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第33回 施政方針演説平成18年1月21日放送
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| こんにちは、小泉純一郎です。 |
| ─ | 総理、今年初めての放送ですけれども、今年もどうぞよろしくお願いいたします。 |
| こちらこそ、よろしく。今年は、寒さ厳しく、皆さんも大変ですけれども、よろしくお願い申し上げます。 |
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よろしくお願いいたします。
昨日から国会が始まりまして、総理は施政方針演説をなさいましたね。 |
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今年は総理大臣として最後の施政方針演説になりますからね。できるだけわかりやすく、これから9月まで取り組むべき課題について方針を、いかに国民に理解してもらうか、結構力を入れましたよ。
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そうですか。
ところで、総理は演説では経済や福祉、教育、外交など、本当に幅広い分野について触れられていますけれども、その中でも一番訴えたかったことというのは。 |
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これは、改革なくして成長なしなんだと。就任したときは不況で、デフレ状態だったから、成長を先にやれと、成長しないと改革はできないと。痛みばっかり出るから、改革なくして成長なしではなくて、逆に成長なくして改革なしなんだというこの論争が盛んに行われたんです。しかし、結果的に改革を進めてきて、成長がだんだん実現してきているという実感が出てきた。この論争は決着が付いたと思いますね。やはり改革なくして成長なしなんだと、今後も改革を加速していくんだと、改革を止めるなという国民の声に応えていくんだと。これに一番重点を置きました。
日本の経済も、皆さんだめだだめだという悲観論が強かったです。しかし、ようやく景気にも明るい兆しが見えてきて、やればできる、そういう自信も出てきたような、また意欲も湧いてきたような感じがしております。これからも、余り悲観論に陥ることなく、前向きに進まなければいかぬと、チャップリンでしたか、人生大事なのは、夢と希望とサムマネー、いい言葉でしょう。みんなやはり夢と希望を持って、そんなにもうけなくてもいいと、生活できる、少しは楽しみのできるサムマネーがあればいいと、夢と希望とサムマネー、こういう明るい希望を持って進むのが大事だというような演説になればいいなと思って、いろいろ想を練ったんです。 |
| ─ | 今、チャップリンの言葉がありましたけれども、演説の最後のところで、幕末の志士の吉田松蔭の「志士は溝壑(こうがく)にあるを忘れず」という言葉も紹介してお気持ちを表していらっしゃいましたけれども。 |
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これね、難しい言葉ですね。特に溝壑という言葉、溝や谷という言葉、「志士は溝壑にあるを忘れず」という、この溝とか谷の溝壑という言葉は、知らない人が多いと思います。私は、学生時代に吉田松蔭のいろんな本を読んで、感銘を受けていた本なんです。だから、これは国事で奔走する明治維新にかけた幕末の志士たち、こういう志のある人は、溝や谷に落ちて死んでも構わないんだと、野ざらしでしかばねをさらしても構わないという気持ちで国事に奔走している。国のため、明治維新のため、改革のために。こういう覚悟が大事だということを吉田松蔭は、もともとこれは孔子の言葉なんですけれども引用して、当時の若い人たちに、国事に奔走して志を遂げるために、こういう苦労をいとってはだめだと。覚悟が大事だという心構えを説いたんです。
だから、これは私はすべての国会議員に、こういう志を持って国事に当たってもらいたい、政治の改革を進めてもらいたいという気持ちを言いたかったから、自分に言い聞かせる気持ちでもあるんですけれども、これを結びの言葉にしたんです。 |
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そうですか、いい言葉ですね。9月まで是非頑張って任期を務めていただきたいと思います。
ところで、総理は今週、都内の中小企業も視察なさいましたよね。 |
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そうなんですよ。つい最近、東京都内の従業員たった6人の町工場を経営しているところ、それは痛くない注射針を開発しているんです。
本当に痛くないんですよ。これをよく開発したなと。それをつくるまでに13人ぐらいかかって、こういう痛くない針をつくっていたのが、今度は機械だけで、1分間に300本か400本つくっているんです。1秒間に5〜6本ですよ。これを何十万本、何百万本つくって。こういうわずか6人の従業員でやっている中小というか、むしろ零細企業ですね、こういう努力して、これを大企業が何とか救ってくれると、それを楽しみながら社長さん、おやじさんはやっているんですね。感心しましたね。 こういう中小零細企業が頑張っているから日本の大企業も世界で活躍しているんだなと心強く感じましたよ。 |
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そうですね、日本の中小企業の皆さん、頑張っていますよね。
ほかにも、これは女性なんですけれども、リボン、4万本ぐらいのリボンを色の違いも、幅、細さ、これをつくって、これがまた売り込みしないのに注文に来るんですって。 今、パリで店を出している、ニューヨークで店を出している。リボンをどう使おうが注文する人の勝手なんですって。リボンを服に使ったり、ハンドバッグに使ったり、靴に使ったり、ネックレスの飾りに使ったり、どういうふうに使ってもいいと。 これがまた面白い発想でね、売り込まないでどんどん注文に来て、世界中の一流のファッションデザイナーから注目を浴びていると。 しかも、パリでつくるよりも、ニューヨークでつくるよりも高いんですよ。それでもこの日本のリボンがいいと言って、その店に来るんです。 |
| ─ | すばらしいですね。 |
| すばらしいですよ、こういうふうに頑張っている人がいる。こういう人たちが日本経済を支えているんだなと、改めて夢を実現している人を見て、本当に力づけられました。これからも、これだけではなくて、いろんな方々が努力しているから、日本の経済というのは一時期不況に落ち込んでも屈しないで、また回復の道を歩んでいるんだなということを感じましたね。 |
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そうですね。ところで、総理、来月に入りますと、トリノで冬季オリンピックが始まりますけれども、総理はウィンタースポーツはなさるんでしょうか。
私はスキー大好きですよ。 |
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そうですか。
結構やるんですけどね。 |
| ─ | 腕前は。 |
| 一応パラレルはやるんですけれども、総理になってからやると警戒が大変でしょう。 |
| ─ | 周りの方々も。 |
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それで警備の人も寒い中大変だから、つい総理大臣の間は、我慢しようと思って、だから見る方で楽しんでいます。
これから冬季オリンピック、トリノのね、楽しみですね。せいぜいテレビで応援したり、楽しんだりしようと思っています。 |
| ─ | そうですか。総理、今週もそろそろ時間です。 |
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次回は2月、一番寒い季節ですけれども、寒波や大雪に注意して、皆さん風邪を引かないで健康に留意して頑張っていただきたいと思います。
また、来月もお目にかかりましょう。さようなら。 |
| ※このメッセ−ジは、全国38局のラジオで1月21日(土)に放送されたものです。 |
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