官報資料版 平成15年4月30日




                  ▽法人企業統計季報(平成十四年十〜十二月期調査)………財 務 省

                  ▽景気予測調査(二月調査)……………………………………財 務 省

                  ▽労働力調査(一月等結果)……………………………………総 務 省











法人企業統計季報


平成十四年十〜十二月期調査


財 務 省


 法人企業統計調査は、統計法(昭和二十二年法律第一八号)に基づく指定統計第一一〇号として、我が国における金融・保険業を除く資本金一千万円以上の営利法人を対象に、企業活動の短期動向を把握することを目的として、四半期ごとの仮決算計数を調査しているものである。
 本調査結果については、国民所得統計の推計をはじめ、景気判断の基礎資料等として広く利用されている。
 この調査は標本調査であり、標本法人は層別無作為抽出法により抽出し、回収した調査票は業種別、資本金階層別に集計を行い、これを母集団に拡大して推計値を算定した。
 なお、平成十三年十〜十二月期調査から売上高、経常利益及び設備投資の三項目(業種については、全業種、製造業及び非製造業の三系列とし、資本金規模はそれぞれ全規模のみ)について、参考値として、季節調整済前期比増加率を公表している(詳細は最後尾を参照)。
 以下は、平成十五年三月五日に発表した平成十四年十〜十二月期における調査結果の概要である。
 今回の調査対象法人数等は次のとおりである。
  調査対象法人  一、二〇六、九八三社
  標本法人数      二三、六六九社
  回答法人数      一八、七四九社
  回答率          七九・二%
 当調査結果から平成十四年十〜十二月期の企業の経営動向をみると、売上高については、製造業は増収に転じ、非製造業は引き続き減収となった。経常利益については、製造業は引き続き増益となり、非製造業は減益に転じた。また、設備投資については、製造業は引き続き減少となり、非製造業は増加に転じた。

一 売上高と利益の動向第1図第2図参照

(1) 売上高第1表参照
 売上高は、三百十二兆八千三百三十一億円で、前年同期(三百二十九兆三千六百五十二億円)を十六兆五千三百二十一億円下回り、対前年同期増加率(以下「増加率」という)は△五・〇%(前期△六・九%)となった。
 業種別にみると、製造業では、食料品、出版・印刷などが減収となったものの、輸送用機械、金属製品、電気機械などの業種で増収となったことから、製造業全体では二・六%(同△二・一%)の増収となった。一方、非製造業では、不動産、運輸・通信業などで増収となったものの、卸・小売業、サービス業、建設業などの業種で減収となったことから、非製造業全体では△八・〇%(同△八・八%)の減収となった。
 資本金階層別の増加率をみると、資本金十億円以上の階層は〇・九%(同△二・三%)、資本金一億円以上十億円未満の階層は三・四%(同〇・四%)、資本金一千万円以上一億円未満の階層は△一二・五%(同△一三・六%)となった。

(2) 経常利益第2表参照
 経常利益は、九兆四百四十一億円で、前年同期(七兆三千六百八十四億円)を一兆六千七百五十七億円上回り、増加率は二二・七%(前期二〇・五%)となった。
 業種別にみると、製造業では、食料品、出版・印刷などで減収となったもの、電気機械、輸送用機械、一般機械など多くの業種で増益となったことから、製造業全体では七二・七%(同四八・八%)の増益となった。一方、非製造業では、運輸・通信業、不動産業などで増益となったものの、卸・小売業、サービス業、電気業など多くの業種で減益となったことから、非製造業全体では△一・七%(同七・五%)の減益となった。
 資本金階層別の増加率をみると、資本金十億円以上の階層は五一・四%(同二九・三%)、資本金一億円以上十億円未満の階層は三九・一%(同一八・八%)、資本金一千万円以上一億円未満の階層は△一五・四%(同三・〇%)となった。

(3) 利益率第3表参照
 売上高経常利益率は、二・九%(前年同期二・二%、前期二・四%)となった。
 業種別にみると、製造業は四・四%(前年同期二・六%、前期三・〇%)、非製造業は二・二%(前年同期二・一%、前期二・一%)となった。

二 投資の動向第3図参照

(1) 設備投資第4表参照
 設備投資額は、九兆五千九十六億円で、前年同期増加率は△一・八%(前期△一三・九%)となった。
 業種別にみると、製造業は、輸送用機械、一般機械などが増加したものの、電気機械、化学、出版・印刷など多くの業種で減少したことから、製造業全体では△一〇・八%(同△二三・一%)の減少となった。一方、非製造業では、卸・小売業、電気業などで減少したものの、サービス業、不動産業などの業種で増加したことから、非製造業全体では二・四%(同△八・八%)の増加となった。
 資本金階層別の増加率をみると、資本金十億円以上の階層は△一・三%(同△一七・〇%)、資本金一億円以上十億円未満の階層は一・三%(同△一五・六%)、資本金一千万円以上一億円未満の階層は△四・七%(同△四・一%)となった。
 なお、ソフトウェア投資額は五千五百五十五億円となり、ソフトウェア投資を含んだ設備投資額は十兆六百五十二億円で、増加率は△〇・六%となった。

(2) 在庫投資第5表参照
 在庫投資額(期末棚卸資産から期首棚卸資産を控除した額)は、五兆一千七百八十三億円(前年同期六兆五千四百億円)となった。
 業種別にみると、製造業の投資額は九千四十九億円(同六千五百二十八億円)、非製造業の投資額は四兆二千七百三十四億円(同五兆八千八百七十二億円)となった。
 また、在庫率は九・一%(同九・三%)となった。

三 資金事情第6表参照

 受取手形・売掛金は、二百二兆六千百六十五億円(増加率△一・三%)、支払手形・買掛金は百六十九兆四千四百八十三億円(同△三・一%)となった。
 短期借入金は百九十一兆八千七百三十八億円(同一・五%)、長期借入金は二百六十四兆一千三百一億円(同△四・八%)となった。
 現金・預金は百十九兆九千八百二十億円(同△三・〇%)、有価証券は十四兆四千三百二億円(同△九・二%)となった。
 また、手元流動性は一〇・七%(前年同期一〇・七%)となった。

四 自己資本比率第7表第4図参照

 自己資本比率は、二六・六%(前年同期二五・九%)となった。

<参考>

◇四半期別法人企業統計調査の季節調整方法について

一 採用した季節調整法

(1) 法人企業統計の季節調整法
 法人企業統計における季節調整では、米国商務省センサス局で開発しているX−12−ARIMA (2002)(Version0.2.9)を用いて季節調整系列を作成している。
(2) RegARIMAモデルの選択
 X−12−ARIMA中のRegARIMAモデルにおける階差次数・季節階差次数はそれぞれ一に固定し、他の次数は二以下の範囲内でAIC(赤池情報量規準)の最小化により定めている。
(3) 選択されたRegARIMAモデル
 対象項目、業種ごとに参考表のRegARIMAモデル対応表のスペックを使用している。
 変化点・異常値分析の結果、売上高と経常利益の非製造業については、平成元年一〜三月期、四〜六月期および平成九年一〜三月期を変化時点として消費税効果をモデルに取り入れている。また、曜日効果については取り入れていない。
 データ利用期間は昭和六十年四〜六月期以降、先行き予測期間は四期(一年分)としている。

二 季節調整法を採用した対象項目

(1) 対象項目は売上高、経常利益、設備投資の三項目としている。
(2) 業種については、全産業、製造業、非製造業の三系列とし、資本金規模はそれぞれ全規模のみとしている。
 全産業については、製造業と非製造業の季節調整値の合計によっている。

三 季節調整済前期比増加率の公表方法

 毎四半期ごとに、新たなデータを追加してRegARIMAモデルによる推定を行い、当該調査期の季節調整済前期比増加率を公表する。なお、過去の季節調整済前期比増加率の改訂は、毎回の季報発表時に遡及して行われる。

※  ※  ※

 なお、次回の調査は平成十五年一〜三月期について実施し、法人からの調査票の提出期限は平成十五年五月十日、結果の公表は平成十五年六月五日の予定である。





暮らしのワンポイント


ジャムの手づくり

 無添加の味わいを楽しむ

 果物の味覚を長期間楽しめるジャムやマーマレードは、家庭で簡単に手づくりすることができます。ここではイチゴジャムの作り方を紹介します。
 イチゴは、よく熟した新鮮なものを選びましょう。新鮮なものほど、ジャムの「とろみ」に欠かせないペクチンをたくさん含んでいるからです。
 ヘタをとったイチゴ(五百グラム)を水洗いし、水気を切ってから鍋(なべ)に入れて全体に砂糖をまぶします。砂糖は上白糖かグラニュー糖。イチゴの六〜八割の重さが目安です。そのまま一晩おいて果汁が染み出したら、レモン汁を大さじ一〜二杯、水をカップ一杯加え、中火にかけます。煮立つとアクが出るので、丁寧にすくいながら、全体が一度白っぽくなり、再びつややかな赤色に戻るまで煮詰めます。イチゴはつぶさず、そのままのほうが見た目に美しいジャムになります。とろみがついたら火から下ろし、熱いうちにびんに入れ、冷めたらふたをして密閉保存します。
 甘さを抑えたいときは砂糖を少し減らしますが、多少日持ちが悪くなります。長期保存したい場合は砂糖を多めに使うことがポイントです。
 イチゴを煮る鍋は、酸に強く加熱効果の高いほうろう製やステンレス製、耐熱ガラス製のものが適しています。鉄やアルミ製のものはジャムの色が悪くなるので避けましょう。保存する容器は、口が広く密閉性のあるガラスびんが最適です。
 ジャムづくりのコツは、手早く煮ること。弱火でトロトロ煮込んでいると、せっかくの果物の香りや風味が損なわれるので注意してください。
 無添加で素朴な味わいの手づくりジャム。いろいろな季節の果物で楽しんでみてください。





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景気予測調査


―平成十五年二月調査―


財 務 省


<はじめに>

 財務省では、企業経営の現状と見通しを調査し、景気の動向を的確に把握することを目的として、金融・保険業を除く資本金一千万円以上(電気業、ガス・水道業は資本金十億円以上)の営利法人約百二十万社のうち約一万二千社を対象として、四半期ごとに財務省景気予測調査を実施している。
 以下は、平成十五年二月に実施した第八十回調査結果の概要である。今回の調査では一万七百五十社を対象とし、八千六百七十社(回収率八〇・六%)から回答を得ている。
 なお、本調査における大企業とは資本金十億円以上の企業を、中堅企業とは資本金一億円以上十億円未満の企業を、中小企業とは資本金一千万円以上一億円未満の企業をいう。

◇景況第1図第1表参照

 平成十五年一〜三月期の景況判断BSI(前期比「上昇」−「下降」社数構成比・季節調整済)を全産業でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも引き続き「下降」超となっている。
 先行き十五年四〜六月期を全産業でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも引き続き「下降」超となっている。
 先行き十五年七〜九月期を全産業でみると、大企業は「上昇」超に転じる見通し、中堅企業、中小企業は引き続き「下降」超の見通しとなっている。

◇売上高第2表参照

 平成十四年度下期の売上高は、全産業合計で前年比〇・四%の減収見込みとなっている。
 これを規模別に前年比でみると、大企業、中堅企業は増収見込み、中小企業は減収見込みとなっている。
 業種別に前年比でみると、製造業では、食料品、窯業・土石製品などが減収となるものの、輸送用機械器具、一般機械器具などが増収となり、全体では〇・八%の増収見込みとなっている。
 非製造業では、卸売・小売、映画・娯楽などが増収となるものの、建設、事業所サービスなどが減収となり、全体では〇・八%の減収見込みとなっている。
 十四年度通期の売上高は、全産業合計で前年比一・一%の減収見込みとなっている。
 これを規模別に前年比でみると、大企業、中小企業は減収見込み、中堅企業は増収見込みとなっている。
 十五年度上期の売上高は、全産業合計で前年比〇・三%の増収の見通しとなっている。
 これを規模別に前年比でみると、大企業、中堅企業は増収の見通し、中小企業は減収の見通しとなっている。
 業種別にみると、製造業では、輸送用機械器具、繊維工業などが減収となるものの、食料品、化学工業などが増収となり、全体では〇・八%の増収の見通しとなっている。
 非製造業では、建設、事業所サービスなどが減収となるものの、卸売・小売、不動産などが増収となり、全体では〇・一%の増収の見通しとなっている。
 十五年度下期の売上高は、全産業合計で前年比〇・六%の増収の見通しとなっている。
 これを規模別に前年比でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも増収の見通しとなっている。
 十五年度通期の売上高は、全産業合計で前年比〇・五%の増収の見通しとなっている。
 これを規模別に前年比でみると、大企業、中堅企業では増収の見通し、中小企業では減収の見通しとなっている。

◇経常損益第3表参照

 平成十四年度下期の経常損益は、全産業合計で前年比一四・二%の増益見込みとなっている。
 これを規模別に前年比でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも増益見込みとなっている。
 業種別に前年比でみると、製造業では、食料品が減益となるものの、電気機械器具、一般機械器具などが増益となり、全体では三三・五%の増益見込みとなっている。
 非製造業では、その他のサービス、電気、ガス・水道などが減益となるものの、不動産、卸売・小売などが増益となり、全体では四・四%の増益見込みとなっている。
 十四年度通期の経常損益は、全産業合計で前年比九・〇%の増益見込みとなっている。
 これを規模別に前年比でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも増益見込みとなっている。
 十五年度上期の経常損益は、全産業合計で前年比一四・二%の増益の見通しとなっている。
 これを規模別に前年比でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも増益の見通しとなっている。
 業種別に前年比でみると、製造業では、輸送用機械器具、パルプ・紙・紙加工品などが減益となるものの、電気機械器具、食料品などが増益となり、全体では四・六%の増益の見通しとなっている。
 非製造業では、事業所サービス、その他サービスなどが減益となるものの、卸売・小売、建設などが増益となり、全体では一八・六%の増益の見通しとなっている。
 十五年度下期の経常損益は、全産業合計で前年比一一・七%の増益の見通しとなっている。
 これを規模別に前年比でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも増益の見通しとなっている。
 十五年度通期の経常損益は、全産業合計で前年比一二・八%の増益の見通しとなっている。
 これを規模別に前年比でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも増益の見通しとなっている。

◇中小企業の設備投資第4表参照

 設備投資については中小企業のみを調査対象としている。今回の調査における平成十四年度の全産業の設備投資計画額を前年比でみると、土地購入費を含む場合(以下「含む」という)で五・九%減、除く場合(以下「除く」という)で一・九%減の見込みとなっている。なお、前回調査時に比べ、「含む」で三・一%ポイントの下方修正、「除く」で二・四%ポイントの下方修正となっている。
 十五年三月末時点の設備判断BSI(期末判断「不足」−「過大」社数構成比・季節調整済)をみると、全産業は「過大」超となっている。
 先行きについては、全産業でみると「過大」超で推移する見通しとなっている。

◇中小企業の販売製(商)品在庫

 平成十五年三月末時点の在庫判断BSI(期末判断「不足」−「過大」社数構成比・季節調整済)をみると、製造業、卸売業、小売業いずれも「過大」超となっている。
 先行きについては、製造業、卸売業、小売業いずれも「過大」超で推移するものの、「過大」超幅が縮小する見通しとなっている。

◇中小企業の仕入れ価格

 平成十五年一〜三月期の仕入れ価格判断BSI(前期比「上昇」−「低下」社数構成比・季節調整済)をみると、製造業、小売業は「上昇」超、卸売業は「低下」超となっている。
 先行きについては、製造業は「上昇」超、卸売業は「低下」超で推移するものの、小売業は十五年四〜六月期に「低下」超となった後、十五年七〜九月期に「上昇」超に転じる見通しとなっている。

◇中小企業の販売価格

 平成十五年一〜三月期の販売価格判断BSI(前期比「上昇」−「低下」社数構成比・季節調整済)をみると、製造業、卸売業、小売業、サービス業いずれも「低下」超となっている。
 先行きについては、製造業、卸売業、小売業、サービス業いずれも「低下」超で推移する見通しとなっている。

◇雇用第5表参照

 平成十五年三月末時点の従業員数判断BSI(期末判断「不足気味」−「過剰気味」社数構成比・季節調整済)を全産業でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも「過剰気味」超となっている。
 先行きについては、いずれの規模においても「過剰気味」超で推移する見通しとなっている。
 十五年一〜三月期の臨時・パート数判断BSI(前期比「増加」−「減少」社数構成比・季節調整済)を全産業でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも「増加」超となっている。
 先行きについては、大企業、中堅企業は「増加」超で推移する見通し、中小企業は十五年四〜六月期に「減少」超に転じる見通しとなっている。
 十五年一〜三月期の所定外労働時間判断BSI(前期比「増加」−「減少」社数構成比・季節調整済)を全産業でみると、大企業、中小企業は「減少」超、中堅企業は「増加」超となっている。
 先行きについては、いずれの規模においても「減少」超で推移する見通しとなっている。

◇企業金融第6表参照

 平成十五年一〜三月期の金融機関の融資態度判断BSI(前期比「ゆるやか」−「きびしい」社数構成比・季節調整済)を全産業でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも「きびしい」超となっている。
 先行きについては、いずれの規模においても「きびしい」超で推移する見通しとなっている。
 十五年一〜三月期の資金繰り判断BSI(前期比「改善」−「悪化」社数構成比・季節調整済)を全産業でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも「悪化」超となっている。
 先行きについては、いずれの規模においても「悪化」超で推移する見通しとなっている。
 十五年三月末時点の金融機関からの設備資金借入判断BSI(前期比「増加」−「減少」社数構成比・季節調整済)を全産業でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも「減少」超となっている。
 先行きについては、いずれの規模においても「減少」超で推移する見通しとなっている。

◇中期的な経営課題第2図参照

 中期的な経営課題(一社二項目以内回答)を全産業でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも「国内販売体制、営業力の強化」をあげる企業が最も多く、次いで、大企業、中堅企業は「新技術、新製品の開発、製品(サービス)の高付加価値化」、中小企業は「後継者、人材の確保、育成」の順となっている。
 業種別にみると、製造業では、大企業、中堅企業、中小企業いずれも「新技術、新製品の開発、製品(サービス)の高付加価値化」が最も多く、次いで、大企業、中堅企業は「国内工場・営業所の再編、生産・流通工程の見直し等によるコストの低減」、中小企業は「国内販売体制、営業力の強化」の順となっている。非製造業では、いずれの規模においても「国内販売体制、営業力の強化」をあげる企業が多い。




言葉の履歴書


あわせ・ひとえ

 石田波郷(いしだはきょう)の句「すずかけも空もすがしき更衣」は、街路樹の若葉も青空も、替えた衣服と同様にすがすがしい初夏の感触を詠んだものです。
 俳句の季語「更衣(ころもがえ)」は、冬から着てきた綿入れの着物を、裏地を付けた綿抜きの「あわせ(袷)」に替える陰暦四月一日のこと。陽暦では五月初めに当たります。
 洋服の生活がふつうになり、冷暖房が完備した現代では、初めて袷を着る「初袷(はつあわせ)」、下着なしで肌にじかに着る「素袷(すあわせ)」といった季語のニュアンスが、理解できなくなってしまいました。「あわせ」は裏地との「合わせ」からきた言葉。裏地のない衣服の「ひとえ」(単・単衣)は「一重」の意で、夏季に着る和服の総称です。
 「かたびら」(帷子)も裏地のない衣類の総称で、袷の「片ひら」の意。主に麻、木綿などで作られました。
 「湯帷子(ゆかたびら)」は入浴後に素肌に着たもので、「浴衣」はその略語です。「袷」と違って「浴衣」には、季節感が濃厚に感じられます。




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一月の雇用・失業の動向


―労働力調査平成十五年一月等結果の概要―


総 務 省


◇就業状態別の人口

 平成十五年一月末の就業状態別人口をみると、就業者は六千二百三万人、完全失業者は三百五十七万人、非労働力人口は四千三百七十万人と、前年同月に比べそれぞれ六十四万人(一・〇%)減、十三万人(三・八%)増、七十一万人(一・七%)増となっている。

◇就業者

(1) 就業者

 就業者数は六千二百三万人と、前年同月に比べ六十四万人(一・〇%)の減少となり、二十二か月連続の減少となっている。男女別にみると、男性は三千六百八十二万人、女性は二千五百二十一万人で、前年同月と比べると、男性は三十九万人(一・〇%)減、女性は二十四万人(〇・九%)減となっている。

(2) 従業上の地位

 就業者数を従業上の地位別にみると、雇用者は五千二百八十九万人、自営業主・家族従業者は八百九十三万人となっている。前年同月と比べると、雇用者は十四万人(〇・三%)減、自営業主・家族従業者は四十五万人減となり、雇用者は十七か月連続の減少となっている。
 雇用者のうち、非農林業雇用者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○非農林業雇用者…五千二百四十九万人と、十七万人(〇・三%)減、十七か月連続の減少
 ・常 雇…四千五百二十五万人と、五十一万人(一・一%)減、十八か月連続の減少
 ・臨時雇…六百十万人と、二十五万人(四・三%)増、十三か月連続の増加
 ・日 雇…百十四万人と、九万人(八・六%)増、二か月連続の増加

(3) 産 業

 主な産業別就業者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○農林業…二百二十四万人と、同数
○建設業…六百十六万人と、二十七万人(四・六%)増加
○製造業…一千百八十五万人と、二十五万人(二・一%)減少
○運輸業…三百三十三万人と、七万人(二・一%)増加
○卸売・小売業…一千百五万人と、六十四万人(五・五%)減少
○飲食店,宿泊業…三百三十五万人と、二十万人(五・六%)減少
○医療,福祉…四百六十八万人と、六万人(一・三%)増加
○サービス業…八百四十九万人と、二万人(〇・二%)増加
 また、主な産業別雇用者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○建設業…五百四万人と、十七万人(三・五%)増加
○製造業…一千九十八万人と、二十万人(一・八%)減少
○運輸業…三百十四万人と、七万人(二・三%)増加
○卸売・小売業…九百五十二万人と、三十四万人(三・四%)減少
○飲食店,宿泊業…二百五十九万人と、五万人(一・九%)減少
○医療,福祉…四百三十四万人と、四万人(〇・九%)増加
○サービス業…六百八十七万人と、四万人(〇・六%)増加
 (注) 日本標準産業分類の改訂に伴い、平成十五年一月結果の公表以降、新産業分類で表章している。

(4) 従業者規模

 企業の従業者規模別非農林業雇用者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○一〜二十九人規模…一千七百十七万人と、三十二万人(一・八%)減、二か月連続の減少
○三十〜四百九十九人規模…一千七百六十六万人と、四万人(〇・二%)減、二か月ぶりの減少
○五百人以上規模…一千百八十七万人と、二十二万人(一・九%)増、二十一か月ぶりの増加

(5) 就業時間

 一月末一週間の就業時間階級別の従業者数(就業者から休業者を除いた者)及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○一〜三十五時間未満…一千五百三十六万人と、四十八万人(三・二%)増加
 ・うち一〜三十時間未満…一千七十万人と、二十四万人(二・三%)増加
○三十五時間以上…四千四百九十万人と、百三十八万人(三・〇%)減少
 ・うち四十九時間以上…一千七百五十四万人と、三万人(〇・二%)増加
 また、非農林業の従業者一人当たりの平均週間就業時間は四二・三時間で、前年同月と比べ〇・一時間の減少となっている。

◇完全失業者

(1) 完全失業者数

 完全失業者数は三百五十七万人と、前年同月に比べ十三万人(三・八%)増となり、三か月ぶりの増加となっている。男女別にみると、男性は二百十三万人、女性は百四十四万人で、前年同月に比べ、男性は三万人(一・四%)の増加、女性は十万人(七・五%)の増加となっている。
 また、求職理由別完全失業者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○定年等…三十八万人と、二万人増加
○勤め先都合…百二十一万人と、十一万人増加
○自己都合…百十万人と、三万人増加
○学卒未就職…十四万人と、一万人増加
○新たに収入が必要…四十二万人と、四万人増加
○その他…二十七万人と、六万人減少

(2) 完全失業率(季節調整値)

 季節調整値でみた完全失業率(労働力人口に占める完全失業者の割合)は五・五%と前月に比べ〇・二ポイントの上昇となっている。男女別にみると、男性は五・六%、女性は五・五%と、前月に比べ男性は〇・一ポイントの上昇、女性は〇・三ポイントの上昇となっている。
 男女計の完全失業率は平成十四年八月及び十月と並んで過去最高、女性の完全失業率は過去最高となっている。

(3) 完全失業率(原数値)

 完全失業率は五・四%と、前年同月に比べ〇・二ポイントの上昇となっている。男女別にみると、男性は五・五%、女性は五・四%と、男性は〇・二ポイントの上昇、女性は〇・四ポイントの上昇となっている。

(4) 年齢階級別完全失業者数及び完全失業率(原数値)

 年齢階級別完全失業者数、完全失業率及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
[男]
○十五〜二十四歳…三十五万人(四万人減)、一〇・四%(〇・九ポイント低下)
○二十五〜三十四歳…四十七万人(三万人減)、五・二%(〇・二ポイント低下)
○三十五〜四十四歳…三十一万人(四万人増)、三・九%(〇・四ポイント上昇)
○四十五〜五十四歳…三十九万人(一万人減)、四・四%(〇・一ポイント上昇)
○五十五〜六十四歳…四十九万人(三万人増)、七・一%(〇・二ポイント上昇)
 ・五十五〜五十九歳…二十一万人(三万人増)、五・二%(〇・五ポイント上昇)
 ・六十〜六十四歳…二十八万人(同数)、一〇・〇%(同率)
○六十五歳以上…十一万人(二万人増)、三・八%(〇・八ポイント上昇)
[女]
○十五〜二十四歳…二十七万人(一万人増)、八・七%(〇・七ポイント上昇)
○二十五〜三十四歳…四十四万人(一万人増)、七・二%(〇・二ポイント上昇)
○三十五〜四十四歳…二十九万人(六万人増)、五・五%(一・〇ポイント上昇)
○四十五〜五十四歳…二十三万人(二万人減)、三・六%(〇・一ポイント低下)
○五十五〜六十四歳…十七万人(三万人増)、四・一%(〇・六ポイント上昇)
 ・五十五〜五十九歳…十万人(三万人増)、三・九%(一・〇ポイント上昇)
 ・六十〜六十四歳…七万人(同数)、四・四%(〇・一ポイント上昇)
○六十五歳以上…三万人(一万人増)、一・九%(〇・七ポイント上昇)

(5) 世帯主との続き柄別完全失業者数

 世帯主の続き柄別完全失業者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○世帯主…百四万人と、六万人増加
○世帯主の配偶者…五十二万人と、四万人増加
○その他の家族…百五十六万人と、十三万人増加
○単身世帯…四十三万人と、十一万人減少

−詳細結果平成十四年十〜十二月平均の概要−

◇就業者

(1) 雇用形態別の構成

 役員を除く雇用者四千九百五十五万人のうち、正規の職員・従業員が三千四百四十五万人、パート・アルバイト、契約社員、派遣社員等の非正規の職員・従業員が一千五百十万人となっている。
 役員を除く雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合は三〇・五%となっており、これを男女別にみると、男性は一五・七%、女性は五〇・六%と、女性の割合が高くなっている。

(2) 転職者

 転職者(就業者のうち過去一年間に離職を経験した者)のうち、転職で収入が減った者は四一・一%、収入が増えた者は三一・一%となっている。
 これを年齢階級別にみると、男性では三十五歳以上の各年齢階級で収入減の割合が収入増の割合を上回っている。
 また、女性では二十五歳以上の各年齢階級で収入減の割合が収入増の割合を上回っている。

◇完全失業者

(1) 失業期間

 失業期間別に完全失業者の割合をみると、「一年以上」が三〇・八%と最も高く、次いで「三か月未満」が三〇・二%となっている。

(2) 仕事につけない理由

 完全失業者について、仕事につけない理由の割合を年齢階級別にみると、四十五歳以上の各年齢階級では「求人の年齢と自分の年齢とがあわない」が最も高い割合となっており、特に五十五歳以上では五五・三%を占めている。
 一方、四十四歳以下の各年齢階級では「希望する種類・内容の仕事がない」の割合が最も高くなっている。

◇非労働力人口

 非労働力人口四千二百五十九万人のうち、就業希望者は五百三十六万人となっており、これを非求職理由別にみると、「家事・育児のため仕事があっても続けられそうにない」の割合が二六・一%と最も高くなっている。













    <5月7日号の主な予定>

 ▽平成十四年人口移動の概要………総 務 省 

 ▽毎月勤労統計調査(一月)………厚生労働省 

 ▽消費者物価指数(三月)…………総 務 省 

 ▽家計収支(一月)…………………総 務 省 




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