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第23回 インド洋の大津波に支援の手を


平成17年1月15日放送

小泉総理ラジオで語る(第23回)の写真


 こんにちは、小泉純一郎です。


 総理、今日もどうぞよろしくお願いいたします。
 年末にインドネシア沖で起こった地震というのは、大きな津波を引き起こしまして、インド洋沿岸の国々に想像を絶する被害を及ぼしました。
 そうですね。日本人も含めて、世界中で18万人を超える人々が犠牲になったと言われています。歴史上、かつてこんなに大きな自然災害があったでしょうか。被災者の方々には、心よりお見舞い申し上げます。


 政府は、早速、被害者の捜索などの緊急支援をなさいましたけれども。
 ちょうど自衛隊の護衛艦と補給艦が、アフガニスタンの任務を終えてインド洋から日本に帰還する途中でシンガポールの沖にいたんです。ですから、直ちに現場海域に派遣して、行方不明者の捜索などに当たってもらいました。日本からも緊急医療チームに現地に飛んでもらいました。しかし、実際に現地では、医療や捜索よりも、残念ながら遺体の収容が主な仕事になってしまったんです。


 5億ドルの緊急支援策も発表なさいましたね。
 同じアジアの一員として、日本はできる限りの支援の手を差し伸べるべきだと思いまして、1月1日、5億ドルの緊急支援を行うことを発表しました。人的貢献の面でも、現地では地震の後の病気の発生が心配されていますから、衛生面の支援、物資などの輸送の支援のために、約1,000人規模の自衛隊員を国際緊急援助隊として派遣します。


 日本の素早い対応に各国の評価も高かったですね。
 そうなんです。大晦日から元旦にかけて、どういう支援の手があるか考えたんですが、日本は昔から地震国で、各地で多くの津波の被害がありました。「津波」という言葉は、元来日本語なんです。それが今や世界語になりましたね。

 45年前のチリ沖の大地震では、世界で約3万人の方が亡くなったんですが、地震から丸一日、22時間経って、遠く太平洋の反対側の日本まで津波が押し寄せたんです。岩手県を始め日本でも、100人を超える犠牲者が出るなど、大きな被害に見舞われたんです。

 これをきっかけに、太平洋に面する各国が協力して、津波の早期警戒システムを作り上げたんです。ところが、インド洋には現在それがないんです。日本は、今回インド洋地域に津波の新しい早期警戒システムを作るために、日本が持っている今までの経験とか、知識、技術の面でも協力することにしました。


 日本には、昔から津波の被害というのはあったようですね。
 先日もインドネシアの緊急サミットで、その話を、シンガポールの首相も知っていました。

 今から150年前の1854年12月、和歌山沖で安政南海地震というのが起こったんです。地元の豪族、浜口梧陵(はまぐち ごりょう)という人が、地震の直後、海岸からはるか沖まで波が引いていくのを見て、「これはきっと津波が来る。」と、「村人に知らせなければ。」というので、夕闇の中、取り入れるばかりになっていた大切な田んぼの稲むらに火を付けて、「この丘に上がって来い。」と、避難の道しるべにしたんです。

 この話を、ラフカディオ・ハーンっているでしょう、日本語では小泉八雲、これを短編小説に書いて、それを子ども向けに書き改めたものが、「稲むらの火」という題で小学校5年生の国語の教科書に載せられていたそうなんです。これをシンガポールの首相が知っていたんですから。私、聞かれて、私も知っていてよかったですよ。そうなんだと。


 日本の経済協力が津波の被害を小さくしたということもあったようですね。
 そうなんです。インド洋の南に浮かぶモルディブという島がありますけれども、日本からの経済協力資金を使って、15年かかって島の周りに防波堤を作ったんです。このお陰で、モルディブのマレ島では、浸水はあったんですが、津波によって家屋が流出するなどの被害はなかったようです。

 日本の協力が役に立ってよかったと思っています。


 そうですね。総理は、1月早々急遽インドネシアに行かれましたね。
 インドネシアのジャカルタで、今回被害にあった国々、世界各国の首脳と、また国連などの国際機関のリーダーが一堂に集まったんです。私は、「津波で被害を受けるアジアの人々の痛みというのは、日本の痛みである。日本はできる限りの支援をすること、そして支援の輪を世界に広げていかなければならない。」ということを訴えたんです。

 この会議では、世界各国が今後国連を中心に被害の救済に当たることが合意されました。


 政府や国際機関だけではなくて、民間レベルでも支援の輪が広がっているようですね。
 今、小さな子どもたちの中では、自分の貯めた貯金、これを下ろして寄付するという子どもたちも出てきているんです。スポーツ選手、企業や団体など、世界中の人々がこの災害を我がことのようにとらえて支援の手を差し伸べている。これをとても心強く思っています。今まで経験したことがないような、このような被害に対して、政府だけではなくて、広く民間の方々の力も結集して、被災地の支援をしていかなければならないと思っています。


 そうですね。私たちもできるだけ協力をしていきたいと思っています。
 ところで、総理、来週の17日で阪神・淡路大震災からちょうど10年になります。
 そうですね。早いもので被災地はこの10年で立派に復興しましたけれども、まだまだこの間の被災者の方々の御苦労も多いし、後遺症が出ますからね、心の傷等多いと思います。大変だったと思います。

 来週18日から神戸で国連防災世界会議が開かれます。これは今回の津波が起こったから開くのではないんです。前から決まっていたんです。私も出席することにしていますが、この会議では、今回の津波についての特別会議も設けてもらって、日本からも津波対策のために新しい提案をしようと思っています。


 是非よろしくお願いいたします。
 総理、お忙しい日が続きますけれども、どうぞ頑張ってください。
 はい。今年も正月早々忙しかったんですけれども、改革を進めるために大いに頑張っていきたいと思います。どうか皆さんも、御支援、御協力、よろしくお願い申し上げます。


 総理、今週ももうそろそろ時間ですけれども。
 そうですね。来月は、第3土曜日、2月19日にまたお目にかかりたいと思います。

 さようなら。

※このメッセ−ジは、全国38局のラジオで1月15日(土)に放送されたものです。



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