官報資料版 平成11年9月29日




                  ▽法人企業の経営動向(平成十一年一〜三月期)………………大 蔵 省

                  ▽第百四十五回国会で審議された法律案・条約の一覧表………内閣官房











法人企業の経営動向


法人企業統計 平成十一年一〜三月期


大 蔵 省


 この調査は、統計法(昭和二十二年法律第一八号)に基づく指定統計第一一〇号として、我が国における金融・保険業を除く資本金一千万円以上の営利法人を対象に、企業活動の短期動向を把握することを目的として、四半期ごとの仮決算計数を調査しているものである。
 その調査結果については、国民所得統計の推計をはじめ、景気判断等の基礎資料等として広く利用されている。
 なお、本調査は標本調査であり(計数等は、標本法人の調査結果に基づいて調査対象法人全体の推計値を算出したもの)、標本法人は層別無作為抽出法により抽出している。
 今回の調査対象法人数等は、次のとおりである。
  調査対象法人   一、一六五、八七九社
  標本法人数       二三、二三八社
  回答率           七八・六%
 当調査結果から平成十一年一〜三月期の企業の経営動向をみると、売上高については、製造業、非製造業とも減収となったことから、全産業ベースの対前年同期増加率(以下「増加率」という。)は△四・五%となった。営業利益については、製造業は減益となったが、非製造業が増益となったことから、全産業ベースの増加率は三・五%となった。
 また、経常利益についても、製造業は減益となったが、非製造業が増益となったことから、全産業ベースの増加率は二・一%となった。
 また、設備投資については、製造業、非製造業ともに減少したため、全産業ベースの増加率は△一〇・五%となった。

一 売上高と利益の動向第1図第2図参照

 (1) 売上高第1表参照

 売上高は、三百三十九兆六千五百九十一億円であり、前年同期(三百五十五兆五千九百四十五億円)を、十五兆九千三百五十四億円下回った。増加率は△四・五%(前期△四・九%)と、七期連続の減収となった。
 業種別にみると、製造業の売上高は九十六兆四百六十八億円で、増加率は△四・七%(同△七・二%)となった。また、非製造業の売上高は二百四十三兆六千百二十四億円で、増加率は△四・四%(同△三・九%)となった。
 製造業では、「一般機械」などで増収となったものの、「電気機械」「食料品」等、多くの業種で減収となった。一方、非製造業では、「サービス業」などが増収となったものの、「卸・小売業」「運輸・通信業」等、多くの業種で減収となった。
 資本金階層別にみると、資本金十億円以上の階層は百四十一兆二千八百二十七億円で、増加率は△九・一%(同△七・一%)、資本金一億円以上十億円未満の階層は五十五兆五千七百八十四億円で、増加率は一・五%(同一・七%)、資本金一千万円以上一億円未満の階層は百四十二兆七千九百八十億円で、増加率は△一・七%(同△五・二%)となった。

 (2) 営業利益第2表参照

 営業利益は、九兆七千二百十七億円であり、増加率は三・五%(前期△二一・二%)と、六期ぶりの増益となった。
 業種別にみると、製造業の営業利益は三兆九百六億円で、増加率は△一六・八%(同△三七・七%)となった。また、非製造業の営業利益は、六兆六千三百十一億円で、増加率は一六・九%(同△七・九%)となった。
 資本金階層別にみると、資本金十億円以上の階層は四兆六千二百四億円で、増加率は六・八%(同△二七・九%)、資本金一億円以上十億円未満の階層は一兆三千三百六十億円で、増加率は一七・五%(同△一六・五%)、資本金一千万円以上一億円未満の階層は三兆七千六百五十四億円で、増加率は△四・一%(同△一三・四%)となった。

 (3) 経常利益第3表参照

 経常利益は、七兆九千百七十一億円であり、前年同期(七兆七千五百三十九億円)を一千六百三十二億円上回り、増加率は二・一%(前期△二四・〇%)と、六期ぶりの増益となった。
 業種別にみると、製造業の経常利益は二兆七千七百九十七億円、増加率は△一七・三%(同△四二・五%)となった。また、非製造業の経常利益は五兆一千三百七十四億円で、増加率は一六・九%(同△五・六%)となった。
 製造業では、「化学」「輸送用機械」等が増益となったものの、「電気機械」等で減益となったほか、「鉄鋼」等で赤字となった。また、非製造業では、「サービス業」「電気業」等が減益となったものの、「運輸・通信業」で黒字となったほか「建設業」等が増益となった。
 資本金階層別にみると、資本金十億円以上の階層は三兆六千四百十四億円で、増加率は一三・四%(同△三六・三%)、資本金一億円以上十億円未満の階層は一兆四百五十億円で、増加率は七・三%(同△二三・五%)、資本金一千万円以上一億円未満の階層は三兆二千三百七億円で、増加率は△九・五%(同△九・五%)となった。

 (4) 利益率第4表参照

 売上高経常利益率は二・三%で、前年同期(二・二%)を〇・一ポイント上回った。
 業種別にみると、製造業は二・九%で、前年同期(三・三%)を〇・四ポイント下回り、非製造業は二・一%で、前年同期(一・七%)を〇・四ポイント上回った。
 資本金階層別にみると、資本金十億円以上の階層は二・六%(前年同期二・一%)、資本金一億円以上十億円未満の階層は一・九%(同一・八%)、資本金一千万円以上一億円未満の階層は二・三%(同二・五%)となった。

二 投資の動向第3図参照

 (1) 設備投資第5表参照

 設備投資額は、十二兆五千五百八十三億円であり、増加率は△一〇・五%(前期△一八・七%)と、五四半期連続の減少となった。
 業種別にみると、製造業の設備投資額は四兆二百七十億円で、増加率は△一九・一%(同△一五・九%)の減少となった。また、非製造業の設備投資額は八兆五千三百十三億円で、増加率は△五・八%(同△二〇・〇%)となった。
 製造業では、「一般機械」が増加したものの、「電気機械」「化学」等の業種で減少となった。一方、非製造業では、「運輸・通信業」「不動産業」などが増加したものの、「サービス業」「卸・小売業」等で減少となった。
 設備投資額を資本金階層別にみると、資本金十億円以上の階層は八兆一千三百八十六億円、増加率は△一二・六%(同△八・七%)、資本金一億円以上十億円未満の階層は一兆九千三百八十四億円、増加率は△四・九%(同△二〇・七%)、資本金一千万円以上一億円未満の階層は二兆四千八百十三億円で、増加率は△七・四%(同△三八・一%)となった。

 (2) 在庫投資第6表参照

 在庫投資額(期末棚卸資産から期首棚卸資産を控除した額)は、△十六兆三千三百五十三億円であり、前年同期(△十三兆二百四十億円)を三兆三千百十三億円下回った。
 在庫投資額を業種別にみると、製造業の投資額は△四兆三千百六十二億円で、前年同期(△三兆九百三億円)を一兆二千二百五十九億円下回った。一方、非製造業の投資額は△十二兆百九十億円で、前年同期(△九兆九千三百三十七億円)を二兆八百五十三億円下回った。
 在庫投資額を種類別にみると、製品・商品が△三兆八千二百六十一億円(前年同期△二兆九千六百四億円)、仕掛品が△十一兆八千八十億円(同△九兆六千六百七十億円)、原材料等が△七千十二億円(同△三千九百六十六億円)となった。また、在庫率は九・二%であり、前期(一一・二%)を二・〇ポイント下回り、前年同期(九・三%)を〇・一ポイント下回った。
 在庫率は、季節的要因により変動(四〜六、十〜十二月期は上昇する期)する傾向がみられる。

三 資金事情第7表参照

 受取手形・売掛金は二百二十二兆百二十億円で、増加率は△三・三%(前期△五・九%)、支払手形・買掛金は百七十八兆一千百四十九億円で、増加率は△七・四%(同△九・八%)となった。借入金をみると、短期借入金は二百十三兆五千百六十八億円で、増加率は△八・〇%(同△七・一%)、長期借入金は二百七十四兆三千三百三十二億円で、増加率は二・八%(同〇・九%)となった。
 現金・預金は百二十九兆五千二十五億円で、増加率は六・九%(同五・二%)、有価証券は三十七兆二千九百五十三億円で、増加率は〇・二%(同△四・一%)となった。
 また、手元流動性は一二・三%であり、前期(一二・六%)を〇・三ポイント下回り、前年同期(一一・二%)を一・一ポイント上回った。

四 自己資本比率第8表参照

 自己資本比率は二三・四%で、前年同期(二一・七%)を一・七ポイント上回った。
 自己資本比率を資本金階層別にみると、資本金十億円以上の階層は二九・八%で、前年同期(二九・一%)を〇・七ポイント上回り、資本金一億円以上十億円未満の階層は一六・三%で、前年同期(一五・八%)を〇・五ポイント上回り、また、資本金一千万円以上一億円未満の階層は一八・五%で、前年同期(一四・九%)を三・六ポイント上回った。

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 なお、次回の調査は平成十一年四〜六月期について実施し、法人からの調査票の提出期限は平成十一年八月十日、結果の公表は平成十一年九月中旬の予定である。

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第145回国会で審議された法律案・条約の一覧表


内閣官房

























    <10月6日号の主な予定>

 ▽建設白書のあらまし………………建 設 省 

 ▽景気予測調査(五月調査)………大 蔵 省 




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