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第4回 経済問題への取り組み/郵政公社の発足平成15年4月5日放送
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こんにちは、小泉純一郎です。
早いものでもう4月、東京では桜が満開ですが、私も先日、農林水産大臣の認証式の帰りに、ほんの短い時間でしたが、皇居の桜並木を歩きました。桜にもいろいろな種類があってきれいでしたね。 |
| ─ | 総理、今日もどうぞよろしくお願いいたします。 |
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よろしく。
今日は、まず、経済の問題についてお話したいと思います。 日本経済は、株価の値下りや雇用の不安など厳しい情勢が続いていますが、これを回復させるためには、どうしたらよいのかいろいろ議論があります。政府がもっと借金をして公共事業を増やせとか、あるいは大型減税で消費を呼び起こせという意見です。 しかし、考えてみてください。今年度も日本は42兆円しか税収がない中で、36兆円も国債発行を認めているんです。しかも、これまで発行した国債の元金と利息の返済に17兆円もかかるので、36兆円の借金も実際には19兆円しか使えないんです。国がこれ以上借金をして、そのツケを将来の子どもたちに背負わせていいんでしょうか。 経済政策に即効薬はありません。新しい時代に合わなくなってしまった仕組みを大胆に改革していく、多少辛くとも正面から立ち向かっていく以外に道はないと思います。 改革を進める一方で、再就職が困難な方には失業保険の給付期間を30日間延長するなど、雇用対策も充実しましたし、新しい仕事に必要な研修も実施します。高齢者向けのケアハウスや保育園などのサービス業で、平成13年度から5年間で約530万人の新たな雇用をつくり出そうとしています。 売上高が減って資金繰りのため借金をしようとする中小企業を支援するために、新たに10兆円の保証制度を2月からスタートさせました。3月までで約4万件、合計7,000 億円の保証を引き受けました。 私は、1月の施政方針演説で、タオル産地今治の企業がアメリカの展示会でグランプリを受彰したお話を紹介しました。中国から安いタオルの輸入が増えて困るといっていた日本のタオル業界が、優れたデザインでアメリカで表彰されたんです。 タオルだけではありません。岐阜県の中小企業が、和紙、紙ですが、その和紙でつくった照明器具がドイツの見本市で優秀賞に選ばれました。全国の産地で、家具やファッション製品、日本酒など、たくさんの地元の企業が世界にチャレンジしています。 苦しいときでも、自らの創意工夫で努力する企業はたくさんあります。こういう企業の活力を生かすような施策をしていきたいと思います。 日本経済は停滞していますが、実際は昨年1年間連続してプラスの成長を続けているんです。それも政府の見通しを上回っての成長です。名目の成長がマイナスになっている原因のデフレ、この克服が今、大きな課題なんです。 |
| ─ | 総理、デフレが問題とおっしゃいましたけれども、物価だけではなくお給料にまで影響が出てきたように感じるんですけれども。 |
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そうですね。デフレはものの値段が下がることですが、デフレはいいと思う人もいると思います。物価は上昇するもんだ、土地は値上がりするもんだと思っていた私たちにとって、インフレを抑えること、物価の値上がりを抑えることは、今まで政治の最大の課題でした。
その物価が下がるんですから、いいんじゃないか、好ましいことのように見えますが、デフレが続くと給料も下がります。お金を借りている人にとっては、借金は減らないのに収入が減って、返済が苦しくなってしまいます。そして、経済全体の活力がなくなってしまうんです。ですから、デフレを克服しなければなりません。 先月、新しく福井さんに日銀総裁になっていただきました。政府は日銀と一体となって構造改革特区などの経済活性化策と、潤沢な資金供給などによって、デフレ対策を進めて参ります。 |
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是非よろしくお願いいたします。 ところで総理、4月に入りまして新しい年度が始まりましたけれども、政府も新しい改革を始めましたね。 |
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はい。4月は、入学や進学、また入社の季節、日本人にとっては新しいことを始める節目の季節だと思います。政府もこの4月からたくさんのことを始めます。
まず、1つは郵政公社です。早速コンビニにポストを置くなど、新しいサービスを始めましたが、生田さんという民間の経営者に総裁になっていただきました。民間に負けないような、便利で頼りになるサービスを提供してもらいます。民間企業も新たに郵便事業に参加できるようになりました。民営化への第一歩になると思っています。 税制も変わります。4月から、合わせて2兆円減税する新しい税制を始めます。贈与税を減税して、住宅資金であれば3,500 万円まで、それ以外の場合は2,500 万円までは、親から贈与を受けても税金がかからないようにしました。贈与税と相続税の税率も引き下げました。 一部には、これは金持ち優遇じゃないかという批判がありますが、決してそうではありません。お金を持っている人がお金を使ってくれなければしょうがないんです。お金を持っている人がお金を使ってくれれば、日本経済全体によい影響を与えます。この減税はさかのぼって、今年の1月1日から実施します。 たばこ1本につき1円、発泡酒1缶について10円、これは増税です。合わせて2,000 億円の増税ですが、2兆円減税していますので、合計1兆8,000 億円の減税になります。 また、環境を保護してきれいな空気を取り戻すために、先週から日本は世界一厳しいディーゼル車の排出規制を実施する第一歩を踏み出しました。 小泉内閣の構造改革は本格的に動き始めています。日本の再生と発展に向けて難しい課題ばかりですが、一つひとつ着実に取り組んでまいります。 もう時間ですね。ではまた、来月は第三土曜日の17日にお会いしましょう。 さようなら。 |
| ─ | 総理、どうもありがとうございました。 |
| ※このメッセ−ジは、全国38局のラジオで4月5日(土)に放送されたものです。 |
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