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第7回 ブレア首相との会談/子供が巻き込まれる事件について平成15年7月19日放送
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こんにちは、小泉純一郎です。
皆さんがこのラジオをお聞きになっているころ、私は、イギリスのブレア首相とちょうど箱根で首脳会談をしているころだと思います。 |
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総理、今日もよろしくお願いいたします。 ブレア首相とは箱根でお会いになるんですか。 |
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ええ、ちょうど週末ですしね、ブレア首相もできたら東京以外がいいというので、箱根に来ていただいて会談することにしました。
ブレア首相に日本のよさをゆっくり味わっていただこうと思い、首脳会談の場所は、日本式の和室、床の間と掘りごたつのある畳の部屋にしました。泊まる部屋も和室、ベッドではなくて、布団でお休みいただこうと思っています。 |
| ─ | 和室での日英首脳会談、何だか和みそうですね。その和室でどんなお話をなさるんでしょうか。 |
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まず、イラクや、そして北朝鮮の問題などの国際問題に加え、環境や科学技術、観光面での日英協力を話し合います。
現在、日本から外国へ行く旅行者は年間1,600万人なのに、外国から日本へは年間500万人しか来ていません。私は観光立国を目指して、2010年には日本を訪れる外国人旅行者を倍増する計画を進めています。 イギリスは、世界各国から年間2,200万人が訪れる観光大国です。日本が学ぶべきことは多いと思います。日本にもよいところはたくさんありますので、まず、ブレア首相に日本のよさを味わっていただこうと思っています。 |
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総理、是非よろしくお願いいたします。 ところで、少女4人の監禁事件や長崎での幼児殺人事件など、子供が巻き込まれる事件が増えていて、不安を覚える親御さんというのがとても多いと思うんですけれども。 |
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そうですね、小学6年生の4人の少女が監禁されていた事件、全員無事で見つかってよかったですね。親御さんもほっとしていらっしゃると思います。でも、子供たちのショックは大きかったでしょうから、早く元気に立ち直ってほしいと思っています。
残念なことですが、子供たちが道で知らない人から声をかけられたときには注意しなくちゃいけないということです。親も子供に、この点をよく言い聞かせてほしいと思います。 そして長崎の事件。4歳の子どもの命を12歳の中学生が奪ったという事件では、強いショックを受けました。最愛のお子さんを失った親御さんの悲しみや無念さを思うと、胸が痛み、言葉もありません。 私は、早速、少年犯罪に総合的に対処するよう、各大臣に指示しました。治安の問題だけでなく、学校教育の面で反省すべきことはないのか、地域社会がもっと協力して少年たちの成長を見守ることはできなかったのか、そして何よりも家庭での親子の関係をどうしたらいいのか。考えなければいけない問題はたくさんあります。 親と子の関係について、「しっかり抱いて、そっと降ろして、歩かせる。」という言葉があります。親は子供にひとり立ちさせたいという思いがありますが、べたべたまとわり付いてくる子に冷たく当たろうと思う時があります。しかし、子供は親にしっかり受け止めてもらいたいんです。そこをよくわからずに、じゃけんに突き放そうとすると、子供は不安になります。精神的に不安定になります。このような態度は、結果的に子のひとり立ちに必要な安定的な精神的成長を妨げることになります。 親と一緒に遊ぼうとする時期はそんなに長いものではありません。幼児期に子供が親から、周囲から、愛されているという確信を持てるように、親がしっかり受け止めることが大事だと思います。 |
| ─ | そうですね、総理。この事件は加害者が少年ということもありまして、刑法が適用されないということですが。 |
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そうなんです。今の法律では、14歳未満の少年・少女は罰せられることはありません。しかし、もう中学生なんですから、殺人が重大な犯罪だということはよくわかっているはずです。
少年犯罪が凶悪化する傾向がありますが、こういう点もよく考えて対応しなくてはと思っております。 |
| ─ | ところで、被害者の方はどうなっているのでしょうか。 |
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加害者の人権ばかりではなくて、被害者とその家族の立場を忘れてはいけないと思います。
先日、私は犯罪被害者の会の代表の方々とお会いしましたが、「家族をなくしたのにどういう状況で何が起こったのか全くわからない。捜査や裁判の状況をもっと教えてほしい。」と、「裁判に出て加害者に直接問いただしたい。」と憤慨しておられました。もっともだと思います。捜査の進め方や、裁判をもっと被害者とその家族に配慮して進めるように、早速検討を指示しました。 |
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よろしくお願いいたします。 ところで総理、いよいよ子どもたちは夏休みが始まりますけれども、総理は夏はどのように過ごされるんでしょうか。 |
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そうですね。学校はもう夏休みか。
私は、再来週まで国会があるので、残っている重要法案の成立に向け、最後まで気を抜けません。その後は、来年度予算の編成作業が始まりますし、今年も広島と長崎の原爆慰霊式典に出席する予定です。 8月中旬には、ドイツのシュレーダー首相から、首脳会談とあわせてバイロイトで開かれるワーグナーのオペラに招待されています。その後、ポーランド、チェコを訪問し、それぞれ首脳会談をする予定です。 私が、ワーグナーの良さをわかってきたのは、40歳過ぎてからです。シュレーダー首相とタンホイザーを鑑賞するのを楽しみにしています。 |
| ─ | すてきですね。総理、もう時間になってしまいました。 |
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そうですね。では、また来月は8月、第5土曜日の30日にお目にかかりましょう。
さようなら。 |
| ※このメッセ−ジは、全国38局のラジオで7月19日(土)に放送されたものです。 |
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