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小泉総理大臣のASEAN諸国訪問における
内外記者会見

平成14年1月14日

冒頭発言

【小泉総理】 今回ASEAN5カ国を訪問したが、各国の首脳より、これまでの日本による支援・協力、日本の善意、好意、協力に対して感謝の意の表明を受けた。日本としても、日本の支援に対する感謝に応えていかなければならないと強く感じた。25年前、福田元総理がマニラでスピーチを行ったが、それ以来25年間、日本とASEAN諸国との関係は着実に発展した。今後この25年間の努力の積み重ねを大切にしながら、日本のASEAN重視政策を小泉内閣としても続けていきたい。この日本とASEANとの友好協力関係を基にして、日本、中国、韓国、ASEAN+3更に将来の発展する東アジア外交に向けて広がりを持たせるような関係に繋げていくことができればと思い、各国首脳と率直な意見交換を行った。「率直なパートナー」として「共に歩み共に進む」という自分の基本的な考え方は、各国首脳から理解されたと思う。


質疑応答

【記者】 貴総理の東アジア外交の新方針に対する各国首脳の反応振り如何。貴総理が提案したイニシアティブ・構想実現の今後の見通し如何。またこの構想との関係で、中国荷対する見方如何。

【小泉総理】 私は、日本とASEANとの関係をブロックにしてはいけないと考えている。日本とASEAN、中国、韓国との地域的な協力関係は、世界に広げていくものであり、世界各国がこの地域の発展に関心を持ってもらうためにも、閉鎖的であってはならない。この意味で中国がASEANに大きな関心を抱き、共に発展していこうとする姿勢を見せたことを歓迎したい。中国はWTOに加盟し、2008年に北京でオリンピックが開催される。中国が有する政治面・経済面での大きな潜在力を多くの国民が期待している。世界の地域の経済発展や政治的安定に大きく関わっていこうとする中国の姿勢を、私は評価する。日本と中国は、ASEAN発展のために、また地域の発展のために、互いに協力し、ASEAN+3がASEMやAPEC等と連携をとりながら、多くの国と広がりを持てるような、連携できるような関わり合いを、日本も、中国と共に、ASEANと築いていきたいと考えている。

【記者】 中国はASEANとのFTAにつき、10年間で創設することに合意したが、日本は何故ASEANに対し同種の提案を行わないのか。

【小泉総理】 中国がASEANとFTAを締結しようということは、それぞれの国が考えることなので、それはそれで結構と考える。日本としても、今後シンガポールだけではなく、ASEAN各国ともできる限り幅広い分野の協力を進めていきたい。しかし、期限を区切って協定を結ぶことよりも、今までの友好協力関係や実務的な面も含む積み重ねを、将来の貿易協定を排除せずに、続けていくことが必要である。それにより成熟したパートナーになれば、FTAを締結する環境が整うと考える。現時点で期限を区切って考えるよりは、お互いの積み重ねを大切にしながら、将来幅広い分野で協力していくための実績を作るべきである。特に来年は、日・ASEAN交流年であるので、事業を考えている。各国の国情、制度、文化が違う中で、その違いを大切にしながら協力していこうという姿勢を堅持し、発展させることが現実的と考える。

【記者】 「米国の関与が不可欠」と首脳会談で度々発言しているが、米国はアジアばかりか全世界に関与している。改めて「アジアへの関与を」というのは、どのような関与を念頭に置いているのか。

【小泉総理】 日本と米国は日米安全保障条約を締結しており、これは日本外交の基軸である。米国の関与は、アジア諸国にとって当然のことと考える。日・ASEAN、日中韓の地域協力関係は、決して排他的なものではない。むしろ、米国の存在は各国に安心感を与える。安全保障の面でも同様である。米国の経済力は極めて大きい。むしろ米国を排除しないことが普通であって、逆に排除したらおかしいと考える。今後この地域において、経済面、安全保障面においても、米国との相互依存関係が強化されていくので、この地域の繁栄と発展のために、引き続き米国が関与することは当然である。

【記者】 貴総理は、ASEANの首脳に対して、ASEANとの経済協力を強化することを強調したが、各国首脳の反応如何。今後の障害となりうるものは何か。

【小泉総理】 各国首脳よりは、予想以上に好意的な支援の表明がなされた。日・ASEAN関係を重要な地域的な協力関係として発展させたいという力強い激励と、日本に対する改革実現の期待が表明された。このようなASEANの期待に応えるためにも、日本の構造改革に真剣に取り組み、できる限り早期に経済再生を成し遂げることが、引き続きASEAN諸国の「率直なパートナー」として、「心と心の触れ合い」、「まさかの時の友は真の友」というパートナーとしての役割を示すためにも必要であるということを痛感した。日本の支援協力に対する率直な心のこもった感謝の言葉を伺うことにより、日本による協力の重要性を再認識した。今回ASEAN各国を訪問し、短時間ではあったが、各国の国情を拝見し、首脳と意見交換することにより、日本のASEAN重視外交は間違っていなかったと認識した。自分の内閣においても、日本のアジア重視外交をしっかりと堅持し、発展させていかなければならないと考える。

【記者】 日・ASEAN包括的経済連携構想の中心となるのはFTAであると思うが、農業分野についての国内調整を如何に進めていくのか。

【小泉総理】 農業分野は、日本においてもかなり政治的な問題である。しかしながら、現在ASEANと日本との農水産物貿易は、2000年に、94億ドル、すなわち1兆円前後の輸入を日本が行っており、比較的順調に推移している。今後とも農業問題が出てくると思うが、ケース・バイ・ケースで話し合い、自由化について話を進めていきたい。当面WTOの新ラウンド交渉で議論していくことが基本となる。ASEAN側からも、我が国との貿易関係について農水産物貿易も含めて高く評価されているとの印象を受けた。