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第5回 北朝鮮問題/観光立国/SARS平成15年5月17日放送
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こんにちは、小泉純一郎です。
5月、いい季節になってきましたね。この間、さわやかな五月晴れに誘われて、国会議事堂内の敷地を少し歩いてみました。オリーブの木や、イチョウ、クスの木など、いろんな木が植えられていて、青々と枝や葉を伸ばしていました。新緑の季節は私も好きなんです。新しいことにチャレンジしようという意欲が湧いてきますね。 |
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そうですね。総理、今日もどうぞよろしくお願いいたします。 総理は、最近首脳会議のための海外出張ですとか、国内の出張を精力的にこなしていらっしゃいますよね。 |
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ええ、お陰様で健康でありますので、このハードスケジュール、何とかこなしていますけど、昨日と今日、太平洋・島サミットへ出るために、沖縄に行ってきました。太平洋に浮かぶ島国の首脳と、教育問題や環境問題など、幅広く議論してきました。
4月の末から5月始め、連休を利用して、イギリス、スペイン、フランス、ドイツ、そしてギリシャを訪問してきました。駆け足の日程でしたけれども、各国の首脳とイラク復興の問題、北朝鮮の問題など、じっくりと話し合ってきました。 特に北朝鮮の問題については、ヨーロッパでは日本と遠いせいか、どうしても核開発の問題に関心が集まってしまいがちですが、私から核の問題だけでなく、拉致の問題、ミサイルの問題を、包括的に解決していかなければならないということを、よく説明してきました。私は、日本の立場について、各国首脳の理解と支持を得ることができたと思っています。 拉致を含めた北朝鮮の問題は、来週ブッシュ大統領と会う時もしっかり話をするつもりです。世界各国の理解と支持を得て、解決に向けた大きな流れをつくっていければなと思っております。 |
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よろしくお願いいたします。 ところで、総理、もう一つ各国の首脳に積極的に働きかけたことがあるというふうに伺いましたけれども。 |
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ええ、それはね、海外からの観光客と外国から日本への投資を倍増させたいという話なんです。
日本は、1年間で現在1,600 万人が海外旅行に出かけているんです。ところが、外国からは日本への訪問客が年間約500万人ぐらいしかいないんです。これを2010年には、1,000 万人に倍増しようという計画を立てているんです。 外国をちょっと調べてみますとね、スペインは年間5,000 万人、フランスはパリだけでも年間5,000 万人の観光客を、世界中から集める観光大国なんですね。そういう観光大国から、日本が学ぶべき点はたくさんあると思います。 フランスのシラク大統領とは、大統領官邸で夕食をとりながら会談をしたんですけどね、フランスですからフランス料理にワインと思うでしょう。ところが何と、シラク大統領は食事中、鹿児島のね、焼酎を飲んでいたんですよ。 |
| ─ | そうなんですか。 |
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ええ。おちょこが出てきたとき日本酒か思ったんですけど、乾杯と言ったらね、焼酎なんです。シラクさんは、40回以上も日本に来ているんですよ。大の親日家、日本通なんです。観光客倍増の話をしたら、日本にはいいところがたくさんあるじゃないかと、温泉、そして和風旅館、美しい自然、食事がおいしいと、これなどはみんな観光資源なんだと、眠っているんじゃないのかと、逆にね、教えられてしまいました。
日本には魅力的な街や古い歴史と文化、豊かな自然など、まさに観光資源はたくさんにあってね、眠っているんですね。 メールマガジンでも紹介していますが、今、眠っている観光資源を掘り起こして、創意と工夫で魅力ある観光地にすることに成功した観光カリスマの方々が、全国で活躍しています。 ちょっと紹介しますけどね、例えば滋賀県長浜市の笹原司朗さんは、商店街がさびれていく中で、古くからある黒い漆喰の壁の銀行を硝子工芸館に改造したんです。そして、北国ガラス街道として、よみがえらせたんです。 大分県湯布院の溝口薫平さんは、観光地で必要なのは、レジャー施設じゃないと、緑と空間、そして静かな自然だと言ってね、自然保護を大事にしながら新しい温泉地づくりに成功しています。 こういう方々や地域の助けを借りながら観光立国を目指して、何とか外国からの観光客を倍増させて、経済活性化につなげていきたいと思います。 来週はテキサスで、ブッシュ大統領とイラクの復興、拉致問題など北朝鮮の問題をじっくり話し合う予定です。その後、大西洋を越えて、エジプト、サウジアラビアに行きまして、ムバラク大統領、アブドラ皇太子と中東和平やアラブ諸国との協力について話すことにしています。 また、今月の30日、月末ですが、ロシアのサンクトペテルブルグ建都300 年記念行事に出席して、その後すぐ先進国首脳会議が開かれるフランスのエビアンに行って参ります。 忙しい出張が続きますが、頑張っていきたいと思います。 |
| ─ | 海外と言いますと、今、中国などでSARSが大流行していますけれども、日本の対応は万全なんでしょうか。 |
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そうですね、これも心配ですね。中国ではもうSARSが大流行して、多くの方が亡くなっています。これはもう健康問題だけではなくて、海外旅行や経済活動にまで大きな影響を与え始めているもんですから、日本でもこれに対してしっかり対応しなきゃいかんと思っています。
幸いまだ日本では患者が出ていませんが、まず水際で撃退できるように、空港や港でしっかりした検疫体制を取っています。そこで、ちょっと日本の空港は厳し過ぎるんじゃないかという声もありますけれども、御協力お願いしたいと思います。 患者が発生したときは、直ちに適切な治療、対応が取れるように、全国47都道府県で体制を既に整備しております。 国内対策だけではなくて、中国などに対しても、既に専門家を派遣したり、医療機材を提供していますが、引き続き積極的に協力していきたいと思っております。 もう時間ですね。 |
| ─ | そうですね。 |
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では、また来月は第3土曜日の21日にお目にかかりましょう。
さよなら。 |
| ※このメッセ−ジは、全国38局のラジオで5月17日(土)に放送されたものです。 |
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