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第2回 イラク問題/研究開発予算と環境への取り組み平成15年2月15日放送
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こんにちは。小泉純一郎です。
先月から始めたこの番組、早いものでもう2回目です。前回は初めての放送だったので、マイクを前に、少し緊張しました。 後から、たくさんの方から御意見をいただきました。激励やら御批判、提案など、勇気づけられたり、「今度はこうした方がいいかな」と思ったり、とても参考になりました。 どうもありがとうございます。 今日は、まず、イラクの問題についてお話ししたいと思います。 イラクを巡る情勢は緊迫していますが、なぜ、今、世界中の国々が、イラクに武装解除を求めているのでしょうか。なぜ、アメリカは、武装解除しないなら武力行使も辞さない、という姿勢を示しているのでしょうか。 ちょっと長くなりますが、歴史をさかのぼって説明させてください。 イラクは、核兵器や生物兵器、化学兵器という恐ろしい兵器を開発し、製造してきました。そして、実際にこれをイラン=イラク戦争で使ったのです。自分の国に住む数千人ものクルド族の人々も化学兵器の犠牲になったと言われています。これが問題なのです。 湾岸戦争のことは、皆さんよく覚えていると思います。今から13年前の1990年8月、イラクがクウェートに侵攻しました。 この戦争は、翌年の4月、イラクがこれらの大量破壊兵器を廃棄することなどを条件に、停戦しました。ところが、イラクはこの約束を守っていない。これが問題になっているわけです。
生物兵器の工場を動物の餌の工場と偽ったり、国連の査察団を威嚇射撃して妨害したり、証拠隠滅をしたりしました。ついに、査察は中断してしまいました。 この問題を何とか解決しようとして、国連安保理事会は、去年の11月に、全会一致で決議を採択しました。「約束を守っていないイラクに対して、武装解除への最後の機会を与える。」これが決議の内容です。国連は査察を再開しました。 イラクは、疑惑を晴らすために、自ら進んで査察に協力する義務があります。 問題は、12年間、イラクが協力していないことなのです。 イラクが査察に協力しているのか。こうした恐ろしい兵器を本当に廃棄したのか。そして、これからどうしていくのか。国連で緊迫した議論が続いています。平和的な解決が望ましいのは言うまでもありません。 日本の立場は、明確、一貫しています。 「まず、イラク自身が、この恐ろしい兵器を進んで廃棄しなければならない。」このことを、イラクに対して、強く求めてきました。 同時に、アメリカには、「国際社会が協調していくことが大事だ。」と、ブッシュ大統領に重ねて伝えています。 そして、どんな場合があっても、日本は一切武力行使はしません。これは明確です。 イギリスのブレア首相と電話で話しましたが、そこでも日本の立場を、私ははっきりと伝えました。 この問題は、イラクとアメリカの問題ではありません。イラクと国際社会全体の問題なのです。 私は、この難しい問題に真正面から向き合い、国益を踏まえて、日本の針路を誤らないようにしっかりと判断していきたいと思います。国際社会が一致協力してイラクを武装解除するという目標に向けて、真剣に外交努力を続けてまいります。 イラクの話はこの辺にして、ここで国内に目を向けて、研究開発予算の話をしたいと思います。 今度の予算で一番力を入れたのは、税金の無駄遣いをなくすことでした。公共事業を削ったり、公務員の給与を引き下げたり、予算の使い道を徹底的に見直しました。 こういう厳しい中でも、研究開発予算、これは「明日の日本のためにとても大事なんじゃないか。」ということで、増額しました。 しかも、役所に任せないで、ノーベル賞を受賞した白川先生を始め、専門家の方々にお願いして、一つひとつ科学者の目で厳しくチェックしてもらいました。そして、大事な分野に思い切って重点配分したんです。 中でも環境分野には特に力を入れました。 「環境保護は経済発展を制約するのではないか」という考え方がありますが、私はそうは思いません。科学技術の力によって、「環境保護と経済発展を両立させることができる」と思います。 燃料電池という言葉、皆さん聞いたことがありますか。酸素と水素が化学反応すると、電気と水ができます。この原理を使って自動車を動かす。燃料はガソリンではなくて水素です。排気ガスは一切出ません。出てくるのは水だけ。環境にやさしい自動車です。
一昨年の12月、私は試作車に乗ってみました。とても静かで乗り心地もなかなかいい。「実用化されたら、第1号車は政府が買います。」と言ったんです。そうしたら、何とそれから1年で、世界初の実用車ができ上がりました。今、公用車として官邸で使っています。 これが普及すれば、排気ガス問題の解消に役立ち、きれいな空気を取り戻すことができると思います。 環境の話題をもう一つ。小泉内閣では、ゴミゼロ社会を目指して、霞が関の役所の食堂で、生ゴミのリサイクルを始めています。 生ゴミをリサイクルして堆肥にする。これで育てた野菜を食堂の献立に使う。資源が無駄なく循環しています。こういう地道な努力の積み重ねが、ゴミゼロ社会を作っていくのだと思います。皆さんの周りでも、いろいろな工夫がなされていると思います。 ゴミゼロ社会、循環型社会に向けて、皆さんと一緒になって、できることをどんどん進めたいと思います。 では、また、来月15日、土曜日、この時間にお目にかかりましょう。 さようなら。 ※このメッセ−ジは、全国38局のラジオで2月15日(土)に放送されたものです。 |
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