官報資料版 平成13年10月10日




                  ▽公害紛争処理白書のあらまし………公害等調整委員会事務局

                  ▽景気予測調査(八月調査)…………財 務 省











公害紛争処理白書のあらまし


―公害紛争等の現状と処理―


公害等調整委員会事務局


<はじめに>
 平成十三年版「公害紛争処理白書」は、公害等調整委員会が、平成十三年八月七日、内閣総理大臣を経由して国会に対し「平成十二年度公害等調整委員会年次報告」として報告したものである。同白書は、公害等調整委員会の平成十二年度(平成十二年四月一日から、平成十三年三月三十一日まで)の所掌事務(公害紛争の処理に関する事務及び鉱業等に係る土地利用の調整に関する事務)の処理状況をまとめたもので、昭和四十七年に公害等調整委員会が発足して以来二十九回目のものである。
 平成十三年版「公害紛争処理白書」のあらましは、次のとおりである。

公害紛争処理法に基づく事務の処理概要

公害等調整委員会における公害紛争の処理状況

 公害等調整委員会は、公害紛争処理法(昭和四十五年法律第百八号)の定めるところにより、公害に係る紛争について、あっせん、調停、仲裁及び裁定を行うとともに、地方公共団体が行う公害に関する苦情の処理について指導等の事務を行っている。
 公害紛争処理法が昭和四十五年十一月一日に施行されて以来、平成十二年度末までに公害等調整委員会(昭和四十七年六月三十日以前は中央公害審査委員会)に係属した公害紛争事件は、七百四十三件である。その内訳は、あっせん事件一件、調停事件六百九十四件、仲裁事件一件、裁定事件四十五件(責任裁定事件三十六件、原因裁定事件九件)及び義務履行勧告申出事件二件となっている。
 これらのうち、終結しているのは、あっせん事件一件、調停事件六百九十一件、仲裁事件一件、裁定事件四十一件(責任裁定事件三十三件、原因裁定事件八件)及び義務履行勧告申出事件二件の計七百三十六件である。
 平成十二年度中に公害等調整委員会が受け付けた公害紛争事件は、調停事件二件及び責任裁定事件二件の計四件である。これらに前年度から繰り越された九件(調停事件六件、裁定事件三件(責任裁定事件二件、原因裁定事件一件))を加えた計十三件が十二年度に係属した。このうち豊島産業廃棄物水質汚濁被害等調停申請事件等六件が十二年度中に終結し、残り七件は十三年度に繰り越された(第1表)。

◇調停事件

 平成十二年度に公害等調整委員会に係属した調停事件は、新たに申請のあった二件に、前年度から繰り越された六件を加えた計八件である。
 このうち、五件が十二年度に終結し、残り三件が十三年度に繰り越された。平成十二年度に係属した事件の概要は、次のとおりである。

一 水俣病損害賠償調停申請事件

<事件の概要>
 熊本県から鹿児島県にまたがる不知火海の沿岸の漁民等が、チッソ株式会社水俣工場からの排水に起因した水俣病にかかり、これによって精神上、健康上の被害及び財産上の損害を被ったとして、チッソ株式会社を相手方(被申請人)として、賠償金の支払等を内容とする調停を求めたものである。
 現在の調停手続では、水俣病患者の症状等に応じ、患者グループとチッソ株式会社との間の補償協定に定められたA、B、Cの三ランクのうち、自らの症状がいずれに該当するかの判定を公害等調整委員会に求めることとした患者について、ランク付けを行い、各ランクに応じて個々人の補償額等の決定及び家族の補償等を中心とした調停を行っている。

<事件処理の経過>
 昭和四十八年度の第一次調停以来、平成十一年度末までに四十九次にわたる調停を実施し、平成十二年度においては第五十次の調停を行い、第一次調停以来、計一千四百五十九人の患者について調停が成立した。
 また、調停が成立した患者のうち、Bランク及びCランクとされた患者が生存している場合には、調停条項の中に、「将来申請人の症状に慰藉料等の金額の増額を相当とするような変化が生じたときは、申請人は、これを理由として、調停委員会に対し、当該金額の変更を申請することができるものとすること」という条項があり、これに基づいてなされた慰藉料等の変更申請を、平成十二年度末までに五百十五件受け付け、五百八件を処理した(第2表)。

二 豊島(てしま)産業廃棄物水質汚濁被害等調停申請事件(平成五年(調)第四号・第五号・平成八年(調)第三号事件)

<事件の概要>
 香川県小豆郡土庄町豊島に長期間にわたり大量の産業廃棄物が不法投棄されたとして、平成五年十一月十一日、豊島の住民四百三十八人から、香川県知事に対し調停を求める申請があり(公害紛争処理法第二十七条第一項)、同月十五日、同島の住民百十一人から参加の申立てがあった。
 この調停申請は、香川県、同県職員二人、不法投棄を行った廃棄物処理業者、その実質的な経営者及び同人の父親、並びに二十一の廃棄物排出事業者を相手方(被申請人)として、@共同して豊島内の家浦字水ヶ浦三一五一番地の一外四十九筆の土地(面積約二八・五ヘクタール、以下「本件処分地」という)上に存在する一切の産業廃棄物を撤去すること、A連帯して申請人ら各自に対し、金五十万円を支払うことを求めるものである。これは、被申請人らが、違法な産業廃棄物の処理を行い、またはこれに関与し、あるいは廃棄物処理業者に対する適切な指導監督を怠ったために、本件処分地に有害物質を含有する膨大な量の産業廃棄物が放置され、申請人らに水質汚濁による被害を与えるおそれがあり、また実際、申請人らが多大の有形無形の不利益を被り続けているという理由による。

<公害等調整委員会による事件の担当>
 ア 本事件は、被申請人となった排出事業者の所在地が福井県、大阪府、兵庫県、鳥取県、岡山県、愛媛県、香川県に及び、県際事件(公害紛争処理法第二十四条第一項第三号)に該当することから、香川県知事は、これら関係府県の知事と連合審査会の設置について協議した(公害紛争処理法第二十七条第三項)。しかし、この協議がととのわなかったため、香川県知事は、平成五年十二月二十日、本事件の関係書類を公害等調整委員会に送付し(公害紛争処理法第二十七条第五項)、同委員会が本調停事件を担当することとなった(平成五年(調)第四号事件・第五号事件)。
   公害等調整委員会は、直ちに調停委員会を設け、平成六年一月二十四日、前記参加を許可し、調停手続を開始した。
 イ 本調停手続の過程において、平成八年十月二十三日、申請人らのうちの五人から、国(代表者 厚生大臣(当時))を相手方(被申請人)として、本件処分地に存在する一切の産業廃棄物及び汚染土壌を撤去することを求める調停申請があった(平成八年(調)第三号事件)。
   これは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という)上の事務の管理執行は都道府県知事に対する、国の機関委任事務であるため、国は香川県知事の行為の結果について責任を負うことを理由とするものである。

<香川県との間の調停手続の経過>
 ア 調停委員会は、平成六年三月二十三日、第一回調停期日を開催し、申請人ら及び参加人ら(以下「申請人ら」という)と香川県から事情聴取を重ねたところ、本件処分地における産業廃棄物の実態認識についての食い違いのため、両者の主張に大きな隔たりがあることが明らかとなった。そこで、調停委員会は、同年七月二十九日に開催した第四回調停期日において、専門委員により本件処分地における産業廃棄物等の実態調査を行い、その結果を踏まえて、科学的・技術的知見に基づいた撤去及び環境保全に必要な措置、並びにこれらに必要な費用の検討を行う方針を明らかにした。同年八月、廃棄物や地下水汚染を専門とする大学教授、研究者三名が専門委員に任命された(平成十一年法律第百二号による改正前の公害等調整委員会設置法第十八条)。
   この調査(公害等調整委員会設置法第十六条)は、地質調査等を専門とする会社に委託してボーリングや掘削等を行い、本件処分地の廃棄物の量や種類を明らかにするとともに、地下水や周辺環境等の調査も行う、極めて大規模なものとなった。これらは、同年十二月十三日から平成七年三月末まで行われ、その費用は、国費から二億三千六百万円余が支払われた。
   この調査の結果、本件処分地に残された廃棄物は汚染土壌を含め、量にして約四九・五万立方メートル、五六万トンにものぼり、約六・九万平方メートルの範囲に分布していること、またその中には、鉛、水銀等の重金属やダイオキシンを含む有機塩素系化合物等の有害物質が相当量含まれており、影響は地下水にまで及んでいることが判明した。
   同専門委員は、この調査結果に基づき、現状においても本件処分地内の有害物質が北海岸から海域に漏出していると考えられるとし、本件処分地をこのまま放置すると、生活環境保全上に支障が生じるおそれがあるため、早急に適切な対策が講じられるべきであるとの実態認識を示した。さらに、廃棄物及び汚染土壌に焼却等による減量化、安定化、無害化を目的とした中間処理を施すかどうか、また、中間処理及び最終処分を豊島内で行うか豊島外で行うか、あるいは現状のまま環境保全措置を施すかといった選択肢に応じて七つの案を示した。
   これらの案のうち、中間処理または最終処分を行う案による場合には、施設建設に約百三十四億円ないし百九十一億円の費用を要し、処理には約十年の期間を要すると試算された。
   これらの案をもとに調停委員会が調整を進めた結果、平成九年七月十八日、申請人らと香川県との間で、香川県が本件処分地に存在する廃棄物及び汚染土壌(以下「本件廃棄物等」という)に中間処理を施すことにより、できる限りそれらの再生利用を図ること、また、中間処理施設の整備等に関し、調査検討するため、学識経験者からなる「技術委員会」の設置等を内容とする中間合意が成立した。
   本事件において、実態調査及び同専門委員が事件の解決のために極めて大きな役割を果たすことができた背景には、こうした調査費用が当事者の負担とならず、国庫の負担で行うことができるとした公害等調整委員会及び公害紛争処理制度の大きな特色によるものである。
 イ 香川県は、この中間合意に基づき、「香川県豊島廃棄物等処理技術検討委員会」(第一次、第二次。(以下「技術検討委員会」という))を設置した。同委員会は、同年八月以降、二十回にわたる会議を開催して検討を重ね、平成十一年五月、その結果を最終報告書にまとめた。
   同委員会は、中間処理の方式として焼却・溶融方式を採用すれば、生成されるスラグ、飛灰などの副成物の再利用が可能である旨の見解を示し、併せて中間処理が完了するまでの間に講ずべき暫定的な環境保全措置の内容を示した。
 ウ 中間合意においては、中間処理施設は豊島内に建設し、本件廃棄物等の処理が終了した後に、撤去することが前提となっていた。しかし、香川県は、同年七月、施設の有効活用という観点から、中間処理施設を豊島の約五キロ西方にある直島の△△株式会社敷地内に建設することを提案した(以下「直島案」という)。
   この直島案を実現するためには、本件廃棄物等の海上輸送の方法や、直島に中間処理施設を建設し運転することに伴う周辺環境や、漁業等への影響といった諸問題を検討する必要があった。そこで、香川県は技術検討委員会(第三次)を設置し、同委員会は、同年十月から前記のような事項についての検討を重ね、平成十二年三月、所要の対策を講ずることにより、本件廃棄物等の中間処理を直島に建設する中間処理施設において行うに際し、二次公害を発生させることなく実施することができる旨の見解を示した。
   このような検討結果を受けた直島町は、アンケートなどにより住民意思を把握した上で、同月、中間処理施設の受入れを表明した。
 エ こうした状況を踏まえ調停委員会は、同年四月四日、準備期日を設け、この期日において申請人らと香川県は、今後直島案を前提に調停手続を進行させることに合意し、併せて香川県は、暫定的環境保全措置を、その最終合意の成立に先行して実施することを明らかにした。
   その後、調停委員会は、申請人らと香川県との間で密度の濃い調整を進めた。その結果、最終合意に向けての見通しが得られたため、同年五月二十六日、第三十六回調停期日を開催し、それまでの調整の経過を踏まえて作成した調停条項案を申請人らと香川県の双方に提示した。
   調停委員会は、香川県議会における調停条項案の議決及び申請人側の内部的な意思確認を経て、同年六月六日、第三十七回調停期日を開催し、同期日において、申請人らと香川県との間に、調停が成立した。この調停は、香川県が申請人らに謝罪し、香川県は平成二十八年度末までに本件廃棄物等を豊島から撤去し、直島に設置される施設において焼却・溶融処理を行うことを骨格とするものである。
   この調停期日は、申請人らの要望により、現地の豊島小学校の体育館において開催し、申請人側は、本人及びその家族ら約六百人が出席した。ここでは、合意書への署名押印が行われた後、申請人ら代表と香川県知事が握手を交わし、両当事者は合意内容の実現に向けて歩き出した。
   本件廃棄物等の搬出には長期間を要する。また、搬出するのは有害物質を含む廃棄物及び汚染土壌であるため、調停条項においては、本件事業の実施について協議するため申請人らの代表者等及び香川県の担当職員等による協議会を設置すること及び香川県は専門家の指導・助言等のもとに本件事業を実施することを定め、これらの条項に基づいて、「豊島廃棄物処理協議会設置要綱」及び「専門家の関与に関する大綱」が定められた。また、前記のような本事件の特殊性にかんがみ、公害等調整委員会としては、豊島廃棄物処理協議会が円滑・適切に機能するように支援を行っていくこととしている。

<香川県以外の被申請人との間の調停手続の経過>
 ア 調停委員会は、平成九年二月二十六日に開催した第十五回調停期日において、被申請人となっていた排出事業者に対し、廃棄物処理法及び同法施行令に定める委託基準に違反した廃棄物の処理委託を行った結果、受託者により不適正な処理が行われていた場合には、排出事業者は処理責任を果たしたといえず、適正な処理をすべき責任が残存している旨を指摘した。また、対策に要する費用等について応分の負担をするように求め、引き続き個別協議を重ねた。
   その結果、平成十二年一月までに十九の排出事業者が解決金の負担に応ずることを認め、申請人らとの間で、調停が順次成立した。これら排出事業者が負担に応ずることを認めた解決金の総額は、三億七千八百十九万八千円にのぼり、香川県との間の調停成立時点において、そのうち三億二千五百万八千円が既に支払われていた。このように、廃棄物の不法投棄に係る事件において、廃棄物の排出事業者が紛争の解決のため負担に応じた事例はなく、本調停は、この点において先例を開くものであった。
 イ 調停委員会は、残る排出事業者二業者、廃棄物処理業者、その実質的な経営者(調停係属中に父親の地位を相続により承継)との間については、同年六月六日、当事者間に合意が成立する見込みがないとして、公害紛争処理法第三十六条第一項の規定に基づき調停を打ち切った。
   一方、申請人らは、香川県との間の前記調停成立に先立ち、同年五月二十九日、被申請人となった同県職員二人を被申請人とする申請を取り下げるとともに、平成八年(調)第三号事件(国を被申請人とする申請)の申請人らは、平成十二年六月六日、同事件の申請を取り下げた。
   我が国で最大規模の産業廃棄物不法投棄事件といわれてきた豊島の産業廃棄物をめぐる調停事件は、香川県との間で調停が成立した同日をもって全面的に終結した。

三 中海(なかうみ)本庄工区干陸事業水質汚濁被害等調停申請事件(平成七年(調)第二号・平成八年(調)第一号事件)

<事件の概要>
 平成七年八月九日、島根県及び鳥取県の住民三十五人から、国(代表者 農林水産大臣)を相手方(被申請人)として、公害紛争処理法第二十七条第一項の規定に基づき、島根県知事に対し調停を求める申請があった(平成七年(調)第二号事件)。申請の内容は以下のとおりである。
 国が計画している中海本庄工区干陸事業が実施された場合、遊水域、浅瀬への海水の流入・流出の消滅などにより、災害、水質汚濁及び生態系の破壊を招くおそれがあるとして、これらを理由に被申請人である国に対し、@全面干陸を行わないこと、A水質汚濁及び生態系の回復を目指し、森山堤防及び大海崎堤防の一部を早期に開削するなど、必要な措置を講じることを求めるというものである。

<事件処理の経過>
 本事件は、いわゆる県際事件であり、島根県知事は、公害紛争処理法第二十七条第三項の規定により、関係県知事(鳥取県知事)と連合審査会の設置について協議したが、協議がととのわなかったため、平成七年九月五日、同条第五項の規定により、本事件の関係書類を公害等調整委員会に送付した。
 本事件の関係書類の送付を受け、公害等調整委員会は、直ちに調停委員会を設け、五回の調停期日を開催するなど鋭意手続を進めた。しかし、平成八年八月に当時の与党三党(自由民主党、社会民主党、新党さきがけ)の合意により、事業の総合評価を行うための二年間の調査と、事業計画について、技術的・経済的な検証を行うとともに、宍道湖・中海全域及びその周辺水域の環境や資源への影響を把握し、別途宍道湖・中海全域における水産振興について国と島根県が協力して行う調査・検討結果と合わせ、総合的に評価することとなった。このため、調停委員会は、この検討経緯を見守ることとし、その間は、必要に応じて両当事者との連絡をとることにとどめることとした。
 なお、この間、平成八年一月十九日、同一原因による被害を主張する島根県の住民一人から参加の申立てがあり(平成八年(調)第一号事件)、調停委員会は、同日、これを許可した。
 その後、中国四国農政局が実施し、二年間の調査・検討結果に基づき作成した中海干拓事業本庄工区に係る農業利用計画案及び水産利用計画案について検討を行い、中国四国農政局長に意見を述べることを目的として、平成十一年二月二十四日に本庄工区検討委員会が設置された。その後、平成十一年三月十五日から平成十二年三月二十五日までの間に十一回の検討委員会が開催され、平成十二年四月三日に報告書が提出された。
 農林水産省は、本庄工区検討委員会の報告を踏まえた上で、島根県と協議を進め、与党三党(自由民主党、公明党、保守党)による「公共事業の抜本的見直しに関する三党合意」等を総合的に勘案した結果、平成十二年九月七日、本庄工区の干陸中止を決定した。
 調停委員会は、平成十二年十二月八日までに七回の調停期日を開催し、その後、両当事者に調停案を提示し、鋭意手続を進めていたところ、平成十三年四月六日の第八回調停期日において、別記のとおりの調停が成立した。
 なお、同期日に調停委員長より、調停条項前文は、中海が美しい景観を作るとともに、地域住民の生産活動の源泉となっているなど地域にとってかけがえのない貴重な財産であり、将来においてもこうした恵みを享受することができるように、環境の保全と地域振興との調和を図りながら、これを利用していくことが肝要であるという認識を表現したものであり、第二項は堤防の開削といった具体的施策にまで言及したものではないことを付言する旨の発言があった。

【別記】
 調停条項
  当事者双方は、中海が、地域にとってかけがえのない貴重な財産であり、その賢明な利用を図ることが肝要であることを深く認識した上、下記の条項による調停を成立させることに合意した。
  一 申請人は、中海干拓事業本庄工区の干陸事業が中止されたことを高く評価するとともに、今後、中海の水質改善のための諸施策が十分検討され、可能なものから順次実施に移されることを強く期待する。
  二 被申請人は、中海の水質が環境基準を達成していない状況等を見据え、鳥取、島根両県知事が策定した湖沼水質保全計画による水質保全のための施策の推進に積極的に協力するなど水質の改善に努力するものとする。

四 四日市市産業廃棄物処分場水質汚濁防止等調停申請事件(平成十年(調)第二号事件)

<事件の概要>
 平成十年七月二十二日、三重県四日市市の住民八人から、産業廃棄物処理業者及び産業廃棄物排出事業者計二十一社を相手方(被申請人)として、公害紛争処理法第二十七条第一項の規定に基づき、三重県知事に対し調停を求める申請があった。申請の内容は以下のとおりである。
 被申請人である産業廃棄物処理業者は、本件産業廃棄物最終処分場(安定型)に安定五品目以外の腐敗性または有害性のある産業廃棄物を埋めたため、汚染された水が申請人らの利用する農業用水路に排出され、農業用水に濁り、悪臭等が生じている。これにより申請人らの農業に重大な支障が生じるおそれがあるとして、被申請人である産業廃棄物処理業者に対し、積み荷の展開検査を行うこと、住民が処分場内に立ち入り、埋め立て状況を見たりカメラ等で撮影しサンプル採取できるようにすること等を、また、被申請人である産業廃棄物排出事業者に対し、被申請人である産業廃棄物処理業者に処理を委託した産業廃棄物の種類、性質、数量、有害物質含有の有無等について公開すること等を求めるというものである。

<事件処理の経過>
 本事件は、産業廃棄物の処理を委託した被申請人である産業廃棄物排出事業者の事業所の所在地が、愛知県、岐阜県、滋賀県及び三重県に及ぶ、いわゆる県際事件であり、三重県知事は、公害紛争処理法第二十七条第三項の規定により前記関係県知事と連合審査会の設置について協議したが、協議がととのわなかったため、平成十年十二月四日、同条第五項の規定により本事件の関係書類を公害等調整委員会に送付した。
 公害等調整委員会は、本事件の関係書類の送付を受けた後、直ちに調停委員会を設け、五回の調停期日を開催し、また、職権により水質調査を実施するなど手続を進めた。しかし、当事者の主張や考え方に隔たりが大きいため、当事者間に合意が成立する見込みはないものとして、第五回調停期日である平成十三年一月十日、公害紛争処理法第三十六条第一項の規定により調停を打ち切った。

◇裁定事件

 平成十二年度に公害等調整委員会に係属した裁定事件は、新たに申請のあった二件に前年度から繰り越された三件を加えた計五件である。
 その概要は次のとおりである。

一 杉並区における不燃ゴミ中継施設健康被害原因裁定申請事件(平成九年(ゲ)第一号事件)

<事件の概要>
 平成九年五月二十一日、東京都杉並区の住民ら十八人から、東京都を相手方(被申請人)として、原因裁定を求める申請があった。
 申請の内容は、平成八年四月、杉並区に被申請人が不燃ゴミ中継施設を設置して以来、申請人らは、それまでに経験したことのない喉の痛み、頭痛、めまい、吐き気、動悸等のさまざまな健康被害を受けており、これらの被害は、同中継施設から排出される有害物質によるとして、原因裁定を求めているものである。

<事件処理の経過>
 公害等調整委員会は、本事件の原因裁定申請を受け付けた後、直ちに裁定委員会を設け、十二回の審問期日を開催し、申請人及び被申請人による陳述並びに参考人尋問を行うなど、鋭意手続を進めている。
 また、申請人らが訴える健康被害と杉並不燃ゴミ中継施設の排気及び周辺の大気成分との因果関係を判断するのに必要な専門的事項を調査するため、平成十一年一月二十六日、三名の専門委員を選任した。専門調査員は、検討会を十二回にわたり開催し、平成十二年九月、これまでの測定結果からは、杉並不燃ゴミ中継施設周辺地域の大気質が、同中継施設の排出空気を主要な排出源として特定できるほどの影響を受けているということは認められなかったとする調査報告書を取りまとめた。

二 尾鷲(おわせ)市における養殖真珠被害責任裁定申請事件(平成十一年(セ)第二号事件)

<事件の概要>
 平成十一年八月三十日、三重県の真珠養殖業者より、トンネル掘削工事を施工した会社三社及び同工事を発注した三重県を相手方(被申請人)として、責任裁定を求める申請があった。申請の内容は以下のとおりである。
 被申請人である会社三社は、平成七年三月頃より、トンネル掘削によって生じた土砂を海岸に投棄し埋め立てたが、工事の方法を誤ったために、土砂が申請人の漁場に大量に流出し、この漁場の真珠貝が大量にへい死する被害が発生した。
 被申請人である三重県の前記土砂に対する設置・管理には暇疵があり、また同県は、被申請人会社三者に対し、前記工事につき適切な注文、または指図を行わなかった。これらを理由として、被申請人らに対し、損害賠償として三億円及びこれに対する平成七年五月一日から支払済みまで年五分の割合による遅延損害金の連帯支払を求めるというものである。

<事件処理の経過>
 本件については、同一の被害をめぐる損害賠償請求訴訟が係属していたことから、いずれの手続を進行させるかについて、両当事者との協議を経て、裁定手続を進行させることとした。裁定委員会の設置後、四回の審問期日を開催し、参考人及び申請人代表者の尋問を行うなど、鋭意手続を進めている。
 また、土砂の流出と養殖真珠のへい死との因果関係を判断するのに必要な事項等の専門的事項を調査するため、平成十二年七月二十六日、専門委員一名が選任されている。

三 佐伯(さいき)市における養殖真珠被害責任裁定申請事件(平成十一年(セ)第三号事件)

<事件の概要>
 平成十一年十二月二十七日、大分県の真珠養殖業者より、国(代表者 運輸大臣(当時)、現国土交通大臣)を相手方(被申請人)として、責任裁定を求める申請があった。申請の内容は以下のとおりである。
 被申請人の事業として、平成八年九月頃から行われた佐伯湾のヘドロ除去作業に伴い発生した海水汚濁により、申請人の養殖場の真珠貝約七万七千個がへい死し、甚大な損害を被った。申請人が委嘱した調査結果において、貝に付着した物質と佐伯湾のへドロとの間に強い類似性があり、付着原因を断定することは困難であるが、佐伯湾のへドロが一因であることも否定できない旨の評価がなされている。これらを理由として、被申請人に対し、損害賠償として金約八千二百万円の支払いを求めるというものである。

<事件処理の経過>
 本事件の責任裁定申請を受け付け、公害等調整委員会は、直ちに裁定委員会を設け、五回の審問期日を開催し、申請人代表者及び参考人の尋問を行うなど、鋭意手続を進めている。
 また、ヘドロの流出とアコヤガイのへい死との因果関係を判断するために必要な専門的事項を調査するため、平成十二年七月二十六日に専門委員一名を選任した。

四 奄美大島における漁業被害等責任裁定申請事件(平成十二年(セ)第一号事件)

<事件の概要>
 平成十二年十一月八日、鹿児島県大島郡大和村の漁業者三人より、道路工事を施工したとする会社三社及び同工事を発注した鹿児島県を相手方(被申請人)として、責任裁定を求める申請があった。申請の内容は以下のとおりである。
 被申請人である会社三社及び鹿児島県は、前記道路工事に伴い発生したトンネルの掘削土を海岸の砂浜に放置し、海洋の汚濁防止策を全く講じなかったために、付近の魚介類の育成環境等を破壊した。その結果、申請人らの漁獲が減少し、申請人らは漁場を放棄した。そこで申請人らは、被申請人らに対し、五千八百七十六万円の損害賠償を求めるというものである。
 その後、申請人らより請求金額を一億八千百五十六万円に拡張する旨の書面が提出され、更にその後、被申請人らに対する申請の一部が取り下げられ、請求金額は一億五千百五十六万円となった。

<事件処理の経過>
 裁定委員会は、本事件の責任裁定申請を受け付けた後、鋭意手続を進めている。

五 奄美大島における漁業被害等責任裁定申請事件(平成十三年(セ)第一号事件)

<事件の概要>
 平成十三年一月三十一日、鹿児島県大島郡大和村の漁業者三人より、道路工事を施工した会社を相手方(被申請人)として、責任裁定を求める申請があった。申請の内容は以下のとおりである。
 被申請人は、前記道路工事に伴い発生したトンネルの掘削土を海岸の砂浜に放置し、海洋の汚濁防止策を全く講じなかったために、付近の魚介類の育成環境等を破壊した。その結果、申請人らの漁獲が減少し、申請人らは漁場を放棄した。そこで申請人らは、被申請人に対し、一億八千百五十六万円の損害賠償を求めるというものである。
 なお、本事件は公調委平成十二年(セ)第一号奄美大島における漁業被害等責任裁定申請事件と同一の被害について、同事件の被申請人とは別の会社を被申請人としたものである。

<事件処理の経過>
 平成十三年二月十九日、申請人らが申請を取り下げ、これにより事件は終結した。

都道府県公害審査会等における公害紛争の処理状況

 都道府県に設置されている都道府県公害審査会等(以下「審査会等」という。公害審査会を置かない都道府県にあっては都道府県知事がこれに当たる。なお、平成十三年三月末現在で、公害審査会を置いているのは三十八都道府県、公害審査委員候補者を委嘱しているのは九県である)において、公害に係る紛争について、あっせん、調停、仲裁並びに義務履行勧告を行っている。
 公害紛争処理法施行以来、平成十三年三月末までに審査会等に係属した公害紛争事件は、九百二十四件であり、そのうち終結したものは八百七十五件である。
 平成十二年度中に受け付けた事件は三十一件であり、これらに前年度から繰り越された五十三件を加えた計八十四件が係属した。このうち三十五件が同年度中に終結し、残り四十九件が十三年度に繰り越された(第3表)。
 近年の事件の特徴としては、次の点が挙げられる。
 @ 典型七公害(大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、地盤沈下及び悪臭)のみでなく、日照阻害、通風阻害、眺望阻害、土砂崩壊、交通環境悪化等の、生活環境を悪化させる要因を併せて主張するものが増加しており、それらを含めた紛争の一体的、総合的な解決を求める事件が目立っている。
 A 将来発生するおそれのある被害の未然防止を求めるもの(おそれ事件)が増加している。
 B 加害行為とされる事業活動の種類は、制度発足当時は製造・加工業関係が全体の約半数を占めていたが、近年は廃棄物・下水等処理関係、交通・運輸関係、製造・加工業関係、建築・土木関係等の割合が増加するなど、発生源が多様化する傾向にある。また、最近は廃棄物・下水等処理関係が多くなっている。
 C 国、地方公共団体、公団等が発生源側の当事者に含まれる事件が増加している。

◇申請の状況

 平成十二年度中に受け付けた調停事件三十件について、典型七公害の種類別にみると、騒音に関するものが二十件、大気汚染に関するものが十二件、悪臭に関するものが十一件、振動に関するものが八件、水質汚濁に関するもの及び土壌汚染に関するものが三件、地盤沈下に関するものが一件となっている(重複集計)。
 また、加害行為とされる事業活動の種類をみると、製造・加工関係が十一件、廃棄物・下水等処理関係が七件、交通・運輸関係が四件、建築・土木関係が一件、その他が七件となっている。

◇処理の状況

 平成十二年度中に終結した三十五件の終結区分をみると、調停が成立したものが十三件、調停を打ち切ったものが十六件、申請を取り下げたものが五件、その他(義務履行の勧告)が一件である。
 また、申請受付から終結までの期間をみると、三か月以内に終結したものが二件、三か月を超え六か月以内に終結したものが三件、六か月を超え一年以内に終結したものが八件、一年を超え一年六か月以内に終結したものが十件、一年六か月を超え二年以内に終結したものが六件、二年を超えているものが六件となっており、約八割が二年以内に終結している。なお、制度発足以来の全事件の平均処理期間は、一五・八か月である。
 平成十二年度中に調停が成立した事件のうち、いくつかの概要を以下に示す。

一 大阪府平成十年(調)第ニ号・第三号・平成十一年(調)第三号事件

<申請の概要>
 大阪府の住民八百六十五人より、平成十年九月、大阪府公害審査会に対して、(一)ごみ焼却処理施設の運営主体であるA組合、(二)A組合を構成するB町、C町、(三)ごみ焼却処理施設の建設工事を請け負ったD社、(四)ごみ焼却処理施設の運転管理業務を受託されているE社を相手方(被申請人)として、以下の四項目を求める調停申請がなされた。
 @ 被申請人は、B町及びC町における一般廃棄物の処理に関する資料並びに、A組合が運営する一般廃棄物処理施設の建設・運転及び環境影響評価等の一切の資料を開示すること。
 A 被申請人A組合、B町及びC町は、(ア)ごみの減量化、ごみ回収に関する行政指導、ごみの排出削減に関する広報活動を行うこと、(イ)住民参加の「ごみ行政検討協議会」を設置すること、(ウ)周辺住民に対する健康調査を継続的に実施すること、(エ)周辺地区の農地等の土壌汚染調査を実施すること、(オ)周辺地区の井戸、河川、農作物について汚染調査すること。
 B 被申請人は、A(ウ)〜(オ)の結果、被害のあることが判明した場合には、被害者に相当の補償をすること。
 C 被申請人A組合は、一般廃棄物処理施設の焼却炉施設基幹改良工事に着手しないこと。
 その後、前記被申請人のほかに、国及び大阪府を加えた二つの事件を併合して、申請人は計一千百五十五人となった。

<申請の理由>
 一般廃棄物焼却処理施設から発生するダイオキシンにより、申請人は土壌汚染、水質汚濁による被害を受けている。また、周辺住民等に対する健康被害のおそれがあるほか、農作物等について消費者の買い控え等の風評被害が発生している。

<調停の内容>
 調停委員会は、申請受付以来、現地調査を含め二十八回の調停期日の開催等、調停の成立に向け手続を進めた。その結果、平成十二年七月、以下の内容の合意が成立した。
 @ 被申請人A組合及びB町・C町は、(ア)平成十八年十二月二十日までに本件施設並びに、周辺の汚染物を安全に処理・処分し、原状回復に努めるとともに、その実施に際しては第二次汚染の防止を図ること。(イ)周辺地域の環境調査及び周辺地域に居住する住民、施設の従業員等に対する健康調査を、調停成立後二十年間実施すること、(ウ)後記Aの上水道による給水が開始されるまでの間、関係住民に無料でミネラルウォーターを供給すること、(エ)本調停条項に基づく諸事項の実施等について申請人と協議する場として、「F郡美化センターダイオキシン問題対策協議会」を設置すること、(オ)「F郡におけるごみ減量化計画」を立て、一般廃棄物の総量を、平成十七年三月末を目途に平成十年度の収集量の五〇%以下に削減するよう努めること。
 A 被申請人B町は、G区の住環境の改善のために、上水道による給水が可能となるよう努めるとともに、同地区の近隣地域に児童公園を一か所設置すること。
 B 被申請人D社及びE社は、本件問題の解決に要する費用として総額七億五千万円を負担すること。

二 岡山県平成十一年(調)第一号事件

<申請の概要>
 岡山県の住民二人から、平成十一年九月、岡山県公害審査会に対して、醤油製造会社を相手方(被申請人)として、以下の二項目を求める調停申請がなされた。
 @ 申請人に対し被害額を補償すること。
 A カビ・悪臭を工場施設外に出さないよう、施設より高い外壁等を設置すること。

<申請の理由>
 被申請人が経営する醤油製造工場から醤油製造過程において発生するオーレオバシデウム属菌の影響により、申請人の居住家屋等にカビが付着し真っ黒になるほか、申請人は悪臭による生活被害を受けている。また、被申請人が工場の増築工事を行ったことで、申請人居宅との間隔が二十メートルから三・八メートルになったため、被害の程度が一段と著しくなった。

<調停の内容>
 調停委員会は、申請受付以来、現地調査を含め八回の調停期日の開催等、調停の成立に向け手続を進めた。その結果、平成十三年二月、以下の内容の合意が成立した。
 @ 醤油製造工程において排出されるアルコールを含む空気について、アルコール濃度を低減した上で排出すること。
 A 一年に一回以上、アルコール濃度を測定し、その測定方法・結果を書面により申請人に通知すること。
 B 申請人の居宅の屋根及び外壁等の洗浄に要する費用を含む解決金を申請人に支払うこと。

地方公共団体における公害苦情の処理状況

 住民から寄せられる公害苦情は、その多くが紛争の前段階ないし初期段階としての性格を有しており、また、健康と生活環境の保全に関する相談という側面をも併せ持っている。これらの公害苦情を通して公害被害等の動向を把握することができる。
 「公害苦情調査」は、このような各地方公共団体の公害苦情相談窓口に寄せられる公害苦情の件数や発生状況、地方公共団体での処理状況などについて全国的に把握するため、公害等調整委員会が公害紛争処理法第四十九条の二の規定に基づき、都道府県及び市町村(特別区を含む)に対し毎年度実施している調査である。
 平成十一年度の全国の地方公共団体における公害に関する苦情の動向及びその処理状況は、次のとおりである。

◇公害苦情件数の推移

 平成十一年度に全国の地方公共団体の公害苦情相談窓口で受け付けた公害苦情件数(他の機関等から移送されたものを含む)は七万六千八十件で、前年度に比べて六千五十八件(七・四%)減少した(第4表)。
 公害苦情件数を、典型七公害に係るものと、典型七公害以外の廃棄物の不法投棄、日照、電波障害等に係るものとに分けてみると、平成十一年度の典型七公害の苦情は五万八千九百十五件(全公害苦情件数の七七・四%)で、前年度に比べて六千十三件(九・三%)減少した。また、典型七公害以外の苦情は一万七千百六十五件で、前年度に比べて四十五件(〇・三%)減少した。
 典型七公害の苦情件数の推移をみると、昭和四十七年度の七万九千七百二十七件をピークに、四十九年度から五十三年度までが六万件台、五十四年度から六十三年度までが五万件台、平成元年度以降が四万件台と減少傾向で推移していた。しかし、平成八年度から三年連続して増加し、九年度は五万件台となり、十年度は昭和五十三年以来の六万件台となった。平成十一年度は若干減少し約五万九千件となった(第5表)。

◇公害の種類別苦情件数

 典型七公害の苦情件数を種類別にみると、平成十一年度では大気汚染が二万六千百八十一件(典型七公害の苦情件数の四四・四%)と最も多く、次いで、騒音が一万二千八十九件(同二○・五%)、悪臭が一万一千七百二十二件(同一九・九%)、水質汚濁が七千三十八件(同一一・九%)、振動が一千五百四十七件(同二・六%)、土壌汚染が二百九十九件(同〇・五%)、地盤沈下が三十九件(同〇・一%)となっており、前年度に比べて、振動、水質汚濁及び地盤沈下の苦情件数が増加し、大気汚染、悪臭、騒音及び土壌汚染の苦情件数が減少した(第6表)。
 次に、典型七公害以外の苦情件数を種類別にみると、平成十一年度では廃棄物の不法投棄が五千七百九十件(典型七公害以外の苦情件数の三三・七%)と最も多く、次いで、害虫等の発生が一千九百二十四件(同一一・二%)、動物の死骸放置が一千五百九十一件(同九・三%)、火災の危険が六百三十八件(同三・七%)、ふん・尿の害が四百九十八件(同二・九%)、土砂の散乱が百六十七件(同一・〇%)、電波障害が百五十八件(同〇・九%)、土砂の流出が百六件(同〇・六%)などとなっている(第7表)。

◇典型七公害の発生源別苦情件数

 典型七公害の苦情件数を発生源別にみると、平成十一年度では、建設業が一万二千八百八十三件(典型七公害の苦情件数の二一・九%)と最も多く、次いで製造業が一万二千九十件(同二〇・五%)、サービス業が七千二十九件(同一一・九%)、家庭生活が五千七百八十八件(同九・八%)、卸売・小売業,飲食店が四千八百八十七件(同八・三%)、農業が四千三百四十六件(同七・四%)、運輸・通信業が一千四百三十二件(同二・四%)、空地が九百七十三件(同一・七%)などとなっている(第8表)。

◇公害苦情の処理状況

 平成十一年度に全国の地方公共団体の公害苦情相談窓口が取り扱った公害苦情件数(十年度以前に受け付けたが、処理されず十一年度に繰り越されたものを含む)は、八万五千十二件である。このうち、公害苦情相談窓口において直接処理した苦情件数(以下「直接処理件数」という)は七万一千七百九十一件であり、他の機関等へ移送した苦情件数は一千二百十二件、翌年度へ繰り越した苦情件数は八千八百五十二件となっている。
 典型七公害の苦情の直接処理件数を、苦情の申立てから処理までに要した期間別にみると、「一週間以内」が三万一千三百六十三件(典型七公害の直接処理件数の五五・七%)と最も多く、次いで、「一週間超一か月以内」が六千七百十九件(同一一・九%)、「三か月超六か月以内」が六千二百五十三件(同一一・一%)、「一か月超三か月以内」が四千九百件(同八・七%)、「六か月超一年以内」が三千二百三十三件(同五・七%)、「一年超」が二千百二十八件(同三・八%)となっている。
 「一週間以内」及び「一週間超一か月以内」を合わせると三万八千八十二件(典型七公害の直接処理件数の六七・六%)となり、直接処理件数の約三分の二が一か月以内に処理されている(第9表)。
 また、典型七公害の苦情の処理結果に対する申立人の満足度についてみると、「一応満足」が一万八千五百三十二件(典型七公害の直接処理件数の三二・九%)と最も多く、次いで「満足」が八千四百三十七件(同一五・〇%)、「あきらめ」が三千百七十六件(同五・六%)、「不満」が二千百十二件(同三・七%)などとなっている(第10表)。

◇公害苦情を担当する職員数

 全国の地方公共団体において公害苦情の処理に関する事務に従事している職員数は、平成十一年度末日現在で、一万三千二百四十二人であり、このうち、公害紛争処理法第四十九条第二項に規定する公害苦情相談員は三千十六人(公害苦情処理事務担当職員数の二二・八%)となっている。

地方公共団体に対する指導等

◇公害紛争処理に関する連絡協議

 公害等調整委員会及び審査会等は、公害紛争処理法によって定められた管轄に従い、それぞれ独立して紛争の処理に当たっているが、紛争の円滑な処理のためには、委員会及び審査会等が相互の情報交換・連絡協議に努めることが必要である。
 このため、公害等調整委員会は、平成十二年度には、第三十回公害紛争処理連絡協議会等の会議を開催し、また、参考となる情報・資料の提供を行った。

◇公害苦情処理に関する指導等

 公害紛争処理法では、公害苦情の処理は地方公共団体の責務とされている。その際、公害等調整委員会は、地方公共団体が行う公害に関する苦情の処理について指導等を行うこととされている。
 このため、公害等調整委員会は、平成十二年度には、第二十八回公害苦情相談研究会等の会議を開催し、また、参考となる情報・資料の提供を行った。

鉱業等に係る土地利用の調整手続等に関する法律等に基づく事務の処理概要

 公害等調整委員会は、鉱業等に係る土地利用の調整手続等に関する法律(昭和二十五年法律第二百九十二号)、鉱業法(昭和二十五年法律第二百八十九号)、採石法(昭和二十五年法律第二百九十一号)等の定めるところにより、鉱区禁止地域の指定及び鉱業権設定の許可処分、岩石採取計画の認可処分等に関する不服の裁定を行うとともに、土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)に基づく国土交通大臣に対する意見の申出等の事務を行っている。

◇鉱区禁止地域の指定制度

 本制度は、公害等調整委員会が、各大臣または都道府県知事の請求に基づき、鉱業法の所管大臣である経済産業大臣の意見を聞き、公聴会を開いて一般の意見を求め、利害関係人を審問した上で、請求地域において鉱物を掘採することが一般公益または農業、林業、その他の産業と対比して適当でないと認めるとき、当該地域を鉱区禁止地域として指定し、また、同様の手続により、その指定を解除するためのものである。本制度が施行された昭和二十六年一月から平成十二年度末までに指定された鉱区禁止地域は、二百三十七地域、総面積六十五万六千六十一ヘクタールとなっている。
 これらの地域を指定理由別に示せば第1図のとおりであり、ダム及び貯水池の保全を理由とするものが百四十六地域と最も多い。なお、指定が解除された地域はない。
 平成十二年度中に公害等調整委員会に係属した事件は三件であり、このうち一件が十二年度中に処理され、二件が十三年度に繰り越された。

◇行政処分に対する不服の裁定制度

 公害等調整委員会は、法律に基づき、鉱業、採石業または砂利採取業と、一般公益または農業、林業、その他の産業とのいずれかの利益に係る行政処分に対する不服の裁定を行うことを通じ、鉱業等に係る土地利用の調整を図っている。このため、これらの行政処分については、行政不服申立てに関する一般法である行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)の適用が除外されており、専ら、公害等調整委員会が、鉱業等に係る土地利用の調整手続等に関する法律の定めるところにより、意見陳述、証拠調べ等、準司法的な手続により不服の裁定を行っている。
 本制度が施行された昭和二十六年一月から平成十二年度末までに百二十九件の裁定事件を受け付けたが、そのうち既に終結したものは百二十六件である。これを関係法律別にみると、採石法関係(三十七件)が最も多く、砂利採取法関係(三十二件)がこれに次いでいる。
 平成十二年度に、公害等調整委員会に新たに申請のあった不服の裁定は六件である。このうち三件が十二年度中に終結し、残りの三件は十三年度に繰り越された。

◇土地収用法に基づく不服申立てに関する意見の申出等の制度

 公害等調整委員会は、土地利用の複雑・多様化に対応して、土地利用に関する行政庁の適正な処分を確保するため、土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)及び鉱業法等に基づき、主務大臣が裁決等を行う場合に、意見の申出、承認等を行っている。
 平成十二年度末までに公害等調整委員会が行った意見の申出等は八百四十四件であり、その内訳は、土地収用法に基づく国土交通大臣に対する意見の申出が八百三十六件、森林法に基づく農林水産大臣に対する意見の申出が二件、鉱業に関する採掘制限の決定に対する承認が一件、採石権の設定等の決定に対する承認が五件となっている。このうち、土地収用法に基づく国土交通大臣に対する意見の申出について、処分の種類別にみると、事業認定に関する処分を不服とするものが二百二十四件(処分庁が都道府県知事であるものが十九件、国土交通大臣であるものが二百五件)、収用委員会の裁決を不服とするものが六百十二件となっている。
 平成十二年度中に新たに係属した事案は二十二件であり、これらはいずれも十二年度中に処理された。


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景気予測調査


―平成十三年八月調査―


財 務 省


<はじめに>

 財務省では、企業経営の現状と見通しを調査し、景気の動向を的確に把握することを目的として、金融・保険業を除く資本金一千万円以上(電気業、ガス・水道業は資本金十億円以上)の営利法人約百二十万社のうち約一万一千社を対象として、四半期ごとに財務省景気予測調査を実施している。
 以下は、平成十三年八月に実施した第七十四回調査結果の概要である。今回の調査では一万一千三百二十社を対象とし、九千二百三十九社(回収率八一・六%)から回答を得ている。
 なお、本調査における大企業とは資本金十億円以上の企業を、中堅企業とは資本金一億円以上十億円未満の企業を、中小企業とは資本金一千万円以上一億円未満の企業をいう。

 景 況第1表第1図参照

 十三年七〜九月期の景況判断BSI(前期比「上昇」−「下降」社数構成比・季節調整済)を全産業でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも引き続き「下降」超となっている。
 先行きを全産業でみると、いずれの規模においても「下降」超で推移する見通しとなっている。

 売上高第2表参照

 十三年度上期の売上高は、全産業合計で前年比一・二%の減収見込みとなっている。
 これを規模別に前年比でみると、大企業では増収見込み、中堅企業、中小企業では減収見込みとなっている。
 業種別に前年比でみると、製造業では、食料品、化学工業などが増収となるものの、電気機械器具、一般機械器具などが減収となり、全体では四・三%の減収見込みとなっている。
 非製造業では、建設、不動産などが減収となるものの、映画・娯楽、事業所サービスなどが増収となり、全体では〇・一%の増収見込みとなっている。
 十三年度下期の売上高は、全産業合計で前年比一・三%の減収の見通しとなっている。
 これを規模別に前年比でみると、大企業、中堅企業は増収の見通し、中小企業は減収の見通しとなっている。
 業種別に前年比でみると、製造業では、食料品、化学工業などが増収となるものの、電気機械器具、一般機械器具などが減収となり、全体では三・三%の減収の見通しとなっている。
 非製造業では、卸売・小売、映画・娯楽などが増収となるものの、建設、不動産などが減収となり、全体では〇・四%の減収の見通しとなっている。
 十三年度通期の売上高は、全産業合計で前年比一・二%の減収の見通しとなっている。
 これを規模別に前年比でみると、大企業は増収の見通し、中堅企業、中小企業は減収の見通しとなっている。

 経常損益第3表参照

 十三年度上期の経常損益は、全産業合計で前年比一二・二%の減益見込みとなっている。
 これを規模別に前年比でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも減益見込みとなっている。
 業種別に前年比でみると、製造業では、出版・印刷、食料品などが増益となるものの、電気機械器具、化学工業などが減益となり、全体では二七・七%の減益見込みとなっている。
 非製造業では、卸売・小売、建設などが増益となるものの、映画・娯楽、電気、ガス・水道などが減益となり、全体では一・八%の減益見込みとなっている。
 十三年度下期の経常損益は、全産業合計で前年比三・八%の増益の見通しとなっている。
 これを規模別に前年比でみると、大企業、中小企業では増益の見通し、中堅企業では減益の見通しとなっている。
 業種別に前年比でみると、製造業では、衣服・その他の繊維製品、食料品などが増益となるものの、電気機械器具、一般機械器具などが減益となり、全体では八・五%の減益の見通しとなっている。
 非製造業では、その他の非製造業、建設などが減益となるものの、卸売・小売、不動産などが増益となり、全体では一三・八%の増益の見通しとなっている。
 十三年度通期の経常損益は、全産業合計で前年比三・九%の減益の見通しとなっている。
 これを規模別に前年比でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも減益の見通しとなっている。

 中小企業の設備投資第4表参照

 設備投資については中小企業のみを調査対象としている。今回の調査における十三年度の全産業の設備投資計画額を前年比でみると、土地購入費を含む場合(以下「含む」という)で一・五%減、除く場合(以下「除く」という)で〇・五%増の見通しとなっている。なお、前回調査時に比べ、「含む」で三五・九%ポイントの上方修正、「除く」で三〇・〇%ポイントの上方修正となっている。
 十三年九月末時点の設備判断BSI(期末判断「不足」−「過大」社数構成比・季節調整済)をみると、全産業は「過大」超となっている。
 先行きについては、全産業でみると「過大」超で推移する見通しとなっている。

 中小企業の販売製(商)品在庫

 十三年九月末時点の在庫判断BSI(期末判断「不足」−「過大」社数構成比・季節調整済)をみると、製造業、卸売業、小売業いずれも「過大」超となっている。
 先行きについては、製造業、卸売業、小売業いずれも「過大」超となっているものの、「過大」超幅が縮小する見通しとなっている。

 中小企業の仕入れ価格

 十三年七〜九月期の仕入れ価格判断BSI(前期比「上昇」−「低下」社数構成比・季節調整済)をみると、製造業、卸売業、小売業いずれも「低下」超となっている。
 先行きについては、製造業、卸売業、小売業いずれも「低下」超で推移する見通しとなっている。

 中小企業の販売価格

 十三年七〜九月期の販売価格判断BSI(前期比「上昇」−「低下」社数構成比・季節調整済)をみると、製造業、卸売業、小売業、サービス業いずれも「低下」超となっている。
 先行きについては、製造業、卸売業、小売業、サービス業いずれも「低下」超で推移する見通しとなっている。

 雇 用第5表参照

 十三年九月末時点の従業員数判断BSI(期末判断「不足気味」−「過剰気味」社数構成比・季節調整済)を全産業でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも「過剰気味」超となっている。
 先行きについては、いずれの規模においても「過剰気味」超で推移する見通しとなっている。
 十三年七〜九月期の臨時・パート数判断BSI(前期比「増加」−「減少」社数構成比・季節調整済)を全産業でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも「増加」超となっている。
 先行きについては、大企業は十三年十〜十二月期に「減少」超となった後、十四年一〜三月期に「増加」超に転じる見通しとなっている。中堅企業は引き続き「増加」超で推移する見通しとなっている。中小企業は「減少]超に転じる見通しとなっている。
 十三年七〜九月期の所定外労働時間判断BSI(前期比「増加」−「減少」社数構成比・季節調整済)を全産業でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも「減少」超となっている。
 先行きについては、いずれの規模においても「減少」超で推移する見通しとなっている。

 企業金融第6表参照

 十三年七〜九月期の金融機関の融資態度判断BSI(前期比「ゆるやか」−「きびしい」社数構成比・季節調整済)を全産業でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも「きびしい」超となっている。
 先行きについては、いずれの規模においても「きびしい」超で推移する見通しとなっている。
 十三年七〜九月期の資金繰り判断BSI(前期比「改善」−「悪化」社数構成比・季節調整済)を全産業でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも「悪化」超となっている。
 先行きについては、いずれの規模においても「悪化」超で推移する見通しとなっている。
 十三年九月末時点の金融機関からの設備資金借入判断BSI(前期比「増加」−「減少」社数構成比・季節調整済)を全産業でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも「減少」超となっている。
 先行きについては、いずれの規模においても「減少」超で推移する見通しとなっている。

 中期的な経営課題第2図参照

 中期的な経営課題(一社二項目以内回答)を全産業でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも「国内販売体制、営業力の強化」をあげる企業が最も多く、次いで、大企業、中堅企業は「新技術、新製品の開発、製品(サービス)の高付加価値化」、中小企業は「後継者、人材の確保、育成」の順となっている。
 業種別にみると、製造業では、大企業、中堅企業、中小企業いずれも「新技術、新製品の開発、製品(サービス)の高付加価値化」が最も多く、次いで大企業、中堅企業は「国内工場・営業所の再編、生産・流通工程の見直し等によるコストの低減」、中小企業は「国内販売体制、営業力の強化」の順となっている。非製造業では、いずれの規模においても「国内販売体制、営業力の強化」をあげる企業が多い。


統計の日(十月十八日)


総 務 省

◇十月十八日は「統計の日」

 私たちの生活を正確に把握し、よりよい社会を形作るために、多くの統計調査が行われています。毎年十月十八日は「統計の日」。この日は、そうした統計調査の重要性を、国民の皆さんに理解してもらうために、昭和四十八年に制定されたものです。
 日本最初の近代的統計である「府県物産表」(※)に関する太政官布告が公布されたのが、明治三年九月二十四日(太陰暦)でした。これを太陽暦に換算すると十月十八日となります。「統計の日」が十月十八日となった理由には、このような背景があったのです。
 国や地方公共団体では、この日を中心として、統計に関する関心・理解を深めていただくために、さまざまな行事を開催します。
 ※「府県物産表」とは、明治政府が各府県ごとにその区域内の農林水産物や鉱工業生産物の個々の品目についてその生産高の報告を求めて作成した統計のことです。

◇『統計で見る過去、知る今、描く未来。』

 総務省では、「統計の日」のポスターを毎年作成し、全国に配布しています(今年度は約四万枚)。
 今年度のポスターに使われる標語は、
 『統計で見る過去、知る今、描く未来。』
です。これは、全国から寄せられた二千三百七十五点もの作品から、厳正な審査を経て選ばれました。
 統計は、標語のとおり、過去や現状を把握し、未来を描くために大切なものです。各種統計調査への、皆さんのご協力をお願いします。

◇子どもをねらった痴漢の被害

 屋外にいる子どもたちが、痴漢の被害にあうケースも増えています。子どもを痴漢の手から守るには、人気のない場所へ行かないことを教え、登下校時のパトロールを行うなど、地域ぐるみで防犯活動を行う必要があります。

◇子ども一一〇番の家

 子どもが犯罪に巻き込まれそうになったときに助けを求められる「子ども一一〇番の家」。これは特別な施設ではなく、この制度に協力する商店や一般家庭の地域住民が、緊急時に子どもを保護し一一〇番通報する仕組みです。この施設の設置を地域内で進めることは、犯罪者に地域内の結束の強さをアピールすることにもつながります。地域の子どもたちに「子ども一一〇番の家」の存在を教え、地域から不審者の影をなくしましょう。





    <10月17日号の主な予定>

 ▽製造基盤白書のあらまし………経済産業省 
                厚生労働省 
                文部科学省 

 ▽家計収支(七月分)……………総 務 省 




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