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第32回 大変革の年を振り返って


平成17年12月17日放送

小泉総理ラジオで語る(第32回)の写真


 こんにちは、小泉純一郎です。


  総理、今日もどうぞよろしくお願いいたします。
 早いものでもう12月、今年も最後の放送になりましたけれども、総理はこの1年を振り返りまして、どうお感じになっていらっしゃいますでしょうか。
 早いものですね。もう年末です。今年の正月は、スマトラ沖地震・津波、あの大災害へ、日本もどうやって支援の手を差し伸べるか、そういうことから始まりましたね。そして「愛・地球博」、更にクール・ビズかな、そして思いがけない解散・総選挙、多事多難だったと思います。

 しかし、今年の年を表す字があるでしょう、毎年やっているでしょう。あれは清水寺だったかな。今年は「愛」ですってね。「愛」といえば「愛・地球博」とか、卓球の愛ちゃん、字が違うけれどもゴルフの藍ちゃん、紀宮さん結婚、そういう言われれば「愛」という字がいいなと思います。

 先日、ある雑誌の記事を読んでいたんです。塩じいが今年を占う、お正月にこんな話をしていたんです。今年は、干支で乙酉(きのととり)という年なんですって、甲乙丙丁の乙という字に、酉というのはお酒にさんずいのないもので、十二支と方位をかけ合わせた組み合わせで、60種類ぐらいの組み合わせがあるそうなんです。今年は乙酉、これはちょうど終戦の60年前と同じ年になるんです。大変革が起こる年だそうです。そういう正月の記事をたまたまある人から面白いことを言っているよ、ということで読んだ。考えてみれば終戦は大変革だったでしょう、60年前の。あの解散・総選挙も政治的には大変革ですね。予想以上のことが起こったんですけれども、なるほどな、干支というのはばかにならないなと。もう変革の年でしたよ。


 確かに、大きな変革の年でしたね。
 総理は、郵政民営化法案の成立後に、そして改革続行内閣を組閣なさいました。
 改革を止めてはならないというスローガンで、国民の多くの支持をいただいたので、郵政民営化は改革の本丸だと。いろいろ外堀、内堀を埋めて、まず本丸を攻め落とそうと。

 この郵政民営化は、国会は反対と結論を出したけれども、国民が必要だと言って逆の結論を出してくれて、これが実現しましたね。ここの本丸が落ちたから、抵抗勢力はあきらめたんですよ。これをいちいち、三の丸から二の丸を攻めていったら、本丸がつぶれない限りあきらめないんです。ようやく本丸がつぶれて、大将もなくなっちゃったから、あきらめて三位一体の改革も、政府系金融機関の改革も進んできているんです。改革をとめることなく、続行していかなければならない。どんどん加速していきたいと思っています。


 まさに、改革続行ですね。是非よろしくお願いいたします。
 ところで、総理は今週は東アジアサミットなどに出席するためにマレーシアを訪問されました。
 東南アジアの10か国、それに日本、中国、韓国の3か国。これが、いわゆるASEANプラス3という会合なんですけれども、それに加えて、今回初めてインドとオーストラリアとニュージーランドの3か国が加わって、東アジアサミットがマレーシアで行われたんです。これは、お互いアジアの一員として、共同体意識を持って協力を深めていこうという、そういう会合です。


 宣言文に各国の首脳が順番にサインをしているときに、総理はお隣に座っていらっしゃった中国の温家宝首相からペンを借りていらっしゃるというシーンがテレビでよく見られましたね。
 あれは、サイン用の万年筆が前に置いてあったんですけれども、私の隣の温家宝首相が自分の筆ペンを取り出して、サインをしたら漢字なんですよ。「温家宝」という、全く日本の新聞と同じような漢字を書いたんです。そうしたら、私もペンよりも筆ペン、私も漢字でサイン、筆ペンを借りてサインしたんですよ。


 貸してくださいと。そうだったんですか。
 はい。日中間がぎくしゃくしているから、みんな、何か心配しているような雰囲気で、拍手していましたけれども。


 拍手が起こっていましたね。
 私は、日中間友好関係は大事にしていかなければならぬと。日韓も同じです。私は、いつでも会談の用意がありますよと。しかし、靖国問題があるから会談しないというのは、私はちょっとその考え方がわからないんです。

 どの国でも、1つや2つ、意見の違いや対立があるんです。ロシアの間だって、北方領土の問題、対立しているでしょう。意見が違うでしょう。しかし、お互い、首脳の交流があって、会談をして、その違いを埋めていく努力をしているんです。どの国でもそうです。アメリカだってそうです。BSEの問題とかいろいろ意見の違いがあるんです、基地の問題とか。そういう問題を話し合って解決していくのが普通だと思うんです。1つの問題が意見が合わないから会談をしないという考えは理解できないんです。

 そういうことも、ASEAN諸国の首脳の前で、私ははっきり言っているんです。私は、日中友好論者だと、日韓友好論者だと、いつでも会談をする用意があるし、今まで中国とも韓国とも交流を進めて、私の就任前に比べれば、今ほど中国とも韓国とも、経済においても、人的な交流においても拡大した時代はなかったと。これからも友好関係を続けていくという、そういう話をしたんです。


 そうだったんですか。
 ところで、総理、来年はどういう年にしたいと思っていらっしゃいますか。
 そうですね、この最近の経済の状況を見ても、だんだん改善してきましたね。3年連続してプラスの経済成長が続いています。都会だけではないかというのも、だんだん中小企業や地方にも、この回復の動きが見えてきました。大分、日本経済全体としての力強さが出てきたものですから、これを来年につなげて、更に活性化して、やればできるという意欲を多くの国民の中に持っていただくように努力していきたいと思うんです。


 そうですね。
 やはり政治で一番大事なのは、国民一人ひとりがやる気を出すと、やればできるんだと、自分はどういう工夫をしたら発展できるかなという、個人も企業も、創意と工夫を発揮できるような環境を整えていくのが、政治で一番大事だと思っております。是非とも来年もそういう意欲を持って、みんなが頑張ってもらうような環境を整えていくのが改革の意義だと思いますので、頑張っていきたいと思います。


 是非よろしくお願いいたします。
 総理、今週ももうそろそろお時間なんですけれども。
 そうですね。1年いろんなことがあって、過ぎてみれば早いんですけれども、来年もまた正月、第3土曜日の21日にお目にかかりたいと思います。よろしく。さようなら。よいお年を。
※このメッセ−ジは、全国38局のラジオで12月17日(土)に放送されたものです。



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