官報資料版 平成10





平成九年の雇用・失業の動向


―労働力調査 平成九年平均結果の概要―


総 務 庁


◇労働力人口

 平成九年平均の十五歳以上人口は一億六百六十一万人(男子:五千百八十万人、女子:五千四百八十一万人)となっている。
 このうち、労働力人口(就業者と完全失業者の合計)は六千七百八十七万人で、前年に比べ七十六万人の増加となっている。男女別にみると、男子は四千二十七万人、女子は二千七百六十万人で、前年に比べ男子は三十五万人増加、女子は四十一万人増加となっている。また、非労働力人口は三千八百六十三万人で、前年に比べ十一万人の増加となっている。
 労働力人口比率(十五歳以上人口に占める労働力人口の割合)について、平成九年の月別の動きをみると、男子は前年同月に比べ一月から六月まで上昇していたが、年の後半は低下している。一方、女子は年間を通じて上昇傾向で推移した。この結果、平成九年平均の労働力人口比率は、男子が七七・七%、女子が五〇・四%で、前年に比べ男子は同率、女子は〇・四ポイントの上昇となっている。
 また、労働力人口比率の男女計は六三・七%で、八年に続き二年連続の上昇となっている。八年の上昇は男子の寄与によるが、九年は女子の労働市場への参加が活発だったことを反映したものであり、八年の上昇幅(〇・一ポイント)を上回る〇・二ポイントの上昇となっている。

◇就業者

 (一) 就業者

 就業者数について、平成九年の月別の動きをみると、年間を通じて前年同月比で増加となっている。月別の増加幅をみると、年の前半は高く、二月及び五月には百万人を超える増加を記録したが、六月から九月にかけて増加幅が毎月二十万人程度ずつ縮小するなど、後半は縮小し、前半の半分程度となっている。この結果、平成九年平均の就業者数は六千五百五十七万人で、前年に比べ七十一万人増となり、増加幅は前年(二十九万人増)に比べ拡大している。
 男女別にみると、男子は年の前半は前年同月比で四十五万人を上回る増加で推移したが、後半は増加幅は急速に縮小し、九月は減少、十一月及び十二月は一桁台の増加となっている。一方、女子は年間を通じて堅調な増加で推移している。平成九年平均の男子就業者数は三千八百九十二万人、女子就業者数は二千六百六十五万人で、前年に比べそれぞれ三十四万人増、三十八万人増となり、男子就業者数が前年比で初めて減少となった平成六年以来三年ぶりに女子就業者の伸びが男子を上回った(第1図参照)。

 (二) 従業上の地位別就業者

 就業者を従業上の地位別に、平成九年の月別の動きをみると、雇用者数は年間を通じて前年同月比で増加となっている。増加幅は一月及び二月に百万人を超えていたが、その後、縮小傾向となり、十一月及び十二月には四十万人台となっている。また、自営業主・家族従業者は前年同月比で年の前半は増加傾向となっていたが、後半は減少傾向となっている。この結果、平成九年平均の雇用者数は五千三百九十一万人で、前年に比べ六十九万人の増加、自営業主・家族従業者は一千百四十八万人で、前年に比べ一万人の微増となり、就業者に占める雇用者の割合(雇用者比率)は八二・二%で、前年(八二・一%)に比べ〇・一ポイントの上昇となっている。
 雇用者のうち非農林業雇用者について、常雇、臨時雇、日雇に分けてみると、平成九年平均では、常雇が四千七百六十八万人、臨時雇が四百七十万人、日雇が百二十一万人で、前年に比べそれぞれ三十九万人増、二十七万人増、五万人増となっている。増加幅は、常雇は前年(四十三万人増)に比べ縮小しているのに対し、臨時雇及び日雇は前年(それぞれ十五万人増、一万人増)に比べ拡大している。

 (三) 産業別就業者

 主な産業別就業者数の平成九年の月別の動き及び年平均は、次のとおりとなっている。
○農林業…農林業の就業者数は、前年同月比で年間を通じて減少傾向で推移している。年平均の就業者数は三百二十四万人で、前年に比べ六万人の減少となっており、減少幅は前年(十万人減)に比べ縮小している。
○建設業…建設業の就業者数は、前年同月比で一月から十月まで増加で推移したが、十一月及び十二月は減少となっている。年平均の就業者数は六百八十五万人で、前年に比べ十五万人の増加となっており、増加幅は前年(七万人増)に比べ拡大している。
○製造業…製造業の就業者数は、前年同月比で一月から五月までは増加で推移したが、六月以降は減少となっている。減少幅は九月及び十月には三十万人台となったが、その後、年末にかけて縮小傾向がみられる。年平均の就業者数は一千四百四十二万人で、前年に比べ三万人の減少となっており、減少幅は前年(十一万人減)に比べ縮小している。
   なお、製造業の就業者数は平成五年以降五年連続して減少となっている。
○運輸・通信業…運輸・通信業の就業者数は、前年同月比で四月から七月は減少、その他の月は増加となっている。年平均の就業者数は四百十二万人で、前年に比べ一万人の微増となっており、増加幅は前年(九万人増)に比べ縮小している。
○卸売・小売業、飲食店…卸売・小売業、飲食店の就業者数は、前年同月比で六月まで増加で推移した後、七月には減少となり、その後、十一月まで一桁台の増減で推移したが、十二月は十七万人の増加となっている。年平均の就業者数は、一千四百七十五万人で、前年に比べ十二万人の増加と、増加幅は前年(十四万人)に比べ縮小している。
○サービス業…サービス業の就業者数は、前年同月比で年間を通じて堅調な増加で推移しており、増加幅は一月と五月の十万人台を除き四十万人を超えている。年平均の就業者数は一千六百四十八万人で、前年に比べ五十万人増と、昭和三十四年以降一貫して増加しており、増加幅も前年(三十二万人増)に比べ拡大し、就業者全体の増加の牽引役となっている(第2図参照)。

 (四) 職業別就業者

 主な職業別就業者数の平成九年平均及び対前年増減は、次のとおりとなっている。
○専門的・技術的職業従事者…専門的・技術的職業従事者は八百二十四万人で、前年に比べ二十万人の増加と、昭和四十九年以降一貫して増加が続いている。増加幅は、前年(十四万人増)に比べ拡大している。
○管理的職業従事者…管理的職業従事者は二百二十六万人で、前年に比べ十四万人の減少と、平成六年以来三年ぶりに減少となっている。
○事務従事者…事務従事者は一千二百七十三万人で、前年に比べ十万人の増加と、昭和六十三年以降増加が続いている。増加幅は、前年(十一万人増)に比べわずかに縮小している。
○販売従事者…販売従事者は九百四十万人で、前年に比べ七万人の増加と、前年の十二万人減から増加に転じている。
○保安職業、サービス職業従事者…保安職業、サービス職業従事者は六百三十七万人で、前年に比べ十九万人の増加と、平成元年以降増加が続いている。増加幅は、前年(八万人増)に比べ拡大している。
○農林漁業作業者…農林漁業作業者は三百四十六万人で、前年に比べ六万人の減少と、昭和五十四年以降減少が続いている。減少幅は前年(十一万人減)に比べ縮小している。
○運輸・通信従事者…運輸・通信従事者は二百四十一万人で、前年に比べ一万人の増加と、平成五年以降増加が続いている。増加幅は、前年(三万人増)に比べ縮小している。
○技能工、製造・建設作業者…技能工、製造・建設作業者は一千七百六万人で、前年に比べ二十万人の増加と、平成四年以来五年ぶりの増加となっている(第3図参照)。

 (五) 企業の従業者階級別雇用者

 非農林業の雇用者数を企業の従業者階級別(官公は除く)にみると、平成九年の月別の動き及び年平均は次のとおりとなっている。
○一〜二十九人規模…「一〜二十九人規模」では、前年同月比で八月までは増加で推移したが、九月以降減少となっている。年平均の「一〜二十九人規模」の非農林業雇用者数は一千七百五十四万人で、前年に比べ十九万人の増加となっている。増加幅は、前年(三十万人増)に比べ縮小している。
○三十〜四百九十九人規模…「三十〜四百九十九人規模」では、前年同月比で十一月までは増加で推移したが、十二月は減少となっている。年平均の「三十〜四百九十九人規模」の非農林業雇用者数は一千七百七十八万人で、前年に比べ二十九万人の増加となっている。増加幅は、前年(四十六万人増)に比べ縮小している。
○五百人以上規模…「五百人以上規模」では、前年同月比で五月から八月の年央で減少となっているが、その他の月は増加となっている。年平均の「五百人以上規模」の非農林業雇用者数は一千二百六十一万人で、前年に比べ九万人の増加と、平成六年以来三年ぶりの増加となっている(第4図参照)。

 (六) 就業時間

・平均週間就業時間
 非農林業の従業者(就業者から休業者を除いた者)一人当たりの平均週間就業時間は、平成元年以降、労働基準法の改正で週四十時間制の原則が定められた(昭和六十三年)こと等により減少傾向で推移し、九年平均は四二・七時間と、前年に比べ〇・六時間の減少となっている。このうち雇用者についてみると四二・六時間で、前年に比べ〇・七時間の減少となっている。男女別にみると、男子は四六・六時間、女子は三六・六時間で、前年に比べ男女共に〇・六時間の減少となっている。
・延べ週間就業時間
 非農林業従業者の延べ週間就業時間(平均週間就業時間×従業者総数)をみると二六・一三億時間で、前年と比べ〇・〇六億時間の減少となっている。このうち、雇用者についてみると二二・五二億時間で、前年に比べ〇・〇四億時間の減少と、平成五年以来四年ぶりに減少となっている(第5図参照)。

 (七) 転職希望者及び追加就業希望者

・転職希望者
 就業者(六千五百五十七万人)のうち、転職を希望している者(転職希望者)は五百六十九万人で、このうち実際に求職活動を行っている者は二百二十万人となっており、前年に比べそれぞれ二十六万人、十二万人の増加となっている。
 また、就業者に占める転職希望者の割合(転職希望者比率)を男女別にみると、男子は八・六%、女子は八・八%で、前年(それぞれ八・二%、八・六%)に比べ男女共に上昇しており、共に比較可能な昭和四十三年以降で最も高い水準となっている。
・追加就業希望者
 就業者のうち、現在の仕事を継続しながら別の仕事もしたいと希望している者(追加就業希望者)は二百四十八万人で、このうち実際に求職活動を行っている者は百十二万人となっており、前年に比べそれぞれ二十二万人、十一万人の増加となっている。
 また、就業者に占める追加就業希望者の割合(追加就業希望者比率)を男女別にみると、男子は三・五%、女子は四・二%で、男子は平成元年以来八年ぶり、女子は平成六年以来三年ぶりに上昇となっている(第6図参照)。

◇完全失業者

 (一) 完全失業者及び完全失業率

・完全失業者
 完全失業者数の月別の動きをみると、前年同月比で年間を通じておおむね増加で推移している。月別にみると、平成八年の十一月から九年一月にかけては前年同月比で減少となっていたが、その後、四月を除き増加で推移した。増加幅は、年の前半は一桁の増加となっていたが、後半に拡大し、九月、十一月及び十二月は十万人を上回る増加となっている。この結果、平成九年平均の完全失業者数は二百三十万人となり、前年に比べ五万人の増加となっている。
 なお、完全失業者数は平成三年以降七年連続して増加となっており、比較可能な昭和二十八年以降で最も多くなっている。
 男女別にみると、男子は年の前半は前年同月比で減少傾向で推移したが、後半は増加に転じている。一方、女子は年間を通じて増加傾向で推移している。この結果、平成九年平均の男子の完全失業者数は百三十五万人で、前年に比べ一万人の微増、女子は九十五万人で四万人の増加と、男女共に増加となっている。
 なお、増加幅は、男子は前年(十一万人増)に比べ縮小している。一方、女子は前年と同数(増減なし)となっている。
・完全失業率
 完全失業率(労働力人口に占める完全失業者の割合)の平成九年の月別の動きを季節調整値でみると、四月までは三・三%の水準にあったが、その後、五月、六月、十月及び十一月には三・五%と、比較可能な昭和二十八年以降で最も高い水準と同率(平成八年五月、六月と同率)を記録するなど、高い水準で推移している。
 この結果、平成九年平均の完全失業率は三・四%で、最も高い水準であった前年と同率となっている。男女別にみると、男女共に三・四%で、男子は最も高い水準であった前年と同率、女子は〇・一ポイント上昇し、比較可能な昭和二十八年以降で最も高い水準となっている(第7図参照)。

 (二) 年齢階級別完全失業率

 平成九年平均の男女別の完全失業率を年齢十歳階級別にみると、男女共に十五〜二十四歳(男子六・九%、女子六・三%)が最も高くなっている。次いで、男子は五十五〜六十四歳(五・〇%)が定年後の再就職希望等により高く、以下、二十五〜三十四歳(三・三%)、三十五〜四十四歳及び四十五〜五十四歳(共に二・一%)、六十五歳以上(二・〇%)となっている。一方、女子は二十五〜三十四歳(五・五%)が次に高く、以下、五十五〜六十四歳(二・五%)、三十五〜四十四歳(二・四%)、四十五〜五十四歳(二・〇%)、六十五歳以上(〇・六%)となっている。
 前年に比べると、男子は五十五〜六十四歳及び六十五歳以上が〇・一ポイント低下、二十五〜三十四歳及び三十五〜四十四歳が同率となっているが、十五〜二十四歳及び四十五〜五十四歳が〇・一ポイントの上昇となっている。一方、女子は十五〜二十四歳が〇・四ポイント、三十五〜四十四歳が〇・二ポイント、五十五〜六十四歳が〇・一ポイントそれぞれ低下、四十五〜五十四歳及び六十五歳以上が同率となっているが、二十五〜三十四歳は〇・三ポイントの上昇となっている(第8図参照)。

 (三) 世帯主との続き柄別完全失業率

 完全失業率を世帯主との続き柄別にみると、平成九年平均では、一般世帯(二人以上の世帯)は、世帯主が二・三%、世帯主の配偶者が二・〇%、「その他の家族」が五・六%となっている。
 前年に比べると、世帯主が〇・一ポイントの低下、世帯主の配偶者が同率、「その他の家族」が〇・一ポイントの上昇となっている。
 また、単身世帯は四・四%で、前年と同率となっている。
 なお、「その他の家族」は平成四年以降六年連続して上昇している(第9図参照)。

 (四) 求職理由別完全失業者

 完全失業者を求職理由別にみると、平成九年平均では、勤め先や事業の都合(人員整理・事業不振・定年等)により前職を離職した「非自発的な離職による者」は五十四万人、自分又は家族の都合により前職を離職した「自発的な離職による者」は九十五万人、学校を卒業して新たに仕事を探し始めた「学卒未就職者」は十二万人、収入を得たい、時間に余裕ができた等の理由で仕事を探し始めた「その他の者」は五十九万人となっている。
 前年と比べると、非自発的な離職による者は五万人減、学卒未就職者は一万人減となっており、共に平成三年以来六年ぶりの減少となっている。
 一方、自発的な離職による者は八万人増で、平成三年以降七年連続の増加、「その他の者」は四万人増で五年以降五年連続の増加となっている。
 非自発的な離職による者及び自発的な離職による者について、月別の動きでみると、非自発的な離職による者は、前年同月比で九月まで減少傾向で推移したが、十月以降は増加となっており、増加幅も年末にかけ拡大傾向となっている。一方、自発的な離職による者は、前年同月比で年間を通じて増加で推移しており、五月及び八月から十月には昭和五十九年調査開始以来初めて百万人台を記録した(第10図参照)。

 (五) 求職理由、年齢階級別完全失業者

 完全失業者について、求職理由と年齢階級との関連でみると、十五〜三十四歳及び三十五〜五十四歳の年齢階級では自発的な離職による者が最も多くなっているが、五十五歳以上の年齢層では非自発的な離職による者が最も多くなっている。
 また、非自発的な離職による者について、その推移をみると、十五〜三十四歳及び三十五〜五十四歳では平成五年から七年までは増加傾向で推移したが、八年から二年連続して減少となっている。また、五十五歳以上では、平成四年から八年までは増加で推移したが、九年は六年ぶりに減少となっている。
 一方、自発的な離職による者は、十五〜三十四歳では平成二年から、三十五〜五十四歳では三年から増加傾向で推移しており、特に十五〜三十四歳では大きな増加が続いている(第11図参照)。





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十二月の雇用・失業の動向


―労働力調査 平成九年十二月分結果の概要―


総 務 庁


◇就業状態別の動向

 平成九年十二月の十五歳以上人口は、一億六百八十万人(男子:五千百九十一万人、女子:五千四百九十万人)となっている。
 これを就業状態別にみると、労働力人口(就業者と完全失業者の合計)は六千七百二十六万人、非労働力人口は三千九百四十四万人で、前年同月に比べそれぞれ六十三万人(〇・九%)増、二十六万人(〇・七%)増となっている。
 また、労働力人口のうち、就業者は六千五百八万人、完全失業者は二百十八万人で、前年同月に比べそれぞれ五十三万人(〇・八%)増、十万人(四・八%)増となっている。

◇就業者

 (一) 就業者

 就業者数は六千五百八万人で、前年同月に比べ五十三万人(〇・八%)増と、前月に引き続き増加し、増加幅は前月(三十二万人増)に比べ拡大している。男女別にみると、男子は三千八百七十五万人、女子は二千六百三十四万人で、前年同月と比べると、男子は六万人(〇・二%)の増加、女子は四十八万人(一・九%)の増加となっている。

 (二) 従業上の地位

 就業者数を従業上の地位別にみると、雇用者は五千四百二十万人、自営業主・家族従業者は一千七十万人となっている。前年同月と比べると、雇用者は四十五万人(〇・八%)増と、前月に引き続き増加し、増加幅は前月(四十六万人増)に比べ縮小している。また、自営業主・家族従業者は五万人(〇・五%)の増加となっている。
 雇用者のうち、非農林業雇用者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○非農林業雇用者…五千三百八十七万人で、四十七万人(〇・九%)増加
 ○常 雇…四千七百五十六万人で、二十五万人(〇・五%)増加
 ○臨時雇…五百三万人で、二十六万人(五・五%)増加
 ○日 雇…百二十八万人で、四万人(三・〇%)減少

 (三) 産 業

 主な産業別就業者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○農林業…二百六十八万人で、二万人(〇・七%)減少
○建設業…六百七十万人で、二十二万人(三・二%)減少
○製造業…一千四百二十八万人で、九万人(〇・六%)減少
○運輸・通信業…四百三十二万人で、三万人(〇・七%)増加
○卸売・小売業、飲食店…一千四百八十八万人で、十七万人(一・二%)増加
○サービス業…一千六百六十万人で、六十三万人(三・九%)増加
 対前年同月増減をみると、運輸・通信業及びサービス業は前月(それぞれ七万人増、六十九万人増)に比べ増加幅が縮小している。「卸売・小売業、飲食店」は前月の四万人減から再び増加となっている。一方、農林業、建設業及び製造業は前月(それぞれ七万人減、二十六万人減、十一万人減)に比べ減少幅が縮小している。
 また、主な産業別雇用者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○建設業…五百六十万人で、十五万人(二・六%)減少
○製造業…一千三百万人で、五万人(〇・四%)減少
○運輸・通信業…四百十一万人で、四万人(一・〇%)増加
○卸売・小売業、飲食店…一千百八十二万人で、十万人(〇・九%)増加
○サービス業…一千四百二十一万人で、五十一万人(三・七%)増加
 対前年同月増減をみると、運輸・通信業及びサービス業は前月(それぞれ十万人増、五十五万人増)に比べ増加幅が縮小している。「卸売・小売業、飲食店」は前月の八万人減から再び増加となっている。一方、建設業は前月(十六万人減)に比べ減少幅が縮小している。製造業は前月(三万人減)に比べ減少幅が拡大している。

 (四) 従業者階級

 企業の従業者階級別非農林業雇用者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○一〜二十九人規模…一千七百六十五万人で、三万人(〇・二%)減少
○三十〜四百九十九人規模…一千七百六十七万人で、七万人(〇・四%)減少
○五百人以上規模…一千二百七十六万人で、三十三万人(二・七%)増加

 (五) 就業時間

 非農林業の従業者(就業者から休業者を除いた者)一人当たりの平均週間就業時間は四〇・七時間で、前年同月に比べ〇・八時間の減少となっている。
 このうち、非農林業雇用者についてみると、男子は四四・四時間、女子は三四・五時間で、前年同月に比べ男子は〇・六時間の減少、女子は〇・五時間の減少となっている。
 また、非農林業の従業者の総投下労働量は、延べ週間就業時間(平均週間就業時間×従業者総数)で二四・九〇億時間となっており、前年同月に比べ〇・二九億時間(一・二%)の減少となっている。

 (六) 転職希望者

 就業者(六千五百八万人)のうち、転職を希望している者(転職希望者)は五百九十一万人で、このうち実際に求職活動を行っている者は二百二十七万人となっており、前年同月に比べそれぞれ十三万人(二・二%)増、二万人(〇・九%)増となっている。
 また、就業者に占める転職希望者の割合(転職希望者比率)をみると、男子は八・九%、女子は九・三%で、前年同月に比べ男子は〇・二ポイントの上昇、女子は〇・一ポイントの低下となっている。

◇完全失業者

 (一) 完全失業者

 完全失業者数は二百十八万人で、前年同月に比べ十万人(四・八%)の増加となっている。男女別にみると、男子は百三十四万人、女子は八十四万人で、前年同月に比べ男子は七万人(五・五%)の増加、女子は三万人(三・七%)の増加となっている。
 また、求職理由別完全失業者数及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
○非自発的な離職による者…六十三万人で、六万人増加
○自発的な離職による者…八十四万人で、二万人増加
○学卒未就職者…七万人で、前年同月と同数
○その他の者…五十四万人で、三万人増加

 (二) 完全失業率(原数値)

 完全失業率(労働力人口に占める完全失業者の割合)は三・二%で、前年同月に比べ〇・一ポイントの上昇となっている。男女別にみると、男子は三・三%、女子は三・一%で、前年同月に比べ男女共に〇・一ポイントの上昇となっている。
 また、年齢階級別完全失業率及び対前年同月増減は、次のとおりとなっている。
 〔男女計〕
○十五〜二十四歳……五・八%で、〇・六ポイント上昇
○二十五〜三十四歳…三・九%で、前年同月と同率
○三十五〜四十四歳…二・三%で、〇・一ポイント上昇
○四十五〜五十四歳…二・〇%で、〇・二ポイント上昇
○五十五〜六十四歳…四・一%で、〇・二ポイント低下
○六十五歳以上………一・七%で、〇・一ポイント上昇
 〔男 子〕
○十五〜二十四歳……六・三%で、〇・八ポイント上昇
○二十五〜三十四歳…三・一%で、〇・三ポイント低下
○三十五〜四十四歳…二・二%で、〇・二ポイント上昇
○四十五〜五十四歳…二・一%で、〇・三ポイント上昇
○五十五〜六十四歳…五・四%で、〇・一ポイント上昇
○六十五歳以上………二・〇%で、〇・二ポイント上昇
 〔女 子〕
○十五〜二十四歳……五・三%で、〇・二ポイント上昇
○二十五〜三十四歳…五・五%で、〇・八ポイント上昇
○三十五〜四十四歳…二・三%で、〇・二ポイント低下
○四十五〜五十四歳…一・八%で、前年同月と同率
○五十五〜六十四歳…二・〇%で、〇・六ポイント低下
○六十五歳以上………〇・六%で、〇・七ポイント低下

 (三) 完全失業率(季節調整値)

 季節調整値でみた完全失業率は三・四%で、前月に比べ〇・一ポイントの低下となっている。男女別にみると、男子は三・五%、女子は三・四%で、前月に比べ男子は同率、女子は〇・一ポイントの低下となっている。







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消費者物価指数の動向


―東京都区部(二月中旬速報値)・全国(一月)―


総 務 庁


◇二月の東京都区部消費者物価指数の動向

一 概 況

(1) 総合指数は平成七年を一〇〇として一〇一・八となり、前月と同水準。前年同月比は十一月二・〇%の上昇、十二月一・八%の上昇、一月二・〇%の上昇と推移した後、二月は二・一%の上昇となった。
(2) 生鮮食品を除く総合指数は一〇一・五となり、前月比は〇・二%の下落。前年同月比は十一月二・二%の上昇、十二月二・二%の上昇、一月一・九%の上昇と推移した後、二月は一・七%の上昇となった。

二 前月からの動き

(1) 食料は一〇二・八となり、前月に比べ〇・四%の上昇。
  生鮮魚介は二・一%の下落。
   <値上がり>いか、えびなど
   <値下がり>かき、ぶりなど
  生鮮野菜は三・九%の上昇。
   <値上がり>レタス、キャベツなど
   <値下がり>ねぎ、きゅうりなど
  生鮮果物は五・二%の上昇。
   <値上がり>みかん、バナナ
   <値下がり>キウイフルーツ、りんご(ふじ)など
(2) 光熱・水道は一〇一・〇となり、前月に比べ一・八%の下落。
  電気・ガス代は二・三%の下落。
   <値下がり>電気代
(3) 被服及び履物は九九・六となり、前月に比べ一・四%の下落。
  衣料は二・五%の下落。
   <値下がり>婦人オーバーなど
(4) 交通・通信は一〇〇・二となり、前月に比べ〇・四%の下落。
  通信は二・四%の下落。
   <値下がり>通話料など

三 前年同月との比較

○上昇した主な項目
 保健医療サービス(二四・九%上昇)、生鮮野菜(二三・九%上昇)、外食(二・八%上昇)、教養娯楽サービス(二・七%上昇)
○下落した主な項目
 生鮮果物(一一・三%下落)
 (注) 上昇又は下落している主な項目は、総合指数の上昇率に対する影響度(寄与度)の大きいものから順に配列した。

四 季節調整済指数

 季節調整済指数をみると、総合指数は一〇二・二となり、前月に比べ〇・一%の上昇となった。
 また、生鮮食品を除く総合指数は一〇二・〇となり、前月に比べ〇・二%の下落となった。

◇一月の全国消費者物価指数の動向

一 概 況

(1) 総合指数は平成七年を一〇〇として一〇二・一となり、前月比は〇・一%の下落。前年同月比は十月二・五%の上昇、十一月二・一%の上昇、十二月一・八%の上昇と推移した後、一月は一・八%の上昇となった。
(2) 生鮮食品を除く総合指数は一〇二・一となり、前月比は〇・六%の下落。前年同月比は十月二・四%の上昇、十一月二・二%の上昇、十二月二・二%の上昇と推移した後、一月は二・〇%の上昇となった。

二 前月からの動き

(1) 食料は一〇二・〇となり、前月に比べ一・七%の上昇。
  生鮮魚介は二・六%の上昇。
   <値上がり>いか、いわしなど
   <値下がり>かき、たこ
  生鮮野菜は一九・八%の上昇。
   <値上がり>ほうれんそう、きゅうりなど
   <値下がり>ばれいしょ、ながいもなど
  生鮮果物は一四・五%の上昇。
   <値上がり>みかん、バナナなど
   <値下がり>グレープフルーツ、レモンなど
(2) 光熱・水道は一〇四・八となり、前月に比べ〇・六%の下落。
  電気・ガス代は〇・七%の下落。
   <値下がり>電気代など
(3) 家具・家事用品は九六・一となり、前月に比べ〇・三%の下落。
  家庭用耐久財は〇・七%の下落。
   <値下がり>ルームエアコンなど
(4) 被服及び履物は一〇〇・六となり、前月に比べ六・七%の下落。
  衣料は一〇・〇%の下落。
   <値下がり>婦人オーバーなど

三 前年同月との比較

○上昇した主な項目
 保健医療サービス(二四・四%上昇)、家賃(一・四%上昇)、生鮮野菜(一一・四%上昇)、外食(二・八%上昇)
○下落した主な項目
 生鮮果物(二二・九%下落)、自動車等関係費(一・四%下落)、穀類(二・二%下落)
 (注) 上昇又は下落している主な項目は、総合指数の上昇率に対する影響度(寄与度)の大きいものから順に配列した。

四 季節調整済指数

 季節調整済指数をみると、総合指数は一〇二・四となり、前月と変わらなかった。
 また、生鮮食品を除く総合指数は一〇二・六となり、前月と変わらなかった。

◇     ◇     ◇

◇     ◇     ◇









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消費支出(全世帯)は実質四・〇%の減少


―平成十年一月分家計収支(速報)―


総 務 庁


◇全世帯の家計

 全世帯の消費支出は、平成九年四月以降三か月連続の実質減少となった後、七月は実質増加、八月は実質減少、九月、十月は実質増加となり、十一月以降三か月連続の実質減少となった(第1図第2図第1表参照)。

◇勤労者世帯の家計

 勤労者世帯の実収入は、平成九年九月は実質増加、十月は実質で前年と同水準となり、十一月以降三か月連続の実質減少となった。
 消費支出は、平成九年四月以降三か月連続の実質減少となった後、七月は実質増加、八月は実質減少、九月は実質増加となり、十月以降四か月連続の実質減少となった(第1図第2表参照)。

◇勤労者以外の世帯の家計

 勤労者以外の世帯の消費支出は二十八万五千二百十八円で、名目一・九%の増加、実質〇・一%の減少

◇財・サービス区分別の消費支出

 財(商品)は実質二・〇%の減少
  <耐久財>実質二・三%の減少
  <半耐久財>実質七・〇%の減少
  <非耐久財>実質〇・四%の減少
 サービスは実質五・三%の減少



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税金365日


申告納税制度を支えるために


国 税 庁


 我が国の税制は、自分の所得や財産などの状況を最もよく知っている納税者が、自ら税法に従って自分の所得と税額を計算して正しい申告と納税をするという申告納税制度を採用しており、昭和二十二年に我が国に申告納税制度が導入されて、既に五十年が経過しました。
 税務署では、申告納税制度の基本である「正しい申告と納税」のために、広報、相談、指導、調査を通じて、正しい税知識の普及や税負担の公平確保に努めていますが、あくまでも申告納税制度の主役は納税者の皆さんです。
 そこで、税務署では、税理士会、青色申告会、法人会、間税会などの関係民間団体との連携を図りながら、申告納税制度が円滑に機能し、さらに発展していくよう努めています。
 申告納税制度を支えている税務関係の主な団体について紹介しましょう。
【税理士会】
 税理士制度は、税理士が税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、納税者に対し正しい申告と納税ができるよう援助することにより、申告納税制度をより健全に発展させるために設けられた制度です。
 現在、全国で六万三千人を超える全税理士が、全国に十四ある税理士会に入会して業務を行っています。また、各税理士会が構成員となって日本税理士会連合会が組織されています。
 各税理士会では、会員に対する指導、連絡、監督を行うほか、経済的な理由から税理士に依頼することが困難な小規模事業者に対して、無料又は低い報酬で税務相談に応じたり、記帳指導等を行ったりしています。また、税理士会では、常設の税務相談所を開設しているほか、所得税、消費税及び地方消費税の確定申告時期や毎年十一月の「税を知る週間」などには、各地に臨時の相談所を設けて、簡単な相談に無料で応じるなどの活動を行っています。
 このほかにも税理士会は、税制改正に関する建議を行ったり、税務等に関する論文等のうち、特に優秀なものを表彰するなど幅広い活動をしています。
【日本税務協会】
 日本税務協会は、納税者に対して税に関する知識の普及・向上を図ることを目的に、昭和十九年に財団法人として設立されました。
 日本税務協会では、国の委託を受けて全国の主要都市に相談所を設けており、税理士資格を有する指導員や委嘱された税理士等が記帳等に関する相談や小規模事業者を対象とした記帳指導を行っています。このほか、改正税法、年末調整等に関し、一般納税者等を対象とする説明会や講習会を開催したり、税金に関する各種パンフレットを作成・配付するなどして、税に関する知識の普及・向上に努めています。
【青色申告会】
 青色申告会は、青色申告制度が設けられた昭和二十五年以降、個人事業者を中心とした青色申告者が集まり自主的につくられた団体です。その後、青色申告制度の普及とともに発展し、昭和三十年には全国組織として全国青色申告会総連合がつくられ、現在では全国に約三千の単位会があり、約百五万人の会員を擁しています。
 各青色申告会では、青色申告の特典などを有効に活用した決算の仕方や税制改正事項などに関する説明会を開催しているほか、会員に対する個別の記帳指導等も行っています。
 また、青色申告会は、税知識の普及や納税道義の高揚のための活動だけでなく、会員個々の企業繁栄や福祉増進などを目指して幅広い活動を行っています。
【法人会】
 法人税については、昭和二十二年に申告納税制度が採用されましたが、当時の社会経済状況からみてその制度の定着が懸念されていました。そのような時に、企業の間から自分たちで帳簿の整備はもとより、税知識の普及を図って企業経営の健全な発展に寄与しようとして生まれたのが法人会です。以来、各地に法人会が誕生し、現在では都道府県単位の連合会を含め全国に四百八十三会を数え、そのすべてが社団化を達成し、会員数も約百三十万社を数えています。また、全国組織として、財団法人全国法人会総連合が結成されています。
 各法人会では、役員や経営者、経理担当者などを対象とした税の講習会、研修会はもとより、ボランティア活動などの地域社会貢献運動を展開するなど、納税意識の向上と企業経営及び社会の健全な発展に貢献するための幅広い活動をしています。
【間税会】
 間接税については、昭和三十七年に申告納税制度が採用されましたが、自主申告納税のためには、間接税に関する法令の知識が必要であるという理由などから、各地に個別消費税の納税者の団体が地域、税目、そして業種の各別に結成されました。昭和四十八年にはこれらの全国組織として全国間税会総連合会が結成され、現在では全国に五百四十四団体を数え、会員も約十一万五千人となっています。
 間税会は、消費税を中心に、揮発油税、印紙税など間接税関係の研修会を開催し税知識の普及に努めるとともに、消費税、揮発油税などの間接税の適正な申告納税体制の確立を目指して活動しています。
 また、間接税の納税環境整備のため、税制及び税の執行の改善のための提言活動なども行っています。
【納税貯蓄組合】
 税金を期限内に完納するためには、資金繰りの都合なども考え、計画的に納税資金を貯蓄するように心がけておくことが大切です。そこで、日ごろから納税のための貯蓄を通じて期限内完納を継続していこうとする人々が集まって自主的に組織された団体が納税貯蓄組合で、昭和二十六年に定められた納税貯蓄組合法に基づき設立されています。その後、各地の納税貯蓄組合が集まって、昭和三十三年には全国組織としての全国納税貯蓄組合連合会がつくられ、現在では国税、地方税合わせて全国に約十六万組合、会員数一千万人を超える組織となっています。
 納税貯蓄組合は、納税資金の貯蓄を基にした所得税並びに個人事業者に係る消費税及び地方消費税の振替納税の推進や消費税完納推進運動に努めています。また、税法研修会を実施したり、中学生を対象にした税の作文募集を行うなど、税知識の普及と納税道義の高揚のために幅広い活動を行っています。
【納税協会】
 納税協会は、税知識の普及と納税道義の高揚を図ることを目的に、昭和十九年に発足した「源泉納税報国会」を母体として大阪国税局管内の各税務署ごとに設立された団体です。以来、租税を通じて企業経営の健全な発展と明るい地域社会の建設に貢献するという会の趣旨が理解され、会員数も個人・法人合わせて約四十万人社の団体に発展するとともに、八十三納税協会すべてが社団法人となっています。また、昭和二十一年には各納税協会間の連携を図るとともに、統一的な事業の推進及び調整等を行うことを目的として、納税協会連合会(昭和四十九年に財団化)が設立されています。
 各納税協会では、税知識の普及等のため、会員のニーズに応じた各種説明会・講習会の開催や税の広報活動のほか、会員に対する各種福祉制度の充実など、幅広い事業活動を行っています。



 
    <4月8日号の主な予定>
 
 ▽単身世帯収支調査の概況…………総 務 庁 

 ▽平成十年地価公示のあらまし……国 土 庁 
 



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