官報資料版 平成14年6月19日




                  ▽中小企業白書のあらまし………………………………中小企業庁

                  ▽毎月勤労統計調査(平成十三年分結果)……………厚生労働省

                  ▽平成十三年上半期 雇用動向調査結果の概要………厚生労働省

                  ▽家計収支(平成十三年度平均)………………………総 務 省

                  ▽税金365日 契約書や領収書と印紙税……………国 税 庁











中小企業白書のあらまし


「まちの起業家」の時代へ〜誕生、成長発展と国民経済の活性化〜


中小企業庁


○今回の中小企業白書の特色

 中小企業をめぐる現下の厳しい状況(景況、生産、倒産動向等)について分析を行った。
 中小企業の誕生期、発展成長期、廃業・倒産といったライフステージごとの課題を分析した。
 廃業・倒産という会社経営の「失敗」について白書として初めて分析を行い、廃業した経営者の実態調査を通じ、再起の条件を模索した。
 金融機関が中小企業に対する資金供給で果たす役割を、金融機関の業態別に分析し、不良債権の存在が中小企業向け貸出しに与える影響等についての検証を行った。
 八〇年代以降欧米においてはいわば「まちの起業家」が多数輩出した。それぞれのイノベーションや雇用への効果はささやかであったが、全体として経済活性化に大きく寄与した。我が国においてもこうした状況の創出が課題である旨を提示した。

T 中小企業の誕生

一 創業者の特徴と創業時の制約
 長引く不況の中で我が国経済が再び蘇るためには、企業の大半を占める中小企業における経営革新とともに、多くの新しい企業が生まれることが求められています。
 しかしながら、現状では創業は低迷しています。長期的な創業希望者の推移をみると、一九七七年以降、常に百万人を上回っており、一九九七年には百二十四万人存在している等、我が国においても創業を希望する者は少なくありません。その一方で、創業実現率(創業者数/創業希望者数)の推移をみると一九七〇年代に入って低下し、三〇%台で漸減を続けています。
 創業希望者と実際の創業者を比較すると、有業者のうち、若年層の男性で、比較的高学歴の者が創業を希望していますが、実際に創業するのは学歴が高い層ではなく、中高年層が多く、女性の割合が高いという特徴がみられます。
 次に、実際に創業にたどり着いた者がどのような課題に直面したかをみると、資金面に関わるものが最大の課題であることが分かります。その他にも、マーケティング面、人材・経営能力面、制度・手続面等、創業者は様々な困難に遭遇しています。
 ここで創業時の最大の障害である資金面の問題に注目すると、若年層ほど創業時の資金調達に苦労する傾向がみられます。しかし、この層の創業後の経営パフォーマンスは良好となっています。
 創業希望者中で高い割合を占め、いったん開業すれば成功する見込みが高い若年層が、創業時に資金を十分に調達することができない(流動性制約を受ける)ことは、社会的にみても損失であると思われます。

二 近年における開業率低下の要因
 次に、我が国の開業率の長期的な動向をみると、高度成長期の一九六〇年代以降、開業率は高い水準を保っていたものの、一九八〇年代に入って低下し、一九八九年以降は開業率と廃業率が逆転しています(第1図参照)。
 近年における開業率低下の要因として、ここでは「事業者対雇用者収入比率」を挙げてみます。「事業者対雇用者収入比率」とは、自営業主の年収を、雇用者(会社等に雇用されて賃金等を受けている者:就業構造基本調査)の年収で除したものです。
 事業者対雇用者収入比率と開業率の関係をみてみると、近年の事業者対雇用者収入比率の低下と歩調を合わせるように、開業率も低下していることが分かります(第2図参照)。
 かつては中小企業者というと、苦労しているというイメージがある反面、金銭的には裕福な階層というイメージがありましたが、現在では苦労やリスクの割には報われないというイメージが定着しつつあり、こうしたイメージが自営業主及び雇用者の相対所得の関係を反映していると考えられます。

U 中小企業の発展成長と経営革新

 Tにおいて起業家の特徴、創業時の制約などについて言及してきました。次に創業期を乗り越えた企業がどのように成長していくのかを、企業の経営革新活動を通じてみていきます。経営革新活動は、企業の成長に欠かせない取組であると考えられます。まず、中小企業が経営革新にどのように取り組んでいるのかをみていきます。
 経営革新に取り組んできた企業について、最も重点的に取り組んだ活動の内容をみていくと、企業の規模にかかわらず、新商品開発に重点を置く企業の割合が多くなっています。また、小規模企業においては多角化、既存製品の改良への取組割合が高く、社内体制における新体制の導入については低い割合となっている点に特徴があります(第3図参照)。これらのことは、特に厳しい中小企業の販売環境、移り変わりの激しい市場環境に必死で対応し、社内よりもまず外へ向いた活動に精力を出す中小企業の姿を示していると思われます。
 次に、中小企業の研究開発活動についてみてみましょう。企業の研究開発活動は、新商品・新技術開発等の経営革新をもたらすという点で重要な取組と考えられます。
 中小企業の研究開発活動では、@特に従業員五十名以下の企業にあっては高いリスクを見込んだ研究にも積極的に取り組んでいる、A比較的短期間で成果の見込まれる開発活動に傾斜する傾向がある等の特色が見られ、小回りの利く規模を活かした活動を行っていることがうかがえます。

V 廃業・倒産とその教訓

 以上で中小企業の創業、成長・発展に至る経緯を概括してきました。しかしながら、創業したすべての企業が順調に成長、発展するわけではありません。中には、事業に失敗し、廃業・倒産等の退出を余儀なくされる企業も存在します。
 廃業率の長期的な推移をみてみると、一九九〇年代に入って上昇傾向を示し、特に一九九六年から一九九九年にかけて大幅な上昇がみられます(第1図参照)。
 廃業・倒産等の企業経営の失敗は、失業者の増大や債権者の利益喪失、連鎖倒産の発生など社会に負の影響を及ぼすことはいうまでもありません。ただし、このような失敗の経験は、仮に経営者が再び企業経営の場に戻る際には、非常に貴重な経験となることが予想されます。
 しかし、破産という苛烈な経験をした経営者が、再び企業経営者として挑戦する機会を得ているかという点をアメリカとの比較でみてみると、我が国の場合、いったん破産を経験した経営者が再び経営者として復帰することは少ないことが分かります(第4図参照)。
 一方、失敗経験を乗り越え再起業を果たした経営者が、どのような経営パフォーマンスを示すかをみてみると、廃業・倒産を経験した経営者は「二度目の開業」時に、高い学習効果を発揮しています。というのも、「二度目の開業」企業は、新規に開業した企業よりも、経営状況が良好となっています。つまり、「二度目の開業」を果たした経営者にとって、廃業・倒産経験は十分価値あるものといえます(第5図参照)。
 どのような経営者が「二度目の開業」を果たせるのか、その条件を探ってみると、@時宜を得た早期の撤退、A廃業直後に資産がある程度残り、負債が少ないこと、が挙げられます。前述のとおり、破産を経験した経営者の再起が難しいということを考えても、経営者にとっては、事業の失敗に気付いた時点で早期に撤退を決意するといった経営判断が重要であると思われます。

W 中小企業金融の課題

一 中小企業の資金調達の特徴
 T〜Vではライフステージごとの課題を概括してきましたが、中小企業においては、いずれの段階でも金融面の制約克服、円滑な資金調達が重要な課題となっています。中小企業は概して自己資本比率が低く、自己資本以外の負債の多くを借入金に依存しています。
 借入金利を企業規模別にみると、規模が小さくなるほど借入金利は高くなる傾向がみられますが、その一方で、中小企業でも低金利で借入を行っている企業も存在する等、ばらつきがみられます。これは、自己資本比率をはじめとする企業の各財務状況が影響を与えていると考えられます。
 このような自己資本比率等の財務状況は、十分な資金調達が可能か否かにも影響を及ぼします。すなわち、自己資本比率の低い企業ほど、メインバンクから借入拒絶・減額対応(いわゆる貸し渋り)を受けたとする割合が高くなっています(第6図参照)。
 中小企業の借入は大企業と比べると、地銀や信金等への依存度が高く、また、取引金融機関が大手行から地銀・第二地銀、信金・信組に移行するにつれて、金利が高くなるとともにそのばらつきが大きくなる傾向にあります。このことは、信金・信組の方が大手行等より企業の個別事情を勘案してメリハリのある金利設定をしている可能性を示唆しています。大手行は、他業態より金利は安い反面、借入拒絶・減額対応を迫られる可能性が高いという特色があります。

二 金融機関の中小企業向け貸出しの変化とその要因
 次に、資金を供給する金融機関の側から、中小企業金融をみると、中小企業向け貸出しの推移は、バブル崩壊以降、貸出残高が長期的にみて減少傾向にあることが分かります。
 都市銀行の貸出しは一九八〇年代急速に拡大していましたが、一九九〇年代に入って伸び悩んでおり、一九九四年から一九九九年にかけて六年連続減少となりました。都市銀行ほどではありませんが、この傾向は地方銀行にもみられ、一九九六年から一九九九年には四年連続減少となっています。一方、信用金庫は、直近二年間を除き、バブル崩壊後も貸出しを堅実に伸ばしてきています。また、政府系金融機関の貸出残高も堅調に推移しています(第7図参照)。
 それでは、どのような要因が金融機関の中小企業向け貸出しに影響を与えるのでしょうか。ここでは、金融機関の業態別不良債権比率に着目し、中小企業向け貸出残高伸び率との関係をみてみます。
 その結果、どの業態でも不良債権比率の高い金融機関ほど、中小企業向け貸出しを抑制する傾向があり、その感応度は業態ごとに違いがあることが分かります。また、こうした傾向は、信用金庫から地銀・第二地銀、都市銀行になるにつれて、より顕著に表れています(第8図参照)。
 近年においては金融機関の不良債権比率が上昇していますが、このような不良債権比率の上昇が、特に都市銀行を中心とする中小企業向け貸出残高の減少に結び付いている可能性を示唆していると考えられます。

X まとめ ―「まちの起業家」の誕生、成長発展と国民経済の活性化―

 二〇〇一年・二十一世紀最初の一年はGDPマイナス成長、史上最高の失業率、戦後二番目の倒産件数と厳しい経済指標が並びました。このような中、中小企業の景況感の落ち込みも激しく、ほぼ全般にわたって明るい動きがみられない一年でした。
 こうした厳しい経済状況は我が国のみならず、一九八〇年代にはアメリカやイギリスも経験したものです。しかしながら、これらの国はこうした危機を乗り越えて、レーガン政権、サッチャー政権のもと、強い経済をつくることに成功しました。このとき、政府が経済の復活の鍵として期待をかけたのは、中小企業でした。
 中小企業自身も両国経済の再建の期待に十分に応えました。一九八〇年代以降、両国での自営業者数は増加傾向で推移し、この現象の源泉となった多くの創業が、雇用とイノベーションの創出に寄与しました。
 「中小企業」というと長期的に衰退するものであり、中小企業政策とは経済政策というより社会政策であるという見方は、なお日本人の意識の中には根強く残っています。しかし、世界の政府、学者の間ではこれと全く異なった中小企業観が共有されつつあります。
 すなわちひとりひとりの中小企業が成し遂げる雇用創出、イノベーションはささやかなものですが、これらの総和をみるとその役割は非常に大きく、彼らこそが経済構造改革の旗手であるとの認識が普及しつつあります。その点からも、中小企業の創業、経営革新、そして失敗したとき再チャレンジできるような社会をつくることが重要となります。


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賃金、労働時間、雇用の動き


毎月勤労統計調査平成十三年分結果


厚生労働省


 「毎月勤労統計調査」平成十三年分結果の主な特徴点は次のとおりである。

◇賃金の動き

 平成十三年の調査産業計の常用労働者一人平均月間現金給与総額は三十五万一千三百三十五円、前年比一・一%減となった。
 現金給与総額のうち、きまって支給する給与は二十八万一千八百八十二円、前年比〇・八%減となった。これを所定内給与と所定外給与とに分けてみると、所定内給与は二十六万三千八百八十二円、前年比〇・四%減、所定外給与は一万八千円、前年比は四・一%減となった。
 また、特別に支払われた給与は六万九千四百五十三円、前年比は二・九%減となった。
 実質賃金は、〇・四%減となった。
 きまって支給する給与の動きを産業別に前年比によってみると、伸びの高い順に電気・ガス・熱供給・水道業〇・八%増、金融・保険業〇・四%増、製造業〇・二%減、サービス業〇・三%減、鉱業〇・五%減、卸売・小売業,飲食店〇・九%減、不動産業一・三%減、建設業一・八%減、運輸・通信業一・九%減となった。

◇労働時間の動き

 平成十三年の調査産業計の常用労働者一人平均月間総実労働時間は百五十三・〇時間、前年比は〇・八%減となった。
 総実労働時間のうち、所定内労働時間は百四十三・六時間、前年比〇・六%減、所定外労働時間は九・四時間、前年比三・六%減となった。
 製造業の所定外労働時間は十二・六時間、前年比七・三%減となった。
 なお、年間の総実労働時間は、一千八百三十六時間となった。

◇雇用の動き

 平成十三年の調査産業計の雇用の動きを前年比によってみると、常用労働者全体で〇・二%減、常用労働者のうち一般労働者では一・一%減、パートタイム労働者では三・六%増となった。
 常用労働者全体の雇用の動きを産業別に前年比によってみると、前年を上回ったものはサービス業二・一%増、不動産業一・三%増、建設業〇・五%増となった。
 前年を下回ったものは運輸・通信業〇・四%減、卸売・小売業,飲食店〇・八%減、製造業二・〇%減、鉱業二・三%減、金融・保険業四・四%減、電気・ガス・熱供給・水道業四・七%減となった。
 主な産業の雇用の動きを一般労働者・パートタイム労働者別に前年比によってみると、製造業では一般労働者二・二%減、パートタイム労働者〇・二%減、卸売・小売業,飲食店では一般労働者二・六%減、パートタイム労働者二・二%増、サービス業では一般労働者一・一%増、パートタイム労働者六・五%増となった。








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平成十三年上半期


雇用動向調査結果の概要


厚生労働省


T 調査の概要

 この調査は、事業所における常用労働者の一年間の移動状況等を把握し、我が国の労働市場の動向を明らかにすることを目的として、毎年上半期(一〜六月)及び下半期(七〜十二月)に分けて実施している。今回平成十三年上半期分の概要を取りまとめた。

 調査対象は、日本標準産業分類による九大産業[鉱業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、運輸・通信業、卸売・小売業,飲食店、金融・保険業、不動産業、サービス業(教育等を除く)]に属する常用労働者五人以上を雇用する事業所から抽出した約一万四千事業所(有効回答率八一・六%)及び同事業所における平成十三年上半期の入職者・離職者から抽出した入職者約六万五千人、離職者約六万人である。

U 調査結果の概要

一 労働移動の状況

(1) 概 況
 平成十三年上半期(一〜六月)に労働移動を行った常用労働者は、入職者が約三百七十九万人(前年同期約三百六十二万人)、離職者が約三百七十九万人(同約三百五十六万人)で、延べ労働移動者は約七百五十八万人(同約七百十八万人)、延べ労働移動率は一八・三%(同一七・三%)となった。入職率は九・二%(同八・七%)、離職率は九・一%(同八・六%)で、前年に続き入職率・離職率ともに上昇した。
 入職超過率をみると、〇・一ポイント(同〇・一ポイント)で引き続き入職超過となった(第1図第1表参照)。
(2) 男女別入職・離職状況
 入職・離職率を男女別にみると、男は入職率が七・六%(前年同期七・二%)、離職率が七・五%(同七・二%)、女は入職率が一一・六%(同一一・一%)、離職率が一一・七%(同一〇・八%)となった。前年同期と比べると、男は入職率が〇・四ポイント、離職率が〇・三ポイントそれぞれ上昇し、女は入職率が〇・五ポイント、離職率が〇・九ポイントそれぞれ上昇した。
 入職超過率をみると、男は〇・一ポイントで入職超過、女はマイナス〇・一ポイントで離職超過となった(第1表参照)。
(3) 就業形態別入職・離職状況
 入職・離職率を就業形態別にみると、一般労働者は入職率が七・四%(前年同期七・三%)、離職率が七・五%(同七・二%)となり、パートタイム労働者は入職率が一七・三%(同一五・四%)、離職率が一六・七%(同一五・一%)となった。前年同期と比べると、一般労働者は入職率が〇・一ポイント、離職率が〇・三ポイントそれぞれ上昇し、パートタイム労働者は入職率が一・九ポイント、離職率が一・六ポイントそれぞれ上昇した。
 入職超過率をみると、一般労働者はマイナス〇・一ポイントで離職超過、パートタイム労働者は〇・六ポイントで入職超過となった(第2図第1表参照)。
(4) 産業別入職・離職状況
 入職・離職状況を主な産業別にみると、入職率はサービス業が一一・六%(前年同期一〇・三%)と最も高く、次いで卸売・小売業,飲食店が一〇・七%(同一〇・七%)、建設業が八・一%(同九・三%)、製造業が六・三%(同五・六%)となった。離職率は卸売・小売業,飲食店が一〇・九%(同一〇・三%)と最も高く、次いでサービス業が一〇・〇%(同九・八%)、建設業が八・一%(同九・〇%)、製造業が七・一%(同六・二%)となった。前年同期と比べると、入職率はサービス業、製造業が上昇、卸売・小売業,飲食店が横ばい、建設業が低下し、離職率は製造業、卸売・小売業,飲食店、サービス業が上昇、建設業が低下した。
 入職超過率をみると、サービス業が一・六ポイントで入職超過、建設業が〇・〇ポイントで保ち合い、製造業がマイナス〇・八ポイント、卸売・小売業,飲食店がマイナス〇・二ポイントでそれぞれ離職超過となった。サービス業の入職超過幅が拡大した(第2表参照)。

二 入職者の状況

 入職者を職歴別にみると、転職入職者が約二百十二万人、未就業入職者が約百六十七万人(新規学卒者が約八十六万人、一般未就業者が約八十一万人)で、転職入職率は五・一%(前年同期四・八%)、未就業入職率は四・〇%(同四・〇%)となり、前年同期と比べると転職入職率は〇・三ポイント上昇し、未就業入職率は横ばいとなった(第1表参照)。

三 離職者の状況

 離職者の離職理由別構成比をみると、「個人的理由」が六八・〇%(前年同期六六・〇%)で最も高く、次いで「経営上の都合」が一一・一%(同九・〇%)、「契約期間の満了」が九・六%(同一〇・六%)となり、前年同期と比べると「経営上の都合」、「個人的理由」の割合がそれぞれ上昇、「契約期間の満了」の割合が低下した。
 これらを就業形態別にみると、一般労働者は「個人的理由」が六二・四%(同六一・九%)、「経営上の都合」が一三・六%(同一〇・七%)、「契約期間の満了」が九・七%(同一〇・九%)となり、パートタイム労働者は「個人的理由」が七九・二%(同七五・二%)、「契約期間の満了」が九・六%(同九・九%)、「経営上の都合」が六・〇%(同五・〇%)となった。
 年齢階級別に前年同期と比べると、おおむね、「個人的理由」は若年層で上昇し、「経営上の都合」は中高年層で上昇した(第3表参照)。

四 未充足求人の状況

 平成十三年六月末現在の未充足求人数は約三十七万人(前年約四十八万人)で、欠員率(在籍常用労働者に対する未充足求人の割合)は〇・九%(同一・一%)となり、前年と比べると〇・二ポイント低下した。うちパートタイム労働者の未充足求人数は約十一万人(同約十四万人)で、欠員率は一・四%(同一・九%)となり、前年と比べると〇・五ポイント低下した(第3図参照)。


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消費支出(全世帯)は実質二・一%の減少


―平成十三年度平均家計収支―


総 務 省


◇全世帯の家計

 前年度比でみると、全世帯の消費支出は、平成四年度以降三年連続の実質減少となった後、七年度は実質増加となったが、八年度から十二年度にかけて実質減少が続き、十三年度も実質二・一%の減少と六年連続の実質減少となった。
 また、一人当たりの消費支出は九万五千百五十円で、前年度に比べ実質一・五%の減少となった。

◇勤労者世帯の家計

 前年度比でみると、勤労者世帯の実収入は、平成七年度、八年度に実質増加となった後、九年度から十二年度にかけて実質減少が続いたが、十三年度は実質〇・三%の増加と五年ぶりの実質増加となった。
 また、消費支出は、平成五年度、六年度に実質減少となった後、七年度、八年度は実質増加となったが、九年度から十二年度にかけて実質減少が続き、十三年度も実質一・三%の減少と五年連続の実質減少となった。

◇勤労者以外の世帯の家計

 勤労者以外の世帯の消費支出は、一世帯当たり二十七万二百九十一円となり、前年度に比べ、名目三・九%の減少、実質二・六%の減少となった。












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税金365日 契約書や領収書と印紙税


国 税 庁


 私たちは、日常の生活や毎日の仕事の中で、いろいろな文書を作成したり、受け取ったりします。このような文書の中には、売上代金等を受け取ったときに渡す領収書、お金を借りるときの借用証書、土地や建物の売買契約書など、印紙税がかかるものがあります。そこで、印紙税のあらましについて説明します。
 また、印紙税がかかる文書のうち、特定の文書については印紙税の軽減措置が講じられ、税率が引き下げられているものがありますので、その概要についてもあわせて説明します。

【印紙税がかかる文書など】

 印紙税がかかる文書には、領収書、金銭借用証書、不動産売買契約書のほかに、請負契約書、手形、預金通帳などがあり、これらを含め印紙税法では二十種類の文書が課税文書としてあげられています。
 印紙税がかかるかどうかは、文書の標題や名称のみによって判定するのではなく、その内容によって判定します。
 また、印紙税額は、預金証書や預金通帳などのように、一通または一冊ごとに一定の税額が定められている場合と、売上代金の受取書(領収書)や不動産売買契約書などのように、その文書に記載されている金額(記載金額)に応じて税額が異なる場合とがあります。
 なお、消費税の課税事業者が作成する建物等の売買契約書、運送契約書、請負契約書、領収書に契約金額や領収金額と消費税及び地方消費税の具体的な金額が区分して記載されているときは、その消費税等相当額を除いた金額が記載金額になります。
 例えば、請負契約書に請負金額一千万円とこれに対する消費税及び地方消費税相当額五十万円とが区分して記載されているときは、その請負契約書の記載金額は一千万円となり、印紙税額は一万円となります。

【間違いやすい例】

 次のような場合は、間違いやすいので注意してください。
 ・ 請求書やお買上げ票などに「代済」、「相済」、「了」などと書いたものや、レジスターから打ち出されるレシートなどは、請求金額や売上代金を受け取ったという事実を証明するものですから受取書になり、印紙税がかかります。
  (注) クレジットカード取引は、現実に金銭の授受を伴いませんから、クレジットカードにより支払いを受けた際の領収書で、クレジットカードによる代金決済であることが明らかにされているものは、印紙税はかかりません。
 ・ 後で正式な領収書を発行することになっている仮領収書も、金銭などを受け取ったという事実を証明するものですから、受取書として印紙税がかかります。
 ・ 一つの契約について、契約書を何通も作成する場合がありますが、この場合には、その全部に収入印紙をはらなければなりません。
   また、「写」、「副本」、「謄本」などと表示した契約書であっても、相手方の署名または押印のあるものや契約当事者が正本と相違ないことを証明したものは、正本と同じように収入印紙をはらなければなりません。
 ・ 覚書、念書、差入書のように、契約の成立や変更などを証明するために作成される文書は、印紙税法上の契約書に含まれますから、その内容によっては収入印紙をはらなければなりません。
 ・ 金銭などの受取書であっても、記載されている金額が三万円未満のものや給与所得者が日常生活で作成するものなどのような営業に関しないものには、印紙税はかかりません。

【軽減措置の概要】

 印紙税がかかる契約書の一部について、印紙税の軽減措置が講じられています。
 軽減措置の対象となる契約書は、不動産の譲渡に関する契約書及び請負に関する契約書(建設業法第二条に規定する建設工事の請負に係る契約に基づき作成されるものに限る)のうち、これらの契約書に記載された契約金額が一千万円を超えるもので、平成九年四月一日から平成十五年三月三十一日までの間に作成されるものです。
 これらの契約書に該当するものであれば、その文書の名称は問わず、また、土地・建物の売買や建設請負の当初に作成される契約書のほか、売買金額の変更や工事請負内容の追加等の際に作成される変更契約書や補充契約書等についても軽減措置の対象となります。

【印紙税はどのようにして納めるのか】

 印紙税の納付は、通常、印紙税のかかる文書を作成した人が、定められた印紙税額に相当する金額の収入印紙をその文書にはり付け、文書と収入印紙の両方にかかるように消印する方法によって納めます。
 消印は、普通、文書を作成した人が押印か署名する方法によりますが、代理人、使用人、従業員が自分で押印か署名してよいことになっています。また、二人以上の人が共同して作成する文書には、そのうちの一人が消印するだけでも差し支えありません。

【印紙税を納めなかったときは】

 収入印紙をはらなければならない文書に収入印紙をはらなかったときや、収入印紙をはっていても納付すべき印紙税の額よりも少ない額の収入印紙しかはっていないときには、はらなかったり不足したりしている印紙税額の三倍に相当する額の過怠税がかかります(収入印紙をはっていなかったり、額が不足していることを自主的に申し出たときは、一・一倍に軽減される)。
 なお、過怠税はその金額が所得税法上の必要経費や法人税法上の損金となりませんので、注意する必要があります。

【収入印紙を誤ってはったときは】

 軽減税率が適用される契約書に、軽減税率による金額を超えて収入印紙をはってしまった場合のように、印紙税として定められた金額以上の収入印紙をはってしまった場合、または印紙税のかからない文書に印紙税がかかると思って収入印紙をはってしまった場合は、その文書を税務署に提示して、還付請求の手続を行えば、誤って納めた印紙税額の還付を受けることができます。
  (注) 収入印紙は国の各種手数料の納付などにも使用されますが、これらの納付のために誤った額の収入印紙をはった場合には、印紙税の還付の対象とはなりません。

【分からないときは】

 文書を作成するときに、印紙税がかかるものかどうか、軽減措置の対象となる契約書に該当するかどうか、還付を受けるための手続、税額がいくらになるかなど、印紙税のことについて、お分かりにならない点がありましたら、お気軽に最寄りの税務相談室及びタックスアンサー、税務署へお尋ねください。
 また、印紙税のかかる文書の種類や税額などの一覧表や簡単な手引を税務署に備え付けてありますので、どうぞご利用ください。

○国税庁ホームページ
 http://www.nta.go.jp



    <6月26日号の主な予定>

 ▽水産白書のあらまし………………農林水産省 

 ▽法人企業動向調査(三月)………内 閣 府 




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