官報資料版 平成14年1月23日




                  ▽経済財政白書のあらまし………………………内 閣 府

                  ▽家計収支(十月)………………………………総 務 省

                  ▽平成十二年雇用動向調査結果の概要…………厚生労働省

                  ▽午(うま)年生まれは九百四十七万人………総 務 省

                  ▽二〇〇二年の新成人は百五十二万人…………総 務 省











経済財政白書のあらまし


―改革なくして成長なし―


内 閣 府


 平成十三年十二月四日、内閣府は、「改革なくして成長なし」を副題とする年次経済財政報告(経済財政白書、以下本白書と呼ぶ)を公表した。本白書は、戦後五十四年にわたって経済企画庁が公表してきた年次経済報告(経済白書)を、内閣府の新しい任務にふさわしいものにするため、衣替えしたものである。
 我が国の経済財政の現状と課題を分析する本白書は、経済財政諮問会議の審議を経済分析面でサポートする役割を持っている。
 特に、今回は、小泉内閣が推し進める構造改革に、分析的な基礎付けを与えることを意図しており、日本経済を再生するためにはどうすればよいかという観点から、現在の日本の経済と財政が抱える主要な問題―最近の景気動向、景気の先行き、不良債権問題、日本経済の潜在成長力、我が国財政の現状と課題等―を分析している。
 また、本白書は、経済白書の経済分析の蓄積と伝統を引き継いでいるが、その内容は、従来の経済白書とはかなり異なったものとなっている。具体的には、@「読み手にやさしい(フレンドリーな)」内容、A経済と財政の総合的分析、B政策の企画・立案に役立つ「前向きな」分析、の三点を基本方針として作成されている。

第一章 力強い景気回復の条件

 九九年春以降の日本経済の景気回復局面での回復力は非常に弱かった。第一節では、今回の景気悪化に至るまでの局面の特徴を指摘し、第二節ではデフレの進行に焦点を当て、金融政策の対応を検討している。第三節では、経済の先行きを展望する際のポイントを提示している。

第一節 短命の回復から再び景気後退へ

 九九年四月から日本経済は景気回復局面に入ったが、二〇〇一年に入り景気は再び弱まっている。
 今回の景気回復は、テンポが緩やかである上に持続性にも欠けるなど、脆弱なものであった(第1図参照)。

1 景気回復力が弱い理由
 本白書では、回復力の弱さの理由として、@景気回復のけん引役であった輸出と設備投資が、外需やIT(情報通信技術)に依存し脆弱であったこと、A消費の低迷、B不良債権問題の長期化、の三点を挙げている。

2 脆弱だった設備投資の回復
 設備投資は、製造業では輸出にけん引されたIT関連業種の好調な生産を起点に増加してきたが、二〇〇一年中に減少に転じた。また、非製造業では明確な回復に至らないまま減少に転じた。
 製造業の設備投資が短期間で息切れした要因として、@米国経済の減速を契機とした世界的なIT需要の冷え込みによる生産の急減や、人件費の削減が進まなくなったことに伴う企業収益の減少に加え、A企業の期待成長率の低迷による設備投資抑制、が考えられる。
 非製造業の設備投資停滞の理由としては、@消費の低迷によるサービス業の伸び悩み、A電力・運輸・通信等規制緩和業種での中期的な設備投資の抑制、が指摘される。また、非製造業では過剰債務が解消されず、設備投資よりも借入金返済を優先するという行動が続いている。

3 低迷する消費
 今回の回復局面では、消費は横ばい状態が続いた。その要因として、@所得の改善テンポの緩やかさ、A家計の将来不安からの消費抑制、が挙げられる。その背景には、@雇用のミスマッチ等、労働市場の構造に根ざした構造的失業率が上昇傾向にあり、景気局面にかかわらず失業率が下がりにくくなっている、A過剰債務の圧縮のための人件費抑制等を背景に、賃金の伸びが緩やかになっている、といった雇用情勢の厳しさがある。

第二節 デフレの進行と金融政策

 本節では、日本経済が直面している緩やかなデフレの要因と影響を説明し、金融政策による対応を検討している。

1 デフレの現状とその背景
 日本経済が戦後初めて緩やかなデフレ状態にある要因として、@安い輸入品の増大等、供給面の構造要因、A景気の弱さからくる需要要因、B過剰債務・不良債権問題を背景とする銀行貸出の減少、マネーサプライの伸び悩み、という金融要因がある。
 デフレは、@企業の実質債務負担の増加、A実質金利や実質賃金の上昇、を通じて企業の投資行動を抑制するなど、経済全体にマイナスの影響を及ぼす(第2図参照)。
 また、本白書は、デフレを生産性上昇による価格下落や日本の高価格是正の過程とみなし、望ましいものとする「良いデフレ論」の問題点として、相対価格の下落と一般物価水準の下落を区別する必要のあること、内外価格差は貿易財と非貿易財の生産性上昇のスピードに格差が存在する限りなくならず、一般物価水準の下落によっては解消しないことを指摘している。

2 デフレ経済下での金融政策
 今後、短期的には不良債権処理等に伴うデフレ圧力の一層の強まり等も想定され、金融政策によるデフレ圧力の緩和が期待される。
 金融緩和の効果として、@長短金利の低下や、資産価格回復による銀行・企業のバランスシート改善による貸出等への波及、A無利子の日銀当座預金残高の増加による銀行の融資や債券購入の積極化、B円安による輸出増大等の景気刺激効果などが考えられる。現状では、金利低下余地が限られる中で、過剰債務・不良債権問題により貸出等への波及が限定されている。
 さらなる措置として、@長期国債買い切りオペの増額等の一層の量的緩和や、A中長期的な物価上昇率の目標(「物価安定数値目標」)の導入、が考えられる。
 本白書では、これらの施策に対して、積極的立場と消極的立場の考え方を整理し、金融政策は、現在の経済を全快させる万能薬ではあり得ないが、日本銀行はデフレ圧力を和らげるためのさらなる施策を、積極的に検討すべき段階にあると指摘している。

第三節 景気の先行き

 本節では、景気の先行きを見通す際のポイントを指摘し、中心的なシナリオを展望している。ただし、二〇〇一年九月に生じた米国における同時多発テロ事件等の悪影響の長期化など、中心的なシナリオが崩れるリスクもある。

1 供給サイドの弱さ
 これまで十年間の低成長の結果、潜在成長率が低下し、今後二、三年の潜在成長率は一%前後と考えられる。このような供給面の弱さから、日本経済の成長は低いものにならざるを得ない。

2 今後の需要動向
 輸出については、近年、米国経済のアジア経済を経由した日本の輸出への影響が強まっており、米国経済の回復時期がポイントとなる。
 短期の景気変動に影響をもつ在庫調整と鉱工業生産については、5四半期で調整が終了した前回局面との類似性等から、二〇〇二年半ばまでに調整局面を脱する可能性があるが、今後の需要動向にも影響される。
 設備投資については、期待成長率の低迷による資本ストック循環の短縮化により、調整が短期間で終わる可能性が高い。今回の回復局面において能力増強投資が抑制されてきた点も併せて考えると、二〇〇一年後半にストック調整過程に入り、製造業の設備投資が減少しても、調整過程は長期化しない可能性がある。しかし、当面は企業の期待成長率の急上昇も見込めないため、調整過程を脱しても設備投資の回復は弱くなると推測される。
 消費も、雇用情勢の厳しさを受けて力強さを欠く可能性がある。
 公共投資は、政府が財政構造改革を目指す中で、総じて低調に推移するものと見込まれる。
 また、雇用・所得環境の厳しさが当面続く可能性が高いと考えられるなど、消費者の住宅取得マインドを通じて住宅建設を減少させる要因がみられる。

3 今後の物価動向
 @供給面では、安価な輸入品の増加による価格下落圧力が当面継続する可能性が高いこと、A需要面では、投資や消費の弱い動きが当面続くとみられること、B金融面では、金融緩和の波及を妨げる要因となっている過剰債務・不良債権問題が長引いていることから、デフレ圧力は短期間では解消されず、二〇〇二年にかけて緩やかな物価下落が続く可能性が高いこと、などが挙げられる。

 以上より、輸出の回復、日本経済の自律的な回復力(在庫調整、資本ストック調整の進展)、構造改革の効果の発現等により、二〇〇二年度後半にかけて回復への動きがみられるようになるが、構造的な下押し圧力の存在のために、回復力は当面弱いものになると考えられる。
 今後の力強い景気回復実現のためには、日本経済の実力を開花させるような構造改革が必要とされる。

第二章 不良債権問題と日本経済の実力

 本章は、構造改革による経済再生の第一歩とされる不良債権問題に焦点を当て、第一節においてその現状を整理した後、第二節において不良債権問題の悪影響を分析し、問題解決の必要性を明らかにしている。第三節では、構造改革で日本経済の実力が開花した場合の潜在成長力について展望している。

第一節 増え続ける不良債権

 本節では、我が国の不良債権問題の特徴を指摘した後、その長期化の背景を説明している。

1 不良債権問題の三つの特徴
 長引く不良債権問題の特徴として、@多額の不良債権処理にもかかわらず、新規の不良債権の発生が続き、不良債権残高が増え続けていること、A不良債権処理の費用が銀行収益を圧迫し続けていること、B不良債権の貸付先が、不動産、建設、卸小売など特定産業に集中していること、といった点が挙げられる(第3図参照)。

2 不良債権問題長期化の背景
 多額の不良債権処理にもかかわらず、新たに不良債権が発生する要因として、@バブル期に過大な土地等への投資と借入を行った特定業種(不動産、建設、卸小売)において、地価下落によるバランスシートの毀損と、景気の長期低迷や流通革命による競争激化があいまって、これら業種への貸出債権の一部が不良化していること、Aその他業種でも、業種規模別や企業別の業績格差拡大の中、いわゆる「負け組」企業への貸出が不良債権化していること、B金融機関が債務者区分や資産査定を厳格化させた結果、不良債権と認定される債権が増加していること、といった点を挙げることができる。

第二節 不良債権・過剰債務は日本経済の重し

 本節では、長期にわたり高水準で推移する不良債権が、経済に長期低迷をもたらすメカニズムを解明している。

1 銀行収益圧迫による金融仲介機能の低下
 多額の不良債権償却費用が銀行収益を圧迫し、銀行のリスクテイク能力が低下する。その結果、貯蓄を効率的に配分するという銀行の金融仲介機能が低下し、潜在的に生産性の高い事業に対しても資金が回せなくなる。

2 低生産性の分野に労働力・資本などの経済資源が停滞
 不良債権問題は、資源を低生産性分野に停滞させる。バブル崩壊後の九〇年代前半には、収益率の低い不動産業やサービス業への貸出しが増加し、中小企業一件当たりの貸出金額が不動産業や金融保険業で拡大し続けた。
 業績低迷にもかかわらず借手企業の存続のために貸出が継続され、適切な処理が先送りされてきた可能性が示唆される。

3 金融システムへの信頼の低下による企業・消費者の慎重化
 銀行破綻などによる金融システムへの信頼の低下が、企業や消費者の行動を慎重化させ、設備投資や個人消費を押し下げる可能性もある。
 現在は、金融不安が消費や投資を押し下げた九七〜九八年当時と比べて金融危機への対応の枠組みが充実しており、また、景気の深刻さも異なるが、金融機関経営に対する市場の懸念や不信感が払拭されたとは言い難い状況にある。

4 企業の過剰債務の悪影響
 借手側からみた過剰債務問題も、適切な設備投資を阻害し、経済の下押し圧力となる。
 資金供給の面では、個別事業ではなく企業に対する融資が主流である現状では、過剰債務を抱え、平均的な収益率を下げている企業に対しては、新規に優良な事業があっても、円滑な資金供給がなされない場合がある。
 他方、資金需要の面では、過剰債務を抱える企業が、新規投資よりも債務返済を優先させたり、リスクテイク能力の低下により、新規の投資プロジェクトを実行しないといった行動を取ることが考えられる。

5 不良債権の最終処理と企業の再生
 以上のように、不良債権問題は九〇年代の日本経済を下押ししてきた。
 問題解決のためには、@銀行自身による不良債権の抜本的処理や収益基盤の確立と、A構造改革による経済活性化が、不良債権の新規発生を抑えてこれを後押しすることが必要である。
 政府も、@年限を区切り不良債権の最終処理を促す、A整理回収機構(RCC)の機能強化、会社更生法、民事再生法の改善、私的整理のガイドライン策定、企業再建ファンドの設立等、不良債権処理を促進する枠組みの整備、B銀行検査の抜本的強化等による金融システムへの信頼性確保など、さまざまな取組みに着手している。
 今後は、銀行が従来業務の見直し等に主体的に取り組み、収益を改善して不良債権処理の財源を確保することも重要である。
 本白書では、そうした取組みが評価されることで、市場からの資本調達による自己資本増強も可能になる一方、収益改善が困難な銀行が市場から淘汰される可能性もあることを指摘している。

第三節 構造改革で高まる成長

 本節では、長期低迷の中で日本経済の潜在成長率が一%程度に低下していることを分析した後、経済を下押ししてきた不良債権問題が解決し、日本経済の潜在力を引き上げる構造改革を実現した場合には、平均二%程度ないしそれ以上の成長が可能となることを明らかにしている。

1 潜在成長率の低下
 潜在成長率とは、インフレを加速することなく、資本や労働を過不足なく活用した場合に達成しうる成長率をいう。
 時短や少子高齢化による労働投入の鈍化や、経済の長期低迷の中での期待成長率の低下や減量経営の進展、不良債権・過剰債務問題等がもたらす設備投資の抑制による資本投入の鈍化、資本と労働が能率的に稼動しなくなったことによる生産性(TFP)の伸びの鈍化の結果、潜在成長率は足元では一%程度に落ち込んでいる(第4図参照)。

2 構造改革による潜在成長率の引き上げ
 本項では、中長期的に構造改革が進展し、低成長部門から高成長部門への資源の再配置が実現した場合の潜在成長率を展望している。
 生産性の伸びについては、@製造業の伸びが現状を維持すること、A構造問題解決により、非製造業の生産性の伸びが回復すること、BITの生産性へのプラス寄与が実現すること、といった点を前提に、潜在成長率への寄与が〇・五〜一%程度に高まることが可能と考えられる。
 労働投入については、@サービス産業の新規雇用の拡大、A子育てサービスの進展や高齢者の雇用環境の整備による女性や高齢者の労働力率の上昇、B職業紹介や職業能力開発の強化による雇用のミスマッチ解消と就業者の増加等を前提に、〇〜〇・五%程度の寄与が可能と考えられる。
 生産性と労働投入の伸びが潜在成長率を押し上げる結果、それと整合的な資本投入の伸びも上昇することや、拡大が見込まれるサービス業における今後の資本装備率の上昇を前提とすると、資本投入の寄与は、一・五%程度になると見込まれる。
 以上から、現在一%程度の潜在成長率を、二%程度まで引き上げることが可能と考えられる。

第三章 我が国財政の総合的把握

 本章では、我が国財政について多面的な分析を行い、財政構造改革の必要性を明らかにしている。
 第一節で、財政の現状を説明した後、第二節では資産・負債のストックの観点から、第三節では個人が政府のサービスから受ける利益と費用負担の観点からの分析を行い、第四節では地方財政についての分析を行っている。

第一節 拡大する財政赤字

1 我が国の財政赤字の現状
 我が国の財政収支は、バブル崩壊後ほぼ一貫して悪化し、九九年度の一般政府の財政赤字はGDP比七・四%となっている。
 これは、@景気の長期低迷や減税実施に伴う税収減少の一方で、A累次の経済対策や高齢化に伴う社会保障関係支出の増大などによる支出増加が続いたためである。
 その結果、政府の長期債務残高は累増し、我が国の財政は先進国中で最も深刻な状況にある。

2 構造的赤字の水準と財政赤字の維持可能性
 本項では、@税収や失業給付の増減等、好不況に応じて変動する「循環的財政収支」と、A循環的財政収支以外の「構造的財政収支」とに分解して、財政赤字の拡大要因を分析している。
 累次の経済対策や社会保障費用増大による構造的財政収支の大幅悪化の結果、景気回復により循環的赤字が消滅しても、GDP比約六%の赤字が残ると見込まれる(第5図参照)。
 プライマリー・バランス(借入以外の歳入―過去の借入に対する元利払いを除いた歳出)が大幅な赤字となっている上、名目金利が名目成長率を上回っており、現在の状態が続けば財政赤字が無限に拡大し、将来的に我が国財政は破綻する。民需主導の持続的成長の達成とプライマリー・バランスの黒字に向けた財政改革が求められる。

3 地域別にみた財政支出と税負担
 九〇年代以降、国と地方の財政赤字が拡大する中で、国と地方の財政支出と税収の動向を地域別にみると、@一人当たり県民所得が高いほど、一人当たり受益超過が少なくなる傾向や、A九〇年代の受益・負担の地域間格差の拡大による受益・負担の関係の希薄化が指摘される。

第二節 資産・負債のストック・データでみた財政

 本節では、国民経済計算体系(SNA)を基礎とした九九年度の資産・負債のストック・データを作成することにより、財政の現状を明らかにした後、九〇年度と九九年度の比較検討を行っている。

1 公的部門のバランスシート
 近年、公的部門のバランスシートが必要とされるようになった背景には、@公債残高が累積する中での、ストック・ベースの視点を重視する認識の広がり、A民間経営の発想の導入による行政の効率化を目指す動き、B情報公開の流れの中での、財政当局の説明責任を要求する声の高まり、などがある。

2 資産・負債のストック・データの作成
 本白書では、発生主義や時価評価を採用するSNA統計に必要な修正を加えて、五部門(中央政府、地方政府、社会保障基金、公的金融機関、公的非金融法人企業)に制度部門分割され、資産・負債項目の細分化がなされたストック・データを作成している。

3 ストック・データでみた我が国の財政
 ストック・データにより明らかにされる公的部門の正味資産(総資産から総負債を引いたもの)は、公的部門の活動の結果として、負債残高に見合ってどれだけの資産が形成されたかを示す一つの指標となる。
 九九年度末時点での公的部門全体の総資産は二千二百七十四兆円、総負債は二千四百二十二兆円となっており、正味資産はマイナス百四十八兆円となる。九〇年度末との比較により、九年間で総資産が五九%増加した一方で、総負債が八七%増加し、その結果、正味資産が九〇年度末の百三十二兆円からマイナスに転じたことがわかる。
 この間の社会資本形成をみると、九〇年度との比較において、道路、空港、下水道・廃棄物処理、治水といった分野のストックのシェアが相対的に大きく増加し、学校・社会教育施設等の資産ストックの増加は、緩やかなテンポであったことも示される(第6図参照)。

4 道路・空港整備事業の収益還元法による試算
 公的部門の事業評価を、形成された社会資本が提供するサービスの価値という観点から行うことは、行政評価や予算を通じた効率的な資源配分にとって有用である。
 本白書では、道路整備関係四機関と空港整備関係二機関について、事業からのキャッシュ・フローの割引現在価値によって事業資産の評価額を試算(収益還元法)し、負債額との比較を行い、道路整備関係事業では資産・負債差額がマイナスとなることを明らかにしている。

第三節 国民の受益・負担からみた財政

 本節では、「世代会計」の手法を用いて、財政の現状を評価している。ここでは、高齢層と若齢層の受益負担関係の相違や、将来世代への負担の先送り等を明らかにしている。

1 各世代における受益と負担
 年齢に従った受益と負担のあり様がはっきりしている社会保障の分野では、少子高齢化の進展に伴い、社会保障給付総額の増加と税収・社会保険料総額の減少を通じて給付超過が拡大し、「後に生まれた世代」の負担が増大するため、世代間の受益・負担関係の格差が拡大する。
 また、制度変更がある場合も、世代間で適用される制度に相違が生じ、生涯を通じた受益・負担関係に格差が生まれる。とくに七〇年代以降、高齢層に配慮した政策が推進されてきた。

2 現在世代における受益と負担の関係
 本項での世帯主年齢階層別の受益・負担関係の格差の試算によれば、六十歳以上の高齢層では、九九年時点で年間三百六十万円の受益超過にあるのに対し、二十〜五十歳代ではいずれも負担超過となっている。
 過去三十年の受益負担比率をみると、六十歳以上の高齢層では、福祉政策の拡充を受けて七〇年代に受益超過が大幅に拡大し、その後も高い水準が維持されている。
 一方、若齢層では、高齢層への高い給付水準を維持するために、七〇年代以降、徐々に負担が重くなっている。生涯を通じた純受益額も、六十歳以上世代が五千七百万円の受益超過となっているのに対し、四十歳代以下のすべての世代で負担超過となっている。

3 将来世代の追加負担
 一定の前提の下で、今後経済活動に参加するようになる将来世代の生涯を通じた受益・負担関係を推計すると、世帯当たり四千二百万円の負担超過となる。
 この負担の大きさを踏まえると、現行の受益・負担構造を維持したまま、財政均衡を達成することは困難である。追加負担の重さを現実的な水準に抑えるには、受益の抑制をも併せて考えなければならない(第7図参照)。
 このような現在の受益・負担構造の持続困難性を踏まえ、本白書は、世代間の負担の公平と将来への負担先送りの回避という観点に立った社会保障制度再構築の必要性を指摘し、いわゆる「骨太の方針」や「改革工程表」、「医療制度改革試案」にみられるような、政府の具体的な取組みを説明している。

第四節 地方財政の課題

1 厳しさ増す地方財政
 景気停滞に伴う税収減少の一方で、累次の経済対策により地方単独事業を拡大した結果、地方公共団体の財政収支は急速に悪化している。
 「将来にわたる実質的な財政負担」(借入金から将来の財政需要への備えとしての積立金残高を差し引いた額)は九九年度で百二十五兆円となり、九〇年度の四十六兆円と比べて二・七倍となっている。
 歳入減少の中で地方の歳出が抑制されない理由として、@基礎的な行政サービス提供の法律による義務付け、A公共事業拡大の結果生じた地方債の元利償還費用や、各種施設の維持管理費用の急増、といった点が挙げられる。
 こうして生じる地方財源の不足に対して、@地方交付税増額やA地方債増発と、後年度の地方交付税による元利償還金の手当てという形で補てん措置がなされてきたが、交付税特別会計の借入金残高は、二〇〇一年度末には四十二兆六千億円に達している。
 こうした状況を踏まえ、本白書では地方財政計画の徹底した見直しを通じ、財源不足額の圧縮と借入金の抑制を図る必要性を指摘している。

2 地方の歳入基盤の諸課題
 地方財政の危機的状況は、国からの財政移転が地方に無駄な支出を促したために生じたとの指摘がなされることが多い。本項ではこの点も含めて、地方の歳入基盤の諸問題について検討を行っている。
 二〇〇一年度地方財政計画によれば、地方交付税や国庫支出金等の国から地方への財政移転額は、三十四兆三千億円、地方歳入全体の三八・四%に達しているが、国庫補助金による事業が地域住民のニーズに対応できていないという問題点がある。また、交付税総額の拡大の中、交付額算定の際に用いられる「補正係数」の存在により、財政力の弱い団体への交付額のシェアが高まっている。
 加えて、地方交付税が特定の事業を遂行するための財政手段としての性格をもつようになってきており、機能の変化が生じている。さらに、現行制度下では、地方公共団体の税収増加は地方交付税の減少で相殺されるため、地方が徴税努力を強化するインセンティブを欠いている。

3 地方行財政改革への取り組み
 現在、地方財政の状況は極めて厳しいが、今後、医療福祉・環境分野を中心に地方公共団体に対する行政ニーズの高まりが見込まれ、限られた財源で新たな行政ニーズに効率的に対応する制度構築が求められる。
 本白書では、地方での受益・負担関係を明確化して、住民自らの判断と責任に基づく行政サービスの水準決定が行われるべきとし、そのための改革の道筋として、国と地方を通じた歳出の削減や市町村合併の促進、国庫補助金制度の整理合理化や地方交付税のあり方の見直し、税源移譲を含めた地方税の充実確保の必要性を指摘している。また、地方財政を維持可能なものとするための財政健全化の必要性についても触れている。
 本項でのシミュレーションにより、歳出削減や税源移譲といった所要の改革を実行した際に、@地方税収が歳入全体に占める割合が上昇するなど地方の歳入基盤が改善する、A地方交付税の不交付団体に居住する住民が全体の四割程度となる、Bその一方で、人口十万人未満の小規模団体の財政力はあまり改善がみられない、といった結果が得られる。
 これらを踏まえ、本白書では、地方財政改革の姿として、@税源移譲によって、地方の財政基盤はある程度強化され、経済力のある大都市などの地方公共団体の自立が図られること、A税源移譲のみで地方財政の問題が解決するわけではなく、国の地方に対する関与の廃止・縮減と合わせて、地方の歳出の見直しや市町村合併等による地方の行財政基盤の充実が必要であること、などを指摘している(第8図参照)。

<おわりに>

【経済再生の鍵】
 今後の成長を確保するためには、まず重しのように日本経済を押し下げている不良債権問題・過剰債務問題を、早期に解決しなければならない。
 不良債権問題の解決によって、銀行は新たなビジネス・モデルの確立など、前向きの積極的な経営に取り組めるようになり、新規の顧客や成長分野への融資が活発化する。つまり、現在機能不全に陥っている「血液」循環が正常化する。
 また、不良債権の最終処理は、低収益で債務返済のメドが立たない企業に滞留している労働力、資本などの資源を、生産性の高い分野に移動させることになる。
 不良債権問題の早期解決による金融仲介機能の回復と、デフレ圧力を和らげるための金融緩和は、我が国の金融システムの脆弱性を除去する車の両輪である。日本銀行は、デフレ圧力を和らげるために、さらなる施策を積極的に検討すべき段階にあると考えられる。
 不良債権を取り除くだけでは、日本経済は再生しない。同時に、規制緩和、財政改革、年金・医療制度の改革、起業や科学技術の促進などの構造改革を推進することによって、日本経済の生産性を高めなければならない。また、公共投資など政府支出については、「需要をつける」という観点よりも、「成長力を引き上げる」という観点から、社会的ニーズが高い分野、雇用拡大や民間需要誘発の効果が高い分野に、メリハリを付けて重点的に配分することが、特に重要となっている。
 このような構造改革を目に見える形で着実に実行することは、企業や家計の先行き不安を払拭して、企業や家計の将来見通し(期待成長率)を高める効果がある。それによって、「不景気が弱気を呼び、弱気が不景気を呼ぶ」という、日本経済が今陥っている悪循環から脱出することができる。
 構造改革は、労働力、経営資源、資本、土地といった我が国の持つ貴重な経済資源を、生産性の高い分野に振り向けることによって、日本経済の潜在成長力を高める。このように日本経済の供給力を引き上げる構造改革は、同時に、民間需要の持続的な拡大を伴う。それは、収益性の高い新たな民間投資が活発化し、また消費者の将来展望を開くことによって消費が持続的に回復するからである。
 単に公共投資などでいくら需要を追加しても、日本経済の難局から脱却することはできない。十年にわたる経済停滞で低下してしまった潜在成長力を引き上げ、同時に民間需要の持続的な拡大を引き出す構造改革こそが、日本経済の再生の鍵を握っている。


一月の気象


◇一年で最も寒い季節

 一月は一年で最も気温の低い時期です。冬の典型的な気圧配置は、日本の西で高圧部、東の海上で低圧部の「西高東低」と呼ばれます。このような気圧配置時には、大陸の冷たい高気圧から北西の季節風が日本列島に吹き込みます。大陸からの冷たい空気は、日本海上で暖められて水分を含み、日本列島中央の山脈にぶつかり、日本海側の地方や山岳地帯に雪を降らせ、乾いた空気となって太平洋側に吹き抜けます。
 このため日本海側の地方では曇りや雪、雨の日が多く、太平洋側の地方では、晴れた日が多くなり空気が乾燥します。

◇冬の災害

 日本海側の地方や山岳部では、雪が断続的に降り続いたり大雪になったりすると、交通機関のマヒ、雪崩などの災害が発生することがあります。また、太平洋側の地方では、乾いた強い風が吹き、乾燥注意報が頻繁に発表されます。このような時期に発生する火災は、大火につながりやすい危険があります。火の取り扱いには十分注意しましょう。また、スキーや冬山登山などを楽しまれる方も多いこの時期ですが、吹雪や天候の急変、雪崩などの災害にあわないよう、気象情報に十分注意し、事故のないように心がけたいものです。


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消費支出(全世帯)は実質〇・四%の増加


―平成十三年十月分家計収支―


総 務 省


◇全世帯の家計

 前年同月比でみると、全世帯の一世帯当たりの消費支出は、平成十三年二月、三月は二か月連続の実質増加となった後、四月以降、六か月連続の実質減少となったが、十月は実質増加となった。
 一人当たりの消費支出は、九万五千四百七円で、前年同月に比べ、実質一・四%の増加となった。

◇勤労者世帯の家計

 前年同月比でみると、勤労者世帯の実収入は、平成十三年六月に実質増加となった後、七月、八月は二か月連続の実質減少となったが、九月、十月は二か月連続の実質増加となった。
 また、消費支出は、平成十二年十二月以降、四か月連続の実質増加となった後、十三年四月以降、六か月連続の実質減少となったが、十月は実質増加となった。

◇勤労者以外の世帯の家計

 勤労者以外の世帯の消費支出は、一世帯当たり二十七万三千九百八十七円となり、前年同月に比べ、名目一・二%の減少、実質〇・三%の減少となった。

◇季節調整値の推移(全世帯・勤労者世帯)
 季節調整値でみると、全世帯の消費支出は前月に比べ実質四・四%の増加となった。
 勤労者世帯の消費支出は前月に比べ、実質三・一%の増加となった。












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平成12年


雇用動向調査結果の概要


厚生労働省


T 調査の概要

 本調査は、事業所における常用労働者の一年間の移動状況等を把握し、我が国の労働市場の動向を明らかにすることを目的として、毎年上半期(一月〜六月)及び下半期(七月〜十二月)に実施しています。今回、平成十二年(年間)の概要として取りまとめました。
 調査対象は、日本標準産業分類による九大産業[鉱業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、運輸・通信業、卸売・小売業,飲食店、金融・保険業、不動産業、サービス業(家事サービス業、教育、外国公務を除く)]に属する常用労働者五人以上を雇用する事業所から抽出した約一万四千事業所(有効回答率八二・六%)及び同事業所における平成十二年一年間の入職者・離職者から抽出した入職者約十三万人、離職者約十二万人です。

U 調査結果の概要

一 労働移動の状況
 平成十二年の労働移動者は入職者が約六百八万人(前年約五百八十三万人)、離職者が約六百六十一万人(同約六百二十三万人)で、延べ労働移動者は約一千二百六十九万人(同約一千二百六万人)、延べ労働移動率は三〇・六%(同二九・一%)となりました。
 入職率は一四・七%(同一四・〇%)、離職率は一六・〇%(同一五・〇%)で、前年と比べると入職率・離職率ともに上昇し、引き続き離職超過となり超過幅は拡大しました(第1図第1表参照)。

二 入職者の状況
 入職者を職歴別にみると、転職入職者が約三百六十八万人、未就業入職者が約二百四十万人(新規学卒者が約九十八万人、一般未就業者が約百四十二万人)となり、転職入職者の占める割合が六割を超えました。転職入職率は八・九%(前年八・四%)、未就業入職率は五・八%(同五・七%)となり、前年と比べると転職入職率、未就業入職率とも上昇しました(第1表参照)。
 転職入職者の産業間移動状況をみると、第三次産業への転職入職者の割合が七一・六%(前年六九・七%)、第二次産業への転職入職者の割合が二八・四%(同三〇・三%)となり、前年と比べると第三次産業への転職入職者の割合が一・九ポイント上昇しました(第2―1表第2―2表参照)。

三 離職者の状況
 離職理由別構成比をみると、「個人的理由」が六七・〇%(前年六五・八%)で最も高く、次いで「契約期間の満了」 が一〇・五%(同一〇・七%)、「経営上の都合」が九・三%(同一一・一%)となり、前年と比べると「個人的理由」の割合が上昇、「経営上の都合」「契約期間の満了」の割合が低下しました(第3表参照)。


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午(うま)年生まれは九百四十七万人


―平成十四年一月一日現在―


総 務 省


 総務省統計局では、午(うま)年にちなんで、午年生まれの人口を公表した。その概要は次のとおりである。
 平成十四年一月一日現在の推計人口によると、午年の年男、年女は九百四十七万人(総人口一億二千七百二十八万人に占める割合七・四%)となっている。男女別にみると、男性は四百六十三万人、女性は四百八十四万人で、女性の方が二十一万人多くなっている。
 午年生まれの人口を出生年別にみると、昭和十七年生まれ(平成十四年中に六十歳になる人)が百七十八万人で最も多く、次いで昭和五十三年生まれ(同二十四歳になる人)が百六十八万人、昭和二十九年生まれ(同四十八歳になる人)が百六十六万人、昭和四十一年生まれ(同三十六歳になる人)が百三十三万人、昭和五年生まれ(同七十二歳になる人)が百二十七万人、平成二年生まれ(同十二歳になる人)が百二十三万人となっている(第1表第1図参照)。
 なお、年男、年女のうち、七十二歳になる人口が、十二歳になる人口を上回ったのは、推計開始以来初めてである。また、三十六歳になる人口が百三十三万人と少ないのは、昭和四十一年が「丙午(ひのえうま)」に当たり出生児数が少なかったためとみられる。
 総人口を十二支別にみると、丑(うし)年の一千百四十四万人が最も多く、次いで子(ね)年(一千百二十一万人)、巳(み)年(一千百十七万人)、辰(たつ)年(一千百九万人)、亥(い)年(一千百七万人)の順で、午(うま)年は最も少なくなっている(第2図第2表参照)。
 (注) 数値は万人単位で四捨五入してあるので、内訳の合計は必ずしも総数に一致しない。
 なお、総人口に占める出生年別人口の割合は、それぞれ万人単位の数値で算出した。






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二〇〇二年の新成人は百五十二万人


総 務 省


 総務省統計局では、「成人の日」にちなんで、新成人人口を公表した。その概要は次のとおりである。

一 新成人人口は百五十二万人、総人口の一・一九%

 推計人口によると、この一年間に、新たに成人に達した人口(平成十四年一月一日現在二十歳の人口)は百五十二万人となっており、昭和六十二年に次いで低い水準となった。総人口一億二千七百二十八万人に占める割合は一・一九%となっている。
 男女別にみると、男性は七十八万人、女性は七十四万人で、男性が四万人多くなっている。

二 減少を続ける新成人人口

 新成人人口の推移をみると、第一次ベビーブーム期(昭和二十二〜二十四年)中の昭和二十四年に生まれた人が成人に達した四十五年に二百四十六万人(総人口に占める割合二・三九%)と最も多くなったが、その後は減少に転じ、五十三年には百五十二万人と、最高値の三分の二となった。
 昭和五十年代後半から再び新成人人口は増加傾向となり、第二次ベビーブーム期(昭和四十六〜四十九年)に生まれた人が成人に達した平成四年から七年にかけて二百万人前後となった。
 平成六年に二百七万人(総人口に占める割合一・六六%)に達した後は減少に転じ、十四年は前年より五万人少ない百五十二万人(同一・一九%)と、八年連続の減少となっている。
 この新成人人口は、今後も減少を続け、平成十七年(二〇〇五年)には百五十万人を下回り、二十二年(二〇一〇年)以降には、百二十万人前後になるものと見込まれる。
 (注) 数値は万人単位で四捨五入してあるので、男女の合計は必ずしも総数に一致しない。
 なお、総人口に占める新成人人口の割合は、それぞれ万人単位の数値で算出した。




◇地球にやさしいスマートライフ


 私たちの便利で快適な暮らしは、たくさんのエネルギーを消費することによって支えられています。しかし、それは無尽蔵ではありませんし、エネルギー消費が増えると地球温暖化の原因となるCOも増えてしまいます。こうした地球環境のことを考えて、エネルギーを効率よく使いながら快適に生活していくのが、スマートライフの基本です。
 皆さんもふだんの生活の中でできることから始めてみませんか。

〇エアコン/ガスファンヒーター
 暖房の温度設定の目安は二十度。暖めすぎて半袖になるなど、極端な使い方にならないようにしましょう。二十度ぐらいの温度でも、上着を一枚増やせば快適です。
 窓際に丈の長い厚手のカーテンをかければ、冷気の侵入も防ぐことができ、暖房効率が良くなります。また、電気カーペットを併用すると、室温が低くても快適です。
【エアコン暖房の設定温度を二十一度から二十度にすると】
 一シーズンで、
  −電気 七一・二七キロワット時(電気代約一千六百四十円)
  −原油換算 一七・三四リットル
  −CO 七・一九キログラム
を節約・削減することができます(一日九時間の使用で計算)。
【ガスファンヒーターの設定温度を二十一度から二十度にすると】
 一シーズンで、
  −ガス 一四・七五立方メートル(ガス代約二千七十円)
  −電気 〇・三五キロワット時(電気代約十円)
  −原油換算 一六・〇三リットル
  −CO 八・六五キログラム
を節約・削減することができます(一日九時間の使用で計算)。

〇電気こたつ
 敷布団と上掛け布団をセットで使いましょう。すきま風と床への放熱を防ぐのに効果があります。
 電気こたつは、熱いと感じるほどでは暖めすぎです。温度調節を低めに設定して、暖めすぎないようにしましょう。
【温度調節を「強」から「中」にさげると】
 一シーズンで、
  −電気 四八・九五キロワット時(電気代約一千百三十円)
  −原油換算 一一・九一リットル
  −CO 四・九四キログラム
を節約・削減することができます(一日五時間の使用で計算)。

〇電気カーペット
 団らんのスペースに合ったサイズを選び、人のいない部分はスイッチをオフに。
 カーペットを床に直接敷いて使うより、カーペットと床の間に断熱マットを敷いて使ったほうが、暖房効率がアップします。
 直接触れる時間が長いので、温度設定を高くしていると、低温やけどをしてしまう可能性があります。低温やけどを防ぐ意味でも、温度設定はなるべく低めにしましょう。
【三畳用で、設定温度を「強」から「中」にすると】
 一シーズンで、
  −電気 一八五・九七キロワット時(電気代約四千二百八十円)
  −原油換算 四五・二四リットル
  −CO 一八・七七キログラム
を節約・削減することができます(一日五時間の使用で計算)。



    <1月30日号の主な予定>

 ▽法人企業統計季報(平成十三年七〜九月調査)………財 務 省 

 ▽消費者物価指数の動向(十二月)………………………総 務 省 




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