官報資料版 平成14年10月23日




                  ▽青少年白書のあらまし……………内 閣 府

                  ▽毎月勤労統計調査(七月)………厚生労働省

                  ▽労働力調査(七月等結果)………総 務 省

                  ▽個人企業経済調査…………………総 務 省











青少年白書のあらまし


―青少年の現状と施策―


内 閣 府


 平成十四年版青少年白書は、平成十四年七月二十三日に閣議で配布され、閣議終了後に公表された。
 青少年白書は、青少年の現状と青少年に関する施策を広く国民に紹介し、理解を得るという趣旨から昭和三十一年以来刊行しており、今回が四十四回目の発行である。
 平成十四年版は、第一部「青少年の現状」、第二部「青少年に関する国の施策」及び「参考資料」という構成になっている。
 第一部では、青少年の現状について、最新の各種統計資料に基づき紹介し、第二部では、青少年に関する国の施策について、平成十三年度の取組を中心に記述している。また、参考資料として、青少年行政関連の各種資料を採録している。
 以下では、本白書の概要について紹介する。

第一部 青少年の現状

第一章 青少年の人口

(青少年人口の現状と推移)
 我が国の総人口は、平成十三年十月一日現在の推計人口によれば、一億二千七百二十九万一千人であり、このうち、青少年(〇〜二十四歳)の人口は三千三百八十三万四千人で、総人口の二六・六%を占めている。男女別にみると、男子は一千七百三十三万三千人、女子は一千六百五十万二千人で、男子が女子を八十三万一千人上回っており、女子百人に対して男子百五・〇人となっている。
 青少年人口は、昭和三十年以降ほぼ一貫して減少しており、総人口に占める青少年人口の割合も、減少を続けている(第1図参照)。
(青少年人口の動態)
 出生率(人口一千人当たりの出生数)は、戦前はおおむね三十台を記録していたが、平成十三年には、九・三となった。
 平均初婚年齢は、平成十三年では、夫二十九・〇歳、妻二十七・二歳となっており、夫妻の平均初婚年齢の差は縮小傾向にある。
(青少年人口の地域分布)
 青少年人口の地方別分布状況を平成十三年十月一日現在の推計人口でみると、南関東の一都三県(東京、埼玉、千葉、神奈川)が八百八十一万五千人で、全国の青少年人口の二六・一%を占めている。また、青少年人口が二百万人を超えている都道府県は東京、神奈川及び大阪であり、全体的に都市部に青少年人口が集中している。

第二章 青少年の健康と安全

(青少年の健康)
 乳児死亡率(出生一千人当たりの生後一年未満の死亡数)は、大正末期まで百五十を超えていたが、現在では世界でも有数の低率国となり、平成十三年は三・一となっている。
 六〜十一歳の体力水準は、男女ともに発育発達に伴い急激かつ直線的に向上していき、この傾向は、十四歳ごろまで続くが、男子では十七歳まで向上傾向を示すのに対して、女子では、ほぼ停滞傾向を示している。なお、走・跳・投及び握力の年次推移の傾向をみると、ほとんどの年齢段階でいずれの能力も引き続き低下傾向にあることがうかがえる。
 核家族化や女性の社会進出等の影響により、幼児の食生活にも少なからず変化がみられ、最近は小児期から肥満など生活習慣病の予防の重要性が指摘されてきている。また、最近の青少年期における食生活の問題として、朝食欠食の習慣化が挙げられる。
 平成十三年度における児童生徒の被患率の高い疾病・異常をみると、被患率の最も高いものは「むし歯」で、むし歯のある者(処置完了者も含む)の割合は、小学校女子、中学校男子を除きすべての学校種で七五%を超えている。次に高いものは「裸眼視力一・〇未満の者」であり、小学校二五・四%、中学校四八・二%、高等学校六〇・三%と学校段階が進むにつれて高くなっている。
(青少年の安全)
 平成十三年に不慮の事故により死亡した青少年(〇〜二十四歳)の数は、三千二百五人となっており、〇〜二十四歳の全死亡数の二六・一%を占めている。各年齢階層とも不慮の事故による死亡割合は高いが、特に十五〜十九歳では、全死亡数の約半数(四三・二%)となっている。不慮の事故の内訳では、交通事故が最も多くなっている。また、乳児では食物を詰まらせて、あるいはベッドの中などでの不慮の窒息死が多く、幼児では、浴槽などでの溺死が多くなっている。
 平成十三年度の学校等の管理下における児童生徒等の災害について、災害共済給付(医療費、障害見舞金又は死亡見舞金の支給)の状況でみると、加入者一千八百七十三万九千二百八十九人に対し、負傷・疾病百六十七万一千二百五十九件、障害五百四十二件、死亡百十九件、合計百六十七万一千九百二十件となっている。
 平成十三年に発生した労働災害による休業四日以上の死傷者数は十四万百四十九人であり、このうち満二十歳未満の労働者の死傷者数は四千七十四人で、全死傷者の二・九%となっている。満二十歳未満の労働者の死傷者数を業種別にみると、製造業で一千二百三十七人(業種合計の三〇・四%)、建設業で八百六十六人(同二一・三%)が被災しており、災害の過半数がこれらの業種において発生している。
(犯罪や虐待による被害の状況)
 平成十三年中に少年が被害者となった刑法犯の認知件数は、四十一万五百七件で、前年に比べ五万七千七百五十四件(一六・四%)増加した。罪種別にみると、凶悪犯被害が二千十九件、粗暴犯被害が二万五千二百件で、前年に比べそれぞれ百三件(五・四%)、一千七百十三件(七・三%)増加した(第1表参照)。
 少年が被害者となった刑法犯の認知件数の総数及び凶悪犯の被害件数は増加傾向にあり(第2図参照)、少年の性犯罪(強姦及び強制わいせつ)被害が六千八百九十八件(前年比一千二百九十件(二三・〇%))と大幅に増加するなど、少年の犯罪被害の深刻化がうかがえる。
 また、平成十三年中、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(以下「児童買春・児童ポルノ法」という)違反、児童福祉法違反、青少年保護育成条例違反等の福祉犯の被害者となった少年は、八千百五十三人で前年に比べ百三十八人(一・七%)減少した。学職別では、高校生が二千五百九十人(三一・八%)と最も多く、無職少年二千三百六十一人(二九・〇%)、中学生二千八十人(二五・五%)等となっている。なお、平成十一年十一月に施行された児童買春・児童ポルノ法に係る被害者となった少年は、平成十三年中一千三百八十九人である。
 近年、児童虐待が大きな社会問題となっており、児童相談所や警察に寄せられる児童虐待に関する相談件数も増加傾向にある。児童相談所において、養護相談の内訳として虐待相談についての統計を取り始めた平成二年度以降、その件数は一貫して増加を続け、平成二年度には、一千百一件であった件数は、平成十二年度には一万七千七百二十五件と十六倍を上回った。虐待の内容では、身体的虐待が約五割と一番多く、次いでネグレクトが約三割、心理的虐待、性的虐待の順となっている。主たる虐待者は、母(実母、実母以外)が約六割、父(実父、実父以外)が約三割であり、母による虐待が父に比べ多くなっている。被虐待児童の年齢構成をみると、〇歳〜就学年齢以前の乳幼児が、全体の半数を占めており、虐待が早期から始まっていることを示している。
 なお、十三年中に警察が検挙した児童虐待事件は、百八十九件であり、検挙人員は二百十六人であった。被害児童は百九十四人であり、そのうち六十一人(三一・四%)は死亡していた。

第三章 青少年の教育

(学校教育人口)
 我が国における幼稚園から大学までの全学校の在学者数、いわゆる学校教育人口は、平成十三年五月一日現在、二千百二十七万一千人(男子一千百二万七千人、女子一千二十四万四千人)となっており、総人口の一六・七%を占めている。
 在学者数の推移を学校種別にみると、小学校の児童数は、第二次ベビーブームに生まれた者の就学がピークを超えた昭和五十七年度以降減少し続けている。中学校の生徒数は、五十年度以降、五十四年度を除き増加していたが、六十二年度から減少に転じている。高等学校の生徒数は、平成元年度に過去最高となったが、その後は減少し続けている。幼稚園の園児数は、昭和五十三年度に過去最高となったが、その後は六十三年度を除き減少し続けている。また、大学の学生数は、五十八年度以降増加し続け、平成十三年度には過去最高となった。短期大学の学生数は、平成五年度には過去最高となったが、その後は減少に転じている(第3図参照)。高等専門学校の学生数は、昭和五十四年度以後平成八年度まで増加し続け、いったん減少に転じたが、十一年度以降は増加し十三年度には過去最高となった。専修学校の生徒数は、平成四年度に過去最高となったが、その後は減少に転じている。各種学校の生徒数は、昭和四十四年度以後減少し続けている。
 小学校第一学年児童数に対する幼稚園修了者数の比率(いわゆる就園率)の推移をみると、昭和二十三年度の七・三%から年々上昇を続け、四十四年度に五〇%、四十八年度に六〇%を超え更に上昇を続けていたが、五十四年度から五十六年度まで過去最高の六四・四%となって以降、六一〜六三%前後で推移している。
 中学校卒業者のうち高等学校、高等専門学校等に進学した者(過年度中学校卒業者は含まない)の占める比率の推移をみると、昭和二十九年度に五〇%を超えてから年々上昇を続け、四十五年度には八〇%を、また、四十九年度には九〇%を超えた。平成五年度以降は九六%台で推移しており、十三年度は九六・九%(男子九六・三%、女子九七・六%)となっている。
 また、大学・短期大学への進学率(当該年度の大学学部・短期大学本科への入学者数をその三年前の中学校卒業者で除した比率)は平成十三年度四八・六%となった。これを男女別にみると、男子四八・七%(大学四六・九%、短期大学一・八%)、女子四八・五%(大学三二・七%、短期大学一五・八%)であり、女子の進学率は平成元年度以降十一年まで男子を上回っていたが、十二年度以降は男子を下回った。

第四章 青少年の労働

(青少年労働力人口)
 平成十三年(年平均)の十五〜二十九歳の青少年人口は、二千五百六十二万人で、このうち一千五百五十七万人(六〇・八%)が労働力人口(十五歳以上人口のうち、就業者と完全失業者を合わせたもの)である。総労働力人口(六千七百五十二万人)に占める青少年労働力人口の割合は、二三・一%となっている。
(青少年の就業状況)
 平成十三年(年平均)の十五〜二十九歳の青少年就業者数は一千四百三十二万人で、前年と比べ三十五万人減少している。就業者総数(六千四百十二万人)に占める青少年就業者数の割合は、二二・三%(前年の割合は二二・八%)である。
(青少年の失業状況)
 平成十三年(年平均)の十五〜二十九歳の青少年の失業者数は百二十五万人で、失業率は、十五〜十九歳が一二・二%、二十〜二十四歳が九・〇%、二十五〜二十九歳が六・七%となっており、前年と比べると、十五〜十九歳で〇・一ポイント、二十〜二十四歳で〇・四ポイント、二十五〜二十九歳では〇・五ポイント上昇している。特に、近年で失業率が最も低い平成二年との比較では、全年齢の失業率が二・九ポイントの上昇に対し、青少年では十五〜十九歳で五・六ポイント、二十〜二十四歳で五・三ポイント、二十五〜二十九歳で四・〇ポイント上昇と高い水準で推移している。
(離職状況)
 平成十二年中に事業所規模五人以上の事業所から離職した三十歳未満の青少年労働者は、二百八十一万五千人(男性百二十九万人、女性百五十二万四千人)となっており、離職率をみると、二四・二%(男性二〇・〇%、女性二九・五%)で全労働者の離職率一六・〇%(男性一三・二%、女性二〇・二%)より高くなっている。これらの青少年労働者の離職理由についてみると、「個人的な理由」が男性七八・一%、女性八二・四%と最も高くなっている。
 新規学校卒業者の在職期間別離職率をみると、就職後一年間の離職率は、平成十一年三月卒業者の場合、中学校卒業者で四四・七%(男性四四・六%、女性四五・一%)、高等学校卒業者で二四・〇%(男性二二・五%、女性二五・六%)となっている。また、平成九年三月卒業者の離職状況により就職後三年間の動きをみると、中学校卒業者の離職率は一年目四六・四%、二年目一四・七%(累計六一・一%)、三年目九・二%(同七〇・三%)となっており、高等学校卒業者では一年目二四・六%、二年目一三・八%(同三八・四%)、三年目九・一%(同四七・五%)となっている。すなわち、中学校卒業者、高等学校卒業者のいずれも就職後一年目に離職する者の割合が高く、特に中学校卒業者については、四割を超えている。また、就職後三年間で、中学校卒業者では就職者全体の七割が離職し、高等学校卒業者でも四割以上が離職している。

第五章 青少年の非行等問題行動

(刑法犯少年)
 過去十年間に警察に検挙された非行少年の数の推移は、次のとおりである(第2表参照)。
 平成十三年の刑法犯少年は十三万八千六百五十四人(前年比六千三百十八人増(四・八%増))、刑法犯少年の人口比(同年齢層の人口一千人当たりの検挙人員をいう)は一六・〇(一・一増)となった。また、刑法犯総検挙人員に占める少年の割合は、四二・六%で、前年に比べ〇・一ポイント減少した。
 刑法犯で検挙した人員・人口比の推移を現行少年法が施行された昭和二十四年以降についてみると、第4図のとおりである。
 刑法犯少年を包括罪種別にみると、窃盗犯が最も多く、次いで占有離脱物横領の順となっている。
 刑法犯のうちでも初発型非行(万引き、自転車盗、オートバイ盗、占有離脱物横領)は、単純な動機から安易に行われることが多いと考えられるが、これらは、粗暴犯や薬物乱用等の本格的な非行の入口ともなり、ゆるがせにできない。平成十三年の刑法犯少年のうち初発型非行で検挙した者の数は九万七千九百人で、刑法犯少年総数に占める割合は七〇・六%(一・四ポイント増)となっている。また、過去十年間における刑法犯少年のうち初発型非行で検挙した者の数の推移をみると、刑法犯少年全体に占めるその比率は昭和六十年以降七〇%前後で推移している。
 刑法犯少年を年齢別にみると、十六歳が最も多く、次に十五歳、十四歳の順となっており、十四歳から十六歳までの低年齢層で刑法犯少年全体の六六・四%を占めている。
 刑法犯少年を学職別にみると、高校生が五万九千七十二人(四二・六%)で最も多く、次いで中学生が三万八千六百四十五人(二七・九%)となっている。
 刑法犯少年を男女別にみると、男子が十万五千六百十一人、女子が三万三千四十三人であり、前年に比べ、男子は二千九百七十八人(二・九%)、女子は三千三百四十人(一一・二%)それぞれ増加した。また、総数に占める女子の割合は、二三・八%と前年を一・四ポイント上回った。
(道路交通法違反等)
 平成十三年に交通事故に係る業務上(重)過失致死傷で検挙された少年は四万二百十八人で、前年に比べ二百二十九人(〇・七一%)減少した。
 平成十三年に道路交通法違反のうち、無免許、最高速度超過などの車両の運転に関する違反で検挙された少年は六十一万八百四十二人で、前年に比べ三万九百六十人(四・八%)減少した。
(問題行動の諸形態)
 平成十三年に覚せい剤事犯で検挙した少年は九百四十六人、シンナー等の乱用で検挙した少年は三千七十一人で、前年に比べいずれも減少した。一方、大麻事犯で検挙した犯罪少年は百七十六人で、平成十年以来三年ぶりに増加した。少年の薬物事犯のうちでは、シンナー等の乱用が依然として大半を占めている。
 平成十三年中に凶悪犯で検挙した刑法犯少年は二千百二十七人で、前年に比べ七人(〇・三%)増加した。罪種別にみると、強盗が最も多く、前年に比べ三十二人(二・〇%)増加した。また、殺人の検挙人員は、前年に比べ六人(五・七%)、強姦の検挙人員は四十一人(一三・九%)それぞれ減少した。
 平成十三年に警察が粗暴犯で検挙した刑法犯少年は一万八千四百十六人で、前年に比べ一千二百七十五人(六・五%)減少した。罪種別では、傷害による検挙人員が一万百二人で最も多い。
 平成十二年度においては、いじめは、小学校においては一四・八%、中学校においては四四・一%、高等学校においては二七・八%、盲・聾(ろう)・養護学校においては六・一%の学校でみられた。また、全公立小・中・高等学校及び盲・聾・養護学校を通じた一校当たりの発生件数は〇・八件となっている。いじめの発生件数を学年別にみると、小学校から学年が進むにつれて多くなり、中学一年生で最も多くなる。その後は学年が進むにつれて減少している。平成十二年度に発生したいじめのうち、小学校で約八八%、中学校で約八八%、高等学校で約九三%、盲・聾・養護学校では約八四%が同年度中に解消している。
 なお、平成十三年に警察が取り扱ったいじめに起因する事件の件数は百十件、検挙・補導した少年(犯罪少年及び触法少年)は二百八十八人で、前年に比べ件数で六十件(三五・三%)、検挙・補導人員で百六十二人(三六・〇%)減少した。
 平成十二年度において、学校内で発生した暴力行為は、小学校では全学校の二・二%に当たる五百二十三校において一千三百三十一件、中学校では全学校の三五・五%に当たる三千七百十五校において二万七千二百九十三件、高等学校では全学校の四六・七%に当たる一千九百三十五校において五千九百七十一件となっている。また、学校外で発生した暴力行為は、小学校では全学校の〇・五%に当たる百十五校において百五十二件、中学校では全学校の二〇・五%に当たる二千百四十五校において三千九百九十二件、高等学校では全学校の二五・八%に当たる一千六十八校において一千六百三十五件となっている。
 なお、平成十三年に警察が取り扱った校内暴力事件の事件数は、八百四十八件で、前年に比べ百四十六件(一四・七%)減少した。そのうち教師に対する暴力事件は、四百七十件で、前年に比べ百十二件(一九・二%)減少した。
 平成十三年に性の逸脱行為・被害で補導・保護された少年は、四千三百五十四人で前年に比べ二百二十四人(五・四%)増加した。学職別にみると、高校生三九・七%、中学生三一・六%、次いで無職少年が二〇・六%等となっており、中・高校生の割合が七一・三%を占めている。これを動機別にみると、「遊ぶ金が欲しくて」が三七・一%と最も多くなっている。
 平成十三年に刑法犯で検挙した暴走族少年は、三千九百四十人で、前年に比べ三百十七人(八・七%)増加した。その罪種別検挙状況をみると、窃盗、傷害が高い比率を占めている。
 平成十三年に少年相談や補導活動等を通じて警察が認知した少年による家庭内暴力の件数は、一千二百八十九件で、前年に比べ九十七件(七・〇%)減少した。これを対象別にみると、母親に対するものが五四・三%と最も多く、次いで家財道具等一六・三%、父親一三・三%等となっている。
 平成十三年に警察が補導した不良行為少年(非行少年には該当しないが、飲酒、喫煙、家出等を行って警察に補導された二十歳未満の者)は九十七万一千八百八十一人で、これを態様別にみると、喫煙(四五・一%)や深夜はいかい(三八・一%)が多数を占めている。
 平成十二年度間に三十日以上学校を欠席した不登校児童生徒数は小学生二万六千三百七十三人、中学生十万七千九百十三人で前年度間に比べ小学生は一・三%増加、中学生は三・六%増加となっている(第3表参照)。
 平成十三年に警察により発見、保護された家出少年は、二万六千二百三十二人で前年に比べ九百二十七人(三・四%)減少した。これを学職別にみると、中学生が全体の四二・四%を占めて最も多く、次いで高校生が多くなっている。男女別にみると、女子が五七・八%を占め男子を上回っている。
 平成十二年に警察が把握した少年の自殺者は、五百九十八人で、前年に比べ七十六人(一一・三%)減少した。これを学職別にみると、高校生が最も多く、男女別にみると、男子が女子と比べて多くなっている。

第二部 青少年に関する国の施策

第一章 青少年行政の総合的かつ計画的な推進

 政府の推進する青少年行政の範囲は多岐にわたり、関係する行政機関は多数に及んでいる。内閣府では、青少年の健全育成に関する事項の企画・立案及び総合調整、関係行政機関の事務の連絡調整等に関する事務を行っており、関係省庁の局長クラスの会議である「青少年育成推進会議」の開催、同会議が申し合わせる「青少年育成推進要綱」に基づく取組の実施の推進等を通じて、青少年行政の総合的な推進に努めるとともに、各種の広報啓発活動や青少年育成国民運動の支援等を行い、国民的な取組の活性化を図っている。
(総合的な施策の推進)
 「国の青少年政策の基本となる計画(青少年プラン(仮称))を策定すべき」との平成十一年七月の青少年問題審議会答申の提言を受け、十二年度には、青少年政策の総合的推進に関する研究会を開催するなどにより検討を継続し、十三年十月には、青少年プランを一両年中に策定すべく所要の検討を行うことを関係省庁間で申し合わせた。
 平成十四年四月からは、内閣官房長官の下で「青少年の育成に関する有識者懇談会」を開催している。同懇談会は、おおむね一年間開催する予定であり、同懇談会が取りまとめる報告の内容を踏まえ、十五年春を目途に青少年プラン(仮称)を策定することとしている。
 関係省庁との密接な連携の下に青少年施策を総合的かつ効果的に推進するため、「青少年育成推進会議」及びその下に置かれた課長クラスの各種連絡会議を開催し、密接な連絡、情報交換、協議等を行っている。
 青少年育成推進会議では、平成十三年十月には、国の青少年行政の基本的方針等を盛り込んだ「青少年育成推進要綱」の改正を行うとともに、情報化社会の進展に対応する観点等から、「青少年を取り巻く環境の整備に関する指針」の申合せを行った。
(青少年に関する研究調査)
 青少年の実態、意識、問題点等を究明するため、年度ごとにテーマを定め、大型の全国調査や国際比較調査である「特別研究調査」、青少年の非行防止に資するための「特定課題研究調査」等の研究調査を実施している。
(青少年育成国民運動)
 昭和四十年十一月に政府が国民の総力を結集した青少年健全育成のための運動を提唱したことから始められた青少年育成国民運動(「大人が変われば子どもも変わる運動」等)に対する支援を行うとともに、毎年七月を「青少年の非行問題に取り組む全国強調月間」、十一月を「全国青少年健全育成強調月間」に定め、諸行事を集中的に実施することにより、青少年健全育成及び非行防止に対する理解を深め、青少年育成国民運動の一層の充実と定着を図っている。

第二章 青少年健全育成事業

(青少年の多様な活動の推進)
 平成十四年度からの完全学校週五日制の実施を契機として、平成十四年度においては、「新子どもプラン」を策定し、関係省庁、民間団体等との連携の下、地域の人材を活用した子どもの放課後や週末の活動支援やボランティア活動等の奉仕活動・体験活動の総合的な推進を図っている。
 家庭や地域における子どもとのふれあいや話し合いの機会を充実するとともに、その重要性の理解を図るため、「[子どもと話そう]全国キャンペーン」を実施している。また、その一環として「子ども霞ヶ関見学デー」を実施し、子どもたちに広く社会を知る体験活動の機会を提供した。
 平成十三年七月には、「学校教育法」及び「社会教育法」の改正を行い、学校内外を通じたボランティア活動など社会奉仕体験活動、自然体験活動その他の体験活動の充実を図るため、様々な取組を進めている。
 環境基本計画(平成十二年十二月閣議決定)に基づき、学校教育、社会教育その他の多様な場において、環境教育、環境学習等の推進、環境保全の具体的行動の促進や環境に関する情報提供の推進を図るための、各般の施策を展開している。
(団体・グループ活動の促進)
 PTA、母親クラブ等の児童生徒の育成団体や、全国的な組織を持つ青少年団体が実施する自然体験活動や奉仕活動をはじめとする様々な体験活動や研究協議会が行う事業等に対して助成を行うとともに、青少年団体の指導者を対象とした研修を行い、団体・グループ活動の促進を図っている。
(文化活動の奨励)
 子どもたちが、文化活動に参加したり、優れた芸術文化や歴史的な文化の所産に触れることにより、豊かな人間性や多様な個性をはぐくむため、学校、地域社会や文化施設等の相互連絡を密にし、学校の内外における文化活動や鑑賞の機会を確保するための施策を実施している。
(体育・スポーツの普及・振興)
 昭和三十九年に政府により広範な国民運動として提唱された体力つくり国民運動を推進するとともに、毎年十月を「体力つくり強調月間」として提唱し、国民一般に健康・体力つくりを呼びかけるなどの運動を展開している。
 また、「体育」・「保健体育」や運動部活動などを通じての学校の体育・スポーツ活動の充実に取り組むとともに、青少年も含めて国民の誰もが生涯の各時期にわたり、いつでもどこでもスポーツに親しむことのできる「生涯スポーツ社会」の実現に向けた取組を進めている。
(健全育成施設の整備、青少年指導者の養成と確保)
 青少年の学習や活動の場となる社会教育施設、スポーツ施設、勤労青少年福祉施設、児童厚生施設、都市公園・自然公園、旅行・観光施設等の整備や学校体育施設の開放を進めるとともに、社会教育指導者、スポーツ指導者、勤労青少年指導者、児童健全育成指導者、農林水産業関係指導者、青少年育成国民運動推進指導員・青少年育成国民運動推進員等の青少年指導者の養成と確保に努めている。

第三章 家庭に関する施策

(家庭教育の振興)
 平成十三年七月に社会教育法を改正し、教育委員会の事務として家庭教育に関する講座の開設等の事務を明記するとともに、子育てサークルのリーダー等を社会教育委員や公民館運営審議会の委員に委嘱できるようにするなど家庭教育の向上のための社会教育行政の体制整備を図った。
 また、子育て講座の実施など家庭教育に関する様々な学習機会を提供するとともに、「子育てサポーター」、「家庭教育アドバイザー」の配置や相談体制の充実、「フォーラム家庭教育」の開催、 「家庭教育手帳」・「家庭教育ノート」の配布などを通じて、家庭教育を支援している。
(家庭児童健全育成事業)
 児童相談所をはじめ、家庭児童相談室、児童委員、保健所、児童家庭支援センター、保育所等において、家庭や児童に対する相談・支援活動を行っている。
(社会的援助を必要とする児童・家庭への福祉等)
 社会的援助を必要とする児童や家庭を支援するため、児童福祉施設である乳児院、児童養護施設、保育所等の整備・充実を図るとともに、母子家庭の福祉対策のための施策、母子保健・小児保健のための施策、障害児の福祉施策等を講じている。

第四章 学校教育に関する施策

(完全学校週五日制の実施)
 学校週五日制は、平成四年九月から月一回、七年四月からは月二回という形で段階的に実施してきたが、学習指導要領の改訂など所要の制度改正を行った上で十四年四月からは完全学校週五日制が実施されている。
(幼児教育の振興)
 平成十三年三月、今後の幼児教育の振興に関する施策の効果的な推進を図るための総合的な実施計画である「幼児教育振興プログラム」を策定し、平成十三〜十七年度を計画実施期間として、関係施策を展開する。また、本年度から新たに、「幼児のこころを育てるキャンペーン」を実施する。
(義務教育の充実)
 平成十四年四月から実施されている新しい学習指導要領を実施していく上で、「心の教育」の充実と「確かな学力」の向上とを二つの大きな柱として政策を進めている。「心の教育」の充実については、子どもたちが身につける道徳の内容をわかりやすく表した「心のノート」をすべての小・中学生に配布するとともに、地域の人材等を「心のせんせい」として学校に派遣する事業などを展開している。また、各学校における「確かな学力」の向上のための取組の参考となるように、指導に当たっての重点等を取りまとめた「学びのすすめ」を十四年一月に公表するとともに、各学校の取組を支援する観点から、拠点校における個に応じた指導の充実のための実践研究の成果を全国すべての学校に普及し、学力の向上を目指す「学力向上フロンティア事業」の実施や少人数指導等のきめ細かな指導を可能とする教職員定数の改善などの施策を推進している。
 「e−Japan重点計画」等に基づき、平成十七年度を目標に、全ての教室の授業においてコンピュータやインターネットを活用できる環境を整備することを目指し、教育用コンピュータ整備、インターネットへの接続、教員研修の充実、教育用コンテンツの開発等の施策に取り組んでいる。
 初等中等教育における理科教育の重要性にかんがみ、スーパーサイエンスハイスクールの指定など「科学技術・理科大好きプラン」、理科教育整備設備費補助、科学技術・理科教育総合推進事業などの施策を実施している。
 いじめ等の問題に対応するため、スクールカウンセラーの配置の拡充、「心の教室相談員」の配置等各種の施策を総合的に推進している。また、特に不登校児童生徒への適応指導の充実を図るため、適応指導教室や民間施設における不登校児童生徒の学校復帰に向けた望ましい指導の在り方について調査研究を行う「不登校児童生徒の適応指導総合調査研究委託―スクーリング・サポート・プログラム(SSP)―」を実施している。さらに、平成十三年七月には、出席停止制度について、要件・手続の明確化、出席停止期間中の児童生徒への学習等の支援を内容とする学校教育法の改正を行い、問題を起こす児童生徒への適切な対応を図るなど、関連施策の充実に務めている。
 児童生徒の喫煙、飲酒、薬物乱用の問題や性に関する指導、学校歯科保健指導等については、教師用参考資料を作成・配布するとともに、教員に対する研修会を開催するなど、指導の充実を図っている。
(高等学校教育の改善・充実と中高一貫教育の推進)
 高等学校教育の改善・充実のため、総合学科や単位制高等学校など、新しいタイプの高等学校の設置をはじめとする特色ある学校・学科、コースの設置を推進している。また、多様な科目の開設などにより、生徒の選択を中心としたカリキュラムづくりを進めている。
 平成十一年四月より中高一貫教育の導入が可能となったことを踏まえ、平成十年度から各都道府県等に対する研究事業の委嘱、「中高一貫教育推進フォーラム」の開催、リーフレットの作成・配布、また十三年度からは、既設の中高一貫教育校を対象とする中高一貫教育開発指定校事業を各都道府県等に委嘱するなど、中高一貫教育の積極的な推進を図っている。
 高校生が学習内容や将来の進路選択等に関連した就業体験を行うことは、高い教育効果が期待されていることから、平成十一年度から教育界、産業界の関係者を集め、全国フォーラムを開催するなど、インターンシップの積極的な推進に取り組んでいる。
(障害のある児童生徒一人一人のニーズに応じた教育)
 特殊教育を取り巻く最近の動向を踏まえ、「二十一世紀の特殊教育の在り方に関する調査研究協力者会議」において検討が進められていたが、平成十三年一月に取りまとめられた同会議の最終報告を踏まえ、必要な制度の見直しや施策の改善充実を行っている。
(高等教育の充実と改革)
 近年の産業構造の変化、技術革新の進展や労働者の就業意識・就業形態の多様化に伴う社会人の多様な学習需要に応えるため、平成十四年二月二十一日の中央教育審議会答申「大学等における社会人受入れの推進方策について」を受け、@社会人等が修業年限を超えて弾力的に修学できる長期履修学生制度、A高度専門職業人養成に特化した教育を行う専門大学院の一年制コース、Bインターネット等の情報通信技術を活用した通信制博士課程の制度化を図った。
(専修学校教育の振興等)
 産業構造の変化や急速な技術革新の進展に伴い、専修学校が果たす社会的役割の重要性を考慮し、専修学校教育の振興を図るため種々の施策を講じている。平成十四年度から、失業率の悪化など厳しい雇用情勢の中で、離職者等が誇りと生きがいをもって、専修学校で再就職等に向けたキャリアアップのために学ぶ仕組みを創るため、社会のニーズを踏まえたキャリアアップのための先導的な教育プログラム開発を推進する「専修学校社会人キャリアアップ教育推進事業」を新たに実施する。

第五章 職場に関する施策

(新規学校卒業者の雇用に関する施策)
 新規学校卒業者がその適性と能力に応じた職業選択を行い、良き職業人、社会人として成長できるよう、職業安定機関は、学校等の教育機関及びその他の関係機関との緊密な連携の下に職業指導、職業紹介を行っている。また、高校生を対象としたジュニア・インターンシップを実施するとともに、平成十二年度より高校、教育機関等との連携・協力の下、全国の高校一・二年生を対象に早期における職業に関する講話等の職業意識啓発のための事業を実施し、職業意識啓発の環境整備を図っている。
 求人者が求人活動を無秩序に行うことは、学校教育上支障を及ぼすとともに、新規学校卒業者に対する適正な職業紹介を阻害する要因ともなるため、適正な求人秩序の確立のための取組を行っている。大学等卒業予定者の就職採用活動については、大学側が「大学、短期大学及び高等専門学校卒業予定者に係る就職について(申合せ)」を、企業側が「新規学卒者の採用・選考に関する企業の倫理憲章」をそれぞれ定め、双方が各大学等・企業へ十分周知し、尊重するというルールで就職・採用活動が行われている。
(勤労青少年の福祉に関する施策)
 勤労青少年の福祉対策は、勤労青少年福祉法、勤労青少年福祉対策基本方針等により、総合的かつ計画的に推進されている。
(青少年労働者の職業能力の開発に関する施策)
 青少年の多様な適性等に応じた職業能力開発を進めるため、民間企業における計画的な職業能力開発機会の確保と公共職業訓練の効果的な実施を促進するとともに、技能検定をはじめとする職業能力評価制度の整備に努めている。
(農山漁村青少年の育成に関する施策)
 農山漁村青少年の育成のためには、都道府県等の行う研修教育をはじめとする各種事業への助成等を行っている。

第六章 社会環境の整備に関する施策

(有害環境の浄化等)
 青少年を取り巻く社会環境のうち、とりわけ青少年の健全な育成に有害であると認められるものについては、関係業界による自主規制、住民の環境浄化の地域活動、風適法(「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」)や地方公共団体の青少年の保護育成に関する条例等による規制・取締り等の対応策が講じられている。関係業界に対しては、青少年育成推進会議や関係省庁等が自主規制等の要請を行っている。
 児童買春・児童ポルノ法違反や児童福祉法違反等の福祉犯は、少年の心身に有害な影響を及ぼし、健全な育成を著しく阻害することから、その積極的な取締りと被害少年の発見保護に努めている。
(青少年の人権擁護)
 青少年の基本的人権が尊重されるような環境をつくるとともに、青少年自らが正しい人権尊重思想を身に付け、心身ともに健全で、有為な社会の一員として育成されるよう、広報啓発活動や人権侵犯事件の調査・処理等の諸施策を講じている。
(青少年の事故防止対策等)
 交通事故、乳幼児の事故、乳児・児童等の犯罪被害、水難・山岳事故といった青少年の事故防止対策や、環境保全対策に努めている。

第七章 少年の非行防止と非行少年の処遇

(少年非行の防止活動)
 少年の非行防止のため、「青少年の非行問題に取り組む全国強調月間」等の各種月間を通じて、青少年の規範意識の醸成や社会環境の浄化を図ることをはじめとした諸施策及び諸活動を集中的に実施している。また、少年補導センター、少年サポートセンター、少年補導員協議会、母の会等の地域における非行防止組織が、それぞれの立場と特性をいかしながら街頭補導、少年相談、有害環境の浄化等の活動を行っている。
(非行少年の処遇)
 非行少年については、その健全な育成を目指して、警察、検察庁、家庭裁判所、少年鑑別所、少年院、少年刑務所、地方更生保護委員会、保護観察所等の多くの機関が、それぞれの段階に応じた処理、処遇を行っている。
(青少年の覚せい剤等の薬物乱用対策)
 平成十年五月に決定された「薬物乱用防止五か年戦略」等を踏まえ、青少年による薬物乱用の根絶を図るため、薬物乱用防止教室の実施、薬物乱用防止教育の充実、広報啓発活動の徹底、取締りの強化等関連施策の充実に努めている。

第八章 国際交流に関する施策

(青少年の国際交流)
 内閣府では、国際青年育成交流事業、日本・中国青年親善交流事業、日本・韓国青年親善交流事業、世界青年の船事業、東南アジア青年の船事業、国際青年の村事業等の青年国際交流事業を実施している。なお、平成十三年度から二十一世紀のスタートにふさわしい新たな交流事業として、「二十一世紀ルネッサンス青年リーダー招へい事業」を開始した。
 外務省では、海外青年を招へいする事業である短期青年招へい及び長期青年招へい事業を実施するとともに、ASEAN諸国等の青年を招へいする事業である「二十一世紀のための友情計画」を実施している。また、政府ベースの技術協力の一環として、青年海外協力隊派遣事業を実施しており、平成十四年三月末現在、六十五か国に対し、二千四百二十名を派遣中である。
 文部科学省では、留学生交流の推進のため、昭和五十八年から「留学生受入れ十万人計画」に基づき、国費留学生受入れの計画的整備、私費留学生等への援助、教育研究指導の充実等各種の留学生交流施策を推進している。平成十三年五月一日現在、我が国の大学等で学ぶ留学生は七万八千八百十二人と過去最高の数となっている。
 我が国における外国語教育の充実を図るとともに、地域レベルでの国際交流の進展を図るため、「語学指導等を行う外国青年招致事業(JETプログラム)」を実施しており、平成十三年度は、世界三十九か国から外国語指導助手、国際交流員及びスポーツ国際交流員として六千百九十人の外国青年を招致している。


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賃金、労働時間、雇用の動き


毎月勤労統計調査平成十四年七月分結果速報


厚生労働省


 「毎月勤労統計調査」平成十四年七月分結果の主な特徴点は次のとおりである。

◇賃金の動き

 七月の調査産業計の常用労働者一人平均月間現金給与総額は四十一万五百七十一円、前年同月比五・二%減であった。現金給与総額のうち、きまって支給する給与は二十七万九千二百十三円、前年同月比一・一%減であった。これを所定内給与と所定外給与とに分けてみると、所定内給与は二十六万千九百七円、前年同月比一・一%減、所定外給与は一万七千三百六円、前年同月比は〇・八%減であった。
 また、特別に支払われた給与は十三万千三百五十八円、前年同月比は一二・九%減であった。
 実質賃金は、四・四%減であった。
 きまって支給する給与の動きを産業別に前年同月比によってみると、伸びの高い順に電気・ガス・熱供給・水道業〇・六%増、製造業〇・四%増、不動産業〇・四%減、金融・保険業〇・七%減、建設業一・二%減、サービス業一・五%減、卸売・小売業,飲食店一・七%減、運輸・通信業二・一%減、鉱業七・八%減であった。

◇労働時間の動き

 七月の調査産業計の常用労働者一人平均月間総実労働時間は百五十八・三時間、前年同月比は〇・八%増であった。
 総実労働時間のうち、所定内労働時間は百四十八・九時間、前年同月比〇・九%増、所定外労働時間は九・四時間、前年同月比〇・五%増、所定外労働時間の季節調整値の前月比は〇・四%増であった。
 製造業の所定外労働時間は十三・九時間、前年同月比八・九%増、季節調整値の前月比は四・一%増であった。

◇雇用の動き

 七月の調査産業計の雇用の動きを前年同月比によってみると、常用労働者全体で〇・八%減、常用労働者のうち一般労働者では一・七%減、パートタイム労働者では二・七%増であった。
 常用労働者全体の雇用の動きを産業別に前年同月比によってみると、前年同月を上回ったものはサービス業二・三%増、電気・ガス・熱供給・水道業〇・四%増、不動産業〇・三%増であった。建設業は前年同月と同水準であった。前年同月を下回ったものは運輸・通信業〇・七%減、卸売・小売業,飲食店一・〇%減、金融・保険業二・一%減、製造業四・六%減、鉱業一〇・〇%減であった。
 主な産業の雇用の動きを一般労働者・パートタイム労働者別に前年同月比によってみると、製造業では一般労働者四・五%減、パートタイム労働者五・五%減、卸売・小売業,飲食店では一般労働者四・六%減、パートタイム労働者四・五%増、サービス業では一般労働者一・五%増、パートタイム労働者五・五%増であった。










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七月の雇用・失業の動向


―労働力調査平成十四年七月等結果の概要―


総 務 省


◇就業状態別の人口

 平成十四年七月末の就業状態別人口をみると、就業者は六千三百七十四万人、完全失業者は三百五十二万人、非労働力人口は四千百九十二万人と、前年同月に比べそれぞれ七十八万人(一・二%)減、二十二万人(六・七%)増、百万人(二・四%)増となっている。

◇就業者

(1) 就業者

 就業者数は六千三百七十四万人と、前年同月に比べ七十八万人(一・二%)の減少となり、十六か月連続の減少となっている。男女別にみると、男性は三千七百六十万人、女性は二千六百十四万人で、前年同月と比べると、男性は三十八万人(一・〇%)減、女性は四十一万人(一・五%)減となっている。

(2) 従業上の地位

 就業者数を従業上の地位別にみると、雇用者は五千三百七十九万人、自営業主・家族従業者は九百七十一万人となっている。前年同月と比べると、雇用者は十一万人(〇・二%)減、自営業主・家族従業者は六十七万人減となり、雇用者は十一か月連続の減少となっている。
 雇用者のうち、非農林業雇用者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○非農林業雇用者…五千三百三十七万人と、十四万人(〇・三%)減、十一か月連続の減少
 ・常 雇…四千六百十一万人と、四十六万人(一・〇%)減、十二か月連続の減少
 ・臨時雇…六百十万人と、三十六万人(六・三%)増、七か月連続の増加
 ・日 雇…百十六万人と、五万人(四・一%)減、二か月ぶりの減少

(3) 産 業

 主な産業別就業者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○農林業…二百九十四万人と、二十五万人(七・八%)減
○建設業…六百二十二万人と、七万人(一・一%)減、二十か月連続の減少
○製造業…一千二百十六万人と、七十二万人(五・六%)減、十五か月連続の減少
○運輸・通信業…四百五万人と、十四万人(三・三%)減、六か月連続の減少
○卸売・小売業,飲食店…一千四百五十一万人と、三十九万人(二・六%)減、八か月連続の減少
○サービス業…一千七百八十五万人と、四十万人(二・三%)増、二十九か月連続の増加
 また、主な産業別雇用者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○建設業…五百十四万人と、七万人(一・三%)減
○製造業…一千百二十七万人と、六十一万人(五・一%)減
○運輸・通信業…三百八十八万人と、九万人(二・三%)減
○卸売・小売業,飲食店…一千二百八万人と、十二万人(一・〇%)減
○サービス業…一千五百五十九万人と、三十八万人(二・五%)増

(4) 従業者規模

 企業の従業者規模別非農林業雇用者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○一〜二十九人規模…一千七百四十五万人と、六万人(〇・三%)増、二か月連続の増加
○三十〜四百九十九人規模…一千八百八万人と、五万人(〇・三%)増、四か月ぶりの増加
○五百人以上規模…一千二百一万人と、四十四万人(三・五%)減、十五か月連続の減少

(5) 就業時間

 七月末一週間の就業時間階級別の従業者数(就業者から休業者を除いた者)及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○一〜三十五時間未満…一千四百六十五万人と、二十七万人(一・八%)減少
 ・うち一〜三十時間未満…一千七十六万人と、八万人(〇・七%)減少
○三十五時間以上…四千七百七十三万人と、五十五万人(一・一%)減少
 ・うち四十九時間以上…一千八百三十四万人と、二十四万人(一・三%)増加
 また、非農林業の従業者一人当たりの平均週間就業時間は四二・五時間で、前年同月と比べ〇・二時間の減少となっている。

◇完全失業者

(1) 完全失業者数

 完全失業者数は三百五十二万人と、前年同月に比べ二十二万人(六・七%)増となり、十六か月連続の増加となっている。男女別にみると、男性は二百十三万人、女性は百三十八万人で、前年同月に比べ、男性は十万人(四・九%)の増加、女性は十一万人(八・七%)の増加となっている。
 また、世帯主の続き柄別完全失業者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○世帯主…九十万人と、四万人増加
○世帯主の配偶者…四十五万人と、三万人増加
○その他の家族…百六十二万人と、十四万人増加
○単身世帯…五十五万人と、一万人増加

(2) 完全失業率(季節調整値)

 季節調整値でみた完全失業率(労働力人口に占める完全失業者の割合)は五・四%と前月と同率となっている。男女別にみると、男性は五・五%、女性は五・二%と、男女とも前月に比べ同率となっている。

(3) 完全失業率(原数値)

 完全失業率は五・二%と、前年同月に比べ〇・三ポイントの上昇となっている。男女別にみると、男性は五・四%、女性は五・〇%と、男性は〇・三ポイントの上昇、女性は〇・四ポイントの上昇となっている。

(4) 年齢階級別完全失業者数及び完全失業率(原数値)

 年齢階級別完全失業者数、完全失業率及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
 [男]
○十五〜二十四歳…四十二万人(二万人増)、一一・三%(一・〇ポイント上昇)
○二十五〜三十四歳…五十二万人(二万人増)、五・六%(〇・二ポイント上昇)
○三十五〜四十四歳…三十万人(三万人増)、三・八%(〇・三ポイント上昇)
○四十五〜五十四歳…四十万人(六万人増)、四・四%(〇・八ポイント上昇)
○五十五〜六十四歳…四十二万人(一万人減)、六・三%(〇・三ポイント低下)
 ・五十五〜五十九歳…二十万人(二万人増)、五・一%(〇・四ポイント上昇)
 ・六十〜六十四歳…二十二万人(三万人減)、八・三%(一・一ポイント低下)
○六十五歳以上…八万人(一万人増)、二・五%(〇・二ポイント上昇)
 [女]
○十五〜二十四歳…二十九万人(同数)、八・四%(〇・四ポイント上昇)
○二十五〜三十四歳…五十万人(八万人増)、八・一%(一・二ポイント上昇)
○三十五〜四十四歳…二十六万人(六万人増)、五・〇%(一・二ポイント上昇)
○四十五〜五十四歳…十九万人(一万人増)、二・九%(〇・三ポイント上昇)
○五十五〜六十四歳…十四万人(二万人減)、三・二%(〇・七ポイント低下)
 ・五十五〜五十九歳…七万人(一万人減)、二・七%(〇・五ポイント低下)
 ・六十〜六十四歳…七万人(一万人減)、四・一%(〇・九ポイント低下)
○六十五歳以上…一万人(同数)、〇・六%(〇・一ポイント上昇)

(5) 求職理由別完全失業者数

 求職理由別完全失業者数は、次のとおりとなっている。
○定年等…三十四万人
○勤め先都合…百八万人
○自己都合…百十九万人
○学卒未就職…十八万人
○新たに収入が必要…四十二万人
○その他…二十七万人

―詳細結果平成十四年四〜六月平均の概要―

◇就業者

(1) 雇用形態別の構成

 役員を除く雇用者四千九百三十七万人のうち、正規の職員・従業員が三千五百二十九万人、パート・アルバイト、契約社員、派遣社員等の非正規の職員・従業員が一千四百七万人となっている。
 役員を除く雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合は二八・五%となっており、これを男女別にみると、男性は一四・二%、女性は四八・二%と、女性の割合が高くなっている。

(2) 転職者

 転職者(就業者のうち過去一年間に離職を経験した者)数は三百二十二万人となっており、年齢階級別にみると、二十五〜三十四歳が九十三万人と最も多い。
 就業者に占める転職者の割合(転職者比率)は、五・一%となっており、これを年齢階級別にみると、男女とも十五〜二十四歳で最も高く、男性は一三・三%、女性は一五・五%となっている。

◇完全失業者

(1) 失業期間

 失業期間別に完全失業者の割合をみると、「三か月未満」が三六・九%と最も高く、次いで「一年以上」が三〇・七%となっている。

(2) 仕事につけない理由

 完全失業者について、仕事につけない理由の割合を年齢階級別にみると、四十五歳以上の各年齢階級では「求人の年齢と自分の年齢とがあわない」が最も高い割合となっており、特に五十五歳以上では五一・三%を占めている。
 一方、四十四歳以下の各年齢階級では「希望する種類・内容の仕事がない」の割合が最も高くなっている。

◇非労働力人口

 非労働力人口四千百八十七万人のうち、就業希望者は五百二十八万人となっており、これを非求職理由別にみると、「家事・育児のため仕事があっても続けられそうにない」の割合が二五・二%と最も高くなっている。












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個人企業経済調査


総 務 省


平成十三年結果(構造編)

 個人企業経済調査(指定統計第五七号)は、個人で「製造業」、「卸売・小売業,飲食店」及び「サービス業」を営んでいる事業所の経営実態を明らかにし、国の景気動向や中小企業振興のための基礎資料などを得るために実施しており、個人経営事業所を対象とする調査としては唯一のものである。

○事業主の年齢階級

事業主は高齢化
 事業主の年齢が六十歳以上の事業所の割合をみると、製造業は六四・五%、「卸売・小売業,飲食店」は五七・二%、サービス業は五二・三%となっている。
 一方、事業主の年齢が四十歳未満の事業所の割合をみると、製造業は一・三%、「卸売・小売業,飲食店」は三・三%、サービス業は五・〇%となっている(第1図参照)。

○後継者の有無

個人経営事業所は後継者難
 「後継者がいる」と答えた事業所の割合をみると、製造業は二〇・〇%、「卸売・小売業,飲食店」は二八・五%、サービス業は二九・一%となっており、いずれも後継者難の状況がうかがえる(第2図参照)。

○事業経営上の問題点

最も多い問題点は「需要の停滞(売上の停滞・減少)」
 事業経営上の問題点として設定している十一項目の中で最も多く挙げているのは、製造業、「卸売・小売業,飲食店」、サービス業いずれも、「需要の停滞(売上の停滞・減少)」(それぞれ七八・六%、八一・四%、七四・〇%)となっている。
 次に多く挙げているのは、製造業は「販売価格の低下・値引要請」(四六・二%)、「卸売・小売業,飲食店」及びサービス業は「大手企業・同業者との競争の激化」(それぞれ四九・〇%、四四・六%)となっている(第3図参照)。

○今後の事業展開

事業に対して消極的な事業所が多い
 今後の事業展開についてみると、製造業、「卸売・小売業,飲食店」、サービス業いずれも、「事業の拡大・店舗の増設を図りたい」など事業に対して積極的な事業所の割合(それぞれ八・二%、一五・〇%、一二・五%)に比べ、「廃業したい」など事業に対して消極的な事業所の割合(それぞれ四四・九%、三一・九%、三〇・八%)が高くなっている(第4図参照)。
 (注) 「事業に対して積極的な事業所」とは、「事業の拡大・店舗の増設を図りたい」「事業の共同化・協業化・チェーン組織への加盟を図りたい」「経営の多角化を図りたい」「事業の専門化を図りたい」と回答した事業所をいい、「事業に対して消極的な事業所」とは、「事業の規模を縮小したい」「転業したい」「休業したい」「廃業したい」と回答した事業所をいう。



    <10月30日号の主な予定>

 ▽平成十三年度法人企業統計年報………………………財 務 省 

 ▽法人企業統計季報(平成十四年四〜六月期)………財 務 省 




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