中央省庁等改革推進本部顧問会議
第9回議事概要
- 1 日 時 平成10年12月17日(木)15:00〜16:30
-
- 2 場 所 内閣総理大臣官邸大客間
-
- 3 出席者
- (顧問)
- 今井敬座長、石原信雄顧問、小池唯夫顧問、佐藤幸治顧問、高原須美子顧問、 得本輝人顧問、西崎哲郎顧問、藤田宙靖顧問、山口信夫顧問
- (推進本部)
- 野中広務副本部長(内閣官房長官)、太田誠一副本部長(行政改革担当大臣/総務庁長官)、鈴木宗男本部長補佐(内閣官房副長官)、古川貞二郎本部長補佐(内閣官房副長官)
- (推進本部事務局)
- 河野昭事務局長他
- 4 議題
- (1)官房及び局の数の削減等について
- (2)中央省庁等改革に係る大綱事務局原案等について
5 会議経過
(1)冒頭、太田大臣から、概略以下の発言があった。
- 前回の顧問会議以降、いくつか重要なことがあった。特に官房及び局の数については、総理の裁断によりスムーズに定められ、これを受けて局の名称や所掌事務についても各省の検討結果がおおむね混乱なく出そろってきた。
- 副大臣制については、自民党・政府内で協議しており、今後各党との協議により検討が進められることとなろう。
- 審議会についても後程事務局から説明があると思うが、考え方を固めつつある。
- あと1ヶ月ほどで大綱の本部決定を迎えることになるので、是非充実したご議論をお願いしたい。
(2)官房及び局の数の削減等につき、事務局から次の説明があった。
- 各省等設置法の立案作業に当たっては、各省の所掌事務の規定を取りまとめる上で、新たな府省の局の構成がおおむね想定されている必要があり、その前提として、新たな府省における官房及び局の数を決定しておく必要があった。
これについては、前回の顧問会議で大臣から報告されたとおり、11月10日の閣僚懇談会において総理に一任され、官房長官、行革担当大臣、3官房副長官の「政府5者」による整理を踏まえ、総理が決定することとされていた。
- その整理は、基本法に規定された諸点、すなわち、各省の局数は10以下を基本とする、総数はできる限り90に近い数を目標とする、省庁再編に伴う省庁間組織移動を踏まえ、各省編成方針に規定された機能強化・縮小を考慮するといった諸点を踏まえて、公正・公平に行われた。
- 11月20日、5者の検討結果が総理に報告され、これを受けて総理が、男女共同参画の重要性に鑑み、内閣府にその担当局を追加することとされ、資料1のとおり決定された。これにより官房・局の総数は128から96となり、32の減となる。
- この総理決定以降、各省庁で、各局の名称・所掌事務の検討を行い、12月4日に提案を頂いた。短期間に困難な作業をよく行っていただいた。
現在はまだ作業中であり、具体的状況は追ってご報告することとしたいが、今後事務局において、基本法の編成方針に即しているか等の観点から検討し、1月には各局の名称・所掌事務について概定する方針である。
- なお、一部の省庁から、局数の削減の代替に部を設ける等の要望が出ているが、これについては厳に認めない方針である。
(3)引き続き事務局から、中央省庁等改革に係る大綱事務局原案(資料3)のうち、組織法制、独立行政法人制度につき、前回の顧問会議に示された素案との相違点を中心に、概略次の説明があった。
- 内閣府設置法案関係の別紙のうち、総合科学技術会議の審議に当たっての留意事項において、顧問会議でのご指摘を受け、産業面にも留意することの重要性を明示した。
- 「VII その他」の第2、第3以降は全て新規の記述である。
- 副大臣制については、12月上旬に総理から、省庁再編とも関係するので太田大臣の下で検討せよとのご指示があり、現在検討を進めているところ。副大臣の機能、副大臣の数、政務次官等現行の組織との関係といった点を中心に、最終的には高度の政治判断が求められる事項との認識で作業を行っている。
- 国会への法案提出の仕方については、新省の設置法は既存省庁設置法は廃止し新規立法とする方針、外局等については既存法の改正・統合・新規立法等の法形式を検討中である。また関連作用法については、千数百本にもわたるため、どのような形で国会に提出するのが良いか、検討中である。
- 独立行政法人制度のうち、税制については、国税は公共法人としての扱い、すなわち非課税、地方税は現在の国の組織に対する非課税措置を継承するという方向で、自民党の税制調査会でも結論を得た。
公表については、顧問会議のご指摘を受け、電子媒体でのアクセス、評価結果の公表につき記述した。
また身分について、従来、「国家公務員型」、「非国家公務員型」と言ってきたが、基本法の表現に合わせ、「国家公務員の身分を与える独立行政法人」、「国家公務員の身分を与えない独立行政法人」とした。
(4)続いて事務局から、資料4につき概略以下の説明があった。
- 内閣官房と内閣府の連携の問題については、特に経済財政政策といった国政上の重要問題に関し両者の有機的・一体的な連携が必要であり、基本的には内閣官房は主導し内閣府はこれを助けるというもの。両者のトップマネジメントを一致させ連携を強化することとしたが、事務レベルでも両者の関係を緊密にすべきということで、内閣官房でも検討されてきたが、一部に誤解を招くような報道が見られたので、内閣官房提出の資料に基づきご説明する。
- 「経済財政関係事務調整会議(仮称)」とあるが、内閣官房と内閣府の間で事務の連絡・調整のための組織を作るのが良いという考え方である。これはあくまでも事実上、運営上の組織であり、総理大臣決定により設置してはどうかということである。調整会議は、内閣官房と内閣府の間での経済財政に関する事務調整を行い、それを踏まえ、内閣府の内部部局が経済財政諮問会議の事務局機能を果たすこととなる。また、調整会議の座長、構成員に充てられる者のポストを固定化せず幅広い視点に立って、優れた人材を選任する。
- 事務局においても、内閣官房と内閣府の連携の仕組みを引き続き研究していきたい。
(5)以上の説明を受け、概略以下の議論が行われた。
- 「経済財政関係事務調整会議」については、報道ではここが作成した原案が経済財政諮問会議にかけられるものとされていたが、そうではないとの理解で良いのかとの質問があり、古川副長官から、全くそのようなことはなく、経済財政諮問会議を支えていくための事務の連絡の場ということに尽きるとの説明があった。
「内閣官房副長官補」といった名称も報じられ、これではあたかも固定的なポストができるかのような印象であるが、柔軟性は担保されるものと理解したい、「分掌官」は柔軟性のある組織と理解して良いのか、その辺りについて顧問会議ではいずれ議論されるのかとの質問があり、まさに、局という固定的組織ではなく課題に応じ弾力的に対応できる組織ということで総理もご裁断されたものであるが、大綱の本部決定に向けて中身はこれから詰めるところであり、然るべき段階で顧問会議でもご議論頂きたいとの応答があった。
また、内閣官房と内閣府の間の事務連絡・調整は、経済財政に限らず常に必要であり、「会議」というと何か決めなければならないということになりがちでもあるので、「経済財政関係事務調整会議」というような組織を作ることが本当に必要なのであろうか、また、内外の知恵を機動的に集めるとの観点からは、分掌官の担当も、例えば予算についても固定化するのはいかがなものか、更に、内閣府には現行の経済企画庁が丸ごと移ると言う人があるが、そうではないはずであるとの発言があった。
- これを受け、次の発言があった。
内閣官房と内閣府の在り方について、一番のキーワードは、「総合戦略性」と「機動性」であり、したがって大内閣府ではなく内閣官房と内閣府の二つに分け、それぞれに特性を発揮してもらうこととしたわけである。
よって、内閣官房については、各省の定例的人事への依存はやめ政治的任用スタッフによるということと、組織については閣議決定や総理決定で弾力的なものとするということを貫徹していただきたい。
また内閣府については、企画調整部門には内外から優秀な人材を登用すること、機動的・弾力的な対応が可能な組織とすることを貫徹していただきたい。
その上で、内閣官房と内閣府の関係については、その時々の総理大臣の主導の下で、両者の間の調整の仕組みがつくられていくものと理解すべきである。
- 関連して、経済財政諮問会議は、単に原案を承認するだけの組織ではなく、政治主導の組織とすべきであるとの発言があった。
- 以上を受け、古川副長官から次の発言があった。
経済財政は、一国の運営に大いに関わる重要問題であるので、総理大臣の主導の下、戦略的・機動的に行う必要がある。その場合、内閣官房と内閣府が発足し、時間が経つと、両者の間の距離が次第に開いていくことが懸念されるので、あくまでも事務の調整ということであるが、そのための枠組みを設けておきたいと考えている次第。人材についても、「ポストを固定化することなく」等と資料4に明記してあるとおり。一面的な報道がなされ困っているが、決してそのようなことはなく、良いものにすべく真剣に議論を重ねているところである。もちろん絶えず批判を受けて見直していく必要があることは前提としつつ、少なくとも調整の枠組みはきちんと設けていくことが必要と考えているものである。なお、「経済財政関係事務調整会議」という名称には、全くこだわらない。
- この説明を受け、「調整会議」があたかもその名において対外的に発言するかのような誤解があるが、あくまでも内部の事務調整のための会議であり、対外的なものではないと確認したいとの発言があった。
- 局の数の削減につき、総理のリーダーシップにより円滑に決定されよかった、独法等もこのような方式で進めていただきたい、また、局の数を減らしても代替措置としての部や局長級分掌官の数が増えてはいけないので、そうした観点の目配りも必要であろうとの発言があった。
また、局の数の削減は総理の裁断により決定されて大変よかった、2001年以降は新体制がしばらくの間は続くのだろうが、金融庁や公取の審査体制等、将来的には強化すべきものも出てくるであろうから、そうしたものについては状況を見つつ判断する弾力性が必要であろうとの発言があった。
- 大綱事務局原案末尾の「地方行財政制度の改革」のところは、基本法51条2号の文言と同じであるが、更につっこんだ検討はなされないのかとの質問があり、別途並行して作業が進められているので、ここでは言及するにとどめているものであるとの説明があった。
- 意見照会手続(仮称)につき、当面「規制の設定又は改廃に係る意見照会手続(仮称)」について検討を進めるとの記述の趣旨につき質問があり、当面は、規制緩和の一環で検討を進め、それを行ってから全体に広げていくということであるとの回答があった。
- 設置法と一緒に作用法もきちんと手直しをする必要があり、理想的には同時に手直しをすべきであるが、膨大な数の作用法が関係しているとの問題もあり、どのような段取りを考えているのかとの質問があり、全体を一つのパッケージとする案、いくつかの段階に分けて手当てする案等いくつかの案を検討中であるとの回答があった。これに対し、仮に同時に手当てすることが困難であるとしても、どのようなスケジュールで進めるのかは何らかの方法で明示していただきたいとの発言が重ねてあり、総定員法、独立行政法人の個別法、国家公務員法等を一括して整理する法律を後発で出すのがよいのではないかと考えているが、それが具体的にいつ出せるのかは現時点では未定であるとの説明があった。
- 環境省に環境問題についての一次調整権を与えるべきである等、基本法の規定ぶりとも異なるとして顧問会議で指摘を受けながら、そのような手当てがなされていない事項があるが、このようなものについては、どのような検討がなされているのか、説明していただきたいとの発言があった。
- 各省の政策評価と総務省の政策評価がいまだに抽象的であるが、自分で自分の評価はできないということを基本にし、特に総務省については第3者を入れた評価システムとすべきである、また、評価の問題は設置法の範疇を超えるところがあるので、時間はかかるかもしれないが別途行政運営法、行政評価法といったものを整備していくべきではないかとの意見があった。
これを受け、行政運営法については学界でも統一的な理解が現時点ではなく、また、現段階ではその内容も限定的なものとならざるを得ないので、今回の改革を契機として今後の検討課題としていただくのがよいのではないかとの発言があった。
また、政策評価については、一義的には各省が評価することになろうが、それではどうしても肯定的な評価になりがちであるので、政策評価における総務省の優位性を立法に当たってきちんと手当てすることが必要であろうとの発言があった。
- これを受けて、行政運営法については今後の課題とさせていただきたい、また、政策評価については評価の対象は様々であるので、各担当省庁がまず評価をし、総務省が更に横断的に評価をするとの体制がよいと考えているとの説明があった。
(6)次に、大綱事務局原案のスリム化の部分及び現在の検討状況につき、事務局から概略次の説明があった。
- 廃止、民営化等につき前向きの回答を得ているものとしては、食糧事務のうち食糧検査、真珠検査所、アルコール専売、工業技術院標準実施部門があったが、その後建設機械工作所についても廃止の回答を得た。国立青年の家、国立少年自然の家については独立行政法人化を検討したいとの回答が来ている。それ以外のものについては、自民党でもヒアリングが行われており、その結果も見ながら最終方針を固めたい。
- 地方分権については、地方分権推進委員会第5次勧告を尊重して進めるということにしており、公共事業のところでその内容をいくつか掲げた。
- 現業のうち国有林野事業については、具体的なスリム化の方策がいくつか決まっている。
- 独立行政法人化については、最終報告別表1記載のものについては「独立行政法人化を図るべく検討する」、それ以外のものについても「検討を積極的に進める」こととし、各省庁と更に協議中である。
- 地方支分部局については、当面の整理合理化の検討事項をブロック機関、府県単位機関、その他に分けて記述した。また、民営化、独立行政法人化等に伴う整理についても記述した。
- 審議会については別途資料5を用意したが、これは基本法30条の原点に返り、整理合理化方針を再整理したもの。資料5ー1の方針を図示したものが資料5ー2である。C、Dについては不服審査、行政処分に際し法律により審議会の関与が必要なものとして設置されているので、見直しは行うがかなりのものが存置されることになる。Bー1、Bー2についても、政省令以下の計画・基準作成にあたり専門家などの意見をきく必要のあるものであるので、見直しは行うが、存置の可能性がある。これら以外のもの、すなわちA及びBー3については、原則として廃止との方針。こうした整理をした場合、「原則として廃止、数を限定して設置」すべきものは177、「見直し、必要最小限に限って存置、統合」すべきものは162となる。なお、審議会によっては複数の機能を有するため、合計しても211にはならない。また、この方針で見直した後、残るものを更に統合する。
(7)上記の説明を受け、以下の議論が行われた。
- 何度も申し上げているが、民営化、独法化については、労働関係への配慮をよろしくお願いしたい、省庁によっては労使協議が遅れているところもあるようであり、事務局としても配慮していただきたい、また、特殊法人についても職員の意見も聞かずに整理されるとの不安感が募っているので、各省庁において然るべき配慮が為されるよう注意喚起していただきたいとの発言があった。
- 独立行政法人化については単なる数あわせにならないよう、その目的を見失わないようにしていただきたく、評価、監査、公表等による効率化を進めるようにしていただきたいとの発言があった。
- 独立行政法人化については、行革会議最終報告別表1は全て実施すべきであり、それ以外も積極的に行うべきである、中には2001年に間に合わないものもあろうが、だからといって検討の対象からはずすといったことのないようにしていただきたい、民営化についてもできる限り広範に検討していただきたいとの発言があった。
関連して、協力的な省庁といまだに頑強に抵抗している省庁とがあるようであるが、このままでは不公平なことになりかねないので、原理原則は決まっていることとしてトップダウン方式で押し切っていただきたいとの発言、局の数の削減と同様に政府5者でしっかりやっていただきたいとの発言があった。
- 審議会について、基本法30条4号にあるとおり、「審議会等の委員の構成及びその資格要件については、当該審議会等の設立の趣旨及び目的に照らし、適正に定めること」が必要であり、役所の側でなく国民の側に立った幅広い人選を進めるべきである、また、国家行政組織法8条の審議会のみならず、いわゆる私的諮問機関についても見直しを進めていただきたいとの発言があった。
これに対し、私的懇談会については、これが省庁の代弁者として意見をふりかざすようなことは厳に避けるようにすべきであると考えているとの説明があった。
- 審議会の整理合理化方針案はこれで良いと思うが、審議会が行政過程への国民参加のひとつの手段としての機能も果たしてきたことを念頭に置き、これをどうするかをも考える必要がある、行革会議最終報告では代替手段としてパブリック・コメント制度の導入について記述があるが、これについては先ほどの説明にもあったとおり、当面は限定的なものでスタートするということであれば、そのバランスが崩れてくる恐れがあり、また、単に民主的決定ということだけではなく専門家の知識の反映が必要な事項もあるので、こうしたことについてもある程度考慮の上、審議会の整理合理化を決定していただきたいとの発言があった。
これを受け、太田大臣から、法案は内閣がその責任で国会に提出すべきものであるにもかかわらず、以前の政権の下で任命された審議会からの答申を受けてこれを尊重するということ、また審議会に任せておくことで本当に良いのかという問題がある、また、200以上もの審議会があり主任の大臣すら物理的に出席できないようでは好ましくなく、適正な数に整理することは必要と考えるとの発言があり、これに対し、その点はそのとおりであるが、他方先述のような問題もあるので、今回の整理合理化に反対しているわけではないが、ただ単に審議会の廃止が自己目的化するようでは困るということであるとの発言があった。
- いよいよ重要な場面を迎えつつあるが、顧問会議では十分に見えないこともあり、もっと意見を言いたいこと、意見を言ったのに反映されないこと等もあるので、顧問会議が「形式的な審議会」にならないよう配慮をしていただきたいとの発言があり、全体の会議だけでは限界もあるので個別にご指摘を頂ければ遺漏なく対応するようにしたいとの応答があった。
(8)最後に太田大臣から、労働関係への配慮は当然念頭に置いているが、一義的には各省の方とやっていただくものであるので、各省に対しても注意喚起したい、また、独立行政法人については難渋している面もあるが、例えば国立学校など検討もしないというスタンスから5年後という期限を切って検討するとなったものもあるとの発言があった。
(9)次回顧問会議は1月13日(水)に開催することとされた。
以 上
(文責 中央省庁等改革推進本部事務局)
ー速報のため事後修正の可能性ありー