官報資料版 平成11年8月18日




                  ▽通信白書のあらまし………………………………………………郵 政 省

                  ▽家計収支(四月分)………………………………………………総 務 庁

                  ▽毎月勤労統計調査(四月分)……………………………………労 働 省

                  ▽消費者物価指数の動向(東京都区部六月中旬速報値)………総 務 庁











通信白書のあらまし


郵 政 省


 郵政省は、通信白書(平成十一年通信に関する現状報告)を六月十八日の閣議報告後に公表した。
 今回の白書では、今や情報通信の主役ともいえるインターネットを特集している。
 通信白書のあらましは、次のとおりである。

第1章 特集 インターネット

序節 インターネットの普及

1 急増するインターネット人口
 現在、インターネットが急速な勢いで普及しており、十年度における我が国の十五歳から六十九歳までのインターネット利用者数は、約一千七百万人と推計される(第1図参照)。また、インターネットは、五年に商業利用が開始されて以来、わずか五年間で世帯普及率一〇%を超えた。従来の主要な情報通信メディアと比較すると、インターネットがいかに急速に家庭に普及しているかが分かる(第2図参照)。

2 膨張するウェブサイト
 インターネット利用者数の増加に伴い、ウェブ上に蓄積・発信される情報量も急増している。郵政省郵政研究所の調査によれば、十一年二月現在、国内のWWWサーバ総数は七万五千台、WWWでアクセスできる総ファイル数は五千八百二十万ファイル、WWW総ページ数は二千九百五十万ページ、そしてWWWでアクセス可能な総情報量は一千二十四GB(ギガバイト)に達すると推計された。

3 世界のインターネット人口
 世界のインターネット利用者数は、米国NUA社の公表によると、一九九九年三月現在、約一億六千万人である。また、一九九九年三月までにインターネット普及率(全人口に対するインターネット利用者比率)が一%以上となったのは四十一の国及び地域である。

第1節 インターネットを巡る国際潮流

1 ドメインネームの管理体制
 最近のインターネットの全世界的な普及に伴い、民間主導で国際的にバランスの取れた新たなドメインネームの管理体制を構築する動きが活発化した。そして、米国政府やIANA等が利害関係者との調整を行った結果、ドメインネームの国際的な管理体制は、非営利法人ICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)を中心に運営されることとなった。

2 国際機関等の動向
 電子商取引のグローバルな枠組みの確立に向けた議論が、国際機関や二国間対話等において積極的に展開されている。十年五月の「電子商取引に関する日米共同声明」は、電子商取引政策の基本的原則や方向性を世界に示すものとして、電子商取引を巡るその後の国内的、国際的議論に大きな影響を与えている。

3 米国の動向
 次世代インターネット開発のための予算として一九九九年度に六千七百万ドル、二〇〇〇年度に七千五百万ドルを計上することを定めた「次世代インターネット開発法」、ネットワーク上でやり取りされるデジタル著作物を効果的に保護することを目的とした「デジタル二〇〇〇年著作権法」等が相次いで成立した。

第2節 成長を続けるインターネットビジネス

1 概況
 インターネットは、このわずか数年の間に爆発的に普及し、インターネットビジネス(TCP/IPを利用したコンピュータネットワーク上での商取引及びそのネットワーク構築や、商取引に関わる事業)が急速に拡大している。その概況に関しては、以下のとおりである(第3図参照)。

2 インターネットコマース最終消費財市場
 インターネットコマース最終消費財市場の市場規模は、前年の約二倍の一千六百六十五億円に拡大している。また、店舗数も対前年同期比で約八割の伸びになっている。

3 インターネットコマース原材料取引市場
 インターネットを用いてオンラインで原材料等の調達を行う企業間取引の市場規模は、十年には少なくとも二兆四千三百十四億円に達している。業種別にみると、特に、自動車、電機、機械の各業界がこれらのインターネットを用いた原材料調達のほとんどを占めている。

4 インターネット接続ビジネス
 インターネット・サービス・プロバイダ(ISP)が行うインターネット接続ビジネスの市場規模は、二千九百五十五億円と推計された。また、前年よりも売上が増加した事業者は七割弱、加入者が増加した事業者は七割以上となっている。

5 関連ビジネス
 インターネット関連ビジネスは、インターネット接続端末市場、インターネット構築関連市場及び周辺ビジネス市場に分けられ、いずれも成長している(第4図参照)。

第3節 生活に広がるインターネット

1 利用者像
 インターネット利用者の属性について、特定のウェブサイトにアクセスした人が回答する形式の各種アンケート調査をもとに、日米で比較を行った。一九九八年冬に行われた調査によると、我が国では女性の回答者の割合が三つの調査の平均で二五・六%となっており、米国の三五・八%に比べると、女性のインターネット利用が進んでいないといえる。
 一方、フルタイムで働く女性のインターネット利用率は七三・六%に上る。しかし、このうち、プライベートでインターネットを利用している人は全体の四三・六%にすぎず、「端末機器の価格や通話・接続料金の高さ」、「提供サービスに魅力を感じない」といったことが、インターネットをプライベートに取り入れる際の障害となっていると考えられる。

2 社会活動
 掲示板、チャット等の集合体がWWWサイトとして提供されるインターネットコミュニティが拡大している。米国で最も人気の高い二十五のWWWサイトのうち、二十サイトがコミュニティ専門サイトであるか、あるいは内部で何らかのコミュニティ機能を備えている。
 また、就職活動経験のあるインターネット利用者のうち、インターネットを「活用した」と回答した人は、八年以前の就職活動経験者では二二・〇%だったが、十年では九三・七%に達している。

第4節 公共分野におけるインターネット

1 国の機関
 「行政情報化の推進状況報告」(十一年四月行政情報システム各省庁連絡会議了承)によれば、十年度末現在、二十六の本省庁中、二十五省庁がホームページを開設しており、ホームページからの行政情報の提供や意見募集の受け付けに活用している。このほか、国の機関においては、国会、最高裁判所等がホームページを開設しており、衆参両院の国会審議の中継等が行われている。

2 地方公共団体
 地方公共団体のインターネット接続率は七七・二%で、職員ごとに電子メールアドレスを付与する地方公共団体は九・二%となっている。
 また、十年度末現在のホームページ開設率は六一・五%で、十一年度末には七〇%を超える見込みである。ホームページからの発信情報のトップは「観光・物産」で、九四・五%の地方公共団体が発信している。また、「報道発表資料・記者会見」は三・八%で、そのうちの一七・〇%が「記者発表とほぼ同時の公開」と回答している。

3 教育
 小・中・高等学校におけるインターネット利用の現状としては、生活環境の異なる地域の学校との交流授業の実施、外国の学校との国際交流等のほか、学校と家庭の間の連絡手段に活用している事例がある。
 大学におけるインターネット利用の現状としては、学生が自宅のパソコンからインターネットを介して大学のサーバにアクセスし、インターネット上の仮想教室で演習に参加する試みを実施している事例がある。

第5節 課題と展望

1 利用環境整備
(1) 違法・有害情報
 インターネット、パソコン通信の利用において違法・有害情報と遭遇した経験のある利用者は、三八・一%となっている。郵政省では、コンテンツのフィルタリング技術の研究開発を実施するとともに、「インターネット上の情報流通ルール」報告書を九年十二月に発表した。
 また、十年二月には、(社)テレコムサービス協会が、インターネット接続サービス等を提供する事業者が準拠する指針として、「インターネット接続サービス等に係る事業者の対応に関するガイドライン」を公表した。
(2) 不正アクセス
 十年にコンピュータ緊急対応センター(JPCERT/CC)に報告された不正アクセスその他関連行為件数は九百二十三件となった。郵政省は、警察庁及び通商産業省と共同で、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律案」を十一年四月に第百四十五回国会に提出した。
(3) ウィルス
 情報処理事業振興協会セキュリティセンターによれば、コンピュータウィルスの被害届出件数を感染経路別の比率でみると、電子メールにより感染したケースやネットワークからのダウンロードにより感染したケースの割合がそれぞれ、対前年比七・六ポイント増、二・三ポイント増となっている。
 ネットワーク利用者のウィルスに対する不安を少しでも取り除き、情報通信ネットワークの安全・信頼性の向上に資することを目的として、(財)日本データ通信協会及び(財)マルチメディア振興センターは、共同プロジェクトとして、十年六月から、ウィルスコンサルティングセンター(VCON)を設置した。

2 普及に向けて
(1) 料金
 個人利用者が月間十五時間インターネットを利用した場合を想定して料金を国際比較すると、東京はニューヨークに次いで二番目に安い水準にある。通信料金に関しても、東京は二番目に利用料金が安い都市となっているが、ニューヨークとの料金格差は約三倍である。
(2) 電子署名、電子認証
 諸外国では、電子認証に関する制度が整備されつつある。郵政省では、暗号政策及び暗号通信を用いた認証業務の在り方について技術、制度両面から検討するため、「暗号通信の在り方に関する研究会」を開催している。
(3) 電子マネー
 利用者のインターネットショッピングに対する不安の要因は、「クレジットカード番号など、個人情報が第三者に盗まれないかといった安全性」や、「業者に登録した個人情報が流出するのではないかといった機密性」などの個人情報に関する不安が全体の約七割を占めている。
 サイバービジネス協議会は、インターネット上で現金と同様の特徴を持って流通する電子マネー「インターネットキャッシュ」のサービスを、十年九月から開始した。
(4) 学校インターネット
 我が国の公立学校におけるインターネット接続率(十年三月末現在)は一八・七%であり、現在、十三(二〇〇一)年度にすべての公立学校がインターネットに接続されることを目標として、環境整備が行われている。諸外国における学校へのインターネット接続計画は、第5図のとおりである。
(5) 高齢者・障害者
 高齢者の約八割、障害者の約七割が、パソコン通信・インターネットのいずれも利用していない。郵政省では、端末機器の課題に対する実証実験等、高齢者・障害者の情報リテラシーを向上させる取組を推進している。

3 インターネットの高度化
(1) インフラストラクチャー
 我が国と諸外国間におけるインターネット用回線容量について、商用インターネットベースでみると、十一年一月現在、一千四百三十Mbps(対前年同期比三七・二%増)であり、年々増加している。国内においては、IX(Internet Exchange)の利用が著しく、トラヒックは一年前の倍以上のペースで伸びている。トラヒックの増加に伴い国内、国際を問わずインターネット用回線の増強が急務となっている。
(2) 次世代インターネット
 郵政省では、二十一世紀初頭に実現が期待されるネットワーク像及びそのネットワーク上で展開されるアプリケーション等、並びにそれらを実現化するための推進方策等について、十一年一月から「次世代ネットワーク構想に関する懇談会」を開催している。
 また、現在のインターネットと比較して、安全、信頼性が高く、超高速・大容量通信が可能な次世代インターネットを実現するための研究開発を実施している。

第2章 情報通信の現況

第1節 情報通信産業

1 国内生産額
 我が国の情報通信産業の実質国内生産額は、九年には百十一兆二千億円となり、全産業に占めるシェアは一一・八%となった。実質国内生産額を主な産業と比較してみると、情報通信産業は昭和六十年に卸売を、七年に建設を上回る規模となった(第6図参照)。

2 粗付加価値額
 我が国の情報通信産業の名目粗付加価値額は、九年には四十七兆三千億円となり、全産業に占めるシェアは九・一%となった。名目粗付加価値額を主な産業と比較してみると、情報通信産業は九年に建設を上回る規模となった。

第2節 通信・放送事業

1 電気通信事業
 十年度末現在の電気通信事業者数は六千七百八十一社(対前年度比七百五十七社増)であり、インターネット接続サービスを行うことを主な目的とする第二種電気通信事業への参入は、引き続き増加傾向にある。
 第一種電気通信事業者の九年度の電気通信事業による営業収益(附帯事業収益を除く)は、十一兆三千七百八十四億円(対前年度比一〇・七%増)である。

2 放送事業
 十年度末現在の放送事業者数は一千百四十九社(対前年度比五十六社増)であり、地上系放送事業、衛星系放送事業への参入は引き続き増加傾向にある(ケーブルテレビ事業者数の推計値は若干の減少)。
 放送事業者の九年度の営業収益は、二兆八千十九億円(対前年度比四・六%増)である。その内訳は、地上系放送事業者二兆五千四百六十三億円(対前年度比三・二%増)、衛星系放送事業者九百十三億円(対前年度比三三・二%増)、ケーブルテレビ事業者一千六百四十四億円(対前年度比一六・六%増)である。

3 設備投資
 九年度の通信・放送産業の設備投資額は四兆四千六百三十七億円(対前年度比九・三%減)であり、その内訳は電気通信事業者四兆一千七百七十四億円(対前年度比四・四%減)、放送事業者二千八百六十三億円(対前年度比四八・〇%減)である。
 通信・放送産業の設備投資額は、元年度以降初めて前年度比減となったものの、全産業及び元年度の水準と比較して、依然として高い水準の設備投資を実行していることが分かる。

4 郵便事業
 郵便事業は、九年度には、戦後初めて収益が前年度実績を下回ったことから、単年度利益が大幅に減少し、十年度補正予算では、九百七十八億円の単年度欠損を計上した。十一年度予算も七百四十二億円の赤字を見込んでいる。

第3節 情報通信ネットワーク

1 基幹網
 国内における基幹網は、年々増加しており、九年度のNTT基幹回線系光ケーブルは十五万四千三百六十二キロメートル(対前年度比九・四%増)となった。
 また、我が国周辺の国際海底ケーブルは、今後増大する通信トラヒックの需要に対応するため、Japan‐US CN、China‐US CN等の新規光海底ケーブルの敷設計画が進んでおり、これまでにない大容量のネットワークが形成される予定である。

2 IP網
 従来の回線交換方式を基本とする電話網に対し、インターネットに代表されるようなデータトラヒックの急速な増大により、音声をIPパケットに変換し、データトラヒックの一種として扱うパケット交換方式を基本とするIP網や、回線交換方式とパケット交換方式の両方の長所を兼ねたATM網を基幹網として構築する動きが出始めた。
 主な通信事業者では、今後のデータトラヒック増加に備えた基幹網構成を計画している。

3 移動体
 九年度末現在、我が国では携帯・自動車電話は約四人に一台、PHSは約十九人に一台の割合で普及している。都道府県別にみると、携帯・自動車電話の普及率のトップは東京都であり、ほぼ二人に一台の割合で普及している。一方、PHSの普及率は、宮城県が最も高く、ほぼ十人に一台の割合となっている。

4 衛星
 第一種電気通信事業者が、国内サービスに使用中の静止衛星は、十年度末現在で十機であり、総トランスポンダ数は三百四本である。十年二月に第一種電気通信事業者に係る外資規制が撤廃されたことに伴い、同年四月、パンアムサットが新規に参入した。
 一方、放送衛星は、十年度末現在で三機である。

5 無線局
 九年度末現在の無線局数は、三千九百四十七万八千八百八十九局(対前年度比一千二十六万七千四百六局、三五・一%増)となり、七年度以降の三年間で約四倍もの増加となった。

6 地上系放送
 地上系民間放送について、郵政省が定めた受信可能チャンネル数の目標値(民間テレビジョン放送は四チャンネル(主要地区では五チャンネル以上)、民間FM放送は県域放送として一チャンネル(同二チャンネル))以上開局している地域は、十一年四月一日現在、全国四十七都道府県のうち、@民間テレビジョン放送では三十三都道府県(全国総世帯数比八九・〇%)、A民間FM放送では四十三都道府県(同九四・六%)となっている。

7 ケーブルテレビ
 九年度末現在、ケーブルテレビの施設総数は、六万八千二百三十四(対前年度比三・〇%増)である。このうち、自主放送を行う施設数は九百七十三(同三・八%増)である。

8 郵便局ネットワーク
 郵便を取り扱う施設数の推移については、十年度末現在、郵便局は二万四千七百三十六局、郵便ポスト設置数は十七万三千百九十九本(速報値)、郵便切手類販売所・印紙売りさばき所は十五万一千百八十二か所(速報値)、ゆうパック取次所は八万三千四百二十一か所(速報値)となり、いずれも増加している。

第4節 電気通信サービス

1 概況
 我が国の主要な電気通信サービスの現況についてみると、固定通信については、NTTの加入電話契約数及び公衆電話の施設数が前年に引き続き減少し、新規参入事業者(NCC)の長距離中継電話及び地域電話の契約数は増加している。また、インターネットの広がりにより高速大容量のデータ伝送が可能なISDN回線数が急増し、専用サービスについても大容量回線に需要がシフトしている。
 移動通信については、携帯電話の契約数が大きく伸びる一方、PHSの契約数は漸減し、無線呼出しについては、大幅な減少がみられる。

2 通話メディアの利用状況
 発信数合計と着信数合計を比較すると、加入電話は着信数の方が多く、携帯・自動車電話及びPHSでは発信が着信を上回る傾向にある。九年度における加入電話、携帯・自動車電話及びPHSからの主な着信先は加入電話となっており、携帯・自動車電話とPHS間の通話は他の電話サービス間の通話に比べて少ない。

3 加入電話
 NTTの加入電話契約数は、十年九月末現在、事務用は一千七百四十八万契約(対前年同期比六・五%減)、住宅用は四千二百十六万契約(同〇・九%減)と、前年に引き続き減少した。
 一方、長距離系NCCの契約数(ID登録数)は、十年九月末現在、三千九百四万契約(対前年同期比六・一%増)、同じく地域系NCCの加入電話回線数については、三・七万回線と、両者ともに増加傾向にある。

4 ISDN
 十年九月末現在、基本インターフェースが三百十一万七千七百九十回線(対前年同期比八三・三%増)、一次群速度インターフェースが三万九千三百九十二回線(同四〇・七%増)と、七年度以降、急激な伸びを示している。また、トラヒックも回線数に比例して近年増加傾向にあるが、特に九年度は大きく増加した。

5 国際電話
 九年度の我が国における発着信合計通話回数は、七億九千八百四十八万回(対前年度比四・九%増)であった。通話時間数では、発信が十七億七千百六十七万分(同三・六%増)、着信が十六億三千五百三万分(同七・六%増)と発信が着信を上回る発信超過の状態にある。

6 携帯・自動車電話
 十年九月末現在の総契約数は、三千六百五十四万契約(対前年同期比四〇・一%増)と堅調に推移している。このうち、NCCのシェアは前年同期より一・六ポイント減の四三・二%である。また、全契約数の九七・九%(対前年同期比七・四ポイント増)がデジタル方式となっている。

7 衛星移動通信
 十一年一月から、日本イリジウムが我が国で初めて周回衛星を利用した移動通信サービスの提供を開始した。また、同年三月には、オーブコムジャパンが同じく周回衛星を利用した双方向データ通信及び測位サービスの提供を開始した。

第5節 放送サービス

1 概況
 我が国の放送は、地上放送、衛星放送、ケーブルテレビに大別される。近年、コミュニティFM放送やCS放送など、新しい放送メディアが相次いで導入されている。

2 衛星放送
 BS放送ではアナログ放送、CS放送ではアナログ放送に加えて、八年六月からデジタル放送が提供されている。BS放送、CS放送とも契約数は順調に増加している。

3 ケーブルテレビ
 加入契約数については、九年度末現在、契約総数は一千四百四十八万二千(対前年度比一四・七%増)、自主放送を行うものの契約数は六百七十二万(同三四・四%増)となっている。また、通信サービス等を提供する事業者も増え、フルサービス化が進み、十年度末現在、ケーブルテレビ事業者のうち六十六社が第一種電気通信事業者の許可を取得している。

4 放送の国際展開
 我が国では、短波国際放送、映像国際放送といった国際放送のほか、外国放送事業者等に対して番組を提供する番組配信を行っている。映像国際放送については、十年十月から、アフリカ西部・南部を除く全世界に放送地域を拡大した。

第6節 郵便サービス

1 取扱数
 総引受郵便物数については、十年度は二百五十九億通(対前年度比〇・六%増)である。
 一九九七年度における各国の引受郵便物数を比較すると、我が国は米国に次いで世界第二位である。

2 サービス
 冊子小包、一般小包(ゆうパック)の配達時間帯指定サービスが新設されたほか、翌朝十時郵便(モーニング10(テン))の取扱地域の拡大、国際エクスプレスメール(EMS)のスピードアップなど、サービスが充実された。

第7節 料金

1 電気通信料金
 二年の企業向けサービス価格指数(日本銀行調査)を一〇〇とすると、十年第四四半期時点の国内電気通信の価格指数は八四・八と、一五・二ポイント低下しており、国内電気通信の価格指数は過去数年間にわたり継続的に低廉化している。
 品目別では、特に携帯・自動車電話の価格指数が大きく低下している。
 また、二年の企業向けサービス価格指数(日本銀行調査)を一〇〇とすると、十年第四四半期時点の国際電気通信の価格指数は七四・四と、二五・六ポイント低下しており、国際電気通信料金の価格指数は過去数年間にわたり継続的に低廉化している。
 品目別では、特に国際電話の価格指数が十年の第三四半期から第四四半期にかけて大きく低下している。

2 放送料金
 公共放送について、一九九八年四月現在の地上系テレビジョン放送受信料(カラー)の一世帯当たりの年額を英国、フランス及びドイツと比較すると、我が国の受信料は平均的な水準といえる。

3 郵便料金
 一九九八年における我が国の郵便料金は、欧州主要国(英国、フランス及びドイツ)との比較では、手紙はいずれの国より割高、はがきにおいてはいずれの国より割安である。一方、米国との比較では、手紙、はがきとも米国より割高である。

第8節 技術

1 研究水準
 一九八二年から五年間ごとにおける情報通信分野の企業間の戦略的な技術提携数の地域分布比率についてみると、米国企業と欧州企業の提携関係が年々深まっており、日本は孤立化に向かう傾向にある。

2 研究開発水準
 我が国の情報通信分野(通信・電子・電気計測器工業、ソフトウェア業及び通信産業)の研究開発費は、九年度に三兆八百四十四億円と初めて三兆円を突破し、全産業の約三割を占めている。

第9節 情報化

1 企業の情報化
 企業の情報化が一層進展し、インターネットの利用率(十年度、八〇・〇%)、LANの利用率(同八三・三%)が向上している。
 また、日米両国における情報化投資額の推移を比較すると、九年の米国の情報化投資額は、我が国の約三倍の規模となっている。情報化投資額対GDP比率でみても、我が国の一・七倍となった。

2 家庭の情報化
 家庭の情報化が進展しており、携帯電話の世帯普及率は五七・七%、インターネットの世帯普及率は一一・〇%に達している。
 また、六年以降、家計における消費支出が減少・横ばい傾向をたどる「消費不況」にもかかわらず、情報通信支出は大幅に増加している(第7図参照)。

3 個人の情報化
 携帯電話やパソコンなどの情報機器の個人単位での普及が進み、三十代の自宅におけるパソコン利用者のうち、八一・四%が自分専用のパソコンを保有している。また、十五〜十九歳の携帯電話保有者の六〇・七%が、利用料金を全額自己負担している。

4 公共分野の情報化
 「平成十年度行政情報化基本調査」(総務庁)によれば、中央省庁等の内部部局のパソコン配備はほぼ一人一台、LAN接続率は九二・六%となっている。また、霞が関WANで運用される業務システムにより、業務の効率化が推進された。
 また、「行政情報化(OA化)の状況調査」(自治省)によれば、パソコンのネットワーク化により、行政事務の情報化が一段と推進した。ただし、「地方公共団体アンケート」によれば、中央省庁等に比べ、パソコンの利用環境整備が不十分である。

第10節 情報流通

1 全国の情報流通
 全国の情報流通量は実質GDPや総人口を上回るスピードで増加している。実際の消費と比較して、どの程度の情報が提供されたかを測る指標である情報選択倍数(選択可能情報量/消費情報量)は、九年度に再び増加に転じた。
 各メディアの情報発信者が一年間に送り出した情報の総量(複製を行って発信した場合及び同一の情報を繰り返し発信した場合も含む)を示す情報発信量は、九年度において、二・一一×一〇一六ワード(対前年度比二一・一%増)となった。
 各メディアの情報受信点において、一年間に情報消費者が選択可能な形で提供された情報の総量を示す選択可能情報量は、九年度において五・〇九×一〇一七ワード(対前年度比一七・四%増)となった。

2 地域の情報流通
 九年度における発信情報量の各都道府県別のシェアは、東京都が二〇・一%と突出しており、上位九都道府県で全体の五〇%を占めている。ジニ係数も前年度と同水準の〇・五〇九となり、過去最高水準で推移している。発信情報量の地域格差の拡大傾向は根強い。
 九年度における選択情報可能量の各都道府県別のシェアは、東京都が一二・八%と最高で、上位七都道府県で全体の五〇%を占めている。ジニ係数は〇・五一八(対前年度比〇・〇一三増)となり、地域格差は拡大した。

第11節 海外の動向

1 海外の情報通信
 米国では一九九六年に連邦通信法の改正により、長距離通信サービス、地域通信サービス及びケーブルテレビサービスの市場相互参入が可能となった。この結果、新規参入が相次ぎ、競争は激化することとなった。この競争激化に対応するために、既存の事業者を中心として、国内の業態の垣根を越えた大型買収等の動きが加速している。また地域通信事業者同士の合併も相次いだ。連邦通信法改正以前は七社あったRBOCs(ベル地域持株会社)が四社にまで減少することとなった。
 アジアでは、一九九七年以来のアジア通貨・経済危機が各国の通信網整備計画の進捗に様々な影響を与えている。中国では、引き続き政府主導の意欲的な政策によって、通信インフラの整備が急速に進められ、加入電話回線数では、既に我が国を凌駕し、米国に次いで世界第二位となった。シンガポールでは、シンガポール・ワン計画が変更されることなく推進されている。インドネシアでは、ヌサンタラ21計画の終了年が延期された。マレーシアのマルチメディア・スーパー・コリドー(MSC)計画は、首相府の新行政都市への移転が遅れたものの、MSC地域を開発する民間企業への政府出資比率を高める等の梃入れが図られた。韓国では、既存の計画にATM基盤超高速通信網構築計画が追加された。

2 海外の放送デジタル化
 米国では一九九八年十一月から二十二都市圏の四十二局が、英国では一九九八年九月にBBCが地上デジタル放送サービスを開始した。スペイン、スウェーデンでは一九九九年に、韓国では二〇〇一年に、オーストラリアでは二〇〇一年以前に地上デジタル放送が開始される予定である。

第3章 情報通信政策の動向

第1節 高度情報通信社会実現に向けた政府の取組

1 高度情報通信社会推進本部の動き
 十年六月、電子商取引等検討部会で「電子商取引等の推進に向けた日本の取組」を取りまとめ、同年九月、これに基づき、政府一体となった取組を積極的に推進することが本部決定された。また、同じく九月には、コンピュータ西暦二〇〇〇年問題への対応に万全を期すため、「コンピュータ西暦二〇〇〇年問題に関する行動計画」が本部決定された。

2 経済対策における情報通信関連施策
 我が国経済を回復軌道に乗せ、二十一世紀における活力ある経済社会を実現するため、十年四月に総合経済対策、同年十一月に緊急経済対策が取りまとめられた。両経済対策及びこれに基づき編成された補正予算において、情報通信の高度化は重要な柱と位置づけられた。郵政省では、両経済対策に沿って、我が国経済再生を目指し、各種施策を推進している。

第2節 電気通信改革の推進

1 二十一世紀における高度情報通信社会の在り方と行政が果たすべき役割
 近年の全世界的なインターネットの爆発的普及等を背景に、高度情報通信社会への移行が急速に進展している。グローバルな規模で容易に情報を受発信できる社会への移行は、これまでの価値観、システム、制度等を変革していくことが予想される。
 このような流れの中で、郵政省は、十年十二月、電気通信審議会に対し、二十一世紀における高度情報通信社会の在り方と行政が果たすべき役割について諮問を行った。

2 電気通信市場の改革
 郵政省は、情報通信市場の一層の活性化を促し、情報通信産業の国際競争力の向上と利用者の利便の向上を図るため、第二次情報通信改革として、NTTの再編成、接続政策の推進、規制緩和を一体的に推進している。十年度においてもKDD法の廃止等の改革が実現した。
 また、十年五月において、電気通信事業法の一部を改正し、第一種電気通信事業の電気通信サービスに関する料金について、原則認可制から原則届出制へ変更された。

3 放送分野における規制緩和の推進
 郵政省では、放送の普及・発展及びデジタル化、多チャンネル化の円滑な推進のために、市場の発展状況を踏まえて、十年度において各種規制緩和措置を実施した。
 また、ケーブルテレビ放送施設の設置許可について、外国人等であることを欠格事由から削除することなどを内容とする「有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律及び有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律案」を第百四十五回国会に提出した。

第3節 ネットワークインフラの整備

1 ネットワークインフラの整備
 一つの端末で世界中のどこででも使用が可能な次世代移動通信システム(IMT―二〇〇〇)の二〇〇一年の実用化に向け、ITUにおいて標準化作業が進められている。一九九九年三月、無線伝送方式についてはIMT―二〇〇〇の基本パラメータ勧告案が、ネットワーク技術についてはIMT―二〇〇〇網のフレームワーク及び機能モデルについての勧告が決定された。

2 情報通信ネットワークの安全・信頼性向上の推進
 コンピュータ西暦二〇〇〇年問題について、中央省庁、特殊法人等が保有するコンピュータシステムのうち、国民生活・企業活動に密接に関連する優先度の高いシステムでは、十一年六月までにやむを得ない事情があるものを除く九二%が、模擬テストを完了する予定である。
 情報通信分野の取組として、電気通信事業者については十年十月「電気通信西暦二〇〇〇年問題連絡会」を、放送事業者については十一年三月「放送事業者西暦二〇〇〇年問題連絡会」を組織し、対応指導を強化することとしている。

3 放送のデジタル化の推進
 郵政省は、チャンネルの多様化、画質の高品質化、機能の高度化に不可欠な放送のデジタル化を、地上放送、衛星放送及びケーブルテレビの全メディアについて積極的に推進している。

第4節 研究開発の推進

1 重点研究開発プロジェクトの推進
 二十一世紀における超高速ネットワークの実現に向け、通信・放送機構は、研究開発用ギガビットネットワークを整備し、これへの接続の利便を図るため、全国四十五か所にアクセスポイントを設置した。十五(二〇〇三)年度までの間、これらを次世代インターネット技術等の研究開発等のテストベッド(開放型実験施設)として、広く研究機関、大学等に開放する。

第5節 情報通信高度化の環境整備

1 情報通信高度化の環境整備
 インターネットの普及等、情報通信の高度化は利用者利便を向上させる一方で、情報通信の不適正利用が社会問題となっている。郵政省が十年七月から十月まで受け付けた苦情をみると、インターネット利用者の増加を反映して、電子メール関係の不適正利用に関するものが多く、十年二月には、情報通信の不適正利用の対応策として、「情報通信の不適正利用と苦情対応のあり方に関する研究会」報告書が取りまとめられた。

第6節 公共分野の情報化の推進

1 次世代における地域情報化政策の在り方
 次世代に向けて、活力ある個性豊かな地域社会が築かれるためには、地域における情報通信高度化と高度利用が不可欠で、情報通信分野の技術革新等を視野に入れた中長期的展望に立った、新しい地域情報化の推進方針を確立する必要がある。そのため、郵政省では、十年十月、電気通信審議会に次世代における地域情報化政策の在り方について諮問した。

2 地域情報化の推進
 郵政省では、地域における情報通信利用を促進するため、地域情報化に取り組む地方公共団体等を支援している。十年度において創設した、マルチメディア街中にぎわい創出事業で二件、地域イントラネット施設整備事業で七件の事業を採択した。

3 公共電気通信システムの共同開発の推進
 十年十一月、郵政省が関係三省庁と共同で策定した「特定公共電気通信システム開発関連技術に関する研究開発の推進に関する法律」が施行された。十一年度においては、警察庁と自治省と連携して、同法の対象となる特定公共電気通信システムを追加することとしており、このための「特定公共電気通信システム開発関連技術に関する研究開発の推進に関する法律の一部を改正する法律案」を第百四十五回国会に提出した。

4 ITSの推進
 我が国では、関係五省庁で次世代の交通システムであるITS(高度道路交通システム:Intelligent Transport Systems)の開発を推進しており、十一年度には、ノンストップ自動料金収受(ETC:Electronic Toll Collection)システムの運用開始が予定されている。
 郵政省では、十年四月、電気通信技術審議会に「ITSにおける情報通信システムの在り方について」を諮問し、十一年二月、答申を受けた。答申では、ITS情報通信システムの二〇一五年までの市場規模は約六十兆円、二〇〇五年までの雇用効果を約三十三万人と試算している。

第7節 グローバル化への対応

1 国際政策の推進
 十年度に開催された情報通信に関連する主な国際会議としては、五月の主要国首脳会議、六月のAPEC電気通信・情報通信産業大臣会合、十月のITU全権委員会議があり、各々情報通信に関して活発な議論が交された。

2 国際協力の推進
 九年度の通信分野における援助実績は、海外資金協力として約三百八十億円(うち無償資金協力約六十九億円)。技術協力として五百三十四人の研修員を受け入れ、八十四人の専門家と九人の協力隊の派遣を実施した。

3 グローバル化への対応
 電気通信分野の国際標準化には、国際電気通信連合(ITU)が重要な役割を果たしており、デファクト標準化の進展に伴い、民間セクターとも積極的な連携を進めている。
 地域的な取組として、アジアにおいては、アジア=太平洋電気通信共同体(APT)が高度道路情報システム(ITS)をはじめとする重要標準化分野に関する活動を推進している。

第8節 郵便局ネットワークの活用の推進

1 郵便局の地域における情報拠点化
 郵政省は、郵便局に設置された情報端末を通じて質の高いワンストップ行政サービスを推進するために、十一年二月から同年三月まで、札幌市(北海道)において行政機関に対する手続を可能とする高度化実験を、十一年三月から五地域十二市町村において広域化実験を実施している。

2 ネットワークサービスの充実
 十一年一月から、郵便貯金とその他金融機関のATM及びCDのオンライン接続による提携を実施している。
 また、十年六月に設立された「日本デビットカード推進協議会」には、十一年三月末現在、九百二十三金融機関と加盟店百四社が参加している。十一年一月から、加盟店八社及び郵便貯金を含む八金融機関により、デビットカードサービスが提供されている。

第9節 郵政行政の情報化

1 郵政行政の情報化の動向
 郵政省は、十年四月、新たな「郵政行政情報化五か年計画」(新PII)により、十年度から十四年度にかけての郵政行政情報化の基本的な方向性・計画目標を示した。その取組の一つとして、行政手続の申請負担軽減に向けて、所管の申請・届出等に係る三百十九手続のうち、十年度までに二百十九手続(六八・七%)の電子化を実施している。

第10節 その他の政策

1 地球環境問題に対する対応
 郵政省は、十年五月に電気通信審議会から「情報通信を活用した地球環境問題への対応」と題する答申を受けた。本答申では、テレワークや高度道路交通システム(ITS)等の主な情報通信システムのCO排出削減効果を試算するとともに、情報通信の活用が地球環境保全に有効であることから、環境負荷低減型情報通信システム普及、地球環境計測技術の研究開発等の政策提言を行った。


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消費支出(全世帯)は実質〇・七%の減少


―平成十一年四月分家計収支―


総 務 庁


◇全世帯の家計

 全世帯の消費支出は、平成九年十一月以降、十二か月連続の実質減少となった後、十年十一月は実質増加、十二月は実質減少、十一年一月は実質増加となり、二月以降、三か月連続の実質減少となった。

◇勤労者世帯の家計

 勤労者世帯の実収入は、平成十年十一月、十二月は実質減少となったが、十一年一月は実質増加、二月は実質で前年と同水準となり、三月、四月は実質減少となった。
 消費支出は、平成十年七月以降、四か月連続の実質減少となった後、十一月は実質増加、十二月は実質減少、十一年一月は実質増加となり、二月以降、三か月連続の実質減少となった。

◇勤労者以外の世帯の家計

 勤労者以外の世帯の消費支出は、一世帯当たり二十九万八千六百九十二円。
 前年同月に比べ、名目二・四%の増加、実質二・六%の増加。












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賃金、労働時間、雇用の動き


毎月勤労統計調査 平成十一年四月分結果速報


労 働 省


 「毎月勤労統計調査」平成十一年四月分結果の主な特徴点は、次のとおりである。

◇賃金の動き

 四月の調査産業計の常用労働者一人平均月間現金給与総額は二十八万九千七百七十四円、前年同月比は〇・一%減であった。現金給与総額のうち、きまって支給する給与は二十八万三千五百四十三円、前年同月比〇・二%減であった。これを所定内給与と所定外給与とに分けてみると、所定内給与は二十六万四千九百二十一円、前年同月比〇・二%減、所定外給与は一万八千六百二十二円、前年同月比は一・一%減となっている。
 また、特別に支払われた給与は六千二百三十一円、前年同月比は一・五%増となっている。
 実質賃金は、前年同月と同水準であった。
 産業別にきまって支給する給与の動きを前年同月比によってみると、伸びの高い順に金融・保険業二・四%増、電気・ガス・熱供給・水道業二・〇%増、サービス業〇・五%増、製造業〇・四%増、卸売・小売業,飲食店一・〇%減、運輸・通信業一・一%減、建設業一・三%減、鉱業二・四%減、不動産業四・九%減であった。

◇労働時間の動き

 四月の調査産業計の常用労働者一人平均月間総実労働時間は百五十九・六時間、前年同月比一・三%減であった。
 総実労働時間のうち、所定内労働時間は百四十九・八時間、前年同月比一・一%減、所定外労働時間は九・八時間、前年同月比四・〇%減、季節調整値は〇・一%増であった。
 製造業の所定外労働時間は十二・一時間で前年同月比は四・七%減、季節調整値の前月比は二・三%減であった。

◇雇用の動き

 四月の調査産業計の雇用の動きを前年同月比によってみると、常用労働者全体で〇・三%増、常用労働者のうち一般労働者では〇・四%減、パートタイム労働者では三・五%増であった。
 常用労働者全体の雇用の動きを産業別に前年同月比によってみると、前年同月を上回ったものはサービス業二・二%増、建設業一・一%増、卸売・小売業,飲食店ともに不動産業〇・五%増、運輸・通信業〇・二%増であった。前年同月を下回ったものは、電気・ガス・熱供給・水道業一・六%減、金融・保険業一・七%減、製造業一・八%減、鉱業五・四%減であった。
 主な産業の雇用の動きを一般労働者・パートタイム労働者別に前年同月比によってみると、製造業では一般労働者二・一%減、パートタイム労働者は前年同月と同水準、卸売・小売業,飲食店では一般労働者二・一%減、パートタイム労働者五・七%増、サービス業では一般労働者二・一%増、パートタイム労働者二・一%増となっている。








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消費者物価指数の動向


―東京都区部(六月中旬速報値)・全国(五月)―


総 務 庁


◇六月の東京都区部消費者物価指数の動向

一 概 況

(1) 総合指数は平成七年を一〇〇として一〇一・八となり、前月比は〇・二%の下落。前年同月比は三月〇・四%の下落、四月〇・二%の下落、五月〇・六%の下落と推移した後、六月は〇・四%の下落となった。
(2) 生鮮食品を除く総合指数は一〇一・九となり、前月と同水準。前年同月比は三月から五月までそれぞれ〇・二%の下落で推移した後、六月は〇・一%の下落となった。

二 前月からの動き

(1) 食料は一〇一・六となり、前月に比べ一・二%の下落。
  生鮮魚介は四・二%の下落。
   <値上がり> ぶり、あじなど
   <値下がり> かつお、いかなど
  生鮮野菜は八・五%の下落。
   <値上がり> れんこん、かぼちゃなど
   <値下がり> さやいんげん、トマトなど
  生鮮果物は三・三%の下落。
   <値上がり> りんご(ふじ)、グレープフルーツなど
   <値下がり> メロン(アンデスメロン)、すいかなど
(2) 住居は一〇一・一となり、前月に比べ〇・五%の上昇。
  家賃は〇・六%の上昇。
   <値上がり> 民営家賃(木造中住宅)など
(3) 被服及び履物は一〇四・七となり、前月に比べ〇・二%の下落。
  衣料は〇・四%の下落。
   <値下がり> スーツ(夏物)など
(4) 教養娯楽は一〇〇・〇となり、前月に比べ〇・三%の下落。
  教養娯楽用品は一・八%の下落。
   <値下がり> 切り花(カーネーション)など
(5) 諸雑費は一〇三・九となり、前月に比べ〇・二%の下落。
  身の回り用品は〇・八%の下落。
   <値下がり> ハンドバッグなど

三 前年同月との比較

 ○上昇した主な項目
  家賃(〇・八%上昇)、菓子類(四・五%上昇)、授業料等(二・〇%上昇)
 ○下落した主な項目
  生鮮野菜(一五・三%下落)、シャツ・セーター・下着類(三・七%下落)、衣料(一・七%下落)、教養娯楽サービス(〇・九%下落)
  (注) 上昇または下落している主な項目は、総合指数の上昇率に対する影響度(寄与度)の大きいものから順に配列した。

四 季節調整済指数

 季節調整済指数をみると、総合指数は一〇一・五となり、前月に比べ〇・一%の上昇となった。
 また、生鮮食品を除く総合指数は一〇一・七となり、前月に比べ〇・一%の上昇となった。

◇五月の全国消費者物価指数の動向

一 概 況

(1) 総合指数は平成七年を一〇〇として一〇二・五となり、前月と同水準。前年同月比は二月〇・一%の下落、三月〇・四%の下落、四月〇・一%の下落と推移した後、五月は〇・四%の下落となった。
(2) 生鮮食品を除く総合指数は一〇二・四となり、前月比は〇・一%の上昇。前年同月比は二月から四月までそれぞれ〇・一%の下落で推移した後、五月は〇・〇%となった。

二 前月からの動き

(1) 食料は一〇三・二となり、前月に比べ〇・一%の下落。
  生鮮魚介は二・五%の下落。
   <値下がり> かつお、いかなど
  生鮮野菜は五・五%の下落。
   <値上がり> ばれいしょ、にんじんなど
   <値下がり> きゅうり、キャベツなど
  生鮮果物は九・三%の上昇。
   <値上がり> りんご(ふじ)、なつみかんなど
   <値下がり> メロン(プリンスメロン)、オレンジなど
(2) 家具・家事用品は九四・九となり、前月に比べ〇・三%の上昇。
  家庭用耐久財は〇・八%の上昇。
   <値上がり> ルームエアコンなど
(3) 被服及び履物は一〇六・九となり、前月に比べ〇・九%の上昇。
  衣料は一・六%の上昇。
   <値上がり> スーツ(夏物)など
(4) 教養娯楽は一〇〇・〇となり、前月に比べ〇・二%の上昇。
  教養娯楽サービスは〇・三%の上昇。
   <値上がり> ゴルフプレー料金など

三 前年同月との比較

 ○上昇した主な項目
  生鮮果物(一一・四%上昇)、授業料(一・七%上昇)、たばこ(七・八%上昇)
 ○下落した主な項目
  生鮮野菜(一九・六%下落)
  (注) 上昇又は下落している主な項目は、総合指数の上昇率に対する影響度(寄与度)の大きいものから順に配列した。

四 季節調整済指数

 季節調整済指数をみると、総合指数は一〇二・〇となり、前月に比べ〇・三%の下落となった。
 また、生鮮食品を除く総合指数は一〇二・一となり、前月に比べ〇・一%の下落となった。

























    <8月25日号の主な予定>

 ▽交通安全白書のあらまし………総 務 庁 




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