首相官邸 首相官邸 トップページ
首相官邸 官邸だより
 トップ小泉総理の演説・記者会見等
小泉内閣総理大臣演説等
 

アジア欧州会合首脳会合後の内外記者会見(要旨)


平成18年9月11日

【小泉総理冒頭発言】
 今回、アジアとヨーロッパの会議、いわゆるAsia-Europe Meeting、ASEMの会議に総理大臣として、最後の会議出席となったが、ここフィンランドにおいて、ハロネン大統領、ヴァンハネン首相はじめ、多くの政府機関、国民のみなさんから温かい歓迎を受けたことを厚く御礼を申し上げたいと思う。
 会議においては、アジアとヨーロッパの抱える様々な課題、特にテロ対策や大量破壊兵器、この不拡散の問題、感染症の問題、さらに北朝鮮の問題、中東の問題、そして環境と経済発展、これらを如何に両立していくかという、様々な問題につき率直に意見を交わすことができた。
 この会議を成功に導かれたヴァンハネン首相の見事な議長の采配ぶりに対し敬意を表したいと思う。
 また、この会議の合間を縫い、私は、フィンランドの首相、フィリピンの大統領、ベトナムの首相それからスペインの首相とも会談を行った。
 これから、アジアとヨーロッパ、ますます共通の課題を抱えていることから、協力関係を広めていき、お互い国際社会の安定のために努力すべきであると改めて痛感した。
 また、私にとって、総理大臣として最後の訪問国であるけれども、私は特にシベリウスの音楽が好きであるが、そのことをヴァンハネン首相も知っておられたせいか、わざわざシベリウスが作曲していた、その家がそのまま残っている、シベリウス記念館にもヴァンハネン首相が私を案内して下さり、実際、演奏まで聴かせて頂いた。あのシベリウスの記念館の前の林、森、湖の前に立ち、ああこれが、やはりシベリウスの音だったのかなという、そういう雰囲気を直に感ずることができたのも、今回の訪問の楽しみの一つであった。改めて、フィンランドの皆様方の温かい歓待に感謝申し上げる。

【質疑応答】

【質問】 総理、5日間の外遊お疲れさまでした。総理は今回ASEMの首脳会議で北朝鮮問題の解決には国際社会の協力が重要だと非常に強く訴えられた。だだ、一方で、この問題で重要な役割を担う中国と韓国両首脳と直接会って意見を交わすということはしなかった。総理、今回、北朝鮮問題解決に向けた最後の外交努力、最善を尽くすことができたと考えているか。

【小泉総理】 最善を尽くすことができたと思っている。中国と韓国の関係は良い。北朝鮮の問題について、常に今までも協力してきた。これからも協力していく。ただ、ひとつ意見が違うから首脳会談を行わないと言っているのは私ではない。中国、韓国の首脳である。どこの国でも、一つや二つ、意見の違いがあると思う。それでも友好的な関係を維持、発展させることはできると思う。私は、日中友好論者であるし、日韓友好論者である。現に私が総理大臣に就任して、未だかつてないほど中国とも韓国とも経済のみならず、文化・スポーツ、様々な分野で交流が拡大している。相互依存関係が深まっている。ただ一つ意見が違うからと言って、中国も韓国も他の大臣や様々な機関、経済界他、多くの国民との交流はしても、意見が違うから首脳会談だけ行わないと言っているだけである。どちらがおかしいのか。私は、友好、様々な各大臣に対しても各省庁にしても、経済界にしても、どんどん交流を進めて下さいと。そのとおりに進んでいる。今までも協力してきているし、これからも協力していく。北朝鮮の問題についてもそうである。現に協力してきたからこそ、北朝鮮に対する安保理の問題、全会一致で採択されたのである。

【質問】 日本とアメリカの間の経済、及び政治的な関係の動きについてお伺いしたい。

【小泉総理】 日本とアメリカの動きであるが、日本とアメリカは同盟関係であり、今までも、良好な関係を維持してきた。これからも日本の基本方針である、日米同盟と国際協調、これをしっかりと果たしていくことが、日本の平和国家として繁栄していくためにも必要であるということで、戦後60年、日本はこの方針を堅持してきたし、これからもこの方針は変わらない。経済関係においても、今までも一つや二つはぎくしゃくしたことはある。それで、意見の違いはある。その都度、激しい時には交渉も行われるが、お互いの友好関係を大事に発展させていこう、民主主義、市場経済を重視していこうとの共通の認識があるので、意見の違いが一時期にあったとしても、日米両国の良好な関係を発展させていこうとの基本的な考えに変わりないので、これからも日米は様々な分野で協力していけるし、いかなければならないと思っている。そうすることが、また世界各国とも友好な関係を保つためにも必要と思っているし、その方針でこれからもやっていかなければならないと思っている。

【質問】 内政問題についてお伺いしたい。小泉総理は、今度の自民党総裁選挙で安倍官房長官を支持する考えを表明した。次の総理大臣には、小泉総理が進めてきた人事や政策についてどのように引き継いで欲しいと考えているか。また、併せて、総理が5年間改革に取り組んだ結果、格差が広がったとの指摘があり、今後の政権ではそれを修正すべきではないかとの指摘もあろうかと思う。5年間の取り組みと併せて、そのような指摘をどのように考えるかを承知したい。

【小泉総理】 まず格差の問題であるが、日本は世界の国々の中で一番格差の少ない社会であると思っている。そういう中で、これからも日本はできるだけ多くの人々に、一度や二度失敗しても再び挑戦する機会を多く提供していかなければならない。5年間、経済停滞からようやく経済発展への、また景気回復への力強い歩みを始めたが、その際にも努力する人が報われる、そして、どうしても自分の力では立ち上がれないという人に対しては、社会保障制度をしっかり構築していく、これは極めて重要な内政の問題である。今後とも、どんどん新しい時代に挑戦するような、意欲ある人が働きやすい社会にしていく、そして自分の力ではどうしても立ち行かない人についてはお互い助け合う、国としてしっかりとした社会保障の枠組み、仕組みを作っていく、そのような社会を作っていくことが必要であると思っている。もしも私の政権、5年間の間に改革を続けなければ、経済停滞を脱することはできなかったと思う。ようやく、多くの国民にやればできるという意欲が出てきた。そういうやればできる人がどんどん活躍していく、成功者はどんどん頑張ってもらう。成功者をねたむのではなく、成功者の足を引っ張るのではなく、成功者が存分に自分の能力を発揮できるような社会にしていく。その成功者が、またどうしても自分ではやっていけないような弱い立場の方、あるいはなかなかチャンスに恵まれない方に多くの国としてのチャンスの場を与えていく、そして共に助け合う社会、これはこれからも極めて重要なことであると思っている。
 人事のことだが、私は新しい自民党総裁、そしてこれからの総裁の方に人事で注文をつけることはない。新しい総理が、多くの方の様々な意見を聞きながら、最終的には、自分で決めなければならないことである。

【質問】 日本の記者からも話があったが、今回は中国、韓国と首脳会談が行われなかったとのことであるが、これは日中及び日韓が重要な問題そして地域の重要な問題に対応する上で、如何なる影響を及ぼすと考えるか。また、今後の関係改善のために、日本は何ができるか。

【小泉総理】 一時期、中国、韓国と私との首脳会談が行われなくても、日本も中国も韓国もお互いに友好の重要性をよく分かっていると思う。心配していない。現に、一つの、たまたま一つの問題で意見が違うから中国と韓国は、私とは会談を行わないと言っている。けれども、これは、将来まずいことをしたなと、中国も韓国も思うであろう。日本は中国と韓国との友好関係をこれからも発展させていきたいと思っているし、今までもそうしてきた。また、現に様々な分野で協力している。将来のことについてはお互い重視しながら友好関係を発展させていこう、その基本姿勢を失わないように、冷静にこれからも様々な交流を深め、相互互恵、相互依存関係を深め、未来志向でお互いの国の発展を図る。そして友好関係を強化していくことが大事だと思っている。現在の、たまたま一時的に首脳だけの会談が行われないことは確かに正常とは言えないが、これについてそんなに私はあまり心配していない。

【質問】 210年前の1796年、非常に評判のよい初代アメリカ大統領である、ジョージ・ワシントン大統領は、王の様に振る舞うことを欲しないとして三選を拒んだ。そして、この伝統はアメリカ憲法修正第22条によって強化された。ジョージ・ワシントンもおそらく、内部モラル及び知的権威を高めたことに感謝しているだろう。小泉首相は、非常に人気のある方であり、政治的偉業があるにもかかわらず、ジョージ・ワシントンの政治的自己規律にならって、国際的な政治マンシップのモラルを高められたことに対し祝意を表する。そして、俳句を書いたり、シベリウスを演奏したり、あるいは1981年に退任したあとに、人道的な観点からの活動をした他の仕事を行ったジミー・カーター大統領を模倣さえする等、貴総理が何かをすることをお決めになるにせよ、貴総理がなさること全てが成功されることを祈念している。

【小泉総理】 で、質問は。(And your question?)

【質問】 おめでとうございます。

【小泉総理】 Thank you very much. Very kind of you.