首相官邸 首相官邸 トップページ
首相官邸 官邸だより
 トップ小泉総理の演説・記者会見等
小泉総理の演説・記者会見等
 

小泉内閣総理大臣記者会見

[イラク派遣の自衛隊撤収等]

平成18年6月20日

小泉総理の写真

小泉総理記者会見[ビデオ版] インターネットテレビ
3チャンネルでご覧頂けます。

【小泉総理冒頭発言】

 本日、政府は、イラクにおけるサマーワ地域の陸上自衛隊の部隊を撤収させることを決定いたしました。これは、イラク人自身によるイラクの政府を立ち上げたこと。そして、イラクにおけるムサンナー県、我が陸上自衛隊部隊の諸君が活動されているところでありますが、その地域の治安の権限がイラクの新政府に移譲されたこと。更に米国始め多国籍軍、そしてイギリス、オーストラリア等と、緊密に協議した結果、日本のあの地域における陸上自衛隊の部隊の人道支援、復興支援活動は、一定の役割を果たした、そのような判断をした結果、撤収することを決定いたしました。

 もとより、サマーワ地域の陸上自衛隊の部隊が撤収したとしても、今後日本は米国、多国籍軍、またイラク政府、国連とも協力してイラクの復興に対して、日本としてできるだけの支援、協力をしていく考えであります。

 これまで、陸上自衛隊のサマーワ地域における活動というものは、イラク政府並びに国民から高い評価を受けております。そして、あの地域の給水活動、医療活動、学校・道路改修事業等、生活基盤の復旧・復興に大きな役割を果たすことができたと思います。こういうことから、イラク政府からも、住民からも、高い評価と信頼を受け、感謝のうちに撤収することができるということは、大変良かったと思っております。このことは、自衛隊の諸君が一人ひとり自分達のイラクにおける活動というものは、日本国民の善意を実行する部隊なんだという強い自覚の下に、それぞれが汗を流して厳しい環境の下で活躍してくれたお陰であり、私は自衛隊諸君に対して、心からの敬意と感謝を表明したいと思います。

 また、自衛隊の活動が円滑になされるように、様々な配慮をしていただいたイラク政府、住民、そしてアメリカ、多国籍軍、イギリス軍、オーストラリア軍、そしてオランダ軍、それぞれの政府、国民に対しましても、この機会に厚く御礼を申し上げたいと思います。

 また、今後、日本政府としては、イラクが自らの力によって、イラク人の、イラク人による政府をつくり上げ、安定した民主的な政権をつくるために努力されている。このイラク人自身によるイラクの国づくりに対して、日本政府として何ができるか、各国とも協力しながら、国連とも協力しながら、イラクの必要な国づくりに日本としてもできるだけの支援を続けていきたいと思います。

 将来、イラクが安定した政府をつくり上げたときに、イラク国民が一番苦しいときに、日本政府も日本国民も自分たちの国づくりに手を貸してくれたんだなと、評価されるような支援を日本もこれからも続行していきたいと思います。国民の皆様方の御理解、御支援を今後ともよろしくお願い申し上げます。

【質疑応答】

【質問】 イラクへの陸上自衛隊の派遣は、今回、一応の区切りを迎えましたけれども、派遣決定は2年半前ですけれども、大変な政治的なエネルギーがかかりました。今、それを思い起こすに、将来第2のイラクが発生した場合を想定したときに、総理大臣として、いわゆる恒久法の必要性について、どのようにお考えでしょうか。理由も併せてお聞かせください。

【小泉総理】 これは、恒久法ということに対しては、今までも特別な措置法をつくることなしに、即座に新たな法律をつくらないで、さまざまな事態に対応できるような対策を考えてはどうかという意見がございました。

 しかし、イラクのこの支援活動については、期限を区切って、特別の措置法をつくって、その法の範囲内での活動を現在も展開していますが、これから将来、イラクのような事態がどこの国に起こるかわからない。そして、国連がそのような支援が必要だという場合に、日本政府としてどのような支援活動が必要かという点については、私はこれからの議論だと思います。今、こうだと、恒久法を次の国会でつくるとか、ということではなくて、議論は大いにしていかなければならない問題だと思います。

 しかし、恒久法となりますと、また様々な問題も出てくると思いますので、私は今の時点で、私の内閣で、この恒久法をつくるということは考えてはおりません。

【質問】 総理は自らの政権で派遣した部隊を、自分の在任中に撤収させたいという思いがあったんでしょうか。

【小泉総理】 それは、私はできるだけ早くイラク人自身によるイラク人の政府をつくるべきだと。日本が撤収しても、もうイラク人自身でできるから大丈夫だと。外国の部隊の支援を必要としないという時期が早く来ることを願っておりました。

 しかし、いまだそういう状況には、イラク全体としてはなっていない。私の任期中に撤退したいとか、しなければならないということではなくて、イラクがイラク人自身の努力によって自らの国を立ち上げる、こういうときに日本は国際社会の責任ある一員として、日本の国力にふさわしい支援をしていかなければならないということで、今回のイラク支援活動を続けてきたわけでありますが、私は私の政権、私がいつまで任期があるかということをあらかじめ決めてやってきたわけではありませんし、決められた9月までは精一杯総理大臣の職責を務めていかなければならないと思って、今日まで政権を担当してまいりました。

 たまたま、今の時点で総合的に判断して、私の総理のときに派遣をした部隊が撤収できたと、そういう状況になったということは、喜ばしいことだと思いますけれども、今後ともイラクの支援というものは、まだまだ必要だと。イラク人自身だけで、今のイラクの政府を安定的な、民主的な政権を立ち上げられるかというと、まだ不十分な点があるのではないでしょうか。

 しかし、こういう段階に来て、サマーワにおける陸自の部隊を撤収することができたということは、私としては良かったなと。しかし、今後とも日本としてイラク政府の立ち上がり、安定した政府づくりに協力しなければならない分野は多々あると。その点についても、イラク政府の意向というものをよく聞きながら、国連や各国との協力体制をしっかりと構築しながら、日本政府は責任ある支援をしていきたいと思っております。

【質問】 イラクの復興支援についてお尋ねいたしますが、復興については民間企業やNGOといった民間を中心にとお考えでいらっしゃいましょうか。その場合の政府の関与はいかにあるべきとお考えですか。

 それから、総理御自身が任期中にバクダッドに足を運ばれて、イラク政府側と協議されるお考えはお持ちでしょうか。

【小泉総理】 民間の企業なり、NGOなり、民間の方々がイラクで復興支援活動にいそしめる状況ができることを、早く来ることを願っております。そういう状況ができれば、私は本格的にイラクの国づくりが進んでいるんだというふうに考えたいと思っております。

 しかし、まだそういう状況ではないからこそ、自衛隊の諸君が活動してくれていた面があります。今後、早く民間企業も民間人もイラクの支援に行けるような状況をつくっていく。それが国際社会の一致した見解でありますので、日本としてもそのような国際社会の一員として、そのような日が1日も早く来る支援を今後とも継続していかなければならない。勿論、民間人、民間企業、NGOの方々が行ける状況になるように、これからも努力してまいります。

 また、私がイラクに行くかどうかという話でありますが、今まだ私が日本国独自の態勢で行ってどうか、安全面または他国に対しての余計な配慮等を使わせるのではないかということを考えると、現時点で私がイラクを訪問するということは考えておりません。

【質問】 今回の復興支援のきっかけとなったイラク戦争については、開戦、アメリカの先制攻撃の根拠ということをめぐって、いまだに国際的な批判が強いわけですが、総理は現時点でイラク戦争をどういうふうに評価されているかということと、総理のよくおっしゃる世界の中の日米同盟というものを進めていく上で、今回の陸自の派遣というものが、どのような役割を果たしたとお考えでしょうか。

【小泉総理】 私は国連の決議に基づいて、このイラクに対して行った様々な措置、正しかったと思っています。また、国際社会は今、開戦時の意見の違いを克服して、イラク支援に、それぞれの国にふさわしい支援を行うべきだということでは、既に一致しており、各国が開戦時において対応は違ったとしても、支援、協力活動を展開しております。

 今後、日米同盟の重要性を認識して、国際協調を図っていく、これは今までも、現在も、これからも変わらない日本の大事な方針だと思っております。そういう観点から、日本としてもイラクのみならず、様々な分野において、日米同盟の重要性を認識しつつ、日本自身の国際社会の中での責任を果たしていく、それが今回のイラク支援でもありますし、将来この日本の支援が、イラク政府、イラク国民から評価されるであろうという活動を、自衛隊の諸君は立派に果たしてくれた、そう思っております。