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新たな時代における経済上の連携に関する
日本国とシンガポール共和国との間の協定の署名に際する
日本及びシンガポールの両国首脳による共同発表
(21世紀のダイナミズムと繁栄に向けて)


 我々、小泉純一郎日本国内閣総理大臣及びゴー・チョク・トン・シンガポール首相は、2002年1月13日、シンガポールにおいて会談を行い、アジア地域における政治経済の情勢をはじめとする様々な問題について意見と分析を交換しあった。この地域の安全・安定・繁栄への貢献という我々に共通の責務を再確認しつつ、その責務遂行のために両国がいかに緊密に協力すべきかについて、我々は率直な話合いを行った。

 我々、両首脳は、この地域の歴史を振り返り、冷戦下の東西対立の影響を受けて、イデオロギーにより一時期苛酷にも分断されていた北東アジア及び東南アジアの国々が結束に向かうという最近の前向きな進展に勇気づけられている。また、我々は、これらのアジアの国々と世界の他の国々との協調が進んでいることも歓迎する。

 しかしながら、多くの困難と試練が依然として残っている。1997年から1998年にかけて発生したアジア通貨危機は、今なお我々の記憶に新しい。また現下の世界的景気後退は、この地域の繁栄と成長を脅かしている。

 我々は、この地域の経済の再活性化のためには、この地域の人々に共通する特性である勤勉、活力、成熟さを今こそ動員し、更なる創造力、技術革新力及び起業家精神を我々の中に呼び起こさなければならないと認識する。これがひいては、我々両国の繁栄にも資するものとなろう。

 かかる認識に立って、我々は、両国がこの地域において果たすべき役割を見直し、かつ、再評価した上で、新たな連携のための枠組みを構築することを通じて、両国の間に既に存在する緊密かつ親密な関係に新たな刺激を吹き込むべきであると決意した。

 我々は、グローバル化の勢いと急速な技術的進歩が国際環境を変化させ、経済面及び戦略面で新たな課題と機会を提示してきたことを認識し、日本及びシンガポールの企業のために、より大きな規模のより調和した市場を創出する上で、また両国の制度や政策の改革を進める上で、両国間に経済上の連携を構築することが重要であることを確認する。これにより、我々の市場の魅力と活力が増進することとなろう。

 我々は、両国間の一層強固な経済上の結び付きと統合が、企業活動に新たな機会を創出し、規模の経済を拡大し、さらに取引の安定性と予見可能性を高めるであろうことを確信する。我々は、そうした結び付きと統合は、豊かな人材と多くの天然資源に富むこの地域において堅実な経済発展と緊密な経済上の連携を加速させ、かつ、促進する触媒として、重要な役割を果たすことを堅く信じる。我々は、この目標の達成に向けて協力することを決意する。

 我々は、日本とシンガポールの間の経済上の絆が強化されることは、日本の東南アジアへの関わりと同地域における日本の取り組みの強化につながるものと信じる。また日本とシンガポールの間の絆の強化は、日本と他のASEAN諸国との経済関係を強固なものにするための枠組みを提供することとなるであろう。これはひいては、5億人からなる共同市場の統合を目指すASEANの努力を支援することとなろう。

 我々は、日本とシンガポールの間のこうした経済上の連携は、両国間の貿易上の障害の相互撤廃、相互の投資の円滑化と促進、資本市場の発展、人物の交流、情報通信技術の利用の促進、並びに、科学研究機関、大学、放送事業者及び中小企業の間の提携を伴うものとなるべきであると考える。

10  我々は更に、現代の経済において民間部門の役割が急速に拡大していることを考慮し、二国間の連携は、両政府の間のみにおいて構築されるのではなく、政府以外の様々な団体もまたこれに関与すべきであるとの確信を共有する。

11  これらすべての信念と希望を念頭に、我々は、新たな時代における経済上の連携に関する日本国とシンガポール共和国との間の協定の署名を今ここに終えたことを満足の意をもって発表する。同時に我々は、新たな時代における経済上の連携を構築する過程で、両国の民間部門が関与する数多くの連携や結び付きが進展したことを歓迎する旨の共同声明を喜びをもって発出したい。これらの共同声明には、今ここに署名を終えた協定に含まれる幾つかの分野に関係する双方の共有する見解及び信念が含まれている。

12  我々は、両国の政府と国民を代表して、21世紀の門戸が開かれた今、このアジアで最初の包括的かつ実質的な二国間の経済上の連携協定が締結されたことを心から祝福する。