官報資料版 平成15年7月9日




                  ▽家計調査(貯蓄・負債編)の概況
                  ―平成十四年平均速報の結果―…………………………………総 務 省

                  ▽家計調査報告(総世帯・単身世帯)
                  ―平成十五年一〜三月期平均及び十四年度平均速報―………総 務 省

                  ▽消費者物価指数の動向(五月)………………………………総 務 省

                  ▽家計収支(三月)………………………………………………総 務 省











家計調査(貯蓄・負債編)の概況


―平成十四年平均速報の結果―


総 務 省


 総務省統計局では、五月九日に家計調査(二人以上の世帯―貯蓄・負債編)の平成十四年平均速報の結果を公表した。その概要は以下のとおりである。
 なお、これまで世帯の貯蓄・負債に関して調査していた貯蓄動向調査は、平成十二年調査をもって廃止となり、同事項に関しては、平成十四年一月から家計調査の中で調査することとなった。

一 貯蓄の状況

○全世帯の貯蓄現在高は一千六百八十八万円
 平成十四年平均における全世帯の一世帯当たり貯蓄現在高は一千六百八十八万円となっている。
 年間収入は六百八十三万円で、貯蓄年収比(貯蓄現在高の年間収入に対する比)は、二四七・一%となっており、貯蓄現在高は年間収入の二・五倍となっている。
 一方、勤労者世帯では、一世帯当たり貯蓄現在高は一千二百八十万円となっており、全世帯を四百八万円下回っている。年間収入は七百四十八万円で、貯蓄年収比は一七一・一%となっている。

○約三分の二の世帯が平均貯蓄現在高未満
 全世帯について貯蓄現在高階級別(標準級間隔二百万円)の世帯分布をみると、貯蓄現在高が二百万円未満の世帯が一三・〇%と最も多く、約三分の二(六八・〇%)の世帯が平均値一千六百八十八万円を下回り、世帯分布は貯蓄現在高の低い方に偏った分布となっている。なお、世帯全体を二分する貯蓄現在高の中位数は一千二十二万円となっている。
 また、勤労者世帯では二百万円未満の世帯が一五・四%と最も多く、六七・五%の世帯が平均値一千二百八十万円を下回っている(第1図参照)。

○定期性預貯金の占める割合が高い
 全世帯について一世帯当たり貯蓄現在高を貯蓄の種類別にみると、定期性預貯金が七百九十四万円(貯蓄現在高に占める割合四七・〇%)と最も多く、次いで生命保険など四百四十七万円(同二六・五%)、通貨性預貯金二百四十万円(同一四・二%)、有価証券百六十八万円(同一〇・〇%)、金融機関外三十九万円(同二・三%)となっている。
 一方、勤労者世帯をみると、定期性預貯金が五百六十万円(同四三・八%)と、全世帯と同様に最も多く、次いで生命保険など三百八十七万円(同三〇・二%)、通貨性預貯金百八十一万円(同一四・一%)、有価証券九十六万円(同七・五%)、金融機関外五十六万円(同四・四%)となっており、全世帯と同様の順になっている(第2図参照)。

二 負債の状況

○全世帯の負債現在高は五百三十七万円
 平成十四年平均における全世帯の一世帯当たり負債現在高は五百三十七万円となっている。負債の種類別にみると、住宅・土地のための負債が四百七十一万円(負債現在高に占める割合八七・七%)と最も多い。
 一方、勤労者世帯の一世帯当たり負債現在高は六百七万円となっており、全世帯を七十万円上回っている。負債の種類別にみると、全世帯と同様に住宅・土地のための負債が最も多く五百六十二万円(同九二・六%)となっている(第3図参照)。
 負債年収比(負債現在高の年間収入に対する比)をみると、全世帯では七八・六%、勤労者世帯では八一・一%となっている。

三 世帯属性別の状況

○貯蓄現在高の年間収入階級間格差は三・四倍
 勤労者世帯について年間収入五分位階級別に貯蓄現在高をみると、年間収入が高くなるに従って貯蓄現在高も多くなっており、年間収入が最も低い第T階級が六百三十一万円、年間収入が最も高い第X階級が二千百七十万円となっている。また、貯蓄現在高の年間収入階級間格差(第T階級に対する第X階級の貯蓄現在高の比)は三・四倍となっている(第4図参照)。
 貯蓄の種類別割合をみると、通貨性預貯金の割合は第T階級で一六・三%と最も高く、第V階級では一三・〇%と最も低くなっている。定期性預貯金の割合は第T階級から第W階級までは年間収入が高くなるに従って低くなっており、第T階級で四七・七%、第W階級では四一・四%となっている。第X階級では四四・八%と平均の四三・八%をわずかに上回っている。有価証券の割合は年間収入の高い階級ほどおおむね高く、第T階級で四・三%、第X階級では九・六%となっている。
 一方、年間収入五分位階級別に負債現在高をみると、年間収入が高くなるに従って負債現在高も多くなっている。年間収入が最も低い第T階級が二百四十六万円、年間収入が最も高い第X階級が八百九十三万円となっており、負債現在高の年間収入階級間格差(X/T)は三・六倍となっている(第4図参照)。

○年齢階級が高くなるほど多くなる貯蓄現在高
 勤労者世帯について世帯主の年齢階級別に貯蓄現在高をみると、年齢階級が高くなるに従って貯蓄現在高も多くなっており、三十歳未満の世帯が三百六十八万円となっているのに対し、六十歳以上の世帯は二千三百三十二万円と格差は六・三倍となっている。
 負債現在高は四十歳代まで年齢階級が高くなるに従って多くなるが、四十歳代をピークに少なくなっている。
 なお、三十歳代では負債現在高が七百二十七万円と貯蓄現在高の七百十九万円を上回っており、八万円の負債超過となっているが、他の年齢階級においては貯蓄超過となっている(第5図参照)。

四 貯蓄・負債現在高階級別の収支

○貯蓄現在高が多くなるほど多くなる消費支出
 全世帯について貯蓄現在高階級別に消費支出をみると、貯蓄現在高が多くなるに従って消費支出も多くなっている。費目別割合をみると、食料、光熱・水道の割合は貯蓄現在高が多くなるに従っておおむね低くなるが、教養娯楽、「その他の消費支出」は貯蓄現在高が多くなるに従っておおむね高くなっている(第6図参照)。

○平均消費性向は貯蓄現在高による大きな差はみられない
 勤労者世帯について貯蓄現在高階級別に収支をみると、消費支出は貯蓄現在高が多くなるに従って多くなっており、可処分所得も貯蓄現在高が多くなるに従って多くなっている。平均消費性向は貯蓄現在高による大きな差はみられない。
 さらに、年間収入階級、貯蓄現在高階級別に平均消費性向をみると、年間収入六百万円未満では貯蓄現在高二千万〜三千万円の階級で平均消費性向が一〇〇%を超えており、貯蓄を取り崩して生活しているということがうかがえる。また、貯蓄現在高三千万円以上の階級でも九八・七%と高くなっている。一方、年間収入六百万円以上の各階級では平均消費性向は六〇〜八〇%程度となっており、貯蓄現在高による差はみられない(第7図参照)。

○負債現在高が多くなるほど多くなる可処分所得と住宅ローン返済額
 負債を保有している勤労者世帯について負債現在高階級別に収支をみると、可処分所得は負債現在高が多くなるに従って多くなるが、消費支出は負債現在高階級による差はみられない。その結果、平均消費性向は負債現在高が多くなるに従って低くなっている。一方、住宅ローン返済額をみると、負債現在高が多くなるに従って多くなっており、消費支出は抑えているが、収入が多い分住宅ローン返済に回っていることがうかがえる(第8図参照)。

五 地方別の状況

○東海地方の貯蓄現在高は一千五百八十一万円で最も多い
 勤労者世帯について、地方別に貯蓄現在高をみると、東海地方が一千五百八十一万円と最も多く、以下、近畿地方が一千三百八十五万円、関東地方が一千三百五十七万円と続いている。一方、最も少ないのは沖縄地方の四百六十二万円で、格差(東海地方/沖縄地方)は三・四倍となっている(第9図参照)。



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家計調査報告(総世帯・単身世帯)


―平成十五年一〜三月期平均及び十四年度平均速報―


総 務 省


〔平成十五年一〜三月期平均〕

T 総世帯

一 全世帯の家計

 全世帯の一人当たりの一か月平均消費支出は、一人当たり十万二百十六円となり、前年同期に比べ、名目一・三%の減少、実質一・〇%の減少となった。
 前年同期比でみると、平成十三年十〜十二月期以来、五期ぶりの実質減少となった。
 実質減少の要因は、食料(一・七%減)、住居(二・四%減)などである。

二 勤労者世帯の家計

 前年同期比でみると、勤労者世帯の一人当たりの一か月平均実収入は、四期連続の実質減少となった。
 また、消費支出は、二期連続の実質減少となった。

三 勤労者世帯以外の世帯の家計

 勤労者以外の世帯の一人当たりの一か月平均消費支出は、九万八千三十三円となり、前年同期に比べ、名目〇・一%の減少、実質〇・二%の増加となった。

四 財・サービス区分別の支出

 財(商品)全体では、実質一・一%の減少となった。
 サービスは、実質〇・三%の増加となった。

U 単身世帯

 全世帯の一か月平均消費支出は、十七万七百三十九円となり、前年同期に比べ、名目一・三%の減少、実質一・〇%の減少となった。
 前年同期比でみると、平成十四年七〜九月期以来、三期ぶりの実質減少となった。
 実質減少の要因は、交通・通信(一〇・八%減)、食料(二・六%減)などである。

〔平成十四年度平均〕

T 総世帯

一 全世帯の家計

 全世帯の消費支出は、一人当たり十万二千五百九十円となり、前年度に比べ、名目〇・一%の増加、 実質〇・八%の増加となった。
 前年度比でみると、平成十三年度には、実質減少となったものの、十四年度は実質増加となった。
 実質増加の要因は、交通・通信(三・四%増)、教育(四・七%増)などである。

二 勤労者世帯の家計

 前年度比でみると、勤労者世帯の一人当たりの一か月平均実収入は、初めての実質減少となった。
 また、消費支出は、二年度連続の実質減少となった。

三 勤労者以外の世帯の家計

 勤労者以外の世帯の一人当たりの一か月平均消費支出は、十万一千七百二十六円となり、前年度比でみると、名目一・八%の増加、実質二・五%の増加となった。

四 財・サービス区分別の支出

 財(商品)全体では、実質一・五%の増加となった。
 サービスは、実質一・五%の増加となった。

U 単身世帯

 全世帯の一か月平均消費支出は、十七万四千三百八十六円となり、前年度に比べ、名目二・六%の減少、実質一・九%の減少となった。
 前年度比でみると、平成十二年度以来の実質減少となった。
 実質減少の要因は、住居(七・七%減)、被服及び履物(四・六%減)などである。

































言葉の履歴書


しゃもじ

 食事の際「しゃもじ」は、たいていの人が使ったことがあるでしょう。しかし、語源を知ったうえで使っている人は少ないのではないでしょうか。
 「杓子(しやくし)」は飯や汁をすくう皿形の部分に柄が付いた飲食用具。「しゃもじ」は杓子の頭字(かしらじ)「しゃ」に接尾語「もじ」を付けたいわゆる文字詞(もじことば)で、女房詞の一つです。女房詞は室町時代から宮中の女官が用いた隠語的な女性語。遠回しにいう上品な表現として、江戸時代には武家から町家にまで広がりました。
 式亭三馬(さんば)の滑稽本『浮世風呂』第三編で、女湯の客がお屋敷言葉について話し合う一説に「おしゃもじ」を「おしゃべり」のことと誤解していた娘が、「鮨(すし)をすもじ、肴(さかな)をさもじとお言いだから、おしゃべりもおしゃもじでよいがネエ」というくだりがあります。
 浴衣を「ゆもじ」、女性の髪に加える入れ毛を「かもじ」、皮の黒い木から作った爪楊枝(つまようじ)を「くろもじ」などという文字詞も、あまり聞かなくなりましたが、「しゃもじ」だけはまだ健在といってよいでしょう。



知っておきたい国際・外交キーワード


UNICEF(=国連児童基金)

設立:一九四六年
本部:ニューヨーク

 ユニセフ(UNICEF:国連児童基金)は、第一回の国連総会により、第二次世界大戦で被害を受けた子どもの緊急援助を目的とする国連国際児童緊急基金として設立されました。一九五〇年代に入り、開発途上国や被災地に対する援助機関としての性格を強め、一九五三年に名称も国連児童基金に変更されました。
 ユニセフは、子どもの権利を保護し、子どもの保護、栄養、教育、水と衛生等の状況を改善するため、現在世界各国で活動しています。これらの活動は、各国政府、国連機関、民間からの募金およびユニセフの発行するグリーティング・カード等の収益を収入源としています。
 ユニセフの大きな特色の一つは、先進国に、ユニセフへの民間協力を担う国内委員会があることです。ユニセフ国内委員会で実施しているユニセフ募金は、ユニセフ事業資金の三分の一を占めており、ユニセフの活動は民間協力の大きな力で支えられています。
 日本においては、ユニセフ国内委員会として、(財)日本ユニセフ協会が一九五五年に設立され、世界の子どもたちのための基金活動やアドボカシー(広報・提言)活動を行っています。
 第二次世界大戦後の一九四九〜一九六四年まで、学校給食のミルク(粉ミルク)や毛布、医薬品などの援助を受けていた日本も、現在では、政府、日本ユニセフ協会および黒柳徹子親善大使などの活動を通して、援助を必要としている世界の子どもたちのための資金援助やボランティア活動など、さまざまな貢献を行っています。





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消費者物価指数の動向


―東京都区部(五月中旬速報値)・全国(四月)―


総 務 省


◇五月の東京都区部消費者物価指数の動向

一 概 況

(1)総合指数は平成十二年を一〇〇として九七・八となり、前月比は〇・一%の上昇。前年同月比は〇・三%の下落となった。
 なお、総合指数は、平成十一年九月以降三年九か月連続で前年同月の水準を下回っている。
(2)生鮮食品を除く総合指数は九七・六となり、前月比は〇・一%の上昇。前年同月比は〇・四%の下落となった。
 なお、生鮮食品を除く総合指数は、平成十一年十月以降三年八か月連続で前年同月の水準を下回っている。

二 前月からの動き

 総合指数の前月比が〇・一%の上昇となった内訳を寄与度でみると、食料、被服及び履物などの上昇が要因となっている。
[主な内訳]
食料
 生鮮果物(一九・六%上昇)…キウイフルーツ、バナナなど
被服及び履物
 衣料(一・九%上昇)…婦人スーツ(夏物)など

三 前年同月との比較

 総合指数の前年同月比が〇・三%の下落となった内訳を寄与度でみると、教養娯楽、住居、家具・家事用品などの下落が要因となっている。
 なお、保健医療などは上昇した。
[主な内訳]
教養娯楽
 教養娯楽用耐久財(一四・八%下落)…パソコン(ノート型)など
住居
 家賃(〇・五%下落)…民営家賃(木造中住宅)など
家具・家事用品
 家庭用耐久財(七・九%下落)…電気冷蔵庫など
保健医療
 保健医療サービス(一一・一%上昇)…診療代など

◇四月の全国消費者物価指数の動向

一 概 況

(1)総合指数は平成十二年を一〇〇として九八・三となり、前月比は〇・三%の上昇。前年同月比は〇・一%の下落となった。
 なお、総合指数は、平成十一年九月以降三年八か月連続で前年同月の水準を下回っている。
(2)生鮮食品を除く総合指数は九八・一となり、前月比は〇・三%の上昇。前年同月比は〇・四%の下落となった。
 なお、生鮮食品を除く総合指数は、平成十一年十月以降三年七か月連続で前年同月の水準を下回っている。

二 前月からの動き

 総合指数の前月比が〇・三%の上昇となった内訳を寄与度でみると、被服及び履物、保健医療などの上昇が要因となっている。
 なお、教養娯楽などは下落した。
[主な内訳]
被服及び履物
 シャツ・セーター・下着類(八・三%上昇)…婦人Tシャツ(半袖)など
保健医療
 保健医療サービス(七・九%上昇)…診療代など
教養娯楽
 教養娯楽用品(一・七%下落)…切り花(きく)など

三 前年同月との比較

 総合指数の前年同月比が〇・一%の下落となった内訳を寄与度でみると、教養娯楽、被服及び履物、家具・家事用品などの下落が要因となっている。
 なお、保健医療、食料などは上昇した。
[主な内訳]
教養娯楽
 教養娯楽用耐久財(一三・九%下落)…パソコン(ノート型)など
被服及び履物
 衣料(二・八%下落)…婦人上着など
家具・家事用品
 家庭用耐久財(七・七%下落)…電気冷蔵庫など
保健医療
 保健医療サービス(一一・二%上昇)…診療代など
食料
 生鮮野菜(一九・七%上昇)…キャベツなど




















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消費支出(全世帯)は実質二・四%の減少


―平成十五年三月分家計収支―


総 務 省


◇全世帯の家計

 前年同月比でみると、全世帯の一世帯当たりの消費支出は、平成十四年五月に実質減少となった後、六月以降四か月連続の実質増加となり、十月は同水準となったが、十一月以降五か月連続の実質減少となった。
 内訳をみると、住居、教養娯楽、保健医療などが実質減少となった。

◇勤労者世帯の家計

 前年同月比でみると、勤労者世帯の実収入は、平成十三年十二月に実質減少となった後、十四年一月以降三か月連続の実質増加となったが、四月以降十二か月連続の実質減少となった。
 また、消費支出は、平成十四年八月に実質減少となった後、九月は実質増加となったが、十月以降六か月連続の実質減少となった。

◇勤労者以外の世帯の家計

 勤労者以外の世帯の消費支出は、一世帯当たり二十八万一千四百三十六円となり、前年同月に比べ、名目二・九%の減少、実質二・七%の減少となった。

◇季節調整値の推移(全世帯・勤労者世帯)

 季節調整値でみると、全世帯の消費支出は前月に比べ実質〇・四%の増加となった。
 勤労者世帯の消費支出は前月に比べ実質〇・六%の増加となった。













    <7月16日号の主な予定>

 ▽政府開発援助(ODA)白書のあらまし………外 務 省 

 ▽平成十四年度平均家計収支………………………総 務 省 

 ▽毎月勤労統計調査(四月)………………………厚生労働省 

 ▽労働力調査(四月)………………………………総 務 省 




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