官報資料版 平成13年3月21日




                  ▽消防白書のあらまし……………………………………消 防 庁

                  ▽法人企業統計調査(平成十二年七〜九月期)………財 務 省(大蔵省)

                  ▽巳(み)年生まれは一千八万人………………………総 務 省

                  ▽二〇〇一年の新成人は百五十七万人…………………総 務 省











消防白書のあらまし


消 防 庁


 消防庁は、平成十二年十二月十九日の閣議に「平成十二年版消防白書」を報告し公表した。
 「消防白書」は、火災その他の災害の実態と消防に関する施策の現状について、国民へ広く周知することを目的として、消防庁が、昭和三十年十一月に「わが国の火災の実態と消防の現状」として作成したことに始まり、毎年、閣議の了解を経て公表しているものである。

<特 集> 阪神・淡路大震災から五年

      ―新たな地震防災対策を目指して―

 平成七年一月十七日に発生し、都市直下型地震として、死者六千四百三十二人、行方不明者三人、負傷者四万三千七百九十二人、住家の全壊十万四千九百六棟など戦後最大の被害をもたらした阪神・淡路大震災から五年の歳月が経過した。
 このことを踏まえ、地震災害における消防防災対策の観点から、「新たな地震防災対策を目指して」と題し、これまでの阪神・淡路大震災の教訓を活かした取組みを整理し、新時代に向けて地震防災施策をどのように展開すべきかを「特集 阪神・淡路大震災から五年」としてとりまとめた。

(1) 阪神・淡路大震災の教訓を活かして
 阪神・淡路大震災は、都市直下型の大規模地震であったことなどから、都市基盤の脆弱性が明確になり、地域の防災力をはるかに超える状況になるなど、消防・防災のあり方が問われた。このため、震災の教訓をどう活かしたかという観点から、これまでの各種取組みを記述した。
 @ 初動体制の充実
   消防庁では、大震災直後に地方公共団体に対し、職員の参集基準の明確化、緊急時の情報伝達方法、夜間・休日の宿直体制の整備など地域防災計画の見直しを要請するとともに、消防庁の宿日直体制の充実、幹部等の待機宿舎への入居など、二十四時間対応体制の充実強化を図った。
 A 広域的な応援体制の確立
   全国すべてのブロックで広域応援協定の締結等がなされ、さらに平成八年七月に全都道府県による応援協定が締結された。
 B 緊急消防援助隊の創設
   大規模災害の発生に際して、迅速な人命救助活動等を行うため、全国から高度な資機材を装備した救助隊等が迅速に出動し、効果的な消防応援活動を行う体制を確立することを目的として、平成七年六月に全国の消防機関による緊急消防援助隊が創設された。
 C 消防・防災ヘリコプターの整備
   阪神・淡路大震災における消防・防災ヘリコプターの活躍にかんがみ、消防庁ではその整備体制を更に促進するため、国庫補助金等の財政支援を行い、平成十一年度末までに六十七機が整備された。
 D 消防団の充実強化、災害ボランティアとの連携等
   消防団、自主防災組織等に対して資機材等を充実するために財政支援を行ったほか、災害ボランティアの研修・訓練に対する経費について財政措置を講じるなど、その充実強化に努めた。
 E 防災基盤の整備推進
   防災基盤の整備促進のため、平成七年六月に地震防災対策特別措置法が制定され、総合的な地震防災対策が強化され、地震防災緊急事業五箇年計画の作成と、それに伴う国庫補助金に係る補助負担率の引き上げ措置、地方債と地方交付税措置を活用した緊急防災基盤整備事業の創設、防災まちづくり事業における震災対策特別事業の創設、公共施設の耐震化の促進のための財政措置の延長などの対策を講じた。
 F 情報通信基盤の整備
   大規模災害時における情報収集・伝達体制を充実強化するため、地上系の消防防災無線等の整備に加え、衛星系による地域衛星通信ネットワークの整備促進を行ったほか、画像伝送システムの導入を推進した。
 G 危険物施設の耐震性強化
   消防庁では、危険物施設の耐震性強化として、耐震性に関する調査結果に基づいて特定屋外タンク貯蔵所、準特定屋外タンク貯蔵所、防油堤などの耐震性強化に係る技術上の基準の制定、見直しなどを行った。

(2) 新時代に向けての地震防災施策の展開
 この五年間に、政府としての危機管理体制の確立、あるいは社会経済情勢の変化、情報通信技術の進展など、消防・防災を取り巻く環境に大きな変化が生じている。このため、今後、これらの動向を踏まえた体制づくりと施策の展開を図っていく必要があり、新時代に向けての地震防災施策の課題と、その対応を記述した。
 @ 地震に強いまちづくりへの対応
   阪神・淡路大震災の経験と教訓を踏まえ、地震に強い安全で安心なまちづくりを推進するに当たって、生命、身体、財産を守る優れた都市基盤の整備が重要である。
   このため、本年度で終了する地震防災緊急事業五箇年計画の実績等を踏まえ、引き続き計画的かつ効果的な地震防災対策の推進に努める必要がある。また、特に公共施設の耐震化の推進は極めて重要である。
 A 災害に強い情報システムの確立
   大規模災害時に迅速かつ的確な対応を行うために、被災地域の被害状況を早急に把握し伝達することは極めて重要である。画像伝送システム整備の積極的な推進、画像・データ等の大容量情報伝達を行うための、消防・救急無線等のデジタル化などが必要である。
 B 地域防災計画の充実
   地域防災計画震災対策編の策定、見直しに当たっては、地域の実情を十分に踏まえた記述に努め、社会環境、自然環境等の変化に応じて定期的な見直し等が必要である。
   また、地域防災計画に定めた災害対応に沿ったマニュアルを作成し、計画の実効性の向上を図ることが重要である。
 C 緊急消防援助隊の充実
   平成十二年には、より迅速、かつ、効果的な広域消防応援活動を行うため、救助部隊、救急部隊の隊数を増加するとともに、大規模火災への対応能力を強化するため、消火部隊を近隣都道府県からだけではなく、全国から出動させる体制に改めるなど充実を図った。
   さらに、都道府県は緊急消防援助隊が迅速に活動できるよう、応援を受けることを想定して、連絡方法、集結場所などに関する計画をあらかじめ整備しておくこととしたが、今後も逐次検証を行い、その充実を図る必要がある。
 D 消防・防災ヘリコプターの活動体制の整備
   消防・防災ヘリコプターの活動体制を整備するため、数多くの臨時離着陸場を設けるとともに、照明設備のある離着陸場の整備、夜間運航体制の確立、医療機関との連携体制の整備推進などが重要である。
 E 消防団活動の活性化の促進
   今後とも、消防団における情報連絡体制の強化を図るとともに、施設・装備の充実を図り、消防団活動の活性化を促進する必要がある。また、災害時において自主防災組織等と連携した活動ができるよう、日頃からその知識や技術を更に有効活用し、自主防災組織等への指導・啓発等を積極的に行うことが必要である。
 F 円滑な被災者対策の構築
   円滑な被災者対策を構築するために、防災情報の伝達手段である防災行政無線(同報系)の整備を促進するとともに、コミュニティ放送、インターネットなどの活用を図ることが重要である。
   また、高齢者、子供、外国人等の災害弱者に対する情報提供等において、一般の住民に対する対策とは別にきめ細かな対策を構築することが必要である。
   さらに、特集では、参考資料として人的被害及び主な物的被害の状況について記述するとともに、阪神・淡路大震災以後における震災対策関連の主な消防庁通知の一覧を掲げている。

<第1章> 災害の現況と課題

(1) 火災
 @ 平成十一年中の出火件数は五万八千五百二十六件で、前年の五万四千五百十四件に比べ四千十二件増加している。
   なお、この十年間の火災の動向をみると、平成六年以降六万件を超えていた出火件数は、平成十年には、五年ぶりに五万件台に減少し、平成十一年においても、増加はしたものの五万件台で推移している(第1表第1図参照)。
 A 平成十一年中の出火率(人口一万人当たりの出火件数)は、全国平均で四・七(対前年比〇・四ポイント増)であり、これを都道府県別でみると、最高は山梨県の六・〇、次いで東京都、茨城県の五・九となっている。
 B 平成十一年中の火災による死者数は二千百二十二人で、前年の二千六十二人に比べ六十人増加しており、一日当たりの火災による死者数は、五・八人となっている。
   なお、火災による死者は、平成六年以降全体的には増加傾向にあり、平成十一年は、阪神・淡路大震災が発生した平成七年に次いで、戦後二番目の死者数となっている。
   また、住宅火災による死者一千二百二十八人のうち、放火自殺者、放火自殺の巻き添え及び放火殺人二百四十七人を除く失火等による死者は九百八十一人(対前年比百十六人増)で、このうち六十五歳以上の高齢者は五百四十九人(五六・〇%)と半数を超えている。
 C 出火原因は、「放火」が七千四百八十一件で前年に比べ百八十七件増加しており、全火災の一二・八%を占め三年連続して第一位となっている。次いで「たばこ」による火災が六千四百十五件(対前年比七百二十五件増)となっている。
   なお、「放火の疑い」によるものは五千四百六十四件で、前年に比べ二百九十一件増加しており、「放火」及び「放火の疑い」を合わせると一万二千九百四十五件で、全火災の二二・一%を占めている。

(2) 危険物施設等災害
 平成十一年中の危険物施設における火災の発生件数は百六十二件で、前年に比べ五件増加し、死者は四人、負傷者は四十五人、損害額は三十五億六千九百六十六万円となっている。
 なお、昭和五十年代中頃より、おおむね緩やかな減少傾向を示していた危険物施設における事故件数は、平成六年を境にして増加傾向を示しており、平成十一年中の火災事故件数は、昭和六十年以降で最多となっている。

(3) 石油コンビナート災害
 平成十一年中に石油コンビナート等特別防災区域内で発生した災害の件数は九十一件で、前年に比べ十七件増加し、死者は二人、負傷者は三十人、損害額は七億九千八百三十四万円となっている。

(4) 林野火災
 平成十一年中の林野火災の件数は二千六百六十一件で、前年の一千九百十三件に比べ七百四十八件増加している。

(5) 風水害
 平成十一年は、六月から十月にかけて梅雨前線や台風等による風水害が全国各地で発生し、大きな被害をもたらした。台風の発生数は二十二個と平年の二十七・八個に比べて若干少なかった。また、七月中旬から九月半ばにかけて多くの熱帯低気圧が日本付近の太平洋上で発生し、日本に接近・上陸し各地に大雨をもたらした。
 風水害、雪害等の異常な自然現象に伴う災害(地震、火山噴火を除く。)による人的被害、住家被害はともに前年に比べて増加し、死者・行方不明者百四十一人(前年百九人)、負傷者一千六百九十二人(前年一千二百十一人)、全壊五百三十一棟(前年三百二棟)などとなっている。
 平成十二年九月十日からの大雨では、愛知県等を中心に、死者十人、負傷者約百人、住家の全・半壊約百棟、床上・床下浸水約七万一千棟の被害が生じた。

(6) 火山災害
 @ 有珠山噴火災害
   平成十二年三月三十一日に有珠山が噴火し、その後も噴火が継続した。三月三十一日時点の伊達市、荘瞥町及び虻田町における避難指示の対象は、六千六百九十九世帯、一万五千二百六十七人であったが、その後、山頂部の大規模噴火に移行することを示す現象は見られないこと等を踏まえ、避難指示地域の一部解除が段階的に行われ、七月二十八日時点の避難指示の対象は、虻田町の二百二世帯、三百七十八人となっている。
   なお、消防活動については、地元消防本部を支援するため、北海道内の消防本部からの応援、北海道外からの緊急消防援助隊による応援、北海道内外からのヘリコプターによる応援が行われた(四月十六日の最大時:北海道内の消防応援部隊七十七隊二百三十八人、北海道外からの緊急消防援助隊十四隊五十八人)。
 A 三宅島噴火災害
   平成十二年七月八日に三宅島が噴火し、八月十八日、二十九日には大規模な噴火が起こった。
   八月三十一日に、気象庁が、当面これと同程度か、これをやや上回る規模の噴火が繰り返し起こる可能性があり、火砕流に警戒が必要との見解を示したことを受け、九月二日に、三宅村は、防災及びライフライン関係要員を除く住民の島外への避難指示を行った。
   なお、消防活動については、東京消防庁が応援部隊を現地に派遣した。
 B その他の火山災害
   平成十一年中に噴火した火山は三山で、桜島、薩摩硫黄島(ともに鹿児島県)は年間を通してたびたび噴火し、諏訪之瀬島(鹿児島県)では、一月に火山灰の噴出、降灰が観測された。
   さらに、平成十二年に入ってからは、九月五日に駒ヶ岳(北海道)が約二年ぶりに噴火した。
   また、八月には磐梯山、九月には浅間山で火山性微動が多発しているとの臨時火山情報が出され、十月には桜島が爆発し多量の噴煙を吹き上げたことから臨時火山情報が出された。

(7) 地震災害
 @ 三宅島近海及び新島・神津島近海を震源とする地震
   平成十二年六月二十六日から三宅島島内西部で火山性の地震活動が始まり、七月一日には神津島村で震度六弱を記録する地震が発生し、土砂崩れにより一人が死亡し、住家の一部破損、土砂崩れ等多くの物的被害が生じた。
   この地震以降も、三宅島近海及び新島・神津島近海では地震が多発し、六月二十六日から十月末日までの間に、震度六弱が六回、震度五強が七回及び震度五弱が十七回発生し、新島村では、負傷者十四人、住家の一部破損百八棟の被害が生じた(十月末日現在)。
 A 平成十二年(二〇〇〇年)鳥取県西部地震
   平成十二年十月六日に、鳥取県西部を震源とする地震が発生し、境港市及び日野町で震度六強、西伯町、溝口町等で震度六弱を記録した。
   この地震による被害は、鳥取県、岡山県、島根県を中心に一府九県に及び、負傷者百三十八人、住家全壊三百十五棟、半壊一千六百四十九棟、一部損壊七千三百十八棟と大きな被害が生じた(十月末日現在)。

(8) 特殊災害
 @ 平成十一年中に発生した都市ガス及び液化石油ガスの漏えい事故又は爆発・火災事故で消防機関が出場したものの総件数は一千四百九十三件で、死者二十五人、負傷者二百八十二人となっている。
 A 平成十一年九月三十日に、茨城県東海村の株式会社ジェー・シー・オー(以下「JCO」という。)のウラン加工施設(転換試験棟)において臨界事故が発生した。この事故により、JCO従業員三人が放射線被ばくを受けた(うち二人死亡)ほか、これらの者を救急搬送した救急隊員三人、日本原子力研究所及び核燃料サイクル開発機構の職員、臨界状態停止のための作業に従事したJCO従業員を含む多数の者が被ばくした。
   九月三十日に東海村村長は、JCO施設から半径三百五十メートル圏内の住民に対して避難を要請した。また、茨城県知事は同日、半径十キロメートル圏内の住民に対して屋内退避を要請した。この事故を踏まえ、「原子力災害対策特別措置法」が制定されるなど、原子力防災対策の強化が図られた。
   なお、消防庁では、地域防災計画原子力災害対策編作成マニュアルを見直し、関係地方公共団体に通知した。
   さらに、平成十一年度補正予算で、同報系無線及び放射線防護資機材の整備のための補助を行うとともに、原子力災害時の消防活動マニュアルの見直し、資機材等が満たすべき性能・機能等についての検討を実施している。
   なお、平成十二年において、複雑・多様化する災害への対応能力の強化を図るため、緊急消防援助隊の体制拡充を図った。その中で、毒劇物・放射性物質災害、石油・化学火災、長大トンネル・大深度地下施設火災、石油流出災害、大規模水難事故等の特殊災害への対応能力を有する特殊災害部隊(百十八隊、一千七百七十人)を創設した。
 B コンピュータ西暦二〇〇〇年問題に関しては、消防防災機関は危機管理体制を整備し、その危険日とされた元日等には警戒体制をとった。
   なお、結果としてコンピュータ西暦二〇〇〇年問題に起因する重大な事故、社会インフラや危険物施設等の重大な障害は発生しなかった。

<第2章> 消防防災の組織と活動

(1) 消防体制
 @ 平成十二年四月一日現在の常備消防機関は、消防本部が九百七本部、消防署が一千六百八十二署、消防職員が十五万三千四百三十九人となっている。前年と比較すると広域化が進められたこと等により、消防本部は四本部減少し、消防署は十二署増加し、消防職員は九百七十五人増加している(第2表参照)。
 A 平成十二年四月一日現在、常備化市町村は、三千百五十四市町村となり、常備化率は市町村数で九七・六%(市は一〇〇%、町村は九七・〇%)に達し、人口の九九・八%が常備消防によりカバーされている。
 B 消防団は、消防本部・消防署が置かれていない非常備町村にあっては消防活動を全面的に担っており、常備市町村においては初期消火、残火処理等を行っているほか、大規模災害時には、災害防ぎょのため多数の要員を必要とすることから、大量の消防団員が動員され活動している。
   さらに、火災予防の面でも、住民指導、巡回広報、特別警戒等、多面的活動を行っており、地域の消防防災の要となっている。
   平成十二年四月一日現在、消防団は三千六百三十九団、消防団員数は九十五万一千六十九人であり、ほとんどすべての市町村に設けられている。消防団員数は減少傾向にあり、十年前の平成二年四月一日現在に比べ四万五千六百七十四人(四・六%)減少しているが、この間に、女性消防団員数は八千二百五十三人増加し、一万百七十六人となっている。
   なお、消防団員の平均年齢は三十六・七歳となっている。
 C 常備化が進展してきた今日においても、消防団が地域の消防防災に果たす役割は依然として重要であることから、消防庁では、消防団の施設・装備の充実強化、青年層・女性層の加入の促進、消防団員の処遇改善等を図っている。

(2) 消防活動
 @ 平成十一年中における全国の消防職団員の出動状況をみると、火災等(火災、救助活動、風水害等の災害、特別警戒、捜索、誤報等及びその他(警察への協力、危険排除等)をいう。ただし救急業務を除く。)への出動回数は八十九万六千八百六十回で、出動延人員は九百六十五万五千六百五十七人となっている。
   また、火災等への一日当たりの出動回数は二千四百五十七回、三十五秒に一回の割合で出動したことになる。
 A なお、このうち、消防団員の火災等への出動回数は二十五万四千九百一回、出動延人員は五百四十万一千四百八十四人となっている。
   平成十一年においては、六月から十月にかけての梅雨前線や台風等による災害において、延べ約十八万四千人の消防団員が出動し、危険箇所等の警戒巡視、要救助者の救助、行方不明者の捜索、避難誘導、土のう積みなどの活動等を行い被害の拡大を防いだ。また、平成十二年においても、有珠山や三宅島の火山噴火、三宅島及び新島・神津島近海の地震活動などの大規模な自然災害の発生に対し、住民の避難誘導、一時帰宅時の警戒、避難所への救援物資の搬入、降雨に伴う泥流警戒など、積極的な活動を展開している。

(3) 救急業務
 @ 平成十一年中の救急業務の実施状況は、三百九十三万九百九十九件(ヘリコプターによる件数を含む。)で、前年の三百七十万二千七十五件に比べ二十二万八千九百二十四件増加している。
   また、救急自動車による搬送人員は三百七十五万九千九百九十六人で、前年の三百五十四万五千九百七十五人に比べ二十一万四千二十一人増加している。
   なお、救急自動車による出場件数は、全国で一日平均一万七百六十七件(前年一万百四十一件)であり、八・〇秒(前年八・五秒)に一回の割合で救急隊が出場し、国民の三十三人に一人が救急隊によって搬送されたことになる(第3表参照)。
 A 平成十一年中の救急自動車による搬送人員のうち、救急隊員が応急処置等を行った傷病者は、三百二十五万一千八百二十一人(搬送人員の八六・五%、前年は八三・一%)であり、前年に比較し、三十万六千五百七十三人(一〇・四%)増加している。
   なお、平成三年八月の「救急隊員の行う応急処置等の基準」の改正により拡大された応急処置等の件数は、六百二十三万四百十四件と前年の約一・二倍となっている。このうち救急救命士が行う心肺機能停止状態の傷病者の蘇生等のために行う高度な応急処置の件数は三万四千二百三十六件にのぼり、前年の約一・二倍となっている。
 B 平成十二年四月一日現在、救急隊は全国で四千五百八十二隊が設置されており、前年の四千五百五十三隊に比べ二十九隊の増となっている。また、救急隊員は五万六千百二十八人で前年の五万五千七百十七人に比べ四百十一人の増となっている。
 C 平成十二年四月一日現在、消防職員のうち救急救命士の資格を有する者の数は九千二十七人で、このうちの八千十六人が七百九十二消防本部において、救急救命士として救急業務に従事している。
   また、拡大された応急処置等を行うために必要な高規格救急自動車は全国で二千四百五台が配置されている。

(4) 救助業務
 @ 平成十一年中の救助活動件数は四万二千五百四十八件で、前年の三万八千二百四十一件に比べ四千三百七件の増、救助人員は四万四千八十一人で、前年の四万四百五十六人に比べ三千六百二十五人の増となっている。
   なお、事故種別の救助活動件数は、交通事故が全体の四六・二%を占め、次いで火災が一五・七%となっている(第4表参照)。
 A 平成十二年四月一日現在、救助隊は全国で一千五百三十八隊が設置されており、救助隊員は二万四千百一人となっている。

(5) 航空消防防災体制
 @ ヘリコプターは林野火災や風水害などの災害状況の把握、林野火災における空中消火、山岳等における救助、重症者等の救急搬送や遠隔地からの救急搬送等に極めて有効であり、その整備を推進している。
 A 平成十二年四月一日現在の消防・防災ヘリコプターの配備状況は、次のとおりとなっている。
消防機関の保有するヘリコプター 二十七機
都道府県の保有するヘリコプター  四十機
            合 計 六十七機
 B なお、消防・防災ヘリコプターは、消防防災業務に幅広く活用されており、平成十一年中の出動実績は、火災出動八百三十九件、救急出動九百七十五件、救助出動九百三十一件等となっている。

(6) 国と地方公共団体の防災体制
 阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、災害対策基本法の改正や防災基本計画の全面的な修正、消防庁における防災体制の一層の強化、各地方公共団体における地域防災計画の見直し等が行われている。
 また、各地方公共団体において、地域住民が参加し、自衛隊等の防災関係機関とも連携した、情報の収集・伝達、避難誘導、救出・救護などの総合的かつ実践的な防災訓練が実施されている(平成十一年度においては、都道府県で延べ二百二回、市区町村で延べ七千四十四回の防災訓練が実施された。)。

(7) 広域消防応援
 大規模、広域的な災害に適切に対応するため、地方公共団体の区域を越えて、機動的、効果的に対処し得るよう、広域防災応援協定の締結、広域航空消防応援体制の整備、「緊急消防援助隊」の災害対応能力の充実強化など消防の広域応援体制の強化を推進している。なお、現在、すべての都道府県において、都道府県下の全市町村及び消防の一部事務組合等が参加した消防相互応援協定を結んでいる。
 緊急消防援助隊は、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、国内で発生した地震等の大規模災害時における人命救助活動等をより効果的かつ充実したものとするため、全国の消防機関相互による迅速な援助体制として平成七年六月に発足した。これまでに、平成八年に新潟県・長野県の県境付近で発生した蒲原沢土石流災害をはじめ、最近では、本年三月に発生した有珠山噴火災害、十月に発生した鳥取県西部地震において応援活動を行った。
 消防庁では、緊急消防援助隊の出動体制及び複雑・多様化する災害への対応能力の強化を行い、大規模災害発生時における国民の安全を確保するため、現在の一千二百六十七隊(隊員数約一万七千人)体制を一千七百三十九隊(隊員数約二万六千人)体制に拡充し、緊急消防援助隊の災害対応能力の充実強化を図っている。また、平成十二年十月には、皇太子殿下のご臨席を賜り、全国合同訓練を実施した。
 また、平成十二年七月二十一日から二十三日にかけて沖縄県名護市で開催された九州・沖縄サミット首脳会合においては、消防・救急体制の万全を期すため、全国的な広域応援によって消防特別警戒を実施した。

(8) 消防防災の情報化の推進
 災害時において、迅速かつ的確な災害応急活動を実施するためには、平素から防災情報の収集・伝達体制を確立しておくほか、災害に強い消防防災通信ネットワークを構築しておくことが極めて重要である。消防庁では、地方公共団体と一体となって総合的な消防防災通信ネットワークの整備を推進している。
 また、広域的な対応が重視される今日の防災対策においては、迅速な情報収集・伝達と地方公共団体の対応力を把握した上での調整判断が不可欠である。消防庁では、震度情報などの緊急情報を迅速に伝達するほか、緊急消防援助隊や消防・防災ヘリコプターの出動可能状況、非常物資の備蓄等広域応援の対応力の状況、地域防災計画、消防防災統計など、消防防災に係る情報をデータベース化するとともに、コンピュータによる全国的なネットワーク化を図り、消防庁と地方公共団体等との間でこれらの情報を共有化できる防災情報システムの整備を推進し、順次運用を開始している。

<第3章> 自主的な防災活動と災害に強い地域づくり

 災害に強い安全な地域社会を作るためには、国民の防火防災意識の高揚に待つところが極めて大きいことから、消防庁においては、春秋二回の「全国火災予防運動」などあらゆる機会をとらえて、国民の防火防災に関する関心を喚起し、意識の高揚を図っている。
 また、防災体制の強化に当たっては、消防機関をはじめとする防災関係機関による体制整備のほか、地域住民が連帯し、地域ぐるみの防災体制を確立することが重要であることから、地域の自主防災組織の育成等を図るとともに、ボランティアの活動環境の整備を推進している。

<第4章> 規制改革への対応

 国際化の進展や社会経済活動の多様化等を背景に、規制の緩和が大きな課題となっている。消防庁としては、安全性の確保に十分配慮しながら、「規制緩和推進三か年計画(再改定)」に定められた各措置を着実に実施するなど、社会的要請に対応した規制改革等の一層の推進を図っていくこととしている。

<第5章> 国際協力の推進と地球環境の保全

(1) 消防庁では、国際協力事業団等と協力して、開発途上諸国の消防職員を対象とした集団研修のほか、個別の研修員の受入れ、消防における技術指導のための専門家の派遣、中国・北京消防訓練センターに対するプロジェクト方式技術協力等を実施している。
(2) 海外で大規模災害が発生した場合には、消防庁長官の要請により「国際消防救助隊」が派遣され、救助活動や支援活動を行うものであり、現在、全国の四十消防本部、五百一人の救助隊員が登録されている(平成十二年度末を目途に、六十三消防本部、五百九十九人体制に拡充)。
  なお、平成十一年九月二十一日に発生した台湾における地震災害への派遣で、計十一回の派遣実績となっている。
(3) 地球環境の保全に寄与することを目的として、ハロン消火剤の使用抑制対策等に取り組んでいる。

<第6章> 消防の科学技術の研究

 災害の複雑多様化に対し、災害の防止、被害の軽減、原因の究明等に関する科学技術の研究開発が果たす役割はますます重要になっている。このため、国立の研究機関である消防研究所において、消防防災に係る科学技術の基礎的研究のほか、社会的、行政的要請の高い課題について計画的に研究を行っている。
 また、効率的・効果的に研究を推進するため、外国の研究機関、国内の大学あるいは企業との共同研究を積極的に進めている。
 なお、消防研究所は、中央省庁等改革の一環として平成十三年四月に独立行政法人となる。

<第7章> 今後の消防防災行政の方向

 我が国は、これまで幾多の災害を経験してきている。近年においても、戦後最大の被害をもたらした阪神・淡路大震災が発生し、その後も、地下鉄サリン事件、茨城県東海村ウラン加工施設における臨界事故のほか、各地における豪雨や台風による災害などが起きている。
 本年に入っても、有珠山や三宅島などの火山噴火、三宅島及び新島・神津島近海の地震活動、東海地方を中心とする集中豪雨などの自然災害、地下鉄日比谷線脱線事故や群馬県における化学工場爆発事故など、各地で住民生活の安全を脅かす災害・事故が相次いで発生している。
 このため、消防防災行政において重要な役割を担っている地方公共団体が、安全な地域社会づくりに向け、その使命を十分に果たしていくことができるよう、今後とも各般の施策を強力に展開して消防防災行政の推進及びその体制の充実強化を図っていく必要があり、具体的には、次の施策等について積極的に取り組む必要がある。
○総合的な防災対策の推進
○特殊災害対策の充実強化
○高度防災情報通信体制の整備促進
○消防の対応力の強化
○消防団の充実強化
○自主的防災活動の活性化
○救急・救助業務の充実・高度化
○住宅防火などの火災予防対策の推進
○危険物施設等の安全の確保
○技術革新等に対応した規制改革の推進
○消防防災技術に係る研究・開発の推進
○国際化への対応

<囲み記事等>

 本文とは別に、トピックス的な話題等を記述した囲み記事(次の計二十三項目)、第三回全国消防広報コンクールの受賞作品及び消防ポスターを掲載している。
○天ぷら油火災の正しい予防方法
○新素材の消防用設備等への活用
○燃え上がらない防炎カーテン
○危険物施設におけるヒューマンエラーの防止
○危険物等情報一般公開用システム
○土砂災害対策危機管理システム
○震度とマグニチュード
○耐震性貯水槽の整備
○消火通報訓練指導車「けすゾウくん」
○オフサイトセンター(緊急事態応急対策拠点施設)
○有珠山及び伊豆諸島における消防団活動
○周辺住民と連携した消防団活動
○放射性物質災害講習会
○傷病者の救命効果の向上にむけて
○消防・防災ヘリコプターによる救急活動
○有珠山噴火災害における緊急消防援助隊の活動
○緊急消防援助隊全国合同訓練
○九州・沖縄サミットにおける消防特別警戒
○有珠山噴火災害における画像情報の活用
○次世代衛星通信システムの構築
○消防防災分野におけるIT化の推進
○レッドページによる防災情報の提供
○中高層建物における燃焼性状の研究


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法人企業統計調査


平成十二年七〜九月期


財 務 省(大蔵省)


 この調査は、統計法(昭和二十二年法律第一八号)に基づく指定統計第一一〇号として、我が国における金融・保険業を除く資本金一千万円以上の営利法人を対象に、企業活動の短期動向を把握することを目的として、四半期ごとの仮決算計数を調査しているものである。
 その調査結果については、国民所得統計の推計をはじめ、景気判断等の基礎資料等として広く利用されている。
 なお、本調査は標本調査であり(計数等は、標本法人の調査結果に基づいて調査対象法人全体の推計値を算出したもの)、標本法人は層別無作為抽出法により抽出している。
 今回調査対象法人数等は次のとおりである。
  調査対象法人一、一八八、四三二社
  標本法人数二四、〇四三社
  回答率七九・六%
 当調査結果から平成十二年七〜九月期の企業の経営動向をみると、売上高については、製造業、非製造業ともに増収となり、全産業ベースの対前年同期増加率(以下「増加率」という。)は三・二%となった。営業利益については、製造業、非製造業ともに増益となったことから、全産業ベースの増加率は一五・三%となった。また、経常利益についても、製造業、非製造業ともに増益となったことから、全産業ベースの増加率は二四・四%となった。
 また、設備投資については、非製造業で減少したものの、製造業は増加したため、全産業ベースの増加率は〇・二%となった。

一 売上高と利益の動向第1図第2図参照

(1) 売上高第1表参照
 売上高は、三百三十五兆七千五百四十八億円であり、前年同期(三百二十五兆二千九百五十三億円)を十兆四千五百九十五億円上回った。増加率は三・二%(前期三・一%)と、四期連続の増収となった。
 業種別にみると、製造業の売上高は九十九兆五千七百三十九億円で、増加率は三・五%(同四・三%)となった。また、非製造業の売上高は二百三十六兆一千八百九億円で、増加率は三・一%(同二・六%)となった。
 製造業では、「鉄鋼」「輸送用機械」などで減収となったものの、「一般機械」「電気機械」など多くの業種で増収となった。一方、非製造業では、「運輸・通信業」などで減収となったものの、「卸・小売業」「サービス業」など多くの業種で増収となった。
 資本金階層別にみると、資本金十億円以上の階層は百三十五兆一千八百三十二億円で、増加率は三・二%(同六・二%)、資本金一億円以上十億円未満の階層は五十五兆八千五十八億円で、増加率は八・〇%(同六・七%)、資本金一千万円以上一億円未満の階層は百四十四兆七千六百五十八億円で、増加率は一・五%(同△〇・五%)となった。
(2) 営業利益第2表参照
 営業利益は、九兆五千九百八十五億円であり、増加率は一五・三%(前期三〇・三%)と、七期連続の増益となった。
 業種別にみると、製造業の営業利益は四兆一千五百五十三億円で、増加率は四二・三%(同五七・四%)となった。また、非製造業の営業利益は、五兆四千四百三十二億円で、増加率は〇・八%(同一七・一%)となった。
 資本金階層別にみると、資本金十億円以上の階層は五兆八千八百九十八億円で、増加率は一六・〇%(同四八・五%)、資本金一億円以上十億円未満の階層は一兆二千三百七十四億円で、増加率は二二・三%(同五四・六%)、資本金一千万円以上一億円未満の階層は二兆四千七百十二億円で、増加率は一〇・七%(同七・七%)となった。
(3) 経常利益第3表参照
 経常利益は、八兆八千七百二十三億円であり、前年同期(七兆一千三百七億円)を一兆七千四百十六億円上回り、増加率は二四・四%(前期四〇・二%)と、七期連続の増益となった。
 業種別にみると、製造業では、「一般機械」「電気機械」など多くの業種で増益になったことから、製造業の経常利益は四兆五百二億円、増加率は五一・一%(同五五・五%)となった。また、非製造業では、「電気業」「サービス業」など多くの業種で増益になったことから、非製造業の経常利益は四兆八千二百二十一億円で、増加率は八・四%(同三〇・八%)となった。
 資本金階層別にみると、資本金十億円以上の階層は五兆一千五百二十七億円で、増加率は二二・七%(同五四・一%)、資本金一億円以上十億円未満の階層は一兆一千七百九十九億円で、増加率は三一・六%(同七八・七%)、資本金一千万円以上一億円未満の階層は二兆五千三百九十八億円で、増加率は二四・九%(同一八・九%)となった。
(4) 利益率第4表参照
 売上高経常利益率は二・六%で、前年同期(二・二%)を〇・四ポイント上回った。
 業種別にみると、製造業は四・一%で、前年同期(二・八%)を一・三ポイント上回り、非製造業は二・〇%で、前年同期(一・九%)を〇・一ポイント上回った。
 資本金階層別にみると、資本金十億円以上の階層は、三・八%(前年同期三・二%)、資本金一億円以上十億円未満の階層は二・一%(同一・七%)、資本金一千万円以上一億円未満の階層は一・八%(同一・四%)となった。

二 投資の動向第3図参照

(1) 設備投資第5表参照
 設備投資額は、十兆六千七百四億円であり、増加率は〇・二%(前期二・二%)と、三期連続の増加となった。
 業種別にみると、製造業では「輸送用機械」「鉄鋼」などが減少したものの、「電気機械」「化学」などで増加したことから、製造業の設備投資額は三兆九千百十三億円で、増加率は一三・〇%(同三・四%)の増加となった。一方、非製造業では「卸・小売業」などが増加したものの、「サービス業」「電気業」などで減少したことから、非製造業の設備投資額は六兆七千五百九十一億円で、増加率は△五・九%(同一・六%)となった。
 設備投資額を資本金階層別にみると、資本金十億円以上の階層は六兆二千六百九十四億円、増加率は△二・〇%(同△二・〇%)、資本金一億円以上十億円未満の階層は一兆六千五百三十一億円、増加率は三・八%(同四・九%)、資本金一千万円以上一億円未満の階層は二兆七千四百八十億円で、増加率は三・三%(同一一・二%)となった。
(2) 在庫投資第6表参照
 在庫投資額(期末棚卸資産から期首棚卸資産を控除した額)は、△五千十一億円(前年同期△二兆六千二百二億円)、前年同期差二兆一千百九十一億円となり、四期連続前年差が増加となった。
 在庫投資額を業種別にみると、製造業の投資額は△六千五百十一億円(前年同期△一兆三千三百八十四億円)、前年同期差六千八百七十三億円となり、四期連続前年差が増加となった。一方、非製造業の投資額は一千五百億円(前年同期△一兆二千八百十八億円)、前年同期差一兆四千三百十八億円となり、四期連続前年差が増加となった。
 在庫投資額を種類別にみると、製品・商品が△九千六百九十八億円(前年同期△一兆八千七百五十億円)、仕掛品が二千八百八十六億円(同△五千二百八十億円)、原材料・貯蔵品が一千八百一億円(同△二千百七十二億円)となった。また、在庫率は八・六%であり、前期(九・四%)を〇・八ポイント下回り、前年同期(九・六%)を一・〇ポイント下回った。
 在庫率は、季節的要因により変動(四〜六、十〜十二月期は上昇する期)する傾向がみられる。

三 資金事情第7表参照

 受取手形・売掛金は二百二十兆一千百五十億円で、増加率は五・四%(前期一・二%)、支払手形・買掛金は百八十三兆一千四百四十七億円で、増加率は六・六%(同一・一%)となった。借入金をみると短期借入金は二百五兆八千七百五十億円で、増加率は△三・七%(同△五・一%)、長期借入金は二百六十九兆一千七百七十億円で、増加率は△四・一%(同△三・〇%)となった。
 現金・預金は百三十三兆六千七百十七億円で、増加率は五・九%(同〇・七%)、有価証券は二十一兆八千五百七十一億円で、増加率は△三七・九%(同△一三・五%)となった。
 また、手元流動性は一一・七%であり、前期一三・〇%を一・三ポイント下回り、前年同期(一二・四%)を〇・七ポイント下回った。

四 自己資本比率第8表第4図参照

 自己資本比率は二五・六%で、前年同期(二四・二%)を一・四ポイント上回った。
 自己資本比率を資本金階層別にみると、資本金十億円以上の階層は三二・二%で、前年同期(三一・二%)を一・〇ポイント上回り、資本金一億円以上十億円未満の階層は一九・五%で、前年同期(一八・三%)を一・二ポイント上回り、また、資本金一千万円以上一億円未満の階層は一九・九%で、前年同期(一八・一%)を一・八ポイント上回った。
     ※    ※    ※
 なお、次回の調査は平成十二年十〜十二月期について実施し、法人からの調査票の提出期限は平成十三年二月十日、結果の公表は平成十三年三月十日前後の予定である。


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巳(み)年生まれは一千八万人


―平成十三年一月一日現在―


総 務 省


 総務庁統計局(現総務省統計局)では、巳(み)年にちなんで、巳(み)年の人口を公表した。その概要は次のとおりである。
 平成十三年一月一日現在の推計人口によると、巳(み)年の年男、年女は一千八万人(総人口一億二千七百万人に占める割合七・九%)となっている。男女別にみると、男性は四百九十二万人、女性は五百十六万人で、女性の方が二十四万人多くなっている。
 巳(み)年生まれの人口を出生年別にみると、昭和十六年生まれ(平成十三年中に六十歳になる人)が百八十二万人で最も多く、次いで昭和四十年生まれ(同三十六歳になる人)が百七十九万人、昭和五十二年生まれ(同二十四歳になる人)が百七十四万人、昭和二十八年生まれ(同四十八歳になる人)が百七十四万人、平成元年生まれ(同十二歳になる人)が百二十五万人となっている(第1図第1表参照)。
 なお、年男、年女のうち、還暦をむかえる六十歳になる人口が最も多くなったのは、十二支別人口の推計開始以来初めてである。
 総人口を十二支別にみると、丑(うし)年の一千百五十二万人が最も多く、次いで子(ね)年(一千百二十八万人)、辰(たつ)年(一千百二十一万人)、寅(とら)年(一千百十三万人)、亥(い)年(一千百十二万人)の順で、巳(み)年は十番目となっている(第2図参照)。
  (注)  数値は万人単位に四捨五入してあるので、内訳の合計は必ずしも総数に一致しない。
 なお、総人口に占める出生年別人口の割合は、それぞれ万人単位の数値で算出した。






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二〇〇一年の新成人は百五十七万人


総 務 省


 総務庁統計局(現総務省統計局)では、「成人の日」にちなんで、新成人人口を公表した。その概要は次のとおりである。

一 新成人人口は百五十七万人、総人口の一・二四%

 推計人口によると、この一年間に、新たに成人に達した人口(平成十三年一月一日現在二十歳の人口)は百五十七万人となっている。総人口一億二千七百万人に占める割合は一・二四%となり、昭和六十二年に次いで低い水準となった。

二 減少を続ける新成人人口

 新成人人口の推移をみると、第一次ベビーブーム期(昭和二十二〜二十四年)中の昭和二十四年に生まれた人が成人に達した四十五年に二百四十六万人(総人口に対する割合二・三九%)と最も多くなったが、その後は減少に転じ、五十三年には百五十二万人と、最高値の三分の二となった。
 昭和五十年代後半から再び新成人人口は増加傾向となり、第二次ベビーブーム期(昭和四十六〜四十九年)に生まれた人が成人に達した平成四年から七年にかけて二百万人前後となった。平成六年に二百七万人(割合一・六六%)に達した後は減少に転じ、十三年は前年より七万人少ない百五十七万人(同一・二四%)と、七年連続の減少となっている。
 この新成人人口は、今後も減少を続け、平成十七年(二〇〇五年)には百五十万人を下回り、二十二年(二〇一〇年)以降には、百二十万人前後になるものと見込まれる。
 (注) 数値は万人単位に四捨五入してあるので、男女の合計は必ずしも総数に一致しない。
 なお、総人口に占める新成人人口の割合は、 それぞれ万人単位の数値で算出した。






 
   <3月28日号の主な予定> 

 ▽景気予測調査(十一月調査)……………………………財 務 省 

 ▽第百五十一回国会 

  内閣が提出を予定している法律案・条約要旨調………内閣官房 




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