官報資料版 平成16年3月3日




                  ▽景気予測調査(十一月)……………財 務 省

                  ▽労働力調査(十月等結果)…………総 務 省

                  ▽毎月勤労統計調査(十月)…………厚生労働省

                  ▽労働経済動向調査(十一月)………厚生労働省

                  ▽家計収支(十月)……………………総 務 省











景気予測調査


―平成十五年十一月調査―


財 務 省


<はじめに>

 財務省では、企業経営の現状と見通しを調査し、景気の動向を的確に把握することを目的として、金融・保険業を除く資本金一千万円以上(電気業、ガス・水道業は資本金十億円以上)の営利法人約百二十万社のうち約一万二千社を対象として、四半期ごとに財務省景気予測調査を実施している。
 以下は、平成十五年十一月に実施した第八十三回調査結果の概要である。今回の調査では一万一千三百九十三社を対象とし、九千二百二十七社(回収率八一・〇%)から回答を得ている。
 なお、本調査における大企業とは資本金十億円以上の企業を、中堅企業とは資本金一億円以上十億円未満の企業を、中小企業とは資本金一千万円以上一億円未満の企業をいう。

◇景況第1図第1表参照

 平成十五年十〜十二月期の景況判断BSI(前期比「上昇」−「下降」社数構成比・季節調整済)を全産業でみると、大企業は「上昇」超に転じ、中堅企業、中小企業は引き続き「下降」超となっている。
 先行きを全産業でみると、大企業は「上昇」超が拡大する見通し、中堅企業は十六年一〜三月期に「上昇」超に転じる見通し、中小企業は「下降」超幅が縮小する見通しとなっている。

◇売上高第2表参照

 平成十五年度下期の売上高は、全産業合計で前年比〇・一%の増収見込みとなっている。
 これを規模別に前年比でみると、大企業は横ばい見込み、中堅企業は増収見込み、中小企業は減収見込みとなっている。
 業種別に前年比でみると、製造業では、衣服・その他の繊維製品、食料品などが減収となるものの、電気機械器具、精密機械器具などが増収となり、全体では一・三%の増収見込みとなっている。
 非製造業では、映画・娯楽、卸売・小売などが増収となるものの、建設、その他非製造などが減収となり、全体では〇・四%の減収見込みとなっている。
 十五年度通期の売上高は、全産業合計で前年比〇・三%の増収見込みとなっている。
 これを規模別に前年比でみると、大企業、中堅企業は増収見込み、中小企業は横ばい見込みとなっている。
 業種別に前年比でみると、製造業では、食料品、繊維工業などが減収となるものの、電気機械器具、精密機械器具などが増収となり、全体では一・七%の増収見込みとなっている。
 非製造業では、映画・娯楽、卸売・小売などが増収となるものの、建設、事業所サービスなどが減収となり、全体では〇・三%の減収見込みとなっている。

◇経常損益第3表参照

 平成十五年度下期の経常損益は、全産業合計で前年比一二・二%の増益見込みとなっている。
 これを規模別に前年比でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも増益見込みとなっている。
 業種別に前年比でみると、製造業では、輸送用機械器具、その他の製造などが減益となるものの、電気機械器具、食料品などが増益となり、全体では六・〇%の増益見込みとなっている。
 非製造業では、建設、運輸・通信などが減益となるものの、卸売・小売、不動産などが増益となり、全体では一六・六%の増益見込みとなっている。
 十五年度通期の経常損益は、全産業合計で前年比一一・五%の増益見込みとなっている。
 これを規模別に前年比でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも増益見込みとなっている。
 業種別に前年比でみると、製造業では、その他の製造、パルプ・紙・紙加工品などが減益となるものの、電気機械器具、食料品などが増益となり、全体では九・九%の増益見込みとなっている。
 非製造業では、建設が減益となるものの、卸売・小売、不動産などが増益となり、全体では一二・七%の増益見込みとなっている。

◇中小企業の設備投資第4表参照

 平成十五年度の全産業の設備投資計画額を前年比でみると、土地購入費を含む場合(以下「含む」という)で六・八%増、除く場合(以下「除く」という)で七・四%増の見込みとなっている。なお、前回調査時に比べ、「含む」で六・九%ポイントの上方修正、「除く」で六・一%ポイントの上方修正となっている。
 十五年十二月末時点の設備判断BSI(期末判断「不足」−「過大」社数構成比・季節調整済)をみると、全産業は「不足」超となっている。
 先行きについては、全産業でみると「不足」超で推移する見通しとなっている。

◇中小企業の販売製(商)品在庫

 平成十五年十二月末時点の在庫判断BSI(期末判断「不足」−「過大」社数構成比・季節調整済)をみると、製造業、卸売業、小売業いずれも「過大」超となっている。
 先行きについては、製造業、卸売業、小売業いずれも「過大」超で推移する見通しとなっている。

◇中小企業の仕入れ価格

 平成十五年十〜十二月期の仕入れ価格判断BSI(前期比「上昇」−「低下」社数構成比・季節調整済)をみると、製造業、卸売業、小売業いずれも「上昇」超となっている。
 先行きについては、製造業、卸売業は「上昇」超で推移するものの、小売業は十六年一〜三月期に「低下」超に転じる見通しとなっている。

◇中小企業の販売価格

 平成十五年十〜十二月期の販売価格判断BSI(前期比「上昇」−「低下」社数構成比・季節調整済)をみると、製造業、卸売業、小売業、サービス業いずれも「低下」超となっている。
 先行きについては、製造業、卸売業、小売業、サービス業いずれも「低下」超で推移する見通しとなっている。

◇雇用第5表参照

 平成十五年十二月末時点の従業員数判断BSI(期末判断「不足気味」−「過剰気味」社数構成比・季節調整済)を全産業でみると、大企業は「過剰気味」超、中堅企業、中小企業は「不足気味」超となっている。
 先行きについては、大企業は「過剰気味」超幅が縮小する見通し、中堅企業は「不足気味」超で推移する見通し、中小企業は十六年六月末に「過剰気味」超に転じる見通しとなっている。
 十五年十〜十二月期の臨時・パート数判断BSI(前期比「増加」−「減少」社数構成比・季節調整済)を全産業でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも「増加」超となっている。
 先行きについては、大企業、中堅企業は「増加」超で推移する見通し、中小企業は十六年四〜六月期に「減少」超に転じる見通しとなっている。
 十五年十〜十二月期の所定外労働時間判断BSI(前期比「増加」−「減少」社数構成比・季節調整済)を全産業でみると、大企業、中堅企業が「増加」超、中小企業は「減少」超となっている。
 先行きについては、大企業が「増加」超、中堅企業、中小企業が「減少」超で推移する見通しとなっている。

◇企業金融第6表参照

 平成十五年十〜十二月期の金融機関の融資態度判断BSI(前期比「ゆるやか」−「きびしい」社数構成比・季節調整済)を全産業でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも「きびしい」超となっている。
 先行きについては、いずれの規模においても「きびしい」超で推移する見通しとなっている。
 十五年十〜十二月期の資金繰り判断BSI(前期比「改善」−「悪化」社数構成比・季節調整済)を全産業でみると、大企業は「改善」超、中堅企業、中小企業は「悪化」超となっている。
 先行きについては、大企業は引き続き「改善」超で推移する見通し、中堅企業は十六年一〜三月期に「改善」超に転じる見通し、中小企業は引き続き「悪化」超で推移する見通しとなっている。
 十五年十二月末時点の金融機関からの設備資金借入判断BSI(前期比「増加」−「減少」社数構成比・季節調整済)を全産業でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも「減少」超となっている。
 先行きについては、いずれの規模においても「減少」超で推移する見通しとなっている。

◇中期的な経営課題第2図参照

 中期的な経営課題(一社二項目以内回答)を全産業でみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも「国内販売体制、営業力の強化」をあげる企業が最も多く、次いで、大企業、中堅企業は「新技術、新製品の開発、製品(サービス)の高付加価値化」、中小企業は「後継者、人材の確保、育成」の順となっている。
 業種別にみると、製造業では、大企業、中堅企業は「新技術、新製品の開発、製品(サービス)の高付加価値化」、中小企業は「国内販売体制、営業力の強化」が最も多く、次いで、大企業、中堅企業は「国内工場・営業所の再編、生産・流通工程の見直し等によるコストの低減」、中小企業は「新技術、新製品の開発、製品(サービス)の高付加価値化」の順となっている。非製造業では、いずれの規模においても「国内販売体制、営業力の強化」をあげる企業が多い。




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十月の雇用・失業の動向


―労働力調査平成十五年十月等結果の概要―


総 務 省


◇就業状態別の人口

 平成十五年十月末の就業状態別人口をみると、就業者は六千三百三十七万人、完全失業者は三百四十三万人、非労働力人口は四千二百八十九万人と、前年同月に比べそれぞれ十八万人(〇・三%)減、十九万人(五・二%)減、六十五万人(一・五%)増となっている。

◇就業者

(1) 就業者

 就業者数は六千三百三十七万人と、前年同月に比べ十八万人(〇・三%)の減少となり、三か月連続で前年同月の水準を下回った。男女別にみると、男性は三千七百二十一万人、女性は二千六百十七万人で、前年同月と比べると、男性は二十万人(〇・五%)減、女性は三万人(〇・一%)増となっている。

(2) 従業上の地位

 就業者数を従業上の地位別にみると、雇用者は五千三百三十二万人、自営業主・家族従業者は九百七十九万人となっている。前年同月と比べると、雇用者は四万人(〇・一%)減、自営業主・家族従業者は十六万人減となり、雇用者は三か月連続で前年同月の水準を下回った。
 雇用者のうち、非農林業雇用者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○非農林業雇用者…五千二百九十三万人と、四万人(〇・一%)減、三か月連続の減少
 ・常 雇…四千五百五十六万人と、五万人(〇・一%)減、四か月連続の減少
 ・臨時雇…六百十四万人と、三万人(〇・五%)減、三か月連続の減少
 ・日 雇…百二十三万人と、四万人(三・四%)増、二か月連続の増加

(3) 産 業

 主な産業別就業者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○農林業…二百七十万人と、一万人(〇・四%)減少
○建設業…六百十六万人と、二十六万人(四・〇%)減少
○製造業…一千百七十万人と、六万人(〇・五%)減少
○運輸業…三百四十三万人と、十三万人(三・九%)増加
○卸売・小売業…一千百三十一万人と、二十二万人(一・九%)減少
○飲食店,宿泊業…三百五十六万人と、九万人(二・五%)減少
○医療,福祉…五百十三万人と、三十三万人(六・九%)増加
○サービス業…八百四十八万人と、五万人(〇・六%)増加
 また、主な産業別雇用者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○建設業…五百十二万人と、十三万人(二・五%)減少
○製造業…一千七十八万人と、五万人(〇・五%)減少
○運輸業…三百二十万人と、十三万人(四・二%)増加
○卸売・小売業…九百七十三万人と、二十一万人(二・一%)減少
○飲食店,宿泊業…二百六十二万人と、五万人(一・九%)減少
○医療,福祉…四百七十五万人と、三十二万人(七・二%)増加
○サービス業…六百八十二万人と、八万人(一・二%)増加
 (注) 日本標準産業分類の改訂に伴い、平成十五年一月結果の公表以降、新産業分類で表章している。

(4) 従業者規模

 企業の従業者規模別非農林業雇用者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○一〜二十九人規模…一千七百十八万人と、二十七万人(一・五%)減、二か月ぶりの減少
○三十〜四百九十九人規模…一千七百八十九万人と、三万人(〇・二%)減、四か月連続の減少
○五百人以上規模…一千二百九万人と、十五万人(一・三%)増、十か月連続の増加

(5) 就業時間

 十月末一週間の就業時間階級別の従業者数(就業者から休業者を除いた者)及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○一〜三十五時間未満…一千四百四十八万人と、七万人(〇・五%)増加
 ・うち一〜三十時間未満…一千六十八万人と、九万人(〇・八%)増加
○三十五時間以上…四千七百七十五万人と、十六万人(〇・三%)減少
 ・うち四十九時間以上…一千八百九十万人と、二万人(〇・一%)減少
 また、非農林業の従業者一人当たりの平均週間就業時間は四二・七時間で、前年同月と比べ〇・二時間の減少となっている。

◇完全失業者

(1) 完全失業者数

 完全失業者数は三百四十三万人と、前年同月に比べ十九万人(五・二%)減となり、五か月連続で前年同月の水準を下回った。男女別にみると、男性は二百十一万人、女性は百三十二万人で、前年同月に比べ、男性は十四万人(六・二%)の減少、女性は五万人(三・六%)の減少となっている。
 また、求職理由別完全失業者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○定年等…三十七万人と、一万人増加
○勤め先都合…百四万人と、十四万人減少
○自己都合…百十八万人と、五万人減少
○学卒未就職…十五万人と、同数
○新たに収入が必要…四十万人と、三万人減少
○その他…二十六万人と、同数

(2) 完全失業率(季節調整値)

 季節調整値でみた完全失業率(労働力人口に占める完全失業者の割合)は五・二%と前月に比べ〇・一ポイントの上昇となっている。男女別にみると、男性は五・四%、女性は四・九%と、前月に比べ男性は〇・一ポイントの低下、女性は〇・二ポイントの上昇となっている。

(3) 完全失業率(原数値)

 完全失業率は五・一%と、前年同月に比べ〇・三ポイントの低下となっている。男女別にみると、男性は五・四%、女性は四・八%と、男性は〇・三ポイントの低下、女性は〇・二ポイントの低下となっている。

(4) 年齢階級別完全失業者数及び完全失業率(原数値)

 年齢階級別完全失業者数、完全失業率及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
 [男]
○十五〜二十四歳…三十六万人(一万人増)、一〇・六%(〇・七ポイント上昇)
○二十五〜三十四歳…五十六万人(一万人減)、六・一%(〇・一ポイント低下)
○三十五〜四十四歳…二十九万人(六万人減)、三・六%(〇・八ポイント低下)
○四十五〜五十四歳…三十三万人(六万人減)、三・八%(〇・五ポイント低下)
○五十五〜六十四歳…四十八万人(一万人減)、六・七%(〇・四ポイント低下)
 ・五十五〜五十九歳…二十一万人(三万人増)、四・九%(〇・四ポイント上昇)
 ・六十〜六十四歳…二十八万人(二万人減)、九・七%(〇・八ポイント低下)
○六十五歳以上…九万人(一万人減)、三・〇%(〇・二ポイント低下)
 [女]
○十五〜二十四歳…二十四万人(一万人減)、七・七%(〇・一ポイント上昇)
○二十五〜三十四歳…四十四万人(三万人減)、七・一%(〇・四ポイント低下)
○三十五〜四十四歳…二十七万人(三万人増)、四・九%(〇・四ポイント上昇)
○四十五〜五十四歳…十九万人(五万人減)、三・〇%(〇・六ポイント低下)
○五十五〜六十四歳…十八万人(二万人増)、四・〇%(〇・二ポイント上昇)
 ・五十五〜五十九歳…十一万人(二万人増)、四・〇%(〇・五ポイント上昇)
 ・六十〜六十四歳…七万人(同数)、四・〇%(〇・一ポイント低下)
○六十五歳以上…一万人(一万人減)、〇・六%(〇・五ポイント低下)

(5) 世帯主との続き柄別完全失業者数

 世帯主との続き柄別完全失業者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○世帯主…九十二万人と、六万人減少
○世帯主の配偶者…四十五万人と、四万人減少
○その他の家族…百五十九万人と、一万人減少
○単身世帯…四十七万人と、八万人減少

―詳細結果平成十五年七〜九月平均の概要―

◇就業者

(1) 雇用形態別の構成

 役員を除く雇用者四千九百八十七万人のうち、正規の職員・従業員は三千四百八十万人となっている。一方、パート・アルバイト、契約社員、派遣社員等の非正規の職員・従業員は一千五百八万人となっている。
 役員を除く雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合は三〇・二%となっており、前年同期に比べると、〇・四ポイント上昇した。これを男女別にみると、男性は一五・一%、女性は五〇・八%と、女性の割合が高くなっている。

(2) 転職者

 転職者のうち、転職で収入が減った者は四三・九%、収入が増えた者は二九・一%となっている。
 これを年齢階級別にみると、男性の十五〜二十四歳を除く各年齢階級で、収入減の割合が収入増の割合を上回っている。
 また、女性の十五〜二十四歳及び三十五〜四十四歳を除く各年齢階級で、収入減の割合が収入増の割合を上回っている。

◇完全失業者

(1) 失業期間

 失業期間別に完全失業者の割合をみると、「一年以上」が三四・三%と最も高く、次いで「三か月未満」が三二・二%となっている。
 これを前年同期と比べると、「三か月未満」が〇・七ポイント、「三〜六か月未満」が一・六ポイント、「六か月〜一年未満」が二・六ポイントそれぞれ低下した。一方、「一年以上」が四・八ポイント上昇し、完全失業者の失業期間の長期化傾向がみられる。

(2) 仕事につけない理由

 完全失業者について、仕事につけない理由の割合を年齢階級別にみると、四十五歳以上の各年齢階級では「求人の年齢と自分の年齢とがあわない」の割合が最も高くなっており、特に五十五歳以上では五二・一%を占めている。
 一方、四十四歳以下の各年齢階級では「希望する種類・内容の仕事がない」の割合が最も高くなっている。

◇非労働力人口

 非労働力人口四千二百六十万人のうち、就業希望者は五百三十一万人となっており、前年同期と比べると十一万人増加している。また、これを非求職理由別にみると、「家事・育児のため仕事が続けられそうにない」は百二十八万人と最も多くなっているものの、前年同期と比べて十三万人の減少となった。












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賃金、労働時間、雇用の動き


毎月勤労統計調査平成十五年十月分結果速報


厚生労働省


 「毎月勤労統計調査」平成十五年十月分結果の主な特徴点は次のとおりである。

◇賃金の動き

 十月の調査産業計の常用労働者一人平均月間現金給与総額は二十八万四千四百六十九円、前年同月比〇・一%減であった。現金給与総額のうち、きまって支給する給与は二十七万九千二百九円、前年同月比〇・四%減であった。これを所定内給与と所定外給与とに分けてみると、所定内給与は二十六万四百四十六円、前年同月比〇・五%減、所定外給与は一万八千七百六十三円、前年同月比は二・六%増であった。
 また、特別に支払われた給与は五千二百六十円、前年同月比は一八・一%増であった。
 実質賃金は、前年同月と同水準であった。
 きまって支給する給与の動きを産業別に前年同月比によってみると、伸びの高い順に金融・保険業及び不動産業三・七%増、製造業一・〇%増、建設業〇・五%増、サービス業〇・六%減、運輸・通信業〇・七%減、電気・ガス・熱供給・水道業一・九%減、卸売・小売業,飲食店二・九%減、鉱業五・八%減であった。

◇労働時間の動き

 十月の調査産業計の常用労働者一人平均月間総実労働時間は百五十六・五時間、前年同月比一・一%増であった。
 総実労働時間のうち、所定内労働時間は百四十六・三時間、前年同月比一・〇%増、所定外労働時間は十・二時間、前年同月比四・〇%増、所定外労働時間の季節調整値の前月比は〇・八%増であった。
 製造業の所定外労働時間は十五・六時間、前年同月比八・三%増、季節調整値の前月比は一・八%増であった。

◇雇用の動き

 十月の調査産業計の雇用の動きを前年同月比によってみると、常用労働者全体で〇・三%減、常用労働者のうち一般労働者では一・二%減、パートタイム労働者では二・六%増であった。
 常用労働者全体の雇用の動きを産業別に前年同月比によってみると、前年同月を上回ったものは鉱業三・七%増、サービス業一・六%増、運輸・通信業は前年同月と同水準であった。前年同月を下回ったものは卸売・小売業,飲食店〇・八%減、不動産業一・〇%減、建設業一・五%減、製造業一・八%減、金融・保険業二・六%減、電気・ガス・熱供給・水道業三・九%減であった。
 主な産業の雇用の動きを一般労働者・パートタイム労働者別に前年同月比によってみると、製造業では一般労働者二・一%減、パートタイム労働者〇・一%減、卸売・小売業,飲食店では一般労働者三・三%減、パートタイム労働者二・四%増、サービス業では一般労働者〇・七%増、パートタイム労働者五・二%増であった。










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労働経済動向調査


平成十五年十一月結果の概況


厚生労働省


T 調査の概要

 労働経済動向調査は、生産、販売活動及びそれに伴う雇用、労働時間などの現状と今後の短期的見通しなどを把握するため、全国の建設業、製造業、運輸・通信業、卸売・小売業,飲食店、金融・保険業、不動産業及びサービス業に属する常用労働者三十人以上を雇用する民営事業所五千三百五十八事業所を対象として、年四回実施(通信調査方式)しているもので、平成十五年十一月一日現在の調査結果である。
 (注) 平成十一年二月の調査から、調査対象産業を従来の五産業に金融・保険業、不動産業を追加し七産業とした。

U 結果の要旨

一 生産・売上、所定外労働時間、雇用
(1) 生産・売上
《製造業、サービス業の実績でプラスに転じる》
 生産・売上判断D.I.(平成十五年七〜九月期実績)は、製造業で六ポイント、卸売・小売業,飲食店でマイナス八ポイント、サービス業で二ポイントとなり、製造業、サービス業でプラスに転じた。先行きは、十五年十〜十二月期実績見込は、製造業でプラス、卸売・小売業,飲食店、サービス業でマイナス、十六年一〜三月期見込は、製造業でプラスとなっている(第1表参照)。
(2) 所定外労働時間
《三産業の実績でプラス》
 所定外労働時間判断D.I.(十五年七〜九月期実績)は、製造業で六ポイント、卸売・小売業,飲食店で六ポイント、サービス業で四ポイントとなり、製造業、サービス業でプラスに転じた。先行きは、十五年十〜十二月期実績見込は卸売・小売業,飲食店、サービス業でマイナスとなっている。十六年一〜三月期見込は三産業でマイナスとなっているがマイナス幅は縮小している(第1表参照)。
(3) 常用雇用
《製造業、卸売・小売業,飲食店の実績でマイナス幅縮小》
 常用雇用判断D.I.(十五年七〜九月期実績)は、製造業でマイナス十一ポイント、卸売・小売業,飲食店でマイナス十一ポイント、サービス業でマイナス十五ポイントとなり、製造業、卸売・小売業,飲食店でマイナス幅が縮小した。先行きは、十五年十〜十二月期実績見込、十六年一〜三月期見込とも三産業でマイナスとなっている(第1表参照)。
(4) パートタイム雇用
《サービス業の実績でプラスに転じる》
 パートタイム雇用判断D.I.(十五年七〜九月期実績)は、製造業でマイナス四ポイント、卸売・小売業,飲食店で〇ポイント、サービス業で三ポイントとなり、サービス業でプラスに転じた。先行きは、十五年十〜十二月期実績見込で、製造業、卸売・小売業,飲食店でマイナス、サービス業でプラス、十六年一〜三月期見込は製造業でプラス、サービス業でマイナスとなっている(第1表参照)。

二 労働者の過不足状況
(1) 常用労働者
《不足に転じる》
 十一月現在の常用労働者過不足判断D.I.により、雇用過剰感の動向をみると、調査産業計では前期の過剰(マイナス五ポイント)から不足(一ポイント)に転じている。産業別にみると、運輸・通信業、サービス業では不足感が強まり、建設業、製造業では過剰感が弱まっている(第1図参照)。
(2) パートタイム労働者
《不足感強まる》
 十一月現在のパートタイム労働者過不足判断D.I.により、雇用過剰感の動向をみると、調査産業計ではプラス十一ポイントと前期(プラス五ポイント)と比べると不足感が強まっている。産業別にみると、製造業で不足に転じ、運輸・通信業、卸売・小売業,飲食店、不動産業、サービス業で不足感が強まっている。

三 雇用調整
(1) 実施割合
《実績で低下》
 雇用調整を実施した事業所の割合(平成十五年七〜九月期実績)は、調査産業計で一九%と前期と比べると三ポイント低下した。産業別にみると建設業、製造業、運輸・通信業で低下した(第2図参照)。
(2) 実施方法
 雇用調整の実施方法は、調査産業計では残業規制(九%)の割合が高く、次いで配置転換(六%)、休日の振替、夏季休暇等の休日・休暇の増加(四%)及び出向(四%)となっている。

四 中途採用
《やや低下》
 「中途採用あり」とした事業所割合(平成十五年七〜九月期実績)は、調査産業計で四五%と前年同期(十四年七〜九月期実績)と比べるとやや低下している。産業別にみると、製造業で横ばい、運輸通信業、金融・保険業で前年を上回っているほかは、すべての産業で下回っている。

五 事業の見直しと雇用面での対応
(1) 事業の見直し実施状況
《実施した事業所割合は低下》
 過去一年間に事業の見直しを実施した事業所割合は調査産業計で二八%となっている。前年同期と比べると六ポイントの低下となった。産業別では建設業が三四%と最も高く、前年同期と比べると金融・保険業で一ポイント上昇しているのを除き、すべての産業で低下している。また、今後一年間に事業の見直しを実施する予定の事業所割合は調査産業計で二一%となっている。
(2) 事業の見直し方法
《「不採算事業部門の縮小」及び「組織再編成による管理事務部門の縮小」が低下》
 過去一年間に事業の見直しを実施した事業所における見直し方法は、調査産業計では「組織再編成による管理事務部門の縮小」(八%)の割合が高く、次いで「不採算事業部門の縮小」(七%)となっている。前年同期と比べると「不採算事業部門の縮小」三ポイント、「組織再編成による管理事務部門の縮小」及び「下請・外注の縮小」でそれぞれ二ポイント低下し、その他の方法別では一ポイントの低下又は横ばいとなっている。また、今後一年間の実施予定事業所における見直し方法については、調査産業計では「新規部門(市場)への進出」、「組織再編成による管理事務部門の縮小」及び「不採算事業部門の縮小」でそれぞれ五%となっている。
(3) 事業の見直しに伴う雇用面での対応方法
《配置転換の割合が高い》
 過去一年間に事業の見直しを実施した事業所における雇用面での対応方法は、調査産業計で「配置転換」(一一%)の割合が高く、次いで「中途採用の実施・拡大」(六%)及び「賃金制度の見直し」(六%)となっている。
 前年同期と比べると「中途採用の実施・拡大」で一ポイント増加し、「配置転換」及び「希望退職者の募集、解雇等による従業員の削減」でそれぞれ三ポイントの減少となっている。
 また、今後一年間の実施予定事業所における雇用面での対応方法については、調査産業計で「配置転換」八%となっている。




三月の気象


◇天気の特徴
 三月は大陸から流れ出る寒冷な冬の季節風が衰え、夏の季節風に入れ替わる時期にあたります。その交代の様子を、青森と東京の日照時間、降水量、平均気温の比較によってみてみましょう。
 青森市では、二月から三月にかけて日照時間が二倍に増え、降水量(主として冬の季節風による雪)が半分近くに減ります。平均気温も一月・二月の氷点下から抜け出します。三月の青森は、「雪解け」「風光る」「山笑う」などの季語がよく当てはまります。一方、東京都千代田区では、二月から三月にかけて、降水量が二倍に増えます。二月までの冬晴れが影をひそめ、三月は低気圧が本州の南岸沿いを通過しやすくなるためです。

◇三月の気象災害
 三月は近年でこそ大きな災害が発生しておらず、梅雨期から秋にかけての大雨や台風による災害ほど目立つことはありませんが、過去にはいくつも大きな災害が発生しています。
 三月の災害は『風』で特徴づけられます。東京における日最大風速が十メートル/秒以上の日数の平年値をみると、三月が四・二日と一年で最も多くなっています。また、月平均風速でも三月が最も強く、この傾向は東京ばかりでなく、函館や仙台、広島や福岡でもみられます。
 このように風の強い日が多いのは、日本付近で暖かい空気と冷たい空気がせめぎあっているからで、寒暖気の境目で発生し発達する低気圧によって思わぬ災害が発生することがあります。
 二万戸を超える焼失家屋と二千人を超える死者を出した一九三四年三月二十一日の函館大火は、日本海で急速に発達した低気圧による強い南よりの風の中で発生しました。函館では出火直後に最大風速、南南西二四・二メートル/秒の強い風を観測しています。
 また、強い南よりの風と暖かい雨は、それまでに降り積もっている雪を解かし、泥流や地すべり、なだれを発生させることがあります。現在の青森県鯵ヶ沢町では、一九四五年三月二十二日に低気圧による暖気と雨による雪泥流で一つの集落が壊滅的な被害を受け、八十八人もの人命が失われました。
 このほか、本州中部の山岳地帯や北海道でなだれや融雪によって大きな災害が発生するのも、三月が多くなっています。
 三月に入ると日差しが強まり、気温も上昇してくることから、外出する機会も増えてきます。しかし、こうした穏やかな季節の変化の中にも思わぬ落とし穴が潜んでいることがあります。気象による災害や事故から身を守るために、常に最新の気象情報を確認するなど、慎重な行動が必要です。
(気象庁資料から転載)




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消費支出(全世帯)は実質〇・八%の減少


―平成十五年十月分家計収支―


総 務 省


◇全世帯の家計

 前年同月比でみると、全世帯の一世帯当たりの消費支出は、平成十五年八月には実質増加となったが、九月、十月と二か月連続の実質減少となった。
 内訳をみると、教養娯楽、家具・家事用品などが実質減少となった。

◇勤労者世帯の家計

 前年同月比でみると、勤労者世帯の実収入は、平成十四年四月以降十九か月連続の実質減少となった。
 また、消費支出は、平成十五年八月には実質増加となったが、九月、十月と二か月連続の実質減少となった。

◇勤労者以外の世帯の家計

 勤労者以外の世帯の消費支出は、一世帯当たり二十七万三千百二十四円となり、前年同月に比べ、名目〇・四%の減少、実質〇・三%の減少となった。

◇季節調整値の推移(全世帯・勤労者世帯)

 季節調整値でみると、全世帯の消費支出は前月に比べ実質一・二%の減少となった。
 また、勤労者世帯の消費支出は前月に比べ実質一・四%の減少となった。













   <3月10日号の主な予定>

 ▽第百五十九回国会内閣が提出を予定している法律案・条約要旨調………内閣官房 




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