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小泉総理の演説・記者会見等
 

第154回通常国会終了後の小泉内閣総理大臣記者会見


平成14年8月1日

記者会見を行う小泉総理の写真


【小泉総理冒頭発言】

 1月から始まりました今次通常国会も、7月末まで長期間にわたり熱心な審議をいただきまして、多くの与党の国会議員の皆様始め、御協力によりまして、数々の法案も成立をすることができました。いろいろ御批判もいただきました。そういう中で小泉改革は失敗したのではないか、進んでいないのではないか、小泉改革はだめだという声の中で、何とか小泉改革を成功させたい。小泉改革を実現させたいという気持ちで激励、御支援をいただいた多くの国民各位に対しまして心から感謝を申し上げたいと思います。

 数々の不祥事が出た国会ではあります。政治と金の在り方、あるいは政治家と官僚、役所の在り方、いろいろ問題点が指摘されました。そういう中で、これからより政治が、また政治家が国民から信頼されるためには、どういう行動が必要か。また、どのような制度改革が必要かという点も熱心に議論された国会だったと思います。その中で、あっせん利得処罰法案、これは政治家の秘書にまで対象を広げた法案、更には入札に関する疑惑、これを改善するために入札談合防止法案等、前進する法案も成立することができました。今後まだまだ政治家がどのように政治活動のための資金を調達すべきか。また、あるべき献金というのは、どういう点が望ましいものか、いろいろ課題を残していると思います。今後、そういう点も今国会のいろいろな指摘された問題を真剣に検討して、更に改善する方向に向けて我々は努力を続けていかなくてはならないと思っております。

 また、国民生活に大変関係の深い医療改革関連法案も成立することができました。国民の中には、健保の負担が2割から3割に増えたということで、これは国民に痛みをもたらすものではないかという御批判もありました。しかし、医療保険制度というのは、患者さんの負担、そして、病気になっていない方々の保険料負担してくださる方々の負担、そして国民全体の税金の負担、この三者の組み合わせしかないわけであります。どのような給付を、どのような負担でするべきかということは、これからも大事な問題だと思っております。国保は3割負担を既に前からされております。今回、健保が2割から3割負担になるということだけをとらえて、これは国民に痛みを押し付けるというのは、全く誤解だと思っております。

 私どもとしては、この保険料負担、税金の負担、患者さんの負担という適切な負担の在り方、そして給付の在り方を今後とも検討し、改善の方向、更に改革に向けていろいろ問題点を明らかにして、より前進すべき改革に邁進していかなければらならないと思います。 そういう中で診療報酬の在り方、これはお医者さんの技術料、この手術にはどのくらいの費用が必要か、いろいろ問題点もあります。あるいは、検査でも治療でも薬でも、全部出来高で見るという方法と、慢性的な病気に対しては、大体今までの経験から、費用はこの程度だとわかっているんじゃないかと。そういう点については、こういう病気に対しては、この程度の額ですよという包括払い。それぞれ出来高払いにしても、すべての検査・治療・手術はすべて負担するという出来高払いと、一定の病気に対してはこの程度の額でやってくれという包括定額払い。どっちにしても、長所短所があるわけです。そういう点に向けて、診療報酬の在り方、出来高払い、定額払いを含めて、より質の高い効率的な医療に向けた改善が必要だと思っております。

 更に薬価の問題。これも同じ効果があるんだったらば、高い薬を使わないで、安い薬を出している会社もあるんだと。効能が同じ、効果が同じだったら、安い薬を使うような慣行なり習慣を付けていく必要があるんじゃないか。薬価の問題、これも改善の余地があると思っております。

 更に高齢者の医療の問題。これはこれからますます高齢者が増えてまいります。他方、税負担でも保険料負担でも、負担をされる病気にならない方々、若い方の、負担してくださる若い人口も減ってまいります。どうしても高齢者になれば病気になる率も多くなるでしょう。病名も1つだけではないでしょう。どんどん高齢者が増える中で、そういう負担を若い方々はどの程度適正に負担できるかということを考えますと、高齢者の医療の在り方という問題も今のままでいいとは思っておりません。

 また、保険制度もいろいろ分立しています。こういうことに対しましても、整理統合して、もっと効率的な医療体制ができるのではないか、こういう抜本的な改革案についても、今年度中に1つの方向を出して、随時改革していかなければならないと思っております。 いずれにしても、どこでも、だれでも、お医者さんを選ぶことができる。お医者さんを代えることができるという、世界に冠たる医療皆保険制度を日本は発展させてまいりました。この国民皆保険制度を維持発展させていく、持続可能な医療保険制度を、よりよい制度に改めていくために、私は今後も改革に向かって努力を傾注していきたいと思います。

 単なる2割負担が3割負担になったから、これは国民に痛みを押し付けるというのは全く誤解であるということをあえて申し上げたいと思います。

 また、構造改革の一貫としまして、特殊法人、この問題につきましても、道路公団の民営化の問題につきましても、第三者機関を設立して、将来、できるだけ無駄のない、税金の使い方をしていかなければならない。必要な道路はつくるけれども、無駄ではないか、余り利用者はないのではないか、高速道路でなくても、一般の道路でも整備していけば可能ではないか。そういう道路の必要性、つくり方、税金を投入する価値があるかどうかという見極めのために、今の道路公団方式がいいと思っておりません。

 そういうことから、道路公団の民営化という方針を昨年来から掲げて、今年になりまして、この道路公団第三者機関の法律が今国会で成立し、ようやく7人の委員を人選することができまして、今、精力的に審議を進めていただいております。

 私はこの方々の熱心な議論、この結論を踏まえて、あるべき道路民営化の方策を今後とも実現のために努力をしていきたいと思っております。

 また、郵政公社、これは郵便事業への民間参入を促すという法案でございます。不十分だという声がありますが、郵政公社という法案が実現いたしまして、来年4月から郵政事業庁から郵政公社になって発足いたします。これは将来、大きな改革の第一歩だと受け止めております。

 今回の法案で、多くの野党の皆さんからも、また、報道関係者の皆さんからも、郵政公社法案は不十分じゃないか。もっと抜本的改革に向けて民営化に向けて、議論すべきじゃないかという御批判もいただきました。しかしながら、この法案は既に郵政公社化のための基盤が私の発足する内閣以前に決まっていた法案であります。お陰様で、反対の多かった法案ではございますが、与党結束した協力のお陰で成立を見ることができました。今後、私は、来年の4月の公社化に向けて、郵政公社法案が成立した時点から一歩進めて、今後はいよいよ改革の本丸に向けて本格的な郵政三事業民営化に向けての一歩を今後踏み出したいと思います。

 郵貯、簡保を含めまして、財政投融資制度、特殊法人全般にわたる構造改革の本丸に向けての改革を今月から始動させたいと思っております。民営化の論議を堂々と進めていきます。

 まず、この新しい郵政公社の総裁になるべき方は民間から選任したいと思います。そして、この郵政公社は民営化の準備を始めるための公社だという認識を持ってもらって、本格的な郵政民営化に向けた改革に向けて動き出したいと思っております。

 今まで、昨年4月に私が総理に就任してから、小泉内閣の進める改革は掛け声倒れじゃないかという御批判をいただきました。私自身、掛け声通りに進んでいると今でも確信しております。

 まず、最初の所信表明で演説いたしました。保育所の待機児童ゼロ作戦、これは既に各地域で保育所の建設に当たって公設民営化、あるいはNPO法人の参加、株式会社の参加、3年間で15万人の保育所待機児童をゼロにするという方針は着々と進んでおります。既に1年間で5万人の待機児童が保育所に入所することができました。

 教育の問題につきましても、教育を重視する日本の姿勢。小泉内閣にとりまして、更に力を入れていきたい。

 この教育の問題につきましては、日本が今日まで発展していきた最も重要な施策の1つだと思います。資源のない日本が何でここまで発展してきたか。それは教育を重視してきたからであります。よき人材を得てきたからであります。これからの改革に当たりまして、人間の力、人材、人間力の充実ということは最も大事な問題だと認識しております。先生の質の改善、更に教員免許を持っていなくても、地域でいろんな経験豊富な方、いわゆる社会人も学校に入って補助教員として先生を助ける。生徒と一緒になって汗をかいてもらって、生徒の教育に尽くす。この問題につきましても、補助教員は13年度で既に3,000 人、社会人が教育の場に参加していただいております。今年度3万人を目標にして、更に教育に熱意のある社会人に学校の場に参加していただきたい。計画は着々と進んでおります。 生徒にとりましても、習熟度別授業。これはわからない授業に、わけのわからない教室に出るほど生徒にとって苦痛な問題はありません。わからない生徒には、わかるまで熱心に指導してもらう。わかる子については、どんどん伸びてもらう。習熟度編成、これも進めてもらたい。この問題も少人数編成においても、習熟度別の編成についても、これからも、できない生徒には、できるようにわかるように指導してもらう。できる子はどんどん能力を上げてもらうという方式を更に進めていきたい。

 環境の問題一つとりましても、これからは世界全体が環境の問題に大きな関心を持っております。この問題につきましても、就任当初所信表明におきまして、環境と経済開発を両立させるという方針どおり、環境の問題は掲げると経済開発にマイナスになるのではないかと。いや、これからはそうではない。科学技術も進歩している。環境と経済の発展を両立させようという方針、この問題を掲げてやってまいりました。既に就任当初、7,000 台に及ぶ政府公用車すべてを低公害車に切り替えると表明し、これも着々と進んでおります。

 各民間の企業も、多少低公害車は値段が高くても、政府が購入してくれるんだったら、どんどん開発するということで、予想以上にこの開発競争は進んでおります。

 燃料電池という究極のクリーンエネルギーと言われる、ガソリンを使わないで水素で自動車を動かすという燃料電池も、当分先になるのではないかと言われておりましたけれども、既にトヨタにしてもホンダにしても、今年の12月には市販するということを既に発表しております。政府としては、市販されれば、早速、どの会社からでも購入して、低公害車、クリーンエネルギー、環境にやさしい社会を実現するために積極的に環境に熱心ないろんな製品を購入して、更に環境と経済開発は両立するんだということに対しましても、日本は先頭に立って、世界に訴えかけていきたいと思っております。

 日韓共催のサッカー・ワールドカップ大会は、お陰様で多くの国民の努力によりまして、大成功のうちに終わることができました。この問題、当初は、テロの問題、あるいはフーリガン対策の問題、不安な面が指摘されましたけれども、終わってみれば、テロ対策、フーリガン対策、極めてうまく対処することができまして、警備関係者に厚く御礼を申し上げたいと思います。

 更に、日韓両国がこのサッカー大会を通じまして、友好親善を深め、これからもスポーツ交流を通じて日韓両国の友好親善を促進していこうという気運が盛り上がった。日本国民もサポーターの皆さん、多くの国民の皆さんが日本選手の応援は勿論、外国選手、世界各国のチームに対しまして、惜しみない拍手を送ってくれた。外国からも非常に評価されたということは、私はすばらしい大会だと思っております。

 今後ともサッカーのみならず、スポーツ交流を通じて日韓両国は勿論、世界各国との交流親善を深めていきたいと思っております。

 また、BSEの食の安全の問題、これも大変国民から御心配、御批判をいただきました。お陰様で最近は牛肉の消費量もBSEの発生以来、回復に至りました。これからも食の安全については、十分な配慮、対応、改善措置を考えていきたいと思います。

 今後政府としても、経済活性化、この問題に対しまして、十分な最大の関心を払ってまいりたいと思います。不良債権処理の問題、これも極めて難しい問題でありますが、今後、ペイオフを控えまして、金融機関により一層健全化に対する国民の金融機関に対する信頼を取り戻すための経営努力を続けていただきたい。この検査体制、十分にいたしまして、更に金融危機を起こさせないための万全の対応を取っていきたいと思っております。

 都市の再生、小泉内閣は都市を重視して、地方を軽視しているんじゃないかと御批判をいただいておりますが、決してそんなことはありません。今年度は都市再生事業として、例えて言えば札幌は100万以上の都市で、最も降雪量の多い都市であります。その札幌の都市再生事業の一端として、雪のエネルギーを無駄にしてはいけない。雪というものを都市の色々な熱エネルギーの方面に活用できないか。札幌の雪をエネルギーに変える再生事業をしていただくような措置を取っていきたい。札幌市と協力して、この事業にも力を入れていきたい。

 更に、仙台、杜の都として有名でありますが、実際は必ずしも杜の都とは言えないということでありますので、この仙台、杜の都と言われるのにふさわしいように、今まで8車線道路だった。それを1車線ずつ、片側3車線の6車線にした。この道路に使っていた1車線の道路に100万本の木を植えようと。景観を大事にしなから、環境を大事にしようという状況も仙台では進めていこうと。

 広島では太田川、川というものを都市の景観を配慮しなから、河川を利用し、川岸を利用して都市の再生事業に利用できないか。そういう雪とか、森とか、川とか、自然を大事にしなから都市再生事業に活かせないかという事業を進めていきたいと思っております。 更に税制改革、来年の15年度、大きな改革の柱であります。抜本的な税制改革、これについても、単年度で税収中立、片方で減税したから、片方で増税しなきゃならない。1年度で収支を合わせなきゃいかぬという今までのやり方から変えまして、まず、世界の経済情勢、日本の景気情勢、総合的に考え、歳出の削減、更には予算編成、経済の状況を見ながら、私はこの税制改正も、多年度で財政健全化に資するような減税先行の税制改革があってもいいのではないかという税制改革を進めていきたいと思っております。具体的な議論は、政府の税制調査会、党の税制調査会、経済財政諮問会議、それぞれ連携しながら、あるべき経済活性化に向けた税制改革を実現していきたいと思っております。

 国と地方の在り方につきましても、交付税の問題、あるいは補助金の問題、地方に税源、財源を移譲する問題、これを一体となって考えながら、来年度には芽を出せるような改革案を出していきたい。勿論、1年や2年で実現するものではありませんが、まずは来年度の予算編成でその芽を出すべくような改革案をこれからも真剣に検討して、15年度予算編成で反映していきたいと思います。

 勿論、小泉内閣の最大の課題は、「民間にできることは民間に、地方にできることは地方に」。いよいよ「民間にできることは民間に」の本丸である郵政民営化に向けての改革も始動させます。いよいよ小泉内閣の改革が軌道に乗る時期だと私はとらえております。

 最近、日本の皆さんは自信を失っている方が多いわけでありますが、私は先日、NHKの『プロジェクトX』を見て、東京通信工業からソニーという世界の企業に発展するテレビを見ながら、日本人の努力というものは大変なもんだなと感心しました。

 当時、ソニーというトランジスターラジオ、日本の製品は安かろう悪かろうと、それをニューヨークで売ろう、アメリカで売ろう、ドイツで売ろう、無名のトランジスターラジオが世界の企業に発展する、井深さんとか盛田さん始め創業者の苦労、そして世界企業に発展するための努力の跡を見まして、日本人は捨てたもんじゃない。

 更に自動車におきましても、我々の子どものころ、本場のアメリカの自動車に伍して、日本の自動車がアメリカで売れると想像していた人は少ないと思います。今や、トヨタでもホンダでも、堂々と日本車というのは性能がいいということで、アメリカの市場で、世界の市場で売れております。

 更につい最近の2〜3日前、ウィスキーの本場、スコッチの本場イギリスで、何とイギリスのウィスキーマガジン社の主催したテイスティングコンテストで、日本のニッカウィスキーとサントリーウィスキーが1位と2位に選ばれた。こういうことを見ても、日本人の努力、チャレンジ精神、私は大したもんだと思っています。

 何よりも、駄目だ駄目だと批判するだけではない、日本の経済潜在力はしっかりしている。あの戦後の廃墟の中から立ち上がった多くの国民、その努力の跡を振り返りながら、我々は自信を持って経済再生に向かって、必要な改革を進めていきたい。

 関西におきましても、失業率が高い、不景気だと言っておりますけれども、あの関西の中小企業の20社、30社が集まって、3年後には人工衛星を打ち上げるという計画を、中小の部品メーカーが考えております。我々は、こういう意欲的に取り組んでいる方々を激励し支援し、そして日本が一日も早く経済基盤を強化して、世界から信頼させるような国づくりに向けて、小泉内閣は改革の責任を負っているんだという自覚を再認識して、今後本格的な改革に向かって進みたいと思います。

 国民各位の格段の御支援・御協力を心からお願い申し上げます。ありがとうございました。


【質疑応答】

【質問】 まず、経済のことでお伺いしたいんですけれども、来年度予算編成について概算要求基準づくりが既に始まっていますが、まずどのような基本方針で臨まれるのかということと、先ほど既に減税のことは言及されましたけれども、その減税の規模とか、内容、あと財源をどうされるのかということをお尋ねしたいんです。
 それで、恐らく今の30兆円枠ということで言えば、赤字国債を発行せざるを得ないということになると思うんですけれども、だとするとこれまで総理がおっしゃられていたような、財源なくして減税なしというような方針からある種の変更をされるのかというふうなところをお尋ねしたいんですけれども。

【小泉総理】 まず、来年度予算編成がこれから始まりますが、一般の歳出、これは実質的に前年度以下にとどめて、思い切って見直す必要があると思っております。重点分野にどこに振り向けるか、必要な部分をどうやって削っていくか、実質的に一般歳出は前年度以下。
 更に、税制改革の一環として、先ほども申し上げましたが、単年度収支にこだわりません。減税先行はあっても、多年度にわたって財源が確保されれば先行減税あり得べしという方向で進みたい。来年度で30兆円枠にはこだわりません。経済全般をにらんで、経済活性化のために何が必要か、予算編成、歳出削減、税制改革、一体と考えて進めていきたい。 そして、財源なくして減税なし、この方針には変わりありません。ただし、単年度ではない。多年度を狙っての財源を確保しながら減税を先行させるという方針でありますから、財源なくして減税なしの方針には全く変更ありません。


【質問】 あと先日ペイオフについて、決済システムに混乱が起こらないように万全を期してほしいという指示をされましたが、まれなとは言え全額保護を一部認めるということになると思いますので、そうなると金融機関について一部モラルハザードを起こして、金融改革のスピードが遅れるのではないかという懸念もあると思うんですけれども、なぜこの時期にそのような指示をされたのか、それについて御説明をお願いします。

【小泉総理】 ペイオフ実施は構造改革の一環であります。ただし、無用な不安を起こさせない。国民にいたずらに無用な不安を起こさせないという対応を考えないといけない。その一環であります。必要な方策は講じなければいかぬと。ペイオフ実施は来年4月予定通り、その間無用な混乱を起こさせないための対応を取るということであります。


【質問】 有事法制についてお尋ねします。先日の与党の三党首会談で有事法制については、秋の臨時国会で必ず成立を期すということで合意しましたが、民主党と修正協議をする考えはございますか。
 また、これから検討されるであろう国民保護法制等の作業については、どの程度具体的な輪郭を示し、また、どうやって国民の理解を得ていくお考えでしょうか。

【小泉総理】 この有事関連法案につきましては、今国会での議論を踏まえまして、できるだけ国民に理解と協力をいただけるような法案にしていきたいと思っております。その際、民主党は、今国会、対案をなかなか出してくれなかったわけでありますが、民主党の議員の中でもなるほどな、こういう指摘はもっともだなという議論もかなりありました。そういう点については柔軟に取り入れていくべきだと考えております。
 国民保護法制にしてもしかりでありますが、まず、有事法制というのは、緊急事態にどのように国家として対処すべきか、国民を保護すべきかという点が大事であります。そういう点を踏まえまして、緊急事態における危機管理、そういう点から必要な修正は柔軟に考える。また、与党は勿論、野党の意見でも、なるほどな、もっともだという御指摘は十分検討すべきではないかと考えております。そういう点を踏まえてよく整理して、臨時国会に備えていきたいと思います。


【質問】 内閣改造についてお伺いします。総理は内閣改造をするかどうかについては9月末になって判断するということを先日おっしゃっておりますけれども、仮に内閣改造に踏み切られる場合に、大幅な入れ替えというものも念頭にあるのか。それとも小規模なものにとどめるのか。あと、改革意欲というか、そういったものを基準に選ばれるということですけれども、現在の閣僚の方が皆さん、改革をやるということであれば、本当に小幅になる可能性もあるのか。あと、派閥の推薦は考えずに、総理自身が選ばれるということをおっしゃっていますけれども、副大臣や政務官についても同じようなお考えなのか。
 併せて、9月末で任期が切れる党役員人事で、党内で今国会での山崎幹事長の対応について、かなり批判の声が強いわけですが、山崎幹事長を代える可能性というものはあるのか、もし、代えない場合には、副総裁などを置かれるような考えはあるのか、お聞かせください。

【小泉総理】 内閣改造につきましては、全く今は白紙であります。というのは、9月末に、自民党の三役始め、役員改選期を控えております。その時点で考えればいいのではないかと思っております。その時点で改造した方がいいのか、改造する必要がないのか、考えても遅くないと思っております。
 どういう人事がいいかという今、具体的な質問も出ましたけれども、山崎幹事長は、大変苦労されているんです。というのは、私が若干党内の方針とは違ったようなことをやると、私に来ないでその分、山崎幹事長が引き受けている面があるんです。山崎幹事長は大変努力されて苦労されている。私の盾になって努力されておると私は感謝しております。
 今後、現在の小泉内閣閣僚は全員改革に向かって努力していただいておりますので、精一杯やっていただきたいと。改造が必要かどうかというのは、9月末日までに考えたいと思っております。


【質問】 10月には、衆参の補欠選挙が控えておりますけれども、野党の方はこれに対して選挙協力の方向を打ち出している。総理御自身は、これは総理の改革のテーマに対する中間的な審判というふうに受け止められているのかどうか、この点をお聞きしたいのですが。

【小泉総理】 補欠選挙は10月にやりますが、これは選挙ですから、勝利を目指して頑張る。しかしながら、補欠選挙ですから、補欠選挙は補欠選挙、小泉内閣の全般の信を問うというのは、総選挙だと思っております。


【質問】 構造改革以外に経済政策として、例えば、GDPの大きな柱である個人消費を底上げするようなそういった具体策は、現時点で何か方向性も含めてお考えになっているか、その辺りをお伺いしたいと思います。

【小泉総理】 消費を上げるだけという1つの政策はないと思っています。総合的な政策が必要だと思っております。全体の経済活性化策、「構造改革なくして成長なし」。この路線に全く変更はありません。


【質問】 自民党の中には、改造人事に関連をして、改革派の結集ということを総理は常々おっしゃいますけれども、むしろ実力のある力のある人をぐっと取り込んで、力のある内閣をつくった上で改革を推進した方がいいのではないかという声があります。こういった声にはどういうふうに思っていらっしゃいましょうか。

【小泉総理】 先ほどの質問の答弁がちょっと漏れましたけれども、副大臣とか部会長とかという問題がありました。その問題と関連しますが、私はこれからも改革の意欲に富んだ方、そして、小泉内閣の進める改革に協力してくれる方、そういう方が中心になって、党役員なり閣僚としてやっていただきたいと思っております。
 ただ、副大臣と部会長を兼任した方がいいという議論がありますが、私はこれはこだわっていません。副大臣は副大臣としての仕事があるでしょう。部会長は部会長としての仕事があるでしょう。それはともに協力していけるような人が望ましいと。党役員の改選におきましても、小泉内閣が進める改革に賛同できる方が部会長なりの党役員に就いていただくという方向が望ましいと思っております。別に副大臣と兼任という問題については全くこだわっておりません。