官報資料版 平成11年6月16日




                  ▽平成九年全国物価統計調査…………総 務 庁

                  ▽毎月勤労統計調査(二月分)………労 働 省

                  ▽家計調査(平成十年平均)…………総 務 庁











平成九年全国物価統計調査


「消費者物価地域差指数」結果の概要


総 務 庁


 総務庁統計局では、本年二月五日に平成九年全国物価統計調査の結果を基に作成した「消費者物価地域差指数」を公表した。
 この調査は、国民の消費生活において重要な支出の対象となる商品の販売価格及びサービスの料金並びにこれらを取り扱う店舗の立地環境及び経営形態などを調査し、価格の店舗間格差及び地域間格差、価格分布の実態を把握するため、五年に一度実施しており、八回目の調査を平成九年十一月に実施した。
 この消費者物価地域差指数は、各種の商品及びサービスの価格を総合し、物価水準の地域間の差を全国=一〇〇とした指数値で示した加工統計である。

一 都市階級別の物価水準

一 総合指数

<物価水準は人口規模が小さくなるとともに低くなっている>
ア *都市階級別の物価水準(全国=一〇〇)をみると、「総合」では大都市が一〇九・二、中都市Tが一〇四・〇、中都市Uが一〇二・一、中都市Vが一〇〇・三、小都市Tが九七・九、小都市Uが九六・二、小都市Vが九五・〇、町村が九三・八と、物価水準は人口規模が小さくなるとともに低くなっている(第1図参照)。
イ 物価水準が最も高い大都市と最も低い町村の格差(最も高い指数と最も低い指数のポイント差、以下同じ)は、一五・四ポイントとなっている(第1図参照)。

二 費目別指数

<「住居」の格差が大きく、「保健医療」の格差が小さい>
ア 都市階級別の物価水準を費目別にみると、「住居」は大都市が一二七・六と最も高く、最も低い小都市V(七五・五)との格差は五二・一ポイントと、費目の中で格差は最も大きくなっている(第2図第1表参照)。
イ 消費支出の中で最も構成比が大きい「食料」は、大都市が一〇三・八と最も高く、町村が九七・二と最も低いものの、その格差は六・六ポイントと「住居」に比べてかなり小さくなっている(第2図第1表参照)。
ウ 「保健医療」は、大都市と中都市Uが一〇〇・五と最も高いものの、最も低い小都市U(九九・一)との格差はわずか一・四ポイントと、費目の中で最も小さくなっている(第2図第1表参照)。
エ 「光熱・水道」は、都市階級間の格差は五・一ポイントと小さいものの、小都市Vが一〇三・七と最も高くなっている(第2図第1表参照)。

三 商品・サービス分類別指数

<「サービス」は、「商品」に比べて格差が大きい>
ア 都市階級別の物価水準を商品・サービス分類別にみると、「商品」は大都市が一〇四・八と最も高く、最も低い町村(九六・七)との格差は八・一ポイントとなっている。一方、「サービス」は最も高い大都市が一一五・五、最も低い町村が八九・四となっており、その格差は二六・一ポイントと、「商品」に比べて大きくなっている(第3図参照)。
イ 「商品」と「サービス」の総合指数に対する寄与度をみると、大都市、中都市Tでは「サービス」が「商品」よりも大きな引上げ要因となっている。一方、小都市V、町村及び小都市Uでは「サービス」が「商品」よりも大きな引下げ要因となっている(第4図参照)。
ウ 「サービス」の内訳を総合指数に対する寄与度でみると、大都市では車庫借料や学習塾の月謝などの「個人サービス料金」が最も大きい引上げ要因となっている。また、中都市T、中都市Uでも、「個人サービス料金」が最も大きい引上げ要因となっている。一方、小都市V、町村、小都市U及び小都市Tでは、「個人サービス料金」は最も大きな引下げ要因となっている(第5図参照)。

二 都道府県別の物価水準

一 総合指数

<最も物価水準の高いのは東京都、最も低いのは沖縄県。全国平均に比べ、物価水準の高い都道府県は十一都府県>
ア 都道府県別の物価水準(全国=一〇〇)をみると、「総合」では東京都が一一二・五と最も高く、次いで神奈川県(一〇八・三)、京都府(一〇四・一)、大阪府(一〇三・五)の順となっている(第6図参照)。
イ 一方、最も低いのは沖縄県(九四・一)で、次いで群馬県(九五・三)、愛媛県(九五・四)、宮崎県(九五・五)となっており、最も高い東京都と最も低い沖縄県の格差は、一八・四ポイントとなっている(第6図参照)。
ウ 全国平均を上回っているのは、前記四都府県のほか、石川県、兵庫県、千葉県、富山県、宮城県、静岡県、奈良県である(第6図参照)。
エ なお、都道府県庁所在市についてみると、四十七市のうち盛岡市、山口市、宮崎市、那覇市を除く四十三市が全国平均を上回っている。

二 費目別指数

<東京都の「住居」は、宮崎県の約二・二倍>
ア 費目ごとに都道府県別の格差をみると、「住居」が八四・七ポイントと最も大きく、最も高い東京都(一五三・六)は最も低い宮崎県(六八・九)の約二・二倍となっている。
  また、「住居」以外では「教育」(五三・七ポイント)、「家具・家事用品」(三二・七ポイント)、「被服及び履物」(三〇・〇ポイント)などの格差が大きくなっている(第2表参照)。
イ 一方、格差が最も小さいのは「保健医療」の五・七ポイントで、次いで「食料」(一三・〇ポイント)、「交通・通信」(一六・三ポイント)となっている(第2表参照)。

三 商品・サービス分類別指数

<「商品」は東京都のほか、北海道、近畿、中国地方の県が高い。「サービス」は、東京都及び大阪府とその周辺の県が高い。「サービス」の中の「外食」は、東日本の県が高く西日本の県が低い>
ア 都道府県別に「商品」の指数をみると、東京都が一〇四・四と最も高く、次いで島根県(一〇三・八)、京都府(一〇三・五)、広島県(一〇三・五)となっており、最も高い東京都と最も低い栃木県(九五・八)の格差は八・六ポイントとなっている。地域的にみると東京都のほか、北海道、近畿、中国地方の県で高く、北関東の県で低い傾向がみられる(第7図参照)。
イ 「商品」の内訳をみると、家電製品などの「耐久消費財」は長崎県が一〇四・二と最も高く、最も低い岐阜県(九六・四)との格差は七・八ポイントとなっている。食品などの「非耐久消費財」は島根県が一〇四・一と最も高く、最も低い群馬県(九六・七)との格差は七・四ポイントとなっている。衣料品などの「半耐久消費財」は東京都が一一〇・九と最も高く、最も低い沖縄県(八四・六)との格差は二六・三ポイントとなっており、「耐久消費財」、「非耐久消費財」に比べて格差が大きくなっている(第3表参照)。
ウ 「サービス」の指数をみると、東京都が一二四・三と最も高く、次いで神奈川県(一一八・二)、大阪府(一〇六・七)となっている。最も高い東京都と最も低い愛媛県(八八・五)の格差は三五・八ポイントとなっており、「商品」に比べて格差が大きくなっている。地域的にみると、東京都及び大阪府とその周辺の県で高い傾向がみられる(第8図参照)。
エ 「サービス」の内訳をみると、「民営家賃」の格差が最も大きくなっており、最も高い東京都(一九七・二)と最も低い島根県(四一・八)の格差は、一五五・四ポイント(東京都は島根県の約四・七倍)となっている。また、「個人サービス料金」の格差は四七・七ポイント、「外食」の格差は二六・〇ポイント、「公共サービス料金」の格差は一五・七ポイントとなっている(第4表参照)。
オ 「外食」の指数について地域的にみると、東日本の県は高く、西日本の県は低い傾向がみられる(第9図参照)。
カ 総合指数の最も高い東京都と最も低い沖縄県の格差についてみると、「商品」は六・八ポイントとなっている。内訳をみると、「耐久消費財」、「非耐久消費財」はそれぞれ一・九、二・四ポイントと小さいが、衣料品などの「半耐久消費財」は二六・三ポイント(約一・三倍)と大きくなっている。
  一方、「サービス」は三四・七ポイントで、「商品」に比べて大きくなっている。内訳をみると、「民営家賃」が一四一・六ポイント(約三・六倍)、車庫借料などの「個人サービス料金」が四二・九ポイント(約一・五倍)と、「外食」(一二・九ポイント)、「公共サービス料金」(八・二ポイント)に比べて、大きくなっている(第5表参照)。

四 物価水準の高い上位四都府県の特徴

<東京都と神奈川県は、費目別では「住居」、商品・サービス分類別では「サービス」の寄与度が大きい>
ア 総合指数の高い上位四都府県(東京都、神奈川県、京都府及び大阪府)について、総合指数に対する費目別寄与度をみると、東京都と神奈川県は「住居」がそれぞれ四・一、二・六ポイントと最も大きい引上げ要因となっているほか、大部分の費目が総合指数を押し上げる方向に寄与している。京都府は「食料」(一・八ポイント)が最も大きい引上げ要因となっているが、「住居」については△〇・一ポイントの引下げ要因となっている。大阪府は「交通・通信」と「教育」(ともに一・〇ポイント)が最も大きい引上げ要因となっている(第10図参照)。
イ 総合指数に対する商品・サービス分類別寄与度をみると、東京都、神奈川県及び大阪府は「サービス」の寄与度がそれぞれ九・九、七・四、二・七ポイントと、「商品」の寄与度(それぞれ二・六、〇・八、〇・八ポイント)を大きく上回っている。一方、京都府は「商品」の寄与度(二・一ポイント)の方が「サービス」の寄与度(二・〇ポイント)を上回っている(第11図参照)。
ウ 「サービス」の内訳をみると、東京都と神奈川県は「個人サービス料金」がそれぞれ四・六、四・三ポイントと最も大きい引上げ要因となっている。京都府はすべての費目が一ポイント以内の引上げ要因となっている。大阪府は「個人サービス料金」が二・七ポイントと最も大きい引上げ要因となっているが、「外食」(△〇・六ポイント)は引下げ要因となっている(第12図参照)。


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賃金、労働時間、雇用の動き


毎月勤労統計調査 平成十一年二月分結果速報


労 働 省


 「毎月勤労統計調査」平成二年二月分結果の主な特徴点は、次のとおりである。

◇賃金の動き

 二月の調査産業計の常用労働者一人平均月間現金給与総額は二十八万一千九百二十七円、前年同月比は〇・六%減であった。現金給与総額のうち、きまって支給する給与は二十七万九千九百三十四円、前年同月比〇・五%減であった。これを所定内給与と所定外給与とに分けてみると、所定内給与は二十六万二千二十二円、前年同月比〇・三%減、所定外給与は一万七千九百十二円、前年同月比は二・五%減となっている。
 また、特別に支払われた給与は一千九百九十三円、前年同月比は一九・三%減となっている。
 実質賃金は、〇・六%減であった。
 産業別にきまって支給する給与の動きを前年同月比によってみると、伸びの高い順に電気・ガス・熱供給・水道業一・四%増、製造業〇・二%増、サービス業〇・一%増、鉱業〇・〇%、金融・保険業〇・二%減、卸売・小売業、飲食店〇・四%減、運輸・通信業〇・五%減、建設業二・三%減、不動産業六・〇%減であった。

◇労働時間の動き

 二月の調査産業計の常用労働者一人平均月間総実労働時間は百五十一・四時間、前年同月比一・七%減であった。
 総実労働時間のうち、所定内労働時間は百四十二・〇時間、前年同月比一・三%減、所定外労働時間は九・四時間、前年同月比六・〇%減、季節調整値は前月比二・四%減であった。
 製造業の所定外労働時間は十二・一時間で前年同月比は八・四%減、季節調整値の前月比は二・七%減であった。

◇雇用の動き

 二月の調査産業計の雇用の動きを前年同月比によってみると、常用労働者全体で〇・三%減、常用労働者のうち一般労働者では〇・七%減、パートタイム労働者では一・九%増であった。
 常用労働者全体の雇用の動きを産業別に前年同月比によってみると、前年同月を上回ったものは不動産業二・五%増、サービス業一・四%増、鉱業及び建設業〇・七%増であった。前年同月を下回ったものは、運輸・通信業及び卸売・小売業、飲食店〇・一%減、電気・ガス・熱供給・水道業一・四%減、製造業二・一%減、金融・保険業三・二%減であった。
 主な産業の雇用の動きを一般労働者・パートタイム労働者別に前年同月比によってみると、製造業では一般労働者二・三%減、パートタイム労働者〇・二%減、卸売・小売業、飲食店では一般労働者一・九%減、パートタイム労働者三・五%増、サービス業では一般労働者一・五%増、パートタイム労働者一・二%増となっている。














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世帯属性別にみた家計収支の概況


―家計調査(平成十年平均)結果から―


総 務 庁


T 家計収支の概要

1 全世帯の家計

(1) 平成十年の全国・全世帯の消費支出は、一世帯当たり一か月平均三十二万八千百八十六円で、前年に比べ一・五%の減少となった。また、消費者物価が〇・七%上昇したことから、実質では二・二%の減少となった(第1図参照)。
    なお、全世帯の消費支出は、現行の調査開始(昭和三十八年)以来初めて六年連続して実質減少となった。また、平成十年の消費支出の減少幅(実質二・二%減少)は、第一次石油危機の昭和四十九年(実質二・六%減少)に次ぐ減少幅である。
(2) 消費支出の費目別構成比をみると、食料の占める割合(エンゲル係数)は、前年に比べ〇・三ポイント上昇して二三・八%と現行の調査開始(昭和三十八年)以来初めて二年連続して上昇した。また、交通・通信(一〇・六%)、保健医療(三・四%)、光熱・水道(六・四%)、交際費などの「その他の消費支出」(二六・一%)は前年に比べ上昇となったが、住居(六・二%)が前年に比べ〇・五ポイント、被服及び履物(五・五%)が〇・三ポイント、教育(四・五%)が〇・一ポイント低下し、家具・家事用品(三・六%)、教養娯楽(九・九%)は前年と同水準となった。

2 勤労者世帯の家計

(1) 勤労者世帯の実収入は、一世帯当たり一か月平均五十八万八千九百十六円で、前年に比べ名目一・一%の減少、実質一・八%の減少と、名目、実質とも平成六年以来四年ぶりの減少となった。なお、実収入の減少幅(実質一・八%減少)は、現行の調査開始(昭和三十八年)以来最大の減少幅となった。
    内訳をみると、「他の世帯員収入」(実質〇・一%増加)はわずかな実質増加となったものの、世帯主の臨時収入・賞与(実質五・七%減少)が大幅な実質減少となったほか、世帯主の定期収入(実質一・三%減少)、「世帯主の配偶者の収入」の中の「うち女」(実質一・一%減少)も実質減少となった。なお、世帯主の定期収入は、現行の調査開始(昭和三十八年)以来最大の減少幅となった。
(2) 非消費支出は九万三千二十九円で、名目五・二%の大幅な減少となった。
    内訳をみると、厚生年金などの社会保険料(名目二・三%増加)は昭和六十三年以来十一年連続の増加となったものの、二度に及ぶ特別減税の実施もあって勤労所得税(名目一八・六%減少)が現行の調査開始(昭和三十八年)以来最大の減少幅になったのをはじめ、個人住民税(名目八・八%減少)も平成六年以来の大幅な減少となった。
    実収入に対する非消費支出の割合は、二度の特別減税の実施により、一五・八%と前年に比べ〇・七ポイント低下した。
(3) 可処分所得は四十九万五千八百八十七円で、名目〇・二%の減少、実質〇・九%の減少となり、二度の特別減税が実施されたことから、四年ぶりに実収入の伸びを〇・九ポイント上回った。
(4) 消費支出は三十五万三千五百五十二円で、名目一・一%の減少、実質一・八%の減少と三年ぶりの減少となった。
(5) 平均消費性向(可処分所得に対する消費支出の割合)は七一・三%となり、現行の調査開始(昭和三十八年)以来最低の水準となった。
(6) 黒字率(可処分所得に対する黒字の割合)は二八・七%と現行の調査開始(昭和三十八年)以来最高の水準となった。
    金融資産純増の可処分所得に対する割合は前年を〇・二ポイント上回る二〇・二%となった。
    土地家屋借金純減(土地や住宅などの購入に係る借入金返済額から借入額を控除した額)の可処分所得に対する割合は五・九%と上昇し、現行の調査開始(昭和三十八年)以来最高の水準を更新した。

3 勤労者以外の世帯の家計

    勤労者以外の世帯の消費支出は、一世帯当たり一か月平均二十八万七千三百三十円で、前年に比べ名目二・一%の減少、実質二・八%の減少となり、平成五年以来六年連続の実質減少となった。
    なお、減少幅(実質二・八%減少)は、第一次石油危機の昭和四十九年(実質三・五%減少)、第二次石油危機後の五十六年(実質三・三%減少)に次ぐ減少幅である。

4 財・サービス区分でみた消費支出の特徴

(1) 全世帯の消費支出(こづかい、贈与金、他の交際費及び仕送り金を除く。)を財(商品)への支出とサービスへの支出に分けてみると、財への支出は前年に比べ名目〇・七%の減少、実質〇・九%の減少となった。
    内訳をみると、自動車購入などの耐久財は、大幅な実質増加、被服及び履物などの半耐久財は、大幅な実質減少、食料などの非耐久財は実質減少となった。
    なお、半耐久財は、平成四年以降七年連続の実質減少となった。
    また、サービスへの支出は、医療保険制度の改正により保健医療サービスが大幅な実質減少となったことなどから、名目二・〇%の減少、実質三・二%の減少となった。
(2) 消費支出に占めるサービスへの支出割合は前年に比べ〇・三ポイント縮小し、四〇・三%と九年ぶりの縮小となった。

5 支出弾力性区分でみた消費支出の特徴

 全世帯の消費支出を基礎的支出と選択的支出に区分してみると、家賃地代、保健医療サービスなどの基礎的支出は、一世帯当たり一か月平均十八万二千七百九円で、前年に比べ実質二・二%の減少となった。また、教育、洋服、パソコン・ワープロなどの教養娯楽用耐久財、国内・外国パック旅行費などの教養娯楽サービス、仕送り金などの選択的支出は十四万五千四百七十七円で、実質二・一%の減少となった。
 (注) 支出弾力性(消費支出総額の変化率に対する費目支出の変化率の比)が一・〇〇未満の費目を基礎的支出、一・〇〇以上の費目を選択的支出という。

6 日別の消費支出

 平成十年十月、十一月及び十二月における一世帯当たり一日分の消費支出(月極めで支払われる品目を除く(第2図、注1参照)。)は、それぞれ、七千八百二円、八千百十一円、一万五百三十五円となっている。
 日々の支出をみると、月末から翌月初めにかけて多くなる傾向がみられる。特に年末は、食料などの支出が増え、他の月よりも支出が多くなっている(第2図参照)。
 (注1) 月極め払いの多い以下の品目を除いている。
      学校給食、民営家賃、公営家賃、給与住宅家賃、地代、他の家賃地代、火災保険料、電気代、都市ガス、プロパンガス、上下水道料、家事使用人給料、清掃代、鉄道通学定期代、鉄道通勤定期代、バス通学定期代、バス通勤定期代、駐車場借料、自動車保険料(自賠責)、自動車保険料(任意)、自動車保険料以外の輸送機器保険料、電話通信料、授業料等(国公立小学校、私立小学校、国公立中学校、私立中学校、国公立高校、私立高校、国公立大学、私立大学、幼稚園、専修学校)、補習教育、新聞、語学月謝、他の教育的月謝、音楽月謝、他の教養的月謝、スポーツ月謝、自動車教習料、家事月謝、他の月謝類、放送受信料、保育所費用
 (注2) 日別集計は、特別集計したものである。
 消費支出を曜日別にみると、十月及び十一月は、食料、家具・家事用品、被服及び履物、教養娯楽が日曜・祝日及び土曜日に多くなっているが、住居、保健医療は、日曜・祝日以外の平日の支出が多くなっている。十二月は年末の支出が多いため、特に、食料では年末の三十日及び三十一日に当たる曜日(平成九年では火曜日と水曜日、十年では水曜日と木曜日)の支出が他の曜日に比べて多くなっている。

7 分割払・一括払購入の動向

 消費支出に対する「分割払購入借入金」の比率は、昭和五十年代におおむね二%前後の水準で推移した後、六十三年以降緩やかに低下していたが、平成五年以降は緩やかな上昇傾向を示している。平成十年は前年から〇・四ポイント上昇して二・二%となり、八年以来二年ぶりに二%を超えた。
 一方、消費支出に対する「一括払購入借入金」の比率は、昭和五十年代半ばには約一%の水準まで低下していたが、その後上昇傾向に転じ、特に、六十二年以降上昇のテンポが速まり、平成九年には四%台に達し、現行の調査開始(昭和三十八年)以降最高の水準を更新した十年は、前年からさらに〇・三ポイント上昇して四・五%となった(第3図参照)。

U 世帯属性別の家計収支

1 世帯主の年齢階級別

 全世帯の消費支出の対前年実質増加率を世帯主の年齢階級別にみると、五十〜五十九歳の世帯は〇・四%の増加となったが、四十〜四十九歳の世帯は四・二%の減少、三十〜三十九歳の世帯は三・七%の減少、六十歳以上の世帯は一・二%の減少、三十歳未満の世帯は〇・三%の減少となった。
 減少率が最も高かった四十〜四十九歳の世帯では、設備修繕・維持などの住居、被服及び履物、保健医療、補習教育などの教育、家庭用耐久財などの家具・家事用品が大幅な実質減少となっている。

2 年間収入五分位階級別

(1) 勤労者世帯の実収入の対前年実質増加率を年間収入五分位階級別にみると、第T階級から順に二・二%の減少、一・一%の減少、一・六%の減少、二・九%の減少、一・一%の減少とすべての年収階級で減少となった。
(2) 実収入に対する非消費支出の割合は、第T階級から順にそれぞれ一一・三%、一二・七%、一四・四%、一六・五%、一九・一%となり、特別減税実施の影響もあってすべての年収階級で低下した。
(3) 可処分所得の対前年実質増加率をみると、第U階級は〇・二%の増加となったが、第T階級及び第V階級から第X階級は、それぞれ一・八%の減少、〇・六%の減少、二・三%の減少、〇・三%の減少となった。
(4) 消費支出の対前年実質増加率をみると、第T階級から順に二・四%の減少、一・四%の減少、二・三%の減少、三・三%の減少、〇・四%の減少とすべての年収階級で減少となった。
(5) 平均消費性向の前年とのポイント差をみると、第T階級から第X階級まですべての年収階級で低下となった。

3 世帯主の職業別

(1) 勤労者世帯の実収入の対前年実質増加率を世帯主の職業別にみると、官公職員の世帯が二・二%の減少、民間職員の世帯が一・九%の減少、労務作業者の世帯が〇・九%の減少となった。
    可処分所得の対前年実質増加率をみると、民間職員の世帯が一・二%の減少、官公職員の世帯が〇・八%の減少、労務作業者の世帯が〇・二%の減少となった。
    消費支出の対前年実質増加率をみると、民間職員の世帯が二・六%の減少、官公職員の世帯が〇・八%の減少、労務作業者の世帯が〇・七%の減少となった。
    なお、民間職員の世帯の消費支出は三年ぶりに実質減少となった。
    平均消費性向は、労務作業者の世帯が七三・四%、民間職員の世帯が七一・七%、官公職員の世帯が六七・一%となり、民間職員の世帯、労務作業者の世帯は前年の水準を下回った。また、官公職員の世帯は前年と同水準となった。
(2) 勤労者以外の世帯の消費支出の対前年実質増加率を世帯主の職業別にみると、無職の世帯が一・六%の増加となったが、自由業者の世帯が九・三%の減少、法人経営者の世帯が五・四%の大幅な減少となったほか、個人営業の世帯が三・二%の減少となった。
    なお、個人営業の世帯が五年連続の実質減少となったほか、法人経営者の世帯及び自由業者の世帯が三年ぶりの実質減少となった。

4 高齢無職世帯

(1) 高齢無職世帯(世帯主が六十歳以上の無職世帯)の実収入は、一世帯当たり一か月平均二十五万八千八百三十円で、前年に比べ実質〇・二%の減少となった。また、可処分所得は二十三万三千六百七十一円で実質〇・一%の減少となった。
(2) 消費支出は二十六万百三十円で、前年に比べ実質一・二%の増加となった(第4図参照)。
    内訳をみると、自動車等関係費などの交通・通信、家具・家事用品、教養娯楽が大幅な実質増加となったほか、光熱・水道も実質増加となった。
    一方、住居が大幅な実質減少となったほか、被服及び履物、保健医療、食料も実質減少となった。
    消費支出の費目別構成比をみると、交通・通信、教養娯楽、保健医療の割合が拡大した。またエンゲル係数をみると、二五・一%と前年に比べ〇・二ポイント低下した。
(3) 平均消費性向は一一一・三%と、前年(一〇九・九%)の水準を一・四ポイント上回り、四年ぶりに上昇した。また、消費支出に対する可処分所得の不足分(二万六千四百五十九円)は、前年(二万三千三十二円)に比べ拡大した。

5 核家族共働き世帯

(1) 夫婦が共に勤労者の核家族共働き世帯における実収入は、一世帯当たり一か月平均六十六万二千二百十一円で、前年に比べ実質二・二%の減少となった。また、可処分所得(五十五万八千五百十二円)も実質一・六%の減少となった。
    内訳をみると、世帯主(夫)の勤め先収入は臨時収入・賞与が大幅に減少したことなどから実質一・六%の減少となった。また、世帯主の配偶者(妻)の勤め先収入も実質五・五%の大幅な減少となった。
    なお、世帯主の配偶者(妻)の勤め先収入は、一か月平均十五万八千五百二十二円(年間約百九十万円)で、実収入に占める割合は二三・九%となり、前年(二四・八%)に比べ〇・九ポイント低下した。
(2) 消費支出は三十八万百八円で、実質〇・六%の減少となった。
    内訳をみると、住居、被服及び履物が大幅な実質減少となったほか、保健医療、教育、食料も実質減少となった。
(3) 黒字は名目三・〇%の減少となった。また、黒字率は三一・九%となり、前年を〇・七ポイント下回った。

6 住宅ローン返済世帯

(1) 勤労者世帯のうち住宅ローン返済世帯の実収入は、一世帯当たり一か月平均六十九万七千八百七十九円で、前年に比べ実質一・六%の減少となった。また、可処分所得(五十八万三百三十七円)は実質〇・五%の減少となった。
(2) 住宅ローン返済額は、九万六千八百八円(年間約百十六万円)で、前年に比べ名目〇・一%の増加となった。可処分所得に占める割合は一六・七%で、前年と同水準となった。

六月の気象

 気象庁では、六月から八月までの三か月間を「夏」としています。夏は、前半の梅雨期と後半の盛夏期に分かれます。六月は夏の入り口であると同時に梅雨の始まる時期でもあります。梅雨入りの時期は降水量の増加とともに、日照時間の減少として明瞭に現れます。東京における平年の日照時間を可照時間(日の出から日没までの時間)で割った日照率の変化をみると、六月は、可照時間が六月二十二日ごろの夏至に向けて多くなっていくのに対して、日照時間は逆に減っていくため日照率は急激に減少します。日照時間を日照率の変化で表すと、梅雨期から盛夏期、そして秋雨への季節の変化が一層明瞭になります。九州から本州にかけての平年の梅雨入りは六月前半(関東甲信地方は六月九日ごろ)で、日照率が急速に低下する時期に当たっています。また、日照率が増加する七月後半が平年の梅雨明け(関東甲信地方は七月二十日ごろ)です。毎年の梅雨入り・明けの時期を判断する際にも、日照時間の変化は有力な資料になっています。

◇気象記念日

 六月一日は気象記念日です。明治八(一八七五)年のこの日に、東京の赤坂葵町で一日三回の気象観測が開始されたことに由来しており、今年は百二十四回目に当たります。また、日本で初めて天気予報が発表されたのも明治十六(一八八三)年の六月一日です。
(気象庁)



    <6月23日号の主な予定>

 ▽外交青書のあらまし………外 務 省 

 ▽家計収支(二月分)………総 務 庁 




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