業…一千二百十七万人で、十一万人(〇・九%)増
○運輸・通信業…三百九十五万人で、二十五万人(六・八%)増
○卸売・小売業、飲食店…一千二百七万人で、七万人(〇・六%)増
○サービス業…一千四百八十七万人で、四十三万人(三・〇%)増

(4) 従業者階級

 企業の従業者階級別非農林業雇用者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○一〜二十九人規模…一千七百三十四万人で、十万人(〇・六%)減、九か月連続の減少
○三十〜四百九十九人規模…一千七百五十七万人で、二十九万人(一・七%)増、十三か月ぶりの増加
○五百人以上規模…一千二百七十六万人で、二十四万人(一・九%)増、九か月連続で増加

(5) 就業時間

 六月末一週間の就業時間階級別の従業者数(就業者から休業者を除いた者)及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○一〜三十五時間未満…一千四百六万人で、十六万人(一・一%)減少
 ・うち一〜三十時間未満…一千三十五万人で、四万人(〇・四%)減少
○三十五時間以上…四千九百八十七万人で、七万人(〇・一%)増加
 ・うち四十九時間以上…一千八百五十四万人で、九十五万人(五・四%)増加、十二か月連続で増加
 また、非農林業の従業者一人当たりの平均週間就業時間は四十三・一時間で、前年同月に比べ〇・四時間の増加となっている。

◇完全失業者

(1) 完全失業者数

 完全失業者数は三百二十一万人で、前年同月に比べ八万人(二・四%)減と、二か月連続の減少となっている。男女別にみると、男性は百九十四万人、女性は百二十七万人で、前年同月に比べ、男性は十二万人(五・八%)の減少、女性は四万人(三・三%)の増加となっている。
 また、求職理由別完全失業者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○非自発的な離職による者…百五万人で、十三万人減少
○自発的な離職による者…百十万人で、七万人増加
○学卒未就職者…十七万人で、一万人増加
○その他の者…七十四万人で、五万人減少

(2) 完全失業率(季節調整値)

 季節調整値でみた完全失業率(労働力人口に占める完全失業者の割合)は四・七%で、前月に比べ〇・一ポイントの上昇。男女別にみると、男性は四・八%で、前月に比べ〇・二ポイントの上昇、女性は四・六%で、前月に比べ〇・一ポイントの上昇となっている。

(3) 完全失業率(原数値)

 完全失業率は四・七%で、前年同月に比べ〇・一ポイントの低下となっている。男女別にみると、男性は四・八%で〇・三ポイントの低下、女性は四・五%で、〇・一ポイントの上昇となっている。

(4) 年齢階級別完全失業者数及び完全失業率(原数値)

 年齢階級別完全失業者数、完全失業率及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
 [男]
○十五〜二十四歳…四十三万人(三万人減)、一〇・五%(〇・二ポイント低下)
○二十五〜三十四歳…四十三万人(六万人減)、四・七%(〇・七ポイント低下)
○三十五〜四十四歳…二十四万人(一万人増)、三・一%(〇・一ポイント上昇)
○四十五〜五十四歳…三十二万人(同数)、三・四%(同率)
○五十五〜六十四歳…四十六万人(二万人減)、六・九%(〇・一ポイント低下)
 ・五十五〜五十九歳…十八万人(二万人減)、四・五%(〇・四ポイント低下)
 ・六十〜六十四歳…二十八万人(同数)、一〇・四%(〇・一ポイント上昇)
○六十五歳以上…七万人(二万人減)、二・三%(〇・五ポイント低下)
 [女]
○十五〜二十四歳…三十万人(一万人増)、八・〇%(〇・七ポイント上昇)
○二十五〜三十四歳…三十八万人(三万人減)、六・四%(〇・六ポイント低下)
○三十五〜四十四歳…二十一万人(二万人増)、四・〇%(〇・三ポイント上昇)
○四十五〜五十四歳…十九万人(同数)、二・八%(同率)
○五十五〜六十四歳…十七万人(三万人増)、四・〇%(〇・七ポイント上昇)
○六十五歳以上…二万人(同数)、一・〇%(同率)

(5) 世帯主との続き柄別完全失業者数及び完全失業率(原数値)

 世帯主との続き柄別完全失業者数、完全失業率及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○世帯主…九十一万人(三万人減)、三・四%(〇・一ポイント低下)
○世帯主の配偶者…三十九万人(二万人減)、二・七%(〇・一ポイント低下)
○その他の家族…百四十三万人(一万人減)、七・七%(同率)
○単身世帯…四十八万人(二万人減)、五・九%(〇・二ポイント低下)

(6) 地域別完全失業率

 平成十二年四〜六月平均の地域別完全失業率及び対前年同期増減は、次のとおりとなっている。
北海道…五・八%(一・〇ポイント上昇)
東 北…四・二%(〇・四ポイント低下)
南関東…五・二%(〇・四ポイント低下)
北関東・甲信…三・七%(〇・二ポイント上昇)
北 陸…三・六%(〇・五ポイント低下)
東 海…四・一%(〇・二ポイント上昇)
近 畿…五・九%(〇・二ポイント低下)
中 国…四・三%(〇・二ポイント上昇)
四 国…四・一%(同率)
九 州…五・四%(〇・三ポイント上昇)










暮らしのワンポイント


落とし物を防ぐ

いつも慌てず、体から離さず

 外出時、大事なものをどこかに置き忘れたり落としたり…。だれでも一度は経験があるはずです。
 よくある財布や手帳の置き忘れを防ぐ第一の極意は、「慌てて行動しない」です。電車やバスから急いで降りたときに、うっかり落としたり置き忘れたりする例が多いので、常に時間の余裕をもって動くことが大切です。
 次に忘れてはならないのは、「大事な物は体から離さない」こと。疲れて電車で居眠りしてしまいそうな時は、荷物を網棚に置いたりせず、膝(ひざ)の上に載せたり抱きかかえたりします。また、カバンから出した物は手から離さず、用が済んだらすぐにしまうことを心がけます。
 物を落としにくいスタイルをあらかじめ作っておくのもポイント。カバンは手で持つよりも、肩にかけたりたすき掛けにしたりするほうがベター。さらに、たくさんポケットがついている機能的なカバンを選び、どこに何を入れるかを決めておけば、出し入れもスムーズ。うっかり落とす確率も格段に低くなります。財布とカバンをひもでつなぐのもいいアイデアです。
 どんなに気をつけていても、落とし物をすることがあります。それに備えて対策を考えておくことも必要です。
 クレジットカードは、すぐ使用停止の手続きができるよう、カード会社の連絡先とカードのナンバーを控えておく。自宅のかぎはスペアを作り、信用のおける友人に預けたり勤め先に保管しておいたりしましょう。
 最近は、携帯電話のメモリ機能に頼り、アドレス帳を持たない人も増えていますが、電話を紛失したら、どこにも連絡できなくなります。アドレス帳を作り、コピーも取っておけば万全です。
(『広報通信』平成十二年十月号)

 言葉の履歴書


 テラー技能審査

 「テラー」とは、銀行などの金融機関の窓口で、預金、為替、証券等の事務処理やセールスなどをする人を指します。
 テラー技能審査は、テラーを対象とし、多様化する顧客のニーズに応(こた)えるための、不可欠な業務知識と実践能力を、学科試験・実技試験両面から審査するものです。
 金融機関業務関連としては、昭和六十年に初の労働省認定を受けた技能審査です。
 等級は一級から三級まであり、三級はテラーとしての事務処理などの基礎的能力を、二級は応用力やセールス力を、一級は最高水準の知識や技能、意欲などの総合能力を審査します。
 受験資格は、三級は一年以上、二級は二・五年以上(三級合格後は一年以上)、一級は五年以上(二級合格後は一年以上)の各々実務経験が必要です。
 テラー技能審査についての問い合わせは、(社)金融財政事情研究会検定センター рO3―3358―0771までお願いします。
(『広報通信』平成十二年十月号)



    <10月25日号の主な予定>

 ▽土地白書のあらまし………………国 土 庁 

 ▽原子力安全白書のあらまし………原子力安全委員会 

 ▽月例経済報告(九月報告)………経済企画庁 




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