官報資料版 平成12年12月6日




                  ▽海上保安白書のあらまし…………………………………………海上保安庁

                  ▽消費者物価指数の動向(東京都区部九月中旬速報値)………総 務 庁

                  ▽労働力調査(八月)………………………………………………総 務 庁

                  ▽毎月勤労統計調査(八月分)……………………………………労 働 省











海上保安白書のあらまし


 海上保安庁は、平成12年版「海上保安の現況」(海上保安白書)を作成し、9月12日の閣議の後、公表した。

海上保安庁


 海上保安庁は、治安の維持、海上交通の安全確保、海難の救助、海上防災・海洋環境保全、国内外関係機関との連携・協力を使命として、日夜幅広い業務を行っている。
 「海上保安の現況」(海上保安白書)は、これら海上保安庁が実施している業務について、広く国民に紹介し、理解と協力を得ることを目的として、昭和三十一年から刊行しており、今回は四十五回目に当たる。
 平成十二年版「海上保安の現況」は、
 「海上保安をめぐる主な出来事」
 「第1部 二十一世紀に向けて」
 「第2部 海上保安の動向」
の三部構成になっている。
 「海上保安をめぐる主な出来事」においては、十一年七月から十二年七月までの間における様々な動きの中で、海上保安業務に対する国民の理解を得る上で、特に話題性のある事柄を記述している。
 第1部は、「二十一世紀に向けて」と題して、「グローバル化する犯罪への対応」、「情報技術の活用」、「国民が安心して海に親しむための取組」という、今後海上保安庁が取り組むべき三つの重点課題について、海上保安を取り巻く状況とその対応策を記述している。
 また、第2部は、海上治安の動向、海上交通の安全確保の状況、海難の救助、海洋環境の保全と海上防災の状況等、平成十一年を中心に海上保安庁が実施した各分野ごとの施策と現状について記述している。
 なお、この海上保安白書のあらましにおいては、内容を簡潔にまとめるため、構成を若干変更している。

第1部 二十一世紀に向けて

 二十一世紀に向けて注目すべき社会の変化として、グローバリゼーションと情報技術革命があげられる。海上保安庁は、こうした変化に適切に対応していかなければならない。
 また、海には全てを包み込む強さとたくましさがあり、寛容な心と好奇心をはぐくみ、我々に安らぎを与え、傷ついた心を癒してくれる。我々に必要な恵み、栄養素を与えてくれる海への関心が深まることで、二十一世紀への新しい展望が拓けてくるのではないだろうか。そのために海上保安庁は、より多くの国民が安心して海に親しみ、海で遊べるように応援していきたい。

1 グローバル社会の舞台裏

(1) 薬物・銃器の密輸
ア 続発する大量覚せい剤の密輸入
 アジア地域における最近の薬物押収状況をみると、依然として大麻の押収量が全体の半数以上を占めているものの、覚せい剤の押収量が急激に増加している傾向にある(第1図参照)。
 我が国においては、昭和五十九年の検挙人員をピークとする「第二次覚せい剤乱用期」以来の「第三次覚せい剤乱用期」として、非常に深刻な問題となっている(第2図参照)。
 また、銃器を使用した凶悪な事件が続き、一般市民の被害が相次ぐなど、銃器に関しても治安上極めて憂慮すべき事態となっている。
 我が国における十一年の覚せい剤押収量は、約二トンであり、記録的な大量の押収量となっている。十一年十月に摘発した鹿児島県黒瀬海岸における密輸入事件では、一事件としての押収量が史上最高の約五百六十四・六キログラムを記録するなど、大量の密輸入事犯が続発している(第3図参照)。
 従来は、コンテナを利用して大都市圏の港に持ち込まれる事例が多かったが、十一年には、瀬取りや貿易船内に隠匿する等の方法で地方港や海岸部からの陸揚げを企図する事犯も見受けられる。

イ 薬物・銃器の密輸入を阻止するために
 悪質、巧妙化する薬物・銃器の密輸事犯を摘発するため、警察、税関等の関係取締機関との協力・連携を強化している。
 さらに、外国取締機関との協力・連携を強化しており、十二年一月には「二〇〇〇年薬物対策東京会合」の一環として、「薬物海上取締官養成セミナー(MADLES2000)」を開催し、東・東南アジア九か国からの参加の下、実習や情報交換及び域内協力について検討を行った。
 今後とも、国内外の関係機関と更に連携を強化し、引き続き薬物・銃器の水際での流入阻止に向けて、積極的に対策を講じていくこととしている。

(2) 密航
ア ますます巧妙化する密航
 近年、集団密航が多発した背景には、国際的な密航請負組織や暴力団等の犯罪組織が密航に関与し、組織の資金を得るためにビジネス化したことが一因となっている。
 密航の手口は、船内に隠し部屋を設けた潜伏密航や、最新の印刷技術を取り入れた偽変造旅券の使用など、ますます巧妙化している。
 十二年は、六月末までに検挙した密航事件は六件、検挙者は密航者十六名、手引者等五名の計二十一名であり、現在のところ大幅に減少している。十一年五月までは、前年を上回る勢いで事件が多発したが、十一年後半から散発化し、現在に至っている(第4図参照)。

イ 密航を阻止するために
 巧妙化する密航事犯を摘発するには、確度の高い迅速な情報の入手が重要であり、国内外関係機関との情報の共有化など、連携強化につとめている。
 また、本邦周辺海域における監視取締りの実施、ぐ犯国からの来航船に対する徹底した立入検査の実施等を更に充実させるため、
・電磁波等を使用した密航者探索資器材の充実
・不審な船舶を早期に発見するための沿岸監視システムの充実
・偽変造旅券等の鑑定能力の充実・強化
を図ることとしている。

(3) 海賊
ア 多発・広域化する海賊問題
 近年、海賊及び船舶に対する武装強盗事件は、世界的に増加の一途をたどっている。国際海事機関の資料によると、七年には百三十二件であったものが、十一年には三百九件と約二・四倍に増加している。このうち半数以上がマラッカ・シンガポール海峡及びインドネシア周辺海域を中心とする東南アジアで発生している。
 最近では、十一年十月に発生したアロンドラ・レインボー号事件をはじめとして、武器を所有し、乗組員を放り出して、船体ごと奪い取るような被害も発生しており、手口が凶悪化している。
 東南アジアにおける海賊は、国際的なシンジケートとかかわっていると思われ、犯行後の逃走範囲も広域化していることから、一国のみでの対応には限界があり、関係国の連携が緊急に求められている。

イ 海賊問題を解決するために
 十二年四月、アジア各国の海上警備機関二十六機関が東京において一堂に会する「海賊対策国際会議(海上警備機関責任者会合)」を開催した。国際的な連携・協力の必要性及び今後の具体的な連携・協力の分野について、活発な意見交換が行われ、今後の取組及び連携・協力の指針となる「アジア海賊対策チャレンジ二〇〇〇」が採択された。
 今回の会議において、連携・協力の具体化のため、海上保安大学校等への留学生の受入れ、各種セミナーの開催といった人材育成への協力、巡視船の相互訪問や合同訓練の実施、専門家会合の継続的な開催、資器材等の整備への支援を海上保安庁から提案し、各国から歓迎された。

(4) 国際情勢の変化に連動する業務ニーズ
ア 国際情勢の不安定要因に対する備え
 国外において治安の混乱状態に巻き込まれた国民の生命の安全を守ることや、不審船への対応等、より的確な領海警備の遂行が強く望まれている。
 十一年八月には、外務省の要請により、インドネシア・東チモールに巡視船を派遣した。十二月には、防衛庁と海上保安庁との間で「不審船に係る共同対処マニュアル」を締結したほか、高速特殊警備船の整備を行った。
 また、テロ等へ的確に対応するための特殊警備隊や、転覆海難といった特殊海難等、高度な救助技術を要する海難等へ的確に対応するための特殊救難隊が、常時即応できる体制を維持している。

イ 領海や資源を守る
 新日中・日韓漁業協定の締結など、我が国の排他的経済水域における業務ニーズは大幅に増加した。韓国・中国漁船が多数操業することが予想される海域の主要な漁場に重点を置いて、巡視船艇・航空機により監視取締りを行っているほか、領有権主張の抗議活動が繰り返されている尖閣諸島周辺海域には、常時巡視船を配備するとともに、定期的に航空機をしょう戒させ、領海侵犯・不法上陸の排除等にあたっている。
 我が国の周辺海域では、外国による海洋調査活動が確認されている。特に中国は、東シナ海等において海洋調査活動を頻繁に行っており、十一年は、過去最高の三十三隻を確認した。巡視船艇・航空機による追尾監視・中止要求を行い、外務省等に速報している(第5図参照)。
 海洋環境の保全についても、有害廃棄物の国際間移動を規制する条約(バーゼル条約)の発効や、国連等において廃棄物等の投棄に関する規則の強化や、船舶による大気汚染の軽減などの取組が検討されており、的確な監視取締りを実施するための手法の検討や、国内外関係機関との連携強化を推進することとしている。

2 海のIT戦略

(1) 救助率の向上のために
 救助率を向上させるためには、事故情報の早期入手、救助勢力の早期投入、救助対象の早期発見が必要不可欠である。このため、これらの分野において情報技術を活用し、救助体制の強化を図っている。
 事故情報の入手については、昨今の携帯電話の普及を受け、携帯電話と小型GPS受信機を使い、トラブル発生情報と自分の位置を自動的に救助機関に伝える新たな緊急時位置通報システムの開発・普及について検討を進めている。
 救助勢力の早期投入については、巡視船艇の動静を地図画面上で常に把握し、事故現場に最も近い巡視船艇を現場に向かわせる体制を構築することとしている。
 救助対象の早期発見については、救助対象の現在及び将来の位置を推算するための漂流予測を、現場海域で観測される風と海潮流の現況データ及び風の予報値をリアルタイムメッシュデータとして取り込み、二十四時間、オンラインでの対応を可能とした新たな漂流予測システムを開発し、その精度の向上を図っている。

(2) より円滑な船舶交通の実現のために
 特に船舶交通のふくそうする海域において、より円滑な船舶交通を実現するために、情報技術を活用し、より迅速かつきめ細かい情報提供と航行管制を目指している。

(3) ユーザーが必要とする情報を提供するために
 海上保安庁では、船舶の動静、気象・海象情報、気象警報・注意報、海難の状況や海上での工事作業状況、各種イベント情報等、ユーザーに有益と思われる情報を、従来、NAVTEX、電話、無線電話、インターネット等を利用して提供してきた。今後は、ユーザーが必要とする情報をさらに収集・整理し、さまざまな情報提供手段を利用して容易に取り出せるようにすることを検討している。

(4) 港湾諸手続を簡素化するために
 十一年十月から主要港湾において港湾EDIシステムの運用を開始し、船会社・船舶代理店では、インターネットに接続できる環境さえあれば、簡潔・迅速に手続きを行うことが可能となった。
 今後は、申請者利便の一層の向上を図るため、港湾EDIシステムと税関手続きをシステム処理している海上貨物通関情報処理システム(Sea−NACCS)等とを接続し、港湾諸手続のワンストップサービス化の早期実現を目指していくこととしている。

3 安心して海に親しむために

(1) 根強いマリンレジャーの人気
 最近のレジャー全体の傾向として、国内観光旅行や遊園地等の屋外型・非日常型レジャーの参加人口は減少し、家の中や家の周りで費用をかけずに楽しめる日常的レジャーであるパソコン、ビデオ鑑賞等の参加人口が増えていることが指摘されている。
 七年から十一年の五年間では、屋外型レジャーである海水浴の参加人口は減少傾向となっているが、その他のマリンレジャーの参加人口はほぼ横ばい状態にあり、人気の根強さがうかがわれる(第6図参照)。

(2) なぜ事故は起きるのか
ア ワーストワンはモーターボートの海難
 十一年に救助を必要とする海難に遭遇した船舶は、一千九百二十隻(十年は一千七百二十六隻)、これに伴う死亡・行方不明者は百四十六人(十年は百五十七人)であった。このうち、プレジャーボートは七百五十九隻(十年は六百八十六隻)と全体の四〇%を占め、これに伴う死亡・行方不明者は十五人(十年は二十人)であった(第7図参照)。
 プレジャーボートの要救助船舶隻数を船型別にみると、モーターボートの占める割合が大きく、十一年は五百七十六隻と全体の七六%を占めている(第8図参照)。
 モータボートの要救助船舶隻数を海難種類別にみると、機関故障百五十二隻、乗揚げ八十四隻、衝突七十七隻、燃料及びバッテリー容量不足による航行不能五十四隻であり、これらの合計は全体の六四%を占めており、愛好者が船の取り扱いになれていないことが原因の一つといえる(第9図参照)。

イ 死亡率の高い海浜事故
 海浜事故者数は七年以降、増加傾向にある。十一年における事故者数は八百人で、このうち三百四十八人が死亡・行方不明となっている。
 海浜事故者数を種類別にみると、遊泳中及び磯釣り中におけるものが四百八十四人と全体の六一%を占め、死亡率も高い。遊泳禁止海域で遊泳して溺れたものや、磯釣り中に足元をよく確認していなかったため転倒したものなどが多く、これらの事故は、自身がほんの少し安全に注意を払っていれば防げたものと思われる(第10図参照)。
 最近の事故について、更に踏み込んで分析するため、プレジャーボートや磯釣りの愛好者にアンケート調査を実施したところ、調査結果から次のことが認められた。
・少なからぬ者が、乗揚げや海中転落の危険に陥りかけた経験を有していること。
・船内に海図等を備えていない者が多数いること。
・救命胴衣があまり着用されていないこと。
・多くの者が携帯電話を利用していること。
・マリンレジャーの安全確保に関する意見・要望として、浅瀬や漁具の設置状況、気象・海象に関する情報の提供要望が多数あったこと。

(3) 新たな安全施策
 海上保安庁では、「プレジャーボート」用、「遊漁船」用、「水上オートバイ」用の海難防止指導パンフレットを作成・配布するなど、レジャーの目的に応じたきめ細かな啓発活動を行ってきた。しかし、事故の発生件数は依然増加傾向にあり、海上保安庁による一方通行的な安全指導にはおのずと限界がある。
 そこで、マリンレジャー愛好者自らが自覚を持って安全意識を高めていく環境を整備する必要があるとの認識に立ち、広く国民一般が海で遊び、海と親しみ、海から安全を学ぶ環境づくりを応援することで、事故の発生を未然に防ぐというアプローチを検討している。

ア 海道の旅(マリンロード)構想
 マイカーでドライブに行くように、プレジャーボートで海道を使って、安全に、ゆとりのある海上旅行ができる環境整備を進め、愛好者の自己責任意識及び安全意識の向上を図っていくこととしている。
 具体的には、プレジャーボートで安全に旅ができるように、出入港航路の安全確保や、係留場所等の面で適切な港湾やマリーナ等を海道の宿場に指定し、それらを結ぶ安全推奨航路を設定する。また、寄港地では、宿泊、観光はもとより、気象・海象、海上安全及びレジャー、陸上アクセス、給油施設等の情報が入手できるようにし、さらには、万一海上で海難等に遭遇した場合に、迅速な救助を可能とするネットワークを構築するというものである。

イ 携帯電話の海難救助への有効利用
 海上保安庁が実施したアンケート調査では、マリンレジャー愛好者の多くが、マリンレジャーの場に携帯電話を携行していることが分かっている。また、五月下旬の二日間にわたり、緊急通報用電話番号「118」への事故発生の通報について調査したところ、携帯電話による通報は全体の四〇%を占めていた。こうした携帯電話の普及を踏まえ、緊急時の連絡手段として携帯電話を有効に利用する方策を検討している。
 海上においては、携帯電話の通話可能エリアが限られていることから、携帯電話事業者による通話可能エリアの拡大を支援するため、灯台等の利用について、当庁の業務に支障のない範囲で協力することとしている。
 また、海には地番・地名等がなく、遭難者が自分の位置を救助機関に伝えることが困難であることから、前述の緊急時位置通報システムの開発・普及について検討を進めるとともに、既存の通報システムの普及を支援している。
 なお、海難事故が携帯電話の通話可能エリア外で発生した場合の捜索方法等については、今後の課題として検討を進めることとしている。

ウ より安全な海に向けて
 十一年の磯釣り及びプレジャーボートの事故について調査した結果、救命胴衣を着用していた者の生存率は七九%であったのに対し、着用していなかった者の生存率は三一%であった(第11図参照)。今後は、死亡・行方不明とならないために有効な救命胴衣の着用率向上策を検討する必要がある。
 また、遊泳中、磯釣り中の事故には、気象・海象の把握が不十分であることに起因するものが多く見受けられることから、インターネットや携帯電話を使った情報提供の充実を図る等、提供する情報の内容及び提供方法について検討していくこととしている。
 さらに、長大な我が国沿岸海域で日常的に発生するマリンレジャー等の海難に対し、迅速かつ的確に救助活動を行うためには、海上保安庁の勢力のみならず、民間救助機関の活用も有効であることから、(財)日本海洋レジャー安全・振興協会が行う会員制プレジャーボート救助システムBANのサービスエリアの拡張、(社)日本水難救済会等、民間ボランティア団体の活動を支援していくこととしている。


目次へ戻る

消費者物価指数の動向


―東京都区部(九月中旬速報値)・全国(八月)―


総 務 庁


◇九月の東京都区部消費者物価指数の動向

一 概 況

(1) 総合指数は平成七年を一〇〇として一〇〇・六となり、前月比は〇・三%の上昇。前年同月比は六月一・二%の下落、七月〇・九%の下落、八月一・三%の下落と推移した後、九月は一・四%の下落となった。
(2) 生鮮食品を除く総合指数は一〇一・〇となり、前月比は〇・三%の上昇。前年同月比は六月〇・九%の下落、七月〇・七%の下落、八月〇・八%の下落と推移した後、九月は一・〇%の下落となった。

二 前月からの動き

(1) 食料は九九・五となり、前月に比べ〇・二%の上昇。
  生鮮魚介は三・三%の下落。
   <値上がり> いわし、いかなど
   <値下がり> さんま、かつおなど
  生鮮野菜は八・二%の上昇。
   <値上がり> きゅうり、トマトなど
   <値下がり> れんこん、さといもなど
  生鮮果物は六・二%の下落。
   <値上がり> バナナ、グレープフルーツ
   <値下がり> なし、ぶどう(「巨峰」)など
(2) 被服及び履物は一〇五・三となり、前月に比べ五・五%の上昇。
  衣料が八・〇%の上昇。
   <値上がり> 婦人ブレザーなど
(3) 交通・通信は九九・三となり、前月に比べ〇・六%の下落。
  交通が一・五%の下落。
   <値下がり> 航空運賃など
(4) 諸雑費は一〇三・二となり、前月に比べ〇・二%の下落。
  身の回り用品が〇・六%の下落。
   <値下がり> ハンドバッグなど

三 前年同月との比較

 ○上昇した主な項目
  電気代(三・六%上昇)
 ○下落した主な項目
  家賃(一・六%下落)、生鮮野菜(八・九%下落)、生鮮果物(一三・九%下落)、外食(一・六%下落)
 (注) 上昇又は下落している主な項目は、総合指数の上昇率に対する影響度(寄与度)の大きいものから順に配列した。

四 季節調整済指数

 季節調整済指数をみると、総合指数は一〇〇・四となり、前月に比べ〇・二%の下落となった。
 また、生鮮食品を除く総合指数は一〇〇・七となり、前月に比べ〇・二%の下落となった。

◇八月の全国消費者物価指数の動向

一 概 況

(1) 総合指数は平成七年を一〇〇として一〇一・三となり、前月と同水準。前年同月比は五月〇・七%の下落、六月〇・七%の下落、七月〇・五%の下落と推移した後、八月は〇・八%の下落となった。
(2) 生鮮食品を除く総合指数は一〇一・六となり、前月比は〇・一%の下落。前年同月比は五月〇・二%の下落、六月〇・三%の下落、七月〇・三%の下落と推移した後、八月は〇・三%の下落となった。

二 前月からの動き

(1) 食料は一〇〇・四となり、前月に比べ〇・五%の上昇。
  生鮮魚介は五・五%の上昇。
   <値上がり> さんま、あじなど
   <値下がり> いか、ぶりなど
  生鮮野菜は三・一%の上昇。
   <値上がり> レタス、トマトなど
   <値下がり> なす、かんしょなど
  生鮮果物は一・四%の下落。
   <値上がり> キウイフルーツ、レモン
   <値下がり> ぶどう(「デラウェア」)、ぶどう(「巨峰」)など
(2) 家具・家事用品は九一・二となり、前月に比べ〇・四%の下落。
  家庭用耐久財が〇・六%の下落。
   <値下がり> ルームエアコンなど
(3) 被服及び履物は一〇〇・一となり、前月に比べ二・二%の下落。
  衣料が二・八%の下落。
   <値下がり> スーツ(夏物)など
(4) 交通・通信は九八・一となり、前月に比べ〇・三%の上昇。
  交通が一・〇%の上昇。
   <値上がり> 航空運賃など
(5) 教養娯楽は九八・六となり、前月に比べ〇・三%の上昇。
  教養娯楽サービスが〇・四%の上昇。
   <値上がり> 宿泊料など

三 前年同月との比較

 ○上昇した主な項目
  自動車等関係費(一・五%上昇)、電気代(三・二%上昇)、家賃(〇・三%上昇)
 ○下落した主な項目
  生鮮野菜(一七・六%下落)、生鮮魚介(三・五%下落)、家庭用耐久財(七・六%下落)、外食(一・一%下落)
 (注) 上昇又は下落している主な項目は、総合指数の上昇率に対する影響度(寄与度)の大きいものから順に配列した。

四 季節調整済指数

 季節調整済指数をみると、総合指数は一〇一・五となり、前月に比べ〇・一%の下落となった。
 また、生鮮食品を除く総合指数は一〇一・九となり、前月に比べ〇・一%の上昇となった。




















目次へ戻る

八月の雇用・失業の動向


―労働力調査 平成十二年八月結果の概要―


総 務 庁


◇就業状態別の人口

 平成十二年八月末の就業状態別をみると、就業者は六千四百八十万人、完全失業者は三百十万人、非労働力人口は四千三十二万人で、前年同月に比べそれぞれ三十一万人(〇・五%)減、十万人(三・一%)減、八十七万人(二・二%)増となっている。

◇就業者

(1) 就業者

 就業者数は六千四百八十万人で、前年同月に比べ三十一万人(〇・五%)の減少となっている。男女別にみると、男性は三千八百三十二万人、女性は二千六百四十九万人で、前年同月と比べると、男性は十二万人(〇・三%)減、女性は十八万人(〇・七%)減となっている。

(2) 従業上の地位

 就業者数を従業上の地位別にみると、雇用者は五千三百五十六万人、自営業主・家族従業者は一千百四万人となっている。前年同月と比べると、雇用者は十一万人(〇・二%)増、自営業主・家族従業者は四十一万人減となっている。
 雇用者のうち、非農林業雇用者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○非農林業雇用者…五千三百二十三万人で、八万人(〇・二%)増、四か月連続の増加
 ○常 雇…四千六百五十四万人で、二十三万人(〇・五%)減、二か月連続の減少
 ○臨時雇…五百四十四万人で、二十五万人(四・八%)増、平成八年九月以降増加が継続
 ○日 雇…百二十五万人で、六万人(五・〇%)増

(3) 産 業

 主な産業別就業者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○農林業…三百四十三万人で、十七万人(五・二%)増
○建設業…六百五十五万人で、六万人(〇・九%)減、四か月連続の減少
○製造業…一千三百二十八万人で、四十一万人(三・〇%)減、平成九年六月以降減少が継続
○運輸・通信業…四百十九万人で、十九万人(四・八%)増、五か月連続で増加
○卸売・小売業、飲食店…一千四百六十二万人で、二十六万人(一・七%)減、三か月連続で減少
○サービス業…一千六百九十九万人で、二十六万人(一・六%)増、六か月連続で増加
 また、主な産業別雇用者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○建設業…五百三十七万人で、七万人(一・三%)減
○製造業…一千二百十八万人で、二十六万人(二・一%)減
○運輸・通信業…三百九十六万人で、十八万人(四・八%)増
○卸売・小売業、飲食店…一千百八十九万人で、六万人(〇・五%)減
○サービス業…一千四百六十九万人で、四十七万人(三・三%)増

(4) 従業者階級

 企業の従業者階級別非農林業雇用者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○一〜二十九人規模…一千七百二十三万人で、三万人(〇・二%)減、十一か月連続の減少
○三十〜四百九十九人規模…一千七百三十七万人で、増減なし(同数)
○五百人以上規模…一千二百八十九万人で、六万人(〇・五%)増、十一か月連続で増加

(5) 就業時間

 八月末一週間の就業時間階級別の従業者数(就業者から休業者を除いた者)及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○一〜三十五時間未満…一千四百五十三万人で、十七万人(一・二%)減少
 ・うち一〜三十時間未満…一千五十七万人で、六万人(〇・六%)減少
○三十五時間以上…四千八百九十三万人で、十四万人(〇・三%)減少
 ・うち四十九時間以上…一千八百五万人で、八十九万人(五・二%)増加、十四か月連続で増加
 また、非農林業の従業者一人当たりの平均週間就業時間は四十二・八時間で、前年同月に比べ〇・三時間の増加となっている。

◇完全失業者

(1) 完全失業者数

 完全失業者数は三百十万人で、前年同月に比べ十万人(三・一%)減と、四か月連続の減少となっている。男女別にみると、男性は百八十九万人、女性は百二十一万人で、前年同月に比べ、男性は三万人(一・六%)の減少、女性は七万人(五・五%)の減少となっている。
 また、求職理由別完全失業者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○非自発的な離職による者…九十七万人で、七万人減少
○自発的な離職による者…百十万人で、二万人減少
○学卒未就職者…十九万人で、四万人増加
○その他の者…七十五万人で、一万人減少

(2) 完全失業率(季節調整値)

 季節調整値でみた完全失業率(労働人口に占める完全失業者の割合)は四・六%で、前月に比べ〇・一ポイントの低下となっている。男女別にみると、男性は四・七%、女性は四・四%で、前月に比べ男性は〇・二ポイントの低下、女性は〇・一ポイントの上昇となっている。

(3) 完全失業率(原数値)

 完全失業率は四・六%で、前年同月に比べ〇・一ポイントの低下となっている。男女別にみると、男性は四・七%で〇・一ポイントの低下、女性は四・四%で、〇・二ポイントの低下となっている。

(4) 年齢階級別完全失業者数及び完全失業率(原数値)

 年齢階級別完全失業者数、完全失業率及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
 [男]
○十五〜二十四歳…四十万人(同数)、一〇・一%(〇・四ポイント上昇)
○二十五〜三十四歳…四十五万人(二万人増)、四・九%(〇・二ポイント上昇)
○三十五〜四十四歳…二十三万人(同数)、二・九%(同率)
○四十五〜五十四歳…三十万人(一万人増)、三・二%(〇・一ポイント上昇)
○五十五〜六十四歳…四十三万人(二万人減)、六・四%(〇・二ポイント低下)
 ・五十五〜五十九歳…十六万人(二万人減)、三・九%(〇・五ポイント低下)
 ・六十〜六十四歳…二十七万人(同数)、一〇・〇%(同率)
○六十五歳以上…九万人(三万人減)、二・九%(〇・九ポイント低下)
 [女]
○十五〜二十四歳…二十八万人(五万人減)、七・七%(〇・八ポイント低下)
○二十五〜三十四歳…四十万人(一万人減)、六・七%(〇・二ポイント低下)
○三十五〜四十四歳…十七万人(二万人減)、三・三%(〇・四ポイント低下)
○四十五〜五十四歳…二十万人(一万人減)、二・九%(〇・二ポイント低下)
○五十五〜六十四歳…十五万人(一万人増)、三・五%(〇・三ポイント上昇)
○六十五歳以上…二万人(一万人増)、一・〇%(〇・五ポイント上昇)

(5) 世帯主との続き柄別完全失業者数及び完全失業率(原数値)

 世帯主との続き柄別完全失業者数、完全失業率及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○世帯主…八十六万人(三万人減)、三・二%(〇・一ポイント低下)
○世帯主の配偶者…三十七万人(四万人減)、二・六%(〇・二ポイント低下)
○その他の家族…百三十六万人(五万人減)、七・四%(〇・二ポイント低下)
○単身世帯…五十一万人(二万人増)、六・四%(〇・四ポイント上昇)














目次へ戻る

賃金、労働時間、雇用の動き


毎月勤労統計調査 平成十二年八月分結果速報


労 働 省


 「毎月勤労統計調査」平成十二年八月分結果の主な特徴点は、次のとおりである。

◇賃金の動き

 八月の調査産業計の常用労働者一人平均月間現金給与総額は三十一万一千七百五十五円、前年同月比は〇・三%減であった。現金給与総額のうち、きまって支給する給与は二十八万三千六百八十三円、前年同月比一・三%増であった。これを所定内給与と所定外給与とに分けてみると、所定内給与は二十六万五千四百八十二円、前年同月比〇・九%増、所定外給与は一万八千二百一円、前年同月比は四・七%増であった。
 また、特別に支払われた給与は二万八千七十二円、前年同月比は一三・七%減であった。
 実質賃金は、〇・六%増であった。
 きまって支給する給与の動きを産業別に前年同月比によってみると、伸びの高い順に不動産業八・四%増、鉱業三・三%増、建設業三・〇%増、金融・保険業二・七%増、運輸・通信業一・九%増、製造業及び卸売・小売業,飲食店一・一%増、サービス業〇・二%増、電気・ガス・熱供給・水道業〇・四%減であった。

◇労働時間の動き

 八月の調査産業計の常用労働者一人平均月間総実労働時間は百五十・一時間、前年同月比は〇・二%増であった。
 総実労働時間のうち、所定内労働時間は百四十・六時間、前年同月と同水準、所定外労働時間は九・五時間、前年同月比四・四%増、所定外労働時間の季節調整値は前月比一・六%増であった。
 製造業の所定外労働時間は十三・二時間、前年同月比一二・八%増、季節調整値の前月比は一・四%増であった。

◇雇用の動き

 八月の調査産業計の雇用の動きを前年同月比によってみると、常用労働者全体で〇・二%減、常用労働者のうち一般労働者では〇・八%減、パートタイム労働者では二・二%増であった。
 常用労働者全体の雇用の動きを産業別に前年同月比によってみると、前年同月を上回ったものは不動産業一・八%増、サービス業一・六%増であった。前年同月を下回ったものは運輸・通信業〇・二%減、建設業〇・五%減、卸売・小売業,飲食店〇・七%減、製造業一・六%減、電気・ガス・熱供給・水道業二・四%減、金融・保険業三・二%減、鉱業三・五%減であった。
 主な産業の雇用の動きを一般労働者・パートタイム労働者別に前年同月比によってみると、製造業では一般労働者二・五%減、パートタイム労働者四・八%増、卸売・小売業,飲食店では一般労働者一・〇%減、パートタイム労働者〇・四%減、サービス業では一般労働者一・〇%増、パートタイム労働者四・八%増であった。








 十二月の気象


 十二月は冬が始まる月です。月の初めには移動性高気圧に覆われることもありますが、次第に北西の季節風が吹く日が多くなって寒くなります。暦の上では、七日ごろが「大雪」と呼ばれ、大雪が降り出すころといわれています。二十二日ごろが「冬至」と呼ばれ、一年で最も夜の長い日ですが、寒さの本番はこれからです。寒さといえば真冬日がありますが、これは最高気温が零度未満である日です。札幌では十一月には真冬日が一日程度ですが、十二月には十日程度に増えます。
◇北西の季節風
 大陸から吹き出す冷たく乾いた空気は、暖かい日本海の上を移動するうちに次第に暖められながら、海面から蒸発した水蒸気を多量に含み雲を作ります。こうしてできた雲から発達した積雲や積乱雲は日本列島の山脈にぶつかり、日本海側で雪を降らせます。水分を雪として地上に降らせた季節風は乾燥し、太平洋側では空っ風となります。日本列島の中心部には高い山脈があるため、冬に北西の季節風が吹くときは日本海側では雪、太平洋側では晴れるという対照的な天気になるのです。
◇北西の季節風による気象災害
 強い寒気と北西の季節風による大雪、強風、波浪による災害が多くなり始めるのが十二月です。平成十一年十二月十一日から十三日にかけて冬型の気圧配置が強まり、北海道や東北地方では冷え込みが厳しく、大雪と吹雪になりました。
◇陸上の霧による災害
 霧による陸上の視程不良は、春から初夏にかけて多いのですが、冬季には死者・負傷者などを出す事故につながる場合が目立ちます。冬には、極めて局地的に短時間に濃霧が発生しやすいためだと考えられています。
(気象庁)



    <12月13日号の主な予定>

 ▽独占禁止白書のあらまし…………………………………公正取引委員会 

 ▽法人企業の経営動向(平成十二年四〜六月期)………大 蔵 省 




目次へ戻る