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第8回 北朝鮮問題/日本経済の最近の動き


平成15年8月30日放送

小泉総理ラジオで語る(第8回)の写真


 こんにちは。小泉純一郎です。


 総理、今日もどうぞよろしくお願いいたします。まずはじめに、先日、大阪の池田小学校の事件の宅間被告に死刑判決が出ましたけれども。
 むごい事件ですね。いたいけなかわいいお子さんたちによくもあのような残酷なことができるもんだと憤慨しています。お子さんたちのことを思うと、本当に可哀想ですね。ご家族も大変悲痛な思いをされていると思います。ご家族の気持ちを思うと、こういう判決が出ても憤りはなくならないと思います。

 このような犯罪がなくなるように、治安の面においても、安全の面においても、政府として、今後さらに努力していかなければならないと思います。


 政府のしっかりとした対応をどうぞよろしくお願いいたします。
 ところで、北京では6カ国の協議が行われましたが。
 はい。日本、アメリカ、韓国、中国、そしてロシア、北朝鮮の代表による協議が北京で行われました。

 私は、以前から、北朝鮮の問題は、関係国が一堂に集まって協議しなければならないと思っていましたが、北朝鮮は「核の問題はアメリカとの二国間の問題だ。」そう言って、多国間協議に応じませんでした。今回、それがようやく実現したんです。

 協議の場では、「拉致の問題、核の問題、ミサイルの問題を包括的、総合的に解決していかなければならない。」という日本の立場、また日本の考え方をはっきりと主張しました。

 6カ国協議の合間に、日本と北朝鮮の代表の間で、何度か話し合いました。日本側の主張に対して、北朝鮮側は、「日朝間には日朝平壌宣言というしっかりした基礎がある。拉致問題を含めた日朝間の問題は、日朝平壌宣言に則って一つひとつ解決していきたい。日朝双方が昨年9月17日の日朝平壌宣言を履行していくことが重要だ。」と述べていました。

 今回は、第一回の協議ですから、それぞれ原則論を述べ合うという面もありましたが、「日朝平壌宣言を基本にして進める」という日本の考え方にまったく変わりはありません。アメリカ、韓国などと協力しながら、拉致を含めた包括的な解決に向け、今後も粘り強く努力してまいります。


 是非よろしくお願いいたします。
 ところで総理は、先週欧州を訪問されましたけれども、いかがでしたでしょうか。
 そうですね。ドイツ、ポーランド、チェコを訪問して、各国の首相と会談しました。冷戦時代は東西で対立していたヨーロッパが和解して、来年にはポーランドやチェコなどかつてのソ連側の国々がEUに加盟するんです。

 ドイツ、ポーランド、チェコは、いずれも北朝鮮と国交があります。会談で「拉致の問題と核の問題などを包括的に解決していく」という日本の考え方を説明して、力強い支持をいただきました。

 6月のエビアン・サミットでも私から北朝鮮の問題を取り上げて、各国首脳から賛同を得ました。拉致の問題は、どちらかというとヨーロッパの国にとってはわかりにくい問題なんですが、だんだん理解が進んで、ようやく世界が関心を持ってくれるようになってきたと思います。

 今回6カ国協議が開かれるようになったのも、こういう要素もあるのではないかと思っています。


 そうですね。やはり世界が関心を持ってくれるということは大事なことですね。ところで、総理、この夏は、高校野球の始球式に参加なさったり、国内でもいろいろなところを視察されましたが、こちらはいかがでしたでしょうか。
 あの甲子園での始球式ね。あれは思った以上にうまくいったんです。実は、実際にマウンドから投げたのは、あのときが初めてだったんです。しかも硬球でしょ。いつも軟球しか握ったことがありませんから心配したんですがね、うまくストライクがはいって、とてもうれしかったです。


 とても決まっていました。
 今年の夏は、世界で活躍する大阪の中小企業、またノーベル賞を受賞した小柴博士のカミオカンデ、富山県で農地を借りて大規模な農業を営んでいる方々など、いろんなところに行く機会がありました。最新のIT技術を使った回転寿司も先日見に行ったんです。民間の構造改革は進んでいますね。

 様々な分野で元気にがんばっている皆さんにお会いして、私も元気をもらったような気がします。

 昨日発表された7月の失業率は、5.3パーセントで、前の月と同じですが、失業者の数は前の年の同じ月より約10万人減っていて、二ヶ月連続減少しています。

 サラリーマンなどの仕事についている人は前の年の同じ月よりも7万人増えて、三ヶ月連続で前の年の水準を上回り、求人もこのところ4ヶ月連続で増加しています。

 企業の業績も良くなっているところが増えてきました。株価も心配される方は多いんですが、今年の4月末には、一時7600円程度にまで下がりました。このときはまだ下がると言われていましたが、最近は、1万円を超えて、毎日の株の取引高も一日10億株を超え、大商いが続いています。

 厳しい状況の中にも、少しずつ明るい兆候が出始めてきたのかなという気がしております。

 大阪では、私の好きな作家の司馬遼太郎記念館にも行ったんですが、そこで私はいい言葉を見つけたんです。


 それは、どういう言葉なんでしょうか。
 司馬さんが、子供たちのために書いた文章の中にある言葉なんですが、数千人もの歴史上の人物を知り尽くした司馬さん、戦国時代や乱世の時代をよく知っている司馬先生がね、こう言っているんですね。

 「人間の素晴らしさは、自分のことを悲観的に思わないことです。」

 いい言葉ですね。


 「人間の素晴らしさは、自分のことを悲観的に思わないこと。」いい言葉ですよね。総理、もうそろそろ時間なんですけれども。
 そうですね。

 ではまた、来月は第四土曜日の27日にお目にかかりましょう。

 さようなら。

※このメッセ−ジは、全国38局のラジオで8月30日(土)に放送されたものです。


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