官報資料版 平成15年5月28日




                  ▽平成十四年度国土交通白書のあらまし………………国土交通省

                  ▽毎月勤労統計調査(平成十四年分結果)……………厚生労働省

                  ▽労働力調査(二月)……………………………………総 務 省

                  ▽平成十四年度平均全国消費者物価指数の動向………総 務 省











平成14年度


国土交通白書のあらまし


国土交通省


 去る四月四日、「平成十四年度国土交通白書」が閣議配布、公表された。本白書は、第T部「人口の減少、少子高齢化の進展など人口構造の変化に対応した国土交通行政の展開」と、第U部「国土交通行政の動向」から構成されているが、紙幅の都合上、第T部のあらましのみを掲載する。

―はじめに―

 今日、我が国は、かつて経験したことのない大きな転換点を迎えようとしている。この数年以内に、世界の主要国に先駆けて、総人口が減少する過程に入る。人口の減少にあわせて、世界に類をみない急速なペースの高齢者人口の増大、若年者人口の減少も経験していく。
 これらの大きな変化に伴って、労働力の不足、消費・投資の減少などによる我が国の経済活力の低下が懸念されている。急速な少子高齢化の進行は、社会保障負担の増加等を通じて、国民生活にも直接的な影響を与える。
 国土交通行政を取り巻く環境も厳しさを増す。社会保障関連費用の増大などにより社会資本整備に対する財政上の制約が一層強まるものと考えられるほか、社会資本ストック自体の急速な「高齢化」も進み、これに対応するために必要な維持更新費用は新たな分野への投資余力を制約することとなる。
 このような状況の中で、国土交通行政は、単に変化に追随するのではなく、人口構造の大きな変化がもたらす未来の変化を見据えて、活力ある我が国経済社会の構築に積極的な役割を果たしていくことが求められる。国土交通行政に与えられた限りある資源の「選択と集中」を適切に行いながら、人口構造の変化の大きなうねりが本格的に押し寄せる前に、我が国の国際競争力を高めるとともに、この変化をむしろ積極的なチャンスとして真に豊かでゆとりある国民生活を実現していくことを目指し、必要な社会経済基盤の充実や交通政策の推進に取り組んでいかなければならない。
 以上のような問題意識から、本書の第T部では、「人口の減少、少子高齢化の進展など人口構造の変化に対応した国土交通行政の展開」をテーマとしてとりあげている。人口構造の変化の動向とそれが地域や社会、経済に与える影響を分析するとともに、変化に対応して国土交通行政が今後目指すべき方向性について議論している。
 また、第U部においては、国土交通行政の各分野の動向を、横断的政策課題ごとに、報告している。

第一章 人口構造の変化の動向

第一節 我が国と世界の人口の動向

[我が国の人口は数年以内に減少]
 増加しつづけてきた我が国の人口は数年以内に減少過程に入り、平成六十二年(二〇五〇年)には一億人程度にまで減少すると見込まれている(第1図参照)。

[全世界の人口の推移]
 一九五〇年におよそ二十五億人だった世界の人口は、二〇〇〇年にはおよそ六十一億人と五十年間に約二・四倍に増加し、さらに二〇五〇年までには、約九十億人に達するものと見込まれている。

第二節 少子高齢化の進展

[高齢化の進展]
 我が国の六十五歳以上の老年人口比率は一八・四%となっており、人口の高齢化は世界に例のない速さで進展している(第2図参照)。

[少子化の進展]
 我が国の十五歳未満の年少人口比率は一五%を割り込んで減少を続けており、合計特殊出生率も一・三三まで低下して世界でも最も低い水準にあるなど、少子化が進展している。

第二章 人口構造が社会経済に与える影響

第一節 地域や都市に与える影響

[人口移動の減少傾向]
 人口の移動者総数は、都道府県間・都道府県内移動ともに減少し、過去最低の水準となっている。
 三大都市圏における転出入の状況は、大幅な転入超過がみられた高度経済成長期以後落ち着いた動きを示しているが、東京圏ではほぼ一貫して転入超過が続いている。
 東京・大阪の大都市圏内では、中心部におけるマンション供給の増加などに伴って「都心回帰」の傾向がみられる。
 三大都市圏以外の地方圏においては、進学、就職等に伴う大都市部への人口移動が減少し、若年層の定着化傾向がみられる(第3図参照)。

[人口減少地域の拡大]
 人口が減少している地域は、今後拡大し、二〇二〇年頃にはほとんどすべての都道府県で人口が減少するようになるものと見込まれる(第4図参照)。
 今後の人口の動向を都市圏によってみてみると、地方ブロックの中枢都市以上の大都市圏域では人口のゆるやかな集中が続く傾向がみられる一方、その他の大部分の都市圏域ではまもなく人口減少過程に入っていくものと見込まれる(第5図参照)。

第二節 暮らしや社会に与える影響

[世帯の小規模化と高齢者世帯の増加]
 我が国の世帯総数は人口のピークを迎えた後も引き続き増加を続けるものと予想されている。世帯の規模は小規模化を続けており、平成二十五年(二〇一三年)には「単独世帯」が最も多い世帯類型になるものと見込まれている(第6図参照)。
 高齢化の進展に伴い、高齢者世帯の増加が著しく、六十五歳以上の高齢者単独又は夫婦のみの世帯数は、平成十二年(二〇〇〇年)から平成三十二年(二〇二〇年)の二十年間で約一・六倍に増加することが見込まれている。

[居住環境の動向]
 我が国の住宅は、持家を中心に床面積が拡大してきているが、賃貸住宅については持家の半分以下の水準にあり、欧米諸国に比較しても低い水準にとどまっている。
 居住水準を世代別にみてみると、三十代から四十代の家族形成期の世代で著しく低くなっており、今後、第二次ベビーブームの世代が家族形成期に入ってくることも考えると、新規の住宅需要は堅調に続くことが予想される。一方、住宅価格は地価下落等を反映して下落する傾向にあり、首都圏の住宅価格のいわゆる年収倍率も縮小している。

[通勤・通学移動の動向]
 全国における通勤・通学者数は減少しており、少子化を反映して特に通学者数の減少幅が大きくなっている。
 通勤・通学の利用交通手段をみてみると、全国では「自家用車だけ」が最も多く、さらに増加する傾向にある。

[余暇時間の増大]
 国民の余暇時間は増加を続ける一方、レジャー・余暇生活を今後の生活において重視する人が多く、社会の高齢化に伴って余暇時間やレジャーの重要性が一層高まっていくと考えられる。

[働き方の多様化]
 若年層を中心に転職割合の増加など長期雇用慣行に変化がみられるとともに、非正社員の割合が増加している。パートタイム労働者は女性を中心として増加している(第7図参照)。

第三節 経済や財政に与える影響

[労働力に与える影響]
 我が国の生産年齢人口は今後急速かつ大幅に減少し、それによる労働力の減少も避けられない見込みである。人口減少による影響を緩和するためにも、女性や高齢者の就業を促進するための環境整備を行っていくことが不可欠である。
 特に、女性の労働力率は二十代後半から三十代が極端に低いM字型となっており、就業と出産や育児が両立できるような環境整備が必要である(第8図参照)。

[貯蓄や投資に与える影響]
 我が国の貯蓄率は近年徐々に低下する傾向にある。また、世帯主六十五歳以上の高齢者世帯の貯蓄率はかなり低いとみられることから、高齢者の増加は長期的には貯蓄率の低下要因になるものと考えられる。
 さらに、今後の生活の仕方として将来に備えるよりも現在の生活に重点を置く傾向も強くなってきていること等から、貯蓄率の低下が一層進む可能性も高い。
 一方、高齢者が保有する大きな資産ストックの有効活用も課題である。
 家計貯蓄率の低下は、企業の借入れによる設備投資の低下要因となることから、より収益性の高い設備投資が求められることとなる。

[経済成長に与える影響]
 我が国経済は、全要素生産性(TFP)や労働投入量の寄与度が低下し、近年おおむね年一〜二%程度の成長にとどまっている。今後も長期的には労働力の減少が大きくなることにより、経済成長への制約が強まることも予想される。ITなどの技術革新や社会資本整備、規制緩和等を通じて経済社会の効率性や国際競争力を高めていく必要がある(第9図参照)。

[国民ひとりひとりの豊かさの実現]
 人口減少社会においては、仮に国全体の経済成長がマイナスであっても、国民一人当たりの所得、資産、空間を増加させることが可能である。人口減少を積極的に活かしつつ、国民ひとりひとりにとってより豊かな社会を実現するための基盤整備や経済社会システムの効率化に今から取り組む必要がある。

[財政や社会保障への影響]
 我が国の財政状況は、景気対策や社会保障関係費の増大による歳出の増加、景気の低迷や減税の実施による税収の減少等を背景として、一九九〇年代以降急速に悪化している。今後も厳しい財政状況は続くものと考えられる。
 また、老年従属人口指数は二〇五〇年には六七%に達すると予測されており、働き手三人で二人を扶養する計算になる。今後の労働力人口の減少や経済成長の鈍化、高齢者の増加による負担増等に伴い、現行制度の下では国民負担率の上昇が避けられない見込みである(第10図参照)。

第四節 社会資本整備、公共交通への影響

[社会資本需要に対する影響]
 人口構造の変化は社会資本に対する需要を変化させる大きな要因であるが、内外の経済動向やライフスタイルの変化等による影響も大きく、例えば、交通関係社会資本の利用は人口やGDPの伸びを超えて増加してきている(第11図参照)。
 一方、今後も人口が減少していく中で、自動車交通量も長期的には減少に転じるものと予測されており、港湾取扱貨物量や航空輸送量も伸びが低下するものと予測されている。

[社会資本投資における財政制約]
 社会資本投資のGDPに対する比率は、厳しい財政事情を反映して低下してきている。また、国の歳出に占める公共事業関係費の割合も低下を続けており、引き続き厳しい財政制約を受けることが予想される(第12図参照)。

[維持更新投資の増加]
 高度成長期に整備された大量の社会資本ストックが更新時期を迎えること等から、維持更新投資は急激に増加するものと見込まれ、将来の新規投資は増大する維持更新投資によって大きな制約を受けるものと考えられる(第13図参照)。

[公共交通需要の変化]
 公共交通分野では、急激な高齢化の進展に伴う高齢者の利用機会の増加と、就業者や学生等の減少による全国的な利用者の減少が予想される。女性や高齢者の外出機会の増大等に伴う新たな輸送需要の喚起も考えられる。

[通勤通学環境の変化]
 混雑の激しい都市部においては、朝夕等の混雑緩和によるゆとりある通勤通学の実現が期待される一方で、高齢者の増加等により都市内における移動手段の使いやすさがこれまで以上に求められる。

[生活交通への影響]
 公共交通利用者が減少している地域においては、鉄道やバス路線を廃止する動きも増加するなど、公共交通の維持はこれまで以上に難しくなるが、地域社会を維持していく上でも、生活交通を確保していく必要がある。

第三章 人口構造の変化に対応した国土交通行政のあり方

第一節 変化に対応した重点的・効率的な社会資本整備、交通政策の展開

 少子高齢化が進展しつつ人口が減少する局面の中で、我が国の活力低下が懸念される一方、社会資本整備に対する財政制約が一層強まるものと考えられ、今後は、「選択と集中」を大胆に行いつつ、効率的な社会資本整備を進めていくことが必要である。

[我が国の活力・競争力向上など政策的意義の高い事業への重点化]
 高速交通体系の整備や、魅力ある都市への再生など経済の生産性を高め、国際競争力の強化に資する分野への重点的な投資が必要である。また、少子高齢化に伴う災害弱者の増加に対応した国民の安全・安心の確保のための基盤整備も重要である(第14図参照)。

[事業評価の厳格な実施と時間管理概念の徹底]
 社会経済の将来の変動を踏まえつつ厳格で精緻な事業評価を実施するとともに、国民から必要とされる社会資本の整備が適切な時期に実施されるよう時間管理概念の徹底を図る。

[地域の実情に応じた効率的な社会資本の供給と既存ストックの有効活用]
 地域特性に対応した柔軟な規格・基準を設定することにより、地域の実情に応じて、コスト縮減を図りつつ、効率的な社会資本整備を行えるようにするとともに、広域的な観点からの効率的な社会資本整備や行政と民間主体との連携による取組みを進める。また、既存の社会資本ストックをできるだけ長期間、有効に活用していくこととし、維持管理の高度化によるストックの延命化や維持管理コストの低減を図る。

[競争と連携を重視した交通政策の展開]
 人口構造が変化し、量から質への転換が一層求められる中で、事業者間の活発な競争や幅広い連携等を通じて、高齢社会に対応したサービス展開を含め、より快適で利用しやすい輸送サービスの実現を図るとともに、経営環境の変化に対応した公共交通サービスの確保を図る。

第二節 高齢者や女性などの社会参加の促進

[すべての人のくらしを快適にするバリアフリー化の推進]
 高齢者を含めたすべての人の移動の円滑化を図るため、鉄道駅へのエレベーター等の設置、ノンステップバスやLRT(低床式路面電車)車両の導入等交通バリアフリーを推進する。
 また、生活の基本となる住宅や多くの人が利用する建築物におけるバリアフリー化、建築物と動く通路等の一体的整備、官庁施設、都市公園等のバリアフリー化等居住・生活環境のバリアフリー化を推進する。

[子育てバリアフリー環境の整備]
 子育てを支援し、女性が社会参加しやすい環境整備に資するため、家族の形成にあわせたゆとりある住宅取得等を促進するとともに、妊産婦、乳幼児連れの利用者等すべての人が使いやすい公共交通機関や建築物等のバリアフリー化やトイレの整備等を推進する。また、育児施設の充実等を図るため、住宅や鉄道駅等への育児施設等の併設を促進する。

[高齢者が安心して暮らせる生活環境の整備]
 市場環境の整備や福祉施策との連携などにより高齢者が安心して暮らせる居住環境を確保するとともに、福祉や介護を支えるモビリティーの確保を図る。

[ゆとりある暮らしを実現する新たな輸送サービスの提供]
 公共交通機関の乗車券等へのICカードの導入により、複数の交通機関の連携によるサービス向上、柔軟で多様な運賃割引の設定等様々な可能性が広がっており、その普及を促進する。
 このほか、タクシー運転手による生活支援を行う「生活支援輸送サービス実証実験」や女性専用車両の路線拡大モデル調査を実施するなど、新しい輸送サービスの創出や普及に向けて支援している。

[国土交通関連産業における高齢者や女性の積極的な参加と活力の維持]
 少子高齢化の進展により労働力不足が懸念される中で、国土交通分野の産業においても高齢者や女性の労働力を一層活用することが不可欠である。このため、高齢者や女性が働きやすい環境の整備を図ることにより、積極的な就業を促進していくことが必要である。
 また、人口減少や高齢化が進む中で我が国が活力を維持するためには、経済や産業を活性化し、国際競争力を高めることが重要である。このため、我が国の活力、国際競争力を高める分野への社会資本投資の重点化、交通事業の規制緩和やIT革命の推進、物流の効率化等を通じた事業者の競争力強化が必要である。

第三節 地域・都市の活力の維持・活性化

[交流人口の拡大]
 人口の減少によりもたらされる経済社会の活力の減少を補い、需要の拡大等を通じて経済や地域・社会を活性化させる第二の人口としての「交流人口」の拡大を図っていくことは、これからの人口減少社会において重要な課題である。
 交流人口を拡大するためには、個性ある地域の形成と交流活動を支える交通ネットワークの構築が重要である。このため、魅力ある観光交流空間づくり等の基盤整備や個性的な観光まちづくり、市町村の連携による地域間交流等を促進するとともに交通網の整備を推進する。
 国際観光旅行は世界的にみると順調に増加しているが、我が国を訪れる外国人数は国際的には低水準で、日本人の海外旅行者数の三分の一から四分の一にすぎず、国際観光収支も大きなマイナスが続いている。国際観光交流の不均衡を解消し、地域社会の活性化と国際相互理解を図るためにも、訪日外国人観光客の増加が必要である(第15図第16図参照)。
 外国人観光客を増加させることは、国際相互理解の促進のほか、国内の人口動向に影響されない新規需要の創出、拡大という経済面の効果がある。官民の関係主体が連携しながら外国人の訪日旅行を促進するための国家戦略である「グローバル観光戦略」に基づき、世界に開かれた観光大国を目指したさまざまな施策を推進する。

[都市空間の再編と有効活用]
 人口集中地区(DID)の人口及び面積の増加率は縮小しており、都市への人口の集中と、都市地域の拡大は沈静化しつつある。今後、都市地域の人口の減少も予測される中で、ゆとりある居住空間の実現や緑豊かなオープンスペースの確保を図るとともに、美しい景観の形成に取り組む。

[地域や都市の生活を支える交通の確保]
 生活交通を確保するため、地方バス路線、離島航路、離島航空路等に対し支援や基盤の整備等を行うほか、地域協議会等において路線の維持方策や廃止対策等について協議する仕組みを設けている。また、過疎地域等の公共交通空白地域において、住民輸送の実証実験など新たな輸送形態を模索する取組みも推進する。
 都市部における今後の公共交通機関整備の方向としては、高齢者でもゆとりをもって安全、快適に利用できるようなバリアフリーを含めた利便性向上対策がより重要である。都市郊外部など急速に高齢化が進む地域等においては、コミュニティバスやデマンドバス等の導入の動きを支援している。
 また、子供連れの女性や高齢者を含め、誰もが出かけやすいにぎわいのある街づくりを進めていくことも重要である。




目次へ戻る


賃金、労働時間、雇用の動き


毎月勤労統計調査平成十四年分結果


厚生労働省


 「毎月勤労統計調査」平成十四年分結果の主な特徴点は次のとおりである。

◇賃金の動き

 平成十四年の調査産業計の常用労働者一人平均月間現金給与総額は三十四万三千四百八十円、前年比二・四%減となった。現金給与総額のうち、きまって支給する給与は二十七万八千九百三十三円、前年比一・一%減となった。これを所定内給与と所定外給与とに分けてみると、所定内給与は二十六万千四十六円、前年比一・二%減、所定外給与は一万七千八百八十七円、前年比は〇・九%減となった。
 また、特別に支払われた給与は六万四千五百四十七円、前年比は七・三%減となった。
 実質賃金は、一・三%減となった。
 きまって支給する給与の動きを産業別に前年比によってみると、伸びの高い順に電気・ガス・熱供給・水道業〇・五%増、製造業〇・二%減、金融・保険業〇・四%減、サービス業一・一%減、不動産業一・四%減、運輸・通信業一・六%減、建設業一・九%減、卸売・小売業,飲食店二・二%減、鉱業六・五%減となった。

◇労働時間の動き

 平成十四年の調査産業計の常用労働者一人平均月間総実労働時間は百五十二・一時間、前年比は〇・八%減となった。
 総実労働時間のうち、所定内労働時間は百四十二・六時間、前年比一・〇%減、所定外労働時間は九・五時間、前年比〇・一%増となった。
 製造業の所定外労働時間は十三・五時間、前年比四・〇%増となった。
 なお、年間の総実労働時間は、千八百二十五時間となった。

◇雇用の動き

 平成十四年の調査産業計の雇用の動きを前年比によってみると、常用労働者全体で〇・六%減、常用労働者のうち一般労働者では一・八%減、パートタイム労働者では四・二%増となった。
 常用労働者全体の雇用の動きを産業別に前年比によってみると、前年を上回ったものはサービス業二・三%増、不動産業〇・二%増となった。前年を下回ったものは運輸・通信業〇・一%減、建設業〇・四%減、卸売・小売業,飲食店〇・六%減、電気・ガス・熱供給・水道業〇・七%減、金融・保険業二・四%減、製造業四・三%減、鉱業八・九%減となった。
 主な産業の雇用の動きを一般労働者・パートタイム労働者別に前年比によってみると、製造業では一般労働者四・五%減、パートタイム労働者二・八%減、卸売・小売業,飲食店では一般労働者五・三%減、パートタイム労働者六・五%増、サービス業では一般労働者一・六%増、パートタイム労働者五・二%増となった。








暮らしのワンポイント


アウトドア・クッキング

河原の石でかまど作り

 緑鮮やかなこの季節、おいしい空気と一緒に食べる料理の味は格別です。近くの河原やキャンプ場でアウトドア・クッキングを楽しんでみてはいかがですか?
 できれば、調理器具も現地調達で。まず、かまど作りに挑戦してみてはどうでしょう。かまどの材料には、岩や木などを利用します。河原なら周囲の石を集めてかまどが組めます(注)。
 ここで大切なのは風向き。この判断を誤ると、火が起きにくかったり、煙くて調理しづらくなったりするので要注意です。かまどのたき口は風上に向け、風を背に受けながら調理できるようにします。火床には太い木や石を敷き、すき間に小石をつめておくと、熱が逃げずに効率的に煮炊きができます。
 たき火には、拾った薪(たきぎ)や流木を利用します。そのままでは太くて燃えにくいので、ナタなどで小さくし、わりばし程度から二の腕くらいの太さまで三種類ほどの薪を用意し、火力の調節に使い分けます。
 着火するには、丸めた新聞紙の上に細い薪を並べて火をつけます。火の様子を見ながら少しずつ太い木をくべてゆき、火が完全に回るのを待ちます。
 かまどに網をかけ、定番のバーベキューをするのもいいですが、魚や肉を串に刺して直火であぶったり、ホイルに包んで蒸し焼きにするのも野趣があって楽しいもの。もちろん、かまどの上に直接鍋(なべ)やフライパンを置いて、煮込みや炒(いた)め物もできます。
 楽しく食事をした後は、きちんと後始末をするのがマナー。ゴミはすべて持ち帰ります。かまどは崩し、使った石をきれいに散らします。燃え跡には水をかけて完全に消火し、燃えカスもゴミ袋に入れて必ず持ち帰りましょう。
(注)キャンプ場や河原では、たき火やかまど作りが禁止されていることもあります。禁止区域でないことを必ず確認してください。




目次へ戻る


二月の雇用・失業の動向


―労働力調査平成十五年二月結果の概要―


総 務 省


◇就業状態別の人口

 平成十五年二月末の就業状態別人口をみると、就業者は六千百九十三万人、完全失業者は三百四十九万人、非労働力人口は四千三百八十三万人と、前年同月に比べそれぞれ五十五万人(〇・九%)減、七万人(二・〇%)減、八十六万人(二・〇%)増となっている。

◇就業者

(1) 就業者

 就業者数は六千百九十三万人と、前年同月に比べ五十五万人(〇・九%)の減少となり、二十三か月連続の減少となっている。男女別にみると、男性は三千六百七十四万人、女性は二千五百十八万人で、前年同月と比べると、男性は三十五万人(〇・九%)減、女性は二十一万人(〇・八%)減となっている。

(2) 従業上の地位

 就業者数を従業上の地位別にみると、雇用者は五千二百六十二万人、自営業主・家族従業者は九百三万人となっている。前年同月と比べると、雇用者は十万人(〇・二%)減、自営業主・家族従業者は四十六万人減となり、雇用者は十八か月連続の減少となっている。
 雇用者のうち、非農林業雇用者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○非農林業雇用者…五千二百二十五万人と、十一万人(〇・二%)減、十八か月連続の減少
 ・常 雇…四千五百十六万人と、三十三万人(〇・七%)減、十九か月連続の減少
 ・臨時雇…六百二万人と、二十六万人(四・五%)増、十四か月連続の増加
 ・日 雇…百六万人と、六万人(五・四%)減、三か月ぶりの減少

(3) 産 業

 主な産業別就業者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○農林業…二百二十万人と、七万人(三・一%)減少
○建設業…六百二十四万人と、十三万人(二・一%)増加
○製造業…一千百八十七万人と、十四万人(一・二%)減少
○運輸業…三百四十一万人と、二十万人(六・二%)増加
○卸売・小売業…一千百万人と、十一万人(一・〇%)減少
○飲食店,宿泊業…三百四十三万人と、十六万人(四・五%)減少
○医療,福祉…四百八十八万人と、十七万人(三・六%)増加
○サービス業…八百十六万人と、三十二万人(三・八%)減少
 また、主な産業別雇用者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○建設業…五百十万人と、七万人(一・四%)増加
○製造業…一千九十三万人と、十七万人(一・五%)減少
○運輸業…三百二十二万人と、二十万人(六・六%)増加
○卸売・小売業…九百四十六万人と、八万人(〇・九%)増加
○飲食店,宿泊業…二百五十七万人と、五万人(一・九%)減少
○医療,福祉…四百五十三万人と、十四万人(三・二%)増加
○サービス業…六百六十四万人と、二十万人(二・九%)減少
 (注) 日本標準産業分類の改訂に伴い、平成十五年一月結果の公表以降、新産業分類で表章している。

(4) 従業者規模

 企業の従業者規模別非農林業雇用者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○一〜二十九人規模…一千七百十九万人と、十二万人(〇・七%)減、三か月連続の減少
○三十〜四百九十九人規模…一千七百四十五万人と、二十一万人(一・二%)減、二か月連続の減少
○五百人以上規模…一千二百万人と、三十七万人(三・二%)増、二か月連続の増加

(5) 就業時間

 二月末一週間の就業時間階級別の従業者数(就業者から休業者を除いた者)及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○一〜三十五時間未満…一千四百十二万人と、九万人(〇・六%)増加
 ・うち一〜三十時間未満…一千二十万人と、十一万人(一・一%)増加
○三十五時間以上…四千六百十七万人と、七十七万人(一・六%)減少
 ・うち四十九時間以上…一千八百五十四万人と、同数
 また、非農林業の従業者一人当たりの平均週間就業時間は四三・〇時間で、前年同月と同じとなっている。

◇完全失業者

(1) 完全失業者数

 完全失業者数は三百四十九万人と、前年同月に比べ七万人(二・〇%)減となり、二か月ぶりの減少となっている。男女別にみると、男性は二百十四万人、女性は百三十五万人で、前年同月に比べ、男性は一万人(〇・五%)の増加、女性は八万人(五・六%)の減少となっている。
 また、求職理由別完全失業者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○定年等…三十七万人と、四万人増加
○勤め先都合…百十六万人と、一万人増加
○自己都合…百五万人と、八万人減少
○学卒未就職…十四万人と、二万人減少
○新たに収入が必要…四十六万人と、三万人増加
○その他…二十九万人と、三万人減少

(2) 完全失業率(季節調整値)

 季節調整値でみた完全失業率(労働力人口に占める完全失業者の割合)は五・二%と前月に比べ〇・三ポイントの低下となっている。男女別にみると、男性は五・五%、女性は四・九%と、前月に比べ男性は〇・一ポイントの低下、女性は〇・六ポイントの低下となっている。

(3) 完全失業率(原数値)

 完全失業率は五・三%と、前年同月に比べ〇・一ポイントの低下となっている。男女別にみると、男性は五・五%、女性は五・一%と、男性は〇・一ポイントの上昇、女性は〇・二ポイントの低下となっている。

(4) 年齢階級別完全失業者数及び完全失業率(原数値)

 年齢階級別完全失業者数、完全失業率及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
 [男]
○十五〜二十四歳…三十七万人(六万人減)、一一・〇%(一・五ポイント低下)
○二十五〜三十四歳…五十一万人(三万人減)、五・六%(〇・三ポイント低下)
○三十五〜四十四歳…二十九万人(四万人増)、三・七%(〇・五ポイント上昇)
○四十五〜五十四歳…三十六万人(四万人減)、四・一%(〇・二ポイント低下)
○五十五〜六十四歳…四十九万人(五万人増)、七・二%(〇・六ポイント上昇)
 ・五十五〜五十九歳…二十二万人(四万人増)、五・四%(〇・八ポイント上昇)
 ・六十〜六十四歳…二十七万人(一万人増)、九・八%(〇・四ポイント上昇)
○六十五歳以上…十一万人(四万人増)、三・八%(一・四ポイント上昇)
 [女]
○十五〜二十四歳…二十八万人(同数)、九・二%(〇・三ポイント上昇)
○二十五〜三十四歳…四十一万人(四万人減)、六・七%(〇・六ポイント低下)
○三十五〜四十四歳…二十五万人(同数)、四・八%(〇・一ポイント低下)
○四十五〜五十四歳…二十一万人(五万人減)、三・三%(〇・六ポイント低下)
○五十五〜六十四歳…十八万人(一万人増)、四・三%(〇・一ポイント上昇)
 ・五十五〜五十九歳…十万人(一万人増)、三・八%(〇・一ポイント上昇)
 ・六十〜六十四歳…七万人(一万人減)、四・四%(〇・五ポイント低下)
○六十五歳以上…二万人(同数)、一・二%(同率)

(5) 世帯主との続き柄別完全失業者数

 世帯主の続き柄別完全失業者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○世帯主…九十六万人と、二万人減少
○世帯主の配偶者…五十一万人と、一万人増加
○その他の家族…百五十五万人と、六万人増加
○単身世帯…四十七万人と、十一万人減少












目次へ戻る


平成14年度平均


全国消費者物価指数の動向


―総合指数は前年度比〇・六%の下落―


総 務 省


一 概 況

(1) 総合指数は平成十二年を一〇〇として九八・三となり、前年度比は〇・六%の下落となった。
 なお、総合指数は、平成十一年度以降四年連続して下落している。
(2) 生鮮食品を除く総合指数は九八・二となり、前年度比は〇・八%の下落となった。
 なお、生鮮食品を除く総合指数は、平成十年度以降五年連続して下落している。

二 十大費目指数の動向

 総合指数の前年度比が〇・六%の下落となった内訳を寄与度でみると、教養娯楽、光熱・水道、家具・家事用品、被服及び履物、住居などの下落が要因となっている。

 [主な内訳]
教養娯楽
 教養娯楽用耐久財(一三・七%下落)…パソコン(ノート型)など
光熱・水道
 電気代(三・七%下落)
家具・家事用品
 家庭用耐久財(七・八%下落)…電気冷蔵庫など
被服及び履物
 衣料(三・〇%下落)…婦人コートなど
住居
 設備修繕・維持(〇・九%下落)…浴槽など















    <6月4日号の主な予定>

 ▽平成十五年地価公示のあらまし………国土交通省 

 ▽毎月勤労統計調査(二月)……………厚生労働省 




目次へ戻る