▽天皇誕生日一般参賀について………………………宮 内 庁
平成13年度
一 年齢と体力・運動能力
(1) テスト項目ごとにみた一般的傾向
握力、上体起こし、長座体前屈の三テスト項目は六歳から七十九歳まで、また反復横とび、二十メートルシャトルラン(往復持久走)、立ち幅とびの三テスト項目については六歳から六十四歳までを対象にしたテスト項目である。また、五十メートル走とボール投げ(ソフトボール投げまたはハンドボール投げ)は六歳から十九歳までの青少年を対象にしたテスト項目である。
それぞれの加齢に伴う向上あるいは低下の一般的傾向は、以下のとおりである。
ア 握力
筋力の指標である握力は、すべての年齢段階で男子が女子より高い水準を示しているが、十歳まではほとんど差はみられない。その差は十一歳以降に顕著となり、男子は十六歳ごろまで急激な向上傾向を示し、二十歳代以降でも緩やかな向上傾向を示す。一方、女子は四十歳代前半まで比較的緩やかな向上傾向を示している。男子は三十〜三十四歳、女子は四十〜四十四歳でピークに達しており、体力の他の要素に比べピークに達する時期が遅い。ピーク時以後は男女とも緩やかな低下傾向を示し、六十〜六十四歳には、男女ともにピーク時の約八五%に、七十五〜七十九歳では約七〇%に低下する。
イ 上体起こし
筋力・筋持久力の指標である上体起こしは、すべての年齢段階で男子が女子より高い水準を示している。男子は、十六歳ごろまで顕著な向上傾向を示し、十七歳ごろにピークに達している。ピーク時以後は急激な低下傾向を示し、六十〜六十四歳にはピーク時の約五五%に、七十五〜七十九歳では約三〇%にまで低下する。一方、女子は十四歳ごろにピークに達し、数年間その水準を保持した後に緩やかな低下をはじめる。四十〜四十四歳以降に急激な低下傾向を示し、六十〜六十四歳にはピーク時の約四五%に、七十五〜七十九歳では約二五%にまで低下する。なお、男子は七十五〜七十九歳で、女子は六十〜六十四歳で六歳の水準を下回る。
ウ 長座体前屈
柔軟性の指標である長座体前屈は、男女差が最も小さいテスト項目である。六歳から女子が男子よりも高い水準を示したまま、男女ともに十四歳ごろまで直線的な向上傾向を示している。その後、女子は十七歳ごろにピークに達し、四十〜四十四歳ごろまでその水準を保持した後、緩やかな低下傾向を示している。一方、男子は十七歳ごろまで緩やかな向上傾向が続き、ピークに達した後、緩やかな低下傾向を示している。六十〜六十四歳には、男子でピーク時の約八〇%、女子で約九〇%に、さらに七十五〜七十九歳では、男子で約七〇%、女子で約八〇%に低下する。
エ 反復横とび
敏捷性の指標である反復横とびは、すべての年齢段階で男子が女子より高い水準を示している。男子は十三歳ごろまで急激な向上傾向を示し、その後も緩やかな向上傾向を続け、十九歳ごろピークに達した後、緩やかな低下傾向を示している。一方、女子は十一歳ごろまで急激な向上傾向を示し、その後三十歳代までほぼその水準が維持され(ピークは十九歳ごろ)、その後男子と同様な低下傾向を示している。六十〜六十四歳には、男女ともにピーク時の約七〇%に低下する。
オ 二十メートルシャトルラン(往復持久走)
全身持久力の指標である二十メートルシャトルラン(往復持久走)は、すべての年齢段階で男子が女子より高い水準を示しているが、男女とも十四歳前後で迎えるピークレベルまで急激な向上傾向を示している。その後数年間、男子はやや持続、女子では緩やかに低下する傾向を示すが、十九歳以降は男女とも直線的で著しい低下傾向を示し、六十〜六十四歳には、男女ともピーク時の約二五%にまで低下する。
カ 立ち幅とび
筋パワー(瞬発力)及び跳能力の指標である立ち幅とびは、すべての年齢段階で男子が女子より高い水準を示している。男子は、十四歳ごろまで顕著な向上傾向を示し、その後も緩やかな向上傾向を続け、十九歳ごろにピークに達している。女子は、十四歳ごろピークに達し、三十歳代前半までほぼその水準を保持した後に緩やかな低下傾向を示している。男女とも、六十〜六十四歳には、ピーク時の約七五%に低下する。
キ 五十メートル走
スピード及び走能力の指標である五十メートル走は、六歳から十一歳までは、男子がわずかに高い水準を示したまま、男女ともに直線的な向上傾向を示している。しかし、男子はその後も十七歳ごろまで向上傾向が続くが、女子では向上傾向が鈍りはじめ、十四歳でピークを迎えた後、緩やかな低下傾向を示している。そのため、十二歳以降にその差は拡大する傾向にある。
ク ボール投げ(ソフトボール投げ及びハンドボール投げ)
筋パワー(瞬発力)、投能力、及び巧ち性の指標であるボール投げは、六歳から十一歳を対象としたソフトボール投げにおいて、男女ともに直線的で著しい向上傾向を示すが、六歳からすでに男子が女子よりも高い水準を示しており、加齢に伴ってその差はさらに拡大する傾向にある。十二歳から十九歳を対象としたハンドボール投げにおいても、男女ともに十七歳でピークを迎えるまで向上傾向は続くが、男子に比べ女子の向上傾向が非常に緩やかなため、その差はソフトボール投げに引き続き拡大する傾向にある。
(2) 合計点からみた対象年齢別の一般的傾向
加齢に伴う新体力テスト合計点の変化の傾向を、各年齢段階別に、第1図に示した。
新体力テストの合計点からみた六歳から十一歳の体力水準は、男女とも加齢に伴い急激でほぼ直線的な向上傾向を示している。この傾向は十四歳ごろまで続くが、その後、男子では十七歳まで向上傾向を示すのに対して、女子ではほぼ停滞傾向を示している。
二十歳以降は、男女ともに体力水準は加齢に伴い低下する傾向を示している。しかし、その傾向は、ほぼ四十歳代ごろまでは女性の方が男性よりも比較的緩やかである。四十歳代後半からは、男女ともに著しく体力水準が低下する傾向を示し、六十五歳から七十九歳でも、男女とも加齢に伴いほぼ直線的に低下する傾向を示している。
二 体力・運動能力の年次推移
(1) 青少年(六歳から十九歳)
長期的に年次変化の比較が可能な基礎的運動能力としてみた走(五十メートル走・持久走)能力、跳(立ち幅とび)能力、及び投(ソフトボール投げまたはハンドボール投げ)能力、並びに握力の年次推移の傾向は、長期的にみると、発育期の一部の年齢において、年次変化の差が認められないものもあるが、ほとんどの年齢段階でいずれの基礎的運動能力及び握力も引き続き低下傾向にあることがうかがえる。
(2) 成年(二十歳から六十四歳)
年次変化の比較が可能な握力、反復横とび、急歩の年次推移の傾向は、長期的には、筋力の指標である握力は緩やかな向上傾向、敏捷性の指標である反復横とびは向上傾向、全身持久力の指標である急歩では停滞もしくは緩やかな低下傾向がうかがえる。
三 高齢者の体力
(1) ADL(日常生活活動テスト)
ADLの十二項目の問に、六十五〜六十九歳でそれぞれ最も体力水準が高い『3』と答えた者の割合(%)についてみると、男性の場合、六十五〜六十九歳で、八〇%以上が『3』と答えた項目は、「立ったままでズボンやスカートがはける(問8)」、「十キログラム程度の荷物を十メートル運べる(問11)」、「布団の上げ下ろしができる(問10)」、「五十センチメートル程度の溝をとび越えられる(問3)」であった。その他の問に対しては、「十分以上走れる(問2)」を除き、五〇%以上の回答が得られた。その後加齢に伴い、これらの割合は、五歳ごとにいずれも一〇%程度ずつ減少する傾向を示している。
女性の場合も、全体的な傾向では男性と大きな違いはみられないが、全般的に『3』と答えた割合は男性よりも二〇%程度低い。六十五〜六十九歳で『3』が六〇%を超えるのは、男性にも認められた「立ったままでズボンやスカートがはける(問8)」と「布団の上げ下ろしができる(問10)」だけである。「一時間以上歩ける(問1)」、「シャツの前ボタンを掛けたり外したりできる(問9)」、「バスや電車に乗ったとき立つ(問7)」、「三十秒以上片足で立てる(問6)」の項目では五〇%を割り、特に「仰向けに寝た姿勢から、手を使わないで、上体だけを三〜四回以上起こせる(問12)」と「十分以上走れる(問2)」は三〇%を割っている。その後さらに高齢になると、男性と同様に、五歳ごとに約一〇%ずつ減少する傾向を示し、七十五〜七十九歳で「十分以上走れる(問2)」と答えた割合は一〇%程度になっている。
ADLの総合得点による判定結果についてみると、六十五歳から七十九歳でテスト項目により実施が不可能な×と判定された者は男女ともほとんどみられなかった。一方、すべてのテスト項目が実施可能な○の判定であった者の割合は、男女ともに加齢に伴い減少するが、男性では六十五〜六十九歳で九八%、七十〜七十四歳で九四%、七十五〜七十九歳でも八八%であるのに対して、女性では六十五〜六十九歳の九二%から、七十〜七十四歳の八四%、さらに七十五〜七十九歳の七二%と大幅に減少している。
(2) バランス能力と歩行能力
六十五歳から七十九歳だけを対象としたテスト項目である開眼片足立ち、十メートル障害物歩行及び六分間歩行は、三テスト項目とも、すべての年齢段階で男性が女性よりも高い水準を示している。また、いずれも加齢に伴って直線的に低下する傾向を示し、五年間当たりで開眼片足立ちは約二〇%、十メートル障害物歩行は約八%、六分間歩行では約五%の低下が認められる。
四 運動・スポーツの実施と体力
(1) 運動・スポーツの実施頻度
運動・スポーツの実施頻度と新体力テストの合計点との関係を、年齢段階別に、第2―1図(男子)及び第2―2図(女子)に示した。
六歳から十九歳においては、加齢に伴って合計点が増加し、運動を実施する頻度が高いほど、合計点も高い傾向にある。しかし、六歳から七歳までは、「ほとんど毎日」、「ときどき」、「ときたま」あるいは「しない」のどの群も、合計点に大きな差は認められない。その後、加齢に伴い、「ほとんど毎日」行う群の合計点が他群より高くなり、次いで「ときどき」行う群の合計点が「ときたま」及び「しない」群より高くなっている。十二歳から十四歳以降は、「ほとんど毎日」行う群の合計点が他の三群よりも高くなり、「ときどき」群の値が「ときたま」群と「しない」群の値を若干上回っている。
二十歳以降の合計点は、二十〜二十四歳をピークに、運動・スポーツの実施頻度にかかわりなく、加齢とともに低下する。また、その低下の度合いは、特に四十〜四十四歳以降に大きくなる。しかし、どの年代においても、また男女に関係なく、「ほとんど毎日」及び「ときどき」行う群の合計点が、「ときたま」行う群より高く、「しない」群が最も低い値を示している。
六十五歳から七十九歳においても、二十歳から六十四歳に引き続いて、加齢とともに合計点は低下する。しかし、運動・スポーツを「ほとんど毎日」及び「ときどき」行う群の合計点は、「ときたま」群よりも高く、「しない」群が最も低い値を示している。
第3図に、新体力テストにおける総合評価A〜Eの五段階別にみた週一日以上の実施頻度(「ほとんど毎日」+「ときどき」)の者の割合を性別及び年齢段階別に示した。男女ともにいずれの年齢段階においても、総合評価が高い群ほど週一日以上の実施頻度の者の割合が大きい。特に、十二歳から十九歳の女子において、その傾向が顕著である。
要約すると、運動・スポーツの実施頻度が高いほど体力水準が高いという関係は、九歳ごろから明確になり、その傾向は七十九歳に至るまで認められる。したがって、体力を高い水準に保つためには、実施頻度が重要な要因であることが示唆される。
(2) 一日の運動・スポーツの実施時間
運動・スポーツを行う際の一日の実施時間と新体力テストの合計点との関係を、年齢段階別に、第4―1図(男子)及び第4―2図(女子)に示した。
九歳ごろから十九歳まで、男女ともに一日の運動・スポーツの実施時間が長いほど、合計点は高い傾向にあり、十三歳ごろから、「一〜二時間」及び「二時間以上」行う群の合計点と、「三十分〜一時間」及び「三十分未満」行う群の合計点の差が大きくなっている。
二十歳以降は、二十〜二十四歳をピークに、合計点は一日の運動・スポーツの実施時間にかかわりなく加齢とともに低下するが、特に四十〜四十四歳からの低下率が大きくなる。しかし、どの年代においても、三十分以上行う三群はいずれも、「三十分未満」しか行わない群より高い値を示している。
六十五歳から七十九歳でも、合計点は加齢とともに低下を続けているが、三十分以上行う三群では合計点に差はなく、いずれも「三十分未満」群よりは高い値を示している。
要約すると、一日の運動・スポーツの実施時間が長いほど体力水準が高いという関係は、九歳ごろから明確になり、その後七十九歳に至るまで、三十分以上行う三群と「三十分未満」しか行わない群との間に明確な差があることが認められる。
(3) 運動部やスポーツクラブへの所属の有無
運動部やスポーツクラブへの所属の有無と新体力テストの合計点との関係を、年齢段階別に、第5―1図(男子)及び第5―2図(女子)に示した。
男女とも、運動部やスポーツクラブへ所属している群の方が所属していない群よりも合計点は高い傾向にある。六歳から七歳では、運動部やスポーツクラブへの所属の有無による合計点の差はほとんど認められないが、九歳ごろから両群の差は徐々に大きくなる。十二歳から十九歳においても、合計点は増加し続けるが、両群の差は一層開く傾向を示している。
二十歳以降の合計点は、二十〜二十四歳をピークに、加齢とともに低下する。特に、四十〜四十四歳以降に低下率の増大が認められる。しかし、どの年代においても、男女とも、スポーツクラブへ所属している群の方が、所属していない群より男子で二〜三点程度、女子で三〜四点程度高い値を示している。
六十五歳から七十九歳では、加齢とともに、男女とも、五年間で四点程度の合計点の減少が認められる。しかし、どの年代においても、スポーツクラブへ所属している群の方が、男子は一〜二点、女子は二〜三点程度高い値を示している。
要約すると、運動部やスポーツクラブへの所属と体力水準の高さとの関係は、九歳ごろから明確になり、その傾向は七十九歳に至るまで認められる。したがって、運動部やスポーツクラブへ所属することは、生涯にわたって高い体力水準を維持するのに、重要な役割を果たしていることがうかがえる。
(4) 学校時代の運動部(クラブ)活動の経験
中学校、高等学校、大学を通じての運動部(クラブ)活動の経験の有無と、二十歳から六十四歳及び六十五歳から七十九歳の新体力テストの合計点との関係をみると、男女とも、運動部(クラブ)活動の経験の有無にかかわらず、七十五〜七十九歳に至るまで、加齢に伴い合計点はほぼ同様に低下する傾向にある。しかし、どの年代においても、中学校、高等学校、大学を通じて運動部(クラブ)活動を経験した群の合計点は、四〜十点程度高い傾向にある。
二十歳から六十四歳を対象に、新体力テストにおける総合評価A〜Eの五段階別に、運動部(クラブ)活動の経験の内容とその割合を、第6図に男女別に示した。男女とも、総合評価の段階が高くなるにしたがい、中学・高校・大学を通じて経験のある者の割合が大きくなり、未経験者の割合が小さくなる傾向を示している。また、男性のA・B・C段階、女性のA・B段階の約四割は、中学及び高校での経験者であった。
したがって、学校時代に運動部(クラブ)活動へ積極的に参加していたことは、その後の運動習慣が確保され、生涯にわたって高い水準の体力を維持する要因の一つになっていると考えられる。
五 健康・体力に関する意識と体力
(1) 健康状態に関する意識
二十歳から六十四歳及び六十五歳から七十九歳の健康状態に関する意識と、新体力テストの合計点との関係をみると、男女とも、合計点は二十〜二十四歳をピークに加齢とともに減少し、特に四十〜四十四歳以降に、低下の度合いが大きくなる傾向にある。また、ほとんどの年代において、健康状態について、「大いに健康」と意識する群の合計点が最も高く、「まあ健康」と意識する群がそれより一〜三点程度低く、「あまり健康でない」と意識する群がさらに一〜四点程度低くなっている。
二十歳から七十九歳における健康状態に関する意識と運動・スポーツの実施頻度との関係をみてみると、男女ともに、「大いに健康」と意識する群の七〇%弱が「ほとんど毎日」あるいは「ときどき」運動をしている。一方、「まあ健康」と意識する群では約四五%であり、「あまり健康でない」と意識する群では約三〇%にしかすぎない。
(2) 体力に関する意識
二十歳から六十四歳及び六十五歳から七十九歳の体力に関する意識と、新体力テストの合計点との関係をみると、男女とも、合計点は二十〜二十四歳をピークに加齢とともに減少し、特に四十〜四十四歳以降に、低下の度合いが大きくなる傾向が認められる。また、ほとんどの年代において、体力について「自信がある」群の合計点が最も高く、「普通である」と意識する群がそれに次ぎ、「不安がある」群が最も低い値を示している。三群のそれぞれの間隔は、三〜五点程度の差となっている。
二十歳から七十九歳における体力に関する意識と運動・スポーツの実施頻度との関係をみてみると、男女ともに、「自信がある」と意識する群の約八〇%が「ほとんど毎日」あるいは「ときどき」運動をしている。一方、「普通である」と意識する群では約五〇%であり、「不安がある」と意識する群では約二五%にしかすぎない。
年末の大掃除
フローリングは床の隅に注意
年末最後の仕事といえば、大掃除。大晦日にあわてないですむように、十二月に入ったら家の中の掃除を少しずつ進めておきましょう。
最近人気のフローリングは、人の動きにのってほこりが部屋の隅に移動していく性質があります。掃除は、雑巾(ぞうきん)などで床の隅のほこりをかき出すようにしながら掃除機をかけ、最後はぼろ布に床用のワックスをふくませ、汚れをこすり取るように拭(ふ)きます。
この際ですから、動かせる家具はできるだけ外に出して掃除をするのがベター。家具の下のほこりや汚れも一掃してしまいましょう。ときにはなくしたと思っていた小物が見つかることも。
畳の掃除は、良く晴れた日を選ぶのがコツ。できるだけほこりをたたき出した後で、弱アルカリ性洗剤を雑巾にふくませ、固く絞ってから畳の目に沿って拭きます。さらに水拭き、から拭きをしてから部屋の風通しをよくし、乾燥させてください。
家具の重みでついたへこみは、よほど頑固なものでない限り、霧吹きで水をかけ、乾燥させれば元どおりになります。
天井のほこりは、掃除機で吸い取るより、ほうきの先に古いストッキングを巻きつけ、天井を軽くなでる方法が簡単です。静電気でほこりが吸着し、きれいになります。
照明器具は、はたきをかけるだけでなく、できるだけ取り外して汚れを落とします。
ステレオやビデオデッキなどオーディオ類に水気は厳禁。コンセントからプラグを抜き、掃除機の棚用ノズルでほこりを吸い取ったり乾いた布で拭いたりします。細かい部分は綿棒で汚れを取りましょう。静電気防止のダスターやブラシなどオーディオ専用の掃除用品も市販されています。
年の瀬を迎える12月は、冬型の気圧配置になる日が多くなり、本格的な冬が始まる月です。
◇北半球中緯度の気温
冬の寒さは、同じ緯度でも世界の地域によりかなり異なります。東京とほぼ同じ緯度のある都市の、12月の平均気温(30年間の平均値)を比較してみましょう。
・東京(ユーラシア大陸の東) 8.8度
・サンタマリア(米国西海岸) 10.8度
・ノーフォーク(米国東海岸) 6.9度
・ジブラルタル(欧州南西部) 14.4度
このことから、大陸の東側に位置する都市のほうが大陸の西側に位置する都市のほうよりも気温が低いことが分かります。これは、偏西風により大気が西から東へと流れる際、大陸において冷やされた空気が風下である東側に運ばれることが原因の一つです。風上が海洋の場合は、大陸ほど空気が冷やされることはありません。つまり、日本の冬は、日本の西側にあるユーラシア大陸の影響によって、寒くなっているわけです。
◇初冬の日照時間
冬至(12月22日ごろ)とは、1年で最も昼間の時間が短くなる日です。しかし、この時期、日本国内の日照時間は地域によって大きく異なっています。日本海側の地方では雪や曇りの日が続きますが、太平洋側の地方では乾燥した晴天の日が続きます。2001年12月の日照時間を例にとると、北日本の日本海側では月の日照時間は50時間以下ですが、太平洋側では150時間以上となっており、大きな違いが現れています。
◇最近の冬
最近の冬は、温かくなったとよく言われます。1941年から1970年までの30年間と、1971年から2000年までの30年間の平均値を、札幌、東京、那覇の3地点における12月の月平均気温でみてみると、1970年以前と比べると最近の各地点における12月の平均気温は高くなっています。
札幌は1.3度、東京で1.8度、那覇では0.3度ほど平均気温は上がっています。
これは地球温暖化や都市化に伴う気温の上昇が原因と考えられます。
また、札幌と東京で初霜を観測した日の平均日も、前述と同様の原因で1970年以前と比べると、札幌で2週間程度、東京で3週間程度、初霜の観測日が遅くなっていることがわかります。
◇調査要領
本調査は、資本金一億円以上の法人企業について、設備投資の実績及び計画並びに企業経営者の景気と経営に対する判断及び見通しを調査したものである。
・調査対象:国内に本社又は主たる事務所をもって企業活動を営む資本金一億円以上の法人企業(約三万七千社)から、内閣府が定める方法により選定した四千五百六十一社を対象とした。
・調査時点:平成十四年九月二十五日
・調査方法:調査客体法人の自計申告により行った。
なお、資本金が百億円以上の法人企業については原則として全数調査、百億円未満の法人企業は、層化任意抽出法により選定した法人について調査した。
・有効回答率:調査対象法人四千五百六十一社のうち、有効回答法人四千二百二十七社、有効回答率九二・七%
〔利用上の注意〕
(1) 今期三か月の判断とは平成十四年四〜六月期と比較した場合の十四年七〜九月期の判断、来期三か月の見通しとは十四年七〜九月期と比較した場合の十四年十〜十二月期の見通し、再来期三か月の見通しとは十四年十〜十二月期と比較した場合の十五年一〜三月期の見通しである。ただし、在庫水準と生産設備については、それぞれの調査期間における判断と見通しである。
(2) 第1図、第1、2、3、4、5、6、7、8表の平成十四年七〜九月以前は今期の判断、十四年十〜十二月は来期の見通し、十五年一〜三月は再来期の見通しである。
(3) 判断指標(BSI)とは「上昇(強くなる・増加・過大)の割合−下降(弱くなる・減少・不足)の割合」である。
(4) 設備投資の公表数値は、母集団推計値である。また、算出基準は工事進捗ベース(建設仮勘定を含む有形固定資産の減価償却前増加額)である。
(5) 季節調整法は、センサス局法U、X―11を用いた。
(6) 集計上の産業分類は、日本標準産業分類を基準とする会社ベースでの主業分類に基づいて行った。
(7) 昭和六十三年三月調査より、日本電信電話(株)、第二電電(株)等七社、JR関係七社及び電源開発(株)を調査対象に加えるとともに、日本電信電話(株)、第二電電(株)等七社については六十年四〜六月期、JR関係七社については六十二年四〜六月期に遡及して集計に加えた。
(8) 平成元年六月調査より消費税を除くベースで調査した。
(9) 平成十年六月調査より以下のとおり産業分類の見直しを行い、昭和五十九年六月調査に遡及して集計を行った。
@ 「造船」を「その他の輸送用機械」に合併。
A 「印刷・出版」を「その他の製造業」に合併。
B 「卸売・小売業,飲食店」の内訳を廃止し、「卸売業」と「小売業,飲食店」に分割。
C 「運輸・通信業」の内訳を廃止し、「運輸業」と「通信業」に分割。
D 「電力業」と「ガス業」を合併し、「電力・ガス業」とする。
E 「サービス業」を「サービス業(除くリース業)」と「リース業」に分割。
F 製造業を素材型、加工型に分類。
一 景気見通し(全産業:季節調整値)
1 国内景気(第1表参照)
企業経営者による国内景気に関する判断指標(BSI:「上昇」−「下降」)をみると、平成十四年四〜六月期「マイナス一四」の後、七〜九月期は「マイナス二二」と「下降」超幅が拡大した。
先行きについては、十〜十二月期「マイナス一五」、十五年一〜三月期「マイナス一」と「下降」超幅は縮小する見通しとなっている。
産業別にみると、製造業は、十四年四〜六月期「マイナス八」の後、七〜九月期は「マイナス一九」と「下降」超幅が拡大した。先行きについては、十〜十二月期に「マイナス一三」と「下降」超幅が縮小した後、十五年一〜三月期には「〇」となる見通しとなっている。
他方、非製造業は、十四年四〜六月期「マイナス一八」の後、七〜九月期は「マイナス二三」と「下降」超幅が拡大した。先行きについては、十〜十二月期「マイナス一四」、十五年一〜三月期「マイナス一」と「下降」超幅は縮小する見通しとなっている。
2 業界景気(第2表参照)
所属業界の景気に関する判断指標(BSI:「上昇」−「下降」)をみると、平成十四年四〜六月期「マイナス二一」の後、七〜九月期も「マイナス二一」と同水準で推移した。
先行きについては、十〜十二月期「マイナス一六」、十五年一〜三月期「マイナス七」と「下降」超幅は縮小する見通しとなっている。
産業別にみると、製造業は、十四年四〜六月期「マイナス一三」の後、七〜九月期は「マイナス一七」と「下降」超幅が拡大した。先行きについては、十〜十二月期「マイナス一四」、十五年一〜三月期「マイナス三」と「下降」超幅は縮小する見通しとなっている。
他方、非製造業は、十四年四〜六月期「マイナス二四」の後、七〜九月期は「マイナス二五」と「下降」超幅が拡大した。先行きについては、十〜十二月期「マイナス一七」、十五年一〜三月期「マイナス一〇」と「下降」超幅は縮小する見通しとなっている。
二 需要・価格関連見通し(季節調整値)
1 内外需要(製造業)(第3表参照)
企業経営者による国内需要に関する判断指標(BSI:「強くなる」−「弱くなる」)をみると、平成十四年四〜六月期「マイナス一一」の後、七〜九月期は「マイナス一六」と「弱くなる」超幅が拡大した。
先行きについては、十〜十二月期「マイナス一四」、十五年一〜三月期「マイナス五」と「弱くなる」超幅は縮小する見通しとなっている。
他方、海外需要に関する判断指標(BSI:「強くなる」−「弱くなる」)をみると、十四年四〜六月期「マイナス一」の後、七〜九月期は「マイナス五」と「弱くなる」超幅が拡大した。
先行きについては、十〜十二月期に「マイナス四」となった後、十五年一〜三月期には「一」と「強くなる」超に転じる見通しとなっている。
2 在庫水準(製造業)(第4表参照)
原材料在庫水準に関する判断指標(BSI:「過大」−「不足」)をみると、平成十四年六月末「一五」の後、九月末は「一四」と「過大」超幅が縮小した。
先行きについても、十二月末「一一」、十五年三月末「八」と引き続き「過大」超幅が縮小する見通しとなっている。
他方、完成品在庫水準に関する判断指標をみると、十四年六月末「二三」の後、九月末は「二二」と「過大」超幅が縮小した。
先行きについても、十二月末「一七」、十五年三月末「一三」と引き続き「過大」超幅が縮小する見通しとなっている。
3 価格(製造業、農林漁業、鉱業)(第5表参照)
原材料価格に関する判断指標(BSI:「上昇」−「下降」)をみると、平成十四年四〜六月期「マイナス一」の後、七〜九月期は「一」と「上昇」超に転じた。
先行きについても、十〜十二月期「四」、十五年一〜三月期「一」と「上昇」超で推移する見通しとなっている。
他方、製品価格に関する判断指標(BSI:「上昇」−「下降」)をみると、十四年四〜六月期「マイナス二二」の後、七〜九月期は「マイナス一七」と「下降」超幅が縮小した。
先行きについては、十〜十二月期「マイナス一六」の後、十五年一〜三月期も「マイナス一六」と同水準で推移する見通しとなっている。
三 経営見通し(季節調整値)
1 売上高(全産業:金融・保険業、不動産業を除く)(第6表参照)
売上高に関する判断指標(BSI:「増加」−「減少」)をみると、平成十四年四〜六月期「マイナス九」の後、七〜九月期は「マイナス一三」と「減少」超幅が拡大した。
先行きについては、十〜十二月期「マイナス一一」、十五年一〜三月期「マイナス七」と「減少」超幅は縮小する見通しとなっている。
産業別にみると、製造業は、十四年四〜六月期「マイナス二」の後、七〜九月期は「マイナス一一」と「減少」超幅が拡大した。先行きについては、十〜十二月期「マイナス一〇」、十五年一〜三月期「マイナス五」と「減少」超幅は縮小する見通しとなっている。
他方、非製造業は、十四年四〜六月期「マイナス一四」の後、七〜九月期は「マイナス一三」と「減少」超幅が縮小した。先行きについても、十〜十二月期「マイナス九」、十五年一〜三月期「マイナス八」と引き続き「減少」超幅が縮小する見通しとなっている。
2 経常利益(全産業:金融・保険業、不動産業を除く)(第7表参照)
経常利益に関する判断指標(BSI:「増加」−「減少」)をみると、平成十四年四〜六月期「マイナス九」の後、七〜九月期は「マイナス一三」と「減少」超幅が拡大した。
先行きについては、十〜十二月期「マイナス一〇」、十五年一〜三月期「マイナス五」と「減少」超幅は縮小する見通しとなっている。
産業別にみると、製造業は、十四年四〜六月期「マイナス四」の後、七〜九月期は「マイナス一二」と「減少」超幅が拡大した。先行きについては、十〜十二月期も「マイナス一二」と七〜九月期と同水準で推移した後、十五年一〜三月期は「マイナス四」と「減少」超幅が縮小する見通しとなっている。
他方、非製造業は、十四年四〜六月期「マイナス一四」の後、七〜九月期は「マイナス一二」と「減少」超幅が縮小した。先行きについても、十〜十二月期「マイナス九」、十五年一〜三月期「マイナス八」と引き続き「減少」超幅が縮小する見通しとなっている。
四 生産設備見通し(製造業:季節調整値)(第8表参照)
生産設備に関する判断指標(BSI:「過大」−「不足」)をみると、平成十四年四〜六月期「三一」の後、七〜九月期は「二八」と「過大」超幅が縮小した。
先行きについては、十〜十二月期「二六」の後、十五年一〜三月期も「二六」と同水準で推移する見通しとなっている。
五 設備投資の動向(全産業:原数値)
1 半期別の動向(第9表参照)
設備投資の動向を半期別に前年同期比でみると、平成十三年度十〜三月期(実績)八・八%減の後、十四年度四〜九月期(実績見込み)は一〇・〇%減と引き続き減少した。
先行き十四年度十〜三月期(計画)は、六・三%減と引き続き減少する見通しとなっている。
産業別にみると、製造業は、十三年度十〜三月期(実績)一七・六%減の後、十四年度四〜九月期(実績見込み)は一七・三%減と引き続き減少した。先行き十四年度十〜三月期(計画)は、一一・二%減と引き続き減少する見通しとなっている。
他方、非製造業は、十三年度十〜三月期(実績)四・三%減の後、十四年度四〜九月期(実績見込み)は六・二%減と引き続き減少した。先行き十四年度十〜三月期(計画)は、四・一%減と引き続き減少する見通しとなっている。
2 資本金規模別動向(第10表参照)
資本金規模別に前年同期比でみると、資本金十億円以上の大企業は、平成十三年度十〜三月期(実績)一〇・三%減の後、十四年度四〜九月期(実績見込み)は六・九%減と引き続き減少した。先行き十四年度十〜三月期(計画)は〇・二%減と引き続き減少する見通しとなっている。
他方、資本金一億〜十億円の中堅企業は、十三年度十〜三月期(実績)六・一%減の後、十四年度四〜九月期(実績見込み)一五・七%減と引き続き減少した。先行き十四年度十〜三月期(計画)は、一六・七%減と引き続き減少する見通しとなっている。
3 年度の動向(第11表参照)
平成十四年度の全産業の設備投資額(修正計画T)は約三十七兆七千億円で、前年度に比べ八・一%減の見通しとなっている。これは当初計画(三月調査時)に比べ、〇・〇%の上方修正となっている。
産業別にみると、製造業は、約十一兆四千億円で、前年度に比べ一四・三%減の見通し(当初計画比四・一%の下方修正)となっている。
他方、非製造業は、約二十六兆三千億円で、前年度に比べ五・一%減の見通し(当初計画比一・九%の上方修正)となっている。
また、資本金規模別にみると、資本金十億円以上の大企業では、前年度に比べ三・五%減の見通しとなっている。このうち製造業は一七・二%減、非製造業は三・六%増の見通しとなっている。
他方、資本金一億〜十億円の中堅企業は、一六・二%減の見通しとなっている。このうち製造業は八・四%減、非製造業は一九・五%減の見通しとなっている。
4 四半期の動向(季節調整値)
四半期の動向を前期比でみると、四〜六月期(実績)九・〇%減の後、七〜九月期(実績見込み)は一・五%増と増加に転じた。
産業別にみると、製造業は、四〜六月期(実績)六・五%減の後、七〜九月期(実績見込み)は〇・四%減と引き続き減少した。他方、非製造業は、四〜六月期(実績)九・七%減の後、七〜九月期(実績見込み)は二・二%増と増加に転じた。
5 四半期の動向(原数値)
四半期の動向を前年同期比でみると、四〜六月期(実績)一六・四%減の後、七〜九月期(実績見込み)は三・九%減と引き続き減少した。
産業別にみると、製造業は、四〜六月期(実績)二四・五%減の後、七〜九月期(実績見込み)は一〇・〇%減と引き続き減少した。他方、非製造業は、四〜六月期(実績)一一・九%減の後、七〜九月期(実績見込み)は〇・九%減と引き続き減少した。
冬木立
斧(おの)入れて 香におどろくや 冬木立
蕪村
木が枯れていると思い、薪にでもしようと思って斧を入れたのでしょうか。そうしたら思いもかけずフレッシュな木の香りが……。寂しい冬のなかに広がる木の香りをいとおしむ作者の気持ちが伝わってきます。
冬、落葉樹の葉が落ちて枯れ木のように見える場合は、季語では、枯木立などと言います。それに対して冬木立は、もう少し広い意味で、落葉樹、常緑樹を含めた冬の木立のことを言います。
常緑樹が混ざっているといっても、夏ほど緑が深くなく葉もまばらな冬木立は、寒空に身をさらしてそそり立つさまが、凛(りん)とした風情や、もの悲しさを感じさせます。
テレビ塔 二つも近き 冬木立
滝井孝作
汽車道の 一すじ長し 冬木立
正岡子規
どちらも、冬になって周囲の木や草もまばらになり、冬木立越しに遠くの風景が眺められるので、テレビ塔が二基も意外に近くに見える情景や、汽車の線路が一筋はるかに伸びていくさまを詠んだものでしょう。自然と隔絶されたような大都会のマンションからも、冬木立のシーズンには、思いもかけぬ風情を発見するかもしれません。
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