官報資料版 平成15年10月29日




                  ▽平成十五年版障害者白書のあらまし………内 閣 府

                  ▽平成十四年度法人企業統計年報……………財 務 省

                  ▽労働力調査(七月等結果)…………………総 務 省











平成15年版


障害者白書のあらまし


内 閣 府


平成十四年度を中心とした障害者施策の取組

 平成十四年度を中心に障害者のために講じた施策を、「相互の理解と交流」「社会参加へ向けた自立の基盤づくり」「日々の暮らしの基盤づくり」「住みよい環境の基盤づくり」の四つの視点に立ってまとめている。
 ※ 講じた主要な施策等は、平成十四年度の新規施策等を中心に記述した。

T 障害者施策の総合的取組

○ 「障害者基本計画」及び「障害者プラン」が、それぞれ平成十四年度で終期を迎えることから、内閣官房長官主宰による「新しい障害者基本計画に関する懇談会」の開催、関係省庁からなる検討チームでの検討などを経て、平成十五年度から始まる新しい「障害者基本計画」は平成十四年十二月二十四日に閣議決定、「重点施策実施五か年計画」は同日に障害者施策推進本部決定した。
○ 障害者に係る欠格条項の見直しを推進した。
○ 平成十四年は「アジア太平洋障害者の十年」の最終年に当たることから、十月二十五日から二十八日までの四日間、滋賀県大津市においてESCAPによる「アジア太平洋障害者の十年」最終年ハイレベル政府間会合が開催され、我が国はホスト国として貢献した。
○ 身体障害者(児)や知的障害者(児)の福祉サービスについて、利用者の立場に立った制度とするため、行政がサービスの受け手を特定し、サービス内容を決定する「措置制度」から、事業者との対等な関係に基づき、障害者自らがサービスを選択し、契約によりサービスを利用する新たな仕組み(「支援費制度」)に、平成十五年四月から移行した。

U 相互の理解と交流(施策を推進する上で前提となる「心の壁」の除去のための啓発広報等)

1 啓発広報等
○ 「障害者の日」「障害者週間」等における各種行事や学校教育における指導、さらには、地域住民等のボランティア活動の振興等を通じ、障害のある人に対する国民の理解を促進している。
【講じた主な施策等】
@ 平成十四年十二月九日の「障害者の日」記念の集いにおいて、天皇皇后両陛下御臨席の下、小泉純一郎内閣総理大臣から、自立して社会活動に参加し広く他に範を示している障害のある人や障害者福祉の向上に顕著な功績のあった個人・団体に対して、また「心の輪を広げる体験作文」及び「障害者の日のポスター」の最優秀賞受賞者に対して内閣総理大臣表彰を実施した。
A 平成十四年度「全国ボランティアフェスティバル」を山梨県で開催した。
B 平成十四年十二月、特定非営利活動の範囲拡大などを新たに盛り込み、特定非営利活動促進法(NPO法)を改正した。

2 国際協力
○ 施設建設等の無償資金協力、研修員の受入れや専門家派遣等の技術協力、民間レベルにおける草の根交流等に対する支援を実施している。
【講じた主な施策等】
@ 平成十四年度、草の根無償資金協力によりパキスタンにおける身体障害者のための施設建設計画等五十四件の援助を実施した。
A 平成十四年度、国際協力事業団(JICA)を通じて、障害者リハビリテーション専門家コース等九の研修コースを実施した。
B 平成十三年十一月から五年間の予定で、中国においてリハビリテーション専門職養成プロジェクトを実施している。
C 平成十四年八月から五年間の予定で、タイにおいて、アジア太平洋障害者センター広域プロジェクトを実施している。

V 社会参加へ向けた自立の基盤づくり
(障害のある人が社会的に自立するために必要な教育・育成、雇用・就業等)

1 障害のある子の教育・育成
○ 学校教育においては、障害のある児童生徒等が、その能力を最大限に伸ばし、自立し社会参加するための基盤を培うため、一人一人の障害の種類、程度等に応じた教育を実施している。
○ 健康診査等により障害の早期発見を図るとともに、障害の程度に応じ適切な療育を実施するため、地域、福祉施設における体制を整備している。
【講じた主な施策等】
@ 国が定める盲・聾(ろう)・養護学校への就学の基準について医学や科学技術等の進歩等を踏まえて見直すとともに、就学事務について手続の弾力化を図るため、平成十四年四月に学校教育法施行令を改正した。
A 平成十五年三月に、柔軟で弾力的な制度の再構築、教員の専門性の向上と関係者・機関の連携による質の高い教育のためのシステムづくりのための方策、学習障害(LD)、注意欠陥/多動性障害(ADHD)等を含めた教育的対応の必要性等を提言している「今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)」を取りまとめた。
B 障害児通園(デイサービス)事業、短期入所(ショートステイ)事業、訪問介護(ホームヘルプサービス)事業等を実施している。

2 雇用・就労の促進施策
○ 「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づき、民間企業、国、地方公共団体に対し、一定の割合以上の身体障害者又は知的障害者の雇用を義務付けている(第1表参照)。
○ 法定雇用率の達成を目指し、未達成事業主等に対する達成指導等、雇用率達成事業主に対する障害者雇用調整金の支給等を実施している。
○ 重度身体障害者又は重度知的障害者に対する第三セクター方式による重度障害者雇用企業の育成、一般の就業が困難な者に関する授産施設等の整備や、日帰り介護(デイサービス事業)等を実施している。
○ 障害者職業センター等における職業リハビリテーション技術の開発及び普及、職業リハビリテーションサービスの提供等を実施している。
【講じた主な施策等】
@ 平成十二・十三年度にパイロット事業として実施した、知的障害者、精神障害者等の職場での適応を容易にするための職場適応援助者(ジョブコーチ)事業を、平成十四年五月から本格的に実施した。
A 平成十四年度の障害者雇用促進法の一部改正により、身近な地域で、雇用、福祉、教育等の関係機関との連携の拠点として、就業面及び生活面を一体的に支援する障害者就業・生活支援センター事業を創設した。

3 障害のある人の生活を豊かにするためのスポーツ、レクリエーション及び文化活動の振興
○ 障害のある人のスポーツを振興するため、障害者スポーツ支援基金による、障害者スポーツ指導者の養成や国際大会への派遣、各障害者スポーツ競技団体が行う全国大会の開催等への助成や、スポーツ振興基金による、スポーツ団体への助成等を実施している。
【講じた主な施策等】
○ 平成十四年度は、身体障害者と知的障害者の全国大会を統合した全国障害者スポーツ大会の第二回大会を高知県において開催した。

W 日々の暮らしの基盤づくり(障害のある人が日常生活の質を確保するために必要な保健・医療、福祉等)

1 生活安定のための施策
○ 障害のある人に対する所得保障として、障害基礎年金や障害厚生(共済)年金を支給するとともに、特に重度の障害のある人を対象とする特別障害者手当を支給している。

2 保健・医療施策
○ 障害の原因となる疾病等の予防、早期発見のため、妊産婦に対する健康診査、先天性代謝異常等検査、乳幼児健康診査等を実施するとともに、周産期医療の確保のため、周産期集中治療管理室等の整備や、国立大学附属病院における周産母子センターの整備等を推進している。
○ 医療・リハビリテーションについては、身体障害を軽減若しくは除去するための更生医療及び育成医療の給付を行うほか、国立大学附属病院におけるリハビリテーション部等の整備、国立病院・療養所における進行性筋ジストロフィー児(者)等の入院治療を実施している。
○ 精神保健福祉施策としては、措置入院患者に対する医療費公費負担や、在宅の精神障害者に対する精神科デイケア事業等を実施するとともに、精神保健福祉相談員による精神保健福祉相談、保健師による訪問指導を実施している。
【講じた主な施策等】
○ 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者に対し、その病状改善とこれに伴う同様の行為の再発の防止を図り、対象者の社会復帰を促進するため、「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案」を平成十四年三月に国会提出した。

3 日常生活支援のための福祉施策
○ 障害のある人の地域における自立した生活を支援するため、訪問介護員(ホームヘルパー)の派遣、短期入所(ショートステイ)事業、地域生活援助事業(グループホーム)及び日帰り介護(デイサービス)事業等を実施している。
○ 障害のある人のための施設の整備について、各都道府県・指定都市の整備計画を基に、所要の整備を実施している。
【講じた主な施策等】
○ 身体障害者が公共的施設、公共交通機関を利用する際に、盲導犬、介助犬、聴導犬といった障害者の日常生活を支援する動物を同伴することができるようにするため、平成十四年十月に「身体障害者補助犬法」を施行した。

4 専門職の確保
○ 社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士等の養成、各種リハビリテーション専門職員の養成訓練等福祉分野における人材を養成している。
○ 医師、看護師を含めた医療分野の人材の育成、資質の向上のため、リハビリテーションに関する教育の充実を図っている。

5 福祉機器の研究開発・普及等の推進
○ 福祉用具産業の健全な発展を支援するため、研究開発の推進、標準化や評価基盤の整備等産業の基盤整備を推進している。
○ 経済産業省や国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所において研究開発を実施している。また、NEDOや(財)テクノエイド協会等においても研究開発に対する助成等を実施している。
○ 福祉用具の公的給付として、補装具(義肢、装具、車いす等)と日常生活用具(浴槽、特殊便器、点字タイプライター等)等を給付している。
○ 情報バリアフリー型通信・放送システムなど、障害のある人等のための情報通信システムの実用化に資する研究開発を実施している。
【講じた主な施策等】
@ 平成十三年度から、障害のある人などが自由に市街地を移動できるように支援するためのシステムの研究開発を開始し、平成十四年度は、更にシステムを充実するとともに東京都小金井市全域のバリアフリーマップを完成させた。
A 平成十四年度に障害者配慮の設計指針である国際規格「ISO/IECガイド71(高齢者及び障害のある人々のニーズに対応した規格作成配慮指針)」の国家規格としての審議を行い、平成十五年六月にJIS(日本工業規格)の制定を予定している。

X 住みよい環境の基盤づくり(障害のある人が仕事や日常の外出等を自由にできるようにするために必要なまちづくり、住宅確保、移動・交通、情報提供、防犯・防災対策等)

1 障害のある人の住みよいまちづくりのための施策
○ 障害のある人が自立して生活し、積極的に社会参加できるよう、まち全体を障害のある人にとって利用しやすいものへと変えていくため、計画的な福祉のまちづくりや幅の広い歩道やエレベーター等の整備、障害のある人等の利用に配慮した建築物の整備等を実施している。
○ 平成十二年十一月に施行された高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律(交通バリアフリー法)に基づき「移動円滑化の促進に関する基本方針」を策定し、バリアフリー化を総合的かつ計画的に推進している。
○ 農山漁村地域において広幅員の歩道の整備等を実施している。
○ 共生のまちづくり推進の活用等により、地方公共団体が行うユニバーサルデザインによるまちづくりに対して支援している。
○ 都市計画における総合的な福祉のまちづくりの取組として、障害のある人に配慮した道路、公園等の都市施設の整備や土地区画整理事業や市街地再開発事業などの面的な都市整備を着実に進めるとともに、中心市街地等における社会福祉施設の適正かつ計画的な立地を推進している。
○ 建築物が障害のある人等に配慮したものとなるよう、官庁施設のバリアフリー化を進めるとともに民間建築物については融資等により誘導している。
○ 平成十三年度を初年度とする「第八期住宅建設五箇年計画」において、身体機能の低下や障害が生じた場合にも、そのまま住み続けることができる住宅の供給等を実施している。
○ 設計、設備の面で障害のある人に配慮した住宅の供給を行うほか、公営住宅、公団賃貸住宅において障害者世帯に対する募集時の当選率の優遇等を実施している。また、公営住宅等の建替や市街地再開発事業等において住宅と社会福祉施設等との合築・併設を推進している。
○ 住宅金融公庫等は、障害のある人等に配慮した住宅等について、最優遇金利を適用しているほか、障害のある人等が同居する比較的規模の大きな住宅については融資額を増額している。
○ 公園の園路の幅員と勾配の工夫、縁石の切下げ、手すりの設置、ゆったりトイレの整備等障害のある人の利用に配慮した公園施設を整備したほか、有料国営公園の身体に障害のある人等に対する入園料金等の免除を実施している。また、障害のある人等に配慮した堤防・護岸の緩傾斜化等の河川・海岸整備、港湾緑地におけるスロープ等の設置を実施している。
○ 障害のある人が安全かつ身体的負担の少ない方法で公共交通機関を利用して移動できるよう公共交通機関のバリアフリー化を推進している。また、平成十三年八月、交通バリアフリー法に定められた旅客施設を対象に、ユニバーサルデザインの考え方に配慮した「公共交通機関旅客施設の移動円滑化整備ガイドライン」を策定した。さらに本ガイドラインの検討過程において残された課題について、平成十四年十月に「旅客施設における音による移動支援方策ガイドライン」を策定するとともに、同十二月には、鉄軌道駅プラットホームにおける視覚障害者誘導用ブロックに関するガイドラインを策定した。
○ 平成十四年十二月、身体障害者や高齢者等を始めとするすべての利用者がより円滑に利用できるよう、歩道の幅員の確保、段差・勾配の改善、エレベーター等の歩行支援施設の設置、休憩スペースの確保等、ユニバーサルデザインを配慮した「道路の移動円滑化整備ガイドライン」を策定した。
○ 公共交通ターミナルにおけるエレベーター・エスカレーター等の設置や障害のある人の利用しやすい車両の導入を推進するため、税制や補助・融資制度による支援等を実施している。
○ 車いす利用者や高齢者など様々な人が安心して通行できるよう、ユニバーサルデザインの概念を導入したガイドラインを策定し、幅の広い歩道等を整備するとともに、既設の歩道等の段差・傾斜・勾配の改善や立体横断施設へのエレベーター・エスカレーター等の設置等によりバリアフリー化を推進している。
○ 住居系地区等におけるコミュニティ・ゾーンの整備、障害のある人等の利用に配慮した信号機等の設置、分かりやすい案内標識の整備、サービスエリア等への障害者用トイレの設置等を行うとともに、携帯情報端末を通じて安全な歩行に必要な情報を提供するPICS(歩行者等支援情報通信システム)等、最先端の情報技術を用いたITSの研究開発を推進している。
○ 「オムニバスタウン構想」を推進し、障害のある人等の交通弱者に配慮したノンステップバス、リフト付きバス等の導入を促進している。
【講じた主な施策等】
@ 平成十三年度から、スロープ付きタクシー及び低床式路面電車について税制による支援を実施している。
A 道路交通法の改正(平成十三年六月二十日公布)において、警察官等による身体障害のある歩行者等の保護、身体障害者標識を表示している普通自動車に対する幅寄せなどの禁止を規定した。

2 障害のある人が安心して生活を送るための施策
○ 情報の収集や情報伝達に大きな社会的不利のある視・聴覚に障害のある人等が、迅速かつ的確に情報を収集し、情報伝達手段を確保できるようにするため、点訳奉仕員、朗読奉仕員、手話奉仕員等の派遣事業や福祉事務所への手話通訳の設置など、各種施策を進めるとともに、字幕放送等放送事業者の積極的な取組を支援している。
○ 視覚障害者の情報取得を支援するため、新聞情報等を対象とした点字情報ネットワークを構築し、テープ、大活字・点字書籍等による食生活関連情報の提供等を行うとともに、国政選挙において、点字による候補者名簿等の備付け、政見放送への手話通訳の導入等、障害のある人の投票への配慮を実施している。
○ 郵便事業において障害者用各種郵便物に対する郵便料金の減免等、郵便貯金事業においては「郵便貯金の取扱内容の点字通知」や「点字キャッシュカードの発行」等、簡易保険事業においては「点字による契約内容のお知らせ等の送付」や「加入者福祉施設内の点字表示」等各種サービスを実施している。
○ 障害のある人の防犯対策として、FAX一一〇番の導入やFAXネットワークの構築、手話のできる警察官の交番等への配置等を実施している。また、警察部内では、手話講習会や障害のある人に対する応接、介護に関する講習会を開催するなど、職員の研修やボランティア活動への参加を支援している。
○ 障害のある人の防災対策として、地方公共団体による防災まちづくり事業や緊急防災基盤整備事業による支援等を実施している。
○ 障害のある人等に対する土砂災害対策等を重点的に実施するとともに、洪水ハザードマップ等によるきめ細かな災害関連情報の提供を推進している。
【講じた主な施策等】
@ 平成十四年十二月、外国人、老人、障害者等の災害弱者に配慮した防災計画策定、災害時のボランティア活動との協働などを新たに盛り込み、「自主防災組織の手引」を改訂した。
A 土砂災害特別警戒区域における災害弱者関連施設等の開発行為を許可制とする「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」を平成十三年四月に施行した。












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平成14年度


法人企業統計年報


財 務 省


 この調査は、統計法(昭和二十二年法律第十八号)に基づく指定統計第百十号として、我が国における金融・保険業を除く営利法人を対象に、企業の決算期における資産、負債及び資本、損益、利益処分等を調査し、企業活動の動向を把握することを目的としている。
 なお、本調査は標本調査であり(計数等は、標本法人の調査結果に基づいて調査対象法人全体の推計値を算出したもの)、標本法人は層別無作為抽出法により抽出している。
 今回の調査対象法人数等は次のとおりである。
  調査対象法人  二、六二六、九五四社
  標本法人数      二九、四二三社
  回答率          八一・〇%
 当調査結果から平成十四年度の企業動向をみると、売上高については、製造業、非製造業とも減収となった。経常利益については、製造業、非製造業とも増益となった。また、設備投資は、製造業、非製造業とも前年度を下回った。

一 収益の状況

(1) 売上高第1表第1図参照
 売上高は、一千三百二十六兆八千二十億円で、前年度(一千三百三十八兆二千六十五億円)を十一兆四千四十五億円下回り、対前年度増加率(以下「増加率」という)は△〇・九%(前年度△六・七%)となった。
 業種別の増加率をみると、製造業では、食料品、輸送用機械などで増収となったものの、電気機械、金属製品などで減収となったことから、製造業全体では△一・四%(同△九・一%)となった。
 一方、非製造業では、サービス業などで増収となったものの、卸・小売業、建設業などで減収となったことから、非製造業全体では△〇・六%(同△五・八%)となった。
 資本金階層別の増加率をみると、資本金一億円以上十億円未満の階層は増収となったが、他の階層では減収となった。
(2) 経常利益第2表第2図参照
 経常利益は、三十一兆四十九億円で、前年度(二十八兆二千四百六十九億円)を二兆七千五百八十億円上回り、増加率は九・八%(前年度△二一・二%)となった。
 業種別の増加率をみると、製造業では、金属製品、一般機械などで減益となったものの、電気機械で大幅な増益となったことなどから、製造業全体では一四・三%(同△三五・四%)となった。
 一方、非製造業では、サービス業、建設業などで減益となったものの、運輸・通信業、不動産業などで増益となったことから、非製造業全体では七・〇%(同△九・三%)となった。
 資本金階層別の増加率をみると、資本金一億円以上十億円未満及び十億円以上の階層では増益となったが、一千万円以上一億円未満及び一千万円未満の階層では減益となった。
(3) 諸比率第3表参照
 売上高営業利益率は、二・四%(前年度二・二%)で、前年度を上回り、売上高経常利益率も二・三%(同二・一%)と、前年度を上回った。
 業種別にみると、売上高営業利益率は、製造業では〇・五ポイント、非製造業は〇・一ポイントそれぞれ前年度を上回った。売上高経常利益率は、製造業では〇・四ポイント、非製造業は〇・二ポイントそれぞれ前年度を上回った。
(4) 利益処分第4表参照
 当期純利益は、六兆二千二百三十億円で、前年度(△四千六百五十六億円)を六兆六千八百八十六億円上回った。

二 付加価値第5表第3図参照

 付加価値は、二百五十七兆八千六百九十一億円で、前年度(二百五十六兆八千九百十七億円)を九千七百七十四億円上回った(増加率〇・四%)。
 付加価値の構成比をみると、営業純益は一・二ポイント、動産・不動産賃借料は〇・四ポイント、租税公課は〇・一ポイントそれぞれ前年度を上回ったが、人件費は一・四ポイント、支払利息・割引料は〇・三ポイントそれぞれ前年度を下回った。
 また、付加価値率は一九・四%で、前年度比〇・二ポイントの上昇となり、労働生産性は七百十二万円と前年度(六百九十五万円)を十七万円上回った。

三 投資の動向

(1) 設備投資第6表参照
 設備投資額は、二十九兆七千四百七十九億円であり、前年度(三十六兆五千二十三億円)に比べ六兆七千五百四十四億円(増加率△一八・五%)減少した。
 業種別にみると、製造業は、輸送用機械などで増加したものの、電気機械、食料品など多くの業種で減少したことから、製造業全体では△一九・九%(前年度△一四・七%)の減少となった。非製造業は、サービス業、卸・小売業など多くの業種で減少したことから、非製造業全体では△一七・九%(同△一・七%)となった。
(2) 在庫投資第7表参照
 在庫投資額(期末棚卸資産から期首棚卸資産を控除した額)は、△五兆三千二百九十八億円であり、前年度(△五兆八千五十四億円)に比べ四千七百五十六億円増加した。
 業種別にみると、製造業では、電気機械、石油・石炭、一般機械などが前年度に比べ増加したことから、在庫投資額は△一兆四千六百四十一億円となった。非製造業では、卸・小売業が増加したものの、建設業、不動産業などが減少したことから、在庫投資額は△三兆八千六百五十七億円となった。
 在庫率は七・六%となり、前年度(七・八%)を〇・二ポイント下回った。

四 資金事情

(1) 資金関連項目の状況第8表参照
 受取手形・売掛金は、前年度に比べ減少(増加率△五・〇%)、支払手形・買掛金も減少(同△三・〇%)となった。
 短期借入金は減少(増加率△六・三%)、長期借入金も減少(同△〇・九%)となった。
 現金・預金は増加(増加率二・〇%)し、有価証券は減少(同△五・六%)となった。
 手元流動性は一一・三%で、前年度比〇・二ポイントの上昇となった。
(2) 資金調達の状況第9表参照
 十四年度の資金調達は、十七兆七千百二十七億円となり、前年度(三十三兆一千七百三十七億円)を十五兆四千六百十億円下回った。
 外部調達は、社債の減少幅が縮小したものの、増資、長期借入金及び短期借入金の減少幅が拡大したため、調達額の減少幅は拡大した。
 内部調達は、減価償却が減少したものの、内部留保が増加したため、調達額は前年度より増加した。

五 自己資本比率第10表参照

 自己資本比率は、二七・四%となり、前年度より二・二ポイント上昇した。
 業種別にみると、製造業、非製造業ともに前年度を上回った。
 資本金階層別にみると、すべての階層において前年度を上回った。




知っておきたい国際・外交キーワード


CGIAR(国際農業研究協議グループ)

 国際農業研究協議グループ(CGIAR:Consultative Group on International Agricultural Research)は、途上国における食糧の生産性を改善し、飢餓をなくし、住民の福祉向上を図ることを目的とした、世界最大の農業研究ネットワークです。世界銀行、FAO、UNDPが発起機関となり、日本を含む先進十六か国、地域開発銀行、途上国農業研究を支援する民間財団などが参加して、一九七一年に設立されました。
 現在、CGIARのさまざまな事業は、世界各地にある国際農業研究センターおよび参加メンバーによって実行されます。事業の主な分野は、(1)生産性向上に関するもの (2)各国の農業システム強化に関するもの (3)環境保全に関するもの (4)生物多様性保護に関するもの (5)農業政策に関するものなどです。
 主な活動の実績として、CGIARの参加センターによる高収穫品種の小麦と米の開発の成功があります。それらの品種はインド、パキスタンなどアジアの途上国全域、またコロンビア、チリなどラテンアメリカ諸国に波及し、各国の食糧事情を改善しました。また、CGIARでは、食糧作物、肥料、牧草など有用植物遺伝資源の収集と保全を行っており、途上国の作物などの品種改良・育種や各国の遺伝子研究のために活用しています。
 CGIARの意志決定は、統括委員会、財務委員会、技術諮問委員会などの委員会による協議を経て、毎年五月に行われる年央会合、毎年十月に開催される年次会合においてコンセンサスにより行われます。
 日本は設立当初よりCGIARに協力を開始。現在は、CGIARの活動に積極的に参加しています。



暮らしのワンポイント


車酔いを防ぐには

カーブの方向に体を傾ける

 乗り物酔いは、内耳の平衡器官が不規則な揺れに刺激されて起こる急性の自律神経失調症です。頭が重い、やたらにアクビがでるという症状に始まって、顔色が悪くなり、冷や汗をかいて、ついには吐き気をもよおします。
 自動車や船、飛行機など、どんな乗り物でも起こる可能性がありますが、乗る機会の多いバスや乗用車の車酔いに悩む人が多いようです。
 車酔いを防ぐには、事前に十分な睡眠をとり、消化の悪いものは食べないようにします。空腹はかえって酔いやすくなるので、軽い食事はとっておくほうがよさそうです。
 乗車するときは、揺れの少ない前方の座席に座るようにします。目からの刺激も酔いの原因になるので、動きの早い近くの景色は見ずに、できるだけ遠くの景色を眺めるようにしましょう。
 バスや乗用車の運転手が酔わないのは、運転中、カーブする方向に体を傾けて無意識のうちに平衡感覚の防御体勢をとっているからです。しかし乗客はカーブと反対側の方向に体が傾いて強い刺激を受けてしまうため、酔いやすくなるのです。カーブの多い山道などでは、前方の景色をよく見て、カーブにさしかかったらその方向に体を傾けたり、運転手の状態の動きを見てそれに合わせたりすることで、車酔いを防ぐことができます。
 不安感も乗り物酔いに影響します。「また気持ち悪くなったらどうしよう」という心配をつのらせると、かえって酔いやすくなります。乗車中はおしゃべりやゲームをして不安を忘れるようにします。ただし、読書は逆効果。避けたほうが賢明です。「昨夜はよく寝たから大丈夫」など、自分を暗示にかけることも意外に効果的です。




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七月の雇用・失業の動向


―労働力調査平成十五年七月等結果の概要―


総 務 省


◇就業状態別の人口

 平成十五年七月末の就業状態別人口をみると、就業者は六千三百八十一万人、完全失業者は三百四十二万人、非労働力人口は四千二百三十三万人と、前年同月に比べそれぞれ七万人(〇・一%)増、十万人(二・八%)減、四十一万人(一・〇%)増となっている。

◇就業者

(1) 就業者

 就業者数は六千三百八十一万人と、前年同月に比べ七万人(〇・一%)の増加となり、三か月連続で前年同月の水準を上回った。男女別にみると、男性は三千七百三十九万人、女性は二千六百四十二万人で、前年同月と比べると、男性は二十一万人(〇・六%)減、女性は二十八万人(一・一%)増となっている。

(2) 従業上の地位

 就業者数を従業上の地位別にみると、雇用者は五千三百八十二万人、自営業主・家族従業者は九百七十二万人となっている。前年同月と比べると、雇用者は三万人(〇・一%)増、自営業主・家族従業者は一万人増となり、雇用者は三か月連続で前年同月の水準を上回った。
 雇用者のうち、非農林業雇用者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○非農林業雇用者…五千三百四十二万人と、五万人(〇・一%)増、三か月連続の増加
 ・常 雇…四千六百四万人と、七万人(〇・二%)減、三か月ぶりの減少
 ・臨時雇…六百十七万人と、七万人(一・一%)増、十九か月連続の増加
 ・日 雇…百二十一万人と、五万人(四・三%)増、二か月ぶりの増加

(3) 産 業

 主な産業別就業者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○農林業…二百九十四万人と、同数
○建設業…五百九十三万人と、二十九万人(四・七%)減少
○製造業…一千百九十二万人と、七万人(〇・六%)減少
○運輸業…三百二十八万人と、四万人(一・二%)増加
○卸売・小売業…一千百五十四万人と、同数
○飲食店,宿泊業…三百四十五万人と、二十二万人(六・〇%)減少
○医療,福祉…四百九十六万人と、十六万人(三・三%)増加
○サービス業…八百三十五万人と、二十五万人(三・一%)増加
 また、主な産業別雇用者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○建設業…四百八十一万人と、三十三万人(六・四%)減少
○製造業…一千百十万人と、一万人(〇・一%)減少
○運輸業…三百九万人と、二万人(〇・七%)増加
○卸売・小売業…九百九十四万人と、一万人(〇・一%)増加
○飲食店,宿泊業…二百六十四万人と、十四万人(五・〇%)減少
○医療,福祉…四百六十四万人と、十八万人(四・〇%)増加
○サービス業…六百七十二万人と、十二万人(一・八%)増加
 (注) 日本標準産業分類の改訂に伴い、平成十五年一月結果の公表以降、新産業分類で表章している。

(4) 従業者規模

 企業の従業者規模別非農林業雇用者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○一〜二十九人規模…一千七百六万人と、三十九万人(二・二%)減、二か月連続の減少
○三十〜四百九十九人規模…一千八百一万人と、七万人(〇・四%)減、二か月ぶりの減少
○五百人以上規模…一千二百十六万人と、十五万人(一・二%)増、七か月連続の増加

(5) 就業時間

 七月末一週間の就業時間階級別の従業者数(就業者から休業者を除いた者)及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○一〜三十五時間未満…一千四百九十三万人と、二十八万人(一・九%)増加
 ・うち一〜三十時間未満…一千八十五万人と、九万人(〇・八%)増加
○三十五時間以上…四千七百四十一万人と、三十二万人(〇・七%)減少
 ・うち四十九時間以上…一千八百四十九万人と、十五万人(〇・八%)増加
 また、非農林業の従業者一人当たりの平均週間就業時間は四二・五時間で、前年同月と同数となっている。

◇完全失業者

(1) 完全失業者数

 完全失業者数は三百四十二万人と、前年同月に比べ十万人(二・八%)減となり、二か月連続で前年同月の水準を下回った。男女別にみると、男性は二百十万人、女性は百三十二万人で、前年同月に比べ、男性は三万人(一・四%)の減少、女性は六万人(四・三%)の減少となっている。
 また、求職理由別完全失業者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○定年等…四十万人と、六万人増加
○勤め先都合…百十一万人と、三万人増加
○自己都合…百三万人と、十六万人減少
○学卒未就職…十九万人と、一万人増加
○新たに収入が必要…三十九万人と、三万人減少
○その他…二十五万人と、二万人減少

(2) 完全失業率(季節調整値)

 季節調整値でみた完全失業率(労働力人口に占める完全失業者の割合)は五・三%と前月と同率となっている。男女別にみると、男性は五・五%、女性は四・九%と、前月に比べ男性は〇・二ポイントの低下、女性は〇・一ポイントの上昇となっている。

(3) 完全失業率(原数値)

 完全失業率は五・一%と、前年同月に比べ〇・一ポイントの低下となっている。男女別にみると、男性は五・三%、女性は四・八%と、男性は〇・一ポイントの低下、女性は〇・二ポイントの低下となっている。

(4) 年齢階級別完全失業者数及び完全失業率(原数値)

 年齢階級別完全失業者数、完全失業率及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
[男]
○十五〜二十四歳…三十八万人(四万人減)、一一・〇%(〇・三ポイント低下)
○二十五〜三十四歳…五十万人(二万人減)、五・五%(〇・一%ポイント低下)
○三十五〜四十四歳…三十万人(同数)、三・八%(同率)
○四十五〜五十四歳…三十五万人(五万人減)、四・〇%(〇・四ポイント低下)
○五十五〜六十四歳…四十六万人(四万人増)、六・五%(〇・二ポイント上昇)
 ・五十五〜五十九歳…二十二万人(二万人増)、五・三%(〇・二ポイント上昇)
 ・六十〜六十四歳…二十四万人(二万人増)、八・四%(〇・一ポイント上昇)
○六十五歳以上…十一万人(三万人増)、三・五%(一・〇ポイント上昇)
[女]
○十五〜二十四歳…二十六万人(三万人減)、七・七%(〇・七ポイント低下)
○二十五〜三十四歳…四十五万人(五万人減)、七・二%(〇・九ポイント低下)
○三十五〜四十四歳…二十四万人(二万人減)、四・五%(〇・五ポイント低下)
○四十五〜五十四歳…二十一万人(二万人増)、三・三%(〇・四ポイント上昇)
○五十五〜六十四歳…十四万人(同数)、三・二%(同率)
 ・五十五〜五十九歳…七万人(同数)、二・六%(〇・一ポイント低下)
 ・六十〜六十四歳…七万人(同数)、四・一%(同率)
○六十五歳以上…二万人(一万人増)、一・〇%(〇・四ポイント上昇)

(5) 世帯主との続き柄別完全失業者数

 世帯主との続き柄別完全失業者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○世帯主…九十一万人と、一万人増加
○世帯主の配偶者…四十二万人と、三万人減少
○その他の家族…百五十六万人と、六万人減少
○単身世帯…五十二万人と、三万人減少

―詳細結果平成十五年四〜六月平均の概要―

◇就業者

(1) 雇用形態別の構成

 役員を除く雇用者四千九百二十九万人のうち、正規の職員・従業員は三千四百四十五万人、パート・アルバイト、契約社員、派遣社員等の非正規の職員・従業員は一千四百八十三万人となっている。
 役員を除く雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合は三〇・一%となっており、前年同期に比べると、一・六ポイント上昇した。これを男女別にみると、男性は一五・九%、女性は四九・五%と、女性の割合が高くなっている。

(2) 転職者

 転職者(就業者のうち過去一年間に離職を経験した者)のうち、転職で収入が減った者は四二・四%、収入が増えた者は三〇・六%となっている。
 これを年齢階級別にみると、男性では三十五歳以上の各年齢階級で収入減の割合が収入増の割合を上回っている。
 また、女性では三十五〜四十四歳以外の各年齢階級で収入減の割合が収入増の割合を上回っている。

◇完全失業者

(1) 失業期間

 失業期間別に完全失業者の割合をみると、「三か月未満」が三五・七%と最も高く、次いで「一年以上」が三四・三%となっている。
 これを前年同期と比べると、「三か月未満」が一・二ポイント、「三〜六か月未満」が二・四ポイントそれぞれ低下した。一方、「一年以上」が三・六ポイント上昇し、完全失業者の失業期間の長期化傾向がみられる。

(2) 仕事につけない理由

 完全失業者について、仕事につけない理由の割合を年齢階級別にみると、四十五歳以上の各年齢階級では「求人の年齢と自分の年齢とがあわない」が最も高い割合となっており、特に五十五歳以上では五〇・六%を占めている。
 一方、四十四歳以下の各年齢階級では「希望する種類・内容の仕事がない」の割合が最も高くなっている。

◇非労働力人口

 非労働力人口四千二百十九万人のうち、就業希望者は五百二十六万人となっており、前年同期と比べると二万人減少している。また、これを非求職理由別にみると、「家事・育児のため仕事が続けられそうにない」は百三十万人と最も多くなっており、前年同期と同数である。















言葉の履歴書


おとぎ話

 秋は読書のシーズン。子ども時代におとぎ話を読んだことのない人はいないでしょう。しかし、「おとぎ話」という言葉の由来は、だれでも知っているとは言えないようです。
 「とぎ」は、お相手をするという意味の古語「とぐ」の名詞形と考えられています。「御伽(おとぎ)」はお相手をして退屈を慰めること。戦国・江戸時代の武家社会では、夜などに主君のそばにはべり、話し相手を務める「御伽衆(おとぎしゆう)」という役職がありました。
 戦国大名の御伽衆は、戦陣で主君が眠ってしまわないように、話し相手役を務めたのが始まりといわれています。
 経験豊かな老臣、僧、医師などが、合戦の物語や体験談を語ったもので、豊臣秀吉の御伽衆、曽呂利新左衛門(そろりしんざえもん)のように、とんち話、おどけ話をするケースもありました。江戸時代には、幼君の遊び相手として「御伽小姓」も生まれています。
 明治時代になって、巌谷細波(いわやさざなみ)が、『日本お伽噺』『世界お伽噺』を刊行し、子ども向きの昔話や童話をさす「おとぎ話」という言葉の意味を定着させました。






    <11月5日号の主な予定>

 ▽青少年白書のあらまし………内 閣 府 




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