官報資料版 平成14年2月27日




                  ▽消防白書のあらまし………消 防 庁

                  ▽家計収支(十一月)………総 務 省











消防白書のあらまし


消 防 庁


 消防庁は、平成十三年十二月十八日の閣議に「平成十三年版消防白書」を報告し、公表した。
 「消防白書」は、火災、その他の災害の実態と消防防災行政の現状と課題等について、国民に広く周知することを目的として、昭和三十年十一月に「わが国の火災の実態と消防の現状」として作成したことに始まり、毎年、閣議に報告し、公表している。

<特 集> 新たな住宅防火対策の推進―連携と実践―

第一節 住宅火災の実態

1 建物火災のうち住宅火災の件数
 放火を除くと、平成十二年中の建物火災件数は三万百九十八件であり、そのうち住宅火災(一万七千三百八件)の占める割合は、五七・三%となっている。

2 建物火災による死者のうち住宅火災による死者数
 平成十二年中の住宅火災による死者数(放火自殺者等を除く)は九百三十六人であり、建物火災による死者数の八五・九%を占めている。そのうち六十五歳以上の高齢者が半数以上(五五・二%)を占めており、依然として高い状況が続いている(第1図参照)。

3 発火源別死者数
 死者の発生した住宅火災の発火源は、「たばこ」(二〇・四%)、「ストーブ」(一四・七%)、「マッチ・ライター」(五・六%)が上位を占めている。

4 死に至った経過別死者数
 死に至った経過別死者発生状況は、「逃げ遅れ」が約七割を占めている(第2図参照)。

第二節 新たな住宅防火への取組み

1 新たな住宅防火対策の推進
 消防庁では、今後、本格的な高齢社会を迎えるに当たり、高齢者等を中心とした住宅火災による死者のより一層の低減を図ることを目的として、平成十三年四月に新たに「住宅防火基本方針」を策定し、住宅の防火責任は、個人が負うべきものとの考えのもとに、個人の責任において個々の住宅における防火安全のグレードアップを図る必要があるとした。
 今後の取組みとして、個人の住宅における防火安全度の向上を図るための支援と地域における住宅防火対策の推進のための支援に重点を置き、必要かつ具体的な対策を積極的に実施していくこととしている。

2 目 標
 今後十年間の目標として、ハード・ソフト両面からの住宅防火対策の充実強化を図り、放火自殺者等を除く住宅火災による死者の発生数を、現状から予測される死者発生数(※)の半数に低減・抑制することを目指す(第3図参照)。
  ※ この「予測される死者発生数」とは、人口問題研究所の年齢階層別将来推計人口(平成九年一月推計)に、これまでの年齢階層別住宅火災死者発生率(放火自殺者等を除く)を乗じて算出したものである。

3 具体的実践方策
 国、地方公共団体及び関係機関等がそれぞれの立場で連携を図り、「連携と実践」をスローガンに掲げ、個々具体的な住宅防火対策を積極的に推進することとしている。

(1) 関係機関等との横断的連携の推進
 国、都道府県及び市町村のそれぞれの段階で、関係行政機関、福祉関係機関、研究機関及び関係業界等が、住宅防火対策に必要な連携を行う。
(2) 住宅防火安全度の飛躍的向上
 住宅のハード面における防火安全性能の向上を図るため、住宅用防災機器等の普及促進を図る。
 ア 住宅用火災警報器等の設置促進
 イ 住宅用消火器等の設置促進
 ウ 防炎品の使用促進
 エ 住宅防火安心マークの普及
 オ 研究機関と連携した住宅防火用機器開発の促進
(3) 住宅防火情報の提供と防火意識の更なる高揚
 住宅のソフト面における防火安全の向上を図るため、住宅防火情報を積極的に提供し、各家庭の具体的な住宅防火安全レベルの向上を目指し、住民自らが防火に取り組む対策を推進する。
 ア 地域密着型の防火への取組みの展開促進
  (ア) 地域に密着した連携・協力体制の充実と対策の実践
  (イ) 福祉関係者等に対する住宅防火情報の提供
  (ウ) 地域の教育の場を活用した住宅防火知識の普及
 イ インターネット等の活用による住宅防火情報の収集・提供の推進
  (ア) パソコン等を活用した住宅防火診断の促進
  (イ) パンフレット等の効果的・効率的な活用の促進
  (ウ) 訪問診断・防火指導の重点実施

第三節 これまでの取組み

◇住宅防火の経緯

 消防庁では、平成三年三月に「住宅防火対策推進に係る基本方針」を定め、建設省(現国土交通省)住宅局と協力して、関係行政機関、関係団体等との幅広い連携のもとに防火意識の高揚、住宅防火診断の実施、住宅用防災機器等の開発、普及の推進をはじめとした各種方策を展開してきた。

第四節 関連施策

◇放火火災予防対策

1 現 状
 放火(放火の疑いを含む)による火災は、年々増加傾向にあり、昭和六十年以降、火災原因の第一位を占めている。
 今や、放火は、全火災の約五分の一に相当しており、特に大都市圏においては、火災原因の五分の二以上を占めるところもある(東京、大阪)など、深刻な社会問題となっている(第4図参照)。
2 消防庁の取組み
 消防庁では、平成元年以降、春・秋の全国火災予防運動の重点目標の一つとして「地域における防火安全体制の充実」を掲げ、地域ぐるみで放火火災を防止するよう指導を行ってきており、平成十一年に「放火火災予防対策マニュアル」を作成し、さらに平成十二年には「放火火災予防対策の推進」を全国火災予防運動の重点目標に掲げ、ハード、ソフト両面からの対応を図ってきている。
 今後も、地域の連携を密にした具体的対策の推進を図り、引き続き放火火災の更なる低減を図るため、特に、「放火されない環境づくり」と「被害の局限化」を最重点に推進することとしている。
 これらを踏まえ、大都市における多角的な放火発生メカニズムの分析と被害軽減の検討を行い、消防機関が行う放火火災予防対策の方向性を示し、放火火災の発生件数の低減と被害の局限化を図る予定である。
 第四節では、この他、「消火器事故対策」、「消火器・防炎物品のリサイクル」について記述している。

<緊急報告T 『新宿区歌舞伎町ビル火災』>

 平成十三年九月一日、東京都新宿区歌舞伎町の雑居ビルにおいて発生した火災は四十四人の死者と三人の負傷者を出し、小規模の防火対象物としては過去に例をみない大惨事となった。
 現在、この火災については、関係当局により火災原因の究明が行われているが、同様の火災の再発を防止するための消防庁における対策について、次の項目を掲げ記述している。
 @ 一斉立入検査の実施
 A 小規模雑居ビル火災緊急対策検討委員会の開催
 B 消防審議会への諮問
 C 小規模雑居ビル火災安全対策連絡協議会の開催

<緊急報告U 『米国同時多発テロ事件と消防庁の対応』>

 平成十三年九月十一日に発生した米国における同時多発テロ事件及びその後の状況等を踏まえて消防庁がとった措置について、次の項目を掲げ記述している。
 また、消防庁から都道府県に対する主な通知について記述している。
 @ 国際消防救助隊の派遣準備
 A 緊急テロ対策本部の設置
 B 地方公共団体における危機管理体制の構築
 C BCテロ災害を想定した消防資機材の整備
 D NBCテロ災害発生時の適切な対処
 E 緊急テロ対策担当部長会議の開催

<第一章> 災害の現況と課題

(1) 火 災
 @ 平成十二年中の出火件数は六万二千四百五十四件で、前年の五万八千五百二十六件に比べ三千九百二十八件増加している。
 なお、この十年間の火災の動向をみると、出火件数については、平成六年以降六万件を超えていたが、平成十年及び十一年には五万件台で推移してきた。
 平成十二年は再び六万件を超えている(第5図第1表参照)。
 A 平成十二年中の出火率(人口一万人当たりの出火件数)は、全国平均で五・〇(対前年比〇・三ポイント増)であり、これを都道府県別でみると、最高は茨城県・山梨県・島根県の六・八であり、最も低いのは昨年同様、富山県の二・三となっている。
 B 平成十二年中の火災による死者数は二千三十四人で、前年の二千百二十二人に比べ八十八人減少しており、一日当たりの火災による死者数は五・六人となっている。
 また、住宅で発生した火災による死者一千百六十一人のうち、放火自殺者、放火自殺の巻き添え及び放火殺人による死者を除く失火等による死者は九百三十六人(対前年比四十五人減)で、このうち六十五歳以上の高齢者は五百十七人(全体の五五・二%)と半数を超えている。
 C 出火原因は「放火」が七千八百十七件で前年に比べ三百三十六件増加しており、全火災の一二・五%を占め、四年連続して第一位となっている。次いで「たばこ」による火災が六千八百七十一件(対前年比四百五十六件増)となっている。
 なお、「放火の疑い」によるものは六千三十五件で、前年に比べ五百七十一件増加しており、「放火」及び「放火の疑い」を合わせると一万三千八百五十二件で、全火災の二二・二%を占めている。
(2) 危険物施設等災害
 平成十二年中の危険物施設における火災の発生件数は百九十四件で、前年に比べ三十二件増加し、死者は六人、負傷者は五十四人、損害額は二十一億七千九十八万円となっている。
 なお、昭和五十年代中頃よりおおむね緩やかな減少傾向を示していた危険物施設における事故件数は、平成六年を境にして増加傾向を示している。特に、平成十二年中に発生した火災・漏えい事故件数は五百十一件で、対前年比一八・六%増となり、統計を取り始めて以来、過去最高となっている。
(3) 石油コンビナート災害
 平成十二年中に石油コンビナート等特別防災区域の特定事業所で発生した災害の件数は八十二件で、前年に比べ九件減少しているが、近年の発生件数の推移は、平成六年以降増加傾向にあり、依然として発生件数が多い状況にある。
(4) 林野火災
 平成十二年中の林野火災の件数は二千八百五件、焼損面積は一千四百五十五ヘクタール、損害額は七億八百五十万円であり、件数、焼損面積、損害額ともに、前年より増加した。
 例年、林野火災は春先を中心に発生しており、平成十二年も二月から四月までの間に、年間の五四・五%の火災が集中して発生している。
(5) 風水害
 平成十二年中に発生した台風の数は、二十三個と平年(昭和四十六年から平成十二年)の二十六・七個に比べて若干少なかった。また、平成十二年は、昭和六十一年以来十四年ぶりに台風の上陸はなかったものの、接近した台風の影響を受けて前線の活動が活発化し 、各地に被害をもたらした。
 風水害、雪害等の異常な自然現象に伴う災害(地震、火山噴火を除く)による人的被害、住家被害はともに前年に比べて大幅に減少し、死者・行方不明者七十七人(前年百四十一人)、負傷者六百一人(前年一千六百九十八人)、全壊五十七棟(前年五百三十一棟)などとなっている。
(6) 火山災害
 @ 有珠山噴火災害
 消防庁では、平成十二年三月三十一日の噴火前より現地への先遣隊の派遣や緊急消防援助隊の派遣要請を行うなど、災害応急体制の確保に努めてきたが、噴火活動の低下に伴い、安全が確認されたことを機に、災害対策本部を平成十三年五月二十八日付けで廃止した。
 A 三宅島噴火災害
 消防については、平成十二年六月二十七日から七月二日までの間、東京消防庁が応援部隊を三宅島へ派遣し、地元消防、警察と連携し、一時帰宅の支援、ヘリコプターによる救援物資の搬送等を行った。
 また、八月二十九日以降、応援部隊を現地に派遣し、地元消防等と連携し、救急搬送、住民の島外避難の支援等を行ったほか、住民避難後も、警戒巡視、夜間島内滞在時の安全監視等を行っている。
 なお、平成十三年七月十一日から十三日にかけて泥流等被災家屋対象者の一時帰宅が実施され、九月十七日から二十六日及び十月二日から三日にかけて三宅村村民の希望者に対する一時帰宅が実施された。
(7) 地震災害
 平成十二年中に震度一以上が観測された地震は、一万七千六百七十八回(前年一千二十三回)で、このうち震度四以上を記録した地震は、三百五十七回(前年二十三回)である。
 発生回数が前年を大幅に上回ったのは、有珠山噴火等に伴う地震、三宅島近海及び新島・神津島近海における火山性の群発地震及び鳥取県西部地震の余震の合計が一万六千五百回以上に及んだためである(第2表参照)。
(8) 特殊災害
 @ 平成十二年中に発生した都市ガス及び液化石油ガスの漏えい事故又は爆発・火災事故で消防機関が出場したものの総件数は一千五百十九件で、死者十九人、負傷者二百六十三人となっている。
 A 平成十二年中に発生した毒物・劇物等による事故で消防機関が出場したものの総件数は六十一件で、死者十人、負傷者百六十人となっている。

<第二章> 消防防災の組織と活動

(1) 消防体制
 @ 平成十三年四月一日現在の常備消防機関は、消防本部が九百四本部、消防署が一千六百八十七署、消防職員が十五万三千九百五十二人となっており、前年と比較すると広域化が進められたこと等により、消防本部は三本部減少し、消防署は五署増加し、消防職員は五百十三人増加している(第3表参照)。
 A 平成十三年四月一日現在、常備化市町村は、三千百六十三市町村となり、常備化率は市町村数で九八・〇%(市は一〇〇%、町村は九七・五%)に達し、人口の九九・八%が常備消防によりカバーされている。
 B 常備化が進展してきた今日においても、地域の消防防災に果たす消防団の役割は依然として重要である。
 消防団は、消防本部・消防署が設置されていない非常備町村にあっては、消防活動を全面的に担っており、常備市町村においても初期消火、残火処理等を行っているほか、大規模災害時には、災害防ぎょのため多数の要員を必要とすることから、多数の消防団員が活躍している。
 さらに、平常時の活動として、住民への防火指導、巡回広報、特別警戒、応急手当指導等の活動を行っており、地域の消防防災の要となっている。
 平成十三年四月一日現在、消防団は三千六百三十六団、消防団員は九十四万四千百三十四人であり、消防団はほとんどすべての市町村に設けられている。
 団員数は減少傾向にあり、十年前の平成三年四月一日現在に比べ四万七千四百三十二人(四・八%)減少しているが、この間、女性消防団員数は八千百二十人増加し、一万七百七十六人となっている。また、消防団員の平均年齢は三十六・九歳となっている。
 C 一方、消防団は、団員数の減少、サラリーマン団員の増加等の課題に直面しており、消防団の充実強化を一層推進することが喫緊の課題となっている。
 このため、平成十二年度においては、消防団の施設・装備の充実強化、消防団への青年層・女性層の加入の促進、消防団の直面している課題及び取組み状況の把握と情報提供、消防団員の処遇の改善の措置を講じている。
 D 管轄人口十万人未満の小規模消防本部が全消防本部の約三分の二を占めており、消防本部の広域再編を推進することが必要である。
 消防庁においては、平成六年度からモデル広域消防の指定、支援を行うなどして、平成十三年四月一日までに三十の圏域において消防の広域再編が実施された。
 また、平成十三年三月に「消防広域化基本計画の見直しに関する指針」を策定し、今後は、市町村合併との整合性を確保しながら消防の広域再編を推進することとしている。
(2) 消防職団員の活動
 @ 平成十二年中における全国の消防職団員の出動状況をみると、火災等(火災、救助、風水害等の災害、特別警戒、捜索、誤報等及びその他)への出動回数は八十五万九千九百八十四回で、出動延人員は九百五十三万一千七百十七人となっている。
 また、火災等への一日当たりの出動回数は二千三百五十六回、三十七秒に一回の割合で出動したことになる。
 A このうち、消防団員の火災等への出動回数は二十六万九百八十五回、出動延人員は五百十五万四千五百九十六人となっている。
 なお、平成十二年においては、有珠山や三宅島の噴火、東海地方における集中豪雨、鳥取県西部地震等の災害において、延べ約四万人以上の消防団員が出動し、住民の避難誘導、危険箇所等の警戒巡視、行方不明者の捜索、土のう積み等の活動を行い、被害の拡大を防いだ。
 平成十三年においても、芸予地震などの大規模な災害に対し、住民の避難誘導や危険箇所の巡回、復旧作業、被害調査、住民への給水活動等、積極的な活動を展開している。
(3) 救急業務
 @ 平成十二年中の救急業務の実施状況は、四百十八万四千百二十一件(ヘリコプターによる件数を含む)で前年の三百九十三万九百九十九件に比べ二十五万三千百二十二件増加している。
 また、救急自動車による搬送人員は三百九十九万七千九百四十二人で前年の三百七十五万九千九百九十六人に比べ二十三万七千九百四十六人増加している。
 なお、救急自動車による出場件数は、全国で一日平均一万一千四百二十八件(前年一万七百六十七件)であり、七・六秒(前年八・〇秒)に一回の割合で救急隊が出場し、国民の三十二人に一人が救急隊によって搬送されたことになる(第4表参照)。
 A 平成十二年中の救急自動車による搬送人員のうち、救急隊員が応急処置等を行った傷病者は、三百五十五万四千百六十人(搬送人員の八八・九%、前年は八六・五%)であり、前年に比較し、三十万二千三百三十九人(九・三%)増加している。
 なお、平成三年八月の「救急隊員の行う応急処置等の基準」の改正により拡大された応急処置等の件数は、七百二十一万九千九十九件と前年の約一・二倍となっており、このうち救急救命士が行う心肺機能停止状態の傷病者の蘇生等のために行う高度な応急処置の件数は三万六千七百七十七件にのぼり、前年の約七・四%増となっている。
 B 平成十三年四月一日現在、救急隊は全国で四千五百六十三隊が設置されており、前年の四千五百八十二隊に比べ十九隊の減となっている。また、救急隊員は五万六千五百五十七人で前年の五万六千百二十八人に比べ四百二十九人の増となっている。
 C 平成十三年四月一日現在、消防職員のうち救急救命士資格を有する者の数は一万四百九十七人で、このうち九千四百六十一人が八百四十二消防本部で、救急救命士として救急業務に従事している。
 また、拡大された応急処置等を行うために必要な高規格救急自動車は、全国で二千七百四十二台が配置されている。
(4) 救助活動
 @ 平成十二年中の救助活動件数は四万六千百四件で、前年の四万二千五百四十八件に比べ三千五百五十六件の増、救助人員は五万三千二百四十七人で、前年の四万四千八十一人に比べ九千百六十六人の増となっている。
 なお、事故種別の救助活動件数は、交通事故が全体の四七・一%を占め、次いで建物等による事故が一六・四%となっている(第5表参照)。
 A 平成十三年四月一日現在、救助隊は全国で一千五百三十二隊が設置されており、救助隊員は二万四千百六十八人となっている。
(5) 航空消防防災体制
 @ 消防・防災ヘリコプターは震災、火災や風水害などの災害状況の早期における把握と情報の提供、林野火災における空中消火、山岳等における救助や遠隔地からの救急搬送等に極めて有効であり、その整備を促進している。
 A 平成十三年四月一日現在の消防・防災ヘリコプターの配備状況は、次のとおりとなっている。
  ・消防機関の保有するヘリコプター
           ………二十七機
  ・道県の保有するヘリコプター
           ………四十一機
     合計 六十八機
 B なお、消防・防災ヘリコプターは、消防防災業務に幅広く活用されており、平成十二年中の出動実績は、火災出動九百七十六件、救急出動一千四百四十六件、救助出動一千五十一件等となっている。
(6) 国と地方公共団体の防災体制
 @ 消防庁では、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、地方公共団体の防災対策全般の見直しを推進し、支援措置の充実を図るとともに、情報収集・伝達体制の充実など消防庁における防災体制の強化を図っている。
 A 地域防災計画については、既に全都道府県とほぼすべての市町村で作成されており、阪神・淡路大震災以降平成十三年四月一日までに、都道府県においては全団体が阪神・淡路大震災の教訓を踏まえた見直しを完了している。
 また、市町村においては、ほとんどの団体が見直しに着手しており、このうち二千五十三団体が見直しを完了している。
 B 消防庁では、地方公共団体に対し、自衛隊等の防災関係機関とも連携の上、住民の参加のもとに、総合的かつ実践的な防災訓練を実施し、災害時に実際に適切な行動ができるかどうか検証するよう要請している。
 平成十二年度においては、都道府県が延べ二百三十九回の防災訓練を実施したほか、市区町村においても延べ七千八十四回の防災訓練が実施された。
(7) 広域消防応援
 @ 消防の相互応援に関する協定の締結数は、平成十三年四月一日現在、三千三十一である。
 現在、すべての都道府県において都道府県下の全市町村及び消防の一部事務組合等が参加した消防相互応援協定を結んでいる。
 また、消防庁では、「大規模特殊災害時における広域航空消防応援実施要綱」を策定して、応援可能地域の明示、応援要請の手続の明確化等を図り、消防機関及び都道府県の保有する消防・防災ヘリコプターによる広域応援の積極的な活用を推進している。
 A 都道府県間の広域防災応援に関しては、阪神・淡路大震災以降、各都道府県で協定の締結への取組みが進み、既存協定の見直しも含め、全国で合計二十二の協定が締結されている。
 B 緊急消防援助隊は、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、国内で発生した地震等の大規模災害時における人命救助活動等をより効果的かつ充実したものとするため、全国の消防機関相互による迅速な援助体制として、平成七年六月に発足した。
 平成十三年一月から、緊急消防援助隊の出動体制及び各種災害への対応能力の強化を行うため、一千二百六十七隊(隊員数約一万七千人)体制を一千七百八十五隊(隊員数約二万六千人)体制に拡充した。
 具体的には、救助隊等の隊数を増加するとともに、特殊災害部隊、航空部隊、水上部隊を新設した。
(8) 消防防災の情報化の推進
 @ 災害に強い通信ネットワークを構築するため、地上系通信網に加え、地域衛星通信ネットワークを活用した衛星系通信網の整備による通信ルートの二重化と通信施設及び非常電源設備の耐震化を促進するとともに、市町村における同報系・移動系防災行政無線及び地域防災無線について、それぞれの特性を踏まえ、整備を推進している。
 また、あわせて大規模災害時における被害状況の早期把握手段として有効な、衛星地球局、高所監視施設、ヘリコプターテレビ電送システム等で構成される画像伝送システムの整備を推進している。
 A 消防庁では、消防防災に係る情報をデータベース化して地方公共団体との間で共有化するための「防災情報システム」や地震発生時の被害を推計するための「簡易型地震被害想定システム」の整備・活用を推進するとともに、緊急消防援助隊の広域応援活動を支援するための「緊急支援情報システム」を構築し、平成十三年度に運用を開始した。

<第三章> 自主的な防災活動と災害に強い地域づくり

(1) 家庭、職場を問わず国民一人ひとりが常に防火防災に関心を持つとともに、それぞれが日頃から自主防災の意識を持ち、災害が発生した場合、的確に対処できるような基礎知識を身につけておくことが大切である。
 消防庁では、毎年春秋二回の「全国火災予防運動」、「防災とボランティア週間」、「防災週間」などあらゆる機会をとらえて、国民の防火防災意識の高揚を図っている。
(2) 大規模災害時には、地域住民の一人ひとりが「自分たちの地域は自分たちで守る」という固い信念と連帯意識のもとに、自主的な防災活動を行うことが必要不可欠である。
 平成十三年四月一日現在、二千五百三市区町村で十万五百九十四の自主防災組織が設置されており、組織率(全国の総世帯数に対する組織されている地域の世帯数の割合)は、五七・九%となっている。
(3) 災害に強い地域づくりを推進するため、消防庁では、消防施設等整備費補助金や防災まちづくり事業、緊急防災基盤整備事業等により、消防車両や消防・防災ヘリコプター、防災情報通信施設、耐震性貯水槽等の整備を促進している。

<第四章> 規制改革への対応

 国際化の進展や社会経済活動の多様化等を背景に、規制改革が大きな課題となっており、消防庁としては、安全性の確保に十分配慮しながら、「規制改革推進3か年計画」に定められた各措置を着実に実施するなど、社会的要請に対応した規制改革等の一層の推進を図っていくこととしている。

<第五章> 国際的課題への対応

(1) 消防庁では、国際協力事業団等と協力して、開発途上諸国の消防防災職員を対象とした集団研修、開発途上諸国への消防防災専門家の派遣、中国・北京消防訓練センター等に対するプロジェクト方式技術協力、日韓消防関係者会議などの消防防災分野における国際協力・国際交流を推進している。
(2) 海外で大規模災害が発生した場合には、消防庁長官の要請により「国際消防救助隊」が派遣され人命救助活動や支援活動を行うこととされているが、平成十三年度より、登録消防本部・隊員数をこれまでの四十消防本部・五百一人体制から六十二消防本部・五百九十九人体制に拡充している。
 なお、国際消防救助隊の派遣実績は、これまでのところ計十一回となっている。
(3) ISO(国際標準化機構)/TC21(消防器具)専門委員会において、消防用機械器具等の国際規格の策定作業が行われており、我が国としてもISO/TC21協議会を設置し、積極的に活動に参加している。
(4) 地球環境の保全に寄与することを目的として、ハロン消火剤のクリティカルユース(必要不可欠な分野における使用)の明確化等、使用抑制対策等に取り組んでいる。
 また、消火器と防炎物品のリサイクル等に取り組んでいる。

<第六章> 消防の科学技術の研究

 災害の複雑多様化に対し、災害の防止、被害の軽減、原因の究明等に関する科学技術の研究開発が果たす役割はますます重要になっているため、消防研究所では、消防防災科学技術懇話会の意見を踏まえつつ、科学技術の動向や社会ニーズを把握し、効率的かつ計画的な研究・開発を推進することとしている。
 昭和二十三年に設立されて以来、我が国における消防の科学技術に関する国立研究機関として社会的要請及び消防行政上の課題に重点を置いた研究を行ってきた消防研究所は、中央省庁等改革の一環として、平成十三年四月一日に独立行政法人消防研究所となった。
 また、消防の科学技術に関し、外国の研究機関、国内の大学あるいは企業との共同研究を積極的に進めている。

<第七章> 今後の消防防災行政の方向

 我が国は、これまで幾多の災害を経験してきており、近年においても、戦後最大の被害をもたらした阪神・淡路大震災が発生し、その後も、地下鉄サリン事件、茨城県東海村ウラン加工施設における臨界事故のほか、各地における豪雨や台風による災害などが起きている。
 平成十三年に入っても、芸予地震や台風十一号、台風十五号などの自然災害、新宿区歌舞伎町の雑居ビルでの火災など、全国各地で住民生活の安全を脅かす災害・事故が相次いで発生している。
 このため、消防防災行政において重要な役割を担っている地方公共団体が、安全な地域社会づくりに向け、その使命を十分に果たしていくことができるよう、今後とも各般の施策を強力に展開して消防防災行政の推進及びその体制の充実強化を図っていく必要がある。
 具体的には、次の施策等について積極的に取り組む必要がある。
 ○新時代にふさわしい消防のあり方
 ○消防防災におけるIT化の推進
 ○消防防災技術に係る研究・開発の推進
 ○国際協力の推進と国際化への対応
 ○技術革新等に対応した規制改革の推進
 ○地方公共団体における危機管理機能の強化
 ○震災対策の充実
 ○特殊災害対策の充実
 ○消防力の整備充実
 ○消防団の充実強化
 ○自主的防災活動の促進
 ○救急・救助の充実・高度化
 ○住宅防火などの火災予防対策の推進
 ○危険物施設等の安全の確保
 ○石油コンビナート災害対策の充実強化

<囲み記事等>

 本文とは別に、トピックス的な話題等を記述した囲み記事(次に掲げる二十九項目)、第四回全国消防広報コンクールの受賞作品及び消防ポスター等を掲載している。
 ○トラッキング
 ○危険物とは
 ○ガソリンスタンドの多様化
 ○危険物施設の標識・掲示板
 ○技術革新による大型化学高所放水車の省力化
 ○東南海・南海地震
 ○阪神・淡路大震災関連情報データベース〜新たな地震防災の創造のために〜
 ○避難場所の図記号
 ○地震に強い防災拠点
 ○きめ細かな津波予報
 ○整備が進む原子力災害対策用資機材
 ○消防吏員・消防団員の新しい服制
 ○大規模災害時における消防団活動例
 ○活躍する女性消防団員
 ○現場活動と心のケア
 ○マルチメディアを活用した大規模災害対応訓練施設
 ○十年を迎えた救急救命士制度
 ○メディカルコントロールとは
 ○変わる心肺蘇生法
 ○ますます期待される救急ヘリコプター(医療機関との連携)
 ○NBCテロと炭疽菌
 ○実践的な防災訓練の実施(図上訓練)
 ○ヘリコプターテレビ電送システムにGPS技術を活用
 ○インターネット技術を活用した被災地住民向け災害情報システム
 ○地域ぐるみの防災体制(東京都江戸川区)
 ○災害ボランティア・データバンク
 ○コミュニティ放送による緊急情報放送システム等の取組み(大阪府守口市)
 ○ISO/TC21千葉会議二〇〇一
 ○地下施設火災における加圧排煙技術に関する研究




歳時記


◇利休忌

 わび茶の伝統を受け継ぎ、現代茶道の基礎をつくりあげた安土・桃山時代の茶人、千利休。彼の生涯に、その運命を決定づける人物、豊臣秀吉が登場するのは、織田信長の茶頭(さどう)を務めていた五十代初めのことでした。
 茶頭とは、茶の湯のことをつかさどる役で、信長の時代には政治にもかかわり、次第に権力をもつようになりました。
 当時、茶頭としては三番手だった利休ですが、天正十年(一五八二)に本能寺の変で信長が倒れ、秀吉が天下統一を達成すると、筆頭茶頭にとりたてられ、側近として重用されます。この後の数年間で利休は茶の湯を大成させ、天下一の宗匠(※注)として、茶頭以上の存在となって絶大な権勢を誇りました。
 しかし、利休と秀吉の間には、やがて少しずつ亀裂が生じ始めます。天正十九年(一五九一)正月二十二日、秀吉の弟で、利休とも非常に親しい間柄であった秀長が没すると、事態は一挙に進行していきます。
 利休が秀吉の命により切腹したのは、それから一か月あまり後の二月二十八日(新暦では三月二十八日)。利休が大徳寺山門に自らの木像を置いたことが不敬不遜にあたるというのが、公の罪状でした。
 利休は菜の花を好み、自刃のときも菜の花を生けたといわれます。今日でも、利休忌にはしばしば菜の花が供えられます。
 (※注:和歌・俳句・茶道などの師匠)




覚せい剤等薬物乱用の防止


警察庁

◇増加する少年の覚せい剤乱用
 平成十二年中に覚せい剤事犯で検挙された少年は、実に一千百三十七人。前年に比べて百四十一人増加し、特に中・高校生の検挙人員が増加しています。「ダイエットに効果がある」、「頭がすっきりし、受験勉強に効果がある」などと、誤った認識で覚せい剤に手を出したり、また「S(エス)」、「スピード」といったファッション感覚の高い名前で呼び、友だち付き合いの一つとして覚せい剤を乱用するなど、薬物に対する危険性、有害性の認識や抵抗感が希薄になっている現状があります。こうした傾向は平成七年以降の「第三次覚せい剤乱用期」と呼ばれる情勢の特徴であり、大きな社会問題となっています。どんなに名前を変えたところで、覚せい剤は心身をむしばむ恐ろしい薬物です。
 また、自分の人生を失うだけでなく、家族や友人、そしてまったくかかわりのない他人までをも不幸に巻き込んでしまう例も枚挙にいとまがありません。
 ほんの一瞬の心の迷いが、取り返しのつかない過ちを生んでしまう覚せい剤。正しい知識と理解をもち、決して手を出さない姿勢が何より大切です。

◇薬物事犯を根絶しよう
 我が国で乱用されている薬物のほとんどが、海外から密輸入されたものであることから、その流入を水際で防いで供給を遮断し、密輸入・密売を行っている薬物犯罪組織を壊滅することが不可欠です。このため、警察では、外国の取締り機関や海上保安庁、税関、入国管理局などの各関係機関と協力し、薬物犯罪の撲滅を進めています。
 しかし、薬物犯罪の根絶のためには、国民の皆さんが「薬物の乱用は絶対に許さない」とい
う強固な意志をもち、社会全体に、薬物乱用を拒絶する徹底した意識が保たれていることがぜひとも必要です。
 このため警察では、末端の薬物乱用者の検挙を徹底し、関係機関・団体との協力による広報啓発活動を強力に展開して、薬物乱用を拒絶する社会環境づくりを目指しています。薬物乱用防止教室の開催や、学校などとの連携を強めることで、家庭や地域の方々との協力を深め、少年が薬物への誤った道を進まないようにするためのさまざまな活動を行っています。

*   *   *

 国民の皆さんの通報は、薬物事犯の検挙への大きな手がかりとなります。小さな情報であっても、ぜひ最寄りの警察署、交番などに連絡してください。

【薬物の乱用問題に関する主な相談電話】
 ・北海道:警察相談電話
 рO11―241―9110
 ・宮城:銃器・覚せい剤一一〇番
 рO22―266―1074
 ・埼玉:けいさつ総合相談
 рO48―922―9110
 ・警視庁総合相談センター
 рO3―3501―0110
 ・大阪:覚せい剤一一〇番
 рO6―6943―7957
 ・広島:覚せい剤相談電話
 рO82―227―4989
 ・沖縄:麻薬一一〇番
 рO98―862―1483
  ※ほかの都道府県警察にも同様の相談電話が設置されています。詳しくは警察庁ホームページ(http://www.npa.go.jp/)をご覧ください。

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消費支出(全世帯)は実質〇・九%の増加


―平成十三年十一月分家計収支―


総 務 省


◇全世帯の家計

 前年同月比でみると、全世帯の一世帯当たりの消費支出は、平成十三年二月、三月は二か月連続の実質増加となった後、四月以降六か月連続の実質減少となったが、十月、十一月は二か月連続の実質増加となった。
 一人当たりの消費支出は九万二千八円で、前年同月に比べ実質二・二%の増加となった。

◇勤労者世帯の家計

 前年同月比でみると、勤労者世帯の実収入は、平成十三年六月に実質増加となった後、七月、八月は二か月連続の実質減少となったが、九月以降三か月連続の実質増加となった。
 また、消費支出は、平成十二年十二月以降四か月連続の実質増加となった後、十三年四月以降六か月連続の実質減少となったが、十月、十一月は二か月連続の実質増加となった。

◇勤労者以外の世帯の家計

 勤労者以外の世帯の消費支出は、一世帯当たり二十六万二千二百六十四円となり、前年同月に比べ、名目三・八%の減少、実質二・五%の減少となった。

◇季節調整値の推移(全世帯・勤労者世帯)

 季節調整値でみると、全世帯の消費支出は前月に比べ実質〇・二%の減少となった。
 勤労者世帯の消費支出は前月に比べ実質〇・五%の増加となった。











不当な広告・表示をなくすための情報提供


公正取引委員会

 昭和三十七年、景品表示法が制定されました。この法律は、過大な景品類や、虚偽・誇大な表示や宣伝によって不当に消費者を取り引きに導く行為を、素早く効果的に規制することで、公正な競争を確保するとともに、消費者が適正に商品を選ぶことができるようにすることを目的としています。
 景品類については、公正取引委員会の告示によって、景品類の最高額、総額、提供の方法などが定められています。
 表示については、商品またはサービスの品質や価格などについて、実際のものや競争事業者のものよりも著しく優れている、もしくは有利であると消費者に誤認されるおそれのある表示や、公正取引委員会が不当表示として指定した表示(現在、無果汁飲料、原産国、消費者信用、不動産のおとり広告などについて指定されています)が禁止されています。

◇問い合わせ先

 景品類の提供や表示の問題で相談や申告をしたい方は、左記連絡先までお問い合わせください。

【公正取引委員会事務総局】

 ・経済取引局取引部消費者取引課(相談)
 рO3―3581―3375
 ・景品表示監視室(申告)
 рO3―3581―3377

 ・北海道事務所取引課
 рO11―231―6300
 ・東北事務所取引課
 рO22―225―7095
 ・中部事務所取引課
 рO52―961―9423
 ・近畿中国四国事務所取引課
 рO6―6941―2175
 ・中国支所取引課
 рO82―228―1501
 ・四国支所総務課
 рO87―834―1441〜2
 ・九州事務所取引課
 рO92―431―6031
 ・内閣府沖縄総合事務所総務部公正取引室
 рO98―863―2243






    <3月6日号の主な予定>

 ▽平成十三年度学校基本調査………文部科学省 

 ▽月例経済報告(二月)……………内 閣 府 




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