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小泉総理の演説・記者会見等
 

小泉内閣総理大臣記者会見

[平成18年度予算成立を受けて]

平成18年3月27日

小泉総理の写真

小泉総理記者会見[ビデオ版] インターネットテレビ
3チャンネルでご覧頂けます。

【小泉総理冒頭発言】

 お陰様で、本日予算が成立をしました。年度内成立が実現できて、来月4月から円滑な予算執行に努めて、ようやく景気回復の足取りがしっかりしてきた、これを確かなものにしていきたいと思っております。

 最近の各種の統計指標を見ても、景気の動きも堅調なようであります。この景気堅調な足取りを、しっかり固めて、できるだけ早い時期にデフレ脱却を目指したいと思います。そして改革をこれからも続けて、多くの国民がやればできるという意欲を持って、日本の経済を発展させて、国民生活をより豊かなものにしていきたいと思います。

 9月まで、私の任期がある限り、これからもしっかりと総理大臣の職責、責任を果たすべく、全力を尽くしていきたいと思いますので、今後とも国民各位の皆さん方、そして与党、自民党・公明党の連立の基盤をしっかり支えていただいておりますので、与党の皆さんの御協力をいただいて頑張っていきたいと思います。

 今日は、私が一方的に話すよりも、皆さんの御質問に答えた方がいいでしょう。後は質問に答えていきたいと思います。

【質疑応答】

【質問】 本日、2006年度予算が成立しまして、今後自民党内で9月の総裁選に向けた動きが活発化すると予想されています。そこで、お尋ねしますけれども、総理御自身が後継の総裁候補に望まれる総裁の条件とは何でございましょうか。構造改革や靖国神社参拝といった小泉政治の継承を望まれるのでしょうか。

【小泉総理】 これから、総裁選挙の話題もより盛んになってくると思いますが、私の後の自民党総裁は、総理大臣ですから、今まで小泉内閣が与党の協力を得て進めてきた改革路線をしっかりと軌道に乗せていただきたい。そして、5年前に私が就任したとき、かなり多くの批判を浴びましたけれども、やはり改革が必要だと、経済停滞のときには改革よりもまず成長政策、景気対策を先にやって、少し景気がよくなったときに改革を進めるべきだという議論が盛んでありましたけれども、いまや改革なくして成長なしだという、これについては大方の国民、また政党も御理解をいただいているのではないかと思います。

 言わば、景気停滞、経済が低迷したときに改革の必要性を訴えて、まず芽を出そう、この芽がようやく出てきた。これから大きな木に育てなければならないという時期でありますので、私の後を継がれる総裁におきましても、小泉内閣が進めてきた改革路線をしっかり進めていただきたいと思っております。

 もとより、私が総理大臣になってから痛感したことでありますけれども、総理大臣になりますと、すべてが総理大臣の責任として乗りかかってきます。人によって関心事が違います。政策の優先度が違います。しかしながら、取り上げる人にとっては自分の関心事、その人の関心事が最大の優先課題になります。それについてしっかりと受け止めていかなければならないのが総理大臣であります。現実的に考えれば、総理大臣も一人の平凡な人間であります。すべての役所の抱える問題、すべての人が持っている関心事、これに同じように全力投球するというのは不可能ではないか。多くの人の力を借りなければその職責を果たすことはできません。それだけに自らの考えている最重要課題、あるいは優先課題と同じように、多くの人が持っている関心事、優先度に対して真摯に対応しなければならない、大変きつい仕事でありますので、十分健康にも気を付けて、この改革路線をしっかりしたものに仕上げていただきたい。

 そのためには、総理大臣としての使命感、責任感、そしてどの事項を目標として掲げれば実現できるかという洞察力、更に一時の思い付きではない、ねばり強くいかなる批判にも耐えて、掲げた目標を実現しなければならないという情熱、これは昔から言われていることでありますけれども、指導者の3条件と言われている使命感、洞察力、情熱、これを十分胸に秘めてしっかりと対応していただきたい。そういう方が私の後を継がれる自民党総裁、総理大臣になることを期待しております。

【質問】 イラク情勢についてお尋ねします。イラク戦争が開戦してから3年が過ぎました。現在、日本政府はイラクに自衛隊を派遣しておりますけれども、その撤退時期についてどのようにお考えでいらっしゃいますか。また、総理の自民党総裁としての任期内に撤退を完了させる考えはございますでしょうか。

【小泉総理】 日本として、イラク人の、イラク人による、イラク人のための国づくりをどのように支援していくか。また、日本国としてどのような支援ができるかということを考えて、日本政府として自衛隊をイラクに派遣しました。自衛隊の諸君は献身的な活動によって、イラク政府並びにイラク国民から高い評価を得ております。まだまだイラク人が自分たちの力で安定的な民主的な政権をつくるということについては、困難な道のりが控えておりますけれども、ようやく、やはりイラクを自分たちの国として自らが自らの努力によってイラクづくりに励まなければならないという時期に来ておりますので、日本としても今後どのような国づくり支援、復興支援、人道支援ができるかということを十分考えていきたい。

 そして、できるだけ早い機会に自衛隊だけではなくて、ODAと民間の企業も民間人もイラクに入って支援できるような政府なり、国づくりを手伝っていかなければならないと考えております。

 そのためには、現在の政治プロセス、そして国際情勢、多国籍軍、米国の支援等、日本が国際社会と協力して、日本が国際社会の責任を果たすという観点から、どういう支援が必要かということを考えております。いつ自衛隊を撤収するか、あるいは自衛隊の諸君が日本に引き揚げても、日本が必要なイラクの支援をできるかどうかを考えながら、イラクの自衛隊諸君の撤収を考えていかなければならないと思っておりますので、今の時点で、いつ自衛隊の諸君を撤収するかという時期については、まだ申し上げる段階にはないと思います。

 しかしながら、日本の支援は自衛隊の諸君だけではありません。多くの日本国民も将来イラクの国づくりを手伝ってよかったなと、イラクの国民が日本の支援を評価してくれたなと、一番イラク人が苦しいときに、日本が自分たちの国づくりに支援してくれたんだという評価を得ることができるような活動を、現在は自衛隊の諸君が献身的に行ってくれておりますが、これは日本国民全体の支援でありますので、日本国民全体が支援できるような体制を国際社会と協力して、そしてイラク国民、イラク政府と協力してやっていきたいと、そういう状況は総合的に考えていきたいと思います。

 今の時点で、いつ自衛隊を撤収させるかというのは控えさせていただきたいと思います。

【質問】 総理は就任以来、毎年靖国神社を参拝しています。年に一度は参拝するという考えのようですが、今年も参拝するお考えがあるでしょうか。とりわけ9月までの任期中、そのうち5年前に総裁選挙で公約されました8月15日の終戦の日の参拝ですが、これについても考えはあるのでしょうか。

【小泉総理】 これは、今の御質問に結論から申し上げますと、私の靖国神社参拝については、適切に判断するということにとどめているんです。

 しかし、私はこれは国会におきましても再三答弁しておりますが、私の靖国参拝を批判する中国なり韓国なりの政府、私にはいまだに理解できないんですが、私は日中友好論者です。日韓友好論者であります。今までも就任以来、さまざまな分野において協力をしてまいりました。日本としてできるだけの支援なり協力をしてきたつもりでございます。

 各種の交流においても、私の就任前よりも拡大しております。相互依存関係、相互互恵関係というのは深まっております。そういう中で、私が靖国神社に参拝するからといって首脳会談を行わないと、これも理解できません。意見の違い、対立があるから、しかもその一事をもってして意見の違いがあるから首脳会談を行わないという国はほかにありません。しかも、日本の進歩的な人とか、文化的な方、評論家の方の中にも、この靖国神社を参拝するから日中関係がおかしい、日韓関係がおかしいと批判をする方がいます。本当にそんなことでいいんでしょうか。これは心の問題なんです。日本の総理大臣も一人の人間です。現在の日本の繁栄というものは、現在生きている人だけで成り立っているんではないと私は思っているんです。戦争で犠牲になられた戦没者の尊い犠牲の上に成り立っている。そういうことを忘れてはならない。戦没者に対して哀悼の念を捧げるために靖国神社に参拝する。しかも、日本の総理大臣が日本の施設に行くということに対して、外国の政府が行ってはいかん、それをそのとおりだと、中国の言うとおりにしなさい、韓国の言うとおりにしなさいという方々、これも私は理解できません。言論の自由、表現の自由、精神の自由を最も尊重しなければならない人たちが、中国の言うことを聞けば、日本と中国の関係がよくなる、アジア外交がよくなる。はっきり言って、中国の言うとおりにすれば、アジア外交が展開されるということになるんじゃないでしょうか。そんなものではないです。

 これは、表現の自由とか、言論の自由を尊重する人までが、私の靖国神社参拝をやめれば、中国との関係、韓国との関係がうまくいく。結局突き詰めていけば、中国の言うとおりにしなさい。韓国の言うとおりにしなさい。中国の嫌がることをしたら日中関係はうまくいきませんということにつながるんではないでしょうか。どの国でも1つや2つ、意見の違う問題、対立の問題があります。

 私は、日中友好は極めて重要な外交問題だと思っています。韓国との友好関係も重要であります。アジア外交も極めて重要であります。日米同盟関係を基軸にしながら中国とも韓国ともアジアとも国際社会とも協調していく、これが日本の生きる道であります。それを一点だけ取って、しかも戦没者に対して哀悼の念を捧げる、戦争の反省を踏まえて、二度と戦争を起こしてはいけないという、その気持ちを持って参拝すること、これがけしからん、これをやめなければ首脳会談を行わないということに対して、言論人が心の自由、精神の自由を尊ぼうと言っている人たちが批判している。これは本当に理解できません。こんなことで一体いいんでしょうか。

 私は、これからも日中と日韓の友好が、日本にとって極めて重要でありますから、たとえ1つや2つの意見の対立があっても、中国との関係、韓国との関係は友好的に発展させていきたいと思っております。この考えに今までも、これからも考えに変わりはありません。