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第19回 ブラジル訪問


平成16年9月18日放送

小泉総理ラジオで語る(第19回)の写真


 こんにちは、小泉純一郎です。

 今週は、外国からこの放送をします。外遊中にこの放送をするのは初めてですね。今、ブラジルの首都ブラジリアにおります。


 総理、今日もよろしくお願いいたします。総理は、今週月曜日から、ブラジル、メキシコを訪問していらっしゃいまして、今回はこの番組初めての海外からの放送ですね。私たちも、このブラジルにやってきたんですけれども、やっぱり日本からは遠いですね。
 そうですね。日本の裏側というんですかね。途中燃料補給のためにカナダのバンクーバーに寄って、サンパウロに着いたんですよね。東京から1日、24時間以上かかるんですね。地理的には、日本から一番遠い国ということになるんでしょう。
 そうですね。
 ところが、実は距離的には遠くても、ブラジルというのはとても身近に感ずる国でもあるんです。というのは、今から100年前になりますけれども、日本人が船に乗って約50日間、航海の末に、ブラジルに移住したんです。約800人、日本の方々が、ここブラジルで希望を見い出しながら、日本からやって来たんです。それ以来、約25万人の日本人がブラジルに移民しているということです。

 現在では、二世とか三世の人も加えると、ブラジルにいる日系人は約150万人に上ります。世界最大ですね。

 そんなにいらっしゃるんですね。
 日本から移民してきた方々は、最初はコーヒー園での重労働に苦労したそうです。飛行機の上から見ますと、土地が赤茶けているんですね。だから、肥沃な土地じゃないですね。不毛の荒野を開拓したんだと思います。現在の我々から考えると、想像を絶するご苦労だったと思います。

 私、サンパウロに朝着いたんですけれども、すぐ小型ジェット機でこのサンパウロから約350キロも北にある、プラドポリスという町に飛んだんです。そこからまたヘリコプターに乗り換えて、空からサトウキビ畑、あるいは、オレンジ畑を視察したんです。広大ですね。日本では信じられないですよ。もうはるかかなた、もう一面、全く農場、農場ですから。本当に広かったです。

 本当にブラジルは広いですね。
 途中、日本人移民が最初に開拓した、グァタパラという土地があるんです。この上を飛ぶ予定になったんですけれども、前から日本にいるときから、もしそこに来るんだったらば、長年農業で苦労している人たちが待っているから、ヘリコプターの上から、日本国の総理大臣が来るんだから、花束でも投げてくれればありがたいな、ということを言われていたんです。

 それで、その土地に行きましたら、運動場ぐらいの広さのところに、日本人移住者の人が2〜300人ですか。もう手を振って、私が乗っているヘリコプターに向かって歓迎しているんです。そこに、地面に「カンゲイ小泉総理大臣」という字が見えたんです、大きく。

 そこで、これだけ多くの地元の日本人移住者が集まって私を歓迎してくれていると、飛行機の上に向かって、私の顔が見えるかどうかわからないのに手を振ってくれているんですね。これで花束を投げて帰って本当にいいんだろうかと、申し訳ないなと思ったから、パイロットにお願いして、何とかここに降りることはできないのかと言ったんです。

 降りてくれて、そうしたら思いがけないことでしょう。もう日系人たちが飛んできてくれて、もう顔をくしゃくしゃにして、涙を流しながら、よく来てくれた、と私の方に駆け寄ってくれて、握手したり抱き合ったり、もうすごい大歓迎してくれたんです。

 うれしかったんでしょうね。
 うれしかったですね。ああいう日本の移住者は、遠い日本故国を離れて、望郷の念というのは、我々の想像を超えるようなものがあると思うんです。困難にめげずに頑張ったんだと。やっと日本の総理大臣が来てくれたのか、という喜びを全身に表してくれましたね。私も思わず涙が出ましたよ。本当にいい視察をすることができたなと、私も来てよかったなと思いました。本当に胸に迫る思いがしましたね。

 また、ブラジリアでは、ルーラ大統領と首脳会談をして、これから日本とブラジルの協力を発展させようと、そういう共同文書を発出することができました。2008年、あと4年後には、日本人が移住してから100周年を迎えるんです。この100周年に向かって、一層、政治、経済、文化、スポーツ、芸術等、交流を盛んにしようと、そういう話し合いをしました。

 私は、南米を訪問するのは初めてなんです。ブラジルも初めてなんです。しかし、いろんな方々とお会いして、日本とブラジルは地理的には遠いけれども、本当に日本の移住者を通じて身近な国だなと感じました。

 今、逆に、日本からブラジルに移住するんではなくて、ブラジルの二世とか三世、この方々が、今、日本に約27万人来ているんですね。そして日本の経済の発展に協力してくれる。日本から移住した日本人をブラジルの国民は温かく迎えてくれた。だから、今度は、ブラジルの日系の方々が日本で活躍して、こういう方々を日本の国民も温かく迎えて活躍できるようにしなければいけないなと痛感しました。

 まだまだお忙しい日程が続きますね。
 毎日、外国に来ても忙しいんですけどね、お互い皆さんの協力を得ながら、私も健康ですから、元気で頑張っていきたいと思います。
 よろしくお願いいたします。いろいろとお伺いしたいんですけれども、そろそろお時間が来てしまいました。
 もう来月は10月の、第3土曜日ですかね、16日にお会いする予定になっております。それまで皆さん、また、お元気で。

※このメッセ−ジは、全国38局のラジオで9月18日(土)に放送されたものです。



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