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第3回 構造改革特区への取り組み/イラク問題平成15年3月15日放送
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こんにちは、小泉純一郎です。
前回の放送にもたくさんの御意見をお寄せいただきました。どうもありがとうございます。大勢の方々がこの放送を真剣に聞いていただいているんだということがわかって、皆さんに直接語りかけることの大切さを改めて感じています。 |
| ─ | 総理、今日もどうぞよろしく願いいたします。 |
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よろしく。
今日はまず、構造改革特区の話をしたいと思います。 私たちの周りには、昔はうまくいっていたけれども、今ではうまくいかなくなってしまった仕組みや制度があります。こういう規制や仕組みを時代の変化に対応できるように変えていかなければなりません。 しかし、全国一斉に規制改革しようとすると、反対が強くてなかなか進まないので、地域を限って改革を進めたらどうだろうか、これが特区の考え方なんです。地域や民間のアイデアを特区で実現していく、これが構造改革特区です。 今、教育の現場では、不登校の問題に悩んでいます。学校に行くことができない不登校児を受け入れるためにたくさんのNPOが努力しています。こうした方々から「自分たちNPOの活動を学校として認めてほしい。」という要望が寄せられました。 この要望を実現することはできないだろうか、文部科学省に聞いたところ、「NPOは継続して教育できるか心配だ、学校経営は任せられない。」と言ってきました。 私はできない理由を見つけるんではなくて、要望を実現するにはどうしたらよいか、これを考えるのが私たちの仕事ではないかとはっぱをかけました。 「失敗を恐れず試してみて、うまくいかなければ直していく」、これが特区のねらいですから、「実現する方向で検討してください。」と担当大臣に直接指示しました。 そして、教育の特区では、NPOや株式会社も学校をつくれるようにしました。授業内容も学習指導要領に縛られずに、特色あるカリキュラムで子どもたちを教えることができるようにします。 医療の分野では、株式会社が病院を経営したいという希望がありました。厚生労働省は「利益追求を目的とする株式会社は医療分野になじまない。」と反対しました。しかし、株式会社は既に多くの薬をつくっています。 株式会社が病院経営できるようになれば、今までにない新しいタイプの病院ができて、患者さんの選択の幅も広がり、国民のためになるのではないかということで、特区に限って株式会社の病院経営を認めることにしました。最新の抗がん剤によるがん治療や、最先端の医療機器を使った検査など、自由診療、つまり保険を使わない医療サービスを提供できるようにしました。 また、「どぶろく特区」というのもつくります。民宿を経営する農家が、お客さんに自家製のどぶろくを飲んでもらいたい、こういうアイデアが寄せられました。ところが、「どぶろくはお酒なので、年間6,000 リットル、一升びんで3,300 本以上つくらないと免許はあげられない。」ということでした。 こういう規制を外して、特定の地域では民宿自家製のどぶろくをお客さんが飲めるようにしました。 環境とエネルギーの特区では、国立公園の中で、風力発電ができるようにしました。環境を守りながらきれいなエネルギーをつくる。環境とエネルギーを両立させるための新しい一歩になると思います。 ほかにもたくさんの特区があります。今年4月には特区第1号が誕生します。いろいろ抵抗はありましたが、全国の市町村や民間のアイデアを少しでも早く実現できるように、特区担当の鴻池大臣を始め、各大臣が頑張ってくれました。 皆さんもよいアイデアがありましたらお寄せください。これまでできないと思っていたようなことでも、特区でまず実現させていきたいと思います。 |
| ─ | 総理ありがとうございました。動き出した構造改革特区、何だか期待が湧いてきます。私たちの要望が実現できるように是非よろしくお願いいたします。 |
| 頑張ります。 |
| ─ | ところで、総理、今、国民の皆さんが一番注目しているのはイラクをめぐる情勢です。新しい国連決議やアメリカの武力行使の可能性など緊張が高まっていますけれども、これからどうなっていくのでしょうか。 |
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そうですね。確かにイラクをめぐる情勢は緊迫しています。
「戦争か平和か」と言えばだれだって平和がいいに決まっています。私もそうです。しかし、問題はイラクの大量破壊兵器が世界の平和に対する脅威になっているということなんです。今から13年前、クウェートに侵攻したイラクは、大量破壊兵器や炭疽菌、毒ガスなどの恐ろしい生物化学兵器をつくったり、使ったりしています。これが平和に対する重大な脅威に、今でもなっています。 私は常々言ってるんです、この問題はアメリカ対イラクの問題ではないと、ましてやアメリカ対フランスの対立の問題でもないと。イラク対全世界の問題なんだということを忘れてはいけないと思います。イラクが査察に全面協力して、恐ろしい兵器を廃棄すれば平和のうちに事態を解決できるんです。 |
| ─ | それでは総理、日本は今後どのような対応をしていくことになるんでしょうか。 |
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これははっきりしてるんです。国際協調を図りながら、日米同盟関係を大事にしていく。こういう立場に立って国際社会は結束して解決できるように、日本は安保理事会の理事国ではありませんが、日本独自の外交努力を続けているところです。
よく言うんですが、日本はアメリカ、イギリスのように軍隊を動員して、武力行使も辞さないという立場ではありません。フランスのように、核兵器も持っていないんです。ですから、たとえ国連で武力行使容認の決議が採択されても、日本は一切武力行使しません。戦闘行為にも参加しません。 もう時間になってしまいましたね。では、また来月は第1土曜日の5日にお会いしたいと思います。 さようなら。 |
| ※このメッセ−ジは、全国38局のラジオで3月15日(土)に放送されたものです。 |
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