中央省庁等改革推進本部顧問会議
第8回議事概要


日 時平成10年11月12日(木)14:00〜15:50
場 所内閣総理大臣官邸大客間
出席者
(顧問)
今井敬座長、石原信雄顧問、小池唯夫顧問、佐藤幸治顧問、高原須美子顧問、得本輝人顧問、西崎哲郎顧問、藤田宙靖顧問、山口信夫顧問

(推進本部)
野中広務副本部長(内閣官房長官)、太田誠一副本部長(行政改革担当大臣/総務庁長官)、上杉光弘本部長補佐(内閣官房副長官)、古川貞二郎本部長補佐(内閣官房副長官)

(推進本部事務局)
河野昭事務局長他
議題
(1)組織法制等に係る大綱事務局原案(素案)等について
(2)独立行政法人制度に関する大綱事務局原案(素案)について
会議経過
(1)組織法制等に係る大綱事務局原案(素案)等について、事務局から資料1〜資料6に従って説明があり、概略次の議論が行われた。

・ 内閣法に国民主権の理念を何らかの形で盛り込むことについては、是非実現していただきたいとの発言があった。

・ 内閣官房と内閣府の関係はかなり明確になったが、両機関は人事面では遮断すべきである、もちろん人事交流は必要であるが内閣府の人事の要所を内閣官房の者が押えるといったことでは「知恵の場」としての内閣府が機能しないとの発言があり、両機関は事務レベルでは一応分かれているが、経済財政政策や危機管理等は国の根幹に関わる重要事項であるので、両機関の間の調整を組織面、人事面、運用面でどうしていくかを検討中であり、ご指摘の趣旨も踏まえて検討したいとの応答があった。これを受けて、組織が分かれているのに人事が同じでは、責任の所在等の問題が出てくるのではないかとの発言があった。
 関連して、内閣官房と内閣府の関係についてはかなり明確になったが、なお一層明快にしていただきたいとの発言があった。

・ 内閣府においては、中長期的なビジョン、方向づけをもって経済情勢分析を行うべしとの意見があり、資料2にあるとおり内閣府の所掌事務として経済財政政策に関する企画立案及び総合調整、内外の経済動向の調査及び分析を考えており、中長期的ビジョンや方向づけもその中で行われ得るとの説明があった。

・ 資料3の参考2(1)において、「内閣府は、内閣官房が示す基本的考え方、方針等を踏まえ、経済財政諮問会議を開催して」とあるが、経済財政諮問会議は内閣官房が示す方針等の枠内でのみ機能すべきものではないのではないかとの発言があり、これは内閣官房と内閣府の企画立案、総合調整の具体的イメージの例にすぎず、一方的なものではないとの説明があった。

・ 経済財政諮問会議の事務局の長の位置づけは官房長官や副長官より下なのか、あまり格が低いと総合調整に支障を来たすことはないかとの質問があり、同会議の事務局体制については内閣府の総合調整部門が担うことに基本法上なっており、その上でどのような体制を構築するかは今後の課題であるとの応答があった。
 関連して、経済財政諮問会議の事務局については、内閣府の一部門がその機能を担うということであって、独立の事務局ができるのではないことを確認したい、また内閣府にはいろいろな任務があり、官房副長官が全部を見ることはできないので、官房副長官の下に次官的な人が必要との発言があり、基本法の規定以上にどうしていくかは今後の問題であるとの応答があった。
 これを受けて古川副長官から、要は内閣官房の総合戦略機能をどう確保するかという問題であり、総理あるいは内閣の大方針を実現するために内閣官房、内閣府のつながりをどうすべきかということである、そのための検討には今しばらく時間が必要であるとの発言があった。

・ 前回の顧問会議でも述べたが防衛庁に然るべき位置づけを与えることについてよろしくお願いしたいとの発言があり、防衛庁は基本法において内閣府の外局として置かれ、主任の大臣は総理大臣とされていることの上にたって引き続き慎重に検討したいとの応答があった。

・ 交通安全問題は内閣府が担当すべき問題であるとの発言があり、基本法で国土交通省が交通安全行政についての調整の中核としての機能を担うとされていることを踏まえ、内閣府で何がなされるべきかにつき引き続き検討したいとの応答があった。

・ 総合科学技術会議の任務に「産業科学」を入れて頂きたく、メンバーについても産業界の代表を加えていただきたいとの発言があり、「科学」という言葉の中に産業科学も含まれていると認識しており、実際の運営の中で産業界の意見が反映されるように配慮していきたいとの応答があった。

・ 金融庁について、企画立案も行うことになると単なる実施官庁ではないことになるが基本法を変える必要はないのか、「担当大臣」に担当させることでよいのか、金融情勢が厳しい折でもあり金融庁の在り方を考えるべきではないかとの意見があり、3党合意に基づき基本法ができた段階で、国内金融に関する企画立案は金融庁が行い金融監督庁が各省と共管している検査・監督業務は金融庁に一元化すること、省庁再編後は1府12省体制であるので金融庁は国務大臣ではないが担当大臣に担当させることについて決定済みであるとの説明があった。
 これを受けて、基本法が策定された当時と異なり現在は金融再生委員会が置かれ、その長は国務大臣であるので、金融庁についても考え直す必要があるのではないかとの発言があった。金融再生委員会と金融監督庁との関係につき質問があり、金融再生委員会の下に金融監督庁が位置づけられているがこれは時限付きであり、基本法の実施という観点からは、一定期間後は基本法に規定された体制に戻るものと理解しているとの説明があった。
 さらに、実際問題として金融再生委員会がなくなった後はすべての責任が金融庁にかかるのであるから、金融庁の在り方については、事実上「準省」のような扱いをすることも含め、将来に禍根を残さないよう検討していただきたいとの発言があった。

・ 国務大臣と担当大臣の異同如何、例えば人事権の有無はどうかとの質問があり、担当大臣は特定事項の企画立案、総合調整を行うことになっており、それをベースに更に詰めていきたい、職員の服務統督については内閣官房長官の役割となっているとの説明があった。

・ 各省等設置法の立て方として、任務を規定し、機能につき規定し、所掌事務に関する規定を置くとの方式は大変結構であり、是非これを徹底していただきたい、行革会議最終報告で「取り組むべき重要政策課題、行政目的・任務を軸に再編し」とあることの背景には各省が事務を細かく切り分け縄張り争いをすることがないようにすると同時に、各省が他省と積極的に調整を図るようにするとの目的があった、これは最終報告の目玉のひとつであるのでしっかりお願いしたいとの発言があった。これに対し、まさにご指摘の趣旨を踏まえ検討しているところであるとの応答があった。

・ 政策調整について、各省等設置法において「必要な規定について検討することとする」とあるが、調整のプロセス等も規定することになるのか、行革会議最終報告にあった2段階3類型の調整は法律に書き込まれないのかとの質問があり、設置法では各省等ごとの政策調整について規定することとなろうがそれらを総合的に見れば2段階3類型の調整が明らかであるような形を想定しているとの応答があった。

・ 環境省について、基本法に書かれた一次的調整権がはずされ、一般的な政策調整についての書きぶりとなっているが、やはり環境省に一次的調整権を与えることが必要であるとの発言があり、本日の資料5では政策調整については十分に書き込めていないが、基本法の編成方針を踏まえて検討していくとの応答があった。

・ 共同所管につき、従来のような縄張り争いにならず意味のあるものにするために、どのように進めようとしているのかとの質問があり、共同所管が実際に機能するようにするにはどうすべきかについては整理中である、その結果は最終的には設置法なり個別作用法なりに現れてくるとの応答があった。

・ 政策評価の結果の公表について、資料6では「公表を進める」という表現になっているが、これは「公表する」の意に理解してよいかとの質問があり、公表していくという気持ちであるとの応答があった。

・ 地方分権推進委員会の作業が遅れており、これを中央省庁等改革の作業から切り離すといった報道があるがどうかとの質問があり、太田大臣から、近々地方分権推進委員会の勧告が出されると思うので、それから改めて考えたいとの回答があった。

・ 以上の議論を受け、座長から、内閣官房と内閣府の関係についてはもう少し具体的に詰めていただきたい、金融庁については政治の問題もあるので本部において整理していただきたいとの発言があった。


(2)次に、独立行政法人制度に関する大綱事務局原案(素案)について、事務局から資料7に従って説明があり、これを受けて概略以下の議論が行われた。

・ 独立行政法人化について各省の反対が強いと聞いているがその後の状況をうかがいたい、また、独立行政法人と名前を変えただけで実態が変わらないのでは意味がないので、ディスクロージャー等をしっかりしていただきたいとの発言があった。これに対し、前回の顧問会議で厳しい御指摘を頂いたことを受け太田大臣から官邸や党への働きかけを行っていただいたほか、事務局としても各省とのハイレベルの調整を現在行っているところである、またディスクロージャーについては電子媒体によるものも含め相当広範に行うことを考えており、さらに第3者による評価等の制度設計を行っているとの説明があった。

・ 関連して、報道では、独立行政法人化に賛成している省庁も国家公務員型を前提としており、それでは実態は変わらないと言われているが、国家公務員型であっても現在の行政組織よりは効率化が達成できることをわかりやすく説明していただきたいとの発言があった。
 これを受け太田大臣から、党でも説明しているが、国家公務員型という言葉の使い方が混乱しているところがあるので注意しながらPRに努めたいとの発言があった。

・ 今後は電子媒体の利用は普通のことになるので、電子媒体による公表については「可能な限り」ではなく是非進めていただきたい、また、評価の結果についても公表事項に加えていただきたいとの発言があり、評価結果の公表を法制上の問題があって今回は一旦削らせていただいた、ただしこれが実態的に重要であることは認識しているので、もう少し法制的に詰めたいとの説明があった。

・ 独立行政法人化により効率化、簡素化、サービス向上等どのようなメリットがあるのかを分かりやすく説明することが重要である、同時に例外なき独立行政法人化を進めることが必要である、各省との調整もいたずらに時間を費やすことなく基本法に則って迅速化していただきたいとの発言があった。

・ 国家公務員型であっても独立行政法人化によるメリットがあることを明らかにすることは必要である、同時に全て国家公務員型では国民が納得しないのでその点への配慮もお願いしたいとの発言があった。

・ これらの発言を受け、独立行政法人化による効率化、簡素化等のメリットについてはPR努力を続けたい、また、例外なき独立行政法人化については、最終報告別表外に検討対象を広げて幅広く検討しているところであり、ぜひとも早期に実現したいとの応答があった。

・ 言わずもがなではあるが、労働関係への配慮もよろしくお願いするとの発言があった。


(3)太田大臣から、2点ご報告したいとして概略次の発言があった。

・ 行政のスリム化については、前回の顧問会議で顧問の皆様から強い御指摘を頂いたことを踏まえ、11月4日、総理のご指示により中央省庁等改革推進本部を開催した。その席上、総理は、予定のスケジュールは絶対に変えないことを強調された上で、各閣僚に対し、所管行政にとらわれることなく前向きの検討を行うよう強く指示された。その効果は次第に見えてくるものと思う。

・ 新たな省の名称及び局数の問題については、10日の閣僚懇談会において、自分から総理に対し、「総理の下に懇談会を設け、各界の有識者からご意見を拝聴した上で、総理の御裁断を仰ぎたい」と申し上げたところ、総理から、有識者のご意見を伺った上で自分が決定するとの発言があった。また、官房及び局の数については、自分から全閣僚に対し、基本法に則って公正に決定することが必要であると述べ格段の協力を求めたところ、総理に一任することが了承され、その上で総理から、官房長官、行革担当大臣、3官房副長官の5者で整理をさせ、それを踏まえて自分が決定するとの発言があった。


(4)最後に事務局から、法案・計画大綱の事務局原案は11月下旬に策定と述べてきたが、20日以降できるだけ早く策定するようにしたいとの発言があった。


(5)次回顧問会議は12月17日(木)に開催することとされた。

以 上
(文責 中央省庁等改革推進本部事務局)
− 速報のため事後修正の可能性あり −

(資料1)内閣法改正法案等関係大綱事務局原案(素案)
(資料2)内閣府設置法案等関係大綱事務局原案(素案)
(資料3)内閣官房と内閣府との関係等について(素案)
(資料4)国家行政組織法改正法案等関係大綱事務局原案(素案)
(資料5)各省等設置法案関係大綱事務局原案(素案)
(資料6)政策評価に関する大綱事務局原案(素案)
(資料7)独立行政法人制度に関する大綱事務局原案(素案)